JP2000203998A - 酸化チタンを含む細線の製造方法、該製造方法により製造された細線および構造体 - Google Patents

酸化チタンを含む細線の製造方法、該製造方法により製造された細線および構造体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性に優れ、ナノサイズの径を有する酸化
チタンを含む細線、特には酸化チタンウィスカーの製造
方法を提供する。 【解決手段】 チタンを含む表面11を有する基体10
を用意する第一の工程(a)と、前記表面にチタンとは
異なる材料13を離散的に配置する第二の工程(b)
と、チタンを酸化する雰囲気中で、前記第二の工程を施
した前記チタンを含む表面を熱処理して酸化チタンを含
む細線15を形成する第三の工程(c)を有する酸化チ
タンを含む細線の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタンを含む
細線の製造方法、該製造方法により製造される細線およ
び構造体に関する。特には酸化チタンウィスカー製造方
法に関する。さらに詳しくは、電子デバイスやマイクロ
デバイスなどの機能材料や構造材料などとして、広い範
囲で利用可能な酸化チタンウィスカーであり、特に機能
材料の例としては光電変換素子、光触媒素子、電子放出
材料などに関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン材料は、その光半導体特性や
光触媒作用の応用として、光太陽電池、有害物質の分
解、抗菌などを中心に研究が盛んに行われている。たと
えば、特開平8−302498号公報には、酸化チタン
微粒子の抗菌作用を建築材料に利用した例が開示されて
いる。
【0003】また、グレッツェル(M.Gratze
l)らは、コロイド溶液の塗布、焼成により作成した数
nmサイズのTiO2微粒子を用いて湿式太陽電池を試
作し、エネルギー変換効率は7.1〜7.9%を得てい
る。(B.O’Reganet.al“NATURE”
353(1991)737)。この比較的大きな変換効
率は、酸化チタンのサイズをナノメータサイズに小さく
し、表面積を大きくすることで実現している。
【0004】他にも、最近では、酸化チタン表面に紫外
線を照射すると、30〜80nmの大きさで親水性と親
油性領域が形成され、マクロには親水性と親油性を併せ
持つ表面性を示すようになるという報告がなされている
(“NATURE”388(1997)431)。
【0005】これらの例にも見てとれるように、酸化チ
タンは、その大きさをナノサイズまで小さくすることに
より、新たな機能を有する材料なる可能性がある。これ
らは、n型半導体である酸化チタンをある特徴的な長さ
より小さいサイズにすることにより、電子の閉じ込め
や、表面作用において、特異な電気的、光学的、化学的
性質が現れたものと考えられるが、その本質は明らかで
ない部分が多い。
【0006】これらを踏まえ、ナノサイズの酸化チタン
材料は、電子デバイスやマイクロデバイスなどにおいて
新たな機能材料や構造材料として、幅広い応用を期待で
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、ナノサイ
ズの大きさを有し、さらには結晶性の優れた酸化チタン
材料を実現できれば、光電変換機能をはじめとする電気
的、光学的、化学的性質のさらなる向上が期待できる。
しかしながら、従来、ナノサイズの大きさを有し結晶性
に優れた酸化チタン材料を、簡便な手法で作成すること
はことは難しかった。
【0008】一般にナノサイズの材料を作成する方法と
して、フォトリソグラフィーをはじめ、電子線露光、X
線露光などの微細パターン描画技術をはじめとする半導
体加工技術による作成方法があげられる。しかし、これ
らの方法は、歩留まりの悪さや装置のコストが高いなど
の問題があり、簡易な方法で再現性よく作成できる方法
が望まれている。
【0009】また、先のM.Gratzelらの微粒子
の作成方法はコロイド溶液の塗布と焼成による比較的簡
易な方法であるが、作成される酸化チタンの結晶性や微
粒子形状などに対して、制御性や再現性に課題がある。
【0010】他には、益田らが、酸化チタンにより、陽
極酸化アルミナのレプリカをとり、ポーラスTiO2
構成した例が挙げられる(“Jpn.J.Appl.P
hys.”31(1992)Ll775〜Ll777,
“J.of Materials Sci.Let
t.”15(1996)1228〜1230)。しか
し、この方法は、レプリカをとる過程において、多くの
煩雑な工程を経なければならない事、電着によりTiO
2を形成するためその結晶性が悪いことなどの課題が挙
げられる。
【0011】一方、結晶性の優れる材料としてウィスカ
ー結晶が知られる。ウィスカー結晶の作成方法として
は、ハロゲン化物を原材料して用い、還元法、気相化学
成長法により作成する方法が知られており、チタン化合
物としてTiC、TiNなどが合成されている。
【0012】酸化チタンのウィスカーを作成した例とし
ては、サブミクロンサイズのチタン酸カリウムウィスカ
ーが開発され、織維強化プラスチックや繊維強化金属、
繊維強化セラミックヘの応用が試みられている(“日本
金属学会誌”58(1994)69〜77)。ただし、
これらは粉末状のものであり、基板上に配することはで
きていない。また、ウィスカーサイズが径0.2〜1.
