JP2000190468A

JP2000190468A - 画像形成装置

Info

Publication number: JP2000190468A
Application number: JP36865498A
Authority: JP
Inventors: Makoto Goto; 誠後藤
Original assignee: Brother Industries Ltd
Current assignee: Brother Industries Ltd
Priority date: 1998-12-25
Filing date: 1998-12-25
Publication date: 2000-07-11

Abstract

(57)【要約】【課題】液冷とすることで、空冷とする場合よりも高
い熱交換能力を確保して、中間転写ベルトの温度調整を
速やかにできる画像形成装置を提供する。【解決手段】液体温度制御装置１６によって所望の温
度に維持された液体媒体を、液体循環装置１５にて、ベ
ルト駆動ローラ３の内部の液体媒体通路を循環させ、ベ
ルト駆動ローラ３の外周部の温度を所望の温度に保持す
る。ベルト駆動ローラ３が中間転写ベルト２の裏面に接
触し、中間転写ベルト２とベルト駆動ローラ３との間で
の熱交換により、中間転写ベルト２の転写面側の温度
を、所望の温度に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融インクに
て中間転写ベルト上に中間転写像を形成し、該中間転写
像を記録媒体に転写する画像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、画像形成手段にて、加熱溶融
インクを用いて、中間転写媒体としての筒状の中間転写
ドラムのドラム表面（転写面）上に中間転写像を形成
し、その中間転写ドラムに形成された中間転写像を、転
写手段にて記録媒体に転写する画像形成装置は知られて
いる。

【０００３】このような画像形成装置においては、中間
転写ドラムのドラム表面（転写面）の温度は、輻射ヒー
タによる加熱、画像形成に用いられる加熱溶融インクの
インク熱、及び中間転写ドラムの内周部に設けた冷却フ
ィンによる冷却（空冷）により、中間転写に好ましい設
定温度に調整されるようになっている。

【０００４】ところで、中間転写ドラムに代えて、中間
転写ベルトを用いたものも知られている。このようなも
のにおいても、中間転写ベルトのベルト表面（転写面）
の温度を、中間転写に好ましい設定温度に調整する必要
がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中間転
写ベルトを用いる場合にも、中間転写ドラムの場合と同
様に、温度調整をしようとすると、中間転写ドラムのよ
うな冷却フィンを設けることができず、また、空冷のた
めに必要である空気が通過するために十分な通路断面積
を有する空気通路を確保することが困難で、中間転写ベ
ルトの温度が高くなってしまう。よって、中間転写ドラ
ムの場合と同様の手法で、中間転写ベルトのベルト表面
（転写面）の温度を、中間転写に好ましい設定温度に調
整するは困難である。

【０００６】ところで、このような画像形成装置におい
ては、画像形成の際に、中間転写ベルト上に、融点を超
える温度の加熱溶融インクが載せられるため、そのイン
ク熱により中間転写ベルトの温度が上昇するのである
が、このような中間転写ベルトの温度の上昇は、単位時
間当たりの印刷枚数が少ない場合はあまり問題とならな
いが、近年の高速印刷の要求により、単位時間の印刷枚
数が多くなると、インクが大量に載せられるため、中間
転写ベルトの温度が急激に上昇するようになり、大幅な
冷却能力不足となり、中間転写ベルトの温度が高くな
る。

【０００７】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、液体媒体を用いた液冷とすることで、空冷とする場
合よりも高い熱交換能力を確保して、中間転写ベルトの
温度調整を速やかにできる画像形成装置を提供すること
を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、加熱
溶融インクを用いて画像を形成する画像形成手段と、該
画像形成手段にて中間転写像が形成される中間転写ベル
トと、該中間転写ベルトに形成された中間転写像を記録
媒体に転写する転写手段とを備える画像形成装置におい
て、前記中間転写ベルトにて囲まれる空間内に配設さ
れ、内部に液体媒体通路が形成され、前記中間転写ベル
トの裏面に接触する温度調整部材と、前記液体媒体通路
へ液体媒体を循環させる液体媒体循環手段と、前記液体
媒体を所望の温度に維持するための液体媒体温度維持手
段とを備えるものである。

