JP2000194179A - 電子写真方法及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
階調性に優れた画像の得られる電子写真方法及び装置を
提供する。 【解決手段】 感光体を用い、帯電工程及び光ビーム照
射する工程により静電潜像を形成する電子写真方法にお
いて、感光体の1画素の光ビーム照射時における深さ方
向の電位減衰量を、連続光ビーム照射時における深さ方
向の電位減衰量の65%以上135%未満となるように
設定することを特徴とする電子写真方法;及びその為の
測定・制御手段を有する電子写真装置。
Description
電子写真装置に関し、特に、レーザービームプリンタ、
デジタル複写機等を用いたデジタル電子写真方法及びそ
れらデジタル電子写真装置に関するものである。
等の電子写真装置は、その画質の良さおよび高速なプリ
ントアウトなどの特徴で注目を浴びている。その上、文
字だけでなく写真等を出力する機会が急増しており、電
子写真装置の高画質化に対する要求が高まっている。こ
の電子写真装置に用いられる感光体には、大きく分けて
有機系感光体と無機系感光体の2種類に分類される。
料として、近年種々の開発が進み、特に電荷発生層と電
荷輸送層を積層した機能分離型感光体は既に実用化され
複写機やレーザービームプリンターに搭載されている。
考慮されてきた。耐久性としては、感度、残留電位、帯
電能、画像ぼけ等の電子写真物性面の耐久性及び摺擦に
よる感光体表面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に
大別され、いずれも感光体の寿命を決定する大きな要因
となっている。そのうち、電子写真物性面の耐久性、特
に画像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾ
ン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有され
る電荷輸送物質が劣化する事が原因である事が知られて
いる。また機械的耐久性に関しては、感光層に対して
紙、ブレード/ローラー等のクリーニング部材、トナー
等が物理的に接触して摺擦する事が原因である事が知ら
れている。電子写真物性面の耐久性を向上させる為に
は、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい
電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の高
い電荷輸送物質を選択する事が知られている。また、機
械的耐久性を上げる為には、紙やクリーニング部材によ
る摺擦に耐える為に、表面の潤滑性を上げ摩擦を小さく
する事、トナーのフィルミング融着等を防止する為に表
面の離形性を良くすることが重要であり、フッ素系樹脂
粉体、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の潤滑
剤を表面層に配合することが知られている。しかしなが
ら、摩耗が著しく小さくなるとオゾン、NOx等の活性
物質により生成した吸湿性物質が感光体表面に堆積し、
その結果として表面抵抗が下がり、表面電荷が横方向に
移動し、画像のぼけ(画像流れ)を生ずるという問題が
生ずることが有った。また、感度、帯電能などの電位特
性について、上記の理由により耐久によって摩耗させる
事が必要である為、耐久変化があり、また摩耗に伴う表
面形状の変化が引き起こす光散乱等により、画質の低下
が生じる、という問題が生ずることが有った。
て、アモルファスシリコン(以下、「a−Si」と表記
する)が挙げられる。電子写真感光体において、感光層
を形成する光導電材料としては、1)高感度でSN比
[光電流(Ip)/暗電流(Id)]が高く、照射する
電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有
すること、2)光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有す
ること、3)使用時において人体に対して無害であるこ
と、等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィ
スで使用される画像形成装置内に組み込まれる画像形成
装置用感光体の場合には、上記の使用時における無公害
性は重要な点である。
に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:
H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−350
59号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記