0μm、長さ5〜60μmであり、ナノサイズ特有の効
果を引き出すためには、更なる微細化が必要である。
【0013】他には、シー コーデット(C.Codd
et)らにより、Tiの板を、H2O含有雰囲気中で熱
処理することで酸化チタンウィスカーの成長が選られた
報告がある(“C.R.Acad.Sc.Pari
s,”t.281(1975)507〜510)が、こ
の場合も径の太さは10μm程度と太い。
【0014】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、結晶性に優れた酸化チタン材料、特にナノサイズの
酸化チタン細線および酸化チタンウィスカー、それらの
製造方法を提供するものである。さらには、基体上に上
記酸化チタン細線あるいは酸化チタンウィスカーを配置
したナノ構造体を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものである。即ち、本発明の第一の態様は、
(A)チタンを含む表面を有する基体を用意する第一の
工程、(B)前記表面に、チタンとは異なる材料を離散
的に配置する第二の工程、(C)チタンを酸化する雰囲
気中で、前記第二の工程を施した前記チタンを含む表面
を熱処理して酸化チタンを含む細線を形成する第三の工
程を有することを特徴とする酸化チタンを含む細線の製
造方法にある。
【0016】また、本発明の第二の態様は、(A)チタ
ンを含む表面を有する基体を用意する第一の工程、
(B)前記表面に、チタンとは異なる材料を島状に配置
する第二の工程、(C)チタンを酸化する雰囲気中で、
前記第二の工程を施した前記チタンを含む表面を熱処理
して酸化チタンを含む細線を形成する第三の工程を有す
ることを特徴とする酸化チタンを含む細線の製造方法に
ある。
【0017】本発明の態様において、前記チタンと異な
る材料が、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、
Sc、Y、La、Cu、Zn、Al、Zr、Moのいず
れかであることが好ましい。前記チタンと異なる材料
は、蒸着法、スパッタ法、CVD法のいずれかにより前
記表面に形成されることが好ましい。
【0018】前記第三の工程は、O2およびH2を含む雰
囲気中で前記チタンを含む表面を熱処理する工程である
ことが好ましい。前記チタンを酸化する雰囲気は、H2
Oを含む雰囲気であることが好ましい。前記チタンを酸
化する雰囲気は、H2OおよびH2を含む雰囲気中である
ことが好ましい。
【0019】前記雰囲気中のH2Oの分圧が、1.33
×10-2Pa(10-4torr)以上2.66×103
Pa(20torr)以下であることが好ましい。前記
雰囲気中のO2の分圧が、0.133Pa(10-3to
rr)以上2.66×104Pa(200torr)以
下であることが好ましい。前記雰囲気中のH2の分圧
が、13.3Pa(100mtorr)以上であること
が好ましい。
【0020】前記第三の工程における熱処理の温度が6
00℃以上900℃以下であることが好ましい。
【0021】さらには、本発明の第三の態様は、(A)
チタンを含む表面を有する基体を用意する第一の工程、
(B)前記表面に、チタンとは異なる金属元素を含む液
体を接触させることにより、前記表面に前記金属元素を
配置する第二の工程、(C)チタンを酸化する雰囲気中
で熱処理して前記表面に酸化チタンを含む細線を形成す
る第三の工程を有することを特徴とする酸化チタンを含
む細線の製造方法にある。
【0022】前記チタンとは異なる金属元素を含む液体
は、該金属元素の水溶液であることが好ましい。前記水
溶液は、酸溶液であることが好ましい。前記第二の工程
は、前記液体に、前記基体を浸漬する工程であることが
好ましい。前記第二の工程は、さらに前記液体に前記基
体を浸漬した状態で前記チタンを含む表面を陽極酸化す
る工程であることが好ましい。
【0023】前記金属元素が、Li、Na、K、Mg、
Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Cu、Zn、A
l、Zr、Moのいずれかから選ばれた金属元素である
ことが好ましい。
【0024】さらには、本発明の第四の態様は、(A)
チタンを含む表面を有する基体を用意する第一の工程、
(B)前記表面を粗面化する第二の工程、(C)チタン
を酸化する雰囲気中で熱処理して前記表面に酸化チタン
を含む細線を形成する第三の工程を有することを特徴と
する酸化チタンを含む細線の製造方法にある。前記第二
の工程は、前記表面をエッチングする工程であることが
好ましい。
【0025】さらには、本発明の第五の態様は、(A)
チタンを含む表面を有する基体を用意する第一の工程、
(B)前記表面に紫外線を照射するする第二の工程、
(C)チタンを酸化する雰囲気中で熱処理し、前記表面
に酸化チタンを含む細線を形成する第三の工程を有する
ことを特徴とする酸化チタンを含む細線の製造方法にあ
る。
【0026】さらには、本発明の第六の態様は、酸化チ
タンを含む細線であって、上記の製造方法により製造さ
れた酸化チタンを含む細線にある。前記細線が、酸化チ
タンを含むウイスカー結晶であることが好ましい。
【0027】さらには、本発明の第七の態様は、基体
と、該基体上に上記の酸化チタンを含む細線を具備する
ことを特徴とする構造体にある。前記細線が、酸化チタ
ンを含むウイスカー結晶であることが好ましい。
【0028】上記の本発明の製造方法によれば、結晶性
に優れ、ナノサイズの径を有する酸化チタンを含む細
線、特には、酸化チタンウィスカーを大量に制御性高く
得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の酸化チタンを含む細線の
製造方法について図2を用いて説明する。本発明の製造
方法は、表面にチタンを有する基体を、酸化雰囲気中で
熱処理することにより、基体の表面から酸化チタンを含
む細線を成長させることを特徴とする。
【0030】特に、表面にチタンを有する基体は、その
表面形態に非一様性を有するものを用いる。このように
表面形態を非一様性にする事で、作成される酸化チタン
ウィスカーの径を細くし、さらにウィスカーの生成量を
増やす事ができる。
【0031】ここでチタンを有する表面形態の非一様性
とは、表面に数ミクロンから原子スケールの大きさの表
面形態の異なる領域が広い面積にわたり多数形成される
ことを意味する。本発明においては、それぞれの領域の
大きさは小さい方が、酸化チタンウィスカーの径を細く
するためには好ましい。
【0032】チタンを有する表面形態の非一様性として
は、例えば幾何学的形状としての凸凹を始め、材料、組
成、結晶方位、結晶性などの物理的構成、ダングリング
ボンド、表面終端元素、表面酸化膜及びその膜厚などの
表面化学状態、さらにはそれらに起因する仕事関数、親
水性、抵抗率、融点、誘電率などの物理化学的性質など
が挙げられる。
【0033】以下、図2(a)〜(c)を用い、本発明
の酸化チタンを含む細線の具体的な製造方法の一例を順
