JP2000191976A - アルカリ脱膜型塗料組成物およびアルカリ脱膜型潤滑処理金属板 - Google Patents

アルカリ脱膜型塗料組成物およびアルカリ脱膜型潤滑処理金属板

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JP2000191976A
JP2000191976A JP10373022A JP37302298A JP2000191976A JP 2000191976 A JP2000191976 A JP 2000191976A JP 10373022 A JP10373022 A JP 10373022A JP 37302298 A JP37302298 A JP 37302298A JP 2000191976 A JP2000191976 A JP 2000191976A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ脱膜性、塗膜乾燥性、耐ブロッキング
性、防錆性、塗料安定性、プレス加工性を改善したアル
カリ脱膜型塗料組成物及びこれを用いた潤滑処理金属板
を提供する。 【解決手段】アクリル系樹脂、中和剤および添加剤を含
有するアルカリ脱膜型塗料組成物であって、該アクリル
樹脂が、メタクリル酸と炭素数2以上のアルコールから
なるTgが0℃以上のメタクリル酸エステルと、スチレ
ンと、カルボキシル基を有する単量体の水溶性共重合体
(a)とマレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびこれ
らのモノアルキルエステルから選ばれる1種以上と、ス
チレンとの水溶性共重合体(b)を含有する組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ脱膜型塗
料組成物及びそのアルカリ脱膜型潤滑処理金属板に関
し、詳しくは、主として合金化溶融亜鉛めっき鋼板に塗
布、さらには熱延鋼板・冷延鋼板・めっき鋼板・ステン
レス鋼板・アルミニウム板に塗布した場合に、アルカリ
脱膜性(化成処理性)、及び防錆性さらに塗膜乾燥性、
耐ブロッキング性を維持しつつ、耐パウダリング性、耐
かじり性を含むプレス成形性を改善した塗料組成物及び
これを各種金属板に塗布した潤滑処理金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高度な防錆性が要求される自
動車構造材や部品には亜鉛系めっき鋼板(電気系めっき
鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板)が適用されてい
た。近年では、電気系亜鉛めっき鋼板を採用している部
位の代替材として、コストダウンの観点から合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の適用が拡大しつつある。しかし従来よ
り合金化溶融亜鉛めっき鋼板は電気系めっき鋼板と比較
すると動摩擦係数が大きくプレス成形性が劣るため、上
記分野へ合金化溶融亜鉛めっき鋼板を使用する場合には
次のような問題があった。すなわち、破断限界が低下
し、プレス成形可能な範囲が狭くなる。また、破断が発
生しなくとも、金型と鋼板の摺動部にめっき層の剥離、
つまりパウダリングが発生する。さらにひどい場合には
型かじりが発生してしまい、金型が汚染損傷するために
金型補修頻度が増加し、同時に成形部品の品質が低下す
る。したがって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を適用する
には耐パウダリング性、耐かじり性を含むプレス成形性
の改善が必要となる。また、熱延鋼板・冷延鋼板・電気
亜鉛めっき鋼板・電気Zn−Niめっき鋼板について
も、潤滑特性(動摩擦係数)を向上させることにより、
さらにプレス成形性を向上させることが検討されてい
る。しかし、これは防錆油やプレス油では達成すること
は困難である。
【0003】一方、アルミニウム板についても、近年の
自動車車体軽量化の流れの中で、採用部品の拡大が検討
されているが、アルミニウム板は本質的に伸びが小さい
ため、適用部位は限られている。さらに、ステンレス鋼
板はバスタブや洗濯機の洗濯槽のように深絞り成形を施
され使用されることが多く、現状では成形前に塩化ビニ
ルフィルムを鋼板のダイス面側へ貼付し、金型との接触
による型かじりを防止しているが、プレス成形後に塩化
ビニルフィルムを成形体からはがす工程が必要であるこ
とや、剥がしたフィルム処分の方法しだいでは環境汚染
を引き起こすことが問題である。上述の各金属板のプレ
ス成形性を改善するために潤滑皮膜として有機被覆を施
す方法が提案されている。
【0004】これら有機被覆金属板はプレス成形後の後
工程として、通常化成処理を施される。化成処理は金属
