JP2000197423A - ナス科植物の培養増殖方法 - Google Patents
ナス科植物の培養増殖方法Info
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Abstract
上繰り返すことを特徴とするナス科植物の培養増殖方
法。 (1):ナス科植物の苗の茎葉部又は(2)で発根させ
た茎葉部の一部を少なくとも一つの定芽を含むように切
り取る (2):(1)で切り取った茎葉部を培養土を支持体と
した培地で培養し、発根させる 【効果】 ナス科植物の継続的な培養増殖を可能とし、
栄養繁殖による苗生産を可能とする。
Description
増殖方法に関する。この方法により、継続的・永続的な
ナス科植物の培養増殖が可能になる。
養増殖による無病苗の増殖、挿し芽・接ぎ木による苗生
産技術の発達により従来種子繁殖されていた花卉野菜
も、現在では栄養繁殖により品種化されクローン苗が生
産販売されている。
品種の生産は行われていなかった。この理由の一つに培
養増殖が困難であることがある。ピーマンの場合、無菌
実生苗を用いた節培養や不定芽増殖により培養増殖が今
まで報告されているが、数代継代するとvitrification
や頂芽・腋芽の伸長の抑制がおこり、継続的・永続的な
培養増殖が困難であった。また、成熟した結実株を材料
とした培養増殖の成功例は報告されていない。このため
栄養繁殖による品種の作出が困難であった。
よるクローン苗の生産が困難であるピーマン、ナスなど
のナス科植物について効率的な培養増殖方法を提供する
ことを目的とする。
解決するため鋭意検討を重ねた結果、培地の支持体とし
て従来用いられていた寒天などに替え、培養土を用いる
ことにより、継続的・永続的なピーマン及びナスの培養
増殖が可能になることを見出し、本発明を完成した。
の工程を二回以上繰り返すことを特徴とするナス科植物
の培養増殖方法である。 (1):ナス科植物の苗の茎葉部又は(2)で発根させ
た茎葉部の一部を少なくとも一つの定芽を含むように切
り取る (2):(1)で切り取った茎葉部を培養土を支持体と
した培地で培養し、発根させる
本発明のナス科植物の培養増殖法は、以下の(1)及び
(2)の工程を二回以上繰り返すことを特徴とするもの
である。 (1):ナス科植物の苗の茎葉部又は(2)で発根させ
た茎葉部の一部を少なくとも一つの定芽を含むように切
り取る (2):(1)で切り取った茎葉部を培養土を支持体と
した培地で培養し、発根させる
ピーマン(Capsicum annuum L.)、ナス(Solanum melo
ngena L.)、トマト(Lycopersicon esculentum Mil
l.)などを使用することができる。ナス科植物の苗とし
ては、実生苗を用いることができるほか、結実株から得
られた苗を用いることもできる。茎葉部の切り取りは、
少なくとも一つの定芽を含むように行うのであれば特に
限定されないが、苗の節間部を切断し、切り取るのが好
ましい。切り取る部分は、一つの苗から一つだけでな
く、二つ以上切り取ってもよい。切り取った茎葉部を培
養する培地は、培養土を支持体とするものであれば特に
限定されない。培養土としては、コンポスト(バーミキ
ュライトやパーライトなどの粘土鉱物、及び/又はピー
トモスなどの腐植物により構成され、必要に応じて無機
栄養分を適宜添加された配合用土のこと)が好ましい
が、これに限定されるわけではない。培養土以外の培地
成分も特に限定されないが、鉄及び液体肥料を含むこと
が好ましい。
し、頂芽や腋芽が伸長してくる。ある程度頂芽や腋芽が
伸長した段階で上記と同様に茎葉部の一部を少なくとも
一つの定芽を含むように切り取り、培養土を支持体とし
た培地で培養する。このような培養増殖法を行うことに
より、継続的・永続的な培養増殖が可能になる。
増殖 ピーマンの品種「京波」、「ワンダーベル」、「カリフ
ォルニアワンダー」(以上タキイ種苗株式会社)3品種
の種子を表面殺菌後、無菌播種し、無菌実生苗を得た。
この実生苗の本葉が展開した時期に節間部分を切断し、
少なくとも一つの定芽を含むように茎葉部の一部を切り
取った。この切り取った部分(以下、これを「シュー
ト」という)を市販のコンポストを支持体とした発根培
地に移植し、培養増殖させた。市販のコンポストとして
は、Metro-Mix 350 (Scotts-Sierra Horticultural Co