に追って説明する。図2において、10は基体、11は
Tiを主成分とする膜、12は基板、15は酸化チタン
を含む細線である。
【0034】工程A (図2(a)参照) まず、表面にチタン(Ti)を含む表面を有する基体1
0を用意する。基体10としては、表面にチタンを有し
ていればよく、例えばチタンの板や、チタン合金の板、
図2(a)に示すように石英ガラスやSi等の各種基板
12上にTiを主成分とする膜11を形成した基体など
を好ましく用いることができる。ここで、Tiを主成分
とする膜11は、例えば、Tiを抵抗加熱蒸着、EB蒸
着、スパッタ、CVD、メッキをはじめとする任意の製
膜方法により成膜することができる。
【0035】工程B(図2(b)参照) 続いて、Tiを含む表面を非一様な表面形態に処理す
る。具体的には、第一の手法として、Tiを含む表面上
に、Tiとは異なる材料を被覆することにより行うこと
ができる。また、第二の手法としては、Tiを含む表面
に、Tiとは異なる金属元素を含む液体を接触すること
によっても行うことができる。さらには、第三の手法と
して、Tiを含む表面を粗面化することによっても行う
ことができる。あるいは、また、第四の手法として、T
iを含む表面に紫外線を照射することによっても行うこ
とができる。
【0036】上記第一の手法としては、基体表面を覆い
つくさない程度に、チタン以外の元素として、Li、N
a、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、C
u、Zn、Al、Zr、Mo等を微量、配する。つま
り、上記材料を、Tiを含む表面上に、島状あるいは離
散的に形成する。この様にすることで、Tiを含む表面
が露出している箇所と、上記チタン以外の元素で覆われ
ている箇所とが多数形成され、前述の非一様な表面形態
を形成することができる。
【0037】上記チタン以外の元素を島状、あるいは離
散的に付与する方法としては、抵抗加熱蒸着、EB蒸
着、スパッタ、CVD、ゾルゲルなどの成膜方法を用い
ることができる。
【0038】また、上記第二の手法としては、チタン以
外の元素がイオンとして溶解した溶液を、前記Tiを含
む表面に接触させることで、基体表面の形態を非一様と
する手法が挙げられる。この手法によれば、溶液中のイ
オンが上記Tiを含む表面に作用し、例えば上記表面の
終端処理を行った状態となり、基体表面の形態を非一様
とすることができる。
【0039】上記チタン以外の元素としては、Li、N
a、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、C
u、Zn、Al、Zr、Mo等の金属を好ましく用いる
ことができる。
【0040】また、さらには、上記溶液を酸溶液とし
て、上記金属イオンを含む酸溶液中で、前記Tiを含む
表面に上記元素を付与するとともに、該表面を酸化させ
ることによっても本工程を行うことができる。さらに
は、また、上記金属イオンを含む酸溶液を所謂電解液と
して用い、前記Tiを含む表面を陽極とし、陽極酸化法
によって前記Tiを含む表面を酸化させることによって
も本工程を行うことができる。
【0041】上記陽極酸化工程に用いることのできる陽
極酸化装置の概略を図5に示す。図5中、50は恒温槽
であり、51は反応容器、10は陽極に相当する前述の
基体、53はPtカソード、54は電解液、56は陽極
酸化電圧を印加する電源、55は陽極酸化電流を測定す
る電流計である。図では省略してあるが、このほか電
圧、電流を自動制御、測定するコンピュータ、などが組
み込まれている。基体10およびカソード53は、恒温
水槽により温度を一定に保たれた電解液中に配置され、
電源により基体(陽極)、カソード間に電圧を印加する
ことで陽極酸化が行われる。
【0042】上記電解液の酸溶液としては、たとえば、
シュウ酸、りん酸、硫酸、クロム酸溶液などが挙げられ
る。陽極酸化電圧、温度などの諸条件は、適宜設定する
ことができる。
【0043】また、ここでは、陽極酸化工程に用いる電
解液(酸溶液)中に、上記イオンを含有せしめた例を示
した。しかし、上記イオンを含有しない電解液中で、上
記Tiを含む表面を陽極酸化し、さらに、上記金属イオ
ンを含有する溶液を上記陽極酸化後のTiを含む表面に
接触させる処理も適用できる。
【0044】上記第一の手法または第二の手法により、
Tiを含む表面にTiとは異なる異種元素が付与される
ことで、前述の非一様な表面形態を形成することができ
る。
【0045】上記第一、第二の手法によれば、Tiを含
む表面に異種元素を配することに起因して、後述の熱処
理工程時にこれらが起点となり、一種の触媒作用により
酸化チタンを含む細線の成長促進に寄与すると考えられ
る。
【0046】また、上記第三の手法としては、Tiを含
む表面を粗面化する手法が挙げられる。粗面化の程度と
しては、RA≦1μmが好ましい。粗面化する手法とし
ては、エッチング液で、前記Tiを含む表面に化学的に
凹凸を形成する方法や、ブラスターや研磨やプラズマ処
理などで前記Tiを含む表面に物理的に凹凸を形成する
方法などが適用できる。この様にTiを含む表面に凹凸
を形成することで、前述の非一様な表面形態を形成する
ことができる。
【0047】また、上記第四の手法としては、Tiを含
む表面に、紫外線を照射する手法が挙げられる。この紫
外線照射により、Tiを含む表面に化学状態(例えばチ
タンの酸化数)の異なる領域が形成できると考えられ
る。これは、例えば、上記紫外線照射を酸化雰囲気(酸
溶液中あるいはオゾン雰囲気中)で行うことによって
も、顕著な効果を達成することができる。
【0048】また、ここでは、工程Aと工程Bとを分け
たプロセスを示したが、上記工程Aと同時に、前述の非
一様な表面形態を形成することも可能である。
【0049】具体的には、前記工程Aにおいて示した様
に、基板12上にTiを主成分とする膜11を形成する
場合は、成膜条件を適宜設定すると、薄膜内にグレイン
や異常成長などを生じさせることができ、その結果、前
述の非一様性な表面形態を有する基体10とすることが
できる。また、この様にして、非一様な表面形態をもつ
Tiを主成分とする膜11を作成した場合には、本工程
Bを省き、酸化雰囲気中で熱処理を行う次工程Cを行う
ことができる。しかし、工程Bは別工程として制御性良
く施すことが好ましい。
【0050】以上説明した、本工程Bを施すことによ
り、非一様な表面形態を得ることができ、その結果、作
成される酸化チタンを含む細線の径を細くすることがで
きる。これは、上記した工程Bによる表面処理により、
不均一領域がTiを含む表面上に形成され、これにより
酸化チタン細線の径を細くすることにつながるものと考
えられる。
【0051】すなわち、本発明においては、酸化チタン
を含む細線を形成するための熱処理工程前に、Tiを含
有する基体表面に、微細な凹凸を形成したり、微細な表
面状態の異なる領域を形成したり、他元素を付与するこ
とで、それぞれの領域、領域の界面において細線の成長
を促進することができる。この機構については明らかで
ないが、異種材料との界面や結晶粒界に多く存在する表
