JP2000188426A - 熱電変換モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュールおよびその製造方法

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JP2000188426A
JP2000188426A JP10362891A JP36289198A JP2000188426A JP 2000188426 A JP2000188426 A JP 2000188426A JP 10362891 A JP10362891 A JP 10362891A JP 36289198 A JP36289198 A JP 36289198A JP 2000188426 A JP2000188426 A JP 2000188426A
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thermoelectric conversion
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English (en)
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Saneto Miyoshi
好 実 人 三
Yuichiro Imanishi
西 雄一郎 今
Keiko Kushibiki
引 圭 子 櫛
Yutaka Makuchi
裕 馬久地
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NGK Insulators Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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NGK Insulators Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 300〜500℃の中温域で使用することが
でき、高い熱電変換効率を得ることができるCoSb3
を主成分とする熱電半導体からなる熱電変換モジュール
を提供する。 【解決手段】 少なくとも1対のp型およびn型の熱電
素子2p,2nの相対する両端面に電極層5を形成する
に際し、CoSb3を主成分とする熱電半導体からなる
p型およびn型熱電素子2p,2nの端面部分にAlを
主成分とする金属あるいは合金を溶射法によって厚膜形
成することにより、熱電素子2p,2nがCoSb3
主成分とする熱電半導体であり、電極層5がAlを主成
分としかつ厚さ0.05mm以上1.0mm以下の厚膜
層である熱電変換モジュール6とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱を電気に変換す
る熱電変換モジュールおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】p型とn型の熱電(半導体)素子が電気
的に接合した接合部を持つ熱電変換素子対において、接
合部を高温にしかつ熱電素子の他方を低温にすると、温
度差に応じた熱起電力が発生する現象があり、これをゼ
ーベック効果と称している。また、上記熱電変換素子対
において、一方の熱電素子から他方の熱電素子に電流を
流すと、一方の接合部では熱を吸収し、他方では熱を発
生する現象があり、これをペルチェ効果と称している。
さらに、p型とn型の熱電素子の一方を高温にしかつ他
方を低温にして温度勾配に沿って電流を流すと、電流の
方向によって熱電素子の内部で熱の吸収または発生を生
じる現象があり、これをトムソン効果と称している。
【0003】このような効果を利用した熱電変換装置
は、振動,騒音,摩耗等を生じる可動部分が全くなく、
構造が簡単で信頼性が高く、高寿命で保守が容昜である
という特徴をもった簡略化されたエネルギー直接変換装
置となりうるものである。
【0004】熱電変換を行うモジュール部分は、p型と
n型の熱電素子が電気的に接合した構成の熱電変換素子
対を1対以上そなえ、各熱電変換素子対は電気的には直
列に、また、熱的には並列に接合した構成をとるのが一
般的である。そして、モジュールの両端に温度差をつけ
ることにより、この温度差に依存した起電力を取り出す
前記ゼーベック効果を利用した熱電発電装置や、モジュ
ールの両端に電圧を印加して温度差を生じさせることに
より、モジュールの一端を冷却する前記ペルチェ効果を
利用した熱電冷却装置を利用することできる。
【0005】熱電変換効率の高いモジュールを形成する