mpany )又はPro-mix PGX (Premier Horticultural In
c.)を使用し、これら支持体150mlに対して蒸留水50ml
を添加して発根培地を作製した。
に発根が起こり、頂芽、腋芽とも健全に伸長した。同様
な培養方法で継代移植を繰り返しても継代7〜8回を経
ても健全な状態が維持されており、節間部の切断による
分割増殖が可能であった。
糖の添加効果 実施例1で使用した培地に液肥(Hyponex(6.5:6:19)
(HYPONEX CORPORATION製) 3g/l )、鉄分(Fe-EDTA(M
S培地用×100 stock sol.)10ml/l)を加え、新たな発
根培地を作製した。この培地を用いて実施例1と同様な
方法で培養増殖を行った。この結果、シュートの伸長、
腋芽の伸長は非常に良好で明らかに添加効果が認められ
た。
温室で80〜90%RHに湿度を維持した条件で順化すること
により容易に順化できた。 〔実施例4〕 ピーマン結実株からの培養増殖 結実したピーマンの成熟株の側枝を切り戻し、新たな腋
芽を伸長させた。伸長させた腋芽の節間部を切断し、表
面を殺菌した後、実施例1と同様にしてコンポストを支
持体とした発根培地で培養した。この結果、無菌実生苗
同様増殖可能であった。
の代わりに寒天等を含む培地(1/2MS ホルモンフリー、
グルコース20g/l 、ゲランガム3g/l又は寒天8g/l pH 5.
8)を使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で培養
を行った。培養の結果、苗の上部から得られたシュート
からは頂芽が伸長し、下部から得られたシュートからは
腋芽が伸長してきたので、それぞれ頂芽、腋芽の節間部
分を切断し、新たなシュートを得た。これらのシュート
を上記と同様に寒天を用いた発根培地に置床し、培養増
殖させた。このような継代培養を数回繰り返したが、継
代培養2〜3回までは増殖するものの、3〜4回目から
シュートがvitrificationを誘発したり、発根困難とな
るとともに頂芽、腋芽が伸長しなくなるため以後継続的
な増殖は不可能であった。
両2号(タイキ種苗株式会社))の枝を切り取り、これ
を新たに伸長した頂芽を含むように5cm程度の長さに切
断した。このシュートを次亜塩素酸ナトリウム溶液(有
効塩素濃度1%)に10〜15分間浸し、その後滅菌水で3
回洗浄した。
切り戻した後に、以下の条件で培養を行った。 培地組成:1/2MSホルモンフリー、グルコース 20g/l、p
H 5.8、寒天 8g/l 培養容器:管ビン(サンキャップシート) 培養条件:2,000 lux、12時間日長、25℃
てきたので、少なくとも一つの定芽(頂芽又は腋芽)を
含むようにシュートを切り取った。このシュートを以下
の条件で培養した。 培地組成:{Hyponex(6.5:6:19) 3g/l、Fe-EDTA(×10
0)10ml/l}混合液50ml、支持体としてMetro-Mix 350を
150ml使用 培養容器:バイオポット(ミリシール付きポリカーボネ
ート製容器) 培養条件:2,000 lux、12時間日長、25℃ 培養を数代繰り返したが、シュートはvitrofication等
を起こすことなく、健全に維持された。
養の培地組成を以下のものに変更して培養を行った。 培地組成:1/2MSホルモンフリー、グルコース 20g/l、p
H 5.8、寒天 8g/l 培養2〜3週間後には切り口部分はカルス化し、培養シ
ュートはvitroficationを誘発した。このため、健全な
培養体の維持ができず、継続的な培養増殖は非常に困難
であった。
殖を可能とし、栄養繁殖による苗生産を可能とするもの
である。
13)
鉄分の添加効果 実施例1で使用した培地に液肥(Hyponex(6.5:6:19)
(HYPONEX CORPORATION製) 3g/l )、鉄分(Fe-EDTA(M
S培地用×100 stock sol.)10ml/l)を加え、新たな発
根培地を作製した。この培地を用いて実施例1と同様な
方法で培養増殖を行った。この結果、シュートの伸長、
腋芽の伸長は非常に良好で明らかに添加効果が認められ
た。
Claims (5)
- 【請求項1】 以下の(1)及び(2)の工程を二回以
上繰り返すことを特徴とするナス科植物の培養増殖方
法。 (1):ナス科植物の苗の茎葉部又は(2)で発根させ
た茎葉部の一部を少なくとも一つの定芽を含むように切
