JP4197487B2 - 潤滑性とアルカリ脱膜性に優れた樹脂膜積層金属板 - Google Patents

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本発明は、プレス加工を経て自動車部品,電気製品,建材等として使用される金属板に関するものである。更に詳しくは、プレス成形時には金属板の表面を保護する働きを有し、プレス成形後には速やかにアルカリ脱脂洗浄工程で除去することのできる樹脂膜が、金属板上に積層されている樹脂膜積層金属板に関するものである。
金属板は、各種用途に用いるときにプレス加工されることが多いが、このプレス加工の際には、高潤滑油を用いて潤滑性を高めることが望ましい。特に、自動車のフェンダー等の複雑な形状を有する部品へプレス加工する場合や、成形性に劣るハイテン材を適用した場合には鋼板に割れが生じるおそれがあるため、金属板の潤滑性は非常に重要である。
そこで、最近では、加工性を高めるため金属板表面に潤滑性の良好な潤滑被膜を形成させて、安定してプレス加工が実施できる様にした潤滑被膜付き金属板が開発されている。
このような潤滑被膜付き金属板に被覆する潤滑被膜としては、無機系のものと有機系のものがあるが、無機系被膜には、有機系樹脂膜を被覆した鋼板に比べて成形性の改善効果が劣るという問題がある。
そして更に、有機系樹脂膜は、非脱膜性のものと脱膜性のものに分類される。この非脱膜性有機系樹脂膜として、例えば特許文献1には、亜鉛または亜鉛系合金めっき層が施され、更にエチレン系アイオノマー樹脂被膜を具備する有機複合被覆鋼板が開示されており、当該鋼板は、主に家電製品や建材等に用いられると記載されている。しかし自動車の製造分野においては、斯かる非脱膜性の有機樹脂膜上には塗装工程に先立つリン酸塩処理でリン酸塩被膜が形成されないため、使用できない。
一方、脱膜性の有機系樹被膜は、潤滑性に優れた樹脂膜を金属板に被覆して加工性を高めた上で、当該樹脂膜をプレス加工後のアルカリ洗浄工程で除去することができる。
有機系樹脂膜を被覆したこの様な積層金属板として、特許文献2には、カルボキシル基含有変性ポリオレフィン樹脂を主成分とし、当該変性ポリオレフィン樹脂の物理的性質等が規定されたものが開示されている。また、特許文献3には、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸樹脂およびアミノアルキル(メタ)アクリレートを含む塗膜により金属表面を一時的に保護する方法が記載されている。更に、特許文献4には、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸モノマーとその他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を含有するアルカリ可溶型保護塗料組成物が開示されている。
しかし、確かにこれら先行技術でもそれなりの効果を上げていたが、工業製品を一層効率的に生産するという観点から、積層金属板に被覆される被膜の特性としては、プレス成形性を高める潤滑性と共に、アルカリ脱脂処理工程においてより容易に脱膜できること(脱膜性)が求められている。
特開平8−39725号公報(特許請求の範囲,段落[0001]) 特許第3056446号公報(特許請求の範囲) 特公昭51−5428号公報(特許請求の範囲) 特開平9−59539号公報(特許請求の範囲)
上述した様に、これまでにも樹脂膜の潤滑性と脱膜性の両方が志向された樹脂膜積層金属板は知られていたが、これらは樹脂成分として比較的高分子のものを採用し、脱膜工程においてアルカリ洗浄液に溶解し難く、脱膜性が充分でない場合があった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、プレス加工性(樹脂膜の潤滑性)に優れるのみならず、脱膜性がより一層改善された樹脂膜積層金属板を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、積層金属板用に被覆する樹脂膜について鋭意研究を重ねた。その結果、特に樹脂膜の主成分である高分子を適切に規定すれば上記課題が解決できることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明に係る樹脂膜積層金属板は、カルボキシル基含有変性ポリオレフィン樹脂を含有する被覆用組成物により形成される樹脂膜が最表層に積層された樹脂膜積層金属板であって、当該被覆用組成物は更にアクリル樹脂を含有するものであり、当該変性ポリオレフィン樹脂の平均分子量が6000以下であって、当該変性ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基の0.2〜0.8当量が、アルカリ金属で中和されていることを特徴とする。
