JP2000187260A - 像ぶれ補正装置及び像ぶれ補正装置が搭載される光学機器 - Google Patents

像ぶれ補正装置及び像ぶれ補正装置が搭載される光学機器

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JP2000187260A
JP2000187260A JP36722098A JP36722098A JP2000187260A JP 2000187260 A JP2000187260 A JP 2000187260A JP 36722098 A JP36722098 A JP 36722098A JP 36722098 A JP36722098 A JP 36722098A JP 2000187260 A JP2000187260 A JP 2000187260A
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coil
magnet
driving
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JP36722098A
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Shigeki Sato
佐藤  茂樹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像ぶれ補正のために動作する像ぶれ補正手段
の振動を抑え、安定的な動作が可能な像ぶれ補正装置ま
たは像ぶれ補正装置が搭載された光学機器を提供しよう
とする。 【解決手段】 光路中で移動することによって像ぶれを
補正する像ぶれ補正手段と、装置に一体的に保持される
コイルと、前記像ぶれ補正手段に一体的に保持されるマ
グネットとを含む、前記像ぶれ補正手段を駆動するため
の駆動手段とを有する像ぶれ補正装置において、前記マ
グネットに対向する、前記コイルとは逆側の位置に、装
置に一体的に磁性体を設け、以って磁性体に作用するマ
グネットの磁力により光軸方向に像ぶれ補正手段を付勢
し、像ぶれ補正手段自体の不要な振動の発生や、駆動中
の光軸方向のズレを防止しようとするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学機器等におい
て手振れ等により生じる像ぶれを補正する像ぶれ補正装
置及び像ぶれ補正装置が搭載された光学機器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは、露出決定やピント合わ
せ等の撮影にとって重要な作業はすべて自動化されてき
ており、カメラ操作に未熟な人でも撮影の失敗を起こす
可能性は非常に少なくなっている。
【0003】また最近では、カメラに加わる手振れによ
る像振れを補正するシステムも研究されており、撮影者
の撮影失敗を誘発する要因はほとんど無くなってきてい
る。
【0004】ここで、手振れによる像振れを補正するシ
ステムについて簡単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起していても像
振れの無い写真を撮影可能とするため、基本的な考えと
して上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検出
値に応じて補正レンズを変位させなければならない。従
って、手振れが生じても像振れを生じない写真を撮影可
能とするためには、第1にカメラの振動を正確に検出す
ること、第2にカメラの振動による光軸変化を補正レン
ズを変位させて補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、加速度,速度等を検出する振動検出手段と、
該振動検出手段の出力信号を電気的あるいは機械的に積
分して変位を出力するカメラ振れ検出手段とをカメラに
搭載することによって行うことができる。そして、この
検出情報に基づいて補正レンズを変位させ撮影光軸を変
化させるべく搭載された振れ補正装置内の振れ補正手段
を制御することにより、像振れ補正が可能となる。
【0007】ここで、振れ検出手段を用いた防振システ
ムについて、図8を用いてその概要を説明する。図8の
例は、図示矢印81方向のカメラ縦ブレ(ピッチ方向)
81p及びカメラ横ブレ(ヨー方向)81yに由来する
像ブレを抑制するシステムの図である。
【0008】同図中82はレンズ鏡筒、83p,84y
は各々カメラ縦ブレ振動、カメラ横ブレ振動を検出する
振れ検出手段で、それぞれの振れ検出方向を84p,8
4yで示してある。85は振れ補正光学手段(86p,
86yは各々振れ補正光学手段85に推力を与えるコイ
ル、87p,87yは補正光学手段85の位置を検出す
る検出素子)であり、該補正光学手段85は位置制御ル
ープを設けており、振れ検出手段83p,83yの出力
を目標値として駆動され、像面88での安定を確保して
いる。
【0009】また、特開平9−43661号公開公報等
では、振れ補正手段側にコイルを配置し、固定部側にマ
グネットを配置し、光軸方向の位置決めをバネ付勢によ
って行なう構成の振れ補正手段を有する振れ補正装置を
提案されている。
【0010】また、その他にも振れ補正手段側にマグネ
ット、固定部側にコイルを配置し、カムとピンによって
光軸方向の位置決めを行なう構成の振れ補正装置も提案
されている。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上記
の特開平9−43661号公開公報等に記載の振れ補正
装置は、振れ補正手段内にコイルを配置し固定部側にマ
グネットを配置していたが、この構成とすると、コイル
への通電方法が難しく、それゆえ振れ補正装置を大きく
してしまう要因となっていた。また、振れ補正手段の光
軸方向の支持を複数部材で行なっており部品点数も多
く、また光軸方向に常に振れ補正手段の重さより強い力
で付勢している為、振れ補正手段自体の追従性等に影響
が出てくる。
【0012】振れ補正手段側にマグネットを、固定部側
にコイルを配置し、コンパクトに構成してたものも提案
されている。しかし、振れ補正手段は、マグネットを配
置してある関係で、重量バランスが光軸中心には無く、
その為、振れ補正駆動が不安定になり易い。また、光軸
方向の位置決めは、カムとピンのみで行なっている為、
微少な光軸方向のガタが存在している。これらのことよ
り振れ補正駆動中に前記ガタ分、振れ補正手段自体が微
小移動してしまったり、あるいは他の外的な要因によっ
て(急激な振動等)、振れ補正手段が光軸方向への振動
を引き起こす可能性がある。
【0013】(発明の目的)本発明は上述のような事情
に鑑みて為されたもので、像ぶれ補正のために動作する
像ぶれ補正手段の振動を抑え、安定的な動作が可能な像
ぶれ補正装置または像ぶれ補正装置が搭載された光学機
器を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
本出願の請求項1に示される発明は、光路中で移動する
ことによって像ぶれを補正する像ぶれ補正手段と、装置
に一体的に保持されるコイルと、前記像ぶれ補正手段に
一体的に保持されるマグネットとを含む、前記像ぶれ補
正手段を駆動するための駆動手段とを有する像ぶれ補正
装置であって、前記マグネットに対向する、前記コイル
とは逆側の位置に、装置に一体的に設けられる磁性体を
有する像ぶれ補正装置とし、以ってマグネットの磁力に
より光軸方向に像ぶれ補正手段を付勢し、像ぶれ補正手
段自体の不要な振動の発生や、駆動中の光軸方向のズレ
を防止しようとするものである。
【0015】また、本出願の請求項2に示される発明
は、前記像ぶれ補正手段には、前記マグネットに磁気結
合されるヨークが、前記磁性体に面する側に一体的に設
けられる請求項1の像ぶれ補正装置とし、以ってヨーク
が磁性体とマグネットの間に位置するようにして、マグ
ネットの磁力をそのまま利用するのではなく、ヨークを
通して漏れてくる磁束を利用して像ぶれ補正手段を光軸
方向に付勢する為、像ぶれ補正駆動に影響を与えない力
の付勢力とすることができ、像ぶれ補正駆動の追従性の
悪化を防止している。
【0016】また、本出願の請求項3に示される発明
は、前記駆動手段の駆動を制御する回路が設けられる回
路基板が前記装置に一体的に設けられ、前記磁性体は前
記回路基板に一体的に設けられる請求項1の像ぶれ補正
装置とし、以って磁性体を回路基板上に配置したことで
磁性体の大きさ、材料に自由度を持たせることができる
ようになり、磁性体の大きさ、材料を像ぶれ振れ補正装
置毎に変更し付勢力を調整し易くしようとするものであ
る。
【0017】また、本出願の請求項4に示される発明
は、前記磁性体が、板状の形状である請求項3の像ぶれ
補正装置とし、以って回路基板上に接着固定や半田付け
し易いようにし、また材料によって容易に像ぶれ補正手
段の付勢力を可変にできるようにするものである。
【0018】また、本出願の請求項5に示される発明
は、前記磁性体が、棒状の形状であることを特徴とする
請求項3の像ぶれ補正装置とし、以って回路基板上に半
田付けされる磁性体の数を可変にすることができるよう
にし、付勢力の調整を容易にしようとするものである。
【0019】また、本出願の請求項6に示される発明
は、前記磁性体は、前記回路基板上に配置された磁性体
を含む素子である請求項3の像ぶれ補正装置とし、以っ
て追加部品無しに磁力を用いた像ぶれ補正手段の付勢を
可能とするものである。
【0020】また、本出願の請求項7に示される発明
は、光路中で移動することによって像ぶれを補正する像
ぶれ補正手段と、装置に一体的に保持されるコイルと、
前記像ぶれ補正手段に一体的に保持されるマグネットと
を含む、前記像ぶれ補正手段を駆動するための駆動手段
とを有する像ぶれ補正装置が搭載される光学機器であっ
て、前記マグネットに対向する、前記コイルとは逆側の
位置に、装置に一体的に設けられる磁性体を有する像ぶ
れ補正装置が搭載される光学機器とし、以ってマグネッ
トの磁力により光軸方向に像ぶれ補正手段を付勢し、像
ぶれ補正手段自体の不要な振動の発生や、駆動中の光軸
方向のズレを防止しようとするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施の第1の形態)以下、本発
明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。図1〜
図5は本発明の実施の第1の形態に係る振れ補正装置を
有する光学機器を示す図であり、図1は本実施の形態に
係る振れ補正装置の主要部の構成部品を分解して示す斜
視図、図2は図1B部付近に構成されるステッピングモ
ーターの別方向からの斜視図、図3は図1の左方向から
見た(説明の為、可撓性回路基板10は取り外し、内部
が見える様にしてある)図、図4は本振れ補正装置を図
3と反対側から見た図である。図5は図4のA−A線に
よる断面図である。
【0022】まず、図1〜図4を用いて本発明の実施の
第1の形態に係る振れ補正装置の構成を説明する。補正
レンズL1は支持枠1に保持され、地板2に対して光軸
垂直面を移動することにより振れ補正を行なっている。
地板2には3方向に光軸垂直の同一面上に摺動カム2a
が設けられている。7は摺動ピンであり、摺動カム2a
を介して支持枠1に設けられている3箇所の穴1aに圧
入されることで、支持枠1は地板2に対し摺動ピン7と
摺動カム2aで結合し、光軸方向に位置規制されている
が、光軸垂直面上のすべての方向に移動できる。
【0023】また、この摺動カム2aは、振れ補正装置
の外形が一段小さい径となっている3箇所の凹部2bの
内側に形成されている。2cは本振れ補正装置を支持す
る為の穴であり、外周上に3箇所設けられている。この
穴に他の部材、例えばコロ等を挿入することによって、
振れ補正装置を光学機器内に支持することができる。
【0024】6p、6yはマグネットでありヨーク5
p、5yに磁気結合している。5p、5yはヨークであ
りそれぞれピッチ(垂直方向)、ヨー(水平方向)の駆
動方向に応じて支持枠1にビス12により固定される。
この時、マグネット6p、6yは支持枠1に設けられて
いる腕部1cの間に入り込みマグネットの位置ずれを防
いでいる。一方、支持枠1には、コイルユニット8p、
8yが前記マグネットと対向する位置にビス14により
固定される。
【0025】コイルユニットの組み込み方法は後述す
る。このコイルユニット8p(8yも同様)は、樹脂材
のコイル枠8aと巻線コイル部8cが一体成形されてお
り、コイル枠8aの第一の段部8eに圧入された導電部
材である端子ピン8bにコイルの巻線の両端子が接続さ
れてユニット化されている。また、端子ピン8bが後述
する可撓性回路基板10に貫通して半田付けされ、電気
的に接続される。
【0026】これら対向している磁石とコイルによって
成る二つの駆動手段(レンズ駆動手段)のコイルに通電
することによって、前記補正レンズL1、支持枠1より
成る振れ補正手段がピッチ方向(P)及びヨー方向
(Y)に駆動され、像振れが補正される。尚、ピッチ方
向、ヨー方向はそれぞれ垂直方向、水平方向であるが、
これは振れ検知手段が光学機器に係る振れをピッチ成分
とヨー成分に分けて検知していることに由来している。
【0027】3はロックリング(係止部材)であり、B
部に構成されているステッピングモータ部(ロック駆動
手段)の出力がギア部3aに伝わることにより、光軸中
心に回転して前記支持枠1、つまり補正光学手段を所定
の位置にロック(係止)することになる。ロック動作・
ステッピングモーター部に関しては後述する。4は回転
規制部材であり、2本の軸部4a、をロックリング3の
穴部3d、地板2の穴部2gを介して前記支持枠1に設
けられている長穴部1d(形状は不図示)に嵌合摺動す
ることで、該支持枠1の光軸回りの回転(R方向)を規
制する事になる。
【0028】10は導電層が多層に構成された可撓性回
路基板であり支持枠1側にピッチ、ヨーそれぞれの移動
位置に対応する位置検出の為フォトリフレクタ16p、
16yが実装されており、逆側の面には位置検出に伴う
回路等を構成している複数の電気素子15が実装されて
いる。また、後述のステッピングモータの端子194
a,194b,195a,195bやコイルユニット8
p、8yの端子8b、も可撓性回路基板10に設けられ
ている穴に貫通した後に半田付けされ導通固定される。
【0029】可撓性回路基板10の一部10aは他の回
路基板に接続される延出部であり、この延出部10a
は、他の部品との干渉を防ぐ為に地板2に備えられてい
る突出部2cに両面テープ等で固定支持される。また、
地板2にはこの延出部10aの折り曲げ部にストレスが
かからない様に面取り部2dが設けられている。可撓性
回路基板10はビス13によって地板2に固定される。
【0030】9p、9yは位置検出用のターゲット部材
であり、フォトリフレクタ16p、16yの出力が補正
手段の位置に応じて一定の割合で変化するように白黒の
パターンが印刷されており、ヨーク5p、5yにそれぞ
れ接着固定される。尚、ターゲット部材9p、9yとヨ
ーク5p、5yの位置決めはそれぞれの穴9a,5aと
支持枠のダボ1eによって決められる。
【0031】17は磁性体の板であり、ピッチ方向、ヨ
ー方向のそれぞれの駆動部毎に別個に設けられ、可撓性
回路基板10に接着固定または半田実装される。この磁
性体の板17p、17yを設けることで、コイルユニッ
ト8p(ヨー方向も同様)、マグネット6p、ヨーク5
pによって形成される磁束の内、ヨークのコイルと反対
側に漏れてくるヨークの飽和磁束を超えた漏れ磁束を用
いて振れ補正手段(支持枠1)自体を可撓性回路基板1
0側に付勢している。
【0032】また、漏れ磁束を利用して付勢すること
で、振れ補正駆動に影響しない程度の弱い付勢力を得る
ことができる。この時の付勢力は振れ補正手段(支持枠
ユニット)の重量より小さい値であることが望ましく、
振れ補正手段(支持枠ユニット)の重量をXとすると付
勢力Kは X/4<K<X になるように設定すると、振れ補正駆動への影響は少な
くなる。この付勢力の調整は磁性体板17p、17yの
大きさ、材質を変えることで容易に可能である。
【0033】11はアシストバネであり、L1、支持枠
1等の破壊防止と中心位置復帰を助けるよう2個対向に
配置している。それぞれのフックは地板2の引っかけ部
2fと支持枠の引っかけ部1fに引っ掛けられる。
【0034】図3から分かるとおり、二つのレンズ駆動
手段(5、6、8によって構成される(P,Y))の光
軸に対して反対側にロック駆動手段をほぼ同じ光軸垂直
面内に配置したことで、それぞれの駆動部間に前述した
地板の凹部2bを設けることができ、この配置により振
れ補正装置自体をコンパクトに構成できた。
【0035】次に、係止部材3の駆動用のステッピング
モーター部について、図2で説明する。尚、これらステ
ッピングモーターの構成要素は、図1記載のB部に構成
されている。191は軟磁性体の板を複数枚(6枚)を
積層して固着したステータヨークであり、軟磁性体の板
はそれぞれ同形状の板を重ね合わせて積層してユニット
化されている。192はステータヨーク1と同一部品で
あり、2相タイプのステッピングモータのもう片方のス
テータヨークになり得るものである。ステータヨーク1
92はステータヨーク191を裏返しにして使用してい
るものである。
【0036】193はステータヨーク191、ステータ
ヨーク192の励磁状態により回転可能となるプラスチ
ックマグネット製のロータであり、その外周は分割的に
且つ交互に複数着磁なされ、また異方配向されていると
ともに、そのロータ193の回転力を係止部材3のギア
部3aに伝達する為のギア193aが一体的に設けられ
ている。
【0037】194、195はそれぞれステータヨーク
191、ステータヨーク192を励磁する為のコイルで
あり、コイル194、コイル195は同一部品で構成さ
れている。コイル194、コイル195は接続端子19
4a、194b、195a、195bから通電されるこ
とによりそれぞれステータヨーク191、ステータヨー
ク192を励磁する構成である。
【0038】前記ステータヨーク191、ステータヨー
ク192は地板2に設けられた軸2eによって位置決め
支持され、また、前記ロータ193も回転軸193bを
地板2に回転軸支されている。196はモータケース蓋
であり、前記ロータ193の回転軸193cを196f
で回転軸支すると共に爪部196a〜196eにて、地
板2の溝部2hにそれぞれ引っ掛けることにより電磁駆
動装置としてのステッピングモータ19としてユニット
化されている。
【0039】次に、以上の構成によるステッピングモー
タ19の動作を説明する。コイル194、195に接続
端子194a、194b、195a、195bから通電
することによりステータヨーク191、192に磁界が
発生し、マグネットロータ193の磁界と作用し合い閉
磁路を形成する。このときコイル195に通電されてい
なければ通電されたコイル194によって生じた磁路が
支配的となり、マグネットロータ193に回転トルクを
発生させる(コイル195のみの通電時も同じ)また両
コイル194、195に通電された場合も同様にステー
タヨーク191、192にそれぞれ磁路を形成し、マグ
ネットロータ193と作用し合い、マグネットロータ1
93に回転トルクを与える。
【0040】従って、両方のコイル194、195に順
次電流方向を切り換えながら通電することにより従来か
ら周知であるステッピングモータの駆動を行う事がで
き、マグネットロータ193のギア部193aと係止部
材3のギア部3aとの噛み合いにより、係止部材3を所
定角度回転させることができる。
【0041】地板2には、係止部材3が回転可能に支持
されており、ステッピングモータ部のロータ193に設
けられたギア部193aがギア部3aと噛み合って、該
係止部材3を回転方向に駆動することができる。この係
止部材3に設けられた4ケ所のカム3bは、支持枠1に
設けられている4箇所の突起1b(図1では2箇所しか
見えていない)との関係で、支持枠1のロック,アンロ
ックを行うことで、係止手段として機能している。
【0042】つまり、係止部材3を(表側(基板側)か
ら見て)反時計方向に回転させると、係止部材3のカム
部3bが支持枠1の突起1bと離れる為、支持枠1は係
止部材3に対してフリーになるが、係止部材3を時計方
向に回転させると、カム部3bの最も内周の円周部3c
が突起1bと接触して、支持枠1と係止部材3が係合す
る。即ち、支持枠1を地板2に対してロックさせる。
【0043】従って、振れ補正を行う時には、ステッピ
ングモータにより係止部材3を反時計回りに駆動して支
持枠1を係止部材3に対してフリーな状態(アンロック
状態)にし、一方、振れ補正終了時には、係止部材3を
時計回りに回転駆動して支持枠1を地板2に対してロッ
クさせた状態(ロック状態)にすることになる。
【0044】しかしながら、上述した構成によって振れ
補正駆動を行うと、支持枠1は図2に示すピッチ方向
(P)及びヨー方向(Y)(振れ補正方向)に自由に動
くことことができるほかに、回転方向Rにも移動してし
まう。この回転は振れ補正精度を悪化させるため、本実
施の形態では、上記回転の影響を少なくする為に、以下
の方法を採っている。
【0045】図1に示す様に回転規制部材4から延出す
る2本の軸部4aが各々係止部材3に設けられている穴
3d、地板に設けられている穴2gを貫通し、支持枠1
の1dの長溝に嵌合摺動できるようになっている。回転
規制部材4は地板2に設けられた爪2j、2k(図4参
照)で光軸方向に規制される。また、ステッピングモー
ターを構成しているローターマグネット193の軸支部
の周囲の突起2m、および突起2nの側面に回転規制部
