JPH08300087A - 耐型かじり性・脱膜性に優れた潤滑処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】金属材の表面にシランカップリング剤を塗布
し、乾燥した後、ガラス転移温度が１０℃以上８５℃以
下の１種以上の水溶性および／または水分散性アクリル
系樹脂に樹脂固形分に対して０．５重量％以上１０重量
％以下の金属石鹸を添加した処理剤を塗布し、乾燥させ
て潤滑処理皮膜（膜厚：０．８〜４μｍ）を形成する。 【効果】本発明方法により形成される潤滑処理皮膜は、
耐型かじり性に優れるとともに、良好な脱膜性および耐
ブロッキング性を有している。この方法は、従来のビニ
ールシートを貼合して成形する方法に十分代わり得る方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属材の表面に耐型か
じり性および脱膜性に優れた潤滑処理皮膜を形成する方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】金属板を塑性加工する際に、潤滑剤を使
用して金型と金属板との潤滑性を高め、加工時に加えら
れる荷重を低減したり、焼き付きを防止する技術が従来
から用いられている。しかし、近年、使用後の潤滑剤の
処理等、環境問題への対応や、コスト低減のために、需
要家が加工時にプレス油などの潤滑剤を塗布するのでは
なく、金属板の製造段階、または需要家へ引き渡される
までの適当な段階で、金属板表面に種々の潤滑剤を含有
する固体有機皮膜（以下、「潤滑処理皮膜」という）を
予め塗布した潤滑処理金属板が多用されるようになって
きた。

【０００３】このような潤滑処理金属板は、大別する
と、脱膜型の金属板と非脱膜型の金属板の２種になる。
脱膜型潤滑処理金属板とは、塑性加工後に脱脂等の手法
により潤滑処理皮膜を除去し、その後、無処理で使用さ
れるか、あるいは更に化成処理および塗装などを施して
使用されるものである。一方、非脱膜型潤滑処理金属板
とは、塑性加工後に潤滑処理皮膜を除去することなく、
その皮膜表面のままで、ないしはさらに塗装などを施し
て使用されるものである。

【０００４】一般に、ステンレス鋼板やアルミニウム板
など、その金属光沢を生かして最終製品化される素材の
場合は、脱膜型の潤滑処理金属板として使用されること
が多い。

【０００５】このような脱膜型の塑性加工用潤滑処理皮
膜に要求される主な性能は下記〜の性能である。

【０００６】 薄膜で良好な潤滑性を示す。

【０００７】 成形皮膜同士を密着させても、皮膜同
士が粘着しない（耐ブロッキング性を有する）。

【０００８】 皮膜の除去が容易である。

【０００９】金属板の表面にこのような潤滑処理皮膜を
形成させることができる潤滑処理皮膜剤としては、アク
リル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の公知
の皮膜形成成分に、潤滑性成分として、脂肪酸、脂肪酸
塩、脂肪酸金属石鹸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、
高級アルコール、グラファイト、二硫化モリブデン、フ
ッ素樹脂粉末などを配合したものが提唱されている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たステンレス鋼板など、特に表面に研磨ないしは光輝焼
鈍等を施した美麗な外観を有する金属板の場合、絞り加
工等の成形が可能なだけでは不十分で、金型による型か
じりを防ぎ、加工部も美麗な表面を保持することが重要
である。

【００１１】このために、現在は、加工前の金属板に厚
み５０μｍ程度のビニールフィルムを貼合し、プレス成
形等を行った後にそのフィルムを剥離する方法が多用さ
れている。しかしこの場合、加工後のフィルムの剥離
を、通常、人力で行わなければならないため、製造ライ
ンの自動化・省力化の妨げとなる。また、特に加工部で
はフィルムの剥離が困難になる場合が多い。さらに剥離
したフィルムは嵩高く、また、多くは焼却処分が困難
で、その減容・埋立処理等に多大な経費を要する。

