JP2000204297A - パテ組成物 - Google Patents

パテ組成物

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JP2000204297A
JP2000204297A JP11006358A JP635899A JP2000204297A JP 2000204297 A JP2000204297 A JP 2000204297A JP 11006358 A JP11006358 A JP 11006358A JP 635899 A JP635899 A JP 635899A JP 2000204297 A JP2000204297 A JP 2000204297A
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polymerizable unsaturated
putty
putty composition
weight
monomer compound
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JP11006358A
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English (en)
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Tadao Komatsu
忠男 小松
Toshihiko Sakuraba
壽彦 桜庭
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Ishihara Chemical Co Ltd
Original Assignee
Ishihara Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光硬化型のパテ組成物において、硬化した後
のパテ組成物と下地との接着性を改善し、且つ下地に対
する防錆性を向上せしめることを目的とする。 【解決手段】 重合性不飽和基含有樹脂30〜80重量
%と、重合性不飽和単量体化合物20〜70重量%と、
250〜600nmに吸収波長域を有する光重合開始剤
とを含有するパテ組成物において、前記重合性不飽和基
含有樹脂と重合性不飽和単量体化合物との合計量100
重量部に対して0.5〜30重量部の重合性リン酸エス
テルを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物、重構造物、
車両、機械類などの損傷箇所を補修するためのパテ組成
物に関するものであって、特に自動車の外板などの損傷
箇所を補修のに適したパテ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車の外板などの損傷箇所
を補修する際には、損傷箇所の古い塗膜を剥離した後、
ポリエステル樹脂などのパテを塗り付け、これを硬化さ
せた後平滑に研磨して面出しし、然る後その面出しした
パテの上に塗料で塗装を施すことが行われていた。
【0003】そしてそこで使用されるパテとしては、不
飽和ポリエステルと有機過酸化物の硬化剤とよりなる常
温硬化型又は促進硬化型の二液のものが使用されている
が、可使時間が短く、パテ主剤と硬化剤とを混合した後
は短時間のうちにパテ付けをしなければならず、熟練を
要するものであった。
【0004】一方、重合性不飽和基含有化合物と光増感
剤とを含む光硬化型のパテも知られており、このものは
一液型とすることができ、また紫外線を照射しない状態
では十分な可使時間を有しており、塗布した後紫外線を
照射することにより硬化させることができるので使いや
すい。
【0005】しかしながらその反面、この種のパテは傷
を隠蔽するために隠蔽力の大きい顔料を配合することが
多いが、このようなパテを厚く塗り付けた場合には、紫
外線がパテの内部にまで透過せず、表面のみが硬化して
内部はなかなか硬化しないという状況となりやすい。し
かもパテに紫外線を照射するために紫外線ランプが必要
であり、オゾンなどの有害なガスが生じ、また漏れた紫
外線で目を傷める危険もあった。
【0006】そこで本願出願人は、重合性不飽和基含有
樹脂、重合性不飽和単量体化合物及び、光重合開始剤を
含有するパテ組成物において、前記光重合開始剤とし
て、400〜600nmに吸収波長域を有する可視光重
合開始剤と、250〜400nmに吸収波長域を有する
紫外線重合開始剤とを併用したパテ組成物を発明し、特
願平9−331038号として出願している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記パテ
組成物においては、硬化した状態におけるパテ組成物と
下地との接着性が不十分であった。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、前述の光硬化型のパテ組成物において、硬化し
た後のパテ組成物と下地との接着性を改善し、且つ下地
に対する防錆性を向上せしめることを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】而して本発明は、重合性
不飽和基含有樹脂30〜80重量%と、重合性不飽和単
量体化合物20〜70重量%と、250〜600nmに
吸収波長域を有する光重合開始剤とを含有するパテ組成
物において、前記重合性不飽和基含有樹脂と重合性不飽
和単量体化合物との合計量100重量部に対して0.5
〜30重量部の重合性リン酸エステルを含有することを
特徴とするものである。
【0010】本発明においては、前記光重合開始剤が、
400〜600nmに吸収波長域を有する可視光重合開
始剤と、250〜400nmに吸収波長域を有する紫外
線重合開始剤とよりなることが好ましい。またその光重
合開始剤の配合量は、前記重合性不飽和基含有樹脂と不
飽和単量体化合物の合計量100重量部に対して、0.
