JP2000202677A

JP2000202677A - レ―ザ加工ヘッド

Info

Publication number: JP2000202677A
Application number: JP11003637A
Authority: JP
Inventors: Yasumi Nagura; 保身名倉; Risuke Nayama; 理介名山; Takashi Ishide; 孝石出; Yoshio Hashimoto; 義男橋本; Koji Okimura; 浩司沖村
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1999-01-11
Filing date: 1999-01-11
Publication date: 2000-07-25

Abstract

(57)【要約】【課題】全てのアシストガスを加工部に高流速で送る
と共に、全てのレーザ光を有効に利用してレーザ加工を
行なう。【解決手段】アシストガスノズル１６内に供給された
アシストガスＱは、ノズル先端部の開口部１６ａから、
被切断物２の切断部２ａに向けて噴出される。このと
き、開口部１６ａの開口径Ｄは、切断幅ｗと略等しくな
っており、従来の開口径よりも狭い。このため、アシス
トガス噴射速度は速くなると共に、すべてのアシストガ
スＱが切断部２ａに送り込まれる。開口径Ｄが狭くなっ
たため、アシストガスノズル１６ａの内周面の口径は絞
られており、この絞られた内周面は反射面１６ａとなっ
ている。反射面１６ａに入射したレーザ光３は、反射し
てから被切断物２に向けて照射・集光される。このた
め、全てのレーザ光３が加工に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属等の被加工物
に対して切断加工や穴あけ加工等のレーザ加工を行うレ
ーザ加工装置のレーザ加工ヘッドに関し、効率良く溶融
金属を除去すると共にレーザ光を無駄なく照射して、加
工能力を高めることができるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来のレーザ加工ヘッドの先端部
の構成を示す縦断面図である。同図に示すレーザ加工ヘ
ッド１は、炭素鋼等の金属である被切断物（被加工物）
２を切断加工するレーザ加工装置（装置本体部は図示省
略）に装備されたものである。

【０００３】図３に示すように、鏡筒５内には複数のレ
ンズからなる結像レンズ系（結像光学系）４と、この結
像レンズ系４を保護するための保護ガラス７とが設けら
れている。結像レンズ系４はレーザ光３を被切断物２の
切断部２ａに照射・集光する。このとき、結像レンズ系
４によって集光するレーザ光３の焦点位置ｆは、通常、
図示のように被切断物２の内部に位置するように調節さ
れている。なお、レーザ光３は図示しないＹＡＧレーザ
発振器等のレーザ発振器によって発振された後、図示し
ない光ファイバやミラー等の光伝送手段によって結像レ
ンズ系４まで伝送されてくる。

【０００４】一方、鏡筒５の先端部（下端部）にはアシ
ストガスノズル６が取り付けられている。このアシスト
ガスノズル６は、基端側（上端側）から先端側（下端
側）に向かうに従い口径が漸減しており、ノズル先端部
に開口部６ａを有している。そして、このアシストガス
ノズル６の側面にはアシストガス供給管８が接続されて
おり、このアシストガス供給管８は図示しないアシスト
ガス供給装置に繋がっている。即ち、アシストガス供給
装置から送出されたアシストガスＱ_Tはアシストガス供
給管８を介してアシストガスノズル６内に供給され、ア
シストガスノズル６のノズル先端部の開口部６ａから被
切断物２の切断部２ａに向って噴出されるようになって
いる。

【０００５】上記構成のレーザ加工ヘッド１を備えたレ
ーザ加工装置によって被切断物２を切断する際には、ま
ず、図示しないレーザ加工ヘッド移動装置によってレー
ザ加工ヘッド１を被切断物２に近づけ、且つ、アシスト
ガスノズル６と被切断物２とが接触する虞がないように
アシストガスノズル６の先端と被切断物２の表面との間
隔（ワークディスタンス）ｈを保持し、この状態で前記
レーザ加工ヘッド移動装置によりレーザ加工ヘッド１を
図３の紙面に対して直交する方向に移動させ、或いは図
示しないワーク移動装置により被切断物２を前記直交方
向（レーザ加工ヘッドの移動方向とは逆方向）に移動さ
せる。