板表面への塗装(電着塗装や静電塗装等)の塗装皮膜と
金属板との密着性を確保するために必要である。しかし
化成処理皮膜を形成せしめるには上記潤滑皮膜が除去さ
れなくてはならない。需要家におけるプレス成形後に化
成処理前のアルカリ洗浄(脱脂)液での除去(アルカリ
脱膜)がなされることが必要である。さらに需要家が金
属板を使用するまでの期間の発錆も問題となる。また近
年のコストダウン重視の観点から、該金属板の製造には
低温・短時間での焼付けで製造可能であることが好まし
い(塗膜乾燥性)。該金属板は製造直後に帯状もしくは
板状にして塗膜面同士が接触し、大荷重がかかる状態で
保存されることが多いが、この場合、金属板同士が密着
し、引き剥がすことができなくなることもさけなければ
ならない(耐ブロッキング性)。以上の特性を満足させ
る方法として、従来から鋼板表面にアルカリ脱膜型の有
機樹脂組成物等を薄膜処理する手法が提唱されている。
【0005】例えば特公昭53−37817号公報、特
開昭62−84193号公報、特開平3−203996
号公報、特開平5−194984号公報等がある。特開
平5−194984号公報においては、特定のスチレン
−マレイン酸系共重合物とアルキル基またはアルケニケ
ル基とのエステル化物もしくはその塩を2種類含有する
有機潤滑皮膜剤組成物を塗布することで、上記問題を解
決しようとしている。しかし、これは低分子量であるた
め、皮膜の破断強度が低下し、プレス成形性が劣る。特
に金型温度が上昇した場合に、著しく性能が低下する問
題点を有する。また特公昭53−37817号公報、特
開昭62−84193号公報、特開平3−203996
号公報は、樹脂の特定によりプレス成形性を向上させ、
樹脂中のカルボキシル基の存在により、さらにはこの酸
価を規定することで、アルカリ脱膜性を確保する技術で
ある。しかし、アルカリ脱膜後の化成処理皮膜結晶の形
成状態を観察すると不十分であるし、プレス成形性、特
に温間でのプレス成形性にも問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】<プレス成形性(耐パ
ウダリング性・耐かじり性)>需要家における数百〜数
千回に及ぶ連続プレス時や著しい深絞り成形時には、摩
擦熱や変形抵抗を原因として、金型温度が少なくとも4
0℃、場合によっては100℃まで上昇すると言われて
いる。この温度上昇を緩和するためにオイルを金型にか
けながらプレス成形することが一般に行われているが、
プレス回数の増加に従い、オイルによる冷却効果が低下
し金型温度は上昇する。その結果、前記従来技術では有
機樹脂皮膜が軟化し、潤滑効果が低下してプレス割れや
パウダリング、型かじりが発生するという問題があっ
た。
【0007】<アルカリ脱膜性(アルカリ脱膜性・化成
処理性)>需要家において、プレス成形後、化成処理を
施される。化成処理により化成処理皮膜結晶を形成させ
その後の塗装(電着塗装や静電塗装等)の塗装皮膜と金
属板との密着性を確保するものである。化成処理皮膜を
形成するには上記有機樹脂皮膜を除去しなくはならな
い。したがって化成処理前のアルカリ洗浄(脱脂)時に
有機樹脂が除去されるというアルカリ脱膜性を確保しな
くてはならない。特に亜鉛めっき鋼板においては、めっ
き層のZnと有機樹脂中に含まれるカルボキシル基の架
橋反応によりアルカリ脱膜性は著しく低下し、有機樹脂
皮膜の除去が完全に完了しない。そのためアルカリ洗浄
(脱脂)後の水濡れ性に問題がなくとも、実際に化成処
理を実施した場合、化成処理皮膜結晶の形状の問題や付
着量不足が発生する。前記従来の技術にはこのような問
題があった。
【0008】<防錆性>アルカリ脱膜性確保のために、
前述の従来技術の通りカルボシキル基を有機樹脂皮膜中
に確保すると、大気中の水分を皮膜が吸湿し、製造した
金属板を出荷してから需要家で使用されるまでに発錆す
るという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の問
題点として残されていた、金属板表面に有機樹脂塗膜
(潤滑処理皮膜)を有する金属板のアルカリ脱膜性(化
成処理性)、プレス成形性(耐パウダリング性、耐かじ
り性)、防錆性さらには塗膜乾燥性、耐ブロッキング性
に優れたアルカリ脱膜型塗料組成物をアルカリ脱膜型潤
滑処理金属板に併せて提供することを目的とする。すな
わち、本発明の特徴は、アクリル系樹脂、中和剤および
添加剤を含有する塗料組成物において、該アクリル系樹
脂が、スチレン、メタクリル酸と炭素数2以上のアルコ
ールとからなるガラス転移点Tgが0℃以上のメタクリ
ル酸エステルおよびカルボキシル基を有する単量体の水
溶性共重合体(a)と、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸およびこれらのモノアルキルエステルから選ばれる
