JP3808800B2 - 導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3808800B2 JP3808800B2 JP2002154647A JP2002154647A JP3808800B2 JP 3808800 B2 JP3808800 B2 JP 3808800B2 JP 2002154647 A JP2002154647 A JP 2002154647A JP 2002154647 A JP2002154647 A JP 2002154647A JP 3808800 B2 JP3808800 B2 JP 3808800B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- galvanized steel
- dip galvanized
- hot
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C28/00—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロメート処理を施さなくても良好な耐食性を発揮する皮膜を形成した溶融亜鉛系めっき鋼板に関し、殊に耐食性と共に、導電性、塗装性(塗膜密着性)および加工性等においても優れた特性を示すことができる皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板に関するものである。尚本発明で対象とする皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板は、建築機材、電気製品、自動車等様々な用途で使用できるものであるが、以下では代表的なものとして自動車の車体に使用する場合を中心に説明を進める。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車の車体に用いられている鋼板は、耐食性を確保するという観点から、鋼板表面に溶融亜鉛めっきを施すことが多い。また、塗装して使用される用途においては、塗装性(塗膜密着性)を改善する為に、溶融亜鉛めっき層を合金化して素地鋼板とめっき層の間にZn−Fe合金層を形成した合金化溶融亜鉛めっき鋼板も汎用されている。
【0003】
近年における溶融亜鉛めっき鋼板の使用環境の多様化に伴い、特に海岸地帯における海塩粒子の影響を強く受ける場所や、重工業地帯において酸性雨の影響を受ける場所等のように、過酷な環境下でしかも長時間の使用においては、通常の溶融亜鉛めっきを施しただけでは十分な耐食性を発揮することは困難であり、より耐食性に優れためっき鋼板の実現が望まれている。こうしたことから、溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性を更に向上させるべく、通常の溶融亜鉛めっきよりも更に耐食性に優れた溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板等も提案されている。
【0004】
ところで、こうした各種溶融亜鉛系めっき鋼板においても、耐食性(耐白錆性)が不十分な場合もあり、また塗装下地として使用する場合には塗料との密着性も確保し難いことから、その改善策として溶融亜鉛めっき鋼板表面にクロメート処理を施すことも行われている。
【0005】
しかしながら、クロメート処理を行った場合には、白錆抑制効果には優れているものの、塗膜との密着性が十分とは言えず、加えて有害な6価クロムを多量に含むという問題がある。特に、近年においては、環境問題への意識が高くなってくるにつけて、クロメート処理は回避される傾向にあり、殆どの用途でノンクロメート処理に移行しつつある。
【0006】
こうした状況の下で、クロメートを用いない表面処理法についても多くの改良研究が進められている。例えば、特開平8−67834号、同9−221595号には、溶融亜鉛系めっき層表面をクロム未含有の有機皮膜(樹脂皮膜)で直接被覆する方法が提案されている。
【0007】
しかしながら、これまで提案されてきた技術では、溶融亜鉛系めっき層に対する有機皮膜の密着性が十分であるとは言えず、塗装下地処理として採用したときに、有機皮膜がめっき層との界面で剥離し易いという問題がある。
【0008】
ところで、溶融亜鉛系めっき鋼板は溶接して用いられることも多く、皮膜を被覆した場合でも良好な導電性を示して溶接性が良好であることが必要である。また、家電製品では高い導電性を示すことによって、製品として必要なアース性が発揮される必要がある。こうしたことから、上記溶融亜鉛系めっき鋼板は良好な導電性を示すことも必要であるが、これまでの樹脂皮膜を形成した溶融亜鉛系めっき鋼板を形成したものでは良好な導電性を発揮できないという問題がある。また、表面処理溶融亜鉛めっき鋼板では、いずれの用途に使用されるにしても、プレス成形されて製品化されるので、加工性が良好であることも必要であるが、こうした加工性についても十分とは言えない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こうした状況の下でなされたものであって、その目的は、耐食性および導電性が良好であると共に、塗装性(塗膜密着性)や加工性等においてもバランス良く優れた特性を示すことができる皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板、およびそのような皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板を製造する為の有用な方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板とは、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンに、固形物換算にて、シリカ粒子:55〜75質量%、架橋剤:1〜5質量%を含む他、タンニン酸および/またはバナジン酸アンモニウムを1〜8質量%の割合で含む皮膜が溶融亜鉛系めっき鋼板の表面に形成されたものである点に要旨を有するものである。
【0011】