5〜20重量部とするのが適当である。
【0011】また本発明においては、前記重合性不飽和
基含有樹脂と重合性不飽和単量体化合物との合計量10
0重量部に対して、1〜20重量部の研磨材を含有せし
めることが好ましい。
【0012】本発明のパテ組成物は、(A)重合性不飽
和基含有樹脂と、(B)重合性不飽和単量体化合物と、
(C)重合性リン酸エステルと、(D)光重合開始剤と
の四成分を必須とするものである。
【0013】前記重合性不飽和基含有樹脂(A)成分と
しては、重合可能のエチレン性二重結合を有するポリエ
ステル系、アクリル系、ウレタンアクリレート系、エポ
キシアクリレート系などのオリゴマー又はポリマーが使
用される。
【0014】また前記重合性不飽和単量体化合物(B)
成分としては、エチレン性不飽和基を有するモノマー又
はオリゴマーであって、例えばメトキシジエチレングリ
コールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどのモ
ノメタクリレート化合物、フェノキシエチルアクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ラ
ウリルアクリレートなどのモノアクリレート化合物、エ
チレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリ
レートなどのジメタクリレート化合物、ポリエチレング
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、2−ヒドロキシ,1−アクロキシ,3−メタクリロ
キシプロパンなどのジアクリレート化合物、アクリロイ
ルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
などの含窒素化合物、スチレン、α−メチルスチレン、
クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、ジア
リルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリル
フタレート、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエ
ステルアクリレートオリゴマー、ポリジメチルシリコン
ジ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタンオリゴマ
ーなどを挙げることができる。またこれらを二種以上併
用することもできる。
【0015】これらの重合性不飽和基含有樹脂と重合性
不飽和単量体化合物との比率は、添加する充填材の種類
や添加量、パテの性状などにより異るが、重量比で30
/70〜80/20とすべきであり、好ましくは40/
60〜70/30とするのが適当である。
【0016】本発明における光重合開始剤としては、吸
収波長域が250〜600nmすなわち、可視光から紫
外線に跨がった領域に存在するものを使用する。好まし
くは、400〜600nmの比較的紫外線に近い可視光
領域に吸収波長域を有する可視光重合開始剤と、250
〜400nmの可視光に近い紫外線領域に吸収波長域を
有する紫外線重合開始剤とを併用するのが好ましい。
【0017】可視光重合開始剤としては、エチル2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフォネ
ート、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジ
フルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウムなどが挙
げられる。
【0018】また紫外線重合開始剤としては、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オ
ン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}
−2−モンフォリノプロパノン−1、ベンゾフェノン、
ベンジルケタベンジルケクール、ベンジルメチルケクー
ル、ジエトキシアセトフェノン、2−2−ジメトキシ−
1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ
−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−
{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モンフォリノプ
ロパノン−1、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェ
ニルケトン、1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