1種以上とスチレンとの水溶性共重合体(b)とを含有
するアルカリ脱膜型塗料組成物であり、また、アルカリ
脱膜型塗料組成物を表面に塗布して形成された塗膜を有
するアルカリ脱膜型潤滑処理金属板である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塗料組成物、及び
潤滑処理金属板について詳細に説明する。本発明は、ア
クリル系樹脂、中和剤および添加剤を含有する塗料組成
物である。ここで添加剤とは通常塗料に添加される防錆
剤、潤滑剤、着色剤などである。改善すべきプレス成形
性(耐パウダリング性、耐かじり性)、防錆性および耐
ブロッキング性は、本発明ではベースとなる水溶性共重
合体(a)自体の性能を高めることに重点をおいて検討
した。一方アルカリ脱膜性(化成処理性)、塗膜乾燥性
は水溶性共重合体(b)の添加を検討することに重点を
おいた。さらに、本発明では各水溶性共重合体を中和さ
せるためのアンモニア、アミン類などの中和剤を含有す
るものである。したがって、本発明では、後述する理由
により界面活性剤は使用しない。
【0011】水溶性共重合体(a) プレス成形性の観点からアクリル系樹脂について検討し
た結果、メタクリル酸エステルとスチレンと、さらにカ
ルボキシル基を有する単量体の3種を単なるブレンドで
はなく共重合することで樹脂塗膜の破断エネルギーを高
レベルに維持することが可能でプレス成形性の改善に有
効であるとの結論に達した。また防錆性を確保するため
にメタクリル酸とエステル化させるアルコールの炭素数
を限定することが有効であることが判明した。本発明の
メタクリル酸エステルとは、メタクリル酸エチル(略称
EMA:ガラス転移点Tg65℃)、メタクリル酸イソ
プロピル(略称iso−PMA:Tg81℃)、メタク
リル酸ノルマル−ブチル(略称n−BMA:Tg20
℃)、メタクリル酸イソ−ブチル(略称iso−BM
A:Tg67℃)等が挙げられる。以上のようにエステ
ル末端の炭素数を2以上としたのは、炭素数1のメチル
基の場合、極端に防錆性が低下するためである。これ
は、メチル基によりエステル基の分極が高まり、その結
果、水との相互作用が高まるためであると考えられる。
前記のメタクリル酸とエステル化させる炭素数2以上の
アルコールは実用的には脂肪族1価アルコールであるこ
とが好ましい。またアクリル酸エステルの場合、通常T
gが0℃未満であり、プレス成形性が劣る傾向にあり、
本発明ではメタクリル酸エステルとした。したがって、
上記のメタクリル酸エステルはTgが0℃以上であり、
プレス成形性に優れる。一般に、需要家で行われている
実プレスでは、連続でしかも高速で成形するため、摩擦
熱や金属板の変形抵抗による熱で金属板または金型の温
度は100℃に達する例もある。従って、Tgが0℃未
満の単量体を重合物として加えた場合、軟質成分が熱に
より、金属板から離脱、または溶融し、塗膜全体の潤滑
効果を低下させるためである。Tgは好ましくは10℃
〜90℃の範囲とする。
【0012】水溶性共重合体(a)の2つめの共重合成
分であるスチレンについて以下に説明する。スチレンは
耐湿性が高く、高Tgであるため防錆性、プレス成形性
を両立させる上で必須成分である。前記したメタクリル
酸エステルとスチレンとの共重合比はメタクリル酸エス
テル:スチレンの重量比として10:90〜90:10
とすることが好ましい。この両者の合計量においてメタ
クリル酸エステルの比率が10重量%未満であると、ス
チレンの含有割合が増すため、プレス成形性及び防錆性
は向上するが、後述する所定の酸価にした場合もアルカ
リ脱膜性が低下し、さらに塗料の貯蔵安定性が低下する
傾向にある。90重量%を超えた場合、塗膜の破断強度
が低下し、プレス成形性が低下すると同時に、塗膜の疎
水性が低下するため防錆性が低下する。メタクリル酸エ
ステル:スチレンの共重合比のより好ましい重量比は、
10:90〜50:50である。
【0013】第3の重合成分はカルボキシル基を有する
単量体で、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸等が挙げられる。これにより、共重合体
はカルボキシル基が付与され、たとえばアンモニア、ア
ミン類で中和することにより水溶化が可能となり、水溶
性共重合体となる。つまりこの種の塗料の重要な性能の
一つであるアルカリ脱膜性を付与するのに水溶性とする
必要があり、カルボキシル基を有する単量体を含有させ
なければならない。この重合比は共重合体(a)の酸価
が20〜300mg−KOH/gになるように調製する
ことが好ましい。酸価が20mg−KOH/g未満の場
合、アルカリ脱脂液にて実施される当該塗膜のアルカリ
脱膜性が極端に低下する。また、共重合体自身の水溶化
による塗料化が困難となる。一方、300mg−KOH