載されている。それらのa−Si:H感光体は、前述の
有機系感光体に比べ、1)感光特性におけるリニアリテ
ィが非常に高い、2)材料構造的に均一系であり感光体
内において光散乱が無い、3)誘電率が大きく電界効果
が強い、等の特徴が有り、特に高画質化という観点にお
いては非常に適しているとされている。
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されてい
る。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1
乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、
画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、
光学的特性を得ることができるとしている。
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さら
には経時的安定性について改善を図るため、シリコン原
子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層
上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のア
モルファス材料で構成された表面層を設ける技術が記載
されている。
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有
してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体
についての技術が記載され、特開昭62−168161
号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と
41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶
質材料を用いる技術が記載されている。
は、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクト
ルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸
収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電
層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用
感光体が得られることが記載されている。
は、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して
帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行
うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵
抗の低下とそれに伴って発生する画像流れ(高湿流れ)
を防止する技術が開示されている。
体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が
向上し、それに伴って画像品質も向上している。
アナログ方式の2つの方式が一般に知られている。デジ
タル電子写真システムの多くは、発光体(例えば、LE
D、半導体レーザー等)が画像信号に従いオン−オフ
(ON−OFF)し、その光が感光体上に投影される。
従って、デジタル潜像はドット(画素単位)が集まって
形成されており、画像のベタ部、ハーフトーン部及びラ
イト部は、ドット密度を変えることにより夫々表現され
ている。
成方式には、画像情報と露光部との関係で、大きく分け
て2つの方式がある。1つは画像部を露光するイメージ
露光法(以下、IAEという)、もう1つは非画像部
(背景部)を露光するバックグラウンド露光法(以下、
BAEという)である。
分に現像を行う為、通常、感光体の帯電極性と同極性の
現像剤が用いられる。この関係はアナログ方式の電子写
真装置と同じである事から、BAEは、現像機構、クリ
ーニング機構、現像剤等をアナログ方式の電子写真装置
と共通化できるというメリットが有る。一方、IAE
は、露光により電荷量が減少した部分に現像を行う為、
感光体の帯電極性とは逆極性の現像剤を用い、反転現像
を行わなければならない。両方式とも実用化されている
が、それぞれ使用する感光体・現像剤等の制約で決定さ
れる事が多い。
子写真システムでは、現像、定着などの工程において、
ドット形の歪みや現像剤の飛び散り等が発生してしま
い、デジタル潜像のドット密度比に対応する出力画像の
階調性が十分に得られない場合がある。
を小さくして解像度を向上させる場合には、低濃度の画
