JP2000199175A - 凹凸シワを有する生地の製造方法 - Google Patents

凹凸シワを有する生地の製造方法

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JP2000199175A JP158599A JP158599A JP2000199175A JP 2000199175 A JP2000199175 A JP 2000199175A JP 158599 A JP158599 A JP 158599A JP 158599 A JP158599 A JP 158599A JP 2000199175 A JP2000199175 A JP 2000199175A
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弘 水谷
Noboru Kosugi
昇 小杉
Seiji Nishide
清治 西出
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸縮糸又は熱収縮糸を利用した刺繍柄によっ
て得られた種々の凹凸シワが基布上に形成され、意匠性
に優れた生地の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱セット可能な基布上に、上糸と下糸と
から構成される刺繍柄を、該上糸又は下糸のいずれか一
方に伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸を使用して設けた
後、当該基布を加熱することで、該基布上に形成された
刺繍柄の形状に対応する凹凸シワを固定する。この際、
他方の刺繍糸として、水又は有機溶剤によって溶解可能
な可溶解糸を使用し、基布を加熱して凹凸シワを固定し
た後、可溶解糸を水又は有機溶剤を用いて溶解除去し、
両刺繍糸が外れた後の基布を仕上セットしても良く、こ
れにより、凹凸シワと刺繍時の針穴柄とを有した生地が
製造できる。伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸としては
ポリウレタン糸やビニロン糸が適し、可溶解糸としては
PVA糸やアセテート糸が適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮糸又は熱収縮
糸を利用した刺繍柄(エンブロイダリー機による刺繍
柄、ミシン刺繍機による刺繍柄を含む)によって得られ
た種々の凹凸シワが基布上に形成されており、意匠性に
優れた生地の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常生地は平面での使用が多く、好みや
用途によりシワ加工や起毛、マナールやアルボル加工、
カレンダー加工などが行われる。又、強撚糸での楊柳や
ジョーゼットもその一例であるが、決められた形状(例
えば縦ジワのみ)しか得ることはできないという問題点
がある。更には、型による熱プレスでのシワ加工も実施
されているが、同一形状が繰り返された製品しか得るこ
とができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、シワ
形状(凹凸形状、大きさ、高さ)を刺繍柄の形状によっ
て自由に変えることができ、凹凸シワによる柄(ふくれ
柄)を有する生地が比較的簡単に製造可能な方法を提供
することにある。本発明者らは、このような従来の凹凸
シワ形状加工方法における問題点を解決すべく種々検討
を行った結果、基布に、伸縮性のある糸(例えば弾性糸
オペロンなど)や収縮性のある糸(例えば熱収縮糸ビニ
ロンなど)を上糸(表糸)又は下糸(裏糸)として刺繍
を行い、その伸縮性や収縮性をもつ糸により基布にシワ
(凹凸形状)を生じさせ、熱によりその形状を固定させ
ることによって、基布上に自由に、所望のシワ形状を作
ることができ、上記の課題が効果的に解決できることを
見い出して、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の凹凸シワを有す
る生地の製造方法は、熱セット可能な基布上に、上糸と
下糸とから構成される刺繍柄(エンブロイダリー機によ
る刺繍柄、ミシン刺繍機による刺繍柄を含む)を、該上
糸又は下糸のいずれか一方に伸縮性又は収縮性を有する
刺繍糸を使用して設け、その後、当該基布を加熱するこ