場合、p型およびn型の熱電素子からなる熱電変換素子
対の両端部分の接合部において、損失の少ないモジュー
ルを製造することが重量な課題である。たとえば、熱電
発電モジュールでは、p型熱電素子とn型熱電素子の接
合部、あるいは、各熱電素子と電極の接合部には、次の
ような特性が要求される。
【0006】熱エネルギーは、熱源からモジュール高温
端の接合部を通過して素子部分に伝達される構成をとる
場合が多いため、接合部での熱抵抗は小さいことが要求
される。
【0007】また、素子部分にかかる温度差に依存して
発電した電力は、電気的に直列に接合された素子対の接
合部を介して取り出されるので、接合部での電気抵抗は
小さいことが要求される。
【0008】さらに、特に高温端側の接合部は高温に達
するため、高温時に剥離しないことや、接合部の拡散反
応の進行に起因して素子特性を劣化させないことなど、
熱耐久性に優れていることも要求される。
【0009】熱電素子材料としては、200℃以下の低
温領域で使用できるBi−Te系化合物や、中温領域で
使用できるPb−Te系化合物、Co−Sb系化合物、
600℃以上の高温領域で使用できるSi−Ge系化合
物、鉄シリサイド系化合物などが知られている。
【0010】また、熱電素子同士あるいは熱電素子と電
極が接合した接合部としては、次に例示する構成のもの
が知られている。
【0011】(1)例えば、p型およびn型シリコン−
ゲルマニウム系素子や鉄シリサイド系素子を用いた場
合、電極材層および明確な接合材層を介さず、p型熱電
素子とn型熱電素子とが直接接合した構成としたものが
ある。この場合、p型とn型の両原料粉末を1つの成形
型内に左右に分けて詰め、一体成形・焼結することによ
り、直接接合したものとすることができる(持丸敏昭,
新素材4月号p42(1995))。この構成としたも
のでは、接合部での耐熱性は満足できるものであるとい
う特徴がある。
【0012】(2)一方、p型およびn型シリコン−ゲ
ルマニウム系熱電素子を電極材である高ドープSi板と
接合した構成としたものがある(G.Fly.Pro
c.16th IECEC,II,307−12(19
81))。この場合の接合方法は、母材の融点以下の温
度で加圧し、接合面間の原子の拡散を利用して接合する
方法で、拡散を促進するためにインサート金属を挟んで
接合する。具体的には、熱電半導体であるPあるいはB
をドープしたSi8Ge2−5mol%GaPとインサー
ト金属に相当するSi2Ge8合金3μmをコーティング
したBドープSi電極材を拡散接合する方法が示されて
いる。
【0013】この場合、温度:約1250℃、圧力:1
40MPaの接合条件で接合でき、接合形成に伴ってS
2Ge8合金層は速やかに熱電半導体層と電極層に拡散
すると報告されている。そして、接合後は接合材層が明
確でなくなることがあり、熱電半導体と電極の接合部の
耐熱性は高い特徴がある。
【0014】(3)他方、ビスマス−テルル系や鉛−テ
ルル系熱電素子に対して、熱電素子と電極の間にろう材
やハンダ材からなるなる接合層を形成した構成としたも
のがある。この場合、ろう付け工程やハンダ付け工程
時、接合材と母材が過剰に反応しないことが重要で、接
合部の電気抵抗を低下させない目的や、接合部の熱耐久
性を向上させる目的で、熱電素子層と接合層との界面の
過剰反応を抑制する拡散バリア層を形成する具体的な接
合端の層構成としたものが提案されている。例えば、拡
散バリア層としてNi層あるいはAu層を熱電素子層と
接合層の間に介在させた層構成としたものがある(特開
平5−41543号,特開平5−55638号等)。こ
のようなろう材やハンダ材の接合層を形成した構成とし
たものは、形成が容易で大量生産に適するメリットがあ
るという特徴がある。
【0015】(4)さらに、鉄シリサイド系熱電半導体
に対しては、熱電素子と接合層と電極層からなる構成に
おいて、接合層がTi系活性金属ろう材である構成の熱
電変換素子対を提案しているものがある(特開平6−9
7512号)。具体的には、鉄シリサイド系熱電素子と
Cu電極の間にNi−Cu/Ti/Ni−Cu三層複合
ろう材を使用して900℃でろう付けし、接合層を形成
するものである。
【0016】(5)一方、CoSb3を主成分とする熱
電半導体は、300〜500℃の中温域で使用すること
ができ、高い変換効率が得られることが期待されている
素子材料である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】(1)上記(1)の従
来技術では、p型およびn型熱電素子の両原料粉末を1
つの成形型内において左右に分けて詰めるため、光学顕
微鏡観察では接合層が明確にならないものである。しか
し、接合部近傍にはp型およびn型両方のドーパントが
混在するため、モビリティーが低下したり、キャリア濃
度が低下したりして接合部近傍の電気抵抗が素子部分よ
り増加する場合がある。さらに、この製造方法では、接
合部のみが混合するが他は混合しないように詰めて、熱
電変換素子対を一つづつ加圧成形あるいはホットプレス
焼結する必要があるため、接合部の特性が成形型ごとに
安定しない問題がある。また、数対の熱電変換素子対か
らなるろうそくを熱源とした非常用発電器やガスコンロ
用火炎発電器などは生産できるが、車載用の排熱利用発
電装置などの数百の素子対からなる熱電発電モジュール
を安定して量産することは困難である問題点があった。
【0018】(2)上記(2)の従来技術では、接合層
であるインサート金属として使用されるSi2Ge8合金
を設置した構成としたものであり、Si−Ge系熱電素
子材料に対しては、優れた特性と耐久性を有する接合部
を形成することができるが、CoSb3を主成分とする
熱電半導体からなる素子に対しては、接合することは困
難である。
【0019】(3)さらに、上記(3)の従来技術で
は、ハンダ層あるいはろう材層が拡散バリア層とともに
接合層として形成された接合部構成としたものである
が、SnやZn、Pbを主成分として含有するハンダ層
の場合はこれ自体の融点が300℃以下と低いため、熱
電発電モジュールの使用温度が300℃以下に制限され
てしまう問題があった。また、Au層の拡散バリア層を
形成した構成では、CoSb3を主成分とする熱電素子
とAuが350℃以上の場合に急激に拡散反応が進行す
るため、接合部の電気的・熱的抵抗が増加したり、剥離
したりし、耐熱性が十分でない問題があった。
【0020】(4)さらにまた、上記(4)の従来技術
においては、ろう付け温度が900℃と高いため、焼結
温度が800℃以下のCoSb3を主成分とする熱電半
導体からなる素子を接合することができない問題があっ
た。
【0021】(5)さらにまた、上記(5)の従来技術
においては、熱電変換モジュールを形成する際の接合部
の構成あるいは接合方法については未だ十分な開発がな
されていないという問題があった。
【0022】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、上記した問題点を解決し、3
00〜500℃の中温域で使用することができ、高い熱
電変換効率を得ることができるCoSb3を主成分とす
る熱電半導体からなるp型およびn型の熱電素子を接合
した熱電変換モジュールを提供し、車載用やその他の排
熱利用発電装置などの熱電発電装置にも適用しうる耐熱
性が高くかつ接合部での発電損失が少ない熱電変換モジ
ュールを提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる熱電変換
モジュールは、請求項1に記載しているように、少なく
とも1対のp型およびn型の熱電素子と、前記熱電素子
の相対する両端面において電極層により電気的に接合さ
れた熱電変換モジュールにおいて、前記熱電素子がCo
Sb3を主成分とする熱電半導体であり、前記電極層が
Alを主成分としかつ厚さ0.05mm以上1.0mm
以下の厚膜層である構成のものとしたことを特徴として
いる。
【0024】そして、本発明に係わる熱電変換モジュー
ルの実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、熱電素子の端面部分に形成された電極層が、Alを
主成分とする金属あるいは合金と、Cr,Ta,Mo,
W,Ti,Co,Ni,Ni−Cr合金,Ti−Al合
金,Co−Cr合金のうちから選ばれる少なくとも1種
の添加成分を含有する層であるものとしたことを特徴と
している。
【0025】同じく、本発明に係わる熱電変換モジュー
ルの実施態様においては、請求項3に記載しているよう
に、熱電素子の端面部分に形成された電極層が、Alを
主成分とする金属あるいは合金と、アルミナ,酸化チタ
ン,シリカ,窒化ボロンのうちから選ばれる少なくとも
1種の添加成分を含有する層であるものとしたことを特
徴としている。
【0026】本発明に係わる熱電変換モジュールの製造
方法は、請求項4に記載しているように、少なくとも1
対のp型およびn型の熱電素子の相対する両端面に電極
層を形成するに際し、CoSb3を主成分とする熱電半
導体からなるp型およびn型熱電素子の端面部分にAl
を主成分とする金属あるいは合金を溶射法によって厚膜
