JP2000186094A - シロール化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

シロール化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2000186094A
JP2000186094A JP10363652A JP36365298A JP2000186094A JP 2000186094 A JP2000186094 A JP 2000186094A JP 10363652 A JP10363652 A JP 10363652A JP 36365298 A JP36365298 A JP 36365298A JP 2000186094 A JP2000186094 A JP 2000186094A
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Hisayuki Kawamura
久幸 川村
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機化エレクトロルミネッセンス素子の構
成材料として有用性の高いシロール化合物と、これを用
いた発光効率が高くかつ発光寿命の長い、しかも軽量化
・薄型で低電圧駆動の可能な有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を提供する。 【解決手段】下記一般式〔1〕および〔2〕で表される
シロール化合物と、一対の電極間に該シロール化合物を
含有する有機化合物層を有する有機エレクトロルミネッ
センス素子。 【化1】 【化2】 〔式中、X,Yは炭素または窒素原子、Ar1 〜Ar6
は、これらのうちの1つ以上が式〔2〕(式中のR1
3 は、水素またはアリール基を示す)で表される置換
基であり、他は水素、アルキル基またはアリール基であ
る。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なシロール化
合物と、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素
子(以下、有機EL素子と称することがある)に関す
る。さらに詳しくは、有機EL素子の構成材料として有
用性の高いシロール化合物と、それを用いた発光効率に
優れかつ発光の寿命の長い有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電界発光を利用した有機EL素子は、自
己発光であることから視認性が高く、また完全固体素子
であるために耐衝撃性に優れているという特徴を有して
いる。したがって、薄膜ディスプレイ素子や液晶ディス
プレイのバックライト、平面光源などの分野に使用され
ている。
【0003】現在実用化されているエレクトロルミネッ
センス素子は、分散型エレクトロルミネッセンス素子で
ある。この分散型エレクトロルミネッセンス素子は、数
十ボルト、10キロヘルツ以上の交流電圧を必要とする
ため、その駆動回路が複雑になっている。このようなこ
とから、駆動電圧を10ボルト程度まで低下させること
ができ、高輝度に発光することのできる有機EL素子
が、近年盛んに研究されている。たとえば、C.W.T
ang and S.A.Van Slyke App
l.Phys.Lett.,vol.51,pp.91
3〜915(1987)や、特開昭63−264629
号公報において、有機薄膜EL素子の構成が、透明電極
/正孔注入層/発光層/背面電極の積層型であるものが
提案されており、ここで用いられている正孔注入層によ
り効率よく正孔を発光層内に注入することができるよう
になされている。このような有機EL素子において用い
られる発光層は、単層であってもよいのであるが、上記
のように、電子輸送性と正孔輸送性とのバランスが良く
なかったことから、多層に積層することにより、性能の
向上が図られていた。
【0004】ところで、このように積層構造に形成する
ためには、その製造工程が煩雑になり所要時間も長くな
るほか、各層に薄膜性が要求されるなどの制限が多いと
いう問題がある。さらに、近年においては、情報機器な
どのコンパクト化や携帯型への移行の要請が高まり、こ
れらの駆動電圧のさらなる低電圧化の要望が増大してい
る。そこで、このような軽量化や駆動電圧の低電圧化の
ために、有機発光材料や正孔輸送材料などの開発が試み
られている。
【0005】しかしながら、これまで提案されている有
機発光材料においては、様々な発光色を実現することが
できるという面では進展がみられるが、電子輸送性につ
いては充分な性能が得られるに至らず、このため電子と
正孔の再結合の確率が低下し、発光効率が充分でないと
いう難点があった。また、電子輸送性に優れた発光材料
としてアルミニウム錯体が知られているが、このものは
吸湿しやすく、品質管理の面に難点がある。さらに、特
開平9−87616号公報においては、電子輸送性の良
好な発光材料としてシロール化合物を用いることを提案
しているが、このものは、発光の寿命が短いという難点
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の状況
に鑑み、軽量化や低電圧駆動の可能な有機EL素子に用
いた際に、発光効率に優れかつその発光の寿命が長いと
いう特性を発現することのできるシロール化合物と、そ
れを用いた発光の寿命の長い有機EL素子を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々検討を重ねた結果、特定の化学構
造を有するシロール化合物を有機EL素子の構成材料に
用いることによって、上記目的を達成することがてきる
ということを見出し、これら知見に基づいて、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、下記のとおり
である。 (1)下記一般式〔1〕で表されるシロール化合物。
【0009】
【化3】
【0010】〔式〔1〕中、XおよびYは、炭素原子ま
たは窒素原子であり、Ar1 〜Ar6は、これらの中の
少なくとも1つが下記一般式〔2〕、
【0011】
【化4】
【0012】(式〔2〕中、R1 〜R3 は、各々独立に
水素原子または置換基を有していてもよい核原子数5〜
40のアリール基であり、かつR1 〜R3 の中の少なく
とも1つは、置換基を有していてもよい核原子数5〜4
0のアリール基である。)で表される置換基であり、他
は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基または置換基
を有していてもよい核原子数5〜40のアリール基であ
る。〕 (2)少なくとも一対の電極間に挟持された有機発光層
を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記一般式〔1〕で表されるシロール化合物を含有する
有機エレクトロルミネッセンス素子。 (3)前記一般式〔1〕で表されるシロール化合物を主
として発光帯域に含有させた前記(2)に記載の有機エ
レクトロルミネッセンス素子。 (4)前記一般式〔1〕で表されるシロール化合物を有
機発光層に含有させた前記(2)または(3)に記載の
有機エレクトロルミネッセンス素子。 (5)前記一般式〔1〕で表されるシロール化合物を電
子注入層に含有させた前記(2)または(3)に記載の