上記皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板で用いるポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンとしては、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンが、エチレン性不飽和カルボン酸を1〜40質量%の範囲で含み、(メタ)アクリル酸エステル成分を含んでいてもよいオレフィン−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体樹脂をアイオノマー化し、更に、架橋剤にて高分子化してなるポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンが挙げられる。また、上記オレフィンは、エチレンおよびスチレンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0012】
本発明の皮膜付き溶融亜鉛系めっき用鋼板においては、下記(a)〜(f)の少なくともいずれかの要件を満足するものであることが好ましい。
(a)イオンクラスターによる分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンがアミンで中和されたものである。
(b)乾燥重量で0.1〜2.0g/m2の範囲の付着量にて皮膜が鋼板表面に形成されたものである。
(c)シリカ粒子が1〜9nmの範囲の平均粒子径を有するものである。
(d)溶融亜鉛系めっき鋼板の表面が伸び率:0.01%以上のスキンパス圧延が施されたものである。
(e)溶融亜鉛系めっき鋼板の表面における中心線平均粗さRaが0.1〜2.0μmの範囲である。
(f)溶融亜鉛系めっき鋼板の表面が実質的にクロメート処理されていないものである。
【0013】
一方、上記目的を達成し得えた本発明の製造方法とは、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンに、固形物換算にて、シリカ粒子:55〜75質量%、架橋剤:1〜5質量%を含む他、タンニン酸および/またはバナジン酸素アンモニウムを1〜8質量%の割合で含む水系塗料を、溶融亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、鋼板を加熱して塗料を乾燥させて、皮膜を溶融亜鉛系めっき鋼板の表面に形成する点に要旨を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記課題を解決するべく、様々な角度から検討した。その結果、皮膜の組成を適切に調整すれば、皮膜処理溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性や導電性は勿論のこと、塗膜密着性や、加工性等の特性が格段に向上し得ることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明で規定する各要件について説明する。
【0015】
本発明においては、塗料における樹脂成分として、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンが用いられる。このポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンは、エチレン性不飽和カルボン酸成分を1〜40質量%の範囲で含み、(メタ)アクリル酸エステル成分を含んでいてもよいオレフィン−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体樹脂をアイオノマー化し、更に、架橋剤にて架橋して高分子化してなるポリオレフィン系共重合体樹脂であることが好ましい。
【0016】
上記イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンは、カルボキシル基を有するポリオレフィン系共重合体を製造する第1の工程と、かくして得られたポリオレフィン系共重合体をアイオノマー化する第2工程と、更に得られたアイオノマー樹脂を高分子化する第3の工程を経ることによって得ることができる。
【0017】
このようにして得られるポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンは、これに夫々所定量のシリカ粒子および架橋剤の他、タンニン酸および/またはバナジン酸アンモニウムを加えて水性塗料とし、この水性塗料を溶融亜鉛めっき鋼板の表面に塗布し、次いで溶融亜鉛めっき鋼板を所定の温度に加熱して塗料を乾燥させて、皮膜を形成することによって、目的とする導電性・溶接性および耐食性・塗装性等に優れた皮膜性能を発揮する皮膜処理溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
【0018】
イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンの製造において、第1工程である共重合体の製造工程は次の通りである。まず、第1の単量体としてのオレフィンと、第2の単量体としてのエチレン性不飽和カルボン酸1〜40質量%とを含み、必要に応じて、その他の共重合可能な第3の単量体成分からなる単量体混合物を水性分散媒中で温度200〜300℃、圧力1000〜2000気圧の条件下で共重合させて、カルボキシル基を有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンを調製する。
【0019】
上記で用いるエチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を挙げることができるが、このうち特に好ましいのは(メタ)アクリル酸である。また、第1の単量体としてのオレフィンとしては、通常、エチレン、プロピレン等の脂肪族α−オレフィンやスチレン等の芳香族ビニル化合物が好ましく用いられる。従って、本発明で好ましく用いられるポリオレフィン系共重合体樹脂としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂等を挙げることができる。
【0020】
本発明においては、上記第1および第2の単量体に加えて、必要に応じて、第3の単量体として、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、クロロエチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル等の1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