上記樹脂膜積層金属板では、上記変性ポリオレフィン樹脂としてはエチレン−アクリル酸共重合体が好ましく、また、上記アクリル樹脂の配合量としては、前記変性ポリオレフィン樹脂10質量部に対して1〜10質量部が好ましい。
また、上記樹脂膜積層金属板の樹脂膜は、上記変性ポリオレフィン樹脂および上記アクリル樹脂に含まれるカルボキシル基に対して0.05〜0.5当量の酸化亜鉛,ワックスおよび/またはフッ素樹脂,コロイダルシリカを更に含有するものであってもよい。
上記樹脂膜は、0.2〜3.0g/mの範囲で積層されていることが好ましい。
本発明の樹脂膜積層金属板は、潤滑性に優れた樹脂膜を有することからプレス加工時に良好な加工性を発揮できるのみならず、積層された樹脂膜は、プレス加工後において、アルカリ脱脂処理のみで速やかに且つ確実に除去することができるので、脱膜処理後に所望の処理を施すことによって、様々な表面特性を有する製品(中間製品を含む)とすることができる。
従って、本発明の樹脂膜積層金属板は、特に、高い塗装性等が要求される自動車部品などの材料として好適に用いることができる。
本発明に係る樹脂膜積層金属板が享有する最大の特徴は、従来の樹脂膜積層金属板に比べて、プレス加工性(樹脂膜の潤滑性)と脱膜性の両方がより一層改善されている点にある。
即ち、従来の樹脂膜積層金属板では、樹脂膜中の高分子として比較的分子量が高いものを使用して潤滑性を高めていたが、斯かる高分子量樹脂はアルカリ洗浄液に対する溶解性が悪いことから、アルカリ脱脂洗浄工程においては主に剥離作用によって樹脂膜を除去しており、当該除去膜がスラッジ化して製品等を汚染するという問題があった。
一方、本発明者らは、樹脂成分とその中和度を適切に規定すれば、加工時においては樹脂分子同士が適度に架橋されることによって良好な潤滑性を示し、アルカリ脱脂洗浄工程においてはアルカリ洗浄液によりこの架橋が解け、高分子の洗浄液に対する溶解性が向上することから優れた脱膜性が発揮されることを見出し、本発明を完成した。
以下に、斯かる特徴を発揮する本発明の実施形態、及びその効果について説明する。
本発明では、金属板を被覆する樹脂膜のベース樹脂としてカルボキシル基含有変性ポリオレフィン樹脂を採用し、更にアクリル樹脂を添加する。
「カルボキシル基含有変性ポリオレフィン樹脂」における「変性」とは、ポリオレフィン樹脂に活性官能基(ここではカルボキシル基)を導入するために、活性官能基を有するモノマーとでコポリマーを形成させることをいう。つまり、本発明の「カルボキシル基含有変性ポリオレフィン樹脂」としては、例えば、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体を利用することができる。中でも、エチレン−アクリル酸共重合体が好ましく使用できる。不飽和カルボン酸は5〜40質量%の範囲で共重合することが好ましい。不飽和カルボン酸の量が少な過ぎるとアルカリ脱膜性が発揮されず、多過ぎるとプレス加工性等に悪影響がでることがあるからである。
「アクリル樹脂」は、アクリル酸誘導体やメタクリル酸誘導体をモノマーとする高分子など一般的なものを使用できるが、本発明では樹脂中のカルボキシル基を利用するので、本発明の作用効果を発揮できる範囲でカルボキシル基がフリーの状態、つまり過度にエステル化等されていないことが必要である。
本発明では、カルボキシル基含有変性ポリオレフィン樹脂中に存在するカルボキシル基は、その一部がアルカリ金属によって中和されていなければならない。即ち、樹脂中の−COOHの一部の水素原子が、NaまたはKなどのアルカリ金属原子と置換していなければならない。これは、樹脂中で高分子同士を適度に架橋し、良好な潤滑性を発揮せしめるために必要な要件である。しかし、アルカリ金属ではなくアミン,アンモニア,多価金属では、アルカリ脱膜性は発現しないため好ましくない。
このときの中和度、即ちカルボキシル本がアルカリ金属で中和されている割合は、変性ポリオレフィン樹脂中の全カルボキシル基1当量に対し、0.2〜0.8当量とする。アルカリ金属原子をMとすれば、−COOM/−COOH=0.2〜0.8(当量比)と表せる。カルボキシル基のトータル量にかかわらず、この中和度が0.2より小さいと、変性ポリオレフィン樹脂を乳化できないおそれがあり、樹脂膜を形成できない場合があるからである。一方、中和度が0.8を超えると、アルカリ脱膜性はそこそこ発揮されるが、造膜性やプレス加工性,潤滑性等が悪化してしまい、本発明の目的とする樹脂膜を形成することはできないことがあるからである。より好ましい中和度の下限は0.4、上限は0.7である。尚、アクリル樹脂中にもカルボキシル基は存在するが、本発明では変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とするので、アクリル樹脂のカルボキシル基が膜特性に及ぼす影響は少ないと考えて、専ら変性ポリオレフィン樹脂のカルボキシル基について規定することにした。
