JP2000198996A - 配管内摩擦抵抗の低減方法 - Google Patents
配管内摩擦抵抗の低減方法Info
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Abstract
優れ、廃棄に際して環境負荷が少なく、さらに低起泡性
の界面活性剤を開発する。 【解決手段】 ポリオキシアルキレングリコールを基本
骨格としたアミンオキシド化合物、またはこれとポリオ
キシアルキレングリコール系ノニオン界面活性剤の混合
物が、低起泡性で、特に0.05〜1.0重量%の水溶
液中でミセルを形成したとき、高密度熱輸送用界面活性
剤として適切なミセル形状を形成し、配管内摩擦抵抗低
減効果に優れていることを見出した。
Description
場、ゴミ処理場、工場等の排熱発生地域と都市間のエネ
ルギーネットワークシステムにおける省エネルギー熱輸
送の確立に資するものである。また、地域冷暖房設備に
おける、水または氷水スラリーの高密度熱輸送及び石油
精製工場、石油化学工場の冷却水循環システム、消火放
出水等、水の大量移送システムにおいて、配管内の摩擦
抵抗を低減し、搬送動力の低減、熱損失の低減、搬送水
量の増加(搬送エネルギーの増加)、配管系の縮小等、省
エネルギー搬送技術に貢献する高密度熱輸送用界面活性
剤に関するものである。
して、乱流内にある温熱水の搬送において、ある種の鎖
状高分子を添加すると配管内摩擦抵抗が著しく減少する
現象(トムズ効果)が50年前に発見されている。トムズ効
果は数ppm〜数千ppm程度の鎖状高分子を水に添加
する事により配管内摩擦抵抗低減効果を示すことを意味
し、管内輸送において摩擦損失の減少による流量増加や
ポンプ動力の減少が期待できる。このトムズ効果のメカ
ニズムは、添加した鎖状高分子が糸巻き状(ランダムコ
イル状)となって流体中に混合し、そのランダムコイル
が乱流渦の発生や発達を抑止することとされている。し
かし、高分子はポンプの剪断力により壊され、配管内摩
擦抵抗低減機能が失われるため、循環系配管には不向き
である。一方、約10年前にカチオン系界面活性剤である
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)等の第
4級アンモニウム塩はその添加量を増大すると棒状のミ
セル構造を形成し、鎖状高分子のランダムコイルと同様
に配管内摩擦抵抗低減効果があり、ポンプの剪断力を受
けてもその機能を回復することが発見され、その適用研
究等が国内外で行なわれている。しかし、カチオン系界
面活性剤は強い殺菌作用があることから、その廃棄に際
して環境に対する負荷が大きく、又化合物中の塩素・臭
素などのハロゲン元素は腐食性が強く、配管を通しての
熱輸送用界面活性剤として使用するのには問題があり、
その実用化の阻害因子となっている。又、これまでの比
較的鎖長の短いアミンオキサイド化合物の水溶液から形
成したミセルはサイズが小さく、適切な形状でないため
配管内摩擦抵抗低減効果は弱く、又タンク内等での発泡
により、配管内に気泡を生じることも影響を及ぼす可能
性がある。
うにポンプの剪断力により壊され、配管内摩擦抵抗低減
機能が失われることのない化合物であり、さらにその化
合物は殺菌作用がなく、塩素・臭素などのハロゲン元素
は含まれず、毒性および腐食性が弱く、廃棄に際して環
境に対する負荷が少ない界面活性剤の開発が求められ
る。また、その水溶液から形成したミセルは適切な形状