上記のようなポリオレフィン系共重合体樹脂において、エチレン性不飽和カルボン酸成分が40質量%よりも多くなると、その後の乳化アイオノマー工程と高分子量化工程を経て得られるイオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンを皮膜形成材料として用いても、得られる皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板が十分な耐食性を発揮することができない。また、エチレン性不飽和カルボン酸成分が1質量%よりも少なくなると、得られるポリオレフィン系共重合体樹脂を水溶性または水分散性とすることが困難であり、本発明で用いるエマルジョンを得ることができない。
【0022】
上記水性分散媒としては、水または水と親水性有機溶媒との混合物が用いられる。親水性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール等の低級脂肪酸アルコールや、エチレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジアセチルアルコール等が用いられる。
【0023】
第1の工程で得られたポリオレフィン系共重合体樹脂は、次いで乳化アイオノマー化される。このアイオノマー化は、通常、温度80〜300℃、圧力1〜20気圧の条件下に適宜の陽イオンを用いて行う。このとき用いる陽イオンとしては、金属イオンが好ましく、例えばリチウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、ナトリウム、カルシウム、鉄、アルミニウム等の金属イオンが挙げられる。
【0024】
尚、イオンクラスターにより分子会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンは、アミンで中和したものであることが好ましい。こうしたアミンの添加で中和させることによって、エマルジョン粒子の粒子径が小さくなり、造膜性が向上して水の透過性を抑制する効果が発揮されて皮膜の耐食性が向上することになる。上記中和は、これまでアンモニアによって行われるのが一般的であるが、こうしたアンモニア等の中和剤と比べて、アミンの融点が高いので、塗布乾燥時の造膜速度が穏やかになり、エマルジョン粒子の融着・レベリング性が向上して緻密な皮膜が形成されることになる。このとき用いるアミンの種類としては、例えばイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、N,n−ブチルジエタノールアミン等が挙げられる。
【0025】
上記アイオノマー化した樹脂には、架橋剤を添加して架橋させることによって、イオンクラスターにより分子会合したポリオレフィン系共重合体を得ることができる。このとき用いる架橋剤としては、イオンクラスターにより分子会合したポリオレフィン系共重合体樹脂のカルボキシル基を架橋できるものであれば、その種類については限定されるものではなく、例えばエポキシ基、イソシアネート基、カルボキシイミド基、アジリジニル基等を有する有機化合物や、メチロール系化合物、アミン系化合物、チタン系化合物等が採用できる。
【0026】
この架橋剤の皮膜中の含有量は1〜5質量%(固形物換算)程度とするのが良い。架橋剤の含有量が1質量%よりも少なくなると、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂中の架橋反応が不十分になるので、耐食性に劣る皮膜となる。また、架橋剤の含有量が5質量%を超えると、皮膜の架橋密度が過度に高くなって、耐食性や塗装性が劣化することになる。尚、架橋反応は、通常、温度:30〜200℃程度、圧力:常圧〜20気圧程度の条件下で行うことが好ましい。
【0027】
本発明で用いる塗料では、固形物換算にて、シリカ粒子を55〜75質量%の割合で含むものである。このシリカ粒子は、得られる皮膜に優れた導電性と耐食性・塗装性を付与し、更には加工時の皮膜の疵付き、黒化現象の発生等を抑制するのに有効である。このシリカ粒子が固形物換算で55質量%未満になると、皮膜中の樹脂の割合が多くなって導電性が低下し、またプレス加工時に皮膜処理鋼板と金型の摺動によって皮膜が剥離し、更にはめっき層の剥離を生じて黒化物(樹脂による黒化現象)が発生するため加工性が却って劣化する。これに対して、シリカ粒子の含有量が75質量%を超えると、皮膜の造膜性が劣化して耐食性が低下することになる。
【0028】
上記のようなシリカ粒子の効果を最大限に発揮させるためには、シリカ粒子の平均粒子径は1〜9nm程度であることが好ましい。シリカ粒子の平均粒子径が小さくなるほど、皮膜の耐食性は向上する。しかしながら、極端に小さい粒径のシリカ粒子を用いても、耐食性の向上効果がそれに対応して大きくなるものではなく、塗料中での安定性が劣化してゲル化し易くなる。こうした観点から、シリカ粒子は平均粒子径で1nm以上であることが好ましい。他方、シリカ粒子があまり大きくなると、皮膜の造膜性が劣化して、耐食性が低下することになるので平均粒子径で9nm以下とするのが良い。
【0029】
本発明の皮膜には、タンニン酸および/またはバナジン酸アンモニウムを含有させる必要がある。これらは、溶融亜鉛系めっき鋼板表面に不導体被膜を形成して溶融亜鉛系めっき鋼板の耐食性を向上させるのに有効である。こうした効果を有効に発揮させるためには、その1種または2種を1質量%以上含有させる必要がある。しかしながら、その含有量が過剰になって8質量%を超えると、樹脂エマルジョンの安定性が劣化して均一な皮膜が形成されにくくなり、耐食性が劣化する。また、高温多湿環境下においては、多量に添加された添加剤が酸化されて、溶融亜鉛系めっき鋼板の外観が黄色に変色するのが顕著になる。
【0030】
本発明の皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板は、上記のようなイオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンに、所定量のシリカ粒子と架橋剤の他、タンニン酸および/またはバナジン酸アンモニウムを含有する水性皮膜を溶融亜鉛系めっき鋼板表面上に塗布し、所定の温度に加熱し、塗料を乾燥させ、皮膜を溶融亜鉛系めっき鋼板表面に形成させることによって製造することができる。
【0031】
本発明の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板では、皮膜の鋼板への付着量は乾燥重量で0.1〜2.0g/m2の範囲とすることが好ましい。この付着量が0.1g/よりも少なくなると、塗料を鋼板表面に均一に塗布することができず、加工性、耐食性、塗装性等、目的とする各種特性をバランス良く発揮させることができなくなる。一方、皮膜の付着量が2.0g/m2を超えると、導電性および溶接性が劣化することになる。また、プレス加工において、皮膜の剥離量が多くなって、金型に剥離皮膜が蓄積して、プレス成形に支障が生じるばかりか、製造コストも高くなる。
