JP2000197384A - 同期電動機の制御装置 - Google Patents
同期電動機の制御装置Info
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Abstract
的な制御器のPIゲインはバックラッシュの大小にかか
わらず一定のPIゲインに固定して制御を行っている。
そのため、ハンチング状態に陥ってしまい、振動や異音
の原因となる。 【解決手段】 モータ制御時の外乱を推定器(91、9
2、93、94)で演算し、前記推定値で得られた値に
応じて変化させる関数をもつ演算器(95)によってモ
ータ(7)を制御するPIゲインを演算させる。バック
ラッシュ中はロータイナーシャのみを考慮した小さなゲ
イン、また負荷とモータとが連結中は、この制御系にお
ける最大ゲインで動作させる。バックラッシュ中はゲイ
ンを小さくし、かつIゲインを0とし、P制御のみにす
る。その場合、トルク補償値を推定器からのトルク誤差
値を演算しフィードバックし、ゲインが低い分を補償す
る。
Description
制御や位置決め用途に使用されるモータの制御装置に関
するものであり、特に外乱の度合いに応じて制御器のゲ
インが演算されて制御されることを特徴とする制御装置
に関するものである。
位置決め用途に使用されるモータの制御ブロック図を示
す。上位制御器から得られる速度指令値SVCをもとに
モータを駆動する速度制御ループにおいて、モータ7に
取り付けられたロータ速度検出手段(ロータ位置検出手
段8及び微分器10)によって得られた速度検出値SP
Dと速度指令値SVCとを加算器上で演算した誤差SD
FをPI演算器2で増幅しトルク指令値STCとし、ロ
ータ位置検出手段8によって得られるロータ位置SPと
トルク指令値STCにモータトルク定数Ktmを演算器
4で乗じた値SIQCとから位相分配器5により多相電
流指令値SICとしてアンプ6に与え、アンプ6より多
相電流としてモータ7に印加し駆動している。
盤のタレットなどをモータで駆動しようとする場合、タ
レット(負荷)とモータとの間にギア(減速器)やベル
ト、プーリーなどの伝達機構が用いられる。このような
伝達機構、特にギアの場合、ギアの製作精度や組立精度
などの諸要因により、モータ側ギアと負荷側ギアとの間
にバックラッシュが存在する。
が抜けた状態であり、バックラッシュ中でない場合、つ
まり負荷がモータと連結されている場合(ギアがかみ合
っている状態)に比べてゲインを低くしなければならな
い。
インはバックラッシュの大小にかかわらず一定のPIゲ
インに固定して制御を行っている。
した場合は、負荷のイナーシャとモータのロータイナー
シャを考慮して高めに設定されるのだが、バックラッシ
ュ中は負荷抜けが起きてしまい、負荷イナーシャ分のゲ
インが余分になってしまう。
でゲインを高くした場合によく見られるハンチング状態
に陥ってしまい、振動や異音の原因となることが多い。
また機械的にもモータ側、負荷側、それぞれのギア歯面
が衝突して歯音となることもある。
ンをモータのロータイナーシャのみを考慮した低めのゲ
インに調整することが多く、刃物台のタレットインデッ
クスにおいて位置決め時間が短縮できないなどの不具合
が生ずる。
あり、本発明はバックラッシュが存在する系において、
安定した制御器を提供することを目的とする。
る外乱を推定器で推定し、モータを制御する制御ゲイン
をこの推定値に応じて演算することによって、前記目的
を達成するものである。
を推定器で演算し、モータを制御するPIゲインを前記
推定値で得られた値に応じて変化させる関数をもつ演算
器によって演算させることで達成される。
指令値とトルク定数とから演算される予想値と、実際に
モータが得た加速度とロータイナーシャとから演算され
る推定値とを比較して、トルク誤差とし、誤差が小さい
値の場合はほぼロータイナーシャを考慮したゲインで動
作しているのでバックラッシュ中と判断される。また、
誤差が大きな場合、モータと負荷が連結されている(こ
のとき、ゲインの最大値はモータのロータイナーシャと