面欠陥やチタン酸化数の少さな表面サイトが細線形成の
開始点となり易いと考えられる。さらには、酸溶液中の
処理や紫外線照射は、粒界の増強、上記表面サイト数の
増加などに寄与するものと考えられる。
【0052】工程C(図2(c)参照) 引き続き、チタンを酸化する雰囲気下で熱処理する。本
工程により、基体表面のチタンと酸化雰囲気を反応せし
め、酸化チタンを含む細線15が形成される。
【0053】ここで上記熱処理を行う反応装置の一例に
ついて、図4を用いて説明する。図4中41は反応容器
であり、10は前述の基体、43は赤外線吸収板であり
試料ホルダーの役割もになっている。44は酸化雰囲気
のガスを導入するガス導入管であり、基体付近での原料
ガス濃度が均一になるよう配置されていることが好まし
い。46はガスの排気ラインであり、ターボ分子ポンプ
やロータリーポンプヘと接続されている。47は基板加
熱用の赤外線ランプであり、48は赤外線を効率良く赤
外線吸収板へ集めるための集光ミラーである。図では省
略してあるが、このほか容器内の圧力をモニターする真
空ゲージや基体の温度を測定する熱電対などが組み込ま
れている。勿論ここで説明した装置ばかりでなく、外部
から全体を加熱する電気炉型の装置であってもかまわな
い。
【0054】熱処理を施す酸化雰囲気及び温度は、適宜
設定される。熱処理の温度は600℃〜900℃の範囲
が好ましい。
【0055】また、上記Tiを酸化する酸化雰囲気とし
ては、H2OガスやO2ガス等を用いることができる。ま
た、適度な全圧に制御するために、上記酸化雰囲気に不
活性雰囲気を混合して用いることもができる。特には、
Tiを酸化する酸化雰囲気としては、H2Oガスが好ま
しい。さらには、上記酸化雰囲気中に、水素(H2
ス)を混合することが、酸化チタン細線の径を細くし、
生成量を増やすことができることから、好ましい。
【0056】以上説明したように、本発明の酸化チタン
細線の製造方法は、表面にチタン元素を有する基体を、
上記のように、非一様化した上で、水蒸気およびあるい
は酸素等の酸化雰囲気中で熱処理することにより、気相
(酸化雰囲気)−固相(チタン)反応を用いて酸化チタ
ンを細線状に成長せしめるものである。
【0057】本発明の製造方法によれば、細線の径とし
て数nmから数μm径にわたり、長さは数10nm〜数
10μmにわたり、形状を制御して酸化チタンウィスカ
ーを作成することが可能である。以上の工程AからCに
より、酸化チタンを含む細線を形成することができる。
【0058】次に、本発明の製造方法により形成される
酸化チタンを含む細線15について説明する。
【0059】上述の製造方法によれば、酸化チタンを主
成分とした酸化チタン細線が得られる。また、特には、
結晶性の高い酸化チタンウイスカーを得ることができ
る。また、この酸化チタンウイスカーは、上記製造作成
条件により、ルチル型、アナターゼ型の結晶構造をとる
ことができる。一般に、ウィスカー(ひげ結晶)とは針
状に成長した結晶を指すことが多いが、本発明において
は結晶性の有無に関わらず、屈曲したもの、枝別れのあ
るもの、螺旋状のものも含め、十分なアスペクト比を有
する線状の形状を有するものとする。
【0060】図1は、本発明の製造方法により製造され
る酸化チタンを含む細線、例えば酸化チタンウィスカー
の形状の例を示す概略図である。図1に示す様に、本発
明の製造方法により製造される酸化チタンウィスカーの
形状は、図1(a)のように紐状のもの、図1(b)の
ように柱状のもの、図1(c)のように柱状で太さが段
階的に変わるもの、図1(d)に示すように複数の柱状
体が合体した形状のものが得ることができる。
【0061】図1(b)、(c)、(d)に示した本発
明で得られる酸化チタンを含む細線は、面方位を示すエ
ッジ形状を有し、所請ウィスカー結晶である。作成条件
に依存するが、ウィスカーの太さは数nm〜数μmであ
り、長さは数10nm〜数百μmの範囲のものを得るこ
とができるである。
【0062】また、本発明の製造方法を用いると、図3
のように、基体10と、基体に対して方向性を有して配
されたする酸化チタンを含む細線15を有すから構造体
とすることができる。勿論、ナノ構造体の基体から、酸
化チタンを含む細線15を分離して、利用することも可
能である。
【0063】本発明の製造方法により製造された酸化チ
タンを含む細線は、結晶性にすぐれ、かつその径がナノ
サイズであるため、、光電変換素子、光触媒、電子放出
素子をはじめ、各種電子デバイスやマイクロデバイスな
どの機能材料や、構造材料などとして、広い範囲で応用
可能である。また、本発明の酸化チタンを含む細線は、
プラスチックなどの強化材として用いることもできる。
【0064】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説
明する。
【0065】実施例1 以下、図2(a)〜(c)を用い、本発明の酸化チタン
細線の製造方法を順に追って説明する。
【0066】工程(a) 本実施例の基板12には、石英基板を用い、有機溶剤お
よび純水により十分に洗浄後、スパッタ法により厚さ1
μmのTiの膜11を製膜し、基体10を構成した(図
2a)参照)。本工程後に、FE−SEM観察を行った
ところ、Ti の膜11の表面にサブミクロンサイズのグ
レイン(非一様な表面)が観察された。
【0067】工程(c) 引き続き、試料を、水蒸気、ヘリウムの混合雰囲気下
で、熱処理を施すことで酸化チタンウィスカーを成長さ
せた。
【0068】本実施例においては、試料を図4に示した
反応装置に設置して、まずヘリウムガスにより、5℃に
保持した純水(蒸気圧864.5Pa(6.5tor
r))をバブリングし、ガス導入管44から流量50m
l/minで導入して反応容器内の圧力を10.108
×104Pa(760torr)に維持した。そして赤
外線ランプを点灯して試料温度を700℃でlhrの熱
処理を施した。そして赤外線ランプを消して、基板温度
を室温にしてからガス供給を遮断し試料を大気中に取り
出した。
【0069】評価(構造観察) 取り出したサンプルの表面、断面をFE−SEM(Fi
eld Emission−Scanning Ele
ctron Microscope:電界放出走査型電
子顕微鏡)にて観察した。その結果、基体から、酸化チ
タンのウィスカーの成長が確認された。また、X線回折
によりルチル型酸化チタンの存在が示された。
【0070】また、酸化チタンウィスカーの形状は、ウ
ィスカーの径は100nm〜300nm程度、長さは数
100nm〜数10μmであり、図1(b)に示すよう
な直線性に優れた柱状のウィスカーが少数見られた。ま
た、ウィスカーの中には、面方位を示すエッジ形状を有
すものがあり、明らかにウィスカー結晶成長したもので
あった。
【0071】実施例2 本実施例においては、酸化チタンを含む細線を形成し
た。以下、図2(a)〜(c)を用い、本発明の酸化チ
タン細線の製造方法を順に追って説明する。
【0072】工程(a) 本実施例の基板12には、石英基板を用い、有機溶剤お