形成するようにしたことを特徴としている。
【0027】そして、本発明に係わる熱電変換モジュー
ルの製造方法の実施態様においては、請求項5に記載し
ているように、Alを主成分とする金属あるいは合金
と、Cr,Ta,Mo,W,Ti,Co,Ni,Ni−
Cr合金,Ti−Al合金,Co−Cr合金のうちから
選ばれる少なくとも1種の添加成分、および/または、
アルミナ,酸化チタン,シリカ,窒化ボロンのうちから
選ばれる少なくとも1種の添加成分を含有する電極層を
溶射法によって形成するようにしたことを特徴としてい
る。
【0028】同じく、本発明に係わる熱電変換モジュー
ルの製造方法の実施態様においては、請求項6に記載し
ているように、電極層の形成にあたり、溶射法により厚
膜形成する工程と、溶射による厚膜表面を研磨・研削法
により平滑にする工程を経るようにしたことを特徴とし
ている。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明に係わる熱電変換モジュー
ルは、CoSb3を主成分とする熱電半導体からなる素
子両端部に形成された電極層に特徴があり、熱電素子の
形状やサイズ、熱電素子の配列パターン、モジュールの
形状やサイズなどに制限されるものではない。また、本
発明に係わる熱電変換モジュールの製造方法は、電極層
の形成方法に特徴があり、素子の形成工程、1対以上の
素子対を配列して固定する工程や素子対間の側面部分に
絶縁層を形成する工程などに制限されるものではない。
【0030】本発明で用いるCoSb3を主成分とする
熱電半導体からなる素子は、結晶構造がスクッテルダイ
ト型をなすCoSb3が主成分である焼結体あるいは溶
製材であり、多結晶体あるいは単結晶体のものとするこ
とができる。また、p型ドーパントとして、例えば、S
n,Ge,Pb,Fe,Ru,Osなどの元素が含有さ
れているものとすることができ、また、n型ドーパント
として、例えば、Ni,Pd,Teなどの元素が含有さ
れているものとすることができる。
【0031】本発明に係わる熱電変換モジュールにおけ
る電極層の厚さは0.05mm以上1.0mm以下が好
ましい。この電極層の厚さは、熱電素子の発電特性や素
子サイズなどにも依存するが、0.05mmより薄い場
合は、電極層部分での電気抵抗により発電電流が減少
し、発電出力が低下する問題がある。また、1.0mm
より厚い場合は、電極層部分での熱抵抗により、熱交換
器から素子端面へ伝達される熱流量が減少し、発電出力
が低下する問題がある。
【0032】本発明に係わる熱電変換モジュールを構成
する電極層は、Alを主成分とする金属あるいは合金か
らなるものであって、Al金属以外に例えば、Al−S
i合金、Ni−Al合金、Ti−Al合金を用いること
ができる。そして、Alを主成分とする金属あるいは合
金に、Cr,Ta,Mo,W,Ti,Co,Ni,Ni
−Cr合金,Ti−Al合金,Co−Cr合金のうちか
ら選ばれる少なくとも1種の添加成分や、アルミナ,酸
化チタン,シリカ,窒化ボロンのうちから選ばれる少な
くとも1種の添加成分を含有するものとすることもで
き、この場合は、添加される元素あるいは成分からなる
相とAlを主成分とする金属相とが部分的に合金化して
いるものとすることもできるが、分相しているものとす
ることもできる。そして、これらの成分を添加すること
により、熱電素子と電極層との密着強度がさらに向上す
る効果や、耐熱性や耐熱衝撃性がさらに向上する効果が
得られることとなる。
【0033】本発明に係わる熱電変換モジュールの製造
方法において、電極層の形成に際しては、溶射法により
行うものとすることができる。より具体的には、プラズ
マ溶射法、減圧プラズマ溶射法、HVOF溶射法などを
使用することができる。そして、添加成分が含有された
電極層を形成する場合は、Alを主成分とする金属の原
料粉と添加成分の原料粉を所定の割合で混合した原料粉
を用いることにより形成することができる。また、Al
を主成分とする金属の原料粉を溶射する溶射ガンと添加
成分を溶射する溶射ガンを用い、二元溶射することによ
り形成することもできる。また、場合によっては、電極
層を溶射する前に、密着力を向上させる目的や、表面酸
化層や汚染変質層を除去する目的で、熱電素子の端面を
研磨・研削処理したり、ブラスト処理したり、酸洗浄処
理したりすることもでき、また、電極層の溶射工程後に
おいて、モジュールの高さや平行度・平面度を調整する
目的や、熱交換器や絶縁基板との熱接触性を向上する目
的で研磨・研削工程を行う場合もある。
【0034】
【発明の効果】本発明による熱電変換モジュールでは、
請求項1に記載しているように、少なくとも1対のp型
およびn型熱電素子と、前記熱電素子の相対する両端面
において電極層により電気的に接合された熱電変換モジ
ュールにおいて、前記熱電素子がCoSb3を主成分と
する熱電半導体であり、前記電極層がAlを主成分とす
る金属あるいは合金からなりかつ厚さ0.05mm以上
1.0mm以下の厚膜層であるものとしたから、室温か
ら約400℃までの中温領域でより一層好適に使用でき
る高発電出力の熱電変換モジュールを提供することが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0035】そして、請求項2に記載しているように、
熱電素子の端面部分に形成された電極層が、Alを主成
分とする金属あるいは合金と、Cr,Ta,Mo,W,
Ti,Co,Ni,Ni−Cr合金,Ti−Al合金,
Co−Cr合金のうちから選ばれる少なくとも1種の添
加成分を含有する層であるものとすることによって、電
気的・熱的抵抗を大きく低下させることなく、電極層と
熱電素子の熱膨張係数差に起因する剥離を軽減し、密着
強度をさらに増加することが可能になるので、耐熱性,
耐熱衝撃性に優れた熱電変換モジュールを提供すること
が可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0036】さらに、請求項3に記載しているように、
熱電素子の端面部分に形成された電極層が、Alを主成
分とする金属あるいは合金と、アルミナ,酸化チタン,
シリカ,窒化ボロンのうちから選ばれる少なくとも1種
の添加成分を含有する層であるものとすることによっ
て、電気的・熱的抵抗を大きく低下させることなく、電
極層と熱電素子の熱膨張係数差に起因する剥離を軽減す
ることが可能になるので、耐熱性,耐熱衝撃性に優れた
熱電変換モジュールを提供することが可能であるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【0037】本発明に係わる熱電変換モジュールの製造
方法では、請求項4に記載しているように、少なくとも
1対のp型およびn型の熱電素子の相対する両端面に電
極層を形成するに際し、CoSb3を主成分とする熱電
半導体からなるp型およびn型熱電素子の端面部分にA
lを主成分とする金属あるいは合金を溶射法によって厚
膜形成するようにしたから、簡便かつ制御性に優れた工
程で電極を形成することとなるため、熱電素子と電極層
の界面の電気的・熱的接合特性や、接合強度などの接合
部の品質安定性に優れた熱電変換モジュールを製造する
ことが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【0038】そしてまた、本発明に係わる熱電変換モジ
ュールの製造方法で電極を厚膜形成することにより、隣
接するp型熱電素子およびn型熱電素子の両方に対して
良好に接合することが可能であり、界面特性のばらつき
が小さいため、モジュール製造工程の全体が著しく簡便
になると共に、モジュールの要求性能に応じて熱電素子
のドーパントの種類やドープ量を自由に設定することが
可能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0039】そして、請求項5に記載しているように、
Alを主成分とする金属あるいは合金と、Cr,Ta,
Mo,W,Ti,Co,Ni,Ni−Cr合金,Ti−
Al合金,Co−Cr合金のうちから選ばれる少なくと
も1種の添加成分、および/または、アルミナ,酸化チ
タン,シリカ,窒化ボロンのうちから選ばれる少なくと
も1種の添加成分を含有する電極層を溶射法によって形
成するようになすことにより、請求項4による効果に加
えて、耐熱性,耐熱衝撃性がさらに向上した熱電変換モ
ジュールを製造することが可能になるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【0040】さらに、請求項6に記載しているように、
電極層の形成にあたり、溶射法により厚膜形成する工程
と、溶射による厚膜表面を研磨・研削法により平滑にす
る工程を経るようになすことによって、モジュールの高
さ(寸法)品質の精度をさらに上げることができるよう
になるという著しく優れた効果がもたらされる。そし
て、このような効果は、数百以上のモジュールを設置す
る熱電変換装置において、すべてのモジュールと熱交換
器の熱伝達率を均一にして設置するためには、極めて重
要なものである。また、モジュール内の平面度や平滑度
の品質をより一層向上したものとすることができる。そ
して、絶縁処理した熱交換器や絶縁性基板と接触させて
設置する場合、電極層表面のうねりや反りがなく、表面
粗さが小さく、接触面積が大きくなると熱伝達率が向上
するため、極めて重要である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこのような実施例のみに限定されないこ
とはいうまでもない。 (実施例1−1〜1−7,比較例1−1〜1−3)混合
比がCo0.97Pd0.03Sb3となるようにCo,Pd,
Sbの各原料粉を混合し、直径35mmの金型に詰めた
のち、100kgf/cm2の加圧力で加圧成形し、得
られた成形体を窒素雰囲気中600℃で48時間仮焼成
した。
【0042】次いで、仮焼結体を粗粉砕した後、遊星ボ
ールミルで微粉際し、再度直径35mmの金型に詰め、
同様に100kgf/cm2の加圧力で加圧成形し、得
られた成形体を窒素雰囲気中650℃で6時間本焼成し
た。
【0043】次に、得られたn型焼結体を3.5mm角
×長さ8mmに切断してn型熱電素子を作成した。そし
て、3.5mm角の端面をアルミナ研磨材でブラスト処
理を行い、溶射用ワーク支持体に固定した。
【0044】プラズマ溶射ガンに表1に示す溶射材原料
粉を供給し、プラズマガスはAr−水素混合ガスとし、
450〜600A、70〜75Vの電力を投入してプラ
ズマを形成し、溶射ガンを移動速度30m/分で移動さ
せながら膜厚0.5mmに溶射した。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示すように、実施例1−1〜1−7
と比較例1−1については厚膜の形成が可能であった
が、比較例1−2,1−3については熱電素子が割れた
り、素子がエッチングされたりして、厚膜形成を行うこ
とができなかった。そして、厚膜が形成できた熱電素子
については、真空炉中に設置し、昇温速度50℃/mi
nで昇温して400℃で5時間の熱処理を行った。熱処
理後、比較例1−3については、Cu厚膜と熱電素子界
面が反応し、素子が変色するとともに、割れが生じる問
題があった。
【0047】このような結果から、CoSb3とAlあ
るいはAlと添加成分を混在した厚膜の電極からなる構
成とすることにより、CoSb3素子と電極からなる熱
電変換モジュールを製造することが可能になることが確
かめられた。また、耐熱性および耐熱衝撃性に優れた熱
電変換モジュールを製造することが可能になることが確
かめられた。
【0048】(実施例2−1〜2−5)実施例1と同様
のCoSb3素子を用い、実施例1と同様な条件で表2
に示す溶射材原料粉を用いて、素子端面に溶射厚膜を形
成した。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示すように、すべての実施例におい
て厚膜形成ができたので、実施例1と同様にして熱処理
を行った。そして、熱処理後においても、CoSb3
の界面で拡散反応が進行することなく、また、剥離する
ことも認められなかった。
【0051】このように、CoSb3熱電素子とAlあ
るいはAlと添加成分を混在した厚膜の電極からなる構
成とすることにより、CoSb3素子と電極からなる熱
電変換モジュールを製造することが可能になることが確
かめられた。また、耐熱性および耐熱衝撃性に優れ、素
子特性に依存して要求される膜厚に応じた電極を形成し
た熱電変換モジュールを製造することが可能になること
が確かめられた。
【0052】(実施例3)図1に本発明実施例による熱
電変換モジュールの製造方法を示す。
【0053】まず、実施例1と同様にしてn型熱電素子
を作成した。一方、組成がCoSb 3Sb0.08となるよ
うに混合した原料粉を用い、n型と同様の条件で焼結す
ることによって図1の(A)に示すようなp型焼結体1
pを得た。次いでp型およびn型の各焼結体1p,(1
n)を5mm角×10mmのサイズに切断して、図1の
(B)に示すようなp型熱電素子2pとn型熱電素子2
nを作成した。
【0054】次に、図1の(C)に示すように、p型熱
電素子2pとn型熱電素子2nからなる8対の素子をコ
ージェライト製ハニカム構造体(絶縁ハニカム)3内に
差しこみ、ハニカム壁面と素子側面との隙間にセラミッ
クスボンド4を注入し、200℃の恒温室で固着した、
さらに、図1の(D)に示すように、熱電素子2p,2
nの両端面を研削し、高さを8mmにして、研削屑を洗
浄乾燥したのち、両端面にブラスト処理を行い、続い
て、Al−Si合金の原料粉を溶射することによって、
図1の(E)に示すように厚さ0.5mmの溶射電極層
5を形成した。このときの電極層5の形成パターンはす
べてのp型熱電素子2pとn型熱電素子2nが交互に電