【０００６】この移動とともに、レーザ加工ヘッド１で
は、レーザ光３を結像レンズ系４により被切断物２の切
断部２ａに向けて照射・集光することにより切断部２ａ
を溶融し、同時に、アシストガスノズル６の開口部６ａ
から切断部２ａにアシストガスを噴射してアシストガス
を切断部２ａ内に送り込むことにより、切断部２ａ内の
溶融金属を吹き飛ばして除去する。かくして、被切断物
２はレーザ切断される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなアシスト
ガスＱ_Tを用いたレーザ切断においては、切断部２ａへ
のアシストガスＱ_Tの流し方、即ち、切断部２ａに噴射
されるアシストガスの流速や流量等が切断性能に大きく
影響する。

【０００８】ところが、図４に示すように、従来のレー
ザ加工ヘッド１では、アシストガスノズル６の開口径
（開口幅）ｄが、レーザ加工（切断）幅である切断幅
（カーフ幅）ｗよりも大きいため、アシストガスノズル
６から噴出した全体のアシストガスＱ_Tは、切断部２ａ
に有効に流れるアシストガスＱ₂と、アシストガスノズ
ル６と被切断物２との隙間から切断部２ａの両側へと流
出するアシストガスＱ₃，Ｑ₄とに分流してしまう。即
ち、切断部２ａには、アシストガスノズル６内に導入さ
れたアシストガスＱ_Tの一部（アシストガスＱ₂）しか
流れず、切断に寄与するアシストガス流量が少ない。ま
た、アシストガスノズル６の開口径ｄが大きいため、ア
シストガス流速（噴出速度）も小さい。このため、アシ
ストガスによる溶融金属の除去能力が低下して切断性能
の低下を招いてしまう。

【０００９】なお、図５に示すように、仮に、アシスト
ガスノズル６のノズル先端部の開口部６ａを従来よりも
細くして開口径ｄと切断幅ｗとがほぼ等しくなるように
すれば、アシストガスノズル６内に導入されたアシスト
ガスＱ_Tのほとんどが切断部２ａに流れるようになり、
且つ、アシストガスＱ_Tの噴出速度も従来に比べて大き
くなる。

【００１０】しかしながら、この場合には、アシストガ
スノズル６のノズル先端部においてレーザ光３の一部が
アシストガスノズル６の内周面（図５中の斜線部）と干
渉して反射または吸収されるため、レーザ光３が被切断
物２に有効に照射されなくなって切断性能が低下してし
まう。つまり、反射したレーザ光３の一部は、ノズル先
端部の拡大図である図６に示すように、開口部６ａから
出射してから拡散してしまい、切断に寄与しなくなって
しまう。

【００１１】このような事情から、レーザ光３がアシス
トガスノズル６の内周面に干渉しないように、即ち、ノ
ズル先端部におけるノズル内周面の口径が、レーザ光３
の光束径よりも大きくなるようにする必要があるため、
従来では、アシストガスノズル６の開口径ｄは、切断幅
ｗよりも大きくならざるを得なかった。

【００１２】本発明は上記従来技術に鑑み、レーザ加工
（切断加工または穴あけ加工）をする被加工物の加工部
内（切断部内または穴あけ部内）にアシストガスを効率
よく送り込み、且つ、アシストガスの噴射速度も高くし
て前記切断部内または穴あけ部内からの溶融金属等の溶
融物の排出能力を向上させると共に、レーザ光を有効に
レーザ加工部に照射して溶融効率を向上させることがで
きるレーザ加工ヘッドを提供することを課題とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、供給されたアシストガスをノズル先端部か
ら被加工物に向けて噴出するアシストガスノズルと、レ
ーザ光を前記アシストガスノズルの内部空間を経由して
前記被加工物に有効に照射させることによりレーザ加工
を行なわせる結像光学系とを有するレーザ加工装置のレ
ーザ加工ヘッドにおいて、前記アシストガスノズルのノ
ズル先端部の開口幅を、レーザ加工により前記被加工物
に生じるレーザ加工幅とほぼ等しくすると共に、ノズル
先端部の開口幅をレーザ加工幅とほぼ等しくしたため内
周側の口径が絞られて前記レーザ光の一部が入射してく
る前記ノズル先端部の内周面は、入射してきたレーザ光
を反射させ、この反射させたレーザ光を前記被加工物に
向けて有効に照射させる反射面となっていることを特徴
とする。