であることから、優れた配管内摩擦抵抗低減効果を示
し、搬送動力の低下、熱損失の低減、搬送水量の増加、
配管径の縮小等、省エネルギー搬送技術に貢献するもの
が求められる。ところが、従来の界面活性剤では、配管
内の循環及びタンク内における発泡のため、これによる
配管内摩擦抵抗低減効果の減少や熱損失が懸念される。
果、化1及び化2のようなアミンオキシド化合物を水系
熱搬送媒体に添加することにより配管内摩擦抵抗を低減
することが可能であることを見出した。また、これらの
アミンオキサイド化合物が水溶液中でミセルを形成した
とき、熱輸送用界面活性剤として適切なミセルの硬さお
よびサイズを形成し、配管内摩擦抵抗低減効果に特徴的
な効果を発揮することを見出した。さらに、化1及び化
2自体低起泡性ではあるが、これらの化合物のうち、化
3のようなノニオン系界面活性剤で0〜100%好まし
くは5〜40%置き換えることで、化1及び化2の持
つ、配管内摩擦抵抗低減効果を損なうことなく、配管内
の循環及びタンク内における発泡を抑制することが可能
になることも見出した。これらアミンオキシド化合物な
らびにノニオン系界面活性剤は、ハロゲン元素を含ま
ず、毒性および腐食性が弱く廃棄に際して環境に対する
負荷が少ない点も特徴である。
のミックスまたは各々が2モル以上付加した生成物とし
てのブロックが2つ以上ランダムにつながっている。α
……ωは0〜1,000である。また、R1,R2,
R4,R5は炭素原子数が1〜36のアルキル及びアルケ
ニル、または炭素原子が1〜36のヒドロキシアルキ
ル、またはHO−(C2H4O)x−(CcH2cO)y−、又は
HO−(CdH2dO)z−、で表されるアルキルエーテルを
意味する。これら2式において、cは3か4またはその
ミックスを意味する。dは2〜4であり、その2つ以上
のミックス、または各々が2モル以上付加した生成物と
してのブロックが2つ以上ランダムにつながっている。
x,y,zは0〜1,000である。R3は炭素原子数
が1〜36のアルキル及びアルケニル、または炭素原子
が1〜36のヒドロキシアルキルを意味する。
のミックスまたは各々が2モル以上付加した生成物とし
てのブロックが2つ以上ランダムにつながっている。α
……ωは0〜1,000である。また、R1,R2は炭素
原子数が1〜36のアルキル及びアルケニル、または炭
素原子が1〜36のヒドロキシアルキル、またはHO−
(C2H4O)x−(CcH2cO)y−、又はHO−(CdH2dO)
z−、で表されるアルキルエーテルを意味する。これら
2式において、cは3か4またはそのミックスを意味す
る。dは2〜4であり、その2つ以上のミックス、また
は各々が2モル以上付加した生成物としてのブロックが
2つ以上ランダムにつながっている。x,y,zは0〜
1,000である。
以上のミックスまたは各々が2モル以上付加した生成物
としてのブロックが2つ以上ランダムにつながってい
る。α……ωは0〜1,000である。
想定した場合、化合物を熱媒体液に添加することによ
り、配管内の摩擦抵抗を低減させ、省エネルギーに貢献
することができる。水系熱搬送媒体の配管内摩擦抵抗を
低減させるために、化1 または 化2に示されるような
アミンオキシド系化合物を0.001〜5重量%、好ま
しくは0.05〜1.0重量%の濃度で熱輸送媒体に添
加する。さらに、これらアミンオキシド化合物のうち0
〜100%、好ましくは5〜40% を、化3で示され
るノニオン系界面活性剤に置き換えて熱輸送媒体に0.