よび純水により十分に洗浄後、スパッタ法により厚さ1
μmのTi膜11を製膜し、基体10を構成した(図2
a)参照)。
【0073】工程(b) 陽極酸化工程を施した。陽極酸化は、図5に示す陽極酸
化装置を用い、酸電解液は0.3Mシュウ酸水溶液と
し、恒温水槽により溶液を17℃に保持した。陽極酸化
電圧はDC40Vとし、陽極酸化処理時間は1minと
した。本工程後に、陽極酸化後の表面をAFM(原子間
力顕微鏡)及びSEMで観察したところ、表面には数1
0nmの凹凸が確認された。
【0074】工程(c) 引き続き、試料を、水蒸気、ヘリウムの混合雰囲気下
で、熱処理を施すことで酸化チタンを含む細線15を成
長させた。
【0075】本実施例においては、試料を図4に示した
反応装置に設置して、まずヘリウムガスにより、5℃に
保持した純水(蒸気圧864.5Pa(6.5tor
r))をバブリングし、ガス導入管44から流量50m
l/minで導入して反応容器内の圧力を10.108
×104Pa(760torr)に維持した。そして赤
外線ランプを点灯して試料温度を700℃でlhrの熱
処理を施した。そして赤外線ランプを消して、基板温度
を室温にしてからガス供給を遮断し試料を大気中に取り
出した。
【0076】評価(構造観察) 取り出したサンプルの表面、断面をFE−SEM(Fi
eld Emission−Scanning Ele
ctron Microscope:電界放出走査型電
子顕微鏡)にて観察した。その結果、基体から、酸化チ
タンのウィスカーの成長が確認された。また、X線回折
によりルチル型酸化チタンの存在が示された。
【0077】また、酸化チタンウィスカーの形状は、径
が実施例1に比べて細く、10nm〜100nm程度、
長さは数100nm〜数10μmであり、図1(b)に
示すように直線性に優れ、柱状のウィスカーが見られ
た。また、ウィスカーの量は、実施例1に比べて若干多
かった。また、ウィスカーの中には、面方位を示すエッ
ジ形状を有するものがあり、明らかにウィスカー結晶成
長したものであった。
【0078】実施例3 本実施例においては、工程(a)において、Ti膜を製
膜後、Ti 膜上にさらにAl膜を0.5nm相当量、島
状に蒸着形成した。他の工程は実施例2に準じた。
【0079】本実施例において、酸化チタンウィスカー
の形状は、径は30nm〜200nm程度、長さは数1
00nm〜数10μmであり、図1(b)に示すように
直線性に優れ、柱状のウィスカーが見られた。また、ウ
ィスカーの量は、実施例2に比べて、若干多かった。
【0080】また、同様な効果が、Alの代わりに、B
a、Zr、Mo、Y、La、Cu、Zn、Zr、Moを
用いた場合にも確認された。これより、Ti膜表面にA
lをはじめとするTi以外の元素を島状あるいは離散的
に配することで、酸化チタンウィスカーの生成量が増え
ることがわかった。
【0081】実施例4および実施例5 本実施例においては、工程(b)において、陽極酸化用
電解液として、0.3M硫酸(実施例4)、0.3M硫
酸にA12 (SO43 を0.01M加えた電解液(実
施例5)を用いた。他の工程は実施例2に準じた。
【0082】本実施例4、5において、酸化チタンウィ
スカーの径は、10nm〜100nm程度、長さは数1
00nm〜数10μmであり、図1(b)に示すように
直線性に優れた、柱状のウィスカーが見られた。また、
ウィスカーの量は実施例4に比べて実施例5の方が多か
った。
【0083】実施例5では、金属イオンを含有する酸溶
液中で陽極酸化を行ったが、同様な効果が、Alイオン
の代わりに、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、B
a、Cu、Znなどのイオンを用いた場合にも確認され
た。これより、陽極酸化用電解液にAlをはじめとする
他元素イオンを加えることで、Ti膜表面にTi以外の
元素を配し、酸化チタンウィスカーの生成量を増やすこ
とができることがわかった。
【0084】実施例6 本実施例においては、工程(c)において、水蒸気、ヘ
リウム、水素の混合雰囲気下で熱処理を施すことで、酸
化チタンウィスカーを形成した。本実施例においては、
まず50倍ヘリウム希釈の水素ガスにより、5℃に保持
した純水をバブリングし、ガス導入管44から流量50
ml/minで導入して反応容器内の圧力を10.10
8×104Pa(760torr)に維持し、700℃
でlhrの熱処理を施した。他の工程は実施例4に準じ
た。
【0085】本実施例において、酸化チタンウィスカー
の形状は、および径は実施例4に比べてさらに細く5n
m〜50nm程度、長さは数100nm〜数μmであ
り、量も多かった。形状は、図1(a)のように紐状の
もの、図1(b)のように柱状のもの、図1(c)のよ
うに柱状で太さが段階的に変わるもの、図1(d)に示
すように複数の柱状体が合体した形状のものなどが見ら
れた。また、図1(b)や(c)、(d)の中には、面
方位を示すエッジ形状を有すものがあり、明らかにウィ
スカー結晶の成長したものであった。
【0086】これより、水素を含有する雰囲気中で熱処
理することにより、酸化チタンウィスカーの径が細くな
り、生成量が増える傾向があることがわかった。
【0087】実施例7 本実施例においては、工程(c)において、水蒸気、ヘ
リウム、水素の混合雰囲気下で、熱処理を施すことで、
酸化チタンウィスカーを形成した。本実施例において
は、50倍ヘリウム希釈の水素ガスにより、純水をバブ
リングし、ガス導入管44から流量50ml/minで
導入して反応容器内の圧力を10.108×104Pa
(760torr)に維持し、700℃でlhrの熱処
理を施した。純水の温度をそれぞれ、1℃、5℃、10
℃に設定することで蒸気圧を変え、雰囲気中のH2O濃
度を制御した。他の工程は実施例2に準じた。
【0088】酸化チタンウィスカーの形状は、H2O分
圧が大きいときほど、ウィスカー径が太い傾向があっ
た。また、ウィスカーの生成量も多い傾向にあった。
【0089】実施例8 本実施例においては、工程(c)において、酸素、窒
素、水素の混合雰囲気下で熱処理を施すことで、酸化チ
タンウィスカーを形成した。本実施例においては、酸素
20%、水素2%、窒素78%の混合ガスをガス導入管
44から流量50ml/minで導入して反応容器内の
圧力を10.108×104Pa(760torr)に
維持し、700℃でlhrの熱処理を施した。他の工程
は実施例2に準じた。
【0090】酸化チタンウィスカーの形状は、酸化雰囲
気としてH2Oを用いた場合に比べウィスカー径が太
く、長さが短い傾向があったが、直線性は良好であっ
た。また、ウィスカーの生成量も多い傾向にあった。
【0091】実施例9 本実施例においては、工程(c)において、熱処理の温
度を600℃、700℃、800℃、900℃、100
0℃に変化させた。他の工程は実施例4に準じた。
【0092】熱処理温度600℃の試料においては、酸
化チタン細線はわずかしか存在せず、その長さも短かっ
た。熱処理温度を上げるに連れ、酸化チタンウィスカー
