JP2000203117A - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルスモータにより駆動されるキャリアの位
置制御の精度の向上。 【解決手段】 変数CPの値をP1と比較することでキャリ
アの現在位置が第１ポジションの右側か否かを判別し、
右側にあると判別した場合であって、前記フォトインタ
ラプタの信号レベルがHighであるとき、キャリアが区間
Ｃ内にあると特定できるため、該信号レベルがLow にな
る第１ポジションを目標にキャリアを左側へ駆動する。
左側へ駆動した結果、その停止位置におけるフォトイン
タラプタの信号レベルがLow であるとき、印刷状況に応
じてホームポジションを目標にキャリアを右側へ駆動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータなどの情報機器と接続して使用される印刷装置、
特に印字ヘッドを取着してあるキャリアを所定位置まで
駆動する構成に特徴を有する印刷装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット方式の印字ヘッドを備え
る印刷装置による印刷動作の概要は以下の通りである。
すなわち、印字ヘッドを取着してあるキャリアを所定の
速度で主走査方向に沿って往復駆動し、またその主走査
を完了する都度、印刷用紙を挟持する搬送ローラにより
前記印刷用紙を副走査方向に所定の送り量ずつ搬送しつ
つ、印刷すべきデータと対応する位置において前記印字
ヘッドのインクノズルからインクを噴出する。

【０００３】インクジェット方式の印字ヘッドにおいて
は、インク噴出後のインクノズルを露出した状態で放置
すると、前記インクノズルの噴出口内部に残留している
インクが乾いて目詰まりを起こす。従って、これを防止
するために印刷中でない場合には蓋（キャップ）を用い
てインクノズルの開口部を封止する機構を設けてある。
このようにインクノズルの開口部を封止することをキャ
ッピングという。また、インクノズルの目詰まりが起き
たとき、これを解消する機構を設けてある。このように
インクノズルの目詰まりを解消することをワイピングと
いう。キャッピング及びワイピングは所定のメンテナン
ス領域において行われる。一般的に、メンテナンス領域
はキャリアの移動域の端部に設定されている。

【０００４】特開平６−210931号公報において提案され
ているインクジェット記録装置は、記録ヘッドの状態を
良好に保つために行われるキャッピング及びワイピング
などのトルクを必要とする動作の駆動力及び回転数を必
要とする記録動作の駆動力を一つのステッピングモータ
によって得る場合、動作状況に応じて駆動方式を切り替
えることで、トルク及び回転数の所要の条件を小型のス
テッピングモータにおいて満たすことを可能にし、装置
の小型化を図ることを目的とする。

【０００５】印字ヘッドを取着してあるキャリアを主走
査方向に駆動するキャリア駆動機構の駆動源としては、
一般的にＤＣモータが採用されている。ＤＣモータを採
用したキャリア駆動機構は、キャリアの移動域の全域に
わたって配設してあるエンコーダなどを用いてキャリア
の位置を検出し、検出した位置に基づきフィードバック
制御を行う。これにより、精度の高い位置制御を実現し
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
キャリア駆動機構の駆動源として前記ＤＣモータより比
較的安価なステッピングモータを採用した印刷装置が開
発されている。ステッピングモータを採用したキャリア
駆動機構は、駆動制御のためのパルス信号に基づきキャ
リアの位置を推定する。すなわち、位置制御に関してキ
ャリアの位置を検出する手段を設けないオープン制御を
行う。このため、前述の印刷装置においては位置制御の
精度に改善の余地があり、特にキャリアをキャッピング
及びワイピングが行われるメンテナンス領域の所定位置
に確実に停止させることが重要な課題となっている。

【０００７】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であって、キャリアをメンテナンス領域の所定位置へ確
実に停止させることが可能な印刷装置の提供を目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る印刷装置
は、印字ヘッドを取着してあるキャリアを駆動するため
のパルスモータへ、キャリアの目標位置に応じて生成し
たパルス信号を与えることで、前記キャリアを主走査方
向に沿って駆動制御する印刷装置において、前記キャリ
アには、フォトインタラプタが設けてあり、該フォトイ
ンタラプタの検知範囲内であって、しかも前記キャリア
の移動域の所定位置の近傍に設けてある位置特定部材
と、所定の信号を検知したとき、前記フォトインタラプ
タによる前記位置特定部材の検知結果に応じて前記キャ
リアを前記所定位置まで駆動制御するためのパルス信号
を生成する手段とを備えることを特徴とする。