素においては現像が行われにくくなり、逆に、高濃度の
画素においては隣接画素に対する影響が増大し、各画素
間でのコントラストが十分とれなくなり、したがって、
特にハーフトーン部の階調性の悪い画像になる傾向があ
る。
決すべくなされたものであり、出力画像におけるドット
の再現性を向上し、階調性に優れた画像の得られる電子
写真方法及び電子写真装置を提供することを目的とす
る。
を達成する為に、静電潜像担持体上におけるデジタル潜
像電位分布と出力画像におけるドットの大きさ・形状、
及び、階調性等の関連性について鋭意研究検討を重ねた
結果、感光体の1画素の光ビーム照射時における深さ方
向の電位減衰量を、連続光ビーム照射時における深さ方
向の電位減衰量の65%以上135%未満となるように
条件設定すると、現像、定着などの工程におけるドット
形の歪みや現像剤の飛び散り等の発生が極めて少なく、
出力画像の階調性がデジタル潜像のドット密度比に極め
て良く対応することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
電層を有する感光体を用い、少なくとも帯電工程、及
び、画像パターンにしたがって複数行、複数列の画素マ
トリクスの各画素ごとに光ビーム照射する工程により静
電潜像を形成する電子写真方法において、前記感光体の
1画素の光ビーム照射時における電位減衰量を、連続光
ビーム照射時における電位減衰量の65%以上135%
未満となるように設定することを特徴とする電子写真方
法である。
体、該感光体を帯電するための帯電手段、帯電された該
感光体に静電像を形成するための光を照射する光ビーム
照射手段、及び、該光ビーム照射により形成された静電
像を現像するための現像手段を有する電子写真装置にお
いて、該感光体の電位減衰量を測定する手段と、測定し
た該電位減衰量に基づいて潜像深さを制御する潜像深さ
制御手段とをさらに有することを特徴とする電子写真装
置である。
適な実施形態について説明する。
よるデジタル潜像、及び、1ドットの光ビーム照射によ
るデジタル潜像を形成し、潜像分布を測定した結果の一
例を示すグラフである。これらデータは後述する実験例
及び実施例で得たものであり、後述する図7に示す装置
を用い、その感光体には図6(c)に示すような層構成
のa−Si:H,X感光体を用いて得たものである。
タル潜像分布の測定結果を示すグラフである。このグラ
フにおいて、横軸は感光体上における位置を示し、0位
置よりプラス側の位置に連続光ビームを照射している。
縦軸は各々の位置における表面電位を示す。ここでは、
連続光ビームの照射部(0よりプラス側の位置)の表面
電位と、非照射部(0よりマイナス側の位置)の平均表
面電位との差で規格化している。本発明においては、連
続光ビーム照射による電位減衰量、即ち連続光ビーム照
射部の表面電位と非照射部の平均電位(平均表面電位)
の差を、以下「ベタ打ち潜像深さ」と称す。
ーム照射時のデジタル潜像分布の測定結果を示し、図1
(a)と同スケールにて表したグラフである。このグラ
フにおいても同様に、横軸は感光体上における位置、縦
軸は各々の位置における表面電位をべた打ち潜像深さで
規格化しており、0位置に1ドットの光ビームを照射し
ている。本発明において、1画素の光ビーム照射時にお
ける電位減衰量とは、このような1ドットの光ビーム照
射部(0位置)の表面電位と、非照射部(0よりプラス
又はマイナス側の位置)の平均表面電位との差である。
この1ドット光ビーム照射による電位減衰量を、以下
「1ドット潜像深さ」と称す。
(a)、図1(b)に示すように、1ドット潜像深さは
ベタ打ち潜像深さの85〜90%程度である。図1に示
される例においては、1ドット潜像深さは、本発明で規
定する65%以上135%未満の範囲内に入る。
が、べた打ち潜像深さの65%以上135%未満となる
ように制御することにより、現像、定着などの工程にお
けるドット形の歪みや現像剤の飛び散り等の発生が極め
て少なく、出力画像の階調性がデジタル潜像のドット密
度比に極めて良く対応するという効果が得られる。特
に、1ドット潜像深さは、べた打ち潜像深さの75%以
上120%未満であることが好ましく、さらに85%以
上110%未満であることがより好ましい。
好適な制御方法を、図2に示すフローチャートを用いて
説明する。
ず、連続光ビーム照射を行ない、形成されるデジタル潜
像分布(べた打ち潜像深さ)を測定する。次に、1画素
の光ビーム照射を行ない、形成されるデジタル潜像分布
(1ドット潜像深さ)を測定する。それらの結果より、
1ドット潜像深さがべた打ち潜像深さの65%以上13
5%未満となっているか判定を行なう。条件が満たされ
ない場合は、潜像深さ制御、例えば、照射する光ビーム
の光量の制御、スポット径の制御、レーザー素子の温度