【0032】
本発明の皮膜には、必要によって、潤滑性や耐黒変性等を向上させる為の添加剤を加えることもできる。このうち潤滑性を向上させる添加剤(潤滑剤)は、皮膜の潤滑性を改善することによって皮膜への疵付きを防止し、加工時の皮膜の損傷を低減するのに有効に作用する。こうした添加剤としては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、ライスワックス、テフロンワックス、2硫化炭素、グラファイト等の固体潤滑剤が挙げられ、これらの固体潤滑剤の中から1種または2種以上を任意に選択して用いればよい。また、皮膜の耐黒変性を向上する為には、皮膜中にCo含有化合物やNi含有化合物を含有することが好ましい。尚、これらの添加剤は皮膜の本来の目的特性を阻害しない程度の範囲で含有することが必要であり、いずれも10質量%までとすることが好ましい。
【0033】
本発明で皮膜が被覆される溶融亜鉛系めっき鋼板(原板)としては、通常の溶融亜鉛めっき鋼板(GI)は勿論のこと、これを合金化した合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、更には溶融亜鉛Zn−5%Al合金めっき鋼板(GF)等のいずれも含むものである。但し、電気亜鉛めっき鋼板では、その鋼板表面に上記のような皮膜を形成しても希望する特性(特に、耐食性)が発揮されないことを本発明者らは確認している。
【0034】
本発明で用いる溶融亜鉛系めっき鋼板の表面には、必要によってスキンパス圧延を施すことも有用である。こうしたスキンパス圧延を施すことによって、溶融亜鉛系めっき表面の酸化層が破壊されるという理由から、皮膜と溶融亜鉛系めっき層との反応性が向上して皮膜の耐食性が更に向上したものとなる。こうした効果を発揮させるためには、スキンパス圧延の伸び率は0.01%以上とすることが好ましいが、伸び率が大きくなるとワークロールへのピックアップが発生し易くなるので、3%以下とするのが良い。
【0035】
また、溶融亜鉛系めっき鋼板表面がある程度の粗度を有することによって、皮膜と溶融亜鉛系めっき層との密着性を高めることができる。こうした効果を発揮させるためには、溶融亜鉛系めっき鋼板の表面における中心線平均粗さRaが0.1μm以上とすることが好ましいが、Raが2.0μmよりも大きくなると皮膜が均一に形成されにくくなって耐食性が向上しない傾向を示す。
【0036】
本発明で原板として用いる溶融亜鉛系めっき鋼板の表面は、実質的にクロメート処理されていないものを想定したものであるが、必要によって各種のクロメート処理或はノンクロメート処理を施すこともできる。また溶融亜鉛系めっき鋼板の表面には、Co処理やNi処理、更にはインヒビター処理等、各種の前処理を施すこともできる。
【0037】
本発明の皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板は、上記構成を採用することによって、良好な特性を発揮するものとなるが、耐食性や上塗り塗料との塗膜密着性、加工性などを更に向上させる目的で、皮膜の表面に更に各種有機系若しくは無機系被膜または有機無機複合被膜を形成することも可能である。
【0038】
以下、実施例によって本発明の作用効果を更に具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0039】
【実施例】
以下の実施例においては、溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:0〜4%、表面粗さRa:0.05〜3μm)を、アルカリ脱脂後水洗、乾燥したものを原板として用い、この表面に各種皮膜を形成した皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板について各特性を評価した。また、一部の比較例については、スキンパス伸び率を変化させた電気亜鉛めっき鋼板(EG)も用いた。下記の実施例における評価項目および試験方法は、次の通りである。
【0040】
(1)耐食性
裏側とエッジシールした平板の供試片について、JIS Z2371に規定された塩水噴霧試験を実施し、白錆が1%(面積率)発生するまでの時間にて評価した。このときの評価基準は、以下に示す。
◎:白錆1%発生まで120時間以上
○:白錆1%発生まで48時間以上、120時間未満
△:白錆1%発生まで24時間以上、48時間未満
×:白錆1%発生まで24時間未満
【0041】
(2)塗装性
得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板に、メラミン系塗料[「アミラック#1000」関西ペイント社製]を塗布後、160℃で焼き付けた後の塗膜厚さが20μmとなるようにした。塗装後に沸騰水中に1時間浸漬した後、1時間後に塗膜に1mm角の碁盤目を100マス入れ、テープ剥離した後の残存率を測定した。このときの評価基準は、以下に示す。
◎:残存率91〜100%
○:残存率71〜90%
△:残存率51〜70%
×:残存率0〜50%
【0042】
(3)加工性
得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の深絞り加工性を評価するために、80トンのクランクプレス装置を用いて、単発のプレス試験を実施し、成形品の摺動面の擦り疵、型かじり、耐黒化性を目視で評価した。このときの評価基準は、以下に示す。
◎:極めて良い
○:良い
△:悪い
×:極めて悪い
【0043】
(4)アース性
得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の表面抵抗を、表面抵抗計[「Lorest-EP」ダイヤイスツルメンツ(株)製]に2短針プローブを取り付けて測定し、以下の基準で評価した。
◎:電気抵抗0.01Ω以上、0.1Ω未満
○:電気抵抗0.1Ω以上、1Ω未満
△:電気抵抗1Ω以上、10Ω未満
×:電気抵抗10Ω以上
【0044】
(5)高温高湿環境下での色調変化
得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を温度:50℃×湿度:98%RHの環境下で168時間放置した前後の色調変化を目視で評価し、以下の基準で判定した。
◎:極めて良い(色調変化なし)
○:良い(色調変化殆どなし)
△:悪い(色調が少し変化)
×:極めて悪い(色調が大きく変化)
【0045】
実施例1