の長さが長くなる傾向を有し、700℃では長さ数ミク
ロンの酸化チタンウィスカーが数多く見られるようにな
った。800℃においては、酸化チタンウィスカーの太
さが太くなる傾向が見られた。また、1000℃におい
てはウィスカーが短くなる傾向を呈した。
【0093】実施例10 本実施例においては、工程(b)において、陽極酸化電
圧を0V、10V、20V、30V、40Vとした。他
の工程は実施例4に準じた。陽極酸化電圧が高いとき
に、ウィスカーの太さが細い傾向があり、特に20V以
上の陽極酸化電圧を用いた試料においては、300nm
以下の径を有するウィスカーが多数を占めた。
【0094】実施例11 本実施例は酸化チタンウィスカーを具備するナノ構造体
を作成した例である。本実施例においては、工程(c)
を除き、実施例4に準じた。本実施例の工程(c)にお
いては、反応容器内に酸素ガスを流量10ml/min
導入して反応容器内の圧力を133Pa(1torr)
とし、基体温度を600℃、lhrの熱処理を施した。
【0095】FE−SEMにより図3に示すようなウィ
スカー及びナノ構造体を確認した。さらにX線回折によ
りアナターゼ型酸化チタンの存在を確認した。
【0096】本実施例11のナノ構造体及び実施例4、
8で作成したナノ構造体に、Ptを5nm蒸着し、メタ
ノール水溶液(メタノール:水=1:6)中に入れ、高
圧水銀ランプで光照射を行ったところ、水素が確認さ
れ、それぞれが光触媒活性を有することを確認した。発
生する水素量は、本実施例11、実施例4、実施例8の
順に多かった。
【0097】実施例12 以下、図2(a)〜(c)を用い、本発明の酸化チタン
細線の製造方法を順に追って説明する。
【0098】工程(a) 純度99.99%のTi板を基体10として用意した。
【0099】工程(b) 上記Ti板10を硫酸とグリセリンの混合浴中で電解研
磨した後、粒径0.25μmのダイアモンド研磨剤で表
面処理を施すことにより、表面にサブミクロンサイズの
凸凹を形成した。この基体10の表面をAFM(原子間
力顕微鏡)及びSEMで観察したところ、数100nm
の凹凸が確認された。
【0100】上記試料を、実施例2と同様の条件で工程
(c)を行ったところ、実施例2と同様に、径が50〜
100nm程度の酸化チタンウィスカーを多量に得るこ
とができた。また、ウィスカーの中には、面方位を示す
エッジ形状を有するものがあり、明らかにウィスカー結
晶成長したものであった。
【0101】実施例13 以下、図2(a)〜(c)を用い、本実施例の酸化チタ
ン細線の製造方法を順に追って説明する。
【0102】工程(a) 本実施例の基板12には、石英基板を用い、有機溶剤お
よび純水により十分に洗浄後、スパッタ法により厚さ1
μmのTiの膜11を成膜し、基体10を構成した(図
2a)参照)。
【0103】工程(b) 本実施例では、上記Ti膜11上に、0.5nm相当量
のBaを真空蒸着することにより、Ti膜11表面に不
連続Ba膜を形成した。
【0104】工程(c) 引き続き、試料を、水蒸気、ヘリウムの混合雰囲気下
で、熱処理を施すことで酸化チタンウィスカーを成長さ
せた。
【0105】本実施例においては、試料を図4に示した
反応装置に設置して、まずヘリウムガスにより、5℃に
保持した純水(蒸気圧864.5Pa(6.5tor
r))をバブリングし、ガス導入管44から流量50m
l/minで導入して反応容器内の圧力を10.108
×104Pa(760torr)に維持した。そして赤
外線ランプを点灯して試料温度を700℃でlhrの熱
処理を施した。そして赤外線ランプを消して、基板温度
を室温にしてからガス供給を遮断し試料を大気中に取り
出した。
【0106】評価(構造観察) 取り出したサンプルの表面、断面をFE−SEM(Fi
eld Emission−Scanning Ele
ctron Microscope:電界放出走査型電
子顕微鏡)にて観察した。その結果、基体から、酸化チ
タンのウィスカー結晶の成長が確認された。また、X線
回折によりルチル型酸化チタンの存在が示された。
【0107】また、酸化チタンウィスカーの形状は、ウ
ィスカーの径の均一性が良く、またウィスカーの長さが
比較的、長かった。これより、表面の不連続Ba膜が触
媒作用をし、ウィスカーの成長を促進したと考えること
ができる。
【0108】また、Baの代わりにAl、Cu、Zn、
Zr、Moの不連続膜を形成した場合においても、同様
な効果がみられた。
【0109】実施例14 本実施例においては、実施例13の工程(b)に代え
て、0.1M ZnNO 3 水溶液中に浸漬させること
で、表面にZnを付与した。上記試料を、実施例13と
同様な条件で熱処理を施したところ、比較的直線性に優
れたウィスカーが高密度に成長し、また細いウィスカー
が多かった。
【0110】これより、表面にZnを付与された場所に
おいてウィスカーの成長が促進したと考えられる。ま
た、ZnNO3 のかわりに、LiNO3 ,Na2 PO
4 ,KCl,Mg(NO32 ,Ca(NO32 ,B
aCl2 ,Y(NO33 ,La(NO33,CuS
4 ,Zr(SO42 などの水溶液に浸漬した場合も
同様な効果が得られた。
【0111】実施例15 本実施例においては、実施例13の工程(b)に代え
て、濃度10g/lのCuSO4 水溶液中で、上記Ti
膜11に負電位を印可する事で、Cuを1nm膜厚の相
当量を電着した。
【0112】上記試料を、実施例13と同様な条件で熱
処理を施したところ、ウィスカーの太さの均一性が良
く、またウィスカーの長さが比較的、長かった。これよ
り、表面の不連続(島状)Cu膜が触媒作用をし、ウィ
スカーの成長を促進したと考えることができる。
【0113】実施例16 本実施例においては、実施例13の工程(b)に代え
て、0.1M硫酸溶液中に基体10を浸漬させた。上記
試料を、実施例13と同様な条件で熱処理を施したとこ
ろ、比較的ウィスカーの直線性に優れ、また細いウィス
カーが多かった。
【0114】これより、硫酸中に浸漬することで、Ti
表面の結晶面や化学状態に依存した酸化速度の差異によ
って、酸化膜の生成と微細な凸凹が生じ、これによって
ウィスカーの成長が促進したと考えられる。
【0115】実施例17 本実施例においては、実施例2の工程(b)と同じよう
に陽極酸化を行った後、さらに1M H2SO4 中に基
体10を浸漬し高圧水銀ランプ(出力5kW)を5mi
n間照射した。
【0116】上記基体10を、実施例2と同様な条件で
熱処理を施したところ、細いウィスカーが多く、ウィス
カーの量も比較的多かった。これより、紫外線照射によ
り表面状態の違いに起因したエッチング速度の差によ
る、結晶粒界の増強、凹凸が増強され、ウィスカー成長
を促進したと思われる。
【0117】実施例18 以下、図2(a)〜(c)を用い、本実施例の酸化チタ
ン細線の製造方法を順に追って説明する。
【0118】工程(a) 本実施例の基板12には、石英基板を用い、有機溶剤お
よび純水により十分に洗浄後、日本アエロジル製の酸化
チタン微粒子P25をゲル化させ、石英ガラス基板上に