/gを超えた場合は、防錆性が極端に低下し、スチレン
やその他添加される防錆剤の効果がでない。なお、より
好ましい酸価は25〜230mg−KOH/g、さらに
は、100〜200mg−KOH/gとする。前記の好
ましい酸価を確保するためには、例えばメタクリル酸の
場合、メタクリル酸とスチレンおよびメタクリル酸エス
テルとの水溶性共重合体(a)100重量部に対しメタ
クリル酸は4〜35重量部であることが好ましい。
【0014】また水溶性共重合体(a)の好ましい分子
量は重量平均分子量で10000〜60000とする。
この範囲であると塗膜の潤滑効果を有利に発現し、プレ
ス成形性にとって好ましい。さらに本発明の水溶性共重
合体(a)においては、カルボキシル基をアンモニア、
アミンなどの中和剤により水溶化する。従ってエマルシ
ョン化等に使用される界面活性剤は使用しない。これ
は、界面活性剤が乾燥後の塗膜に残存することにより防
錆性およびプレス成形性が低下するためである。加え
て、界面活性剤を含むエマルション塗料の本質として最
低成膜温度としてTg+20℃を確保する必要があり、
より高い温度での乾燥によってのみ成膜する。そしてプ
レス成形性への寄与が出現するものである。これは塗膜
乾燥性が劣ることに他ならない。
【0015】本発明における水溶性共重合体(a)は水
溶性溶剤中における公知の溶液共重合にて得ることがで
きる。80〜140℃に調整した水溶性溶剤(たとえば
ブチルセロソルブ)中に、窒素雰囲気下でメタクリル酸
エステル:スチレンを好ましくは10:90〜90:1
0、の重量比にて調整し、さらにカルボキシル基を含有
する単量体を、好ましくは酸価20〜300mg−KO
H/gになるように重合開始剤とともに4〜5時間かけ
て滴下しながら重合させ、さらに同温度で2〜8時間加
熱攪拌を行い重合を完結させる。ついで55〜60℃に
冷却後、アンモニア、アミン等の塩基で中和水溶化を行
い、所定の水溶性共重合体(a)を製造する。
【0016】好ましい中和剤 さらに被塗装対象物である金属板が合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板である場合は、前記の通り、めっき層の亜鉛とカ
ルボキシル基との相互作用によりアルカリ脱膜性が劣る
傾向にある。これに対しては、さらに中和剤の特定およ
び後記する水溶性共重合体(b)の添加により改善する
ことができる。樹脂には防錆力、プレス成形性の向上の
観点からは、樹脂塗膜の破断強度の向上が求められる。
このために樹脂のTg、および分子量の向上等が必要で
ある。しかし塗膜のアルカリ脱膜性は低下する。また自
動車メーカーにおけるアルカリ脱脂条件は低温度で比較
的短時間で行われることが多い。このため、成膜後、樹
脂塗膜中に多量のーCOOH基が存在した場合でも、樹
脂Tg以下の温度で、かつアルカリ脱脂時間が短い場合
は、結果的にはアルカリ脱膜性不良となる。このため、
アルカリ脱膜性を向上するためには、塗膜中のーCOO
H基の一部を塗膜形成時に蒸散しにくいアミン、すなわ
ち沸点の高いアミンまたはアルカリ金属で中和すること
により、塗膜中に親水性物質を残存させることが効果的
である。
【0017】これにより、アルカリ脱脂において、塗膜
内部へのアルカリの浸透を助け、低温、短時間での処理
を可能とする。つまり、水溶性共重合体(a)のアミン
中和に際してアンモニアと沸点30℃以上のアミン類を
混合して用いることが好ましい。アミン類として沸点を
定義した理由は、30℃未満である場合は、常温による
乾燥においても中和アミンが揮発し、アルカリ脱膜性が
劣化するためである。好ましくは、沸点100℃以上と
する。さらに好ましくは160℃以上とする。本発明で
適用できる沸点30℃以上のアミン類としては、イソプ
ロピルアミン(沸点32℃)、ジエチルアミン(沸点5
6℃)、N,Nージメチルエタノールアミン(沸点13
0℃)、モノエタノールアミン(沸点170℃)、トリ
イソプロパノールアミン(沸点305℃)、トリエタノ
ールアミン(沸点360℃)等が挙げられる。また水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムも使用できるが、好まし
い中和剤は沸点30℃以上のアルカノールアミンまたは
アルキルアミンである。
【0018】またアンモニアと沸点30℃以上のアミン
類およびアルカリ金属の添加量は樹脂中に含まれる酸1
当量に対してアンモニアが0.5〜1.5当量および沸
点30℃以上のアミン類またはアルカリ金属が0.1〜
0.5当量であるのが好ましい。この理由として、沸点
30℃以上のアミン類またはアルカリ金属の添加量が
0.1当量未満であると短時間でのアルカリ脱脂条件下
におけるアルカリ脱膜性を確保することが困難であり、
逆に0.5当量を越えると、塗膜の破断強度が著しく低
下し、またプレス成形性も低下して、生産性が落ちるた
