JP3855494B2 - 潤滑処理鋼板用アルカリ脱膜型塗料およびアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アルカリ脱膜型塗料およびアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板に関し、詳しくは鋼板に塗料を塗布して形成した塗膜を有するアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板において、耐ブロッキング性、防錆性およびプレス成形性を維持しつつ、さらにアルカリ脱膜性を改善し、しかも塗料としての安定性も併せ持つアルカリ脱膜型塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高度な加工性が要求される、自動車の構造材および部品や家電製品等には、深絞り用冷延鋼板が使用されてきたが、近年、コストダウンの観点から、冷延鋼板の代替品として熱延鋼板が盛んに使用されるようになり、熱延鋼板についても深絞り性を向上することが要求されている。しかし、従来の熱延鋼板は、冷延鋼板と比較すると、深絞り成形性の点で劣るため、上記用途へ熱延鋼板を使用する場合は、プレス成形性を改善することが重要になる。
【0003】
ここに、プレス成形性を向上させる方法として、例えば特公昭53-37817号公報に開示される、潤滑性金属加工用表面処理剤を塗布する方法が提案されている。これは、アクリル酸と炭素数1〜8の脂肪族1価アルコールのエステル16〜40重量部、メタクリル酸メチル、酢酸ビニルおよびアクリロニトリルから選ばれた少なくとも1種とスチレン40〜64重量部および極性基としてカルボキシル基を有する重合性単量体10〜20重量部を共重合させて得られる、ガラス転移温度60〜90℃および重量平均分子量15000 〜50000 の水溶性熱可塑性合成樹脂、そして金属石けんおよび水から成るものである。この表面処理剤を鋼板に塗布することによって、鋼板に加工を行う際に優れた潤滑性を与えて、加工性を改善する。
【0004】
なお、この表面処理剤の塗布は、鋼板の製造者が行って、塗膜形成後の鋼板に加工を行う需要家に向けて出荷するのが、一般的であるから、優れた潤滑性に加えて、耐ブロッキング性並びにアルカリ脱膜性に優れることが、肝要である。すなわち、耐ブロッキング性とは、重ね合わせた鋼板に塗布され形成された塗膜同士が粘着しない性質であり、またアルカリ脱膜性は、需要家におけるプレス後のアルカリ洗浄(脱脂)液での塗膜の除去が容易である性質である。
【0005】
上記に記載の表面処理剤は、基本性能、つまり良好な耐ブロッキング性およびアルカリ脱膜性に加えて、プレス成形性を、鋼板に付与できるものであるが、高温、高湿時や結露時に錆が多発し、この錆が、次の化成処理工程において、化成皮膜(りん酸亜鉛系皮膜)の形成を阻害する問題、更に外観上、その品質を著しく低下させる問題があった。つまり防錆性に問題があった。
【0006】
これらの防錆性の改善をも達成する技術として、特開昭63-223093 号、特開平9-156029号および特開平9-296132号各公報には、アクリル系樹脂に撥水剤、防錆剤、防錆潤滑剤等を添加することによって、防錆性の問題を解消する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製造した鋼板を出荷してから需要家で使用されるまでの間に結露が数回発生するような、腐食環境の厳しい時期や、需要家におけるコストダウンに応えるために鋼板を簡易梱包して出荷する際などには、これら撥水剤、防錆剤、防錆潤滑剤を添加した場合においても未だに錆に関する問題が発生していた。また、プレス成形時には摩擦熱や変形抵抗から、金型が80〜100 ℃に上昇するために、オイルを金型にかけながら成形することによって、この温度上昇を緩和することが一般に行われている。しかし、プレス回数の増加に従ってオイルによる冷却効果が低下して金型温度が上昇し、とりわけ、連続プレス成形を行う場合には、この温度上昇が激しいために、プレス割れやかじりが発生する場合があり、プレス成形性も未だ不十分であった。
【0008】