【００１４】また本発明の構成は、前記反射面は、湾曲
した曲面、または、平面となっていることを特徴とす
る。

【００１５】また本発明の構成は、前記反射面には金メ
ッキが施されていることを特徴とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。

【００１７】図１は本発明の実施の形態にかかるレーザ
加工装置のレーザ加工ヘッド１１を示す。同図に示すよ
うに、レーザ光３は、結像レンズ系（結像光学系）４に
より、アシストガスノズル１６の内部空間を経由して、
被切断物（被加工物）２に照射・集光されるが、レーザ
光３の一部はアシストガスノズル１６の内面で反射し、
切断に有効なように被切断物２に照射される。このよう
にしてレーザ光３により、切断部２ａがレーザ切断（レ
ーザ加工）される。また、アシストガスＱは、アシスト
ガス供給管８を介してアシストガスノズル１６内に供給
され、アシストガスノズル１６のノズル先端部の開口部
１６ａから、被切断物２の切断部２ａに向かって噴出さ
れる。

【００１８】本実施の形態で用いているアシストガスノ
ズル１６のノズル先端部の開口部１６ａの開口径（開口
幅）Ｄは、切断部２ａの切断幅（レーザ加工幅）ｗとほ
ぼ等しくしている。また、このように開口径Ｄを、従来
の開口径ｄよりも小径にするため、アシストガスノズル
１６の内周面の口径、特に、ノズル先端部の口径は絞ら
れており、ノズル先端部の内周面には、レーザ光３の一
部（レーザ光３の光束のうち外周側の光束部分）が入射
してくる。

【００１９】図１及びノズル先端部を拡大した図２に示
すように、ノズル先端部の内周面のうち、レーザ光３の
一部が入射してくる面は、湾曲した反射面１６ｂとなっ
ている。この反射面１６ｂには、光吸収率の低い金メッ
キを施している。

【００２０】反射面１６ｂの面形状は次のような反射特
性が得られるような湾曲面形状としている。即ち、反射
面１６ｂは、入射してきたレーザ光３を反射し、この反
射させたレーザ光３を開口部１６ａを介して被切断物２
に向けて有効に照射させるようにしている。即ち、反射
したレーザ光３は切断部２ａに向かって照射され、この
反射したレーザ光３の照射方向は、内周面に入射するこ
となく（つまり、反射面１６ａで反射することなく）開
口部１６ａを通過して集光したレーザ光３の集光方向
と、略一致するようにしている。具体的には、反射面１
６ａの部分では、基端部から先端部に向かうに従い口径
が次第に絞られてから、再び口径が次第に広がるような
湾曲面となっている。

【００２１】なお、他の部分の構成は、図３に示す従来
技術と同様な構成となっており、同一機能を果たす部分
には同一符号を付し、重複する説明は省略する。

【００２２】上記構成となっている本実施の形態にかか
るアシストガスノズル１６では、開口部１６ａの開口径
（幅）Ｄが狭く、切断幅ｗとほぼ等しくなっているた
め、開口部１６ａから噴出されたアシストガスＱは、ほ
ぼすべて切断部２ａに向けて送り込まれる。しかも、開
口径（幅）Ｄが狭くなっているため、噴出されるアシス
トガスＱの噴出速度は速くなっている。このため、溶融
金属の除去能力が向上し、効率良く溶融金属の除去がで
きる。

【００２３】また、反射面１６ｂで反射されたレーザ光
３も、切断部２ａに向けて照射されるため、レーザ光３
がレーザ加工（溶融）に有効に寄与する。

【００２４】かくして、溶融金属を効率良く除去しつ
つ、レーザ光３を有効に使用してレーザ切断が実行で
き、加工能力が高くなる。

【００２５】なお、上記実施の形態では、反射面１６ｂ
を湾曲した曲面で形成したが、平面の集合により形成し
てもよい。また、本発明は、レーザにより穴あけ加工を
するレーザ加工ヘッドにも、そのまま適用することがで
きる。