フェニル}−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビ
スアシルフォスフィンオキサイド、(η5−2,4,シ
クロペンタジエン−1−イル){(1,2,3,4,
5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン}−アイ
アン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)
などを挙げることができる。
【0019】可視光重合開始剤と紫外線重合開始剤との
比率は、90/10〜10/90が適当であり、好まし
くは70/30〜30/70とするのが好ましい。可視
光重合開始剤の比率が高過ぎるとパテの表面の硬化が進
まず、また紫外線重合開始剤の比率が高過ぎると内部が
硬化しにくいものとなる。
【0020】光重合開始剤の使用量は、重合性不飽和基
含有樹脂及び重合性不飽和単量体化合物の合計量100
重量部に対して、0.5〜20重量部とするのが適当で
ある。光重合開始剤の量が過少ではパテを速やかに硬化
させることができず、また20重量部以上使用しても効
果の増大は期待できない。
【0021】また層間ブリスターを防止して耐候性を向
上させるために、ベンゾトリアゾール系やトリアジン系
などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系などの光安定
剤、アルカノールアミン系やジアルキルアミノベンゾフ
ェノン系、ジアルキルアミノ安息香酸エステル系などの
増感剤を添加することもできる。
【0022】而して本発明は上記の各成分の他に、第四
の成分として重合性リン酸エステルを含有する点に特徴
を有している。この重合性リン酸エステルは前記重合性
不飽和基含有樹脂や重合性不飽和単量体化合物と共重合
可能な不飽和基を有する酸とリン酸とのエステルであっ
て、具体的には例えば、ビスメチルアルキルフォスフェ
ート、アルキルメタクリルオキシアルキルフォスフェー
ト、含リンエポキシメタクリレートなどを挙げることが
できる。
【0023】重合性リン酸エステルの含有量は、重合性
不飽和基含有樹脂及び重合性不飽和単量体化合物の合計
量100重量部に対して、0.5〜30重量部とするべ
きである。重合性リン酸エステルの量が過少ではパテ組
成物と下地との接着性向上の効果が得られず、また30
重量部を超えて多量に使用してもそれ以上の効果の増大
は期待できない。
【0024】また本発明においては、硬化したパテの研
削性を向上させるために、研磨材を添加するのが好まし
い。研磨材としては、ジンクステアレート、カルシウム
ステアレート、アルミニウムステアレートなどの滑剤を
使用するのがよく、特にジンクステアレートが好まし
い。またその滑剤の添加料は、前記重合性不飽和基含有
樹脂と重合性不飽和単量体化合物との合計量100重量
部に対して、1〜20重量部とするのが適当である。
【0025】従来のパテ組成物においては、多量の体質
顔料を添加することにより研削性を確保していたが、本
発明においては体質顔料を多量に添加すると光の透過性
が低下し、光により硬化させることができなくなる。そ
のため体質顔料の添加量を抑制せざるを得ないのである
が、そのようにすると研削性が低下し、硬化後の面出し
が困難となる。
【0026】そこで請求項2のように研磨材を添加する
ことにより、少量の添加により研削性を向上させること
ができ、硬化後の研削性を確保しつつ、光による硬化性
を有するパテ組成物を得ることができる。
【0027】さらに本発明においては、前記各成分の他
に必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。
例えば素地や上塗り層との付着性の向上、作業性向上な
どの目的で、必要に応じてセルロース誘導体、熱可塑性
樹脂、非反応性希釈剤などを添加することができる。
【0028】セルロース誘導体としては、セルロースア
セテートブチレート、ニトロセルロースなどが挙げら
れ、熱可塑性樹脂としてはポリエステル誘導体、ポリメ
タクリル酸メチル誘導体、ポリ酢酸ビニル誘導体、ポリ
塩化ビニル誘導体、ポリカプロラクトン誘導体などを挙
げることができる。さらに非反応性希釈剤としては、ト
ルエンなどの有機溶剤を使用することができる。
【0029】これらの添加物は、前記重合性不飽和基含
有樹脂及び重合性不飽和単量体化合物よりなるパテ主剤
の特性を阻害しない範囲で使用するべきであり、重合性
不飽和基含有樹脂と不飽和単量体化合物の合計量100
重量部に対して、概ね40重量部以下、好ましくは20
重量部以下とするのが好ましい。
【0030】また本発明のパテ組成物には必要に応じて
各種の顔料を配合することができるが、本発明のパテ組