また、上記した特公昭53-37817号公報の潤滑性金属加工用表面処理剤における、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸等とカルシウムやバリウム等のアルカリ土類金属との塩である金属せっけんや、特開平9−156029号公報等に開示された、りん酸またはモリブデン酸とZn, Caもしくはアンモニウムとの塩を、添加剤として含有する場合には、これらの比重が大きいために、塗料の保管中または塗布工程中に沈降する結果、アルカリ脱膜型潤滑処理鋼板として均一な組成を有する塗膜が安定して得られないことも、問題になる。なぜなら、塗膜の組成が均一でないと、この種処理鋼板の基本的性能である、防錆性やプレス成形性などが確実に得られないからである。
【0009】
ところで、当該塗料を塗布して形成された塗膜は、需要家においてプレス成形された後のアルカリ脱脂工程において、防錆油やプレス油と共に化学的に溶解される。ここで、均一なりん酸亜鉛系皮膜を形成するためには、アルカリ脱脂後の化成処理工程において、塗膜が完全に除去されていることが肝要である。しかしながら、需要家における脱脂処理は、作業性の観点から搬送速度を速くするために、十分な脱脂時間が確保されない場合、脱脂液温度が所定範囲に維持されていない場合、そして脱脂された油類が脱脂液中に堆積した結果、劣化した脱脂液が使用されている場合等、様々な条件下で行われているのが現状である。従って、塗膜のアルカリ脱脂工程における脱膜が十分に行われないまま化成処理工程に進む結果、りん酸亜鉛系皮膜の付着量が不足したり、あるいはりん酸亜鉛系皮膜の結晶が不適切になる等の問題を派生していた。
【0010】
そこで、この発明は、従来技術の問題点として残されていた、鋼板における塗膜の均一性またはアルカリ脱膜性、つまり塗膜に必要とされる特性をさらに改善した、アルカリ脱膜型塗料を、高性能のアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板に併せて提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者らの検討の結果、水溶性共重合体であるアクリル系樹脂をベースとして、潤滑剤および防錆剤などの添加剤および中和剤を含有した塗料において、該添加剤の沈降を防止して均一な塗膜を得るには、特定のりん系有機物を含有することが極めて有効であるとの知見を得た。
また、鋼板のアルカリ脱膜性の改善には、中和剤に所定の沸点のアミンを含有することが極めて有効であることも見出した。
この発明は、上記の知見に由来するものである。
【0012】
すなわち、この発明の要旨構成は、次のとおりである。
(イ)水溶性共重合体であるアクリル系樹脂、中和剤および添加剤を含有する潤滑処理鋼板用塗料において、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸若しくはオレイン酸とカルシウム若しくはバリウムのアルカリ土類金属との塩又は、りん酸若しくはモリブデン酸と Zn, Ca 若しくはアンモニウムとの塩である添加剤の沈降防止剤として、下記の一般式(1) で示されるアルキルホスホン酸モノアルキルエステルおよび下記の一般式(2) で示されるアルキルホスホン酸ジアルキルエステルのいずれか1種または2種を、アクリル系樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部含有することを特徴とする潤滑処理鋼板用アルカリ脱膜型塗料。
【0013】
記
【化5】
【化6】
ここで、上式(1) および(2) において、
R1 :炭素数10〜50のアルキル基
R2 :炭素数1〜8 のアルキル基
【0015】
(ロ)水溶性共重合体であるアクリル系樹脂、中和剤および添加剤を含有する潤滑処理鋼板用塗料において、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸若しくはオレイン酸とカルシウム若しくはバリウムのアルカリ土類金属との塩又は、りん酸若しくはモリブデン酸と Zn, Ca 若しくはアンモニウムとの塩である添加剤の沈降防止剤として、下記の一般式(1) で示されるアルキルホスホン酸モノアルキルエステルおよび下記の一般式(2) で示されるアルキルホスホン酸ジアルキルエステルのいずれか1種または2種を、アクリル系樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部含有し、かつ中和剤に、沸点160 ℃以上のアミンを含有することを特徴とする潤滑処理鋼板用アルカリ脱膜型塗料。