【００１２】そのため、脱膜型潤滑処理金属板の型かじ
り性の改善に対する要請が強く、例えば、特開昭５３−
７５１５９号公報には、特定の酸価およびガラス転移温
度を有するビニル系樹脂等を表面に被覆したステンレス
鋼板が開示されている。しかしながら、家電メーカー等
の需要家の要求する高度な耐型かじり性を満足するよう
な潤滑処理皮膜を有する金属板は今だ得られていないの
が現状である。

【００１３】本発明はこのような状況に鑑みなされたも
ので、その目的は、耐型かじり性をはじめ、潤滑性、耐
ブロッキング性、脱膜性等、塑性加工時に必要とされる
全ての性能を満足する潤滑処理皮膜を金属材の表面に形
成する方法を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】型かじりを防止するため
の従来の考え方は以下のようなものであった。

【００１５】（ａ）潤滑処理皮膜の膜厚を厚くして、金
型と金属の直接接触を避ける。

【００１６】（ｂ）潤滑処理皮膜の潤滑性を固体潤滑剤
などの添加によって向上させ、かじりにいたるまでの摺
動長さを増加させる。

【００１７】しかし、このような潤滑皮膜設計を行って
も、厳しい加工条件の場合は、かじりが発生する。本発
明者らは、モデル実験や実プレスを用いた調査により、
かじりによって剥離し、金型内に堆積する潤滑処理皮膜
の剥離片そのものが型かじりの原因になるということを
見いだした。すなわち、どんなに潤滑性の良い皮膜を厚
く形成させたとしても、皮膜の密着力が悪ければ、皮膜
が根こそぎ剥離し、その剥離した皮膜がさらに型かじり
の原因になるのである。従って、皮膜と基材金属の密着
性を高めることが型かじり防止に最も重要なポイントで
あるという結論に達した。

【００１８】本発明者らは脱膜型の潤滑処理皮膜を構成
する樹脂の主成分、添加剤等について検討を重ねた結
果、潤滑処理皮膜にカップリング剤を添加し、潤滑処理
皮膜と基材金属との密着力を強化することにより耐型か
じり性が飛躍的に向上することを見いだした。

【００１９】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たもので、その要旨は下記の潤滑処理方法にある。

【００２０】金属材の表面に、シランカップリング剤を
塗布し、乾燥した後、ガラス転移温度が１０℃以上８５
℃以下のそれぞれ１種以上の水溶性および／または水分
散性アクリル系樹脂に、樹脂固形分に対して０．５重量
％以上１０重量％以下の金属石鹸を添加した処理剤を塗
布し、乾燥させて、膜厚が０．８μｍ以上４μｍ以下の
潤滑処理皮膜を形成することを特徴とする耐型かじり性
・脱膜性に優れた潤滑処理方法。

【００２１】

【作用】以下、本発明方法について詳細に説明する。

【００２２】本発明の潤滑処理方法を適用する際の対象
となる金属材の形状および種類は、特定のものに限定さ
れることはない。しかし、薄板形状のものが塑性加工の
対象物として主に使用されるので、本発明方法は薄板材
に対して広く適用される。

【００２３】金属の種類としては、熱延鋼板、冷延鋼
板、めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等が
例示される。

【００２４】この金属材の表面をアルカリ脱脂等で十分
に脱脂する。潤滑処理皮膜の形成に使用する処理剤はア
クリル系樹脂等を水に溶解または分散させた水系のもの
なので、脱脂が不十分であると、形成される皮膜に塗装
はじき等の欠陥が発生するからである。

【００２５】上記の脱脂処理後の金属材の表面にシラン
カップリング剤を塗布し、乾燥する。このシランカップ
リング剤は樹脂皮膜と基材金属との密着力を強化する作
用を有し、これによって耐型かじり性が飛躍的に向上す
る。また、特に多官能のシランカップリング剤には、樹
脂の内部架橋を促進する効果も期待できる。

【００２６】塗布するシランカップリング剤の種類は特
に限定されないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、Ｎ−（２−アミノエチル）３−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、Ｎ−（２−アミ
ノエチル）３−アミノプロピルトリメトキシシラン、３
−アミノプロピルトリエトキシシラン、３−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、３−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランなどが例示される。

【００２７】シランカップリング剤は水または有機溶剤
で希釈した後に塗布するのが好ましい。シランカップリ
ング剤の濃度は０．１重量％以上２０重量％以下である
ことが好ましい。濃度が０．１重量％未満であると、耐
型かじり性向上の効果が不十分であり、２０重量％を超
えるとその効果が飽和し、かつ本発明方法により形成さ
れる潤滑処理皮膜の脱膜性が低下する。また、経済的に
も不利である。

【００２８】シランカップリング剤の塗布方法として
は、塗料の塗布に通常用いられるいずれの方法も適用で
きるが、スプレー法とリンガーロールを組み合わせた方
法、ロールコート法などが、均一に塗布することがで
き、好適である。シランカップリング剤の付着量は特に
限定されないが、液膜の厚みを１μｍから５０μｍ程度
とするのが好ましい。液膜の厚みが１μｍに満たない
と、均一な塗布が困難になり、５０μｍを超えると乾燥
に時間がかかる。

【００２９】乾燥方法も特に限定されず、熱風乾燥、赤
外線乾燥、誘導加熱による乾燥等、通常使用されている
方法が適用できる。乾燥温度は、最高到達板温で３０℃
以上が好ましい。３０℃より低いと時間がかかり、実用
的ではない。

【００３０】上記のようにシランカップリング剤を塗布
し、乾燥する前処理を施した金属材の表面に、アクリル
系樹脂を水に溶解または分散させた樹脂液に金属石鹸を
添加した処理剤を塗布する。

【００３１】本発明方法で使用するアクリル系樹脂は、
水溶性または水分散性の熱可塑性アクリル系樹脂で、一
般に塗料用として使用されているものであればよく、１
種以上の水溶性アクリル系樹脂または１種以上の水分散
性アクリル系樹脂を用いるか、それら水溶性および水分
散性の両方のアクリル系樹脂をそれぞれ１種以上含むア
クリル系樹脂を用いればよい（アクリル系樹脂およびそ
の製造法については、例えば、北岡協三著「塗料合成樹
脂入門」（高分子刊行会発行）参照）。

【００３２】上記のアクリル系樹脂は、ビニル系不飽和
カルボン酸およびビニル系不飽和カルボン酸エステルか
ら選ばれた単量体を重合して得られる。これらの単量体
としては、アクリル酸、メタクリル酸、ソルビン酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸、メチル（メタ）アク
リレート、エチル（メタ）アクリレート、プロピル（メ
タ）アクリレート、イソプロピル（メタ）アクリレー
ト、ブチル（メタ）アクリレート、イソブチル（メタ）
アクリレート、２−エチル−ヘキシル（メタ）アクリレ
ート、ヘキシル（メタ）アクリレート、ラウリル（メ
タ）アクリレート、ステアリル（メタ）アクリレート、
２−ヒドロキシエチル（メタ）アクリレート、２−ヒド
ロキシプロピル（メタ）アクリレート、グリシジン（メ
タ）アクリレート、ジメチルアミノエチル（メタ）アク
リレートなどが挙げられる。

【００３３】これらのアクリル単量体を重合させるに
は、一般に、少なくとも１種のビニル系不飽和カルボン
酸と少なくとも１種のビニル系不飽和カルボン酸エステ
ルとからなる２成分以上の単量体混合物を使用し、通常
の、例えば溶液重合方法あるいは乳化重合方法等の方法
により行えばよい。単重体混合物中の不飽和カルボン酸
成分の割合を調整することにより、所望の酸価を有する
重合物を得ることができる。

【００３４】また、重合体のガラス転移温度（Ｔｇ）に
ついても、カルボン酸及びカルボン酸エステルの成分を
適切に選択し、それらの使用割合を適宜調整することに
より所望の値とすることができる。また、重合物をブレ
ンドすることにより、酸価およびＴｇを調整することも
可能である。なお、重合物は、塗料組成物の安定性を良
くするために、アンモニアあるいはアミン等で中和する
こともできる。

【００３５】本発明方法で使用するアクリル系樹脂は、
ガラス転移温度が１０℃以上８５℃以下であることが必
要であり、好ましくは、１５℃以上４０℃以下である。
ガラス転移温度が１０℃未満であると、皮膜の耐ブロッ
キング性が不十分で、皮膜同士を重ねたときに密着して
しまうおそれがあり、また、耐型かじり性も劣化する。
一方、ガラス転移温度が８５℃を超える場合は皮膜の加
工性が低下する。

【００３６】また、本発明で使用するアクリル系樹脂
は、酸価が２０以上であることが好ましい。酸価が２０
未満では、得られる潤滑処理皮膜のアルカリ溶液による
脱膜性が不十分となるおそれがある。

【００３７】アクリル系樹脂の樹脂液に金属石鹸を添加
するのは、金属石鹸が潤滑と撥水の両効果を有するから
である。

【００３８】金属石鹸の添加量は、樹脂固形分に対して
０．５重量％以上１０重量％以下とする。添加量が０．
５重量％未満であると潤滑性が不十分となり、一方、１
０重量％を超えると、潤滑性の向上効果が飽和するのみ
ならず、樹脂皮膜の凝集強度が低下し、耐型かじり性が
劣化する。好ましい添加量は１重量％以上５重量％以下
である。

【００３９】添加できる金属石鹸の例としては、ステア
リン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ
る。

【００４０】これらの金属石鹸を上記のように所定のガ
ラス転移温度と好ましい酸価を示すようにコントロール
された樹脂液に添加し、十分に分散させる。なお、処理
剤の固形分濃度は、形成する潤滑処理皮膜の厚さおよび
塗布方法に応じて調整する。

【００４１】調製の際、希釈はイオン交換水を用いて行
うが、濡れ性の改善、消泡・乾燥性の向上のため、水と
相溶性のよい有機溶剤を添加してもよい。

【００４２】処理剤の塗布、および乾燥方法は特定の方
法に限定されることはないが、以下に標準的な方法を例
示する。

【００４３】処理剤の塗布方法としては、基材金属の形
状により異なるが、板形状の場合はロールコータによる
塗布が最も好ましい。ロールコータを用いると、塗布膜
厚の調整が容易で、かつ美麗な塗装が可能である。その
他、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬法なども適用でき
る。特に、形状が複雑なものに対しては、スプレー法等
が実用的である。

【００４４】処理剤の塗布膜厚は０．８μｍ以上４μｍ
以下とする。０．８μｍ未満では耐型かじり性が不十分
であり、４μｍを超えると金型への皮膜堆積の問題が生
じる。

【００４５】処理剤を塗布した後、乾燥する。乾燥温度
は水が蒸発する程度でよいが、最高到達板温が４０℃〜
１００℃となる条件下で行うのが効率がよく、好まし
い。乾燥方法としては、温風乾燥、赤外線による乾燥
等、通常用いられる方法が適用できる。

【００４６】上記本発明の潤滑処理方法によって金属材
の表面に潤滑処理皮膜が形成される。この皮膜は基材金
属との密着力が強く、優れた耐型かじり性を有してお
り、後述する実施例に示すように、脱膜性、耐ブロッキ
ング性にも優れている。

【００４７】

【実施例】表面をアルカリ脱脂したステンレス鋼板（Ｓ
ＵＳ４３０Ｊ１Ｌ、２Ｂ仕上げ、板厚１．２ｍｍ）の両
面に表１に示したシランカップリング剤をスプレーで塗
布し、リンガーロールで液膜の厚みが１０μｍになるよ
うに絞った後、最高到達板温が４０℃になるように熱風
炉で乾燥した。

【００４８】この前処理を施したステンレス鋼板の両面
に、表２に示したモノマー組成、ならびにガラス転移温
度（Ｔｇ）および酸価を有する各種のアクリル樹脂に金
属石鹸を添加して表３に示した固形分組成となるように
調製した処理剤をバーコーターで塗布し、最高到達板温
が６０℃になるように熱風炉で乾燥して試験板を得た。
なお、処理剤の総固形分濃度は２０重量％とし、イオン
交換水を添加して調整した。

【００４９】この試験板を以下の試験に供し、その性能
を調査した。

【００５０】〔耐型かじり性試験〕図１に示すような高
面圧Ｕ成形用金型を用い、以下の条件で型かじり試験を
行い、摺動部の傷を目視観察して下記の判定基準により
耐型かじり性を評価した。

【００５１】◎または○であれば良好とした。

【００５２】ビード研磨紙 ：＃６００ ビード研磨方向：平行研磨 押し付け圧 ：３７９．５ＭＰａ（３３ｋｇ／ｍ
ｍ² ） 試験片採取方向：圧延方向 試験片形状 ：幅３０ｍｍ×長さ２６０ｍｍ 成形高さ ：７０ｍｍ 目視判定基準 ◎：完全無傷 ○：軽微な擦り傷（外観上問題無し） △：軽度な擦り傷（外観上問題有り） ×：明瞭な傷発生 〔脱膜性試験〕アルカリ脱脂液（日本パーカライジング
製「ＦＣ４３２６」）の２％水溶液を使用し、温度６０
℃、スプレー圧１ｋｇ／ｃｍ² で１０秒間スプレーする
ことにより脱膜した後、水はじきの有無を調べ、脱膜性
を以下の基準で評価した。○であれば良好とした。

【００５３】 ○：水はじき無し △：水はじき一部あり ×：水はじき全面発生 〔耐ブロッキング性試験〕耐ブロッキング性試験は、潤
滑処理板の積み重ね保管時における潤滑処理皮膜どうし
の粘着（ブロッキング）に対する耐性を調べる試験であ
る。この粘着が起こると、作業性が低下し、塑性加工性
が悪化する。

【００５４】試験は、片面のみに皮膜を形成した２枚の
試験片の皮膜どうしを重ね合わせ、４０℃、２００ｋｇ
／ｃｍ² の圧力で３時間押しつけた後、剥離して、粘着
状態を下記の４段階で評価した。◎または○であれば良
好とした。

【００５５】 ◎：自重で剥離し、粘着痕がない ○：自重で剥離するが、粘着痕がみられる △：粘着するが、軽く叩くと剥離する ×：粘着し、叩いても剥離しない 試験結果を表３に併せて示す。この結果から明らかなよ
うに、本発明方法による潤滑処理を施した金属板は、耐
型かじり性に優れるとともに、成形後の脱膜性および耐
ブロッキング性も良好であった。

【００５６】

【表１】

【００５７】

【表２】

【００５８】

【表３】

【００５９】

【発明の効果】本発明方法によれば、塑性加工時に金型
による型かじりの問題がなく、成形後の脱膜性および耐
ブロッキング性にも優れた潤滑処理皮膜を金属材の表面
に形成することができる。この方法は、従来のビニール
シートを貼合して成形する方法に十分代わり得る方法で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例において耐型かじり性試験に用いた高面
圧Ｕ成形試験用金型の概略縦断面図である。

【符号の説明】

１：材料 ２：パンチ ３：板押さえ ４：ダイス ５：丸ビート（工具粗さ設定部）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１０Ｍ 169/04 Ｃ１０Ｍ 169/04 // Ｂ２１Ｄ 22/20 Ｂ２１Ｄ 22/20 Ａ 37/18 37/18 (Ｃ１０Ｍ 169/04 107:28 129:40 139:04） Ｃ１０Ｎ 10:04 10:06 20:06 40:24 40:36 50:02

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】金属材の表面に、シランカップリング剤を
   塗布し、乾燥した後、ガラス転移温度が１０℃以上８５
   ℃以下のそれぞれ１種以上の水溶性および／または水分
   散性アクリル系樹脂に、樹脂固形分に対して０．５重量
   ％以上１０重量％以下の金属石鹸を添加した処理剤を塗
   布し、乾燥させて、膜厚が０．８μｍ以上４μｍ以下の
   潤滑処理皮膜を形成することを特徴とする耐型かじり性
   ・脱膜性に優れた潤滑処理方法。