成物は光硬化性であって、硬化に際してその内部まで光
を照射する必要があるので、特に紫外線に対して透過性
を有する顔料を使用するのが好ましい。
【0031】紫外線透過性の顔料としては、光透過性が
強くかつ防錆性に優れた、ポリリン酸化合物、トリポリ
リン酸化合物、リン酸共重合化合物などのリン酸塩や、
環境対応型防錆剤としての有機ニトロ化合物の金属塩、
2−ベンゾチアゾニルチオコハク酸塩などの有機防錆顔
料、塩基性モリブデン酸化合物、ホウ酸塩、メタホウ酸
塩、シリケート、カーボネートリン酸混合物、ジンクフ
ェライトなどを使用することができる。特にトリポリリ
ン酸二水素アルミニウムが好ましく、これを添加するこ
とにより、パテ内部への十分な光の透過を保持しなが
ら、優れた防錆性を得ることができる。
【0032】体質顔料としては、その粒子が鱗片状であ
って、屈折率がパテ主剤に近くて光透過性を有するもの
が好ましく、タルク、マイカ、合成マイカなどを使用す
るのが好ましい。特にタルクが好ましく、その添加量は
前記重合性不飽和基含有樹脂及び重合性不飽和単量体化
合物の合計量100重量部に対して、40重量部以下で
あり、好ましくは20重量部以下とするのがよい。
【0033】これらを使用することにより、パテ上に塗
料を塗布したときに鱗片状の顔料が塗料の吸い込みを阻
止して塗装が容易であり、また塗膜の艶が劣化すること
もなく、パテの硬化に際しても収縮を防止し内部応力を
緩和するなど、優れた効果を挙げることができる。
【0034】また本発明には、その性能に悪影響を与え
ない範囲で、作業性や分散性などを向上させるために、
垂れ止め剤、分散剤、レベリング剤などの各種の添加剤
を添加することも可能である。
【0035】
【作用】本発明のパテ組成物は、一液のものとして調製
される。本発明のパテ組成物は光硬化性であるので、光
を遮断しておけば硬化が開始されることがなく、可使時
間は極めて長い。遮光性の壜や缶、搾り出しチューブな
どに封入して取り扱うことができる。
【0036】また筒状のチューブの側面に長さ方向に開
閉自在のファスナーを形成しておき、そのファスナーを
少しずつ開いてチューブを展開しつつ、露出したパテ組
成物を補修対象物に適用するようにすることができる。
このようにすれば展開したチューブを介して作業できる
ので、手を汚すことが少ないと共にパテ組成物から光が
遮断され、残ったパテ組成物はファスナーを閉じること
により未反応のままでチューブ内に回収することができ
る。
【0037】而して本発明のパテ組成物は、そのまま粘
土状のパテとしてへらなどで塗り付けることもできる
が、組成物中の重合性不飽和単量体化合物又は適宜の溶
剤で粘度を調整し、液状のものとして使用することもで
き、またそれをスプレーにより補修対象物に塗布するこ
とも可能である。
【0038】そして本発明のパテ組成物を補修対象物の
損傷部に塗り付けて、可視光に近い紫外線又は紫外線に
近い可視光を照射することにより硬化する。照射光とし
ては、250〜600nm程度の波長が適当であり、か
かる光を照射するものとしては、高圧水銀ランプ、メタ
ルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、
ハロゲンランプ、低圧水銀灯などを使用することができ
る。また多少時間はかかるものの、太陽光の直射によっ
ても硬化させることができる。
【0039】特にブラックライトなどの低圧水銀灯は、
その波長が約300〜400μ程度と紫外線領域の中で
も比較的長く、光が目や皮膚に照射されても人体への影
響が少なく安全である。
【0040】本発明のパテ組成物が硬化する際には、重
合性不飽和基含有樹脂と重合性不飽和単量体化合物とが
光重合開始剤の作用で重合反応を生じるのであるが、重
合性リン酸エステルも当該重合反応に寄与して重合体中
に取り込まれ、当該重合体と一体に結合したリン酸基が
形成される。
【0041】而して当該リン酸基は素地の鉄に対して強
固に結合し、硬化したパテと素地の鉄との間の密着性が
大きく向上するのである。またリン酸は鉄に対して防錆
作用を有し、高度の防錆性を発揮する。
【0042】パテ組成物が十分に硬化したならば、必要
に応じて表面を研磨して面出しする。本発明のパテ組成
物は一度塗りで十分に厚く塗り付けることもできるが、
補修対象物の損傷部が深くて一度塗りでは十分に面出し
できないときは、複数回に分けて塗り付けることもでき
る。
【0043】請求項2に記載したようにパテ組成物に研
磨材を添加することにより、研磨する際の研削性に優れ
たものとなり、サンドペーパーによる水研ぎや空研ぎに
おいて、優れた研削性を示し、容易に面出しすることが
できる。
【0044】次いで面出ししたパテ組成物の上に塗装す
る。塗装はプライマーサーフェーサーで下塗りしたのち
に上塗り塗装することもできるが、本発明の場合にはプ