エチレン性不飽和カルボン酸を0.5〜45質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより高分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0046】
これに固形分換算にて、シリカ粒子(平均粒子径:4〜6nm)65質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)2質量%、タンニン酸5質量%を加えて、水系塗料を調製した。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:1.0%、表面粗さRa:1.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量が1g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性と塗装性を下記表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例2
エチレン性不飽和カルボン酸を20質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0049】
これに固形分換算にて、シリカ粒子(平均粒子径:4〜6nm)45〜85質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)2質量%、タンニン酸5質量%を加えて、水系塗料を調製した。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:1.0%、表面粗さRa:1.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量が1g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性、加工性およびアース性(導電性)を下記表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例3
エチレン性不飽和カルボン酸を20質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0052】
これに固形分換算にて、シリカ粒子(平均粒子径:4〜6nm)65質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)0〜10質量%、タンニン酸5質量%を加えて、水系塗料を調製した。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:1.0%、表面粗さRa:1.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量が1g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性と塗装性を下記表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
実施例4
エチレン性不飽和カルボン酸を20質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0055】
これに固形分換算にて、シリカ粒子(平均粒子径:4〜6nm)65質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)2質量%、タンニン酸および/またはバナジン酸アンモニウムを0〜15質量%加えて、水系塗料を調製した。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:1.0%、表面粗さRa:1.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量が1g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性と高温高湿下での色調変化を下記表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
実施例5
エチレン性不飽和カルボン酸を20質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンまたはアンモニアで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0058】
これに固形分換算にて、シリカ粒子(平均粒子径:4〜6nm)65質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)2質量%、タンニン酸5質量%を加えて、水系塗料を調製した。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:1.0%、表面粗さRa:1.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量0.05〜3.0g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性、アース性および塗装性を下記表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
実施例6
エチレン性不飽和カルボン酸を20質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0061】
これに固形分換算にて、シリカ粒子65質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)2質量%、およびタンニン酸5質量%を加えて、水系樹脂塗料を調製した。このとき、シリカ粒子の平均粒径が4〜100nmの範囲内で適切な粒子径を有するものを各種選んで用いた。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:1.0%、表面粗さRa:1.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量が1g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性を、シリカの平均粒子径との関係で下記表6に示す。
【0062】
【表6】
【0063】
実施例7
エチレン性不飽和カルボン酸を20質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0064】