制御による波長制御等を行なうことによって1ドット潜
像深さを変化させて、任意の値に設定し、再度の測定を
行い確認する。条件が満たされた場合は、潜像深さの設
定を完了する。
説明した通り、デジタル潜像分布を測定する必要が有
る。この測定は、例えば、検知電極を用いて潜像分布を
電気的に測定する方法(以下、潜像分布測定法と称す)
により行なえる。
図である。また図4は、図3に示す潜像分布測定用の電
位センサー部の模式的拡大図であり、さらに図5は、図
4に示す電位センサー部を、同図の左方向から見た模式
図である。図3〜図5中、1101は感光体ドラムの断
面で、電位変化を伴う表面1102を有している。11
03は、電位センサーである。この潜像分布測定法で
は、円筒状金属ワイヤーからなる電位センサー1103
を用いている。1104は、電位センサー1103を支
える支持体である。電位センサー1103は、導線11
05により回路要素1106に接続される。
成した表面1102との間に相対移動が生じたとき、電
位センサー1103には、dV/dt=(dV/dx)
・(dx/dt)に比例する誘導電流が発生する(d
V;表面電位の変化量、dx/dt;相対移動速度)。
通常、相対移動速度は一定であるので、検出した誘導電
流には、表面電位の傾きに関する情報を含んでいる。こ
れを、解析することにより、潜像電位分布を測定するこ
とが出来る。
5に示すように、検出部分の幅を測定する電位変化の幅
より小さくし、この検出部分を被測定表面に対して水平
方向に配備した棒状の導電体で構成し、被測定表面に対
向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表
面に対向する面以外の導体部分にシールドを有すること
が好ましい。このような形状の電位センサー1103
を、被測定表面に対向させて相対的に移動させて、電位
センサー1103に誘導電流を発生させ、この誘導電流
の解析を行なえば、その電位センサー1103の形状効
果により、潜像分布からの歪みなく誘導電流を検出する
事が出来るため、潜像分布を極めて高精度に測定する事
が可能となる。
定する手段は、特表平5−508708号公報等にいく
つか報告されている。それらの方法を用いた場合は測定
精度は比較的低下するが、それらを本発明に用いること
も可能である。
て、光導電層を有する感光体を用いる。特に、 a−S
iを主成分とする光導電層を有するa−Si系感光体を
用いる事が好ましい。図6(a)〜(d)は、a−Si
系感光体の層構成の各種態様を説明するための模式的構
成図である。
は、感光体用としての支持体701の上に、感光層70
2が設けられている。この感光層702はa−Si:
H,X(水素原子及び/又はハロゲン原子を含むアモル
ファスシリコン)からなり、光導電性を有する光導電層
703で構成されている。
は、さらに、光導電層703上にa−Si系表面層70
4が設けられており、感光層702はこの光導電層70
3と表面層704で構成されている。
は、さらに、支持体701と光導電層703との間にa
−Si系電荷注入阻止層705が設けられており、感光
層702はこの電荷注入阻止層705と光導電層703
と表面層704で構成されている。
は、さらに、光導電層703とa−Si系表面層704
との間にa−Si:H,Xからなる電荷発生層706が
設けられており、感光層702はこの電荷注入阻止層7
05と光導電層703と表面層704と電荷発生層70
6で構成されている。
ては、感光層の厚さが5〜50μm、JIS規格B06
1で定義される十点平均表面粗さRzが0.05〜4μ
mなる感光体を用いることが、静電気的特性及び電子写
真的特性上好適である。
体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に
加熱し、支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラ
ズマCVD法(以下、「PCVD法」と称する)等の成
膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なか
でもPCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周
波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持
体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
体と、帯電手段と、光ビーム照射手段と、現像手段とを
有し、さらに感光体の厚さ方向の電位減衰量を測定する
手段と、測定した該電位減衰量に基づいて潜像深さを制
御する潜像深さ制御手段とを有する。このような構成の
装置を用いれば、先に詳述した本発明の電子写真方法を