ライマーサーフェーサーによる下塗りを塗装することな
く、直接上塗り塗装することもでき、工程を大幅に簡略
化することができる。
【0045】プライマーサーフェーサー塗装には、ラッ
カー系、ウレタン系、アルキド系、エポキシ系などの補
修用に通常使用されるプラサフを使用することができ、
特に塗料の種類に制限はない。
【0046】また上塗り塗装には、アクリルラッカー、
ウレタン硬化型塗料、フッ素樹脂系などの、有機溶剤系
や水系の塗料を使用することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、光硬化性のパテ組成物
であって、光重合開始剤として紫外線領域と可視光線領
域に跨がった範囲のものを使用するので、可視光重合開
始剤によってより内部まで速やかに硬化反応が進行する
と共に、紫外線重合開始剤により酸素の影響を受けずに
表面を硬化させ、表面も内部も均等に硬化させることが
できる。
【0048】特に400〜600nmに吸収波長域を有
する可視光重合開始剤と、250〜400nmに吸収波
長域を有する紫外線重合開始剤とを併用することによ
り、パテ組成物の表面も内部もより均等に硬化させるこ
とができる。
【0049】また複数回重ね塗りをした場合には、下層
の表面が紫外線重合開始剤で十分に硬化せしめられてお
り、また上層は可視光重合開始剤で底部まで速やかに硬
化するので、層間の密着力に優れており、層間剥離を生
じにくい。また表面の硬化状態が良好であるので、プラ
イマーサーフェーサーを使用することなく、直接上塗り
塗装を施すことも可能である。
【0050】また本発明によれば、パテ組成物に重合性
リン酸エステルが含まれており、パテ組成物の硬化によ
りその重合性リン酸エステルが重合体中に取り込まれ、
そのリン酸エステルを介して重合体と素地の鉄とが強固
に密着する。またリン酸の作用に撚り素地に対して防錆
作用を有する。
【0051】またパテ組成物に研磨材を添加することに
より研削性が向上し、サンドペーパーで研磨することに
より容易に面出しすることができる。
【0052】
【実施例】[パテ組成物の調製]表1に示す配合に基づ
いて、重合性不飽和基含有重合体、重合性不飽和単量体
化合物、重合性リン酸エステル及び顔料を混合して攪拌
し、高速ディゾルバーで20分間分散した後、これに重
合開始剤を添加して混合し、実施例1,2及び比較例1
〜3のそれぞれパテ組成物を調製した。ただし比較例2
については、重合開始剤は塗布の直前に混合した。
【0053】表1における重合性不飽和基含有樹脂は、
次の通りである。 UV−2533 :日本合成化学工業社製、エポキシア
クリレート樹脂 PO84F :BASF社製、ポリエーテルアクリ
レート樹脂
【0054】
【表1】
【0055】[試験塗板の調製]上記で得られた各実施
例及び比較例の各パテ組成物を、試験板上に5mm厚と
なるようにへらで塗布し、出力150Wのショートアー
クメタルハライドランプにて照射距離30mmで20秒
間照射して硬化させ、試験塗板とした。なお比較例2に
ついては、1500Wのハロゲンランプで照射距離15
cmで10分間照射した。
【0056】上記試験に使用した試験板は、次の通りで
ある。 軟鋼板(90×150×0.8mm) 亜鉛メッキ鋼板(90×150×0.8mm) アルミニウム板(90×150×1mm) 亜鉛メッキ鋼板(90×150×0.8mm)上に、アミノア
ルキド樹脂系塗料を、乾燥膜厚40μmとなるように塗
布し、140℃で20分間焼付けた後、#400耐水ペ
ーパーで軽く研磨した塗装板
【0057】[パテの性能]次に前記パテ組成物を塗布
した試験塗板について、次の各性能を調べた。
【0058】[硬化性]試験板に塗布したパテ組成物に
ついて、その表面のタックの有無及び、内部の硬化の状
況を指触により調べた。
【0059】 内部 ○:内部まで固く硬化している。 △:内部が若干柔らかく、硬化不良気味である。 ×:硬化不良で内部が柔らかい。
【0060】[付着性]各試験塗板を中央部で90°の
角度に折り曲げ、当該折り曲げ部のパテの状態を観察し
た。 ○:パテの剥離がなく良好である。 ×:パテが剥離している。
【0061】[研削性]各試験塗板の表面を#400耐
水ペーパーで研磨して、パテの表面の研磨状態を観察し
た。 ○:からみがなく良好である。 △:若干のからみが見られる。 ×:著しいからみが見られる。
【0062】[塗装試験]軟鋼板(90×150×0.8mm)の
上に、前記各実施例及び比較例のパテ組成物を塗布して
5mm厚となるようにへらで均一に塗布し、出力120
Wのハロゲンランプ(有効波長域400〜500nm)
にて照射距離30mmで3分間照射して硬化させた。な
お比較例2については、1500Wのハロゲンランプに
て、照射距離15cmで10分間照射した。
【0063】次いで得られた硬化パテの表面を#400