めである。さらに耐ブロッキング性も低下するためであ
る。中和剤のさらに好ましい添加量は0.2〜0.4当
量である。またアンモニアの添加量が0.5当量未満で
あると中和による水溶化が困難となり、逆に1.5当量
を越えると、塗膜の破断強度が劣化し、潤滑性が損なわ
れる傾向にある。
【0019】水溶性共重合体(b) さらに高度のアルカリ脱膜性及び塗膜乾燥性を付与する
ために、水溶性共重合体(a)に加えて、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸およびこれらのモノアルキルエス
テルから選ばれる1種以上とスチレンの水溶性共重合体
(b)を含む。水溶性共重合体(b)のCOOH基が中
和剤として含有するアミン等の残留サイトとして機能す
るためである。これにより、アルカリ脱膜性を確保でき
る。スチレン:マレイン酸類のモル比としては、75:
25〜1:99であることが好ましい。マレイン酸類と
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびこれらの
モノアルキルエステルから選ばれる1種以上である。ま
たモノアルキルエステルは実用的には炭素数1〜4のア
ルコールに基づくものであるのが好ましい。スチレン:
マレイン酸類のモル比を75:25〜1:99であるの
が好ましい理由は、スチレンのモル比が1%未満では塗
膜破断強度が高いスチレンが少ないことから塗膜破断強
度が低下するため、プレス成形性、特に金型温度上昇時
のプレス成形性及び耐パウダリング性が劣化する。一方
75%超となると、COOH基が著しく減少し、アルカ
リ脱膜性が劣化するためである。より好ましくは、スチ
レン:マレイン酸類のモル比は75:25〜20:80
である。
【0020】また水溶性共重合体(b)中において、マ
レイン酸類のCOOH基数を1分子鎖中に少なくとも1
以上残留させることが好ましい。特に、1〜7残留させ
るのが好ましい。これはアルカリ脱膜性を有利に確保で
きるからである。また、分子量は重量平均分子量として
500〜10000が好ましい。分子量が500未満の
場合、塗膜の破断強度が著しく低下し、プレス成形性に
悪影響を及ぼす。一方、10000を越えると、アルカ
リ脱膜性の向上効果が期待できなくなるからである。本
発明における水溶性共重合体(b)は、水溶性溶剤中に
おける公知の溶液共重合、塊状重合、乳化重合、気相重
合により得ることができる。
【0021】水溶性共重合体(b)はアンモニアによっ
て中和し、水溶化することが好ましい。中和剤の添加量
は水溶性共重合体(b)の樹脂固形分中の酸1当量に対
して0.6〜4当量の範囲が望ましい。中和剤の添加量
が0.6当量未満であると塗料安定性が低下するし、4
当量を超えると、塗膜の破断強度が低下し、プレス成形
性が低下するためである。中和剤のさらに好ましい添加
量は0.8〜2.5当量である。
【0022】本発明において含有させる水溶性共重合体
(b):水溶性共重合体(a)の含有比(重量比)は、
1:99〜50:50が好ましい。これは水溶性共重合
体(b)が1重量%未満であると、アルカリ脱膜性及び
塗膜乾燥性、耐ブロッキング性が劣化するからである。
一方50重量%を超えるとプレス成形性が劣化する傾向
にあるためである。さらに好ましい水溶性共重合体
(b):水溶性共重合体(a)の含有比は重量比で1
0:90〜50:50である。本発明においては、水溶
性共重合体(a)と水溶性共重合体(b)は単に混合さ
せるものであっても,また、共重合させたものであって
もよい。共重合は例えば、下記の方法で実施される。溶
液重合で、80〜140℃に調整した水溶性溶剤、例え
ばブチルセロソルブ中に、窒素雰囲気下において、スチ
レン、メタクリル酸エステル、さらにメタクリル酸基を
有する単量体を重合開始剤とともに、4〜5時間かけて
添加しながら共重合させ、さらに水溶性共重合体(b)
であるスチレンーマレイン酸共重合体を加え、2〜3時
間加熱攪拌して、共重合させる。その後、55〜60℃
に冷却し、アンモニア等の塩基で中和し、水溶性のアク
リル系樹脂を製造する。
【0023】添 加 剤 前記したアクリル系樹脂にさらに防錆性、プレス成形性
を向上させる目的で添加剤を添加する。好ましい添加剤
としては、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸等のカルシウム、バリウム等のアルカリ土類
金属との塩である金属セッケンおよびリン酸およびモリ
ブデン酸の亜鉛、カルシウムもしくはアンモニウムであ
る。防錆剤としての好ましい添加量は、塗料組成物の全
樹脂固形分((a)+(b))に対して3〜30重量
%、好ましくは5〜20重量%である。この範囲である
と塗料の安定性を極端に損わずに、防錆性に優れてい
る。
【0024】本発明には潤滑剤として、さらに固形潤滑