負荷イナーシャが加算された値を考慮したもの)と判断
でき、よってバックラッシュ中はロータイナーシャのみ
を考慮した小さなゲイン、また負荷とモータとが連結中
は、この系における最大ゲインで動作させることができ
る。
由により小さくするものの、Iゲインが考慮されると不
安定さの要因になりかねない。これは、バックラッシュ
中の負荷が抜けている(ギアの自由空間を動作している
のでモータ端の検出器で負荷の挙動は推測不能)ため、
積分要素が実際の制御と負荷の挙動との誤差要因になる
からである。しかし、バックラッシュ中にP制御のみに
した場合、バックラッシュ以外の外乱(例えば、ギアの
偏芯)によって制御的に不安定になる場合がある。その
ため、バックラッシュを判断するため先に演算したトル
ク誤差値をもとに、係数を乗じてトルク制御ループにフ
ィードバックすることでP制御中(バックラッシュ中)
でも安定した制御が得られる。
にゲインが変化すると、制御上、不安定さの要因にもな
りかねないので、バックラッシュを判断するため先に演
算した値をもとにPI制御とP制御の遷移状態(ゲイン
的にはロータ+負荷イナーシャを考慮したゲインとロー
タイナーシャを考慮したゲインの補間された中間値)を
設け、制御的な緩衝とする。
が気にならない(加減速時間が一定回転時に比較して短
時間のため)場合、ゲインを下げて制御すると位置決め
時間が長くなるなどの不具合が発生するため、モータ速
度に応じて速度しきい値以上では上述してきたゲイン調
整制御を適用、以下では非適用といった制御も可能であ
る。
る。なお、特に断らない限り同一符号の要素・信号は同
機能、性能を有するものである。
従来例である図7と異なるのは、PI演算器2のゲイン
が制御中に調整できるということと、トルク指令値ST
Cに対してトルク補償値STEが加算されるというこ
と、そして、補償値演算部9がPIゲイン、トルク補償
値STEを演算する演算器95と補償後トルク指令値S
TCCと、ロータイナーシャJmとロータ位置SPの2
階微分値(加速度)からバックラッシュ中か否かを推定
する推定器(91、92、93、94により構成)を持
っていることが異なる。
から速度指令値SVCが与えられ、速度検出手段により
得られた速度検出値SPDとを加算器1にて演算し、速
度誤差SDFとしPI演算器2に入力する。PI演算器
2でPIゲインを乗じられると速度誤差SDFはトルク
指令値STCとなり、加算器3でトルク補償値STEが
加算され補償後トルク指令値STCCとなる。その後、
モータトルク定数Ktmが乗じられることでトルク電流
指令値SIQCとなり、位相分配器5により多相分配さ
れ各相電流指令SICとなる。(本説明では便宜上3相
交流を想定して説明を行う。)各相電流指令SICはア
ンプ6により電力増幅されモータ7に電流が印加されモ
ータ7が回転する。モータ7にはモータのロータ位置検
出手段である検出器8が取り付けられており、ロータ位
置SPを出力する。ロータ位置SPは位相分配器5に与
えられ、各相の電流位相を演算する際に参照される。ま
たロータ位置SPは微分器10により微分されロータ回
転速度検出値SPDとなる。
次元に演算されロータイナーシャJmが乗じられた値
と、補償後ロータイナーシャSTCCに演算器93によ
りトルク定数Ktが乗じられた値とを加算器92で演算
し、トルク誤差STDを算出する。
下LPF)94を介してトルク誤差STDCとし、関数
演算器95に入力する。LPF94を介するのは、トル
ク誤差STDが制御周期を基本にした高周波成分を含ん
でいるからであり、LPF94を介さない場合、関数演
算器95内での各種パラメータの演算が不安定になって
しまい、制御自体も不安定になるといった不具合を招く
可能性があるためである。
ク誤差STDCとから、内部関数に従って、ゲイン(K
pとKi)を演算しPI演算器2に出力するとともに、
トルク誤差STDOを演算器96に出力する。演算器9
6はトルク定数Ktの逆数をトルク誤差STDOに乗じ
てSTEを求め、加算器3に出力する。
ク図を示したものである。まず有効値関数演算器22の
機能を説明する。有効値関数演算器22は前段のスイッ