好適に実施できる。
像を形成するプロセスの一例を示す為の概略図である。
この図に示す例において、X方向に回転する紙面に垂直
方向の回転円筒状の感光体1801の周辺には、感光体
に近接して主帯電器1802、画像形成光線1803、
現像器1804、転写紙給送系1810、転写・分離帯
電器1812、クリーニング装置1805、主除電光源
1806、搬送系1813などが配設してある。
て一様に帯電され、これに原稿の情報を有した画像形成
光線1803を照射する事にによって、感光体1801
上に静電潜像が形成される。前記潜像は現像器1804
からトナーが供給されて可視像、すなわち、トナー像と
なる。
ジストローラ1809よりなる転写紙供給系1810を
通って、感光体1801方向へと供給され、転写帯電器
1812と感光体1801との間隙において、背面から
トナーとは反対極性の電界を与えられ、これによって、
感光体表面のトナー像は転写材Pに転移する。
13を通って定着装置(図示せず)に至って装置外に排
出される。
体表面に残る残留トナーは、クリーナー1805に至り
クリーニングブレード1807によってクリーニングさ
れ、クリーニングにより更新された感光体1801は、
更に主除電光源1806から除電光を与えられて再び次
の画像形成プロセスに供せられる。
極を有する電位減衰量測定手段であり、1815は、潜
像深さ制御手段である。これらを用いて、図2に示した
フローチャートに従い潜像深さを制御すればよい。本例
においては、具体的には、べた打ち潜像深さと1ドット
潜像深さの測定結果に基づいて、照射する光ビームのス
ポット径を操作することにより潜像深さを制御する。
に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらにより何ら
制限されるものではない。
光体には図6(c)に示すような層構成のa−Si感光
体を用い、除電光に波長700nmの光を用い、画像形
成光に波長680nmの光を用い、感光体は表面移動速
度が300mm/secになるように回転させた状態に
おいて、1ドット潜像深さと出力画像における階調性と
の関係について調べた。
び、スポット径を調整して1ドット潜像深さを変化させ
た。出力画像は、ドット密度が10%以下の孤立してい
るドットの再現性、ドット密度が50%付近のハーフト
ーン部におけるドットの再現性、ドット密度が90%以
上の濃厚部におけるドットの再現性、及び、トナーの飛
び散りについて各々評価を行い、階調性という観点で総
合的に判定した。その結果を、表1に示す。
ーフトーン部におけるドットの再現性、及び、トナーの
飛び散りに関しては、1ドット潜像深さが深くなるにつ
れてランクが良くなることがわかる。しかしながら、濃
厚部におけるドットの再現性に関しては、1ドット潜像
深さが深くなるにつれて、間隙が目立つようになり、ラ
ンクが下がる結果となった。この実験より、1ドット潜
像深さは、べた打ち潜像深さの65%以上135%以下
にすることが好ましいことがわかった。
装置を用い、実験例1において総合的に最も良い画像が
得られた条件(1ドット潜像深さ=97%となる条件
)と、それよりも若干ランクの悪い画像が得られる条
件(1ドット潜像深さ=74%となる条件)の2つの
条件において、画像形成光波長のみ470nm〜790
nmまで変化させて、実験例1と同様の評価を行った。
その結果を、表2に示す。
くなると、1ドット潜像深さが浅くなる結果が得られ
た。これは、長波長の光では、感光体への進入深さがよ
り深くなり、光生成キャリアが表面方向に拡散する過程
を経て潜像が形成されるため、同一条件で光ビーム照射
すると、長波長の光を用いた場合は、潜像分布がなまっ
てしまうためであると考えられる。
条件の場合も、同一条件で光ビーム照射を行った場合、
長波長の光の方が、画像ランクが悪くなることがわか
る。このことは、最適な画像の得られる光ビーム照射条
件のラティティウドが、長波長の光の方が狭いことを意
味しており、即ち、画像形成光の波長は、750nm以
下にすることが好ましいとわかった。
装置を用い、実験例1において総合的に最も良い画像が
得られた条件(1ドット潜像深さ=97%となる条件
)と、それよりも若干ランクの悪い画像が得られる条
件(1ドット潜像深さ=74%となる条件)の2つの
条件において、感光体表面の移動速度のみを150mm
/sec〜600mm/secまで変化させて、実験例
1と同様の評価を行った。この時、各々の移動速度にお
いて、暗部電位と明部(連続光ビーム照射部)電位を等
しい条件にて比較を行った為、本実験の装置において
は、600mm/secより早い移動速度にした場合、
ゴーストが顕著になり最適な画像を得ることが出来ず、
有意な評価を行うに至らなかった。実験の結果を、表3
に示す。