【０００９】請求項１の発明によれば、液体媒体温度維
持手段によって所望の温度に維持された液体媒体が、液
体媒体循環手段にて、温度調整部材の内部の液体媒体通
路を循環せしめられ、温度調整部材の温度がほぼ一定の
設定温度に保持される。よって、温度調整部材が中間転
写ベルトの裏面に接触していることから、中間転写ベル
トの表面温度が、中間転写ベルトと温度調整部材との間
で行われる熱交換によって調整される。つまり、中間転
写ベルトの表面温度が、加熱溶融インクが大量に載せら
れて温度調整部材よりも高くなる場合には液体媒体の温
度まで冷却され、加熱溶融インクが少量しか載せられ
ず、装置内温度まで低下している場合には液体媒体の温
度まで加熱され、液体媒体の温度に近い温度に調整され
る。

【００１０】特に、熱容量が大きい水などの液体媒体を
用いているので、大きな熱交換能力が得られて温度調整
部材が非常に強力なヒートシンクとなり、温度調整が速
やかに行われ、中間転写ベルトが高速走行していても、
きわめて短時間のうちに所望の温度とされる。

【００１１】請求項２の発明は、請求項１の画像形成装
置において、前記温度調整部材が、前記画像形成手段に
て中間転写像が形成される部位から前記転写手段にて記
録媒体に転写する部位に至るまでの間に配設され、前記
中間転写ベルトが巻き掛けられるベルトローラである。
ここで、ベルトローラには、ベルトに関与するローラが
すべて含まれるが、特に、ベルトが巻き掛けられるベル
ト駆動ローラやベルト従動ローラ（例えばテンションロ
ーラ）は、ベルトの巻き掛け長さ（ベルト接触面積）が
大きく、熱交換能力が高くなることから、これらを用い
ることが望ましい。

【００１２】請求項２の発明によれば、温度調整部材
が、中間転写ベルトが巻き掛けられるベルトローラであ
り、中間転写ベルトがベルトローラと接触している間に
熱交換が行われ、中間転写ベルトが所望の温度とされ、
中間転写ベルトに中間転写像を形成している加熱溶融イ
ンクが軟化され、記録媒体への転写が可能な状態とされ
る。

【００１３】請求項３の発明は、請求項２の画像形成装
置において、前記ベルトローラが、外周面に中間転写ベ
ルトが巻き掛けられる中空のローラ部材と、該ローラ部
材に同軸状に挿通され液体媒体を導入するための液体媒
体通路を有する筒状部材とを有し、前記ローラ部材と筒
状部材との間に、液体媒体を排出するための液体媒体通
路が形成されているものである。

【００１４】請求項３の発明によれば、筒状部材の液体
媒体流路を通じて、所望の温度に調整された液体媒体が
ローラ部材内に導入され、ローラ部材と筒状部材との間
の液体媒体流路を通じて前記液体媒体が排出される際
に、ローラ部材とその外周面に巻き掛けられている中間
転写ベルトとが相互に接触していることから、熱交換に
よりベルト表面の温度が所望の温度に調整される。

【００１５】請求項４の発明は、請求項１の画像形成装
置において、前記温度調整部材が、前記画像形成手段に
て前記中間転写ベルトに中間転写像が形成されるときに
前記中間転写ベルトを裏面側から支持する第１のベルト
支持台である。

【００１６】請求項４の発明によれば、第１のベルト支
持台が、中間転写ベルト及び該中間転写ベルトに形成さ
れた中間転写像を所望の温度に冷却するヒートシンクと
して機能し、それらが所望の温度とされることで、加熱
溶融インクにて中間転写像を形成した後すぐに加熱溶融
インクが固化し、中間転写ベルト上の中間転写像に乱れ
が生じないようにされる。

【００１７】請求項５の発明は、請求項１の画像形成装
置において、前記温度調整部材が、前記記録媒体に中間
転写像を転写した後に、前記中間転写ベルトを裏面側か
ら支持する第２のベルト支持台である。