とによって、該基布上に形成された刺繍柄の形状に対応
する凹凸シワを固定することを特徴とする。
【0005】又、本発明は、上記の製造方法において、
他方の刺繍糸が、水又は有機溶剤によって溶解可能な可
溶解糸であり、前記基布を加熱して前記凹凸シワを固定
した後、前記可溶解糸を水又は有機溶剤を用いて溶解除
去し、前記可溶解糸の溶解除去により前記伸縮性又は収
縮性を有する刺繍糸が外れた後の基布を仕上セットする
ことを特徴とするものでもある。更に、本発明は、上記
の製造方法において、前記伸縮性又は収縮性を有する刺
繍糸が、ポリウレタン糸又はビニロン糸であり、前記可
溶解糸が、ポリビニルアルコール糸又はアセテート糸で
あることを特徴とするものでもある。
【0006】
【発明の実施の形態】まず最初に、刺繍柄の形状に対応
する凹凸シワが形成された最終製品(生地)において、
上糸と下糸の刺繍糸とが共に残って刺繍柄が表現された
ものを製造する際の方法について説明する。上記の生地
を製造するための本発明の製造方法(第1製法)では、
基布として熱セット可能なもの、即ち加熱処理によって
形態が保持可能なものが使用され、このような基布の種
類は特に限定されるものではないが、凹凸シワの形成性
及び形態保持性の点で、ポリエステル織物(エステル
ジョーゼット)が特に好ましい。本発明では、このよう
な熱セット可能な基布上に、上糸と下糸とから構成され
る任意の形状の刺繍柄を、該上糸又は下糸のいずれか一
方に伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸を用いて設ける
が、この際、この刺繍糸は上糸として使用されても下糸
として使用されても良く、他方の刺繍糸には、通常、伸
縮性又は収縮性を有しないものが使用され、これによっ
て、凹凸シワの形成面を任意に選択することができる。
この場合の伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸としては、
伸縮性を有したポリウレタン系合成繊維であるオペロン
(商品名)や、熱収縮性を有したビニロン糸などが適し
ており、伸縮性又は収縮性を有しない刺繍糸としては、
ポリエステル糸が一般的であるが、これに限定されるも
のではない。
【0007】本発明では、刺繍柄の形状や大きさや配列
を適宜選択することで、基布上に形成される凹凸シワの
外観を任意に変えることができ、これまでに使用されて
いる通常の刺繍機(例えばミシン刺繍機やエンブロイダ
リー刺繍機など)を用いて刺繍柄が設けることができる
ので、シワ形状の再現性が良好で、シワ形状の間隔が最
適化された製品が得られる。この際、刺繍柄の形状は特
に限定されない。
【0008】そして、本発明の第1製法では、前述のよ
うにして刺繍柄を設けた状態の基布に熱が加えられ、伸
縮糸を使用した場合には、刺繍後に伸縮糸が縮むことに
よって、加熱前に予め、熱セット可能な基布上に刺繍柄
の形状に対応する凹凸シワが形成され、加熱によってこ
の凹凸シワの形状が固定(セット)される。この場合の
加熱温度は基布の種類によって適宜選択されるが、基布
がポリエステルである時の加熱温度としては150℃以
上が一般的であり、160〜220℃が好ましく、16
0〜200℃が特に好ましく、又、加熱時間としては3
0〜90秒程度が一般的である。一方、伸縮性又は収縮
性を有する刺繍糸として熱収縮糸を使用した場合には、
刺繍上がりの基布は平面状で普通の刺繍生地と変わらな
いが、加熱によって刺繍糸の一方が収縮して、刺繍柄の
形状に対応する凹凸シワが発現し、この凹凸シワの形状
が、熱セット可能な基布上で固定される。この場合の加
熱温度は熱収縮糸の種類によって適宜選択されるが、熱
収縮糸がビニロン糸である時の加熱温度としては160
〜220℃が好ましく、160〜200℃が特に好まし
く、又、加熱時間としては15〜60秒程度が一般的で
ある。
【0009】次に、刺繍柄の形状に対応する凹凸シワが
形成された最終製品(生地)において、上糸及び下糸の
両方が基布上に残っていない状態のものを製造する際の
方法について説明する。上記生地を製造するための本発
明の製造方法(第2製法)では、前記の第1製法におけ
る伸縮性又は収縮性を有しない刺繍糸として、水又は有
機溶剤によって溶解可能な可溶解糸が使用され、伸縮性
又は収縮性を有した刺繍糸と上記可溶解糸とから成る任
意の刺繍柄を、前述の熱セット可能な基布上に設ける。
