JP2000191798A - 繊維強化樹脂製ロ―ル - Google Patents

繊維強化樹脂製ロ―ル

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JP2000191798A
JP2000191798A JP10370507A JP37050798A JP2000191798A JP 2000191798 A JP2000191798 A JP 2000191798A JP 10370507 A JP10370507 A JP 10370507A JP 37050798 A JP37050798 A JP 37050798A JP 2000191798 A JP2000191798 A JP 2000191798A
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真仁 田口
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久雄 木場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム被覆層を設けるときのような高温多湿の
厳しい条件に曝されても十分に耐え得る耐湿熱特性が備
えられており、特にゴム被覆層を設けて使用する用途、
例えば新聞用輪転機のインキロールやニップロール等に
使用するのに好適な繊維強化樹脂製ロールを提供するこ
と。 【解決手段】 エポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂
とする繊維強化樹脂層の複数層が積層してある繊維強化
樹脂製ロールであって、前記マトリックス樹脂として、
該マトリックス樹脂をなすエポキシ樹脂組成物による硬
化樹脂板を150℃、飽和蒸気圧下に60時間放置した
ときの吸水率が3.5重量%以下のエポキシ樹脂組成物
を使用してある繊維強化樹脂製ロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐湿熱特性に優れた
性質を具備する繊維強化樹脂製ロールに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維等の強化繊維とエポキシ樹脂等
のマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、優
れた機械特性を具備していることから、例えば釣り竿や
ゴルフシャフトなどの汎用用途から、産業用途、航空機
用途までの幅広い用途の成形品として利用されており、
最も一般的には、強化繊維に硬化性のマトリックス樹脂
を含浸させたプリプレグを硬化成形して製造されてい
る。
【0003】ところで、例えば印刷機、製紙機、紙加工
機等に使用されているロールは、従来鋼鉄製やアルミニ
ウム製のものであったが、近年これらの機械の高速化等
に対応し得るように、軽量で、しかも剛性に優れた繊維
強化樹脂製ロールも使用され初めている。
【0004】特に、新聞用輪転機のインキロールやニッ
プロール等には、ゴムで被覆した繊維強化樹脂製ロール
が使用されるようになってきており、このゴム被覆ロー
ルは、被覆層をなすゴム層の耐用年数が来たときにこれ
を剥ぎ取って、改めて新しいゴム被覆層を設けて使用さ
れなければならない。
【0005】これによって、上記の繊維強化樹脂製ロー
ルにゴム被覆層を形成する工程では、高温多湿の厳しい
条件下での加硫工程が必要であるために、この用途に適
用し得る繊維強化樹脂製ロールにするには、優れた耐湿
熱特性が備えられていなければならない。
【0006】しかるに、一般のスポーツ用途の繊維強化
樹脂成形品を得るときに使用されている130℃硬化タ
イプのプリプレグによっては、十分な耐熱性を具備する
成形品は得られない。又、特に耐熱用途の繊維強化樹脂
成形品を得るときに使用されている多官能エポキシ樹脂
組成物をマトリックス樹脂とするプリプレグによる硬化
成形品は、一般に吸水率が高く、上記の用途の繊維強化
樹脂製ロールにするには、耐湿熱特性の点での問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明が解決し
ようとする課題は、特に耐湿熱特性において優れた性質
を具備している繊維強化樹脂製ロールであって、ゴム被
覆層を設けるときのような高温多湿の厳しい条件にも十
分に耐え得る繊維強化樹脂製ロールを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下に記
載する構成による本発明の繊維強化樹脂製ロールによっ
て解決される。すなわち本発明は、エポキシ樹脂組成物
をマトリックス樹脂とする繊維強化樹脂層の複数層が積
層してある繊維強化樹脂製ロールであって、前記マトリ
ックス樹脂として、該マトリックス樹脂をなすエポキシ
樹脂組成物による硬化樹脂板を150℃、飽和蒸気圧下
に60時間放置したときの吸水率が3.5重量%以下の
エポキシ樹脂組成物を使用してある繊維強化樹脂製ロー
ルからなる。
【0009】上記の構成による本発明の繊維強化樹脂製
ロールにおいては、前記マトリックス樹脂として、該マ
トリックス樹脂をなすエポキシ樹脂組成物による硬化樹
脂板を150℃、飽和蒸気圧下に60時間放置した後の
150℃における剛性率(LogG’after)が、