【００１８】請求項５の発明によれば、第２のベルト支
持台が、記録媒体に中間転写像を転写した後の記録媒体
を所望の温度に冷却するヒートシンクとして機能し、そ
れが所望の温度とされることで、記録媒体上の加熱溶融
インクが固化し、中間転写ベルトのベルト表面に対する
記録媒体の付着能力が低下し、中間転写ベルトからの記
録媒体の分離性が高められる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。

【００２０】図１は本発明に係る圧力転写タイプの画像
形成装置の主要構成を模式的に示す説明図、図２は図１
のベルト駆動ロールの概略断面図である。

【００２１】図１に示すように、画像形成装置１におい
ては、外周面が転写面２ａとなる中間転写ベルト２（例
えば、ポリイミドベルト、ステンレスベルト）が、一定
の間隔を存して配置されたベルト駆動ローラ３と、ベル
ト従動ローラであるテンションローラ４との間に巻き掛
けられている。ベルト駆動ローラ３は図示しない駆動モ
ータによって回転可能であり、テンションローラ４は、
中間転写ベルト２のテンションを調整するために、前記
ベルト駆動ローラ３との軸間距離が調整可能に設けられ
ている。

【００２２】前記中間転写ベルト２の上側走行部分にお
いては、前記中間転写ベルト２の転写面２ａに対向する
ように４つのインクジェットヘッド５ａ，５ｂ，５ｃ，
５ｄが並列に設けられている。前記インクジェットヘッ
ド５ａ〜５ｄから中間転写ベルト２の転写面２ａに対
し、溶融状態の加熱溶融インクを噴射して中間転写像を
形成される。ここで、前記ヘッド５ａ〜５ｄは、それぞ
れ、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、
及びブラックインクを噴射するものである。

【００２３】前記ベルト駆動ローラ３に対向して、中間
転写ベルト２の転写面２ａに対し、加圧転写のための加
圧ローラ６が支持アーム部材７の先端部に回転可能に設
けられており、前記支持アーム部材７が、転写時に回転
して、中間転写ベルト２の転写面２ａに対して、図示し
ない給紙カセットから給紙され所定の速度で所定の経路
でもって搬送される記録用紙Ｐを加圧ローラ６によって
加圧させるようになっている。このように、前記ベルト
駆動ローラ３と加圧ローラ６との間を、中間転写ベルト
２に形成された中間転写像が通過する際に記録用紙Ｐが
通過するようにして、加圧ローラ６にて記録用紙Ｐを中
間転写ベルト２の転写面２ａに加圧することで転写が行
われる。なお、前記ベルト駆動ローラ３と加圧ローラ６
とによる転写部の上流側には、記録用紙Ｐを前記転写部
に案内するための第１のガイドプレート８が、また、下
流側には、転写後の記録用紙Ｐを排出するための第２の
ガイドプレート９がそれぞれ配設されている。

【００２４】前記第２のガイドプレート９の中間部分付
近に対応して、中間転写ベルト２の内周面側に該中間転
写ベルト２の走行方向を変換させるアイドルローラ１０
が設けられており、該アイドルローラ１０の部位で、記
録用紙Ｐが、中間転写ベルト２に追従することなく、分
離し、所定の方向に排出されるようになっている。

【００２５】また、前記ベルト駆動ローラ３は、中間転
写ベルト２の裏面に接触し該中間転写ベルト２の温度を
所望の温度（中間転写ベルト２に中間転写像を形成して
いる加熱溶融インクが軟化され、記録用紙への転写が可
能な状態となる温度）に調整する温度調整部材として機
能するもので、図２に示すように、中空形状の外側のロ
ーラ部材１１と、該ローラ部材１１に同軸状に嵌挿され
ている筒状部材１２とを備える。なお、前記ベルト駆動
ローラ３は、中間転写ベルト２にて囲まれる空間内に配
設され、後述するように内部に、温度調整のための液体
媒体が流れる液体媒体通路１２ａ，１１ｄが形成されて
いる。

【００２６】前記ローラ部材１１は、外周面に中間転写
ベルト２が巻き掛けられる中空のローラ部１１ａと、該
ローラ部１１ａの両側に連接され軸受け１３Ａ，１３Ｂ
にて回転可能に支承される第１及び第２の軸部１１ｂ，
１１ｃとを有する。