この場合においても、伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸
が上糸であっても下糸であっても良く、可溶解糸が上糸
であっても下糸であっても良く、刺繍柄の形状や大きさ
についても、第1製法と同様の場合と同じである。尚、
伸縮性又は収縮性を有した刺繍糸としては、前記第1製
法で使用されるものと同様のポリウレタン糸やビニロン
糸が好適であり、可溶解糸としては、水に溶解可能なポ
リビニルアルコール糸(例えばソルブロン糸(商品名、
株式会社ニチビ製)や、有機溶剤の一種であるメチルセ
ロソルブに溶解可能なアセテート糸が好適であるが、こ
れに限定されるものではない。
【0010】そして、本発明の第2製法では、前述のよ
うにして刺繍柄を設けた基布に熱を加えてセットした後
で、可溶解糸を水又は有機溶剤を用いて溶解除去し、そ
の時点で反対面側にある刺繍糸が基布から外れ、凹凸形
状が保持された基布だけが残り、これを最後に加熱して
仕上セットし、最終製品を得る。伸縮性又は収縮性を有
する刺繍糸として伸縮糸を使用した場合には、刺繍後に
伸縮糸が縮むことによって、熱セット前に予め基布上に
刺繍柄の形状に対応する凹凸シワが形成され、加熱によ
ってこの凹凸シワの形状が固定(セット)される。これ
に対し、熱収縮糸を使用した場合には、刺繍上がりの基
布は平面状で普通の刺繍生地と変わらないが、熱セット
によって刺繍糸の一方が収縮して、刺繍柄の形状に対応
する凹凸シワが発現し、この凹凸シワの形状が、熱セッ
ト可能な基布上で固定される。可溶解糸を溶解除去する
前の熱セット時の加熱温度は、使用する基布や刺繍糸の
種類により適宜選択されるが、基布がポリエステルであ
る時の熱セット温度としては150℃以上が一般的であ
り、160〜220℃が好ましく、160〜200℃が
特に好ましく、熱セット時間としては15〜60秒程度
が一般的である。尚、仕上セットを行う際の加熱温度及
び加熱時間については、前記第1製法と同様である。
【0011】上述の本発明の第2製法によって得られた
製品(生地)では、凹凸シワを形成するために予め設け
た刺繍柄を構成していた上糸と下糸が共に基布から取り
除かれており、この生地は、基布のみが刺繍時の針穴柄
を残しつつ、その時の刺繍柄によって得られた種々の凹
凸形状が表現された外観を有し、非常に意匠性及び装飾
性に優れている。本発明では、予め基布に通常の刺繍柄
を一緒に設けておいても良い。更に、本発明にて得られ
た生地に対しては染色を行うことが可能であり、所望の
色に染色された製品を得ることができ、先染め(凹凸シ
ワを形成させる前に予め染色する)を行っても、後染め
(凹凸シワを形成させた後に染色する)を行っても良
い。以下、図面を参照しつつ、本発明の製造方法の具体
例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。図1(a)は、基布上に刺繍柄(五角形が連接した
柄)を設け、伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸が収縮し
ていない状態の一例を示す図であり、(b)は、(a)
における刺繍糸の一方が収縮した後の状態を示す図であ
り、(c)は、(b)における刺繍糸(上糸及び下糸)
が取り除かれた後の最終製品の外観を示す図である。
【0012】
【実施例】(1) 凹凸シワを有し、刺繍柄が基布上に残っ
た生地を製造する方法(前記第1製法) 実施例1:刺繍糸の一方に伸縮糸を使用し、他方に通常
糸を使用した場合 基布として、エステルジョーゼットを使用し、伸縮性又
は収縮性を有する刺繍糸として伸縮糸(オペロン糸、2
00d)を使用し、他方に通常糸(エステル糸、200
d)を使用し、図1(a)に示される刺繍柄を上記基布
に設けたところ、刺繍後に伸縮糸が縮んで、基布上に、
図1(b)に示されるような凹凸シワが生じた。そして
次に、この基布を、仕上セット(165℃、60秒)す
ると、熱によってこの凹凸シワの形状が固定された生地
が得られた。
【0013】実施例2:刺繍糸の一方に熱収縮糸を使用
し、他方に通常糸を使用した場合 基布として、エステルジョーゼットを使用し、伸縮性又
は収縮性を有する刺繍糸として熱収縮糸(ビニロン、4
0/2)を使用し、他方に通常糸(エステル糸、200
d)を使用し、図1(a)に示される刺繍柄を上記基布
に設けた。そして、この基布を、熱セット(180℃、