これに固形分換算にて、シリカ粒子(平均粒子径:4〜6nm)65質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)2質量%、およびタンニン酸5質量%を加えて、水系塗料を調製した。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:0〜3.0%、表面粗さRa:1.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量が1g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性を、スキンパス伸び率との関係で下記表7に示す。
【0065】
【表7】
【0066】
実施例8
エチレン性不飽和カルボン酸を20質量%含有するポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンをアミンで中和し、水酸化ナトリウムでアイオノマー化し、更にアジリジニル基を有する有機化合物を架橋剤として添加して高分子化し、イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
【0067】
これに固形分換算にて、シリカ粒子(平均粒子径:4〜6nm)65質量%、エポキシ系架橋剤(「EPICLON CR5L」大日本インキ化学工業社製)2質量%、タンニン酸5質量%を加えて、水系塗料を調製した。この塗料を溶融亜鉛めっき鋼板(スキンパス伸び率:1%、表面粗さRa:0.05〜3.0μm)の表面に塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量が1g/m2の皮膜を有する皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板を得た。こうして得られた皮膜付き溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性とアース性を、表面粗さRaとの関係で下記表8に示す。
【0068】
【表8】
【0069】
これらの結果から明らかな様に、本発明で規定する要件を満足する皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板は、耐食性および導電性が良好であると共に、塗装性(塗膜密着性)や加工性等においてもバランス良く優れた特性を示していることが分かる。
【0070】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、耐食性および導電性が良好であると共に、塗装性(塗膜密着性)や加工性等においてもバランス良く優れた特性を示す皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板が実現でき、こうした鋼板は、建築、電気、自動車等の各種分野で使用される素材として特に有用である。
Claims (10)
- イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンに、固形物換算にて、シリカ粒子:55〜75質量%、架橋剤:1〜5質量%を含む他、タンニン酸および/またはバナジン酸アンモニウムを1〜8質量%の割合で含む皮膜が溶融亜鉛系めっき鋼板の表面に形成されたものであることを特徴とする導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンが、エチレン性不飽和カルボン酸を1〜40質量%の範囲で含み、(メタ)アクリル酸エステル成分を含んでいてもよいオレフィン−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体樹脂をアイオノマー化し、更に、架橋剤にて高分子化してなるポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンである請求項1に記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- オレフィンがエチレンおよびスチレンから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンがアミンで中和されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- 乾燥重量で0.1〜2.0g/m2の範囲の付着量にて皮膜が鋼板表面に形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- シリカ粒子が1〜9nmの範囲の平均粒子径を有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- 溶融亜鉛系めっき鋼板の表面が伸び率:0.01%以上のスキンパス圧延を施したものである請求項1〜6のいずれかに記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- 溶融亜鉛系めっき鋼板の表面における中心線平均粗さRaが0.1〜2.0μmの範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- 溶融亜鉛系めっき鋼板の表面が実質的にクロメート処理されていないものである請求項1〜8のいずれかに記載の皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板。
- イオンクラスターにより分子間会合したポリオレフィン系共重合体樹脂エマルジョンに、固形物換算にて、シリカ粒子:55〜75質量%、架橋剤:1〜5質量%を含む他、タンニン酸および/またはバナジン酸素アンモニウムを1〜8質量%の割合で含む水系塗料を、溶融亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、鋼板を加熱して塗料を乾燥させて、皮膜を溶融亜鉛系めっき鋼板の表面に形成することを特徴とする導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002154647A JP3808800B2 (ja) | 2002-05-28 | 2002-05-28 | 導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002154647A JP3808800B2 (ja) | 2002-05-28 | 2002-05-28 | 導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342746A JP2003342746A (ja) | 2003-12-03 |