放置する前の150℃における剛性率(LogG’be
fore)の0.95以上になるエポキシ樹脂組成物を
使用してあることが好ましい。
【0010】更に本発明の繊維強化樹脂製ロールにおい
ては、前記マトリックス樹脂として、該マトリックス樹
脂をなすエポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板のガラス
転移温度が150〜200℃になるエポキシ樹脂組成物
を使用してあることが好ましい。
【0011】更に又本発明の繊維強化樹脂製ロールにお
いては、前記マトリックス樹脂として、常温で液状のビ
スフェノール型エポキシ樹脂(A)20〜59重量%
と、骨格をなす部分の繰り返し単位が下記の化9、化1
0、化11又は化12のうちの少なくとも1つで表示さ
れるエポキシ樹脂(B)25〜50重量%と、平均粒径
1μm以下の架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)1
5〜40重量%と、上記のエポキシ樹脂(A)とエポキ
シ樹脂(B)との混合物に溶解可能な熱可塑性樹脂
(D)1〜10重量%との混合樹脂(I)の100重量
部に対して、ジアミノジフェニルスルホン(E)20〜
50重量部を含有しており、かつ60℃の粘度が500
〜3000ポイズのエポキシ樹脂組成物を使用してある
ことが好ましい。
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】
【化12】
【0016】更に本発明の繊維強化樹脂製ロールにおい
ては、前記マトリックス樹脂として、常温で液状のビス
フェノール型エポキシ樹脂(A)20〜59重量%と、
骨格をなす部分の繰り返し単位が下記の化13、化1
4、化15又は化16のうちの少なくとも1つで表示さ
れるエポキシ樹脂(B)25〜50重量%と、平均粒径
1μm以下の架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)1
5〜40重量%と、上記のエポキシ樹脂(A)とエポキ
シ樹脂(B)との混合物に溶解可能な熱可塑性樹脂
(D)1〜10重量%との混合樹脂(I)の100重量
部に対して、エポキシ樹脂(B)以外の樹脂であって、
しかもその軟化点が70℃以上のエポキシ樹脂(F)5
〜50重量部と、ジアミノジフェニルスルホン(E)2
0〜50重量部とを含有しており、かつ60℃の粘度が
500〜3000ポイズのエポキシ樹脂組成物を使用し
てあることが好ましい。
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】なお、エポキシ樹脂組成物による硬化樹脂
板を150℃、飽和蒸気圧下に60時間放置したときの
吸水率、つまりエポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板の
耐湿熱試験後の吸水率は、調製したエポキシ樹脂組成物
による厚さ2mmの硬化樹脂板を180℃×3時間の硬
化条件で成形し、この硬化樹脂板を60mm長×12m
m幅にカットして試験片を採取し、この試験片を、平山
製作所製のプレッシャークッカー試験装置PC−305
RSを用いて、150℃、飽和蒸気圧下での60時間の
耐湿熱試験に付したときの吸水率(重量%)である。
【0022】又、エポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板
の剛性率(LogG’before)は、調製したエポ
キシ樹脂組成物による厚さ2mmの硬化樹脂板を180
℃×3時間の硬化条件で成形し、この硬化樹脂板を60
mm長×12mm幅にカットして試験片を採取し、この
試験片に、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置R
DA−700により、5℃/STEPで昇温しながら1
0ラジアン/秒の速度で剪断力を加えて該試験片の貯蔵
剛性率の温度依存性を測定したときの150℃における
貯蔵剛性率であり、剛性率(LogG’after)
は、上記の試験片を、平山製作所製のプレッシャークッ
カー試験装置PC−305RSを用いて、150℃、飽
和蒸気圧下での60時間の耐湿熱試験に付した後に、こ
の試験片の貯蔵剛性率の温度依存性をレオメトリック社
製の動的粘弾性測定装置RDA−700によって測定し
たときの150℃における貯蔵剛性率である。
【0023】更に、エポキシ樹脂組成物による硬化樹脂
板のガラス転移温度は、調製したエポキシ樹脂組成物に
よる厚さ2mmの硬化樹脂板を180℃×3時間の硬化
条件で成形した後、この硬化樹脂板を60mm長×12
mm幅にカットした試験片に、レオメトリック社製の動
的粘弾性測定装置RDA−700により、5℃/STE
Pで昇温しながら10ラジアン/秒の速度で剪断力を加
えて該試験片の貯蔵剛性率の温度依存性を測定し、この
貯蔵剛性率曲線のガラス状態領域での接線と転移領域で
の接線との交点によって求めた温度である。
【0024】架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)に
おける架橋ゴム微粒子の平均粒径は、粒度分布計で測定
したものである。エポキシ樹脂組成物の粘度は、動的粘
弾性測定装置(レオメトリック社製:動的粘弾性測定装
置RDA−700)の直径25mmの2枚のディスクプ
レート(ディスクプレート間隔0.5mm)間に、調製
した樹脂組成物を充填し、雰囲気温度60℃にて、シェ
ア速度10ラジアン/秒の条件下で測定したレオメータ
粘度である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の繊維強化樹脂製ロールを
硬化成形するときに用いるプリプレグは、強化繊維にマ
トリックス樹脂を含浸させたものであり、強化繊維とし
てはガラス繊維、 炭素繊維、 アラミド繊維、ボロン繊
維、 炭化珪素繊維、アルミナ繊維、スチール繊維などを
使用し得る。特に炭素繊維からなる強化繊維を使用した
プリプレグは、これを硬化成形した成形品である繊維強
化樹脂製ロールに優れた機械的特性を具備させ得る。
【0026】プリプレグにするための強化繊維の形態や
配列は特に限定されるものではなく、例えば一方向に引
き揃えた長繊維糸条、クロス( 織物)、トウ、マット、ニ
ット、スリーブ等の形態の強化繊維を使用することがで
きる。
【0027】上記強化繊維に含浸させるマトリックス樹
脂はエポキシ樹脂組成物からなるものであり、該エポキ
シ樹脂組成物による硬化樹脂板を150℃、飽和蒸気圧
下に60時間放置したときの吸水率、つまりエポキシ樹
脂組成物による硬化樹脂板の耐湿熱試験後の吸水率が
3.5重量%以下になっているようなエポキシ樹脂組成
物を使用する。
【0028】本発明の繊維強化樹脂製ロールは、マトリ
ックス樹脂をなすエポキシ樹脂組成物の上記特性によ
り、高温多湿条件下での暴露を繰り返し受けても劣化す
ることがなく、ゴム被覆層を設けるときの高温多湿の厳
しい条件下での加硫工程にも十分に耐え得るものにな
る。
【0029】マトリックス樹脂をなすエポキシ樹脂組成
物が、該エポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板を150
℃、飽和蒸気圧下に60時間放置したときの吸水率が
3.5重量%を超えるものになると、繊維強化樹脂製ロ
ールにゴム被覆層を設けるときの加硫工程のような高温
多湿の厳しい条件に曝されると、ロールシェル内でクラ
ック等が発生して強度低下を生じ易くなる。
【0030】更にマトリックス樹脂をなすエポキシ樹脂
組成物は、該エポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板を1
50℃、飽和蒸気圧下に60時間放置した後の150℃
における剛性率(LogG’after)が、この放置
を行なう前の150℃における剛性率(LogG’be
fore)の0.95以上のエポキシ樹脂組成物である
ことが好ましく、又、該エポキシ樹脂組成物による硬化
樹脂板のガラス転移温度が150〜200℃のエポキシ
樹脂組成物であることが、更に好ましい。
【0031】本発明の繊維強化樹脂製ロールを硬化成形
するときに使用するプリプレグのマトリックス樹脂をな
すエポキシ樹脂組成物としては、常温で液状のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂(A)20〜59重量%と、骨格
をなす部分の繰り返し単位が上記の化9、化10、化1
1又は化12のうちの少なくとも1つで表示されるエポ
キシ樹脂(B)25〜50重量%と、平均粒径1μm以
下の架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)15〜40
重量%と、上記のエポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂
(B)との混合物に溶解可能な熱可塑性樹脂(D)1〜
10重量%との混合樹脂(I)の100重量部に対し
て、ジアミノジフェニルスルホン(E)20〜50重量
部を含有しており、かつ60℃の粘度が500〜300
0ポイズのエポキシ樹脂組成物を挙げることができる。
【0032】又、本発明の繊維強化樹脂製ロールを硬化
成形するときに使用するプリプレグのマトリックス樹脂
をなす別のエポキシ樹脂組成物としては、マトリックス
樹脂をなすエポキシ樹脂組成物が、常温で液状のビスフ
ェノール型エポキシ樹脂(A)20〜59重量%と、骨
格をなす部分の繰り返し単位が上記の化13、化14、
化15又は化16のうちの少なくとも1つで表示される
エポキシ樹脂(B)25〜50重量%と、平均粒径1μ
m以下の架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)15〜
40重量%と、上記のエポキシ樹脂(A)とエポキシ樹
脂(B)との混合物に溶解可能な熱可塑性樹脂(D)1
〜10重量%との混合樹脂(I)の100重量部に対し
て、エポキシ樹脂(B)以外の樹脂であって、しかもそ
の軟化点が70℃以上のエポキシ樹脂(F)5〜50重
量部と、ジアミノジフェニルスルホン(E)20〜50
重量部とを含有しており、かつ60℃の粘度が500〜
3000ポイズのエポキシ樹脂組成物を挙げることがで
きる。
【0033】上記のエポキシ樹脂組成物において、成分
(A)をなす常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹
脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型
エポキシ樹脂等を使用することができ、これらのエポキ
シ樹脂の単独であっても或いは混合物であってもよい。
【0034】この成分(A)をなす常温で液状のビスフ
ェノール型エポキシ樹脂は、該エポキシ樹脂(A)と後
述するエポキシ樹脂(B)と架橋ゴム微粒子変性エポキ
シ樹脂(C)と熱可塑性樹脂(D)との合計を100重
量部にしたとき、つまり混合樹脂(I)を100重量部
にしたときに、該エポキシ樹脂(A)が20〜59重量
部になるように配合する。
【0035】混合樹脂(I)の100重量部において、
エポキシ樹脂(A)が20重量部未満であると、樹脂組
成物の粘度が高くなり過ぎるためにプリプリグを作製す
るときの樹脂組成物の含浸が不均一になったり、タック
性がなくなったり、プリプレグが硬くなり過ぎたりする
等により、良好な硬化成形品からなる繊維強化樹脂製ロ
ールが得られなくなる。又、59重量部を超えると、樹
脂組成物の粘度が低くなり過ぎるためにタック性が強く
なったり、硬化成形品の成形の際にフロー樹脂が多くな
ったりして、同じく良好な硬化成形品からなる繊維強化
樹脂製ロールが得られなくなる。
【0036】更にこの成分(A)をなす常温で液状のビ
スフェノール型エポキシ樹脂は、これによって本各発明
のエポキシ樹脂組成物の粘度をプリプレグ用のマトリッ
クス樹脂として使用するのに好適な粘度レベルのものに
なし、かつ成分(C)をなす架橋ゴム微粒子変性エポキ
シ樹脂を分散させ得る良好な媒体になるように、エポキ
シ当量(g/eq)200以下のものを使用するのが好
ましい。
【0037】成分(B)をなすエポキシ樹脂は、ジシク
ロペンタジエン骨格、ナフタレン骨格、ビフェニル骨
格、又はフルオレン骨格のいずれかを具備するエポキシ
樹脂であり、これらの骨格の少なくとも1つを具備して
なるエポキシ樹脂である。
【0038】上記のエポキシ樹脂組成物においては、該
樹脂組成物中に上記の剛直な骨格を具備するエポキシ樹
脂(B)が配合されていることにより、これを硬化させ
たときに、架橋密度が極端に高くなることなく、しかも
優れた耐熱性を有する硬化物になる。これによって、残
留応力の小さな硬化成形品からなる繊維強化樹脂製ロー
ルにすることができる。
【0039】この成分(B)をなす剛直な骨格を具備す
るエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂
(B)と架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)と熱可
塑性樹脂(D)との合計を100重量部にしたとき、つ
まり混合樹脂(I)を100重量部にしたときに、該エ
ポキシ樹脂(B)が25〜50重量部になるように配合
する。
【0040】上記の混合樹脂(I)の100重量部にお
いて、エポキシ樹脂(B)が25重量部未満になると、
上記した架橋密度が極端に高くなることなくしかも優れ
た耐熱性を有する硬化成形品からなる繊維強化樹脂製ロ
ールになり難くなり、又、50重量部を超えると、樹脂
組成物の硬化性が低下し、得られる硬化成形品からなる
繊維強化樹脂製ロールの靭性が低下するようになる。
【0041】成分(B)をなすエポキシ樹脂のうちの上
記の化9で表示される繰り返し単位を有する、すなわち
ジシクロペンタジエン骨格を具備するエポキシ樹脂
(B)としては、例えば大日本インキ化学工業 (株) 製
のHP7200や、東都化成 (株) 製のEX1257等
の市販品が挙げられる。又、上記の化10で表示される
繰り返し単位を有する、すなわちナフタレン骨格を具備
するエポキシ樹脂(B)としては、大日本インキ化学工
業 (株) 製のHP4032からなる市販品が挙げられ
る。更に、上記の化11で表示される繰り返し単位を有
する、すなわちビフェニル骨格を具備するエポキシ樹脂
(B)としては、油化シェルエポキシ (株) 製のYX4
000HやYL6121H等の市販品が挙げられる。更
に又、上記の化12で表示される繰り返し単位を有す
る、すなわちフルオレン骨格を具備するエポキシ樹脂
(B)としては 新日鐵化学 (株) 製のESF−300
やSHELL社製のHPT1079等の市販品が挙げら
れる。
【0042】成分(C)をなす平均粒径1μm以下の架
橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂を平均
粒径1μm以下の架橋ゴム微粒子で変性したものであ
り、エポキシ樹脂組成物に残留応力抑制効果を付与する
機能を果たす。
【0043】上記のエポキシ樹脂組成物においては、こ
の成分(C)をなす平均粒径1μm以下の架橋ゴム微粒
子変性エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂(A)とエポキシ
樹脂(B)と架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)と
熱可塑性樹脂(D)との合計を100重量部にしたと
き、つまり混合樹脂(I)を100重量部にしたとき
に、該架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)が15〜
40重量部になるように配合する。
【0044】この混合樹脂(I)の100重量部におい
て、この架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)が15
重量部未満になると、該架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹
脂によるエポキシ樹脂組成物の残留応力抑制効果が十分
でなくなり、又40重量部を超えると、エポキシ樹脂組
成物の粘度が高くなり、これを含浸させたプリプレグの
取り扱い性が低下し、しかもこれを硬化成形した成形品
である繊維強化樹脂製ロールの剛性や耐熱性も低下す
る。
【0045】更に上記のエポキシ樹脂組成物において
は、予め架橋してある架橋ゴム微粒子で変性したエポキ
シ樹脂を使用していることにより、この樹脂組成物を硬
化させたときに十分な耐熱性が具備される。
【0046】これに対して未架橋の液状ゴム、例えば末
端カルボキシル化ブタジエン−アクリロニトリルゴム
(CTBN)のようなゴム粒子は、上記の残留応力抑制
効果が乏しいだけでなく、これを配合した樹脂組成物を
硬化させたときには、十分な耐熱性を有する硬化物にな
らない。
【0047】架橋ゴム微粒子変性エポキシ樹脂(C)に
おける架橋ゴム微粒子の平均粒径が1μmを超えると、
プリプレグを硬化成形して繊維強化樹脂製ロールにする
ときに、この架橋ゴム微粒子が強化繊維の間に入って行
き難くなり、均質な硬化成形品からなる繊維強化樹脂製
ロールが得られ難くなる。このために、架橋ゴム微粒子
変性エポキシ樹脂(C)としては、平均粒径1μm以
下、好ましくは0.5μm以下の架橋ゴム微粒子で変性
したエポキシ樹脂を使用する。
【0048】平均粒径1μm以下の架橋ゴム微粒子変性
エポキシ樹脂(C)としては、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂中に平均粒径1μm以下の架橋ゴム微粒子を配合
して部分的に反応させてある樹脂組成物の市販品、例え
ばBPA328328(日本触媒 (株) 製)、BPF3
07( 日本触媒 (株) 製) 、BPA601(日本触媒
(株) 製)、架橋NBR変性エポキシ樹脂XER−91
P(日本合成ゴム (株)製)等をそのまま使用すること
ができる。
【0049】成分(D)をなす熱可塑性樹脂は、エポキ
シ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との混合物に溶解可
能な熱可塑性樹脂であり、例えばポリビニルフォルマー
ル、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等を挙
げることができ、なかでもポリビニルフォルマールやフ
ェノキシ樹脂が好適である。なお、この成分(D)をな
す熱可塑性樹脂は、単一の樹脂であっても或いは2種類
以上の混合物であってもよい。
【0050】熱可塑性樹脂(D)は、エポキシ樹脂
(A)とエポキシ樹脂(B)と架橋ゴム微粒子変性エポ
キシ樹脂(C)と該熱可塑性樹脂(D)との合計を10
0重量部にしたとき、つまり混合樹脂(I)を100重
量部にしたときに、該熱可塑性樹脂(D)が1〜10重
量部になるように配合するが、好ましくは2〜6重量部
になるように配合する。
【0051】この混合樹脂(I)の100重量部におい
て、熱可塑性樹脂(D)の配合量が1重量部未満になる
と、樹脂組成物を含浸させたプリプレグのタック性が強
くなったり、硬化成形品の成形の際にフロー樹脂が多く
なったりして、良好な硬化成形品からなる繊維強化樹脂
製ロールが得られなくなる。又10重量部を超えると、
プリプリグを作製するときの樹脂組成物の含浸が不均一
になったり、タック性がなくなったり、プリプレグが硬
くなり過ぎたりする等により、同じく良好な硬化成形品
からなる繊維強化樹脂製ロールが得られなくなる。
【0052】成分(F)をなすエポキシ樹脂は、エポキ
シ樹脂(B)以外の樹脂であって、しかもその軟化点が
70℃以上のエポキシ樹脂である。このエポキシ樹脂
(F)は、エポキシ樹脂組成物の低温での硬化特性を犠
牲にすることなくその流動性を抑制する機能を果たすも
のであり、エポキシ樹脂組成物の室温での取り扱い性を
良好にする。
【0053】成分(F)として配合するエポキシ樹脂の
軟化点が70℃未満のものになると、エポキシ樹脂組成
物の室温での取り扱い性を適度なものにする機能が果た
され得なくなる。
【0054】この成分(F)をなす軟化点が70℃以上
のエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂、イソシアナート変性ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂等が挙
げられ、これらの単一の樹脂であっても或いは2種類以
上の混合物であってもよい。
【0055】成分(F)をなすエポキシ樹脂は、エポキ
シ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)と架橋ゴム微粒子変
性エポキシ樹脂(C)と該熱可塑性樹脂(D)との合計
を100重量部にしたとき、つまり混合樹脂(I)を1
00重量部にしたときに、5〜50重量部を配合する。
【0056】成分(F)をなすエポキシ樹脂は、エポキ
シ樹脂組成物全体の硬化性を考慮すると、エポキシ当量
(g/eq)200〜10000のものを使用するのが
好ましく、特にエポキシ当量(g/eq)250〜70
0のものがより好ましい。
【0057】更に成分(E)は硬化剤であり、該成分
(E)としてのジアミノジフェニルスルホンを、エポキ
シ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)と架橋ゴム微粒子変
性エポキシ樹脂(C)と熱可塑性樹脂(D)との合計を
100重量部にしたとき、つまり混合樹脂(I)を10
0重量部にしたときに、20〜50重量部を配合する。
これによって、エポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板の
ガラス転移温度が150〜200℃になるエポキシ樹脂
組成物になり易くなる。
【0058】更に又、エポキシ樹脂組成物の60℃の粘
度が500ポイズ未満であると、タック性が強すぎた
り、或いはこれを強化繊維に含浸して得られるプリプレ
グの硬化成形時にフロー樹脂が多くなったりして、好ま
しい物性を有する硬化成形品からなる繊維強化樹脂製ロ
ールを成形し難くなる。又3000ポイズを超えると、
これを強化繊維に含浸させてプリプレグにするときの含
浸性が悪化し、マトリックス樹脂を均一に含浸させたプ
リプレグが得られ難くなる。
【0059】本発明の繊維強化樹脂製ロールは、上記特
性を有するエポキシ樹脂組成物からなるマトリックス樹
脂を強化繊維に含浸させたプリプレグを積層し、これを
硬化成形した複数層の繊維強化樹脂層を具備する繊維強
化樹脂製ロールであり、複数層の繊維強化樹脂層の全て
が、上記の特性を有するエポキシ樹脂組成物をマトリッ
クス樹脂とするプリプレグの硬化成形層からなるもので
ある。
【0060】この繊維強化樹脂製ロールは、例えばマン
ドレル上に上記のプリプレグをその全長に亙って、ある
いは一部分だけにおいて、アングル層とストレート層と
を組み合わせて巻き付けた後、これを加熱、 加圧成形す
ることによって得られる。
【0061】プリプレグに使用する強化繊維の厚み、 強
化繊維の繊維目付、プリプレグの樹脂含有率等は特に限
定されないが、各層に必要な厚みや、該プリプレグの巻
き径に基づいて適宜選択される。
【0062】プリプレグの硬化成形は、例えば金型等を
用いたコンプレッション成形、オートクレーブ成形、真
空バッグ成形、テープラッピング成形等によって行なう
ことができる。
【0063】
【実施例】以下、本発明の繊維強化樹脂製ロールの具体
的な構成を実施例に基づいて説明し、併せてその性能を
比較例の繊維強化樹脂製ロールと比較して示す。なお、
実施例及び比較例に使用した各エポキシ樹脂組成物の成
分は、下記の通りの略記で表示する。
【0064】成分(A) EP828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ株式会社製(エピコート828)、エポキ
シ当量(g/eq):184〜194、常温で液状) EP807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ株式会社製(エピコート807)、エポキ
シ当量(g/eq):160〜170、常温で液状)
【0065】成分(B) HP−7200:ジシクロペンタジエン骨格を具備する
エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、エポ
キシ当量(g/eq):264、常温で固体状)
【0066】成分(C) BPF307:平均粒径0.3μmの架橋アクリルゴム
微粒子とビスフェノールF型液状エポキシ樹脂との反応
物。推定架橋ゴム含有量20重量%(日本触媒株式会社
製)
【0067】成分(D) PVF:ポリビニルフォルマール(チッソ株式会社製、
ビニレックE)
【0068】成分(E)(硬化剤) DDS:ジアミノジフェニルスルホン DCMU:ジクロロジメチルウレア( 保土谷化学工業株
式会社製(DCMU−99)、分子量:233) DICY:ジシアンジアミド(油化シェルエポキシ株式
会社製(エピキュアDICY7)、分子量:84)
【0069】成分(F) EP1002:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ株式会社製(エピコート1002)、エ
ポキシ当量(g/eq):600〜700、常温で固体
状) XAC4151:オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂
(旭チバ株式会社製、エポキシ当量(g/eq):41
2、軟化点:98℃) N−775:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大
日本インキ化学工業株式会社製(エピクロンN77
5)、エポキシ当量(g/eq):192、軟化点:7
0〜80℃)
【0070】実施例1 (1) マトリックス樹脂の調製 成分(A)としてのEP807の20重量部と、成分
(C)としてのBPF307の25重量部と、成分
(E)としてのDDSの35重量部とを均一に混合した
混合物に対して、別途作製しておいた成分(A)として
のEP828の15重量部と、成分(B)としてのHP
−7200の37重量部と、成分(D)としてのPVF
の3重量部と、成分(F)としてのXAC4151の3
7重量部との均一混合物を添加し、これを混練すること
により、60℃のレオメータ粘度が1880ポイズのエ
ポキシ樹脂組成物からなるマトリックス樹脂を得た。
【0071】このエポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板
の耐湿熱試験後の吸水率は3.3重量%であり、同じく
耐湿熱試験後の150℃における剛性率の保持率(%)
は、97.6である。又、このエポキシ樹脂組成物によ
る硬化樹脂板のガラス転移温度は166℃である。
【0072】(2) プリプレグの作製 上記のエポキシ樹脂組成物をロールコーターを用いて離
形紙上に塗工して樹脂フィルム化した後、これを引き剥
して得られた樹脂フィルムを、一方向に引き揃えた炭素
繊維による強化繊維(三菱レイヨン株式会社製(HR4
0 12M)、目付:200g/m2 )と重ね合わせて
加熱加圧することにより、マトリックス樹脂を含浸させ
た樹脂含有率24重量%の一方向プリプレグ(A)を作
製した。
【0073】又、一方向に引き揃えた炭素繊維による強
化繊維(三菱レイヨン株式会社製(TR30S 12
L)、目付:125g/m2 )を使用し、同様にして樹
脂含有率33重量%の一方向プリプレグ(B)を作製し
た。
【0074】(3) 繊維強化樹脂製ロールの作製 上記のプリプレグ(A)とプリプレグ(B)を、外径9
0mm、巻き付け部の有効長さ2060mmのストレー
トマンドレルに、下記の(1)〜(3)に説明する手順
に従って、順次巻き付けた。
【0075】(1)繊維方向がマンドレルの中心線に対
して90°となるようにしてマンドレルに巻き付けたと
きに、マンドレルの全長に亙って2層になって巻き付か
るようにプリプレグ(B)を裁断し、これをマンドレル
の中心線と繊維方向とが90°になるようにして2層に
巻き付けることにより、第1の補強層用の巻き付けを行
なった。
【0076】(2)繊維方向がマンドレルの中心線に対
して0°となるようにして上記(1)の第1の補強層用
の巻き付け層の上に巻き付けたときに、マンドレルの全
長に亙って6層になって巻き付かるようにプリプレグ
(A)を裁断し、これをマンドレルの中心線と繊維方向
とが0°になるようにして6層に巻き付けることによ
り、第1のストレート層用の巻き付けを行なった。
【0077】(3)上記(1)の巻き付けによる補強層
用の巻き付けと、同じく上記(2)の巻き付けによるス
トレート層用の巻き付けとを、交互に合計各5回ずつ繰
り返して行なった。
【0078】以上の工程によって、プリプレグ(A)と
プリプレグ(B)とによる合計48層の巻き付け層の巻
き付けを完了した後に、その最外層(=第6のストレー
ト層用の巻き付け層)の上から、幅25mm、厚さ30
mmのPET製テープを3mmピッチで巻き付けた後、
190℃の硬化炉中にて240分の加熱硬化に付した。
【0079】続いてPET製テープを剥ぎ取り、更にマ
ンドレルを抜き取った後、両端部からそれぞれ30mm
をトリミングカットし、長さ2000mm、外径106
mmのロール素管を得た。
【0080】次いで、上記のロール素管を幅70mmに
輪切りにした素管を、150℃、飽和蒸気圧下での60
時間の耐湿熱試験に付した。この耐湿熱試験後の素管の
外観は良好であり、クラック等の発生も無かった。
【0081】比較例1 (1) マトリックス樹脂の調製 成分(A)としてのEP828の45重量部と、成分
(F)としてのEP1002の35重量部と、同じく成
分(F)としてのN775の30重量部との均一混合物
に、成分(E)としてのDICYの6重量部と、同じく
成分(E)としてのDCMUの4重量部を添加し、これ
を混練することにより、60℃のレオメータ粘度が81
0ポイズのエポキシ樹脂組成物からなるマトリックス樹
脂を得た。
【0082】このエポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板
の耐湿熱試験後の吸水率は5.3重量%であり、同じく
耐湿熱試験後の150℃における剛性率の保持率(%)
は、87%である。又、このエポキシ樹脂組成物による
硬化樹脂板のガラス転移温度は140℃である。
【0083】(2) プリプレグの作製 上記のエポキシ樹脂組成物を用いて、実施例1に説明し
たプリプレグの作製と同様の手順により、2種類のプリ
プレグを作製した。
【0084】(3) 繊維強化樹脂製ロールの作製 上記の2種類のプリプレグを使用して、実施例1に説明
した繊維強化樹脂製ロールの作製と同様の手順により、
長さ2000mm、外径106mmのロール素管を得た
後、このロール素管を幅70mmに輪切りにした素管
を、150℃、飽和蒸気圧下での60時間の耐湿熱試験
に付したところ、素管の内周面側にみみず腫れ状のクラ
ックが発生し、又素管内部にも微小クラックが発生し
た。
【0085】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂製ロールは、該樹
脂製ロールを形成している繊維強化樹脂層のマトリック
ス樹脂の特性により、特に優れた耐湿熱特性を具備する
ものである。
【0086】従って本発明の繊維強化樹脂製ロールは、
これにゴム被覆層を設けるときのような高温多湿の厳し
い条件に曝されても十分に耐え得る耐湿熱特性が備えら
れているので、特にゴム被覆層を設けて使用する用途、
例えば新聞用輪転機のインキロールやニップロール等に