30秒)すると、熱収縮糸が収縮して、刺繍柄に対応す
る凹凸シワが基布に形成されると共に、熱によってこの
凹凸シワの形状が固定され、図1(b)に示される外観
の生地が得られた。この場合には、刺繍後の基布が凹凸
を有していないために、実施例1の場合に比べて、熱セ
ット時の作業性が良好であった。
【0014】(2) 刺繍柄が基布上に残らず、該刺繍柄の
形状に対応する凹凸シワが基布上に形成された生地を製
造する方法(前記第2製法) 実施例3:刺繍糸の一方に伸縮糸を使用し、他方に水溶
解性を有した可溶解糸を使用した場合 基布として、エステルジョーゼットを使用し、伸縮性又
は収縮性を有する刺繍糸として伸縮糸(オペロン糸、2
00d)を使用し、他方に可溶解糸(ソルブロン糸、2
50d)を使用し、図1(a)に示される刺繍柄を上記
基布に設けたところ、刺繍後に伸縮糸が縮むことにより
基布も縮み、図1(b)に示されるような凹凸シワを基
布に形成することができた。そして次に、この基布を、
熱セット(180℃、30秒)すると、熱によってこの
凹凸シワの形状が固定された生地が得られ、この状態の
基布を沸騰水中に30分間浸漬して可溶解糸を溶解除去
すると、伸縮糸が基布から外れ、刺繍柄により形成され
た凹凸シワと、刺繍時の針穴柄とを有した基布が得ら
れ、これを最後に仕上げセット(165℃、60秒)
し、図1(c)に示される外観の最終製品を得た。この
ようにして得られた生地は、凹凸シワと針穴柄とを有し
ており、非常に意匠性に富んだ製品であった。
【0015】実施例4:刺繍糸の一方に熱収縮糸を使用
し、他方に水溶解性を有した可溶解糸を使用した場合 基布として、エステルジョーゼットを使用し、伸縮性又
は収縮性を有する刺繍糸として熱収縮糸(ビニロン、4
0/2)を使用し、他方に可溶解糸(ソルブロン糸、2
50d)を使用し、図1(a)に示される刺繍柄を上記
基布に設けた。そして、この基布を、熱セット(180
℃、30秒)すると、熱収縮糸が収縮して、刺繍柄に対
応する凹凸シワが基布に形成されると共に、熱によって
この凹凸シワの形状が固定され、図1(b)に示される
外観の基布が得られた。そして、この状態の基布を、実
施例3の場合と同様に、沸騰水で処理した後、これを最
後に仕上げセット(165℃、60秒)すると、図1
(c)に示される外観の最終製品が得られた。このよう
にして得られた生地も、凹凸シワと針穴柄とを有してお
り、非常に意匠性に富んだ製品であった。
【0016】実施例5:刺繍糸の一方に伸縮糸を使用
し、他方に有機溶剤で溶解する可溶解糸を使用した場合 基布として、エステルジョーゼットを使用し、伸縮性又
は収縮性を有する刺繍糸として伸縮糸(オペロン糸、2
00d)を使用し、他方に可溶解糸(アセテート糸、3
00d)を使用し、図1(a)に示される刺繍柄を上記
基布に設けたところ、刺繍後に伸縮糸が縮んで、図1
(b)に示されるような凹凸シワを基布に形成すること
ができた。そして次に、この基布を、熱セット(180
℃、30秒)すると、熱によってこの凹凸シワの形状が
固定された生地が得られ、この状態の基布を、溶剤(メ
チルセロソルブ)中に常温で15分間浸漬して可溶解糸
を溶解除去すると、伸縮糸が基布から外れ、刺繍柄によ
り形成された凹凸シワと、刺繍時の針穴柄とを有した基
布が得られ、これを最後に仕上げセット(165℃、6
0秒)して、図1(c)に示される外観の最終製品を得
た。このようにして得られた生地は、実施例3の生地と
同様の凹凸シワと針穴柄とを有しており、非常に意匠性
に富んだ製品であった。
【0017】実施例6:刺繍糸の一方に熱収縮糸を使用
し、他方に有機溶剤で溶解する可溶解糸を使用した場合 基布として、エステルジョーゼットを使用し、伸縮性又
は収縮性を有する刺繍糸として熱収縮糸(ビニロン、4
0/2)を使用し、他方に可溶解糸(アセテート糸、3
00d)を使用し、図1(a)に示される刺繍柄を上記
基布に設けた。そして、この基布を、熱セット(180
℃、30秒)すると、熱収縮糸が収縮して、刺繍柄に対
応する凹凸シワが基布に形成されると共に、熱によって
この凹凸シワの形状が固定され、図1(b)に示される
外観の基布が得られた。そして、この状態の基布を、実
施例5の場合と同様に、溶剤(メチルセロソルブ)で処
理した後、これを最後に仕上げセット(165℃、60
秒)すると、図1(c)に示される外観の最終製品が得