001〜5重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%
の濃度で添加する。添加量が0.001重量%以下では
効果がなく、また5重量%以上では分散させにくく配管
内、ポンプ等に目詰まりを起こしやすくなり、費用の点
からも好ましくない。温度範囲は、冷房時の低温域から
暖房時の120℃位、特に5〜80℃で適用する。
を図1に示した。化合物を添加した熱搬送媒体液は、A
地点を出た後、B地点で冷暖房に使用されて温度が変化
し、再びA地点に戻ることを想定して試験を行なった。
温度調節装置で一定温度にコントロールされた液体を
ポンプで流量計を通して搬送し、A点の圧力計と
B点の圧力計の数値を記録する。試験部から戻った液
体は膨張タンクのついた配管内で再び温度コントロー
ルされて循環する。
界面活性剤の摩擦抵抗低減効果の評価試験は、アミンオ
キシド化合物及びノニオン系界面活性剤のそれぞれの水
溶液について、直径D(m)を有する配管を搬送する際の
配管の長さL(m)における圧力損失ΔPをいろいろな流
速υ(m/s)について測定することによって行う。これ
らの値から摩擦損失F及びレイノルズ数Reを計算す
る。 ΔP = ρF (kgw/m2) Re = Dυρ/η F = 2fυ2L/gD (kgw・m/kg) g: 重力加速度 = 9.8 (m/s2) ρ: 流体の密度 (kg/m3) η: 動粘度 (kg/m・s) υ: 平均流速 (m/s) f: 粗管の摩擦係数
を次式から算出する。DR(Drag Reduction)効果:配管
内摩擦損失が水に対して低減した割合
明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定される
ものではない。
(以下EO))5・(ポリオキシプロピレン(以下PO))30モ
ノエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド水溶液の合
成を行なう。(EO)5・(PO)30モノエチルジヒドロキ
シエチルアミン170g、イオン交換水260gに対し
て35%過酸化水素水(試薬一級)10gを加え、75〜
80℃で6〜8時間反応させた後、過剰の過酸化水素水
を25%水酸化ナトリウム水溶液0.5〜1g加えて7
5〜80℃で2時間分解反応し、次に35%塩酸(試薬
一級)約0.5gで中和し、イオン交換水20gを追加
して有効成分30%の(EO)5・(PO)30モノエチルジ
ヒドロキシエチルアミンオキシド水溶液430gを得
た。
の条件を設定して実験を行なった。 A点からB点までの管長(L) 10m 管径(D) 100mm(=0.1m) A点からB点(往)の温度(T1) 80℃ A点からB点(復)の温度(T2) 60℃ 平均流速(υ) 2.0m/s Re:レイノルズ数,ΔP:圧力損失,F:摩擦損失
(直円管内) V:体積流量(m3/s) 使用活性剤 (EO)5・(PO)30モノエチルジヒドロキシエチルアミ
ンオキシド水溶液(有効成分30%) 添加量 0.05%,0.5%
ーに活性剤濃度0.05%の水溶液を200mL入れ、
15回激しく振とうした直後の泡高(mm)と10分後の
泡高(mm)を計測した。
条件は実施例1と同じである。以下、実施例7まで同様
である。使用活性剤 (EO)10・(PO)30モノエチルジヒドロキシエチルアミ
ンオキシド水溶液(有効成分30%) 添加量 0.05%,0.5%
ンオキシド)水溶液(有効成分30%) 添加量 0.05%,0.5%
ミンオキシド)水溶液(有効成分30%) 添加量 0.05%,0.5%
ンオキシド水溶液(有効成分30%):(EO)5・(PO)
30グリコールエーテル = 70:30 添加量 0.05%,0.5%
ンオキシド)水溶液(有効成分30%):(EO)5・(PO)
30グリコールエーテル = 70:30 添加量 0.05%,0.5%
ンオキシド)水溶液(有効成分30%) : (EO)5・(P
O)30ビス(エチルジヒドロキシエチル アミンオキシド)水溶液(有効成分30%) : (EO)5・
(PO)30グリコールエーテル = 35:35:30 添加量 0.05%,0.5%
ド水溶液(有効成分30%) 添加量 0.05%,0.5%
理場,工場等の排熱発生地域と都市間のエネルギーネッ
トワークシステムにおける省エネルギー熱輸送の確立に
質するものである。中でも、地域冷暖房設備における水
又は氷スラリーの高密度熱輸送及び石油精製工場,石油
化学工場の冷却水循環システム,消火放出水など、水の
大量位相システムにおいて、配管内の摩擦抵抗を低減
し、搬送動力の低減,熱損失の低減,搬送水量の増加,
配管系の縮小等、省エネルギー搬送技術に貢献する高密
度熱輸送用界面活性剤に関するものである。本発明品
は、従来技術の第四級アンモニウム塩及び特定のアミン
オキシド化合物と比較して、より優れた配管内摩擦抵抗
低減効果を示すことで、流量増加やポンプ動力を低減さ
せることが出来ることを見出した。また、腐食性電解質
を含有していないことから廃棄に際して環境負荷が少な
いことを見出した。さらに、本発明品並びにこれらへ特
定されたノニオン系界面活性剤を添加することで、低起
泡性となり、更なる配管内摩擦抵抗低減効果を示すこと
が可能となった。
ようになる。 経済効果の試算 ポンプ効率 = 90%,電力変換効率 = 35%,稼働率
= 30% 電力量料金 = 15円/kWh,界面活性剤価格 = 600円/