JP3808800B2 true JP3808800B2 (ja) | 2006-08-16 |
Family
ID=29771397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002154647A Expired - Fee Related JP3808800B2 (ja) | 2002-05-28 | 2002-05-28 | 導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3808800B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155688A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Nisshin Steel Co Ltd | 保存安定性に優れる鋼板用化成処理液 |
BRPI0918800A2 (pt) | 2008-10-08 | 2021-02-02 | Nippon Steel Corporation | material metálico tendo excelente resistência à corrosão |
JP2016175400A (ja) * | 2015-03-19 | 2016-10-06 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂塗装亜鉛めっき金属板 |
WO2016147758A1 (ja) * | 2015-03-19 | 2016-09-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂塗装亜鉛めっき金属板 |
-
2002
- 2002-05-28 JP JP2002154647A patent/JP3808800B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003342746A (ja) | 2003-12-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20080107910A1 (en) | Resin-coated hot dip galvanized steel sheet superior in weldability and corrosion reistance and method for producing the same | |
CA2616357C (en) | Pre-sealed steel sheet with improved anti-corrosion and weldability and preparing method thereof | |
US6514357B1 (en) | Composition for metal surface treatment and surface treated metallic material | |
CN103254755B (zh) | 具有优异耐候性、耐蚀性和耐碱性的热镀铝锌钢板及其制备方法和表面处理剂 | |
JP6073155B2 (ja) | 薄膜黒色塗装金属板 | |
JP2009191284A (ja) | 金属表面処理剤 | |
KR20210079419A (ko) | 도장 아연도금 강판 | |
JPWO2003093533A1 (ja) | 耐食性に優れた耐熱処理金属板、有機被覆金属板及びリン酸塩処理亜鉛系めっき金属板 | |
JP3808800B2 (ja) | 導電性および耐食性に優れた皮膜付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP2759620B2 (ja) | 樹脂塗装金属板及びその製造方法 | |
JP4226770B2 (ja) | 金属表面処理組成物 | |
JP3801470B2 (ja) | 防錆剤含有水分散性金属表面処理剤、表面処理金属材とその製造方法 | |
JP2690629B2 (ja) | 耐食性およびスポット溶接性に優れた有機複合被覆鋼板 | |
WO2016136834A1 (ja) | 亜鉛めっき鋼材用または亜鉛基合金めっき鋼材用の金属表面処理剤、被覆方法及び被覆鋼材 | |
JP4197487B2 (ja) | 潤滑性とアルカリ脱膜性に優れた樹脂膜積層金属板 | |
JP3963683B2 (ja) | めっき金属板用水系表面処理剤、表面処理金属板とその製造方法 | |
JP4968992B2 (ja) | 表面処理金属板および表面処理剤 | |
JPS63248872A (ja) | 金属表面処理用組成物 | |
JPH0994916A (ja) | 有機複合被覆鋼板 | |
JP4325997B2 (ja) | 樹脂被覆溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP2005133176A (ja) | 表面処理金属板 | |
JP3056446B2 (ja) | アルカリ脱膜性に優れた樹脂膜積層金属板 | |
JP5355141B2 (ja) | めっき表面とクロメートフリー皮膜との密着性に優れたクロメートフリー皮膜被覆溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
KR100368555B1 (ko) | 수지피복강판 제조방법 | |
JP2005206921A (ja) | 非クロメート型表面処理金属板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040810 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060501 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060516 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060518 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3808800 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140526 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |