JP2000191660A - 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法

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JP2000191660A
JP2000191660A JP28790599A JP28790599A JP2000191660A JP 2000191660 A JP2000191660 A JP 2000191660A JP 28790599 A JP28790599 A JP 28790599A JP 28790599 A JP28790599 A JP 28790599A JP 2000191660 A JP2000191660 A JP 2000191660A
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弘之 松本
Takafumi Fujii
隆文 藤井
Yasuo Shirasaki
康夫 白崎
Hirokazu Kitayama
弘和 北山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有
し、且つ記録物の耐光及び耐水堅牢度に優れたマゼンタ
色素を提供する。 【解決手段】下記式(1) (式中、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシエチ
ル基、シクロヘキシル基、ジアルキルアミノアルキル基
叉はシアノエチル基を、R2は水素原子、メチル基、エ
チル基、フェノキシ基(置換されていても良い)、スル
ホン酸基叉はカルボキシ基を、X,Yは各々独立して塩
素、水酸基、アルコキシ基、フェノキシ基(スルホン酸
基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基及び水
酸基からなうる群から選択される置換基で置換されてい
ても良い。)、スルホン酸基もしくはカルボキシ基を有
するアルキルアミノ基などを示す)で表される新規アン
トラピリドン化合物又はその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規アントラピリ
ドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェ
ット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録方法
としてインクの各種吐出方式が開発されているが、いず
れもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料
(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うもので
ある。インクジェットプリンタによる記録方法は、記録
ヘッドと被記録材料とが接触しない為、機械音の発生が
なく、またプリンタの小型化、高速化、カラー化が容易
という特長の為、近年急速に普及し、今後も大きな伸長
が期待されている。コンピュータのカラーディスプレイ
上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによ
り、カラ−で記録するには、一般にはイエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色
のインクによる減法混色で表現される。CRTディスプ
レイ等のR、G、Bによる加法混色画像を減法混色画像
によりできるだけ忠実に再現するには、使用する色素、
中でもYMCのインクに使用される色素にはできるだけ
YMCそれぞれの標準に近い色相を有し、且つ鮮明であ
ることが望まれる。又、インク組成物は長期の保存に対
し安定であり、又プリントした画像の濃度が高く、しか
も耐水性、耐光性等の堅牢度に優れている事が求められ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インクジェットプリン
タの用途はOA用小型プリンタから産業用の大型プリン
タにまで拡大されてきており、耐水性及び耐光性等の堅
牢度がこれまで以上に求められている。耐水性について
は多孔質シリカ、カチオン系ポリマー、アルミナゾル又
は特殊セラミックなどのインク中の色素を吸着し得る無
機微粒子をPVA樹脂などとともに紙の表面にコーティ
ングすることにより大幅に改良され、既にインクジェッ
トプリント用の各種コート紙が市販されている。しか
し、耐光性については大幅に改良させる技術は確立され
ておらず、特にYMCKの4原色のうちマゼンタの色素
はもともと耐光性が弱いものが多く、その改良が重要な
課題となっている。
【0004】インクジェット記録用水溶性インクに用い
られるマゼンタ色素の色素骨格としては、特開昭54ー
89811、特開平8−60053及び同8−1437
98等にみられるキサンテン系と、特開昭61−625
62、同62−156168、特開平3−20397
0、特開平7−157698及び特公平7−78190
等にみられるH酸アゾ系が代表的である。しかしキサン
テン系については色相及び鮮明性は非常に優れるが耐光
性は非常に劣る。またH酸アゾ系については色相及び耐
水性は良いものがあるが、耐光性及び鮮明性が劣る。特
開平3−203970のようにこのタイプでは鮮明性及
び耐光性の優れたマゼンタ染料も開発されているが、銅
フタロシアニン系に代表されるシアン染料やイエロー染
料など他の色相の染料に比べ耐光性は依然劣る水準であ
る。
【0005】さらに鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ
の色素骨格としては特開昭59−74173及び特開平
2−16171等にみられるアントラピリドン系がある
が、色相、鮮明性、耐光性、耐水性及び溶解安定性のす
べてを満足させるものは得られていない。本発明は、イ
ンクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記
録物の耐光及び堅牢度が強いマゼンタ色素を提供する事
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に
至ったものである。即ち本発明は、(1)式(1)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1は水素原子、アルキル基、ヒ
ドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又は
ジアルキルアミノアルキル基叉はシアノ低級アルキル基
を、R 2は水素原子、メチル基、エチル基、フェノキシ
基(置換されていても良い)、スルホン酸基叉はカルボ
キシ基を、X,Yは各々独立して塩素、水酸基、アルコ
キシ基、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシ基、
アセチルアミノ基、アミノ基及び水酸基からなる群から
選択される置換基で置換されていても良い。)、スルホ
ン酸基もしくはカルボキシ基を有するモノ又はジアルキ
ルアミノ基、アニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ
基からなる群から選択される1種又は2種の置換基で置
換されていても良い。)、ナフチルアミノ基(ナフチル
基はスルホン酸基で置換されていても良い。)叉はモノ
又はジアルキルアミノアルキルアミノ基を表す。(但
し、R2が水素原子の場合、X、Yのそれぞれが塩素原
子、水酸基及びアニリノ基(スルホン酸基及びカルボキ
シ基からなる群から選択される1種叉は2種の置換基で
置換されていても良い。)から選ばれる基のいずれか1
つの基である場合を除く。))で表される新規アントラ
ピリドン化合物又はその塩、(2)式(2)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1は水素原子叉はアルキル基
を、X,Yは各々独立して塩素、水酸基、アルコキシ
基、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシ基、アセ
チルアミノ基、アミノ基及び水酸基からなる群から選択
される置換基で置換されていても良い。)、スルホン酸
基もしくはカルボキシ基を有するアルキルアミノ基、ア
ニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群か
ら選択される1種叉は2種の置換基で置換されていても
良い。)、ナフチルアミノ基(ナフチル基はスルホン酸
基で置換されていても良い。)叉はジアルキルアミノア
ルキルアミノ基を表す。(但し、X、Yのそれぞれが塩
素原子、水酸基及びアニリノ基(スルホン酸基及びカル
ボキシ基からなる群から選択される1種叉は2種の置換
基で置換されていても良い。)から選ばれる基のいずれ
か1つの基である場合を除く。))で表される(1)に
記載の新規アントラピリドン化合物又はその塩、
【0011】(3)Xがアニリノ基(スルホン酸基及び
カルボキシ基からなる群から選択される1種又は2種の
置換基で置換されていても良い。)またはナフチルアミ
ノ基(ナフチル基はスルホン酸基で置換されていても良
い。)であり、Yが塩素、水酸基、アルコキシ基、フェ
ノキシ基(スルホン酸基、カルボキシ基、アセチルアミ
ノ基、アミノ基、水酸基から選択される置換基で置換さ
れていても良い。)、アニリノ基(スルホン酸基及びカ
ルボキシ基からなる群から選択される1種又は2種の置
換基で置換されていても良い。)、スルホン酸基もしく
はカルボキシ基を有するアルキルアミノ基叉はジアルキ
ルアミノアルキルアミノ基である(1)又は(2)に記
載の新規アントラピリドン化合物又はその塩、(4)R
1が水素原子又はメチル基であり、Xがスルホン酸基及
びカルボキシ基から選択される1種又は2種の置換基で
置換されたアニリノ基であり、Yが水酸基、メトキシ
基、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシ基、アセ
チルアミノ基、アミノ基、水酸基から選択される置換基
で置換されていても良い。)、スルホン酸基を有するア
ニリノ基、またはスルホン酸基もしくはカルボキシ基を
有するアルキルアミノ基叉はジアルキルアミノアルキル
アミノ基である(1)又は(2)に記載の新規アントラ
ピリドン化合物又はその塩、
【0012】(5)R1が水素原子又はメチル基であ
り、Xがカルボキシ基を2つ有するアニリノ基であり、
Yが水酸基、スルホン酸基を2つ有するアニリノ基、ス
ルホン酸基もしくはカルボキシ基を有するアルキルアミ
ノ基叉はジアルキルアミノアルキルアミノ基である
(1)又は(2)に記載の新規アントラピリドン化合物
又はその塩、(6)カルボキシ基を2つ有するアニリノ
基が3,5−ジカルボキシアニリノ基であり、スルホン
酸基もしくはカルボキシ基を有するアルキルアミノ基が
2−スルホエチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ
基、2−カルボキシエチルアミノ基、1−カルボキシエ
チルアミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基叉はジエ
チルアミノプロピルアミノ基である(5)に記載の新規
アントラピリドン化合物又はその塩、(7)Xがスルホ
ン酸基で置換されたナフチルアミノ基であり、Yが塩
素、水酸基、メトキシ基、フェノキシ基(スルホン酸
基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸
基から選択される置換基で置換されていても良い。)、
または、スルホン酸基もしくはカルボキシ基を有するア
ルキルアミノ基である(1)又は(2)に記載の新規ア
ントラピリドン化合物又はその塩、
【0013】(8)R1が水素原子又はメチル基であ
り、Xが3つのスルホン酸基で置換されたナフチルアミ
ノ基であり、Yが塩素、水酸基またはフェノキシ基であ
る(1)又は(2)に記載の新規アントラピリドン化合
物又はその塩、(9)3つのスルホン酸基で置換された
ナフチルアミノ基がスルホン酸基を3,6,8位もしく
は4,6,8位に有する2−ナフチルアミノ基もしくは
1−ナフチルアミノ基である(8)に記載の新規アント
ラピリドン化合物又はその塩、(10)色素成分とし
て、(1)ないし(9)に記載の新規アントラピリドン
化合物又はその塩を含むことを特徴とする水性マゼンタ
インク組成物、(11)有機溶剤を含有する(10)に
記載の水性マゼンタインク組成物、(12)色素成分中
の無機塩の含有量が1重量%以下である(10)又は
(11)に記載の水性マゼンタインク組成物、(13)
インクジェット記録用である(10)ないし(12)の
いずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物、
【0014】(14)インク滴を記録信号に応じて吐出
させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法に
おいて、インクとして(10)ないし(13)のいずれ
か一項に記載の水性マゼンタインクを使用することを特
徴とするインクジェット記録方法、(15)被記録材が
情報伝達用シートである(14)に記載のインクジェッ
ト記録方法、(16)(10)ないし(13)に記載の
水性マゼンタインク組成物を含有する容器、(17)
(16)の容器を有するインクジェットプリンター、
(18)(1)ないし(9)に記載の新規アントラピリ
ドン化合物又はその塩を有する着色体、(19)式
(5)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R1、R2はそれぞれ式(1)にお
けるのと同じ意味を表す。)で表されるアントラピリド
ン化合物、に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の新規アントラピリドン化
合物は、前記式(1)で表される。前記式(1)におい
て、R1のアルキル基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ブチル基等のC1〜C4の
アルキル基があげられる。また、R1におけるヒドロキ
シ低級アルキル基及びシアノ低級アルキル基におけるア
ルキルとしては、例えばエチル、プロピル等が挙げられ
るが、エチルが好ましい。X,Yにおけるアルコキシ基
としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜C4
のアルコキシ基があげられる。スルホン酸基又はカルボ
キシ基を有するアルキルアミノ基におけるアルキルとし
ては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチ
ル等のC1〜C4のアルキルがあげられる。但し、R2
が水素原子の場合、X、Yのそれぞれが塩素原子、水酸
基及びアニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基から
なる群から選択される1種叉は2種の置換基で置換され
ていても良い。)から選ばれる基のいずれか1つの基で
ある場合を除く。
【0018】X,Yにおける、スルホン酸基、カルボキ
シ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基から選択さ
れる置換基で置換されていても良いフェノキシ基として
は、例えば4−スルホフェノキシ基、4−カルボキシフ
ェノキシ基、4−アセチルアミノ−フェノキシ基、4−
アミノフェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基等が
あげられる。
【0019】X,Yにおける、スルホン酸基又はカルボ
キシ基を有するアルキルアミノ基としては、例えば2−
スルホエチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、2
−カルボキシエチルアミノ基、1−カルボキシエチルア
ミノ基、1,2−ジカルボキシエチルアミノ基又はジ
(カルボキシメチル)アミノ基等があげられる。
【0020】X,Yにおける、スルホン酸基及びカルボ
キシ基からなる群から選択される1種又は二種の置換基
で置換されていても良いアニリノ基としては、例えば
2,5−ジスルホアニリノ基、3−スルホアニリノ基、
2−スルホアニリノ基、4−スルホアニリノ基、2−カ
ルボキシ−4−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5
−スルホアニリノ基等があげられる。
【0021】X,Yにおける、スルホン酸基で置換され
ていても良いナフチルアミノ基としては、例えば3,
6,8−トリスルホ−1−ナフチルアミノ基、4,6,
8−トリスルホ−2−ナフチルアミノ基、3,6,8−
トリスルホ−2−ナフチルアミノ基、4,8−ジスルホ
−2−ナフチルアミノ基等があげられる。
【0022】R1,X,Yの好ましい組み合わせとして
は、例えば、R1が水素原子又はメチル基、Xがアニリ
ノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群から選
択される1種又は2種の置換基で置換されていても良
い。)またはナフチルアミノ基(ナフチル基はスルホン
酸基で置換されていても良い。)であり、Yが塩素、水
酸基、アルコキシ基、フェノキシ基(スルホン酸基、カ
ルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基及び水酸基か
らなる群から選択される置換基で置換されていても良
い。)、アニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基か
らなる群から選択される1種又は2種の置換基で置換さ
れていても良い。)、またはスルホン酸基又はカルボキ
シ基を有するアルキルアミノ基である。
【0023】R1,X,Yのより好ましい組み合わせとし
ては、例えば、R1が水素原子又はメチル基、Xがスル
ホン酸基及びカルボキシ基からなる群から選択される1
種又は2種の置換基で置換されたアニリノ基であり、Y
が水酸基、メトキシ基、フェノキシ基(スルホン酸基、
カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基及び水酸基
からなる群から選択される置換基で置換されていても良
い。)、スルホン酸基を有するアニリノ基又はスルホン
酸基もしくはカルボキシ基を有するアルキルアミノ基で
ある。
【0024】R1,X,Yのさらに好ましい組み合わせと
しては、例えば、R1が水素原子又はメチル基、Xがカ
ルボキシ基を2個有するアニリノ基であり、Yが水酸基
及び/又はスルホン酸基を2個有するアニリノ基、また
はスルホン酸基もしくはカルボキシ基を有するアルキル
アミノ基である。また、カルボキシ基を2個有するアニ
リノ基として具体的には3,5−ジカルボキシアニリノ
基が好ましく、スルホン酸基又はカルボキシ基を有する
アルキルアミノ基としては2−スルホエチルアミノ基、
カルボキシメチルアミノ基又は2−カルボキシエチルア
ミノ基が、それぞれ好ましい。
【0025】R1,X,Yの別の好ましい組み合わせとし
ては、例えば、R1が水素原子又はメチル基、Xがスル
ホン酸基で置換されたナフチルアミノ基であり、Yが塩
素、水酸基、メトキシ基、フェノキシ基(スルホン酸
基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸
基から選択される置換基で置換されていても良い。)、
または、スルホン酸基もしくはカルボキシ基を有するア
ルキルアミノ基である。
【0026】R1,X,Yの別のより好ましい組み合わせ
としては、例えば、R1が水素原子又はメチル基、Xが
3個のスルホン酸基で置換されたナフチルアミノ基であ
り、Yが塩素、水酸基またはフェノキシ基である。ま
た、3個のスルホン酸基で置換されたナフチルアミノ基
はスルホン酸基を3,6,8位もしくは4,6,8位に
有する2−ナフチルアミノ基又は1−ナフチルアミノ基
が好ましい。
【0027】本発明の前記式(1)で示される新規アン
トラピリドン化合物の具体例を表1に示す。尚、表1中
(S)はスルホン酸基を、(K)はカルボキシ基を、
(S)または(K)の直前にある数字は各置換基の数を
それぞれ意味する。
【0028】 表1 No. R1 R2 X Y 1 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ Cl 2 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 3 CH3 H 2,5-2(K)-アニリノ Cl 4 CH3 H 2,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 5 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ カルボキシメチルアミノ 6 CH3 H 3.5-2(K)-アニリノ 2−カルボキシエチルアミノ 7 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ 1−カルボキシエチルアミノ 8 CH3 H 3.5-2(K)-アニリノ 1,2−ジカルボキシエチル アミノ 9 CH3 H 3.5-2(K)-アニリノ 1,3−ジカルボキシプロピ ルアミノ 10 CH3 H 2,5-2(K)-アニリノ カルボキシメチルアミノ 11 CH3 H 2,5-2(K)-アニリノ 2−カルボキシエチルアミノ 12 CH3 H 2,5-2(K)-アニリノ 1−カルボキシエチルアミノ
【0029】 R1 R2 X Y 13 CH3 H 2,5-2(K)-アニリノ 1,2−ジカルボキシエチル アミノ 14 CH3 H 2,5-2(K)-アニリノ 1,3−ジカルボキシプロピ ルアミノ 15 CH3 H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ Cl 16 CH3 H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 17 CH3 H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ フェノキシ 18 CH3 H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ メトキシ 19 CH3 H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ Cl 20 CH3 H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 21 CH3 H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ フェノキシ 22 CH3 H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ メトキシ 23 CH3 H 3,6,8-3(S)-1-ナフチルアミノ OH 24 CH3 H 3,6,8-3(S)-1-ナフチルアミノ フェノキシ 25 CH3 H 4,8-2(S)-2-ナフチルアミノ OH 26 CH3 H 2,5-2(S)-アニリノ メトキシ 27 CH3 H 2,5-2(S)-アニリノ フェノキシ
【0030】 R1 R2 X Y 28 CH3 H 2,5-2(S)-アニリノ 4-(S)-フェノキシ 29 CH3 H 2,5-2(S)-アニリノ 4-アセチルアミノ−フェノキ シ 30 CH3 H 2,5-2(S)-アニリノ 4-アミノフェノキシ 31 H H 3,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 32 H H 2,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 33 H H 3,5-2(K)-アニリノ カルボキシメチルアミノ 34 H H 3,5-2(K)-アニリノ 2−カルボキシエチルアミノ 35 H H 3,5-2(K)-アニリノ 1−カルボキシエチルアミノ 36 H H 3,5-2(K)-アニリノ 1,2−ジカルボキシエチル アミノ 37 H H 3,5-2(K)-アニリノ 1,3−ジカルボキシプロピ ルアミノ 38 H H 2,5-2(K)-アニリノ カルボキシメチルアミノ 39 H H 2,5-2(K)-アニリノ 2−カルボキシエチルアミノ 40 H H 2,5-2(K)-アニリノ 1−カルボキシエチルアミノ
【0031】 R1 R2 X Y 41 H H 2,5-2(K)-アニリノ 1,2−ジカルボキシエチル アミノ 42 H H 2,5-2(K)-アニリノ 1,3−ジカルボキシプロピ アミノ 43 H H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ Cl 44 H H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 45 H H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ フェノキシ 46 H H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ メトキシ 47 H H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ Cl 48 H H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 49 H H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ フェノキシ 50 H H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ メトキシ 51 H H 3,6,8-3(S)-1-ナフチルアミノ Cl 52 H H 3,6,8-3(S)-1-ナフチルアミノ OH 53 H H 4,8-2(S)-2-ナフチルアミノ OH
【0032】 R1 R2 X Y 54 C2H5 H 3,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 55 C2H5 H 3,5-2(K)-アニリノ カルボキシメチルアミノ 56 C2H5 H 3,5-2(K)-アニリノ 2−カルボキシエチルアミノ 57 C2H5 H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ Cl 58 C2H5 H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 59 C2H5 H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ Cl 60 C2H5 H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 61 C4H9 H 3,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 62 C4H9 H 3,5-2(K)-アニリノ カルボキシメチルアミノ 63 C4H9 H 3,5-2(K)-アニリノ 2−カルボキシエチルアミノ 64 C4H9 H 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 65 C4H9 H 4,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH
【0033】 R1 R2 X Y 66 CH3 CH3 2,5-2(S)-アニリノ OH 67 H CH3 2,5-2(S)-アニリノ OH 68 CH3 CH3 3,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 69 H CH3 3,5-2(K)-アニリノ 2−スルホエチルアミノ 70 CH3 CH3 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ Cl 71 CH3 CH3 3,6,8-3(S)-2-ナフチルアミノ OH 72 CH3 C2H5 2,5-2(S)-アニリノ OH 73 H C2H5 2,5-2(S)-アニリノ OH 74 CH3 OPh 2,5-2(S)-アニリノ OH 75 H OPh 2,5-2(S)-アニリノ OH
【0034】 R1 R2 X Y 76 H OPhC(CH3)3 2,5-2(S)-アニリノ OH 77 H OPhC(CH3)2C2H5 2,5-2(S)-アニリノ OH 78 H OPhC(CH3)2CH2C(CH3)3 2,5-2(S)-アニリノ OH 79 H SO3H 2,5-2(S)-アニリノ OH 80 H COOH 2,5-2(S)-アニリノ OH 81 C2H5 H 2,5-2(S)-アニリノ OH 82 CH(CH3)2 H 2,5-2(S)-アニリノ OH 83 シクロヘキシル H 2,5-2(S)-アニリノ OH 84 C2H4OH H 2,5-2(S)-アニリノ OH 85 C2H4CN H 2,5-2(S)-アニリノ OH 86 C3H6N(C2H5)2 H 2,5-2(S)-アニリノ OH 87 C2H4N(C2H5)2 H 2,5-2(S)-アニリノ OH 88 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ NHC3H6N(C2H5)2 89 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ NHC2H4N(C2H5)2 90 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ N(CH2COOH)2 91 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ OH 92 CH3 H 3,5-2(K)-アニリノ 2,5-2(S)-アニリノ 注)表中、Phはフェニル基を表す。
【0035】式(1)の化合物を得るには、例えば対応
するアニリン類またはナフチルアミン類1モルと2,
4,6−トリクロロ−s−トリアジン(シアヌルクロラ
イド)0.9〜1.1モルとを水中で、pH3〜6、0
〜10℃、2〜4時間反応させて得られる1次縮合物
に、下記式(5)のアミノアントラピリドン化合物0.
8〜0.9モルを、pH4〜9、50〜70℃、2〜5
時間反応させることにより、Yが塩素原子である化合物
が2次縮合物として得られる。次いで、pH9〜12、
70〜90℃、1〜5時間加水分解することにより、又
は対応するアミン類、フェノール類もしくはメタノール
等のアルコール類を、pH8〜9、90〜100℃、3
〜8時間反応させることにより、3次縮合物としてYが
塩素原子以外の化合物が得られる。なお、縮合の順序は
各種化合物の反応性に応じ、適宜定められ、上記に限定
されない。
【0036】こうして得られる化合物は遊離酸の形で、
あるいはその塩の形で存在する。本発明では遊離酸又は
その塩として、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、
アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩またはアンモ
ニウム塩として使用できる。好ましくはナトリウム塩、
カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタ
ノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノー
ルアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプ
ロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等
のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩があげられ
る。また塩の作り方としては、例えば、上記で得られる
3次縮合物の反応液に食塩を加えて、塩析、濾過するこ
とによってナトリウム塩がウェットケーキとして得られ
る。そのウェットケーキを再び水に溶解後、塩酸を加え
てpHを1〜2に調整して得られる結晶を濾過すれば、
遊離酸(あるいは一部はナトリウム塩のまま)の形で得
られる。更に、その遊離酸の形のウェットケーキを水と
共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、アンモニア水を添加してアルカリ性にすれば、
各々カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩が得られ
る。
【0037】なお、式(5)のアントラピリドン化合物
は、例えば次のようにして得られる。即ち、下記式
(3)で示されるアントラピリドンのブロム体1モルに
5−アセチルアミノ−2−スルホアニリン1.1〜5モ
ルを、DMF等の非プロトン性極性有機溶媒中、炭酸ナ
トリウムのような脱酸剤及び酢酸銅のような銅触媒の存
在下、120〜140℃、2〜5時間、ウルマン反応を
行って縮合し、下記式(4)の化合物が得られる。次い
でアセチル基を硫酸等の強酸の存在下、90〜130℃
で加水分解することにより、一般式(5)のアントラピ
リドン化合物が得られる。
【0038】
【化7】
【0039】(式中、R1、R2は式(1)におけるのと
同じ意味を表す。)
【0040】本発明の水性マゼンタインク組成物は、前
記式(1)及び(2)で表される化合物又はその塩を水
又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶剤(溶解助剤を含
む。以下同様。)を含有する水)に溶解したものであ
る。インクのpHは6〜11程度が好ましい。この水性
インク組成物をインクジェット記録用プリンタに使用す
る場合、色素成分としては金属陽イオンの塩化物、硫酸
塩等の無機物の含有量は少ないものを用いるのが好まし
く、その含有量の目安は例えば、塩化ナトリウムと硫酸
ナトリウムの総含量として1重量%以下である。無機物
の少ない本発明の色素成分を製造するには、例えば逆浸
透膜による通常の方法又は本発明の色素成分の乾燥品あ
るいはウェットケーキを必要な回数だけメタノール及び
水の混合溶媒中で撹拌し、濾過、乾燥する方法で脱塩処
理する操作を繰り返せば良い。
【0041】本発明の水性インク組成物は水を媒体とし
て調製されるが、本発明の化合物又はその塩は該水性イ
ンク組成物中に、好ましくは0.1〜20重量%、より
好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜8重量
%程度含有される。本発明の水性インク組成物にはさら
に水溶性有機溶剤0〜30重量%、インク調製剤0〜5
重量%含有していても良い。
【0042】本発明のインク組成物は、蒸留水等の精製
水に、本発明の化合物又はその塩及び必要により、上記
水溶性有機溶剤、インク調製剤等を添加混合することに
より調製される。また、水と上記水溶性有機溶剤、イン
ク調製剤等との混合物に本発明の化合物又はその塩を添
加、溶解してもよい。また必要ならインク組成物を得た
後で濾過を行い、狭雑物を除去してもよい。
【0043】使用し得る水溶性有機溶剤としては、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノー
ル、第三ブタノール等のC1 〜C4 アルカノール、N,
N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセト
アミド等のカルボン酸アミド、ε−カプロラクタム、N
−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム類、尿素、
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3
−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿
素、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−
ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアル
コール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピ
レングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコ
ール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等のC2 〜C6 アルキレン単位
を有するモノー、オリゴー又はポリアルキレングリコー
ル又はチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1.
2.6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エ
チレングリコールモノメチルーエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アル
コールのC1〜C4 アルキルエーテル、γーブチロラク
トン又はジメチルスルホキシド等があげられる。これら
の有機溶剤は2種以上併用しても良い。
【0044】水と混和可能で有利な有機溶媒としては、
N−メチルピロリジン−2−オン、C2 〜C6 アルキレ
ン単位を有するモノ、ジ又はトリアルキレングリコール
等が挙げられ、好ましいものとしてはモノ、ジ又はトリ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられ、特に、N−メチルピロリ
ジン−2−オン、ジエチレングリコール、ジメチルスル
ホキシドの使用が好ましい。
【0045】インク調製剤は、上記本発明の化合物(色
素成分)を含有する水溶液に所望のインク適性を付与す
る目的で使用されるもので、例えば防腐防黴剤、pH調
整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水
溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤などがあげ
られる。防腐防黴剤としては、例えばデヒドロ酢酸ソー
ダ、ソルビン酸ソーダ、2ピリジンチオール−1−オキ
サイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロ
フェノールナトリウム等があげられる。pH調整剤とし
ては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インク
のpHを6〜11の範囲に制御できるものであれば任意
の物質を使用することができる。その例として、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノー
ルアミン、水酸酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどのアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化
アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙
げられる。キレート試薬としては、例えばエチレンジア
ミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒ
ドロキシチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエ
チレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナ
トリウムなどがあげられる。防錆剤としては、例えば、
酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸
アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四
硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニ
ウムニトライトなどがあげられる。
【0046】本発明のインクジェット記録方法の被記録
材としては例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、
繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シートについ
ては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材に
インク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層
は、例えば上記基材にカチオンポリマーを含浸あるいは
塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾル
や特殊セラミックス等のインク中の色素を吸着し得る無
機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニールピロリ
ドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工する
ことにより設けられる。このようなインク受容層を設け
たものは通常インクジェット専用紙(フィルム)や光沢
紙(フィルム)と呼ばれ、例えばピクトリコ(旭硝子社
製)、カラーBJペーパー、カラーBJフォトフィルム
シート(いずれもキャノン社製)、カラーイメージジェ
ット用紙(シャープ社製)、スーパーファイン専用光沢
フィルム(セイコーエプソン社製)ピクタファイン(日
立マクセル社製)等が挙げられる。なお、普通紙にも利
用できることはもちろんである。
【0047】また繊維についてはナイロン、絹及びウー
ル等のポリアミド繊維が好ましく、不織布や布状のもの
が好ましい。これらの繊維については、本発明のインク
組成物を該繊維に付与した後、好ましくはインクジェッ
ト方法により付与した後、湿熱(例えば約80〜120
℃)あるいは乾熱(例えば約150〜180℃)の固着
工程を加えることで該繊維内部に色素を染着させること
ができ、鮮明性、耐光性及び耐洗濯性に優れた染色物を
得ることができる。
【0048】本発明の容器は上記の水性マゼンタインク
組成物を含有する。また、本発明のインクジェットプリ
ンターは、この水性マゼンタインク組成物を含有する本
発明の容器がインクタンク部分にセットされたものであ
る。さらに、本発明の着色体は、上記の式(1)及び
(2)で表される新規アントラピリドン化合物又はその
塩で、好ましくは上記の水性マゼンタインク組成物で着
色されたものである。
【0049】本発明の水性インク組成物は、鮮明で、理
想に近いマゼンタ色であり、他のイエロー、シアンのイ
ンクと共に用いる事で、広い可視領域の色調を色出しす
る事ができ、かつ耐光性及び耐水性の優れた既存のイエ
ロー、シアン、ブラックと共に用いることで耐光性及び
耐水性に優れた記録物を得ることができる。
【0050】
【実施例】以下に本発明を更に実施例により具体的に説
明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別
の記載のない限り重量基準である。
【0051】実施例1 (1)N,N−ジメチルホルムアミド450部中に、撹
拌しながら式(3)の化合物(R1=CH3、R2=H)
51.0部、炭酸ソーダ23.9部、酢酸第二銅・一水
和物18.0部及び5−アセチルアミノ−2−スルホア
ニリン114.0部を順次仕込み、昇温する。130〜
135℃の温度にて3時間反応を行う。次いで、冷却
し、20℃にて30分撹拌後濾過し、メタノール300
部で洗浄後、乾燥して、式(4)の化合物(R1=C
3、R2=H)62.9部を赤色結晶として得る。
【0052】次に、水471部中に、冷却下96%硫酸
513部を滴下し、50%硫酸を調製し、No.1の化
合物61.3部を添加する。熱上げし、還流下(123
℃)3時間反応を行う。水冷下(約25℃)、1時間撹
拌後ろ過、水120部で洗浄し、赤色のウェットケーキ
を得る。このウェットケーキを、水2000部、24%
苛性ソーダ80部の混合液中に、撹拌下徐々に添加す
る。室温にて1時間撹拌後ろ過して少量の不溶解分をろ
別する。撹拌下、母液に食塩100部を添加する。1時
間室温にて撹拌後、ろ過、乾燥して、式(5)の化合物
(R1=CH3、R 2=H)50.2部を赤色結晶として得
る。λmax:523nm(アンモニア水溶液中)
【0053】(2)氷水200部にリパールOH(商品
名、アニオン界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2
5部を加え、溶解後シアヌルクロライド12.0部を添
加し、30分撹拌する。次に、5−アミノ−イソフター
ル酸ナトリウム塩(純度97.9%)15.5部を8〜
10℃にて添加し、その温度で10%苛性ソーダ水溶液
を滴下しながら、pHを5.7〜6.3に保ち、4時間
1次縮合反応を行い、シアヌルクロライドと5−アミノ
−イソフタール酸の1次縮合物を含有する反応液を得
る。
【0054】(3)(2)の反応液中に(1)で得られ
た式(5)の化合物23.5部を加え、昇温する。60
〜65℃の温度で、10%苛性ソーダ水溶液を滴下しな
がら、pHを7.2〜7.8に保ち、1時間反応を行
う。次に、pHを8.2〜8.8に1時間保った後、ろ
過して少量の不溶解分をろ別してNo.1の化合物を含
有する反応液を得る。
【0055】(4)(3)の反応液中にタウリン16.
5部を加え、昇温する。98℃の温度で、10%苛性ソ
ーダ水溶液を滴下しながら、pHを9.0に保ち、2時
間反応を行う。60〜65℃に保ちながら濃塩酸を添加
し、pHを2に調整して60〜65℃にて撹拌する。1
時間後結晶をろ別し、約60℃の湯250部で洗浄し
て、No.2の化合物を赤色ウェットケーキとして得
る。
【0056】(5)(4)で得られるウェットケーキ
を、メタノール1500部中に加え、60〜65℃に加
熱、撹拌し1時間保持した後、濾過、メタノールで洗
浄、乾燥し、No.2の化合物42.0部を赤色結晶と
して得る。λmax:523nm(水溶液中、アンモニウ
ム塩),水に対する溶解度:100g/l以上
【0057】実施例2 (1)実施例1の(1)〜(3)と同様にして得られる
No.1の化合物を含有する反応液中に、グリシン7
5.0部を加え、昇温する。95〜97℃の温度で、1
0%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、pHを9.0に
保ち、2時間反応を行う。濾過を行い少量の不溶解物を
除去した後、母液を60〜65℃に加熱、撹拌しなが
ら、濃塩酸を加え、pHを1.5に調整して結晶を析出
させる。1時間撹拌後濾過、水洗してNo.5の化合物
のウェットケーキを得る。
【0058】(2)(1)で得られるウェットケーキを
実施例1(5)と同様に処理して、No.5の化合物3
5.0部を赤色結晶として得る。λmax:522nm
(水溶液中、アンモニウム塩),水に対する溶解度:1
00g/l以上
【0059】実施例3 (1)氷水75部にリパールOH 0.1部を加え、溶
解後シアヌルクロライド2.0部を添加し、30分撹拌
する。次に、2−ナフチルアミン−3,6,8トリスル
ホン酸(スルホアミノG酸)(純度65.8%)7.1
部を5〜10℃にて添加し、その温度で10%苛性ソー
ダ水溶液を滴下しながら、pHを4.0〜5.0に保
ち、2時間1次縮合反応を行い、濾過を行い少量の不溶
解物を除去して、シアヌルクロライドと2−ナフチルア
ミン−3,6,8トリスルホン酸の1次縮合物を含有す
る反応液を得る。
【0060】(2)(1)の反応液中に実施例1(1)
(2)と同様にして得られる式(5)の化合物(R1=C
3、R2=H)4.7部を加え、昇温する。60〜65℃
の温度で、10%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、p
Hを4〜5に保ち、1時間反応を行う。次に、pHを
6.5〜7.0に1時間保った後、ろ過して少量の不溶
解分をろ別してNo.15の化合物を含有する反応液を
得る。水を加えて液量を250部として、60〜65℃
に加熱する。食塩50部を添加して撹拌を行う。約30
分後、結晶が析出する。1時間撹拌後、濾過し、10%
食塩水溶液100部で洗浄、乾燥してNo.15の化合
物のナトリウム塩8.9部を赤色結晶として得る。λma
x:527nm(水溶液),水に対する溶解度:100
g/l以上
【0061】実施例4 (A)インクの作製 実施例1ないし3でそれぞれ得られたNo.2、No.
5及びNo.15のアントラピリドン化合物(色素成
分)を含む下記表2の組成の液体を調製し、0.45μ
mのメンブランフィルターでろ過することにより各イン
クジェット用水性インク組成物を得た。
【0062】 表2 色素成分 4.0部 (脱塩処理したものを使用) 水 77.0部 グリセリン 5.0部 尿素 5.0部 N−メチル−2−ピロリドン 4.0部 IPA(イソプロピルアルコール) 3.0部 ブチルカルビトール 2.0部 計 100.0部
【0063】(B)インクジェットプリント インクジェットプリンタ(商品名 NEC社PICTY
80L)を用いて、普通紙(プリンタペーパーA4 T
LB5A4S(キャノン社製))、専用紙A(Colo
r BJ Paper LC101(キャノン社
製))、専用紙B(カラーイメージジェット用コート紙
STX73A4(シャープ製))、光沢フィルム(専
用光沢フィルム MJA4SP6(セイコーエプソン社
製))の4種の被記録材料にインクジェット記録を行っ
た。
【0064】(C)記録画像の評価 色相評価 記録画像の色相、鮮明性:記録紙を測色システム(GR
ETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて測
色し、L 、a 、b 値を算出。色相はJNC
(社団法人 日本印刷産業機械工業会)のJAPAN
Colorの標準マゼンタのカラーサンプルとの比較、
鮮明性はC =((a2+(b 21/2で評価
した。次に、JNCのJAPAN Colorの標準マ
ゼンタのカラーサンプルの色相を表3に示す。
【0065】 ※ 紙はJapan Color Standard Paper
【0066】 耐光試験 カーボンアークフェードメーター(スガ試験機社製)を
用い、記録画像に20時間照射した。判定級は、JIS
L−0841に規定されたブルースケールの等級に準
じて判定するとともに、上記の測色システムを用いて試
験前後の色差(ΔE)を測定した。 耐水試験 水を張ったビーカー中に記録紙を入れ、2分間撹拌した
後取り出し風乾し、試験前後の変化をJIS変褪色グレ
ースケールで判定するとともに、上記の測色システムを
用いて試験前後の色差を測定した。
【0067】本発明、実施例1ないし3の水性マゼンタ
インク組成物の記録画像の色相、鮮明性、耐光性及び耐
水試験結果を表4に示す。
【0068】 表4 色相 鮮明性 耐光性 耐水性 実施例 L* a* b* (C*) 判定値(ΔE) 判定値(ΔE) 1 普通紙 55.8 59.2 -1.6 59.2 4級(3.7) 3-4級(8.6) 専用紙A 54.7 67.4 -2.7 67.5 3級(11.1) 4級(2.2) 専用紙B 51.2 75.5 1.6 75.5 3-4級(7.2) 3-4級(5.5) 光沢フィルム 50.6 81.2 -6.6 81.5 4級(3.6) 4級(3.5) 2 普通紙 56.8 59.2 -2.4 59.2 3-4級(8.7) 3-4級(6.3) 専用紙A 54.2 67.1 -2.9 67.2 3級(14.1) 4級(2.4) 専用紙B 50.2 74.9 1.0 74.9 3級(12.4) 4級(4.5) 光沢フィルム 49.5 81.9 -5.3 82.1 3-4級(10.6) 4級(4.6) 3 普通紙 58.7 59.1 4.5 59.3 3-4級(8.0) 1級(58.6) 専用紙A 54.7 68.5 1.9 68.5 2級(21.3) 4級(1.3) 専用紙B 54.5 75.0 9.8 75.6 3-4級(8.9) 2級(19.3) 光沢フィルム 55.3 79.6 4.4 79.7 4級(2.8) 4級(3.8)
【0069】本発明のアントラピリドン色素はJNC標
準マゼンタの色相及び鮮明性に近似しており、インクジ
ェット用マゼンタ色素として適した色素である。また、
専用紙に対する耐光性、耐水性も良好である。さらに、
実施例1,2と3の対比から、X成分及び/またはY成
分がカルボキシル基を有する成分の場合、普通紙におけ
る耐水性が大幅に向上している。さらに実施例1ないし
3でそれぞれ得られたNo.2、No.5及びNo.1
5の色素は、アルカリ性条件下(pH=8〜9)におけ
る水に対する溶解性が100g/l以上であり、インク
ジェット用の色素として安定なインクの作製が可能であ
り、又高濃度のインクの作製も可能であることから使用
用途も広く使いやすい色素である。
【0070】実施例5 実施例1の(1)〜(3)と同様にして得られるNo.
1の化合物を含有する反応液中にβ−アラニン8.9部
を加え昇温する。90〜95℃の温度で、10%苛性ソ
ーダ水溶液を滴下しながらpHを9.0に保ち、1.5
時間反応を行なう。次いでpHを10.0に保ち、1時
間反応を行ない、反応を完結させる。濾過を行ない、少
量の不溶解物を除去した後、母液を60〜65℃に加
熱、攪拌しながら、食塩を総液量に対して20重量%を
添加し、次いで濃塩酸を加えてpH1.5に調整して結
晶を析出させる。1時間攪拌後、濾過、250部の水で
洗浄、次いで250部のメタノールで洗浄後乾燥させ、
No.7の化合物37.0部を赤色結晶として得る。λ
max:521nm(水溶液中、アンモニウム塩)
【0071】実施例6 (1)実施例1の(1)〜(3)と同様にして得られる
No.1の化合物を含有する反応液に、反応液に対して
15重量%の食塩を添加して、塩析を行ない、室温にて
30分間攪拌後、濾過してNo.1の化合物のケーキを
得る。 (2)(1)で得られたケーキを、水500部と共に攪
拌し、次いでL−アスパラギン酸20.0部を添加して
90〜95℃の温度にてpH9.5に保ち6時間反応さ
せる。濾過を行ない、少量の不溶解物を除去した後、母
液を60〜65℃に加熱、攪拌しながら、濃塩酸を加え
てpHを1.5に調整し、1時間攪拌を行なう。得られ
た結晶を濾過し、赤色のウェットケーキが得られる。 (3)(2)で得られるウェットケーキ175部を、メ
タノール800部と共に還流下、加熱処理を1時間行な
い、濾過、メタノール洗浄、乾燥してNo.8の化合物
21.2部を赤色結晶として得る。λmax:523n
m(水溶液中、アンモニウム塩)
【0072】実施例7 (1)実施例6の(1)と同様にして得られるNo.1
の化合物のウェットケーキを水600部と共に攪拌、加
熱し、85〜90℃に保つ。イミノジ酢酸20.0部を
添加し、10%苛性ソーダ水溶液を加えながらpHを1
0.0に2.5時間保持し、反応を完結させる。濾過し
て、少量の不溶解物を除去した後、母液を65〜70℃
に加熱し、次いで総液量に対して15重量%の食塩を添
加、次いで濃塩酸を添加してpHを2に調整する。1時
間攪拌後得られる結晶を濾過し、No.90の化合物を
含むウェットケーキを得る。 (2)(1)で得られるウェットケーキをメタノール5
00部及び水300部と共に攪拌、65℃に加熱し、1
時間後濾過、メタノール洗浄、乾燥して、No.90の
化合物42.5部を赤色結晶として得る。λmax:5
22nm(水溶液中、アンモニウム塩)
【0073】実施例8 (1)実施例6の(1)と同様にして得られるNo.1
の化合物のウェットケーキを水800部と共に攪拌、8
0〜85℃に加熱し、次いで2−ジエチルアミノ−エチ
ルアミン10.2部を添加し、10%苛性ソーダ水溶液
を加えながらpHを10に調整しながら2時間反応を行
なう。反応液を濾過し、少量の不溶解物を除去後、母液
を攪拌しながら濃塩酸を添加し、pHを1.5に調整し
て結晶を析出させる。70℃にて30分攪拌後、濾過し
てNo.89の化合物のウェットケーキを得る。 (2)(1)で得られるウェットケーキを水800部と
共に攪拌、加熱して65〜70℃にて1時間保持する。
濾過、湯洗、乾燥して、No.89の化合物26.1部
を赤色結晶として得る。λmax:525nm(水溶液
中、アンモニウム塩)
【0074】実施例9 実施例1の(1)〜(3)と同様にして得られるNo.