なお、被覆用組成物としては、環境に悪影響を及ぼす有機溶剤系よりは、水系の組成物を利用する方が望ましいので、上記変性ポリオレフィン樹脂とアクリル樹脂は、エマルジョン化した水分散体の形態で用いるとよい。この観点から、アルカリ金属による中和は水分散体の形態にした後に行なうことが好ましく、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)や、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)の水溶液を用いて中和すればよい。
上記変性ポリオレフィン樹脂としては、平均分子量が6000以下のものを使用することが好ましい。比較的低分子量のものを用いれば、アルカリ洗浄液に対する溶解性が向上するため、アルカリ洗浄工程において樹脂膜の除去が容易となるからであり、また、本発明の構成を採れば、樹脂膜中で分子同士が適度に架橋されていることから潤滑性を有し、良好なプレス加工性が発揮されるからである。
アクリル樹脂の配合量は、変性ポリオレフィン樹脂10質量部に対して1〜10質量部とすることが好ましい。1質量部以上とするのは、アクリル樹脂の脱膜性改善作用を有効に発揮させるためである一方で、10質量部を超えて添加すると、潤滑性が劣化するおそれがあるからである。
樹脂膜中(または被覆組成物)には、変性ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂に含まれるカルボキシル基に対して0.05〜0.5当量の酸化亜鉛を添加するのも、好適な態様である。後述する実施例の通り、特に潤滑性が向上するからである。斯かる潤滑性の向上効果の原理は必ずしも明らかではないが、酸化亜鉛分子が高分子間の架橋に対して何等かの作用を示すことが考えられる。従って、ここでの「1当量」は、カルボキシル基2個に対して酸化亜鉛が1個存在している意を示すものとする。但し、0.05当量未満であると当該効果が得られない場合があり、また、0.5当量を超えると脱膜性が劣化するおそれがあるため好ましくない。
被覆用組成物としては、上記変性ポリオレフィン樹脂とアクリル樹脂のみを用いても構わないが、より一層の潤滑性と脱膜性を達成するために、ワックスやフッ素樹脂を配合することが好ましい。ワックスとしては、ポリエチレンワックス,酸化ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックス,カルナバワックス,パラフィンワックス,モンタンワックス,ライスワックス等公知のワックス類であれば、使用可能である。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)),ポリクロロトリフルオロエチレン,ポリフッ化ビニル,ポリフッ化ビニリデン,その他のフッ素系樹脂が使用できる。ワックスやフッ素樹脂は、変性ポリオレフィン樹脂の場合と同様に、水分散体の形態で使用することが推奨される。
ワックスあるいはフッ素樹脂は、両者の合計で、被覆用組成物固形物中で1〜20質量%の範囲で用いることが好ましい。これらの量が少ないと、配合した効果が発揮されず、逆に多過ぎると、得られる樹脂膜の耐食性が悪くなったり、脱膜性や塗装性が低下してしまうおそれがあるからである。また、水系の被覆用組成物の場合は安定性が悪くなることもある。より好ましい使用量は、両者の合計で2〜10質量%である。
被覆用組成物には、コロイダルシリカを配合してもよく、樹脂膜の耐食性が向上する効果が得られる。コロイダルシリカは、被覆用組成物固形物中で1〜30質量%の範囲で用いることが好ましい。30質量%を超えて使用すると、造膜性や脱膜性をはじめとする各種特性が悪化する可能性があるため好ましくない。より好ましい配合量は、5〜20質量%である。
被覆用組成物は、金属板に塗布する前に、各配合物を水分散体の状態で混合することにより調製できる。樹脂膜の積層方法、すなわち被覆用組成物を金属板に塗布する方法は、特に限定されず、ロールコーター法、スプレー法、カーテンフローコーター法等を利用できる。塗布後には乾燥を行なうが、被覆用組成物が水系の場合、水分散体の水を乾燥させるために80℃以上で、より好ましくは100℃以上で、適宜時間を選択して乾燥させれば、樹脂膜積層金属板が得られる。
ここで、樹脂の塗膜厚、すなわち金属板上への樹脂の付着量は、0.2〜3.0g/m2 (乾燥後)とすることが好ましい。樹脂膜が薄いと、脱膜性は良好であっても、潤滑性や脱膜性等の特性が劣る場合があり、厚過ぎると脱膜性が劣り、さらに加工性も悪くなるおそれがあるからである。
本発明において樹脂膜が積層される金属板は特に限定されず、鋼板,銅板,チタン板,Al板,その他各種合金板を利用することができ、めっき処理やクロメート処理等の公知の表面処理が施されているものも、樹脂膜積層前の金属板原板として使用できる。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