【０００９】図６は本発明に係る印刷装置のキャリア駆
動機構における位置制御の概念を説明するための概念図
である。図において、区間Ａはキャリアの移動域を表し
ており、その右端部に示す区間Ｂはメンテナンス領域と
対応している。前記キャリアには、発光素子が発する光
を受光素子にて受けるべくなして、その光の軌跡を横切
る物体を検知するフォトインタラプタが設けてあって、
前記区間Ｂは前記フォトインタラプタの検知範囲内に設
けてある位置特定部材の長さと対応する左側の区間Ｃ及
びその他の右側の区間Ｄに分けられる。区間Ｄの中央部
には、キャッピングを行う定位置としてホームポジショ
ンＥが設定してある。

【００１０】また、ホームポジションＥを基準にして、
ここからキャリアの位置までの変位を駆動制御のステッ
プ数で表す変数CPが定義してあって、ホームポジション
Ｅから区間Ｃの左端までの距離に若干の余裕を加えた第
１ポジションと対応するステップ数P1が設定してある。
更にまた、ホームポジションＥから区間Ｄの左端までの
距離に若干の余裕を加えた第２ポジションと対応するス
テップ数P2が設定してある。

【００１１】始めに、変数CPの値をP1と比較することで
キャリアの現在位置が第１ポジションの右側か否かを判
別する。キャリアが第１ポジションの右側にあると判別
した場合であって、前記フォトインタラプタの信号レベ
ルがHighである、即ち発光素子が発する光が何らかの物
体に遮られているとき、キャリアが区間Ｃ内にあると特
定できるため、該信号レベルがLow になる第１ポジショ
ンを目標にキャリアを左側へ駆動する。左側へ駆動した
結果、その停止位置におけるフォトインタラプタの信号
レベルがLow であるとき、印刷状況に応じてホームポジ
ションを目標にキャリアを右側へ駆動する。

【００１２】この発明においては、以上のような手順に
基づいて、キャリアをメンテナンス領域の所定位置、即
ちホームポジションに確実に停止させるように駆動制御
することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る印刷装置のキ
ャリア駆動機構の構造を説明するための斜視図であっ
て、また図２はその側面図である。図において、１は印
字ヘッドを取着してあるキャリアであって、主走査方向
に沿って往復駆動される。キャリア１には、側面視コの
字型の形状をなして、その両端部に図示しない発光素子
及び受光素子を夫々配置して前記発光素子が発する光を
前記受光素子にて受けるべくなし、その光の軌跡を横切
る物体を検知するフォトインタラプタ1aが取着してあ
る。

【００１４】一方、キャリア１のフォトインタラプタ1a
側には、長手方向をキャリア１の駆動方向と一致させた
帯状の固定板２が、キャリア１から所定の間隔を隔てて
立設してある。そして、固定板２のホームポジションと
対応する位置の近傍、具体的にはキャリア１の移動域の
右端から区間Ｄに相当する間隔を隔てた位置に、位置特
定部材３が前記フォトインタラプタ1aにより検知するこ
とが可能であるように取着してある。なお区間Ｄの長さ
は、印刷装置の機種により任意に設定される。

【００１５】図３は本発明に係る印刷装置のキャリア駆
動制御に関する動作手順を示すフローチャートである。
リセット信号又はパワーオンリセット信号などの所定の
信号を検知したとき、変数CPの値をP1と比較することで
キャリアの現在位置が第１ポジションの右側か否かを判
別する(S1)。右側であると判別したとき、センサの信号
レベルを参照して(S2)、Low であるとき、後述する処理
手順に従い前記信号レベルがHighになる第２ポジション
を目標に等速駆動ステップ数Const を設定して、左側へ
駆動する(S3)。但し、前記等速駆動ステップ数Const は
目標まで駆動制御するために要するステップ数から加速
駆動ステップ数Acc 及び減速駆動ステップ数Dec を差し
引いたものである。