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のシロール化合物は、前記
一般式〔1〕で表される特定の化学構造を有するシロー
ル化合物である。そして、この一般式〔1〕におけるA
1 〜Ar6が表す炭素数1〜30のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシ
ル基、ドデシル基、トリデシル基など挙げられる。
【0014】また、この一般式〔1〕におけるAr1
Ar6 および一般式〔2〕におけるR1 〜R3 が表わす
置換基を有していてもよい核原子数5〜40のアリール
基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、
ターフェニル基、アントラニル基、フェナンスリル基、
ピレニル基、ジフェニルナフチル基、ジフェニルアント
ラニル基、ピローリル基、フラニル基、チオフェニル
基、ピリジル基、ピラジル基、インドリル基、ベンゾチ
アゾリル基、シロール基などが挙げられる。これらアリ
ール基の中では、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、アントラニル基、シロール基が特に好適なものであ
る。
【0015】そして、これらアリール基に置換されてい
てもよい置換基としては、炭素数1〜30のアルキル
基、炭素数1〜30のアルコキシ基、核原子数5〜40
のアリールオキシ基、核原子数5〜40のアリール基で
置換されたアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜
30のエステル基またはハロゲン原子が挙げられる。こ
の炭素数1〜30のアルキル基としては、上述の具体例
と同様であり、炭素数1〜30のアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブト
キシ基、tert−ブトキシ基、各種ペンチルオキシ
基、各種ヘキシルオキシ基などが挙げられる。また、核
原子数5〜40のアリールオキシ基としては、フェニル
オキシ基、トリルオキシ基、スチリルオキシ基、ビフェ
ニルオキシ基、ナフチルオキシ基が挙げられる。さら
に、上記Ar1 〜Ar6 およびR1 〜R3 が表わす置換
基を有していてもよい核原子数5〜40のアリール基
は、化合物内で相隣接する基同士が連結基を介して環を
形成していてもよい。
【0016】つぎに、前記一般式〔1〕で表されるシロ
ール化合物について、その具体的な化合物を例示する
と、以下のものが挙げられる。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】つぎに、前記一般式〔1〕で表されるシロ
ール化合物を製造する方法については、以下の方法によ
り、効率よく得ることができる。すなわち、下記一般式
〔3〕
【0023】
【化10】
【0024】〔式中のAr2 、Ar3 、Ar5 、Ar6
は、前記一般式〔1〕におけるAr2、Ar3 、A
5 、Ar6 と同一の意味を有する。〕で表されるアセ
チレン誘導体に、アルカリ金属錯体を反応させ、つい
で、これに一般式〔4〕
【0025】
【化11】
【0026】〔式中のAr5 、Ar6 は、前記一般式
〔1〕におけるAr5 、Ar6 と同一の意味を有す
る。〕で表される珪素化合物を反応させ、さらに、塩化
亜鉛もしくは塩化亜鉛錯体を反応させ、これに、下記一
般式〔5〕および〔6〕
【0027】
【化12】
【0028】〔式中のAr1 、Ar4 は、前記一般式
〔1〕におけるAr1 、Ar4 と同一の意味を有す
る。〕で表される化合物を反応させることによって、所
望のシロール化合物を得ることができる。
【0029】つぎに、本発明の有機EL素子は、一対の
電極間に有機発光層を挟持させて構成され、この素子
に、好ましくはその発光帯域、殊に有機発光層に上記シ
ロール化合物を含有させて構成されている。この有機E
L素子の代表的な素子構成は、下記に示すとおりである
が、これに限定されるものではない。
【0030】陽極/発光層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/陰極 陽極/発光層/電子注入層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極 陽極/有機半導体層/発光層/陰極 陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/陰極 陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/陰極 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層
/陰極 これら各種の素子構成の中では、上記の構成としてあ
るものが好ましく用いられる。そして、前記一般式
〔1〕で表されるシロール化合物は、これらの構成要素
の中の主として発光帯域、殊に発光層に含有させたもの
が好適に用いられる。この発光層への上記シロール化合
物の含有割合は、発光層全体に対して30〜100モル
%であるものが好適である。
【0031】そして、この有機EL素子は、透光性の基
板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持
する基板であり、その透光性については、400〜70
0nmの可視領域の光の透過率が50%以上でであるも
のが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好まし
い。このような透光性基板としては、たとえば、ガラス
板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板とし
ては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウ
ム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウ
ケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで
成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板として
は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹
脂、ポリサルフォン樹脂などの板か挙げられる。
【0032】つぎに、上記の陽極としては、仕事関数の
大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物ま
たはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用
いられる。このような電極物質の具体例としては、Au
等の金属、CuI、ITO、SnO2、ZnO等の導電
性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これら
の電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄
膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層
からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対す
る透過率が10%より大きくなるような特性を有してい
ることが望ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω
/□以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜
厚は、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましく
は10〜200nmの範囲で選択される。
【0033】そして、本発明の有機EL素子の発光層と
しては、以下の機能を併せ持つものが好適である。 注入機能;電界印加時に陽極または正孔注入層より正
孔を注入することができ、陰極または電子注入層より電
子を注入することができる機能 輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で
移動させる機能 発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し、これを
発光につなげる機能 ただし、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさ
には、違いがあってもよく、また正孔と電子の移動度で
表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方
の電荷を移動することが好ましい。
【0034】本発明の前記一般式〔1〕で表されるシロ
ール化合物は、上記の3つの条件を満たしており、これ
を主として発光層を形成することが望ましいが、このシ
ロール化合物を発光層以外の層に用いる場合には、以下
の発光材料を用いることができる。有機EL素子の発光
材料は主に有機化合物であり、具体的には所望の色調に
より、次のような化合物が用いられる。たとえば、紫外
域から紫色の発光を得る場合には、下記の一般式〔7〕
で表される化合物が好適に用いられる。
【0035】
【化13】
【0036】〔上記式中、Xは、下記一般式〔8〕
【0037】
【化14】
【0038】(上記式中、nは2〜5の整数を示す)で
表される基を示し、Yは、下記一般式
〔9〕
【0039】
【化15】
【0040】で表される基を示す。この一般式〔7〕で
表される化合物におけるフェニル基、フェニレン基、ナ
フチル基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、水酸基、スルホニル基、カルボニル
基、アミノ基、ジメチルアミノ基またはジフェニルアミ
ノ基等の単数または複数の置換基を有する化合物を用い
てもよい。また、これら置換基が複数ある場合には、そ
れらが互いに結合し、飽和5員環あるいは6員環を形成
していてもよい。さらに、この化合物の形態について
は、フェニル基、フェニレン基、ナフチル基にパラ位で
結合したものが、結合性が良く、かつ平滑な蒸着膜が形
成し易いことから好ましい。上記一般式〔7〕で表され
る化合物の具体例を示せば、下記のとおりである。
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】これら化合物の中では、特にp−クォータ
ーフェニル誘導体、p−クインクフェニル誘導体が好ま
しい。また、青色から緑色の発光を得るためには、例え
ばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾ
オキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキシ
ノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物を用いること
ができる。これら化合物の具体例としては、例えば特開
昭59−194393号公報に開示されている化合物を
挙げることができる。さらに他の有用な化合物は、ケミ
ストリー・オブ・シンセティック・ダイズ(1971)
628〜637頁および640頁に列挙されている。
【0044】前記キレート化オキシノイド化合物として
は、例えば、特開昭63−295695号公報に開示さ
れている化合物を用いることができる。その代表例とし
ては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等の8
−ヒドロキシキノリン系金属錯体や、ジリチウムエピン
トリジオン等が好適な化合物として挙げることができ
る。
【0045】また、前記スチリルベンゼン系化合物とし
ては、例えば、欧州特許第0319881号明細書や欧
州特許第0373582号明細書に開示されているもの
を用いることができる。そして、特開平2−25279
3号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体
も、発光層の材料として用いることができる。このほ
か、欧州特許第0387715号明細書に開示されてい
るポリフェニル系化合物も発光層の材料として用いるこ
とができる。
【0046】さらに、上述した蛍光増白剤、金属キレー
ト化オキシノイド化合物およびスチリルベンゼン系化合
物等以外に、例えば12−フタロペリノン(J. App
l.Phys.,第27巻,L713(1988年))、
1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,1,
4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(以上A
ppl. Phys. Lett.,第56巻,L799(1
990年))、ナフタルイミド誘導体(特開平2−30
5886号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−189
890号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2−
216791号公報、または第38回応用物理学関係連
合講演会で浜田らによって開示されたオキサジアゾール
誘導体)、アルダジン誘導体(特開平2−220393
号公報)、ピラジリン誘導体(特開平2−220394
号公報)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−28
9675号公報)、ピロロピロール誘導体(特開平2−
296891号公報)、スチリルアミン誘導体(App
l. Phys. Lett.,第56巻,L799(199
0年)、クマリン系化合物(特開平2−191694号
公報)、国際特許公報WO90/13148やApp
l. Phys. Lett.,vol58,18,P198
2(1991)に記載されているような高分子化合物等
も、発光層の材料として用いることができる。
【0047】本発明では特に発光層の材料として、芳香
族ジメチリディン系化合物(欧州特許第0388768
号明細書や特開平3−231970号公報に開示のも
の)を用いることが好ましい。具体例としては、4,
4’−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)
ビフェニル、、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビ
ニル)ビフェニル等、およびそれらの誘導体を挙げるこ
とができる。
【0048】また、特開平5−258862号公報等に
記載されている一般式(Rs−Q) 2 −Al−O−L
〔式中、Lはフェニル部分を含んでなる炭素原子6〜2
4個の炭化水素であり、O−Lはフェノラート配位子で
あり、Qは置換8−キノリノラート配位子を示し、Rs
はアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が
2個を上回り結合するのを立体的に妨害するように選ば
れた8−キノリノラート環置換基を示す〕で表される化
合物も挙げられる。具体的には、ビス(2−メチル−8
−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)ア
ルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(II
I)等が挙げられる。
【0049】このほか、特開平6−9953号公報等に
よるドーピングを用いた高効率の青色と緑色の混合発光
を得る方法が挙げられる。この場合、ホストとしては、
上記の発光材料、ドーパントとしては青色から緑色まで
の強い蛍光色素、例えばクマリン系あるいは上記のホス
トとして用いられているものと同様な蛍光色素を挙げる
ことができる。具体的には、ホストとしてジスチリルア
リーレン骨格の発光材料、特に好ましくは4,4’−ビ
ス(2,2−ジフエニルビニル)ビフェニル、ドーパン
トとしてはジフェニルアミノビニルアリーレン、特に好
ましくは例えばN,N−ジフェニルアミノビニルベンゼ
ンを挙げることができる。
【0050】白色の発光を得る発光層としては、特に制
限はないが、下記のものを用いることができる。 有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定
し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許
第0390551号公報)。 と同じくトンネル注入を利用する素子で実施例とし
て白色発光素子が記載されているもの(特開平3−23
0584号公報)。
【0051】二層構造の発光層が記載されているもの
(特開平2−220390号公報および特開平2−21
6790号公報)。 発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材
料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)。 青色発光体(蛍光ピーク380〜480nm)と緑色
発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤
色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−2071
70号公報)。
【0052】青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑
色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに
緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−1421
69号公報)。 これらの中では、上記の構成のものが特に好ましい。
さらに、赤色蛍光体としては、下記に示すものが好適に
用いられる。
【0053】
【化18】
【0054】つぎに、上記材料を用いて発光層を形成す
る方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、LB
法等の公知の方法を適用することができる。発光層は、
特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積
膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された
薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体
化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜
は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝
集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相
違により区分することができる。
【0055】また特開昭57−51781号公報に開示
されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶
剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等に
より薄膜化することによっても、発光層を形成すること
ができる。このようにして形成される発光層の膜厚につ
いては特に制限はなく、状況に応じて適宜選択すること
ができるが、通常5nm〜5μmの範囲が好ましい。こ
の発光層は、上述した材料の1種または2種以上からな
る一層で構成されてもよいし、また、前記発光層とは別
種の化合物からなる発光層を積層したものであってもよ
い。
【0056】つぎに、正孔注入・輸送層は、発光層への
正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正
孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5e
V以下と小さい。このような正孔注入・輸送層としては
より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ま
しく、さらに正孔の移動度が、例えば104 〜106
/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2 /V・
秒であるものが好ましい。本発明のシロール誘導体と混
合して正孔注入・輸送層を形成する材料としては、前記
の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、
従来、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣
用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用
されている公知のものの中から任意のものを選択して用
いることができる。
【0057】このような正孔注入・輸送層の形成材料と
しては、具体的には、例えばトリアゾール誘導体(米国
特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジア
ゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等
参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096
号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特
許3,615,402号明細書、同第3,820,98
9号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭
45−555号公報、同51−10983号公報、特開
昭51−93224号公報、同55−17105号公
報、同56−4148号公報、同55−108667号
公報、同55−156953号公報、同56−3665