【0016】
(ハ)上記(イ)または(ロ)の潤滑処理鋼板用アルカリ脱膜型塗料を鋼板表面に塗布して形成された塗膜を有することを特徴とするアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板である。ちなみに、鋼板としては、熱延板、中でも酸洗した熱延板、冷延板、各種表面処理鋼板およびステンレス鋼板などが有利に適合する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明のアルカリ脱膜型塗料の組成について詳細に説明する。
すなわち、ベースとなるアクリル系樹脂は、構成する樹脂単量体、 共重合される他の樹脂単量体の種類・重量比・重合度により、容易に樹脂の物性を制御することができることから共重合体のアクリル系樹脂とする。これは、アクリル系樹脂単量体数種の単なる混合では、防錆性、プレス成形性などの性能を発揮できないためである。さらに、この種の塗料を表面に塗布して形成された塗膜は、アルカリ脱脂液中で溶解除去されなければならない。このために樹脂骨格中に酸基を導入しなければならず共重合体のアクリル系樹脂は、これを容易に行え、水溶性となる。さらに塗膜形成する乾燥の前後において、例えばアルキド樹脂あるいはエポキシ樹脂のように、架橋反応や酸化重合反応などの反応が起きないため、安定した塗膜が得やすいという利点もある。以上より水溶性共重合体であるアクリル系樹脂とする。
【0018】
このアクリル系樹脂には、スチレンとメタクリル酸エステルとカルボキシル基を有する単量体の水溶性共重合体を用いることが好ましく、該メタクリル酸エステルは、ガラス転移温度Tgが0℃以上であり、かつメタクリル酸と炭素数2以上の脂肪族1価アルコールとのエステルが、とりわけ有利である。
【0019】
さらに具体的には、メタクリル酸エステルとして、メタクリル酸エチル(Tg:65℃)、メタクリル酸イソプロピル(Tg:81℃) 、メタクリル酸n−ブチル(Tg:20℃) 、メタクリル酸iso −ブチル(Tg:67℃) 等の、メタクリル酸と炭素数2以上の脂肪族1価アルコールとのエステルを使用することが好ましい。これらメタクリル酸と脂肪族1価アルコールとのエステルとからなるメタクリル酸エステルが、例えばアクリル酸エステルと比べ、Tgが高くなり、プレス成形性に優れるためである。ここで、エステル末端の炭素数を2以上とすることが好ましいのは、炭素数1のメチル基の場合、極端に防錆性が低下するためである。これは、メチル基によりエステル基の分極が高まり、その結果、水との相互作用が高まるためであると考えられる。
【0020】
また、メタクリル酸エステルのTgを0℃以上が好ましいのは、プレス成形性の観点からである。一般に、需要家で行われている実際のプレス成形は、連続でしかも高速で行われるため、摩擦熱や鋼板の変形抵抗による熱によって、鋼板の温度は80℃〜100 ℃に達する場合もある。そして、Tgが0℃未満の単量体を共重合体中へ加えた場合は、加工時の摺動や熱により、軟質成分が鋼板から離脱したり溶融する結果、塗膜全体の潤滑効果を低下させる、からである。メタクリル酸エステルのTgは、より好ましくは、10〜90℃である。
【0021】
次に、スチレンについて説明する。スチレンは、耐湿性が高く、かつ高Tgであるために、防錆性およびプレス成形性を両立させる上で有利である。ここで、この水溶性共重合体におけるスチレンと上記メタクリル酸エステルとの重量比は、スチレン:メタクリル酸エステル=1:0.3 〜5.0 にすることが、より好ましい。すなわち、この重量比が0.3 未満であると、スチレンの含有割合が増すために防錆性は更に向上するが、後述するより好ましい所定の酸価にした場合にもアルカリ脱膜性が低下するとともに、塗料の貯蔵安定性が低下する。一方、5.0 をこえると、塗膜の疎水性が低下するために防錆性が低下する。
【0022】
さらに、カルボキシル基を有する単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびイタコン酸等が使用できる。この成分により、共重合体つまりアクリル系樹脂には酸基が付与され、例えばアンモニアやアミン類で中和すると、水溶化が可能となり、水溶性共重合体となる。つまり、この種の塗料の重要な性能の一つであるアルカリ脱膜性を付与するのに水溶性とする必要があり、カルボキシル基を有する単量体を含有させることが好ましい。カルボキシル基を有する単量体の重合比は、共重合体(アクリル系樹脂)全体の酸価が30〜200 mg-KOH/gになるように調製することが、好ましい。
【0023】
ここでいう酸価とは、共重合体1g中に含まれるカルボン酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。酸価が30未満になると、アルカリ脱脂液にて実施される当該塗膜のアルカル脱膜性が極端に低下する上、共重合体自身の水溶化が困難となる。一方、200 mg-KOH/gをこえると、防錆性が極端に低下し、スチレンやその他添加される防錆剤による効果が発揮されない。より好ましくは50〜200 mg-KOH/g、さらには100 〜200 mg-KOH/gとする。なお、この発明においては、カルボキシル基などの酸を中和することによる水溶化を前提とし、界面活性剤を使用しない。なぜなら、界面活性剤を使用すると、界面活性剤が乾燥後の塗膜に残存することにより防錆性が低下するためである。
【0024】
前述の好ましい酸価を確保するためには、例えばメタクリル酸の場合、メタクリル酸とスチレンおよびメタクリル酸エステルとの水溶性共重合体100 重量部に対しメタクリル酸は4〜35重量部であることが好ましい。さらに、この水溶性共重体であるアクリル系樹脂の分子量は、重量平均分子量として10000 〜60000 であることが好ましい。これは、10000 未満ではプレス成形性が劣り、一方60000 をこえると塗料の粘度が高くなり塗布が困難となり、かつ形成した塗膜のアルカリ脱脂性が劣化する傾向にあるからである。
【0025】
上記組成のアクリル系樹脂は、水溶性溶剤中における公知の溶液共重合にて得ることができる。すなわち、80〜140 ℃に調整した水溶性溶剤、例えばブチルセロソルブ中に、窒素雰囲気下において、例えばスチレンおよびメタクリル酸エステルを好ましくは、スチレン:メタクリル酸エステル=1:0.3 〜5.0 の重量比にて調整し、さらにカルボキシル基を有する単量体を、好ましくは共重合体の酸価が30〜200mg-KOH/g になるように、重合開始剤とともに、4〜5時間かけて滴下しながら重合させたのち、同温度で2〜8時間の加熱攪拌を行って重合を完結させる。そして、55〜60℃に冷却後、アンモニアやアミン等の塩基で中和水溶化を行い、所定のアクリル系樹脂を作製する。なお、この発明で使用する重合開始剤は、例えば「塗料用合成樹脂入門」北岡協三著にあるように、過酸化物やアゾ化合物を使用すればよく、特公昭57-105407 号公報に開示されている金属キレートや特公平9-59307 号公報に開示されている水不溶性無機粒子を使用する必要はない。さらにアンモニアやアミン等の中和剤は、総量としてアクリル系樹脂の酸1当量に対し、0.7 〜1.7 当量であることが好ましい。これは0.7 当量未満では水溶化が充分でなく一方1.7 当量を超えると過剰の中和剤は塗膜中に残存するため防錆性及びプレス成形性が劣化する傾向にあるからである。
【0026】
ここで、上記の中和水溶化に際し、一般に使用されている沸点50℃未満の塩基であるアンモニアに加えて沸点160 ℃以上のアミンを含有する中和剤を用いることが、とりわけアルカリ脱膜性の改善に有効である。すなわち、脱脂処理が本来の適切な条件に比べて低温または短時間であったり、劣化脱脂液を使用する等、適切な脱脂処理を望めない場合は、塗料の塗布によって形成された塗膜中に高沸点のアミンを含むアクリル系樹脂、つまり塗膜中に樹脂酸基と高沸点アミンの石鹸を残存させることになり、アルカリ脱脂時に塗膜を速やかに溶解させることができる。ここに、アミンの沸点を160 ℃以上としたのは、160 ℃未満では、塗膜の乾燥時に又は保管中に蒸発するためアルカリ脱膜性の改善効果が期待できないからである。
【0027】
なお、塗膜中に樹脂酸基と高沸点アミンの石鹸が一定量以上残存すると、水との相互作用が高まるために、防錆性、そして塗膜の弾性率を低下し、プレス成形性が劣化する問題が発生することがある。そこで、沸点160 ℃以上のアミンは、樹脂中の酸1当量に対し、0.1 〜0.5 当量の範囲とすることが好ましい。すなわち、高沸点アミンの比率が0.1 当量未満では、成膜性の向上効果が得られず、一方0.5 当量をこえると、防錆性およびプレス成形性が低下傾向になる。
【0028】
ちなみに、高速で搬送される鋼帯(鋼板)に、塗料を塗布、乾燥して塗膜を形成する際、塗料にアンモニアを中和剤として含有させると、その沸点が低いことから、より低温かつより短時間での乾燥が可能に、つまり成膜性が向上する。従って、成膜性とアルカリ脱膜性を両立させるために、沸点50℃未満の塩基例えばアンモニアに加えて高沸点アミンを中和剤として併用する。沸点160 ℃以上の高沸点アミンとして、好ましくは、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、 ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、 アミノエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、N・メチル・N・Nジエタノールアミン等があげられる。
【0029】
上述のとおり作製したアクリル系樹脂をベースとして、これに、さらに防錆性およびプレス成形性を向上させる目的で、防錆剤および潤滑剤を典型例とする添加剤を添加する。特に好ましい添加剤としては、(A) ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸等とカルシウムやバリウム等のアルカリ土類金属との塩である、金属せっけん、(B) りん酸またはモリブデン酸とZn, Caもしくはアンモニウムとの塩、(C) ポリエチレンワックスがある。
【0030】
すなわち、金属せっけん、およびポリエチレンワックスは、プレス成形性の向上を目的として添加し、またりん酸またはモリブデン酸とZn, Caもしくはアンモニウムとの塩は、防錆性、プレス成形性の向上を目的として添加する。
【0031】
ここで、添加剤、とりわけ上記した金属せっけんやりん酸またはモリブデン酸とZn, Caもしくはアンモニウムとの塩を典型例とする、比重の大きい添加剤は、塗料の保管中または塗布工程中に沈降する結果、塗料を塗布して形成した塗膜中に、これらの添加剤が所定量で含有されない場合がある。そこで、発明者らは、この問題について鋭意検討したところ、下記の一般式(1) で示されるアルキルホスホン酸モノアルキルエステル(以下、P系有機物Aと示す)および下記の一般式(2) で示されるアルキルホスホン酸ジアルキルエステル(以下、P系有機物Bと示す)のいずれか1種または2種を含有することにより、添加剤の沈降を回避できることを見出した。このメカニズムについては必ずしも明らかではないが、Pの前述の添加剤であるりん酸やモリブデン酸の塩への吸着作用が影響しているものと考えられる。
【0032】
記
【化7】
【化8】
ここで、上式(1) および(2) において、
R1 :炭素数10〜50のアルキル基
R2 :炭素数1〜8 のアルキル基
【0033】
すなわち、上記のP系有機物AおよびBは、各化学式に示すとおり、それぞれ炭素数が10〜50のアルキル基の骨格に金属への吸着作用が高いPが組み込まれていることから、前述した添加剤成分に吸着し、比重の大きな添加物の沈降を防止するのに有効である。これらP系有機物は、単独で含有させてもよいが、後述するとおり、2種を共に含有させることが好ましい。
【0034】
ここでR1 は、炭素数10〜50の飽和炭化水素基または、不飽和炭化水素基であって、直鎖でも、分岐鎖でもよい。具体的にはC=40のα−オレフィンが例示される。
【0035】
R2 は、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、または不飽和炭化水素基であって、CH3, C3H7, C5H11, C8H17 で例示され、好ましくはC=5のα−オレフィンである。R2 が2個所の場合は同一でも異なってもよい。
【0036】
また、P系有機物Aは、−OH基が存在することから、金属に対する吸着性が更に優れる反面、その添加量が一定量をこえた場合、酸価が高くなって防錆性が劣化する傾向がある。一方、P系有機物Bは、同Aより吸着性が劣るが、酸価が低いことから、防錆性を劣化させることはない。そこで、P系有機物AおよびBのそれぞれの特徴を活かす組成について検討したところ、重量比としてP系有機物A:B=1:0.1 〜9の比率で含有するのが、より効果的であることが判明した。すなわち、P系有機物Bの重量比が0.1 未満では、防錆性が劣化し、一方9をこえると沈降防止の効果が劣るからである。
【0037】
さらに、P系有機物の含有量は、アクリル系樹脂固形分を100 重量部に対して1〜20重量部とすることが好ましい。なぜなら、1重量部未満では、沈降防止効果が発現せず、一方20重量部をこえた場合は、塗膜の凝集力が低下し、加工時に塗膜剥離、いわゆるパウダリングが発生し易くなるからである。
【0038】
以上の塗料を、熱延鋼板、冷延鋼板、ステンレス鋼板または各種表面処理鋼板に塗布するには、その付着量を、片面当たり乾燥重量で0.5 〜5.0g/m2 とすることが、有利である。すなわち、0.5g/m2 未満の場合、鋼板の凹凸を埋めることができず、プレス成形性および防錆性を向上する効果が得難い。また、5.0g/m2 をこえた場合、プレス成形時にパウダリングが発生する。より好ましい範囲は、0.5 〜3.0g/m2 である。ここで、上記鋼板は、帯状の鋼板である鋼帯も含むものである。
【0039】
また、塗料の塗布は、ロール塗布、スプレー塗布、浸漬塗布および刷毛塗り塗布など、公知の方法を利用できる。乾燥条件は、鋼板温度として50℃〜200 ℃、乾燥時間1〜90秒間程度とする。
【0040】
【実施例】
脱脂した各種鋼帯の表面に、表1〜4に示す組成でかつ中和剤としてアンモニアを使用し、 さらに下記のいずれかの中和剤を加えて水溶化したアクリル系樹脂に、下記の添加剤を添加した塗料を、乾燥塗膜重量で片面当たり1.5g/m2 になるように両面に塗布し、10秒後の到達板温が60℃になるように熱風乾燥機を用いて乾燥させた。その後、更に両面に防錆油(16.0cSt/40℃) を0.5 〜1.0g/m2 になるように塗布し試験片とした。
【0041】
【数1】
【0042】
かくして得られた試験片について、プレス成形性、防錆性、アルカリ脱膜性および耐ブロッキング性を調査するとともに、塗料については、その安定性を調査した。その調査結果を、表5〜8に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
なお、各特性の評価は、次のとおりに行った。
(1) 塗料の安定性
各塗料を、容量50mlのメスシリンダーに50ml添加し、1000時間放置してから、放置前後の該液の上部50mmから採取した塗料にて、酸洗熱延鋼板に塗装を行う。かくして得られた塗膜について、蛍光X線にてCおよびZnのカウントを測定する。該測定値および1000時間放置のCおよびZn量に基づいて、次の要領でZnの含有率を算出し、該算出値によって次の基準で塗料の安定性を評価した。
ただし、比較例8、9に関しては、Znの代わりにCa量に基づいて評価した。
Znの含有率(%)=(放置後のZn/C)/(放置前のZn/C)×100
または
Caの含有率(%)=(放置後のCa/C)/(放置前のCa/C)×100
塗料安定性
○:ZnまたはCa含有率90〜100 %
△:ZnまたはCa含有率50〜 89 %
×:ZnまたはCa含有率50%未満
【0052】
(2) プレス成形性
▲1▼常温プレス成形性(限界絞り圧、耐かじり性)
エリクセンカップ絞り試験機を用いて、次の条件でプレス成形を行った際の、常温(25 ℃) で評価した。
プレス条件(円筒絞り成形)
ポンチ径 33mmφ (円筒)
絞りダイス肩曲率 3mmR
ブランク径 円筒68mmφ
絞り速度 60mm/s
限界絞り圧 1 〜9t(破断せずに加工可能な最大t数で評価)
【0053】
そして、上記条件でプレス成形したサンプルの側壁部を観察し、型かじりの有無を評価した。その評価基準は以下の通りである。
◎=型かじりなし(優良)
○=型かじり若干あり(良)
△=型かじりやや多い(やや劣る)
×=型かじり多い(劣る)
【0054】
▲2▼温間プレス成形性(限界絞り圧、耐かじり性)
エリクセンカップ絞り試験機を用いて、次の条件でプレス加工を行った際の、金型温度80℃で評価した。
プレス条件(円筒絞り成形)
ポンチ径 33mmφ (円筒、ビード付き円筒)
絞りダイス肩曲率 3mmR
ブランク径 円筒68mmφ ビード付き円筒68mmφ
絞り速度 60mm/s
限界絞り圧 1〜9t(破断せずに加工可能な最大t数で評価)
【0055】
そして、上記条件でプレス成形したサンプルの側壁部を観察し、型かじりの有無を評価した。その評価基準は以下の通りである。
◎=型かじりなし(優良)
○=型かじり若干あり(良)