も、感光体表面の移動速度が遅くなるにつれ、1ドット
潜像深さが浅くなる傾向が観測された。これは、光ビー
ム照射によって形成された潜像が、測定位置に到着する
までの間に、みだれてしまう為であると考えられる。こ
の結果より、感光体表面の移動速度は、200mm/s
ec以上であることが好ましいとわかった。
装置及び条件を用い、画像形成方式のみBAEに変更
し、実験例1と同様の評価を行い、IAEとBAEとの
比較を行った。その結果を、表4に示す。
再現性、及び、トナーの飛び散りに関してBAEの方が
より好ましい結果が得られ、総合的に優れていることが
わかった。これは、濃厚部のドット再現性に関しては、
IAEでは連続光ビーム照射部であるのに対し、BAE
では、光ビームの非照射部に相当する為に、ドットの間
隙はBAEの方が目立ちにくくなる為であると考えら
れ、また、トナーの飛び散りに関しては、IAEでは電
位の低い部分に現像が行われ、BAEでは電位の高い部
分に現像が行われることから、BAEの方が有利に働く
為であると考えられる。本実験の結果、本発明の効果は
画像方式にBAEを用いることにより、より発揮される
結果がわかった。
装置及び条件を用い、除電光照射時の諸条件のみ変化さ
せて、実験例1と同様の評価を行った。除電光照射時の
条件は、実験1の時の条件(即ち、波長700nmの光
を直接感光体の中心へ向かって照射)をリファレンスと
して、(1)除電光光源と感光体表面との間に迷光防止
板を配備、更に、(2)除電光光束の感光体表面に対す
る入射角を感光体の回転方向側(すなわち下流側)に5
°から60°まで変化することにより条件を振った。入
射角を60°より大きくすることは本実験の装置では困
難であった。実験の結果を表5に示す。
なり、出力画像におけるドットの再現性、階調性が良く
なることがわかる。これは、迷光防止板によって除電光
の光量分布が均一化される為に、除電光によって生成さ
れた光キャリア分布が均一化され、画像形成光による光
キャリアの挙動に与える影響が小さくなり、したがっ
て、1ドット潜像が非常に深く、シャープな潜像が形成
されるものと推測される。
下流側に傾けることで、更に1ドット潜像深さは深くな
り、出力画像におけるドットの再現性、階調性が向上し
ている。
うな構成を有するアナログ式キヤノン製複写機NP67
50を、光走査装置のついたデジタル式に改造した装置
を用い、感光体には図7(c)に示すような層構成のa
−Si感光体を用いた。除電光は、波長700nmの光
を用い、迷光防止板は配備せずに入射角約0°で照射し
た。画像形成光には、波長680nmのレーザー光を用
い、画像形成方式には、IAEを用いた。
る出力画像において、ドット密度が10%以下の孤立し
ているドットの再現性、ドット密度が50%付近のハー
フトーン部におけるドットの再現性、ドット密度が90
%以上の濃厚部におけるドットの再現性、及び、トナー
の飛び散りについて各々評価を行い、階調性という観点
で総合的に評価を行った。その結果を、表6に示す。
し、画像形成光用の光源を波長450nmのLEDと
し、感光体表面の移動速度を200mm/secに改造
し、それ以外は実施例1と同様の装置を用いた。ドット
潜像深さを85%にした場合における出力画像におい
て、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、
表6に示す。
ような層構成のa−Si感光体を用い、除電光の波長を
565nmとし、除電光光源と感光体表面との間に迷光
板を配備し、画像形成光用の光源を波長635nmのレ
ーザーとし、画像形成方式にBAEを用い、感光体表面
の移動速度を400mm/secに改造し、それ以外は
実施例1と同様の装置を用いた。ドット潜像深さを90
%にした場合における出力画像において、実施例1と同
様にして評価を行った結果を、表6に示す。
ような層構成のa−Si感光体を用い、除電光の波長を
660nmとし、除電光光源と感光体表面との間に迷光
板を配備し、除電光光束の感光体表面への入射角を45
°とし、画像形成光用の光源を波長655nmのLED
とし、画像形成方式にBAEを用い、感光体表面の移動
速度を550mm/secに改造し、それ以外は実施例
1と同様の装置を用いた。ドット潜像深さを95%にし
た場合における出力画像において、実施例1と同様にし
て評価を行った結果を、表6に示す。
い、ドット潜像深さを55%にした場合における出力画
像において、実施例1と同様にして評価を行った結果
を、表6に示す。
い、ドット潜像深さを140%にした場合における出力
画像において、実施例1と同様にして評価を行った結果
を、表6に示す。
では総合的に良好(○)との結果が得られ、実施例3及
び4では総合的に非常に良好(◎)との結果が得られ
た。一方、比較例1及び2では、総合的に実用上問題の