剤やワックスを配合してもよい。固体潤滑剤は、例え
ば、グラファイト、2硫化モリブデン、タルク、テフロ
ン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、メラミン、イソシア
ヌル酸付加物などが挙げられる。ワックスは、ポリエチ
レンワックス、石油パラフィンワックス、動植物油脂、
高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸と高級アルコ
ールのエステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸のアミ
ン塩などが挙げられ、潤滑剤皮膜を固化させておくため
に融点が45℃以上のものを用いるのが好ましい。融点
を上げるには、水素添加により2重結合をなくす方法が
ある。潤滑剤としての好ましい量は、塗料組成物の全樹
脂固形分に対して3〜50重量%、好ましくは5〜30
重量%である。この範囲であるとアルカリ脱膜性を損わ
ず、プレス成形性に優れている。
【0025】特に添加剤として金属せっけんやリン酸お
よびモリブデン酸のZn、Caもしくはアンモニウム塩
を適用する場合は、これらの比重が溶媒である水と比較
して大きいので沈降防止剤として、下記に示す(P系有
機物A):アルキルホスホン酸モノアルキルエスエル及
び(P系有機物B):アルキルホスホン酸ジアルキルエ
ステルを重量比として10:90〜90:10を添加す
るのが好ましい。これは両者の合計量に基づいて、P系
有機物Aを10重量%未満とすると著しく塗料安定性が
劣化してしまうし、90重量%を超えるとOH基による
鋼板表面への吸着量が増加するため、アルカリ脱膜性が
劣化してしまうためである。
【0026】
【化1】 ここでR1 は炭素数10〜50の飽和炭化水素基、また
は不飽和炭化水素基であって、直鎖でも分岐鎖であって
もよく、具体的にはC=40のα−オレフィンが例示さ
れる。R2 は炭素数1〜8の飽和炭化水素基、または不
飽和炭化水素基であって、CH3 、C3 7 、C
5 11、C8 17で例示され、好ましくはC=5または
C=8のα−オレフィンである。R2 が2箇所の場合
は、同一でも異なってもよい。
【0027】りん系有機混合物添加量はりん系有機混合
物:アクリル系水溶性共重合体((a)+(b))樹脂
固形分が重量比で1:99〜20:80となることが好
ましい。りん系有機混合物が1重量%未満であると、沈
降防止効果が発現せず20重量%を超えると塗膜の凝集
力が低下し、加工時に塗膜剥離いわゆるパウダリングが
発生しやすくなるからである。好ましくは、りん系有機
混合物:樹脂固形分を重量比で5:95〜15:85と
する。
【0028】本発明の塗料組成物には、上記成分以外に
も、炭化水素等の溶剤、添加剤として着色剤、顔料、染
料等を添加してもよく、また、油性剤、極圧剤、防錆剤
などの通常の塗料組成物に添加される添加剤を加えるこ
ともできる。本発明の塗料組成物は、例えば次のように
調製し、得ることがきる。スチレン、メタクリル酸と炭
素数2以上のアルコールからなるTgが0℃以上のメタ
クリル酸エステルおよびカルボキシル基を有する単量体
の水溶性共重合体(a)およびマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸およびこれらのモノアルキルエステルから選
ばれる1種以上とスチレンとの水溶性共重合体(b)を
所定量の水に分散し、加温(60〜70℃)し、中和に
必要な所定の当量のアンモニアを添加しして中和する。
さらにトリエタノールアミンを添加、中和する。さらに
必要に応じ、固形潤滑剤、ワックス、およびラウリン酸
等の脂肪酸またはリン酸等の金属セッケンである潤滑
剤、沈降防止剤としてのリン系有機混合物を添加して、
塗料組成物を調製する。
【0029】前記した塗料組成物を、熱延鋼板、冷延鋼
板、ステンレス鋼板、各種表面処理鋼板およびアルミニ
ウム板などの金属板に塗装する場合、付着量は片面当た
り、乾燥重量で0.5〜5g/m2 とすることが好まし
い。0.5g/m2 未満の場合、金属板表面の凹凸を埋
めることができず、プレス成形性、防錆性に対する本塗
膜の効果が発現しない。また、5g/m2 を超えた場
合、プレス成形時にパウダリングが発生する。より好ま
しい範囲は、0.5〜3g/m2 である。塗装は、ロー
ル塗布、スプレー塗布、浸漬塗布、刷毛塗り塗布等公知
の方法が利用できる。乾燥条件は、温度40〜200
℃、乾燥時間1〜90秒間程度とする。なお、本発明で
の金属板は、帯状の金属板である金属帯を含み、特に限
定されるものではないが、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板、熱延鋼板、冷延鋼板、電気亜鉛め
っき鋼板、電気Zn−Niめっき鋼板、アルミニウム