【００２６】

【発明の効果】以上実施の形態と共に具体的に説明した
ように本発明では、供給されたアシストガスをノズル先
端部から被加工物に向けて噴出するアシストガスノズル
と、レーザ光を前記アシストガスノズルの内部空間を経
由して前記被加工物に照射・集光させることによりレー
ザ加工を行なわせる結像光学系と、を有するレーザ加工
装置のレーザ加工ヘッドにおいて、前記アシストガスノ
ズルのノズル先端部の開口幅を、レーザ加工により前記
被加工物に生じるレーザ加工幅とほぼ等しくすると共
に、ノズル先端部の開口幅をレーザ加工幅とほぼ等しく
したため内周側の口径が絞られて前記レーザ光の一部が
入射してくる前記ノズル先端部の内周面は、入射してき
たレーザ光を反射させこの反射させたレーザ光を前記被
加工物に向けて有効に照射させる反射面となっている構
成とした。また必要に応じて、前記反射面は、湾曲した
曲面、または、平面となっており、また、前記反射面に
は金メッキが施されている構成とした。

【００２７】このように、ノズル先端部の開口幅を狭く
して、レーザ加工幅とほぼ等しくしたため、殆どのアシ
ストガスを加工部に送ることができると共に、アシスト
ガスの噴射速度を高くすることができ、溶融金属を排出
する能力が高くなる。また、反射したレーザ光も被加工
物の加工部に有効に照射されるため、全てのレーザ光を
利用してレーザ加工が行なわれ効率的なレーザ加工が実
現できる。かくして、効率的で加工能力の高いレーザ加
工を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態にかかるレーザ加工ヘッド
を示す構成図。

【図２】本発明の実施の形態にかかるレーザ加工ヘッド
のノズル先端部を拡大して示す構成図。

【図３】従来のレーザ加工ヘッドを示す構成図。

【図４】従来のレーザ加工ヘッドを示す構成図。

【図５】従来のレーザ加工ヘッドの変形例を示す構成
図。

【図６】従来のレーザ加工ヘッドの変形例のノズル先端
部を示す拡大図。

【符号の説明】

１レーザ加工ヘッド２被切断物（被加工物）２ａ切断部３レーザ光４結像レンズ系（結像光学系）５鏡筒６アシストガスノズル６ａ開口部７保護ガラス８アシストガス供給管１１レーザ加工ヘッド１６アシストガスノズル１６ａ開口部１６ｂ反射面Ｄ開口径（開口幅）ｄ開口径（開口幅）ｗ切断幅（カーフ幅）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者石出孝兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目１番１号三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者橋本義男兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目１番１号三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者沖村浩司兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目１番１号三菱重工業株式会社神戸造船所内Ｆターム(参考） 4E068 AE00 CB09 CD01 CH02 CH08 CJ01 DB01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】供給されたアシストガスをノズル先端部
から被加工物に向けて噴出するアシストガスノズルと、
レーザ光を前記アシストガスノズルの内部空間を経由し
て前記被加工物に照射・集光させることによりレーザ加
工を行なわせる結像光学系と、を有するレーザ加工装置
のレーザ加工ヘッドにおいて、前記アシストガスノズルのノズル先端部の開口幅を、レ
ーザ加工により前記被加工物に生じるレーザ加工幅とほ
ぼ等しくすると共に、ノズル先端部の開口幅をレーザ加工幅とほぼ等しくした
ため内周側の口径が絞られて前記レーザ光の一部が入射
してくる前記ノズル先端部の内周面は、入射してきたレ
ーザ光を反射させこの反射させたレーザ光を前記被加工
物に向けて有効に照射させる反射面となっていることを
特徴とするレーザ加工ヘッド。
【請求項２】前記反射面は、湾曲した曲面、または、
平面となっていることを特徴とする請求項１のレーザ加
工ヘッド。
【請求項３】前記反射面には金メッキが施されている
ことを特徴とする請求項１または請求項２のレーザ加工
ヘッド。