られた。このようにして得られた生地は、実施例4の生
地と同様の凹凸シワと針穴柄とを有しており、非常に意
匠性に富んだ製品であった。
【0018】実施例7:先染め及び後染め試験結果 上記実施例1〜6にて得られた凹凸シワを有する生地を
用いて、先染め及び後染め試験を行った。 (先染め試験)実施例1、2、5及び6の基布について
は、変退色、汚染共になかったが、実施例3及び4の基
布については、高温水での処理を行うために、先染めの
場合には堅牢度が良くないと変退色や汚染が起こる傾向
があった。 (後染め試験)実施例1及び2の基布については、後染
めが可能であるが、基布及び刺繍糸の染色性に配慮が必
要であった。又、実施例3及び4の基布については、染
色時に可溶解糸(ソルブロン糸)が溶けてしまうため
に、形成された柄が多少崩れる傾向があったが、実施例
5及び6の基布については、染色時に可溶解糸(アセテ
ート糸)が溶解せずに、染色後に溶解でき、柄崩れが観
察されなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明の製造方法の場合、刺繍柄の大き
さや形状や配列等を任意に選択することによって、所望
の凹凸シワによる柄(ふくれ柄)を有する生地が比較的
簡単に製造でき、特に上糸又は下糸のいずれか一方に、
水又は有機溶剤により溶解可能な糸を使用した場合に
は、この糸を溶解除去することで、刺繍柄により形成さ
れた凹凸シワと、刺繍時の針穴柄とを有した、意匠性に
富んだ基布が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、基布1上に刺繍柄(五角形が連接し
た柄)2を設け、伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸が収
縮していない状態の一例を示す図であり、(b)は、
(a)における刺繍糸の一方が収縮した後の状態を示す
図であり、(c)は、(b)における刺繍糸(上糸及び
下糸)が取り除かれた後の最終製品の外観を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 基布 2 刺繍柄(上糸又は下糸のいずれか一方が、伸縮性又
は収縮性を有する刺繍糸により構成されている)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 9/14 Fターム(参考) 3B154 AB19 BA12 BA32 BA39 BB12 BD18 BE09 DA13 4L031 AA16 AA22 CA06 4L044 BA01 BA02 BA05 BA08 4L049 AA06 AA11 AA16 BA21 BA27 BA32 BA33 DA12 DA13 DA25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱セット可能な基布上に、上糸と下糸と
    から構成される刺繍柄を、該上糸又は下糸のいずれか一
    方に伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸を使用して設け、
    その後、当該基布を加熱することによって、該基布上に
    形成された刺繍柄の形状に対応する凹凸シワを固定する
    ことを特徴とする、凹凸シワを有する生地の製造方法。
  2. 【請求項2】 他方の刺繍糸が、水又は有機溶剤によっ
    て溶解可能な可溶解糸であり、前記基布を加熱して前記
    凹凸シワを固定した後、前記可溶解糸を水又は有機溶剤
    を用いて溶解除去し、前記可溶解糸の溶解除去により前
    記伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸が外れた後の基布を
    仕上セットすることを特徴とする請求項1記載の凹凸シ
    ワを有する生地の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記伸縮性又は収縮性を有する刺繍糸
    が、ポリウレタン糸又はビニロン糸であり、前記可溶解
    糸が、ポリビニルアルコール糸又はアセテート糸である
    ことを特徴とする請求項2記載の凹凸シワを有する生地
    の製造方法。
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