板、ステンレス鋼板が例示できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例、及び比較例によって本発明を
さらに具体的に説明する。 <試験片作製方法>脱脂した各種金属帯の表面に、表に
示すアクリル系樹脂A〜Jに、下記の中和剤A〜Fおよ
び下記の添加剤を添加した塗料組成物を乾燥塗膜重量で
片面当たり1.5g/m2 になるように両面に塗装し、
10秒後の到達板温が60℃になるように熱風乾燥機を
用いて乾燥させた。その後、さらに両面に防錆油(1
6.0cSt/40℃)を0.5〜1.0g/m2 にな
るように塗布し試験片とした。
【0031】水溶性共重合体(a)組成 A:メタクリル酸エチル/スチレン/メタクリル酸 B:メタクリル酸−isoプロピル/スチレン/イタコ
ン酸 C:メタクリル酸−nブチル/スチレン/メタクリル酸 D:メタクリル酸−isoブチル/スチレン/アクリル
酸 E:メタクリル酸−nブチル/スチレン/アクリル酸
【0032】水溶性共重合体(b)組成 F:スチレン/マレイン酸 G:スチレン/フマル酸 H:スチレン/イタコン酸 I:スチレン/マレイン酸モノエチルエステル 水溶性共重合体(a)と水溶性共重合体(b)の共重合
体組成 J:メタクリル酸−isoブチル/スチレン/メタクリ
ル酸/スチレン/マレイン酸モノエチルエステル
【0033】 添加剤(塗料組成物の全樹脂固形分に対する重量%) ステアリン酸カルシウム 5% リン酸亜鉛 5% ポリエチレンワックス 10% P系有機物A:R1 :C=40のα−オレフィン P系有機物B:R2 :C=8のα−オレフィン
【0034】中和剤 A:イソプロピルアミン(沸点32℃) B:ジエチルアミン(沸点56℃) C:N,N−ジメチルエタノールアミン(沸点130
℃) D:モノエタノールアミン(沸点170℃) E:トリイソプロパノールアミン(沸点305℃) F:トリエタノールアミン(沸点360℃)
【0035】かくして得られた試験片について、プレス
成形性、防錆性、アルカリ脱膜性、化成処理性、耐ブロ
ッキング性、塗膜乾燥性、塗料安定性を調査した。その
結果を表に示す。なお、各特性の評価は次の通りに行っ
た。 <評価方法> (1)プレス成形性 常温プレス成形性(限界しわ押さえ荷重、耐かじり
性、耐パウダリング性)エリクセンカップ絞り試験機を
用いて、常温(25℃)で評価した。 (円筒深絞り成形のプレス条件) ポンチ径 33mmφ(円筒、ビード付き円筒) 絞りダイス肩曲率 2mmR ブランク径 円筒68mmφ、ビード付き円筒68mmφ 絞り速度 60mm/sec 限界しわ押さえ荷重 破断せずに成形可能な最大t数で評価
【0036】(耐かじり性評価基準)上記条件でプレス
成形したサンプルの側壁部を観察し、型かじりの有無を
評価した。評価基準は以下の通り。 ◎=型かじりなし 〇=型かじり若干あり △=型かじりやや多め ×=型かじり多い
【0037】(耐パウダリング性評価基準)上記条件で
プレス成形したサンプルの側壁部を観察し、パウダリン
グの有無を評価した。評価基準は以下の通り。 ◎=パウダリング発生なし 〇=パウダリング発生若干あり △=パウダリング発生やや多め ×=パウダリング発生多い
【0038】温間プレス成形性(限界しわ押さえ荷
重、耐かじり性、耐パウダリング性)エリクセンカップ
絞り試験機を用いて、金型温度80℃で評価した。 (円筒深絞り成形のプレス条件) ポンチ径 33mmφ(円筒) 絞りダイス肩曲率 2mmR ブランク径 円筒68mmφ 絞り速度 60mm/sec 限界しわ押さえ荷重 破断せずに成形可能な最大t数で評価
【0039】(耐かじり性評価基準)上記条件でプレス
成形したサンプルの側壁部を観察し、型かじりの有無を
評価した。評価基準は以下の通り。 ◎=型かじりなし 〇=型かじり若干あり △=型かじりやや多め ×=型かじり多い
【0040】(耐パウダリング性評価基準)上記条件で
プレス成形したサンプルの側壁部を観察し、パウダリン
グの有無を評価した。評価基準は以下の通り。 ◎=パウダリング発生なし 〇=パウダリング発生若干あり △=パウダリング発生やや多め ×=パウダリング発生多い
【0041】(2)防錆性 高温高湿試験;温度50℃、湿度60%の条件下で湿潤
試験を行い、赤錆が面積率として全試験面の5%発生す
るまでの時間で評価した。
【0042】(3)アルカリ脱膜性 試験片に、濃度3重量%、液温40℃に調整した脱脂液
(ファインクリーナー4460(日本パーカーライジン
グ(株)製)を、スプレー圧1kg/cm2 で10秒間
スプレーして脱脂し、脱脂後の試験片を水中へ浸漬し、
引き上げた後の水濡れ面積を目視で観察し、下記の基準
でアルカリ脱膜性を評価した。 (アルカリ脱膜性評価基準) 〇=水濡れ部位:金属板表面積の100% △=水濡れ部位:金属板表面積の95%以上 ×=水濡れ部位:金属板表面積の95%未満