△=型かじりやや多い(やや劣る)
×=型かじり多い(劣る)
【0056】
(3) 防錆性
▲1▼湿潤試験;温度50℃、湿度98%の条件下で湿潤試験を行い、赤錆が全試験面に対する面積率として5%発生するまでの時間で評価した。
▲2▼SST; JIS Z2371に規定された条件でSST を行い、赤錆が全試験面に対する面積率として5%発生するまでの時間を測定した。
▲3▼スタック試験;70×150mm の寸法の試験片を2枚重ね、50kg/cm2の荷重を加えて温度50℃で放置し、赤錆が全試験面に対する面積率として5%発生するまでの時間で評価した。なお、試験片の間に水を2ml滴下した。
【0057】
(4) アルカリ脱膜性
試験片に、濃度3重量%および液温40℃に調整した脱脂液{ファインクリーナー4460,日本パーカーライジング(株)製}を、次の表9に示す種々の条件にて、スプレー圧1kgf/cm2 でスプレーして脱膜した。次に、試験片を、3重量%硫酸銅水溶液に40秒浸漬し、Cuの置換析出状態を観察し、次の基準で脱膜性を評価した。
脱膜性評価基準
○=Cuが全面に析出(優良)
△=Cuが部分的に析出(やや劣る)
×=Cuが全く析出せず(劣る)
【0058】
【表9】
【0059】
(5) 耐ブロッキング性
塗膜面同士を内側にして重ね合せた2枚の試験片を、 300kg・cmのトルクで締め付けた状態で、60℃の恒温槽に6時間放置した。その後、重ねた試験片を引き剥がし、引き剥がした時の粘着状況により、次の基準で耐ブロッキング性を評価した。
耐ブロッキング性
◎=粘着なし(優良)
○=若干粘着あり(良)
△=粘着あり(やや劣る)
×=粘着大(劣る)
【0060】
【発明の効果】
この発明に従って安定性を改善した塗料を用いることによって、この塗料を表面に塗布し形成された塗膜を有する潤滑処理鋼板は、防錆性、プレス成形性および耐ブロッキング性という基本的性能に優れたものとなる。また、この発明の塗料を用いることによって、上記の基本的性能を維持しつつ、アルカリ脱膜性を格段に改善することが可能である。
Claims (3)
- 水溶性共重合体であるアクリル系樹脂、中和剤および添加剤を含有する潤滑処理鋼板用塗料において、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸若しくはオレイン酸とカルシウム若しくはバリウムのアルカリ土類金属との塩又は、りん酸若しくはモリブデン酸と Zn, Ca 若しくはアンモニウムとの塩である添加剤の沈降防止剤として、下記の一般式(1) で示されるアルキルホスホン酸モノアルキルエステルおよび下記の一般式(2) で示されるアルキルホスホン酸ジアルキルエステルのいずれか1種または2種を、アクリル系樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部含有することを特徴とする潤滑処理鋼板用アルカリ脱膜型塗料。
記
R1 :炭素数10〜50のアルキル基
R2 :炭素数1〜8 のアルキル基 - 水溶性共重合体であるアクリル系樹脂、中和剤および添加剤を含有する潤滑処理鋼板用塗料において、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸若しくはオレイン酸とカルシウム若しくはバリウムのアルカリ土類金属との塩又は、りん酸若しくはモリブデン酸と Zn, Ca 若しくはアンモニウムとの塩である添加剤の沈降防止剤として、下記の一般式(1) で示されるアルキルホスホン酸モノアルキルエステルおよび下記の一般式(2) で示されるアルキルホスホン酸ジアルキルエステルのいずれか1種または2種を、アクリル系樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部含有し、かつ中和剤に、沸点160 ℃以上のアミンを含有することを特徴とする潤滑処理鋼板用アルカリ脱膜型塗料。
記
R1 :炭素数10〜50のアルキル基
R2 :炭素数1〜8 のアルキル基 - 請求項1または2に記載の潤滑処理鋼板用アルカリ脱膜型塗料を表面に塗布して形成された塗膜を有することを特徴とするアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板。
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