アクリル酸単位が17〜18質量%(酸価120)のエチレン−アクリル酸共重合体(変性ポリオレフィン樹脂)をベース樹脂とし、当該樹脂と水酸化ナトリウムを水に加え、100〜150℃で約1時間攪拌混合することにより乳化した。この乳化物を適度に冷却した後、アクリル樹脂エマルジョンと、場合によって酸化亜鉛(ZnO)を加え、更にワックス(水分散体),フッ素樹脂(水分散体),コロイダルシリカを表1と2に示す配合量(水分散体の場合は、固形分)で添加し、被覆組成物とした。
金属板素材としては、合金化溶融Znめっき鋼板(Zn付着量45g/m)の無処理材を用い、これに、各被覆組成物を塗布し、100℃で約1分乾燥して樹脂膜積層金属板とした。更に、当該樹脂膜積層金属板上に防錆油を1.0g/m塗油したものに対し、各評価を行なった。評価方法を以下に示す。
(i) 潤滑性
摺動試験装置を用い、加圧力500kgf/cm2 (約4.9×10Pa)、引き抜き速度300mm/分で樹脂膜積層金属板を引き抜いたときの引き抜き荷重を測定し、この値と加圧力から、測定面の動摩擦係数(両面の平均値)を算出した。評価基準は下記のとおり。
◎ : 動摩擦係数μ<0.04
○ : 0.04≦μ<0.06
△ : 0.06≦μ<0.08
× : 0.08≦μ。
(ii) アルカリ脱膜性
アルカリ脱脂剤として「FC−3080」(日本パーカーライジング社製)の2%水溶液を用い、40℃に加温した中に樹脂膜積層金属板を浸漬し、脱膜状態を観察した。評価基準は、下記の通り。
◎ : 樹脂膜が極めて容易に剥離する
○ : 樹脂膜が容易に剥離する
△ : 樹脂膜が一部のみ剥離する
× : 樹脂膜が剥離しない。
Figure 0004197487
Figure 0004197487
表1中、下線は本発明の規定範囲外であることを示す。
上記結果より、塗膜樹脂として変性ポリオレフィン樹脂のみを用いた場合(No.2)とアクリル樹脂のみを用いた場合(No.3)では、潤滑性または脱膜性の何れかが劣っていた。また、中和度が0.03(No.4)の場合には、変性ポリオレフィン樹脂を乳化させることができず、樹脂膜を形成できなかった。因みに、中和度が0.05および0.1の場合であっても、乳化できなかった。一方、0.8を超える場合には(No.7)潤滑性に劣り、ベース樹脂である変性ポリオレフィン樹脂の平均分子量が6000を超えると(No.10)、脱膜性が十分でない場合がある。従って、潤滑性と脱膜性の両方を良好なものとするためには、塗膜樹脂として、変性ポリオレフィン樹脂とアクリル樹脂とを併用し、且つ変性ポリオレフィン樹脂の平均分子量を適切なものとし、塗膜樹脂の中和度を適切な範囲内に調整することが好ましいことが実証された。
また、アクリル樹脂の配合量が変性ポリオレフィン樹脂10質量部に対して1未満であると(No.11)、脱膜性が充分でない場合があり、一方、アクリル樹脂の配合量が10質量部を超えると(No.16)、潤滑性が充分でない場合がある。
更に、ZnOを適量(カルボキシル基に対して0.05〜0.5当量)添加したり、ワックスやフッ素樹脂,ロイダルシリカを加えることによって、特に潤滑性がより一層高められることが明らかにされた(No.26〜35)。
また、樹脂の膜厚を適切な範囲(0.2〜3.0g/m)としない場合には、若干潤滑性または脱膜性が悪くなる傾向にあることも分かった(No.36と41)。

Claims (6)

  1. カルボキシル基含有変性ポリオレフィン樹脂を含有する被覆用組成物により形成される樹脂膜が最表層に積層された樹脂膜積層金属板であって、
    当該被覆用組成物は更にフリーのカルボキシル基を有するアクリル樹脂を含有するものであり、
    当該変性ポリオレフィン樹脂は、平均分子量が6000以下のエチレン−アクリル酸共重合体であり、当該共重合体中のカルボキシル基の0.2〜0.8当量が、アルカリ金属で中和されていることを特徴とする潤滑性とアルカリ脱膜性に優れた樹脂膜積層金属板。
  2. 前記アクリル樹脂の配合量が、前記変性ポリオレフィン樹脂10質量部に対して1〜10質量部である請求項1に記載の樹脂膜積層金属板。
  3. 酸化亜鉛を、前記変性ポリオレフィン樹脂および前記アクリル樹脂に含まれるカルボキシル基に対して0.05〜0.5当量含有するものである請求項1または2に記載の樹脂膜積層金属板。
  4. 更にワックスおよび/またはフッ素樹脂を含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜積層金属板。
  5. 更にコロイダルシリカを含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜積層金属板。
  6. 前記樹脂膜が0.2〜3.0g/m2積層されているものである請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜積層金属板。
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