【0043】(4)化成処理性 試験片に、濃度3重量%、液温40℃に調整した脱脂液
(ファインクリーナー4460(日本パーカーライジン
グ(株)製)を、スプレー圧1kg/cm2 で30秒間
スプレーして脱脂し、その後43℃に調整した化成処理
液(PB−L3020M:日本パーカライジング(株)
製)に120秒間浸漬にて化成処理を実施し、化成処理
皮膜を走査型電子顕微鏡(1000倍)にて化成処理皮
膜の結晶形態を観察し、本発明の塗料を塗装していない
各金属板を同一条件で処理した化成処理皮膜との比較を
行った。
【0044】(化成処理性) 〇=未塗装鋼板の化成処理皮膜となんら変わらず良好な
化成処理皮膜 △=未塗装鋼板の化成処理皮膜と比較して若干の結晶微
小化・粗大化が発生 ×=化成処理皮膜はほとんど生成していない
【0045】(5)耐ブロッキング性 塗膜面同士を内側にして重ね合せた2枚の試験片を30
0kg・cmのトルクで締め付けた状態で、60℃の恒
温槽に6時間放置した。その後、重ねた試験片を引き剥
がし、引き剥がした時の粘着状況により、下記の基準で
耐ブロッキング性を評価した。
【0046】(耐ブロッキング性) ◎=粘着なし 〇=若干粘着あり △=粘着あり ×=粘着大
【0047】(6)塗膜乾燥性 塗装・焼きつけ直後の塗膜を指触によりべとつきを確認
すると同時に、塗装・焼きつけ直後の塗膜面同士を内側
にして重ね合せた2枚の試験片を300kg・cmのト
ルクで締め付けた状態で、室温で6時間放置した。その
後、トルクを解放した時の剥離状況及び外観変化を下記
の基準で評価した。
【0048】(塗膜乾燥性) ◎=べた付きなし・重ねた試験片のトルク解放時に自重
にて剥離、外観変化なし ○=べた付きなし・重ねた試験片のトルク解放時に自重
にて剥離、外観変化あり △=若干べた付きあり・重ねた試験片のトルク解放時に
自重にて剥離しない ×=べた付きあり・重ねた試験片のトルク解放時に自重
にて剥離しない
【0049】(7)塗料安定性 50℃のオープン中に200mlメスシリンダーに入れ
た塗料組成物を1ヶ月間放置し、放置後の塗料分離状況
を目視にて観察した。塗料組成物中の固形分は20重量
%とした。
【0050】(塗料安定性) ◎=塗料組成物の分離なし △=若干の沈降物もしくは浮遊物あり ×=沈降物もしくは浮遊物が著しく発生
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
【表14】
【0065】
【発明の効果】本発明の塗料組成物、及び本塗料組成物
を塗装した潤滑処理金属板は、アルカリ脱膜性、化成処
理性、防錆性、塗膜乾燥性、耐ブロッキング性、塗料安
定性、耐かじり性、耐パウダリング性を含むプレス成形
性を格段に改善したものである。本発明により、従来問
題となっていた難成形プレス成形が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾形 浩行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 向原 文典 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 五嶋 義則 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 CA33 DB02 DB04 DB05 DB07 DC12 EB22 EC00 EC01 EC07 4J038 CC021 CC022 CG011 CG031 CG062 CG072 CG122 CG141 GA06 MA08 MA13 NA03 NA10 PC02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系樹脂、中和剤および添加剤を含
    有する塗料組成物において、該アクリル系樹脂が、スチ
    レン、メタクリル酸と炭素数2以上のアルコールとから
    なるガラス転移点Tgが0℃以上のメタクリル酸エステ
    ル、およびカルボキシル基を有する単量体の水溶性共重
    合体(a)と、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およ
    びこれらのモノアルキルエステルから選ばれる1種以上
    とスチレンとの水溶性共重合体(b)とを含有すること
    を特徴とするアルカリ脱膜型塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載のアルカリ脱膜型塗料
    組成物を表面に塗布して形成された塗膜を有することを
    特徴とするアルカリ脱膜型潤滑処理金属板。
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