耐水ペーパーで研磨した後、アクリルウレタン樹脂系上
塗塗料を乾燥膜厚50μmとなるようにスプレー塗装
し、60℃で30分間乾燥させて、塗装板を得た。得ら
れた塗装板について、塗装性能を調べた。
【0064】[仕上り性]塗装板の塗装仕上り状態を目
視により観察した。 ○:良好である。 △:塗面に若干の歪みが見られる。 ×:塗面に歪み又はパテ跡が見られる。
【0065】[塗面耐水性]前記塗装板を水道水に7日
間浸漬した後、塗面におけるブリスターの発生状態を観
察した。 ○:ブリスターなく良好である。 △:一部にブリスターが発生した。 ×:全面にブリスターが発生した。
【0066】[耐水折り曲げ付着性]前記耐水試験を行
った試験塗装板について、折り曲げ試験を行い、付着性
を評価した。評価は前記付着性の試験と同様である。
【0067】[耐水ゴバン目試験]前記耐水試験を行っ
た試験塗装板について、2mm間隔のゴバン目テープ剥離
試験を行い、付着性を調べた。 ○:剥離なく良好である。 △:一部に剥離が見られる。 ×:全面に多数の剥離が見られる。
【0068】[試験結果]試験の結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 C09D 4/06 C09D 4/06 Fターム(参考) 4J002 AA011 BG021 BG041 BG051 BG071 CD191 CF031 CK021 CP171 EE037 EG036 EG046 EW147 EW177 FD206 4J011 AA05 PA29 PB40 PC02 QA03 QA04 QA06 QA09 QA13 QA20 QA42 QB01 QB12 QB19 QB24 QB25 SA02 SA14 SA16 SA22 SA51 SA84 SA86 SA87 UA01 UA06 4J027 AA01 AB01 AC03 AE01 AG01 BA05 BA07 BA08 BA09 BA13 BA14 BA16 BA18 BA19 BA20 BA22 CA17 CA18 CA24 CA25 CA34 CB10 CC04 CC05 CD09 4J038 CG141 CG142 CH021 CH022 CH071 CH072 CH171 CH172 CJ281 CJ282 DB451 DB452 DD181 DD182 DG221 DG222 FA041 FA042 FA141 FA142 FA151 FA152 FA161 FA162 FA201 FA202 FA212 FA241 FA242 FA251 FA252 FA261 FA262 FA281 FA282 JA46 JA47 KA03 KA07 NA12 PB05 PB07 PB12 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性不飽和基含有樹脂30〜80重量
    %と、重合性不飽和単量体化合物20〜70重量%と、
    250〜600nmに吸収波長域を有する光重合開始剤
    とを含有するパテ組成物において、前記重合性不飽和基
    含有樹脂と重合性不飽和単量体化合物との合計量100
    重量部に対して0.5〜30重量部の重合性リン酸エス
    テルを含有することを特徴とする、パテ組成物
  2. 【請求項2】 前記重合性不飽和基含有樹脂と重合性不
    飽和単量体化合物との合計量100重量部に対して、4
    〜20重量部の研磨材を含有することを特徴とする、請
    求項1に記載のパテ組成物
  3. 【請求項3】 前記光重合開始剤が、400〜600n
    mに吸収波長域を有する可視光重合開始剤と、250〜
    400nmに吸収波長域を有する紫外線重合開始剤とよ
    りなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のパテ
    組成物
  4. 【請求項4】 前記光重合開始剤の配合量が、前記重合
    性不飽和基含有樹脂と不飽和単量体化合物の合計量10
    0重量部に対して、0.5〜20重量部であることを特
    徴とする、請求項1、2又は3に記載のパテ組成物
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009067827A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Toyoda Gosei Co Ltd 光硬化型着色塗料及び塗装樹脂製品
CN111378311A (zh) * 2018-12-29 2020-07-07 泰州市龙洋木业有限公司 一种用于板材加工的高导光性能的uv腻子及其制备方法

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