1の化合物を含有する反応液に、3−ジエチルアミノ−
プロピルアミン11.4部を添加し、80〜85℃に加
熱、攪拌する。10%苛性ソーダ水溶液を添加しながら
pHを10に調整し、2時間反応を行なう。反応液を濾
過して少量の不溶解物を除去して、母液を50〜60℃
に加熱し、攪拌下、濃塩酸を添加して、pHを2に調整
し、結晶を析出させる。30分間攪拌後、濾過し、湯
洗、乾燥して、No.33の化合物42.0部を赤色結
晶として得る。λmax:524nm(水溶液中、アン
モニウム塩)
【0075】
【発明の効果】本発明の新規アントラピリドン化合物は
極めて水溶解性に優れ、水溶液は経時安定性が良く、又
インク組成物製造過程でのメンブランフィルターに対す
る濾過性が良好という特徴を有する。更に、この化合物
は生体に対する安全性も高い。この新規アントラピリド
ン化合物を使用した本発明のインク組成物は長期間保存
後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性
が良好である。又、本発明のインク組成物をインクジェ
ット記録用のマゼンタインクとして使用した印刷物は耐
光性及び耐水性に優れ、イエロー、シアン及びブラック
染料と共に用いることで耐光性及び耐水性に優れたイン
クジェット記録が可能である。更に印刷面は鮮明で理想
に近いマゼンタ色であり、他のイエロー、シアンのイン
クと共に用いる事で、広い可視領域の色調を色出しする
事ができる。このように、本発明のインク組成物はイン
クジェット記録用のマゼンタインクに極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/00 C09D 11/00

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級
    アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルア
    ミノアルキル基叉はシアノ低級アルキル基を、R 2は水
    素原子、メチル基、エチル基、フェノキシ基(置換され
    ていても良い)、スルホン酸基叉はカルボキシ基を、
    X,Yは各々独立して塩素、水酸基、アルコキシ基、フ
    ェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシ基、アセチルア
    ミノ基、アミノ基及び水酸基からなる群から選択される
    置換基で置換されていても良い。)、スルホン酸基もし
    くはカルボキシ基を有するモノ又はジアルキルアミノ
    基、アニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基からな
    る群から選択される1種又は2種の置換基で置換されて
    いても良い。)、ナフチルアミノ基(ナフチル基はスル
    ホン酸基で置換されていても良い。)叉はモノ又はジア
    ルキルアミノアルキルアミノ基を表す。(但し、R2
    水素原子の場合、X、Yのそれぞれが塩素原子、水酸基
    及びアニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基からな
    る群から選択される1種叉は2種の置換基で置換されて
    いても良い。)から選ばれる基のいずれか1つの基であ
    る場合を除く。))で表される新規アントラピリドン化
    合物又はその塩。
  2. 【請求項2】式(2) 【化2】 (式中、R1は水素原子叉はアルキル基を、X,Yは各
    々独立して塩素、水酸基、アルコキシ基、フェノキシ基
    (スルホン酸基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、ア
    ミノ基及び水酸基からなる群から選択される置換基で置
    換されていても良い。)、スルホン酸基もしくはカルボ
    キシ基を有するアルキルアミノ基、アニリノ基(スルホ
    ン酸基及びカルボキシ基からなる群から選択される1種
    叉は2種の置換基で置換されていても良い。)、ナフチ
    ルアミノ基(ナフチル基はスルホン酸基で置換されてい
    ても良い。)叉はジアルキルアミノアルキルアミノ基を
    表す。(但し、X、Yのそれぞれが塩素原子、水酸基及
    びアニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基からなる
    群から選択される1種叉は2種の置換基で置換されてい
    ても良い。)から選ばれる基のいずれか1つの基である
    場合を除く。))で表される請求項1に記載の新規アン
    トラピリドン化合物又はその塩。
  3. 【請求項3】Xがアニリノ基(スルホン酸基及びカルボ
    キシ基からなる群から選択される1種又は2種の置換基
    で置換されていても良い。)またはナフチルアミノ基
    (ナフチル基はスルホン酸基で置換されていても良
    い。)であり、Yが塩素、水酸基、アルコキシ基、フェ
    ノキシ基(スルホン酸基、カルボキシ基、アセチルアミ
    ノ基、アミノ基、水酸基から選択される置換基で置換さ
    れていても良い。)、アニリノ基(スルホン酸基及びカ
    ルボキシ基からなる群から選択される1種又は2種の置
    換基で置換されていても良い。)、スルホン酸基もしく
    はカルボキシ基を有するアルキルアミノ基叉はジアルキ
    ルアミノアルキルアミノ基である請求項1又は2に記載
    の新規アントラピリドン化合物又はその塩。
  4. 【請求項4】R1が水素原子又はメチル基であり、Xが
    スルホン酸基及びカルボキシ基から選択される1種又は
    2種の置換基で置換されたアニリノ基であり、Yが水酸
    基、メトキシ基、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボ
    キシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基から選択
    される置換基で置換されていても良い。)、スルホン酸
    基を有するアニリノ基、またはスルホン酸基もしくはカ
    ルボキシ基を有するアルキルアミノ基叉はジアルキルア
    ミノアルキルアミノ基である請求項1又は2に記載の新
    規アントラピリドン化合物又はその塩。
  5. 【請求項5】R1が水素原子又はメチル基であり、Xが
    カルボキシ基を2つ有するアニリノ基であり、Yが水酸
    基、スルホン酸基を2つ有するアニリノ基、スルホン酸
    基もしくはカルボキシ基を有するアルキルアミノ基叉は
    ジアルキルアミノアルキルアミノ基である請求項1又は
    2に記載の新規アントラピリドン化合物又はその塩。
  6. 【請求項6】カルボキシ基を2つ有するアニリノ基が
    3,5−ジカルボキシアニリノ基であり、スルホン酸基
    もしくはカルボキシ基を有するアルキルアミノ基が2−
    スルホエチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、2
    −カルボキシエチルアミノ基、1−カルボキシエチルア
    ミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基叉はジエチルア
    ミノプロピルアミノ基である請求項5に記載の新規アン
    トラピリドン化合物又はその塩。
  7. 【請求項7】Xがスルホン酸基で置換されたナフチルア
    ミノ基であり、Yが塩素、水酸基、メトキシ基、フェノ
    キシ基(スルホン酸基、カルボキシ基、アセチルアミノ
    基、アミノ基、水酸基から選択される置換基で置換され
    ていても良い。)、または、スルホン酸基もしくはカル
    ボキシ基を有するアルキルアミノ基である請求項1又は
    2に記載の新規アントラピリドン化合物又はその塩。
  8. 【請求項8】R1が水素原子又はメチル基であり、Xが
    3つのスルホン酸基で置換されたナフチルアミノ基であ
    り、Yが塩素、水酸基またはフェノキシ基である請求項
    1又は2に記載の新規アントラピリドン化合物又はその
    塩。
  9. 【請求項9】3つのスルホン酸基で置換されたナフチル
    アミノ基がスルホン酸基を3,6,8位もしくは4,
    6,8位に有する2−ナフチルアミノ基もしくは1−ナ
    フチルアミノ基である請求項8に記載の新規アントラピ
    リドン化合物又はその塩。
  10. 【請求項10】色素成分として、請求項1ないし9のい
    ずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩
    を含むことを特徴とする水性マゼンタインク組成物。
  11. 【請求項11】有機溶剤を含有する請求項10に記載の
    水性マゼンタインク組成物。
  12. 【請求項12】色素成分中の無機塩の含有量が1重量%
    以下である請求項10又は11に記載の水性マゼンタイ
    ンク組成物。
  13. 【請求項13】インクジェット記録用である請求項10
    ないし12のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク
    組成物。
  14. 【請求項14】インク滴を記録信号に応じて吐出させて
    被記録材に記録を行うインクジェット記録方法におい
    て、インクとして請求項10ないし13のいずれか一項
    に記載の水性マゼンタインクを使用することを特徴とす
    るインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】被記録材が情報伝達用シートである請求
    項14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】請求項10ないし13に記載の水性マゼ
    ンタインク組成物を含有する容器。
  17. 【請求項17】請求項16の容器を有するインクジェッ
    トプリンター。
  18. 【請求項18】請求項1ないし9に記載の新規アントラ
    ピリドン化合物又はその塩を有する着色体。
  19. 【請求項19】式(5) 【化3】 (式中、R1、R2はそれぞれ式(1)におけるのと同じ
    意味を表す。)で表されるアントラピリドン化合物。
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