kg 管長(L):5 km,管径(D):0.5 mとした場合 電気料金(千円/年) 水の場合 11,664 12,571 界面活性剤添加 4,666 4,400 界面活性剤の使用コスト(千円/kg・年) 1,178 上記より 年間 13,991千円のコストダウンが見込める。
Claims (2)
- 【請求項1】 水系熱搬送媒体に界面活性剤として化1
で表されるアミンオキシド化合物および/または化2で
表されるアミンオキシド化合物を0.001〜5重量%
の範囲で添加することを特徴とする、水系熱搬送媒体の
配管内摩擦抵抗の低減方法。 【化1】 式中a,bは2〜4であり、その2つ以上のミックスま
たは各々が2モル以上付加した生成物としてのブロック
が2つ以上ランダムにつながっている。α……ωは0〜
1,000である。また、R1,R2,R4,R5は炭素原
子数が1〜36のアルキル及びアルケニル、または炭素
原子が1〜36のヒドロキシアルキル、またはHO−
(C2H4O)x−(CcH2cO)y−、又はHO−(CdH2dO)
z−、で表されるアルキルエーテルを意味する。これら
2式において、cは3か4またはそのミックスを意味す
る。dは2〜4であり、その2つ以上のミックス、また
は各々が2モル以上付加した生成物としてのブロックが
2つ以上ランダムにつながっている。x,y,zは0〜
1,000である。R3は炭素原子数が1〜36のアル
キル及びアルケニル、または炭素原子が1〜36のヒド
ロキシアルキルを意味する。 【化2】 式中a,bは2〜4であり、その2つ以上のミックスま
たは各々が2モル以上付加した生成物としてのブロック
が2つ以上ランダムにつながっている。α……ωは0〜
1,000である。また、R1,R2は炭素原子数が1〜
36のアルキル及びアルケニル、または炭素原子が1〜
36のヒドロキシアルキル、またはHO−(C2H4O)x
−(CcH2cO)y−、又はHO−(CdH2dO)z−、で表さ
れるアルキルエーテルを意味する。これら2式におい
て、cは3か4またはそのミックスを意味する。dは2
〜4であり、その2つ以上のミックス、または各々が2
モル以上付加した生成物としてのブロックが2つ以上ラ
ンダムにつながっている。x,y,zは0〜1,000
である。 - 【請求項2】 水系熱搬送媒体に界面活性剤として化
1で表されるアミンオキシド化合物および/または化2
で表されるアミンオキシド化合物に化3で表されるノニ
オン系界面活性剤を任意の割合で配合し、請求項1 に
示す範囲内で添加することを特徴とする、水系熱搬送媒
体の配管内摩擦抵抗の低減方法。 【化3】 式中a,b,cは2〜4であり、その2つ以上のミック
スまたは各々が2モル以上付加した生成物としてのブロ
ックが2つ以上ランダムにつながっている。α……ωは
0〜1,000である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37691898A JP4420995B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 配管内摩擦抵抗の低減方法 |
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JP37691898A JP4420995B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 配管内摩擦抵抗の低減方法 |
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JP2000198996A true JP2000198996A (ja) | 2000-07-18 |
JP4420995B2 JP4420995B2 (ja) | 2010-02-24 |
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JP37691898A Expired - Fee Related JP4420995B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 配管内摩擦抵抗の低減方法 |
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JP (1) | JP4420995B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012007048A (ja) * | 2010-06-23 | 2012-01-12 | National Maritime Research Institute | 摩擦抵抗低減塗料、摩擦抵抗低減塗膜および船舶 |
CN114046453A (zh) * | 2021-10-18 | 2022-02-15 | 杭州国泰环保科技股份有限公司 | 一种吸污泵车用管道润滑装置 |
-
1998
- 1998-12-28 JP JP37691898A patent/JP4420995B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2012007048A (ja) * | 2010-06-23 | 2012-01-12 | National Maritime Research Institute | 摩擦抵抗低減塗料、摩擦抵抗低減塗膜および船舶 |
CN114046453A (zh) * | 2021-10-18 | 2022-02-15 | 杭州国泰环保科技股份有限公司 | 一种吸污泵车用管道润滑装置 |
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