ある場合有り(×)との結果が得られた。
現像、定着などの工程におけるドット形の歪みや現像剤
の飛び散り等の発生が極めて少なく、出力画像の階調性
がデジタル潜像のドット密度比に極めて良く対応し、ド
ットの再現性、階調性に特に優れた画像が得られる。
1ドットの光ビーム照射によるデジタル潜像を形成し、
潜像分布を測定した結果の一例を示すグラフである。
チャートである。
である。
るための模式的構成図である。
プロセスの一例を示す為の概略図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 静電潜像担持体に光導電層を有する感光
体を用い、少なくとも帯電工程、及び、画像パターンに
したがって複数行、複数列の画素マトリクスの各画素ご
とに光ビーム照射する工程により静電潜像を形成する電
子写真方法において、 前記感光体の1画素の光ビーム照射時における電位減衰
量を、連続光ビーム照射時における電位減衰量の65%
以上135%未満となるように設定することを特徴とす
る電子写真方法。 - 【請求項2】 前記光導電層はアモルファスシリコンを
主成分とする請求項1記載の電子写真方法。 - 【請求項3】 前記光ビーム照射工程において、波長4
50nm以上750nm以下の光を用いる請求項1又は
2記載の電子写真方法。 - 【請求項4】 前記感光体表面の移動速度が、200m
m/sec以上600mm/sec以下である請求項1
〜3の何れか一項記載の電子写真方法。 - 【請求項5】 前記光ビーム照射工程において、非画像
部を露光するバックグラウンド露光法の画像形成方式を
用いる請求項1〜4の何れか一項記載の電子写真方法。 - 【請求項6】 前記帯電工程の前に、前露光照射工程を
有する請求項1〜5の何れか一項記載の電子写真方法。 - 【請求項7】 前記前露光照射工程において、前露光光
源と前記感光体との間に迷光防止板を配置する請求項6
記載の電子写真方法。 - 【請求項8】 前記前露光照射工程において、波長45
0nm以上750nm以下の光を用いる請求項6又は7
記載の電子写真方法。 - 【請求項9】 前露光光束を、前記感光体表面に対する
入射角が60°より小さい範囲内において感光体の移動
方向側へ傾ける請求項6〜8の何れか一項記載の電子写
真方法。 - 【請求項10】 光導電層を有する感光体、該感光体を
帯電するための帯電手段、帯電された該感光体に静電像
を形成するための光を照射する光ビーム照射手段、及
び、該光ビーム照射により形成された静電像を現像する
ための現像手段を有する電子写真装置において、 該感光体の電位減衰量を測定する手段と、測定した該電
位減衰量に基づいて潜像深さを制御する潜像深さ制御手
段とをさらに有することを特徴とする電子写真装置。 - 【請求項11】 前記潜像深さ制御手段は、照射される
光の光量、スポット径及び波長から選択される少なくと
も一つを制御することにより、潜像深さを制御する手段
である請求項10記載の電子写真装置。 - 【請求項12】 前記潜像深さ制御手段は、1画素の光
ビーム照射時における電位減衰量と、連続光ビーム照射
時における電位減衰量とに基づいて、潜像深さを制御す
る手段である請求項10又は11記載の電子写真装置。 - 【請求項13】 前記潜像深さ制御手段は、前記感光体
の1画素の光ビーム照射時における電位減衰量が、連続
光ビーム照射時における電位減衰量の65%以上135
%未満となるように、潜像深さを制御する手段である請
求項12記載の電子写真装置。 - 【請求項14】 前記光ビーム照射手段は、波長450
nm以上750nm以下の光を発生する光源を有する請
求項10〜13の何れか一項記載の電子写真装置。 - 【請求項15】 前記感光体を、その表面が200mm
/sec以上600mm/sec以下の移動速度となる
ように回転するための駆動源を有する請求項10〜14
の何れか一項記載の電子写真装置。 - 【請求項16】 さらに前露光手段を有する請求項10
〜15の何れか一項記載の電子写真装置。 - 【請求項17】 前記前露光手段の光源と前記感光体と
の間に迷光防止板を有する請求項16記載の電子写真装
置。 - 【請求項18】 前記前露光手段は、波長450nm以
上750nm以下の光を発生する光源を有する請求項1
6又は17記載の電子写真装置。 - 【請求項19】 前記前露光手段からの光束は、前記感
光体表面に対する入射角が60°より小さい範囲内にお
いて感光体の移動方向側に傾けられている請求項16〜
18の何れか一項記載の電子写真装置。 - 【請求項20】 前記光導電層はアモルファスシリコン
を主成分とする請求項10〜19の何れか一項記載の電
子写真装置。
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