チにより関数が検出速度SPDか加速度SPDDのどち
らを底にするかセレクタSELにより選択できるように
なっている。なお加速度SPDDは検出速度SPDを微
分器21により微分して演算される。また有効値関数演
算器に入力される際、検出速度SPDは絶対値器290
により絶対値化されている。
係数Kを乗算器25、26、27に出力する。PI値関
数演算器23と関数演算器24には絶対値器291で絶
対値化されたSTDCが入力される。PI値関数演算器
23は、トルク誤差STDCに応じてPゲイン値;K
p、Iゲイン値:Kiを乗算器25、26にそれぞれ出
力する。
トルク誤差STDCに応じて補正係数Kgを乗算器28
に出力する。乗算器28は絶対値化される前のSTDC
と補正係数Kgを乗じて乗算器27に出力する。乗算器
25、26、28でKp、Ki、Kgが有効値関数演算
器22からの係数Kに乗じられて、それぞれPI演算器
2に出力されるPゲイン:P、Iゲイン:I、トルク誤
差STDOとして出力される。
3の関数、図3(c)は補償関数演算器24の関数パタ
ーン例を表している。図3(a)はトルク誤差STDC
(絶対値)によりPゲイン値Kpが変化する様子を表し
ており、(b)はIゲイン値Kiの変化の様子を表して
いる。
TDCが0〜dfの区間ではIゲイン値:Kiが0にな
っており、P制御状態であることがわかる。またds〜
dmの区間ではPIゲインがそれぞれ最高のゲインをと
ることがわかる。df〜dsは遷移状態で、急激にPI
制御状態とP制御状態が切り替わることによる制御上の
不安定さを避けるために設けられる区間である。この例
では1次式で表現されているが、制御条件によっては多
次式で表現しても良い。
ンがモータのロータイナーシャJmのみで決定されてお
り、逆にトルク誤差STDCがdmの場合、イナーシャ
がロータイナーシャJmと負荷イナーシャJlが考慮さ
れたゲインになっている。
設定可能であり、制御系によって変更できる。当然のこ
とながらKp、Kiの値も任意に設定可能である。
トルク誤差STDCに乗じられるトルク補正係数Kgの
関数パターンである。これを見てわかるように、係数が
有効になるのはトルク誤差(絶対値)STDCが0〜d
f〜dsである。これは、トルク補償を行うのが、PI
演算器2が主にP制御状態のときに有効になることを意
味している。ただし、制御系によっては0〜dmの全区
間でも有効にする場合もある。
ーンである。絶対値化された検出速度SPDもしくは加
速度SPDDによって係数Kが演算される。図をみてわ
かるように、しきい値SPTの前後で係数が0と1に変
化する。この例ではただのON、OFF用に使用してい
るのでこのようなパターンになるが、この係数やパター
ンは任意に設定可能であり、係数Kを0.8程度や2.
0程度にすることも可能である。
御系を模式的に図にしたものである。モータ50には検
出器51が取り付けられており、軸にはギア52が取り
付けられている。また負荷側は負荷54は軸を介してギ
ア53に取り付けられている。ギア53と52はそれぞ
れ歯面間でバックラッシュを持ってかみ合っている。な
お、説明の便宜上、モータ、負荷の支持系統は省略して
ある。モータのギア52が回転することで、ギア53と
同軸で負荷54が回転する。モータロータイナーシャは
Jm、負荷イナーシャはJlとなっている。
す。測定系は図5で示したような系であり、バックラッ
シュ量(任意)は大きくとってある。
で加速を行い、加速時間t1〜t2で指令速度SPD0
になり、時刻t3まで一定速度になる。減速にはt3〜
t4の時間を指令している。総合時間でt1〜t4の時
間の速度指令である。(b)は図7で示すような一般の
PI制御系での加減速波形であり加減速時、一定速時共
にバックラッシュの影響で振動的な波形になってしま
う。
おいて検出速度においてしきい値SPTを設け、それ以
上でPIゲインを下げて制御を行うといった方法の場合
である。速度がSPT以下では図(b)の波形61とほ
ぼ同じであるがしきい値SPTを越えるとゲインが下が
るため比較的振動も緩やかになり、異音の原因にもなり