材4の摺動面4b、4c、4d、4eが嵌合摺動し、回
転規制部材4を図5中のB方向にのみ移動できるように
規制している。
【0046】以上の様な構成にする事で、支持枠1は地
板2に対して回転できなくなり、このことにより上記マ
グネット6、コイルユニット8による駆動力によりピッ
チ方向、ヨー方向にのみ移動可能にすることができる。
詳細には図5のB方向に対しては、回転規制部材4と共
に支持枠1が地板に対して移動し、Bと直角方向(C方
向)には軸4aにより支持枠のみが地板2に対して移動
する。
【0047】また、回転規制部材の開口部は支持枠1と
共に移動するB方向(b)とB方向と直角方向(C方
向)(c)の関係は (b)<(c) であり、略楕円形状になっている。
これにより支持枠1の移動に伴って出来てしまう空間を
通過してくる有害光を効果的にカットすることができ
る。
【0048】次に、コイルユニット8p、8yの組み立
て方法について図1、図3、図5を用いて説明する。コ
イルユニット8p(8yも同様、以下8pのみで説明す
る)は、まず、地板2のコイル取り付け面2sにならう
ように光軸垂直面方向から地板に挿入される。2s面上
に設けられた2箇所の斜面を備えた位置決め突起部2r
を乗り越える際に、コイル押さえ2p、2q及びコイル
ユニットの樹脂部が弾性変形する。その後更に挿入する
とコイルユニット8pの穴8fに前記2rが入り込み、
コイルユニットが位置決めされる。その後裏面側からビ
ス14によってコイルユニット8pが引き込み固定され
る(穴8gにビスが入る)。
【0049】本実施の形態のようなコイルとマグネット
による駆動の際はその空気間隔による磁力の損失が大き
い為、コイルユニット8pとマグネット6pの間隔を狭
くしないと駆動力を大きく出来ない。従ってこの間隔精
度が厳しい為、本実施例では地板に2p、2qを設ける
ことによって、位置決め突起2rからコイルを外れにく
くし、また、ビス14によって引き込まれる際のコイル
ユニットの反り変形を防止し、マグネット等との干渉が
避けられている。
【0050】また、コイルユニット8pは、端子部8b
の圧入されている段部8eよりも2方向に高い段8d部
が設けられている。これは、光軸垂直方向よりコイルユ
ニット8pを挿入する際のコイル8c(端が8bに接続
されている)の断線を防止する為である。以上の構成と
したことで、コイルユニットの組み立て作業性の向上を
図っている。
【0051】(実施の第2の形態)次に本発明の実施の
第2の形態を図6を用いて説明する。尚実施の第1の形
態と同じ部品は同じ番号にて記載してある。117p、
117yは磁性体で構成された棒状部材で、可撓性回路
基板10の支持枠1側に半田付けされる。これにより支
持枠に固定してある、マグネット6p(ヨー側も同様)
の磁束の内、ヨーク5pから漏れてくる漏れ磁束を利用
して振れ補正手段(支持枠ユニット)を光軸方向の可撓
性回路基板10側に付勢している。
【0052】また、棒状としたことで、可撓性回路基板
10に半田付けされる磁性体117p(ヨー側も同様)
の数を増減することができ、これにより、振れ補正手段
(支持枠ユニット)の光軸方向の付勢力の調整が容易に
可能となった。
【0053】本実施例ではピッチ、ヨー共に2本づつ平
行に使用しているが、フォトリフレクタ16pを囲むよ
うに配置してもよく、任意な方向に可撓性回路基板10
に固定しても構わない。
【0054】(実施の第3の形態)図7は実施の第3の
形態を示したものである。尚、実施の第1の形態と同じ
部品については同じ番号にて記載してある。本実施例で
は可撓性回路基板10上に実装されている部品配置を工
夫し、磁性体を含む素子115を、振れ補正装置の駆動
部と対向する位置近傍に配置している。これにより、前
述の実施の第1、2の形態と同様振れ補正手段を光軸方
向に付勢することができる。磁性体を含む素子とはその
実装の為の足の材質が磁性体であってもよく、またパッ
ケージされた樹脂の中に磁性体を配置した素子であって
もよい。
【0055】尚、上述の各実施の形態の装置は各種光学
装置に適用可能で、例えば、銀塩カメラ、ビデオカメ
ラ、カメラに適用される交換レンズ、双眼鏡等の観察光
学機器などに適用することができる。
【0056】また、上述の各実施の形態では、本発明
を、像ぶれ補正のために可動な光学手段を駆動して光束
を偏向する装置に用いるものとして説明したが、その他