気的に直列に接続するパターンとした。
【0055】次いで、両端の電極層5を研磨して、図1
の(F)に示すように高さ9mmの熱電変換モジュール
6を作成したのち、図1の(G)に示すように低温端の
発電出力取り出し部分にはCuリード線7をハンダ付け
により固定した。
【0056】この熱電変換モジュール6は、両端にAl
N板を介して、ヒーターブロックと水冷ブロックをそれ
ぞれ接触させて発電出力を測定した。そして、ヒーター
ブロック温度:400℃、水冷ブロック温度:80℃に
おいて、外部抵抗0.4Ωを接続した場合、約0.5W
の発電出力が得られた。また、この状態で100時間保
持したが、発電出力の低下は認められなかった。
【0057】このように、CoSb3熱電素子とAlを
主成分とする溶射厚膜の電極からなる構成とすることに
より、CoSb3素子を使用した熱電変換モジュールを
製造することが可能になり、また、耐熱性および耐熱衝
撃性に優れた熱電変換モジュールを製造することが可能
になることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3による熱電変換モジュールの
製造工程の概略を(A)〜(G)に分けて示す斜面説明
図である。
【符号の説明】
1p p型焼結体 1n n型焼結体 2p p型熱電素子 2n n型熱電素子 3 絶縁ハニカム 4 セラミックスボンド 5 溶射電極層 6 熱電変換モジュール 7 リード線
フロントページの続き (72)発明者 今 西 雄一郎 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 櫛 引 圭 子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 馬久地 裕 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1対のp型およびn型の熱電
    素子と、前記熱電素子の相対する両端面において電極層
    により電気的に接合された熱電変換モジュールにおい
    て、前記熱電素子がCoSb3を主成分とする熱電半導
    体であり、前記電極層がAlを主成分としかつ厚さ0.
    05mm以上1.0mm以下の厚膜層であることを特徴
    とする熱電変換モジュール。
  2. 【請求項2】 熱電素子の端面部分に形成された電極層
    が、Alを主成分とする金属あるいは合金と、Cr,T
    a,Mo,W,Ti,Co,Ni,Ni−Cr合金,T
    i−Al合金,Co−Cr合金のうちから選ばれる少な
    くとも1種の添加成分を含有する層であることを特徴と
    する請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 【請求項3】 熱電素子の端面部分に形成された電極層
    が、Alを主成分とする金属あるいは合金と、アルミ
    ナ,酸化チタン,シリカ,窒化ボロンのうちから選ばれ
    る少なくとも1種の添加成分を含有する層であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の熱電変換モジュー
    ル。
  4. 【請求項4】 少なくとも1対のp型およびn型の熱電
    素子の相対する両端面に電極層を形成するに際し、Co
    Sb3を主成分とする熱電半導体からなるp型およびn
    型熱電素子の端面部分にAlを主成分とする金属あるい
    は合金を溶射法によって厚膜形成することを特徴とする
    熱電変換モジュールの製造方法。
  5. 【請求項5】 Alを主成分とする金属あるいは合金
    と、Cr,Ta,Mo,W,Ti,Co,Ni,Ni−
    Cr合金,Ti−Al合金,Co−Cr合金のうちから
    選ばれる少なくとも1種の添加成分、および/または、
    アルミナ,酸化チタン,シリカ,窒化ボロンのうちから
    選ばれる少なくとも1種の添加成分を含有する電極層を
    溶射法によって形成することを特徴とする請求項4に記
    載の熱電変換モジュールの製造方法。
  6. 【請求項6】 電極層の形成にあたり、溶射法により厚
    膜形成する工程と、溶射による厚膜表面を研磨・研削法
    により平滑にする工程を経ることを特徴とする請求項4
    または5に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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