り取る (2):(1)で切り取った茎葉部を培養土を支持体と
した培地で培養し、発根させる - 【請求項2】 培養土が、コンポストであることを特徴
とする請求項1記載のナス科植物の培養増殖方法。 - 【請求項3】 培地が、鉄及び液体肥料を含むことを特
徴とする請求項1又は2記載のナス科植物の培養増殖方
法。 - 【請求項4】 ナス科植物が、ピーマンであることを特
徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナス科
植物の培養増殖方法。 - 【請求項5】 ナス科植物が、ナスであることを特徴と
する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナス科植物
の培養増殖方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11218595A JP2000197423A (ja) | 1998-11-06 | 1999-08-02 | ナス科植物の培養増殖方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-315553 | 1998-11-06 | ||
JP31555398 | 1998-11-06 | ||
JP11218595A JP2000197423A (ja) | 1998-11-06 | 1999-08-02 | ナス科植物の培養増殖方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000197423A true JP2000197423A (ja) | 2000-07-18 |
Family
ID=26522646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11218595A Pending JP2000197423A (ja) | 1998-11-06 | 1999-08-02 | ナス科植物の培養増殖方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000197423A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013146255A (ja) * | 2012-01-23 | 2013-08-01 | Mogami Ranen Kk | イソギクの大量繁殖方法、イソギクを利用した緑化方法、および、それらに利用する材木腐朽菌の培養方法 |
CN103392460A (zh) * | 2013-06-18 | 2013-11-20 | 紫云县惠农种植养殖农民专业合作社 | 一种野生山豆根的扦插扩繁方法 |
CN103636400A (zh) * | 2013-12-24 | 2014-03-19 | 长春大学 | 长白山大叶蟹甲草自体快速繁殖法 |
CN104521527A (zh) * | 2015-01-06 | 2015-04-22 | 云南省农业科学院花卉研究所 | 一种风信子的快速繁殖方法 |
CN116849128A (zh) * | 2023-08-23 | 2023-10-10 | 金陵科技学院 | 一种苏崎茄同源四倍体植株花药培养方法 |
-
1999
- 1999-08-02 JP JP11218595A patent/JP2000197423A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013146255A (ja) * | 2012-01-23 | 2013-08-01 | Mogami Ranen Kk | イソギクの大量繁殖方法、イソギクを利用した緑化方法、および、それらに利用する材木腐朽菌の培養方法 |
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CN104521527A (zh) * | 2015-01-06 | 2015-04-22 | 云南省农业科学院花卉研究所 | 一种风信子的快速繁殖方法 |
CN116849128A (zh) * | 2023-08-23 | 2023-10-10 | 金陵科技学院 | 一种苏崎茄同源四倍体植株花药培养方法 |
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