の目的で光束を偏向させる装置に適用することもでき
る。
【0057】上述の各実施の形態では、補正光学手段を
光軸に垂直な方向に駆動するための駆動手段の一部とし
てのヨークの上記補正光学手段の支持枠に取り付けるた
めの構成の例を示したが、本発明はそれらの各実施の形
態の構成に限られるものでなく、その他の可動部を動作
させるため駆動装置に適用したり、その他の動作の仕方
で動作する可動部を動作させるため駆動装置に適用して
もよい。また、ヨーク以外の部材を固定するために適用
してもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、駆動部の磁束と該磁性
体の相互作用によって、像ぶれ補正手段の微小な光軸方
向のガタや、外部からの要因等により、像ぶれ補正手段
に発生する振動を、像ぶれ補正駆動の追従性を悪化させ
ることなく防止し、適正な駆動が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の振れ補正装置の分
解斜視図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態のステッピングモー
ター部の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態の振れ補正装置の正
面図である。
【図4】本発明の実施の第1の形態の振れ補正装置を裏
側から見た図である。
【図5】図4のA−A線による断面図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態の振れ補正装置の分
解斜視図である。
【図7】本発明の実施の第3の形態の振れ補正装置の分
解斜視図である。
【図8】振れ補正装置の概略を示す図である。
【符号の説明】
L1 振れ補正手段用レンズ群 1 支持枠 2 地板 3 係止部材 4 回転規制部材 5 ヨーク 6 マグネット 7 摺動ピン 8 コイルユニット 10 可撓性回路基板 17 磁性体の板 117 磁性体の棒 115 磁性体を含む素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光路中で移動することによって像ぶれを
    補正する像ぶれ補正手段と、装置に一体的に保持される
    コイルと、前記像ぶれ補正手段に一体的に保持されるマ
    グネットとを含む、前記像ぶれ補正手段を駆動するため
    の駆動手段とを有する像ぶれ補正装置であって、前記マ
    グネットに対向する、前記コイルとは逆側の位置に、装
    置に一体的に設けられる磁性体を有することを特徴とす
    る像ぶれ補正装置。
  2. 【請求項2】 前記像ぶれ補正手段には、前記マグネッ
    トに磁気結合されるヨークが、前記磁性体に面する側に
    一体的に設けられることを特徴とする請求項1の像ぶれ
    補正装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段の駆動を制御する回路が設
    けられる回路基板が前記装置に一体的に設けられ、前記
    磁性体は前記回路基板に一体的に設けられることを特徴
    とする請求項1の像ぶれ補正装置。
  4. 【請求項4】 前記磁性体は、板状の形状であることを
    特徴とする請求項3の像ぶれ補正装置。
  5. 【請求項5】 前記磁性体は、棒状の形状であることを
    特徴とする請求項3の像ぶれ補正装置。
  6. 【請求項6】 前記磁性体は、前記回路基板上に配置さ
    れた磁性体を含む素子であることを特徴とする請求項3
    の像ぶれ補正装置。
  7. 【請求項7】 光路中で移動することによって像ぶれを
    補正する像ぶれ補正手段と、装置に一体的に保持される
    コイルと、前記像ぶれ補正手段に一体的に保持されるマ
    グネットとを含む、前記像ぶれ補正手段を駆動するため
    の駆動手段とを有する像ぶれ補正装置が搭載される光学
    機器であって、前記マグネットに対向する、前記コイル
    とは逆側の位置に、装置に一体的に設けられる磁性体を
    有することを特徴とする像ぶれ補正装置が搭載される光
    学機器。
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