塗布した後、大気中で500℃で30minの焼成を行
うことで厚さ10μm程度の酸化チタン膜11を成膜
し、基体10を構成した(図2a)参照)。
【0119】工程(b) 続いて、上記酸化チタン膜11に、高圧水銀ランプ(出
力5kW)により紫外線を5min間照射した。
【0120】工程(c) 引き続き、試料を、水蒸気、ヘリウムの混合雰囲気下
で、熱処理を施すことで酸化チタンウィスカーを成長さ
せた。
【0121】本実施例においては、試料を図4に示した
反応装置に設置して、まずヘリウムガスにより、5℃に
保持した純水(蒸気圧864.5Pa(6.5tor
r))をバブリングし、ガス導入管44から流量50m
l/minで導入して反応容器内の圧力を10.108
×104Pa(760torr)に維持した。そして赤
外線ランプを点灯して試料温度を700℃でlhrの熱
処理を施した。そして赤外線ランプを消して、基板温度
を室温にしてからガス供給を遮断し試料を大気中に取り
出した。
【0122】評価(構造観察) 取り出したサンプルの表面、断面をFE−SEM(Fi
eld Emission−Scanning Ele
ctron Microscope:電界放出走査型電
子顕微鏡)にて観察した。
【0123】その結果、基体から、酸化チタンのウィス
カー結晶の成長が確認された。また、X線回折によりル
チル型酸化チタンの存在が示された。また、数10nm
太さのウィスカーが多量に成長していることが確認さ
れ、紫外線照射を施すことでウィスカーが高密度に成長
することが確認された。
【0124】紫外線照射により酸化チタン表面におい
て、ナノメートルサイズで化学状態(たとえばチタンの
酸化数)の異なる領域が形成され、それぞれの領域にお
けるH 2O雰囲気との反応速度の差が生じたことに起因
し、ウィスカーが高密度に成長したと考えられる。
【0125】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の製造方法に
より、基体から、結晶性に優れ、ナノサイズの径を有す
る酸化チタンを含む細線、特には酸化チタンウィスカー
を得るることができる。また、特に基体上に、方向性を
有した酸化チタンを含む細線、特には酸化チタンウィス
カーを配したナノ構造体を実現できる。
【0126】本発明のチタンを主材料とするナノ構造体
は、光電変換素子、光触媒、電子放出素子をはじめ、各
種電子デバイスやマイクロデバイスなどの機能材料や、
構造材料などとして、広い範囲で応用可能である。ま
た、本発明の酸化チタンウィスカーは、プラスチックな
どの強化材として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化チタンを含む細線の形状の例を示
す概略図である。
【図2】本発明の酸化チタンを含む細線およびナノ構造
体の製造方法の一実施態様を示す工程図である。
【図3】本発明の酸化チタンを含む細線を具備するナノ
構造体を示す概念図である。
【図4】酸化チタンウィスカー成長時の熱処理反応装置
を示す概念図である。
【図5】陽極酸化装置を示す概念図である。
【符号の説明】
10 基体 11 Tiを主成分とする膜 12 基板 13 非一様な表面形態を有する表面 15 酸化チタンを含む細線ウィスカー 41 反応容器 43 赤外線吸収板 44 ガス導入管 46 排気ライン 47 赤外線ランプ 48 集光ミラー 49 赤外線透過窓 50 恒温槽 51 反応容器 53 カソード 54 電解液 55 電流計 56 電源

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)チタンを含む表面を有する基体を
    用意する第一の工程、(B)前記表面に、チタンとは異
    なる材料を離散的に配置する第二の工程、(C)チタン
    を酸化する雰囲気中で、前記第二の工程を施した前記チ
    タンを含む表面を熱処理して酸化チタンを含む細線を形
    成する第三の工程を有することを特徴とする酸化チタン
    を含む細線の製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)チタンを含む表面を有する基体を
    用意する第一の工程、(B)前記表面に、チタンとは異
    なる材料を島状に配置する第二の工程、(C)チタンを
    酸化する雰囲気中で、前記第二の工程を施した前記チタ
    ンを含む表面を熱処理して酸化チタンを含む細線を形成
    する第三の工程を有することを特徴とする酸化チタンを
    含む細線の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チタンと異なる材料が、Li、N
    a、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、C
    u、Zn、Al、Zr、Moのいずれかであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の酸化チタンを含む細
    線の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記チタンと異なる材料は、蒸着法、ス
    パッタ法、CVD法のいずれかにより前記表面に形成さ
    れることを特徴とする請求項3に記載の酸化チタンを含
    む細線の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第三の工程は、O2およびH2を含む
    雰囲気中で前記チタンを含む表面を熱処理する工程であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化チタ
    ンを含む細線の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記チタンを酸化する雰囲気は、H2
    を含む雰囲気であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記チタンを酸化する雰囲気は、H2
    およびH2を含む雰囲気中であることを特徴とする請求
    項1、2または6に記載の酸化チタンを含む細線の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記雰囲気中のH2Oの分圧が、1.3
    3×10-2Pa(10-4torr)以上2.66×10
    3Pa(20torr)以下であることを特徴とする請
    求項6または7に記載の酸化チタンを含む細線の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記雰囲気中のO2の分圧が、0.13
    3Pa(10-3torr)以上2.66×104Pa
    (200torr)以下であることを特徴とする請求項
    5に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記雰囲気中のH2の分圧が、13.