【００２７】前記筒状部材１２の、前記第１の軸部１１
ｂ側の端部は、ローラ部材１１にそれの中空内部におい
て固着される一方、前記第２の軸１１ｂ側の端部は、第
２の軸部１１ｂの端部付近まで延び、同様に固着されて
いる。第２の軸部１１ｂのうち軸受け１３Ｂにより支持
される部分より外側の部分が、回転シール継ぎ手１４を
介して、液体循環装置１５（液体媒体循環手段）に連係
されている。そして、前記液体循環装置１５には、循環
させる液体媒体の温度を、所望の温度に維持する液体温
度制御装置１６（液体媒体温度維持手段）が一体に設け
られている。

【００２８】前記回転シール継ぎ手１４には、液体循環
装置１５から供給される液体を、ベルト駆動ローラ３の
内部に導くための導入口１４ａと、ベルト駆動ローラ３
の内部で循環された液体媒体を液体循環装置１５に戻す
ための排出口１４ｂとが設けられている。

【００２９】また、前記筒状部材１２は、液体媒体通路
１２ａを有し、該液体媒体通路１２ａの第２の軸部１１
ｃ側の端部から、前記導入口１４ａを通じて液体媒体が
導入され、第１の軸部１１ｂ側の端部に形成された連通
孔１２ｂから、ローラ部材１１と筒状部材１２との間に
形成される液体媒体通路１１ｄに液体媒体を送り出され
るようになっている。

【００３０】このように、前記液体循環装置１５によっ
て、前記回転シール継ぎ手１４の導入口１４ａから導入
された液体媒体は、筒状部材１２内の液体媒体通路１２
ａから、連通孔１２ｂを通じて、筒状部材１２とローラ
部材１１のローラ部１１ａとの間の液体媒体通路１１ｄ
に流れ、ローラ部１１ａの外周面に巻き掛けられている
中間転写ベルト２との間で熱交換を行った後、回転シー
ル継ぎ手１４の排出口１４ｂを通じて排出されることに
なる。

【００３１】上記のように構成すれば、液体温度制御装
置１６によって所望の温度に維持された液体媒体が、液
体循環装置１５にて、ベルト駆動ローラ３の内部（液体
媒体通路１２ａ，１１ｄ）を循環せしめられ、ベルト駆
動ローラ３の外周部（ローラ部１１ａ）の温度が所望の
温度に安定性よく保持される。

【００３２】よって、中間転写ベルト２が張力を付与さ
れて、温度制御されているベルト駆動路ローラ３に巻き
掛けられているため、中間転写ベルト２及びその転写面
２ａ上の加熱溶融インクが、接触している（即ち巻き掛
け部分から転写部分に至る）わずかな距離を走行する間
に、中間転写ベルト２とベルト駆動ローラ３との間の熱
交換によって調整され、ベルト駆動ローラ３の表面温度
とほぼ同じ温度に変化しめられ、その後、記録用紙Ｐに
押し付けられて転写されるため、最も転写効率が高くな
る所望の温度において転写されることになる。

【００３３】特に、ベルト駆動ローラ３の内部を、熱容
量が大きい液体媒体を循環させることで、ベルト駆動ロ
ーラ３の温度を制御するようにしているので、従来のよ
うに空気媒体を用いる方式に比べて、大きな熱交換能力
が得られることとなり、非常に強力なヒートシンクとな
り、中間転写ベルト２が高速走行していても、中間転写
ベルト２がきわめて短時間に所望の温度に変化せしめら
れる。