使用するときに、その特性を十分に利用し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63:00 Fターム(参考) 4F072 AA04 AB10 AB22 AD08 AD26 AD27 AD28 AD33 AD42 AD44 AD45 AH26 AJ02 AJ03 AK05 AK11 AL16 4F100 AH04A AK01A AK53A AL05A AL06A BA01 DA11 DE01A DG01A DH01A EJ08A GB51 JA05A JA06A JB04A JB16A JD15A JJ10 JK01A YY00A 4F205 AA39C AB22 AD16 AE10 AG03 AG08 AH04 HA02 HA14 HA23 HA33 HA45 HB01 HC02 HC10 HC17 HF01 HF02 HF46 HK04 HK05 HK16 HL03 HL14 HM02 HT02 HT13 HT22 HT27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂
    とする繊維強化樹脂層の複数層が積層してある繊維強化
    樹脂製ロールであって、前記マトリックス樹脂として、
    該マトリックス樹脂をなすエポキシ樹脂組成物による硬
    化樹脂板を150℃、飽和蒸気圧下に60時間放置した
    ときの吸水率が3.5重量%以下のエポキシ樹脂組成物
    を使用してあることを特徴とする繊維強化樹脂製ロー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記マトリックス樹脂として、該マトリ
    ックス樹脂をなすエポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板
    を150℃、飽和蒸気圧下に60時間放置した後の15
    0℃における剛性率(LogG’after)が、放置
    する前の150℃における剛性率(LogG’befo
    re)の0.95以上のエポキシ樹脂組成物を使用して
    あることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂製
    ロール。
  3. 【請求項3】 前記マトリックス樹脂として、該マトリ
    ックス樹脂をなすエポキシ樹脂組成物による硬化樹脂板
    のガラス転移温度が150〜200℃のエポキシ樹脂組
    成物を使用してあることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の繊維強化樹脂製ロール。
  4. 【請求項4】 マトリックス樹脂をなすエポキシ樹脂組
    成物が、常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂
    (A)20〜59重量%と、骨格をなす部分の繰り返し
    単位が下記の化1、化2、化3又は化4のうちの少なく
    とも1つで表示されるエポキシ樹脂(B)25〜50重
    量%と、平均粒径1μm以下の架橋ゴム微粒子変性エポ
    キシ樹脂(C)15〜40重量%と、上記のエポキシ樹
    脂(A)とエポキシ樹脂(B)との混合物に溶解可能な
    熱可塑性樹脂(D)1〜10重量%との混合樹脂(I)
    の100重量部に対して、ジアミノジフェニルスルホン
    (E)20〜50重量部を含有しており、かつ60℃の
    粘度が500〜3000ポイズであることを特徴とする
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の繊維強化樹脂
    製ロール。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  5. 【請求項5】 マトリックス樹脂をなすエポキシ樹脂組
    成物が、常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂
    (A)20〜59重量%と、骨格をなす部分の繰り返し
    単位が下記の化5、化6、化7又は化8のうちの少なく
    とも1つで表示されるエポキシ樹脂(B)25〜50重
    量%と、平均粒径1μm以下の架橋ゴム微粒子変性エポ
    キシ樹脂(C)15〜40重量%と、上記のエポキシ樹
    脂(A)とエポキシ樹脂(B)との混合物に溶解可能な
    熱可塑性樹脂(D)1〜10重量%との混合樹脂(I)
    の100重量部に対して、エポキシ樹脂(B)以外の樹
    脂であって、しかもその軟化点が70℃以上のエポキシ
    樹脂(F)5〜50重量部と、ジアミノジフェニルスル
    ホン(E)20〜50重量部とを含有しており、かつ6
    0℃の粘度が500〜3000ポイズであることを特徴
    とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の繊維強
    化樹脂製ロール。 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】
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