にくいといったメリットもある。しかし速度が早い状態
でゲインを下げているので速度制御が甘くなり速度制御
時間がt1〜t4よりΔtだけ延びている。位置制御器
に適用した場合、位置決め時間が延びるため好ましくな
い。
ある。有効値関数演算器22の影響(機能OFF)でし
きい値SPT以下は、ほぼ図(b)、(c)と同じであ
る。加減速中は一定速時間に比べて短いため、異音とか
振動などの不具合とはなりにくい。図(c)と比べて明
らかに違うのは、しきい値SPT以上での振る舞いであ
り、異音となる振動がなく、ほぼ一定速で制御が可能で
ある。しかも、位置決めに適用した場合にも、ほぼ指令
通りの時間で制御が行えるため、不具合となりにくい。
また、一定速中は、トルク補償が行われているので外乱
にも比較的強くなっている(図(c)では、一定速中は
ゲインが下がっているため外乱に弱くなっている)。
を行っても良い。関数パターンを式ではなく、ROM等
の記憶装置にマップとして持っていても良い。実施例で
は、永久磁石型同期電動機の制御装置を例に挙げたため
界磁制御部分が省略されているが、リラクタンス型、誘
導電動機のトルク電流制御に応用してもよい。
アモータの制御装置に適用しても良い。
ラッシュの状態に応じてPI演算器のゲインを演算し変
更し、PI演算器からP制御器になる上、P制御中にト
ルク補償がかかり、なおかつ、速度または加速度により
機能の適用、非適用が選択されるため、バックラッシュ
を含む制御系でも安定した制御が行える同期電動機の制
御装置を提供することができる。
図である。
ン例を示す図である。
ン例を示す図である。
式的に示す図である。
る。
(トルク定数)、5 位相分配器、6 アンプ、7 モ
ータ、8 ロータ位置検出手段、9 補償値演算部、9
1,93,96 演算器、94 ローパスフィルタ、9
5 関数演算器、10,21 微分器、22 有効値関
数演算器、23 PI値関数演算器、24補償関数演算
器、25,26,27,28 乗算器、290,291
絶対値器、SVC 速度指令値、SDF 速度誤差、
STC トルク指令、STCC補償後トルク指令、SI
QC 電流指令、SIC 分配後電流指令、SP 検出
位置、SPD 検出速度、STD トルク誤差、STD
C トルク誤差(LPF後)、STDO トルク誤差
(係数演算後)、SPDD 検出加速度、SEL,SE
LA,SELB モード選択スイッチ、Kp Pゲイ
ン、Ki Iゲイン、Kg トルク補償係数、SPT
速度(加速度)しきい値。
Claims (2)
- 【請求項1】 上位制御器から得られる速度指令値と、
モータのロータ速度検出手段によって得られたロータ速
度との差をPI演算器で増幅しトルク指令値とし、ロー
タ位置検出手段によって得られるロータ位置と前記トル
ク指令値とから多相電流指令値としてアンプに与え、ア
ンプより多相電流としてモータに印加し駆動する同期電
動機の制御装置において、 モータ制御時の外乱状態を前記トルク指令値と前記ロー
タ位置から推定し、その結果をトルク誤差値として出力
する外乱推定器と、 前記ロータ速度又は加速度から算出する係数を前記トル
ク誤差値から算出されるPゲイン値とIゲイン値のそれ
ぞれに乗算して、前記PI演算器が使用するPゲインと
Iゲインを算出する関数演算器とを備え、 モータ制御時の外乱状態に応じて、PIゲインの値を変
化させることを特徴とする同期電動機の制御装置。 - 【請求項2】 前記関数演算器は、前記トルク誤差値が
小さい時は、PI制御からP制御のみで制御が行われる
ように前記PI演算器のPゲイン値及びIゲイン値が算
出される関数からPIゲインを演算するPI値関数演算
器と、 前記P制御時には、前記トルク誤差値から前記トルク指
令値のトルク補償値を演算する補償関数演算器とを備え
ることを特徴とする請求項1記載の同期電動機の制御装
置。
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1998
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