    3Pa(100mtorr)以上であることを特徴とす
    る請求項5または7に記載の酸化チタンを含む細線の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記第三の工程における熱処理の温度
    が600℃以上900℃以下であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の酸化チタンを含む細線の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 (A)チタンを含む表面を有する基体
    を用意する第一の工程、(B)前記表面に、チタンとは
    異なる金属元素を含む液体を接触させることにより、前
    記表面に前記金属元素を配置する第二の工程、(C)チ
    タンを酸化する雰囲気中で熱処理して前記表面に酸化チ
    タンを含む細線を形成する第三の工程を有することを特
    徴とする酸化チタンを含む細線の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記チタンとは異なる金属元素を含む
    液体は、該金属元素の水溶液であることを特徴とする請
    求項12に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記水溶液は、酸溶液であることを特
    徴とする請求項13に記載の酸化チタンを含む細線の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記第二の工程は、前記液体に、前記
    基体を浸漬する工程であることを特徴とする請求項12
    に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第二の工程は、さらに前記液体に
    前記基体を浸漬した状態で前記チタンを含む表面を陽極
    酸化する工程であることを特徴とする請求項15に記載
    の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記金属元素が、Li、Na、K、M
    g、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Cu、Zn、
    Al、Zr、Moのいずれかから選ばれた金属元素であ
    ることを特徴とする請求項12に記載の酸化チタンを含
    む細線の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記チタンを酸化する雰囲気は、O2
    およびH2を含む雰囲気であることを特徴とする請求項
    12に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記チタンを酸化する雰囲気は、H2
    Oを含む雰囲気であることを特徴とする請求項12に記
    載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記チタンを酸化する雰囲気は、H2
    OおよびH2を含む雰囲気であることを特徴とする請求
    項19に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記雰囲気中のH2Oの分圧が、1.
    33×10-2Pa(10-4torr)以上2.66×1
    3Pa(20torr)以下であることを特徴とする
    請求項19または20に記載の酸化チタンを含む細線の
    製造方法。
  22. 【請求項22】 前記雰囲気中のO2の分圧が、0.1
    33Pa(10-3torr)以上2.66×104Pa
    (200torr)以下であることを特徴とする請求項
    18に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記雰囲気中のH2の分圧が、13.
    3Pa(100mtorr)以上であることを特徴とす
    る請求項18または20に記載の酸化チタンを含む細線
    の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第三の工程における熱処理の温度
    が600℃以上900℃以下であることを特徴とする請
    求項12に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  25. 【請求項25】 (A)チタンを含む表面を有する基体
    を用意する第一の工程、(B)前記表面を粗面化する第
    二の工程、(C)チタンを酸化する雰囲気中で熱処理し
    て前記表面に酸化チタンを含む細線を形成する第三の工
    程を有することを特徴とする酸化チタンを含む細線の製
    造方法。
  26. 【請求項26】 前記第二の工程は、前記表面をエッチ
    ングする工程であることを特徴とする請求項25に記載
    の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記チタンを酸化する雰囲気は、O2
    およびH2を含む雰囲気であることを特徴とする請求項
    25に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記チタンを酸化する雰囲気は、H2
    Oを含む雰囲気であることを特徴とする請求項25に記
    載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記チタンを酸化する雰囲気は、H2
    OおよびH2を含む雰囲気であることを特徴とする請求
    項28に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記雰囲気中のH2Oの分圧が、1.
    33×10-2Pa(10-4torr)以上2.66×1
    3Pa(20torr)以下であることを特徴とする
    請求項28または29に記載の酸化チタンを含む細線の
    製造方法。
  31. 【請求項31】 前記雰囲気中のO2の分圧が、0.1
    33Pa(10-3torr)以上2.66×104Pa
    (200torr)以下であることを特徴とする、請求
    項27に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記雰囲気中のH2の分圧が、13.
    3Pa(100mtorr)以上であることを特徴とす
    る請求項27または29に記載の酸化チタンを含む細線
    の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記第三の工程における熱処理の温度
    が600℃以上900℃以下であることを特徴とする請
    求項25に記載の酸化チタンを含む細線の製造方法。
  34. 【請求項34】 (A)チタンを含む表面を有する基体
    を用意する第一の工程、(B)前記表面に紫外線を照射
    するする第二の工程、(C)チタンを酸化する雰囲気中
    で熱処理し、前記表面に酸化チタンを含む細線を形成す
    る第三の工程を有することを特徴とする酸化チタンを含
    む細線の製造方法。
  35. 【請求項35】 酸化チタンを含む細線であって、請求
    項1、2、12,25または34の何れかに記載の製造
    方法により製造された酸化チタンを含む細線。
  36. 【請求項36】 前記細線が、酸化チタンを含むウイス
    カー結晶であることを特徴とする請求項35に記載の酸
    化チタンを含む細線。
  37. 【請求項37】 基体と、該基体上に請求項35記載の
    酸化チタンを含む細線を具備することを特徴とする構造
    体。
  38. 【請求項38】 前記細線が、酸化チタンを含むウイス
    カー結晶であることを特徴とする請求項37に記載の構
    造体。
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