【００３４】前記実施の形態では、ベルト駆動ローラ３
の内部に液体媒体通路を形成して、ベルト駆動ローラ３
に接触する部位で温度制御するようにしているが、ベル
ト巻き掛け長さ（面積）を大きくとれるローラであれ
ば、大きな熱交換能力が得られるので、例えば図３に示
すように、ベルト従動ローラであるテンションローラ４
の内部に液体媒体通路を形成して、テンションローラ４
に接触する部位で温度制御するようにすることもでき
る。この場合は、前記実施の形態とはベルト駆動ローラ
３の回転方向が逆方向となり、中間転写ベルト２の送り
方向も逆方向になる。そして、テンションローラ４を、
図２に示すベルト駆動ローラと同様に構成することで、
ベルト温度が調整される。また、ベルト駆動ローラ３の
下流側には、タンク２５内に収容され記録用紙の分離性
を高めるコーティング剤を中間転写ベルト２の転写面２
ａ上の塗布するフェルト部材２６と、該フェルト部材２
６にて塗布したコーティング剤を転写面２ａ上において
一様厚さになるように広げるブレード部材２７とが順に
設けられている。このようにすれば、中間転写ベルト２
は、インクジェットヘッド５から、テンションローラ
４、アイドルローラ１０，ベルト駆動ローラ３、コーテ
ィング塗布機構（タンク２５、フェルト部材２６及びブ
レード部材２７）を経て、インクジェットヘッド５に戻
るように回転される。中間転写ベルト２に記録された中
間転写像は、ベルト駆動ローラ３と加圧ローラ６とのニ
ップ部で記録用紙に加圧転写される。そのほか、内部に
液体媒体通路が形成され中間転写ベルト２の温度調整を
行うベルトローラを、ベルト駆動ローラ３との軸間距離
の調整機能を有しない位置固定タイプのベルト従動ロー
ラとすることもできる。この場合は、アイドルローラ１
０を移動させることで前記アイドルローラ１０にベルト
に張力を付与する機能を持たせることが可能となる。

【００３５】また、前記実施の形態では、ベルト駆動ロ
ーラ３の内部に液体媒体通路を形成して、ベルト駆動ロ
ーラ３に接触する部位のみで温度制御するようにしてい
るが、本発明はそれに限定されるものではなく、その他
の部位で、液体媒体による温度制御するように構成する
こともできる。例えば、前記中間転写ベルト２の転写面
２ａ上に加熱溶融インクにて中間転写像を形成するとき
には、前記中間転写ベルト２を、所望の温度（中間転写
像を形成した後すぐに加熱溶融インクが固化し中間転写
像に乱れが生じないようにする温度）とすることが望ま
しいことから、図４に示す画像形成装置１Ａのように、
ベルト駆動ローラ３のほかに、温度調整部材としての第
１のベルト支持台２１を、前記中間転写ベルト２の上側
走行部分において、インクジェットヘッド５ａ〜５ｄに
対応して中間転写ベルト２を内周面側から接触支持する
ように設けるようにすることができる。

【００３６】具体的には、図４に示すように、前記中間
転写ベルト２の上側走行部分において、前記中間転写ベ
ルト２の転写面２ａ上にインクジェットヘッド５ａ〜５
ｄよりインクが噴射されて中間転写像が形成される際
に、中間転写ベルト２を内周面側から支持することがで
きるように、中間転写ベルト２の内周面が第１のベルト
支持台２１の上面にて接触支持される。そして、第１の
ベルト支持台２１の下面には、断熱材２２の上面がシー
ル材２３を介してボルト２４にて取付固定され、第１の
ベルト支持台２１の下面側に形成された溝部２１ａが断
熱材２２が取り付けられることで、第１のベルト支持台
２１の内部において液体媒体を循環させ第１のベルト支
持台２１を所望の温度とするための第１の液体媒体通路
が形成されるようになっている。この第１の液体媒体通
路には、液体温度制御装置１６によって所望の温度に維
持される液体媒体が、液体循環装置１５によって循環せ
しめられる。

【００３７】よって、前記第１のベルト支持台２１は、
ベルトを支持する機能だけではなく、所望の温度に温度
制御されることで前記中間転写ベルト２及び前記中間転
写ベルト２に形成された中間転写像を冷却するヒートシ
ンクとしての機能を兼ね、中間転写像を形成した後すぐ
に加熱溶融インクが固化し中間転写像に乱れが生じない
ようにする効果を発揮する。つまり、インクジェットヘ
ッド５ａ〜５ｄから噴射される加熱溶融インクの液滴温
度は１００℃以上の高温であり、多量に噴射される場合
には、インク熱によって中間転写ベルト２の温度が上昇
しようとするが、中間転写ベルト２が第１のベルト支持
台２１と接触していることで、ベルト温度は、所望の温
度（例えば、６０℃程度）に速やかに調整される。