【００１６】そしてセンサの信号レベルを参照して(S
4)、Highであるとき、またはＳ２において信号レベルが
Highであると判別したとき、キャリアが区間Ｃ内にある
と特定し、信号レベルがLow になる第１ポジションを目
標にConst を設定する(S5)。具体的には、Const に（P1
−Acc −Dec ）を設定する。一方、Ｓ４において信号レ
ベルがLow であると判別したとき、キャリアが区間Ｃ内
にないと特定し、第１ポジションを目標にConst を設定
する(S6)。具体的には、Const に（P1−P2−Acc −Dec
）を設定する。Ｓ５またはＳ６により設定されたConst
を用いて、左側へ駆動する(S7)。

【００１７】そしてセンサの信号レベルを参照して(S
8)、Low であるとき、またはＳ１においてキャリアの現
在位置が第１ポジションの右側でないと判別したとき、
後述する処理手順に従い印刷状況に応じてホームポジシ
ョンを目標に右側へ駆動する(S9)。センサの信号レベル
を参照して(S10) 、Low であるとき、処理を終了する。
Ｓ８において信号レベルがHighであると判別したとき、
またはＳ10において信号レベルがHighであると判別した
とき、エラー処理を行い(S11) 、処理を終了する。

【００１８】図４は前述のＳ３における動作手順を示す
フローチャートである。第２ポジションと対応するステ
ップ数P2と、加速駆動ステップ数Acc 及び減速駆動ステ
ップ数Dec を加え合わせたものとを比較し(S21) 、前者
が小さいとき、等速駆動ステップ数Const に０を設定す
る(S22) 。一方、両者が等しいか、または前者が大きい
と判別したとき、Const に（P2−Acc −Dec ）を設定す
る(S23) 。Ｓ22またはＳ23により設定されたConst を用
いて、左側へ駆動する(S24) 。

【００１９】図５は前述のＳ９における動作手順を示す
フローチャートである。印刷状況を記憶しているレジス
タを参照して印刷中か否かを判別し(S31) 、印刷中であ
るとき、等速駆動ステップ数Const に変数CPが取り得る
最大値を設定する(S32) 。一方、印刷中でないと判別し
たとき、Const に（CP−Acc −Dec ）を設定する(S33)
。Ｓ22またはＳ23により設定されたConst を用いて、
右側へ駆動する(S34) 。

【００２０】

【発明の効果】以上の如き本発明の印刷装置によって
は、キャリアに設けたセンサによって得た検知信号に基
づき位置制御を行うため、位置制御の精度向上、特にキ
ャリアをメンテナンス領域の所定位置へ確実に停止させ
ることに優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る印刷装置のキャリア駆動機構の構
造を説明するための斜視図である。

【図２】本発明に係る印刷装置のキャリア駆動機構の構
造を説明するための側面図である。

【図３】本発明に係る印刷装置のキャリア駆動制御に関
する動作手順を示すフローチャートである。

【図４】本発明に係る印刷装置のキャリア駆動制御に関
する動作手順を示すフローチャートである。

【図５】本発明に係る印刷装置のキャリア駆動制御に関
する動作手順を示すフローチャートである。

【図６】本発明に係る印刷装置のキャリア駆動機構にお
ける位置制御の概念を説明するための概念図である。

【符号の説明】

１ キャリア 1a フォトインタラプタ ２ 固定板 ３ 位置特定部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字ヘッドを取着してあるキャリアを駆
   動するためのパルスモータへ、キャリアの目標位置に応
   じて生成したパルス信号を与えることで、前記キャリア
   を主走査方向に沿って駆動制御する印刷装置において、 前記キャリアには、フォトインタラプタが設けてあり、 該フォトインタラプタの検知範囲内であって、しかも前
   記キャリアの移動域の所定位置の近傍に設けてある位置
   特定部材と、 所定の信号を検知したとき、前記フォトインタラプタに
   よる前記位置特定部材の検知結果に応じて前記キャリア
   を前記所定位置まで駆動制御するためのパルス信号を生
   成する手段とを備えることを特徴とする印刷装置。