【００３８】なお、図４においては、アイドルローラ１
０の下流側に、コーティング塗布機構（タンク２５、フ
ェルト部材２６及びブレード部材２７）が設けられてい
る。

【００３９】さらに、前述した実施の形態は、圧力転写
タイプの画像形成装置１，１Ａに適用したものである
が、例えば図５に示すように、前記中間転写ベルト２の
ベルト駆動ローラ３の下流側に、ヒータ部材３１が設け
られ、さらにその下流側に前記中間転写ベルト２の転写
面２ａに接触するように転写ローラ３２が設けられ、前
記転写ローラ３２と対向して前記中間転写ベルト２の内
周面側に押圧ローラ３３が設けられ、前記両ローラ３
２，３３で中間転写ベルト２と記録用紙を挟持すること
により中間転写ベルト２の転写面２ａ上の加熱溶融イン
クを記録用紙に熱転写する熱転写タイプの画像形成装置
１Ｂにも適用することができる。

【００４０】この場合は、ヒータ部材３１が中間転写ベ
ルト２の裏面に押し付けられ接触することで、熱転写に
適した温度とされて、中間転写ベルト２の転写面２ａ上
に中間転写像を形成する加熱溶融インクが軟化される一
方、記録用紙Ｐを、押圧ローラ３３が転写ローラ３２側
へ移動することにより転写ローラ３２及び押圧ローラ３
３によって挟持することで、中間転写ベルト２の転写面
２ａに押し付け、中間転写像（軟化した加熱溶融イン
ク）を記録用紙上に熱転写することになる。

【００４１】また、前記転写ローラ３２及び押圧ローラ
３３の下流側には、前記中間転写ベルト２の内周面に下
面が接触して支持する第２のベルト支持台３４が配設さ
れている。第２のベルト支持台３４の上面には、第１の
ベルト支持台２１がシール材２３を介して取り付けられ
た断熱材２３Ａの下面に、シール材３６を介してボルト
３７にて取付固定されている。そして、第２のベルト支
持台３４の上面に形成された凹溝３４ａが、断熱材２３
Ａが取り付けられることで第２の液体媒体通路を形成
し、そこを循環する液体媒体によって、中間転写像を転
写した後の記録用紙が所望の温度（室温から４０℃まで
の範囲）とされ、記録用紙上における加熱溶融インクの
固化が促進され、中間転写ベルト２と記録媒体との分離
性が高められる。なお、第２のベルト支持台３４の上下
流側には、第１及び第２のアイドルローラ３８，３９が
配設されている。また、コーティング剤を塗布する際
に、中間転写ベルト２を内周面側から支持する支持台４
０も設けられている。

【００４２】

【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。

【００４３】請求項１の発明は、温度調整部材が中間転
写ベルトの裏面に接触している温度調整部材の内部に形
成した液体媒体通路を、所望の温度に維持される液体媒
体が循環するようにして、中間転写ベルトの温度を調整
するようにしているので、熱容量が大きい液体媒体を用
いることで、従来のように空気媒体を用いる方式に比べ
て、大きな熱交換能力を得ることができ、非常に強力な
ヒートシンクとして、中間転写ベルトが高速走行してい
ても、きわめて短時間に所望の温度に変化させることが
可能となる。よって、温度調整部材の表面の温度を所望
の温度に安定性よく保持して、中間転写ベルトの温度が
高い場合は冷却し、温度が低い場合は加熱して、速やか
に所望の温度となるように温度調整することができる。

【００４４】請求項２の発明は、温度調整部材を、中間
転写ベルトが巻き掛けられるベルトローラとし、中間転
写ベルトがベルトローラと接触している間に中間転写ベ
ルトが所望の温度となるようにしているので、中間転写
ベルトに付着している加熱溶融インクを、速やかに記録
媒体への転写が可能な状態とすることができる。

【００４５】請求項３の発明は、ベルトローラの内部を
流れる液体媒体によってベルトローラの温度を調整する
ようにしているので、中間転写ベルトがベルトローラと
接触している間に中間転写ベルトの温度調整を行い、中
間転写ベルトに中間転写像を形成している加熱溶融イン
クを軟化させ、記録媒体への転写が可能な状態にするこ
とが簡単にできる。

【００４６】請求項４の発明は、中間転写ベルトに加熱
溶融インクを用いて中間転写像を形成するときに中間転
写ベルトを裏面側から支持する第１のベルト支持台を温
度調整部材としているので、第１のベルト支持台が、中
間転写ベルト及び該中間転写ベルトに形成された中間転
写像を冷却するヒートシンクとして機能し、中間転写像
を形成した後すぐに加熱溶融インクを固化させて中間転
写像に乱れが生じないようにすることができる。

【００４７】請求項５の発明は、記録媒体に中間転写像
を転写した後に、前記中間転写ベルトを裏面側から支持
し記録媒体を冷却する第２のベルト支持台を温度調整部
材としているので、第２のベルト支持台が、記録媒体に
中間転写像を転写した後に記録媒体を冷却するヒートシ
ンクとして機能し、すぐに加熱溶融インクを固化させ、
中間転写ベルトと記録媒体との分離性を高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る圧力転写タイプの画像形成装置の
主要構成を模式的に示す説明図である。

【図２】図１のベルト駆動ロールの概略断面図である。

【図３】本発明に係る他の実施の形態を示す図１と同様
の図である。

【図４】本発明に係るさらに他の実施の形態を示す図１
と同様の図である。

【図５】本発明に係る別の実施の形態を示す図１と同様
の図である。

【符号の説明】

１画像形成装置１Ａ画像形成装置１Ｂ画像形成装置２中間転写ベルト２ａ転写面３ベルト駆動ローラ５ａ〜５ｄインクジェットヘッド６加圧ローラ１１ローラ部材１１ｄ液体媒体通路１２筒状部材１２ａ液体媒体通路１５液体循環装置１６液体温度制御装置２１第１のベルト支持台２１ａ溝部（液体媒体通路）３１ヒータ部材３２転写ローラ３３押圧ローラ３４第２のベルト支持台３４ａ溝部（液体媒体通路）Ｐ記録用紙

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】加熱溶融インクを用いて画像を形成する
画像形成手段と、該画像形成手段にて中間転写像が形成
される中間転写ベルトと、該中間転写ベルトに形成され
た中間転写像を記録媒体に転写する転写手段とを備える
画像形成装置において、前記中間転写ベルトにて囲まれる空間内に配設され、内
部に液体媒体通路が形成され、前記中間転写ベルトの裏
面に接触する温度調整部材と、前記液体媒体通路へ液体媒体を循環させる液体媒体循環
手段と、前記液体媒体を所望の温度に維持するための液体媒体温
度維持手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】前記温度調整部材は、前記画像形成手段
にて中間転写像が形成される部位から前記転写手段にて
記録媒体に転写する部位に至るまでの間に配設され、前
記中間転写ベルトが巻き掛けられるベルトローラである
ところの請求項１記載の画像形成装置。
【請求項３】前記ベルトローラは、外周面に中間転写
ベルトが巻き掛けられる中空のローラ部材と、該ローラ
部材に同軸状に挿通され液体媒体を導入するための液体
媒体通路を有する筒状部材とを有し、前記ローラ部材と
筒状部材との間に、液体媒体を排出するための液体媒体
通路が形成されているところの請求項２記載の画像形成
装置。
【請求項４】前記温度調整部材は、前記画像形成手段
にて前記中間転写ベルトに中間転写像が形成されるとき
に前記中間転写ベルトを裏面側から支持する第１のベル
ト支持台であるところの請求項１記載の画像形成装置。
【請求項５】前記温度調整部材は、前記記録媒体に中
間転写像を転写した後に、前記中間転写ベルトを裏面側
から支持する第２のベルト支持台であるところの請求項
１記載の画像形成装置。