6号公報等参照)、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン
誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第
4,278,746号明細書、特開昭55−88064
号公報、同55−88065号公報、同49−1055
37号公報、同55−51086号公報、同56−80
051号公報、同56−88141号公報、同57−4
5545号公報、同54−112637号公報、同55
−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導
体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭5
1−10105号公報、同46−3712号公報、同4
7−25336号公報、特開昭54−53435号公
報、同54−110536号公報、同54−11992
5号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第
3,567,450号明細書、同第3,180,703
号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,
658,520号明細書、同第4,232,103号明
細書、同第4,175,961号明細書、同第4,01
2,376号明細書、特公昭49−35702号公報、
同39−27577号公報、特開昭55−144250
号公報、同56−119132号公報、同56−224
37号公報、西独特許第1,110,518号明細書等
参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,5
26,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体
(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のも
の)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46
234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭5
4−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体
(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54
−59143号公報、同55−52063号公報、同5
5−52064号公報、同55−46760号公報、同
55−85495号公報、同57−11350号公報、
同57−148749号公報、特開平2−311591
号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−21
0363号公報、同第61−228451号公報、同6
1−14642号公報、同61−72255号公報、同
62−47646号公報、同62−36674号公報、
同62−10652号公報、同62−30255号公
報、同60−93455号公報、同60−94462号
公報、同60−174749号公報、同60−1750
52号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,
950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−
204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2
−282263号公報)、特開平1−211399号公
報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオ
フェンオリゴマー)等を挙げることができる。
【0058】正孔注入・輸送層の材料としては上記のも
のを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特
開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳
香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物
(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53
−27033号公報、同54−58445号公報、同5
4−149634号公報、同54−64299号公報、
同55−79450号公報、同55−144250号公
報、同56−119132号公報、同61−29555
8号公報、同61−98353号公報、同63−295
695号公報等参照)、芳香族第三級アミン化合物を用
いることもできる。
【0059】また米国特許第5,061,569号に記
載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例
えば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェ
ニルアミノ)ビフェニル、また特開平4−308688
号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが
3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−ト
リス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ)トリフェニルアミン等を挙げることができる。さら
に、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリデ
ィン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合
物も正孔注入・輸送層の材料として使用することができ
る。
【0060】そして、この正孔注入・輸送層を形成する
には、上述の化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコー
ト法、キャスト法、LB法等の公知の方法により薄膜化
すればよい。この場合、正孔注入・輸送層としての膜厚
は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmである。
この正孔注入・輸送層は、正孔輸送帯域に本発明の芳香
族炭化水素化合物を含有していれば、上述した材料の1
種または2種以上からなる一層で構成されてもよいし、
また、前記正孔注入・輸送層とは別種の化合物からなる
正孔注入・輸送層を積層したものであってもよい。
【0061】また、有機半導体層は、発光層への正孔注
入または電子注入を助ける層であって、10-10 S/c
m以上の導電率を有するものが好適である。このような
有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマー
や特開平8−193191号公報に記載の含アリールア
ミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミ
ンデンドリマー等の導電性デンドリマー等を用いること
ができる。
【0062】つぎに、電子注入層は、発光層への電子の
注入を助ける層であって、電子移動度が大きく、また付
着改善層は、この電子注入層の中で特に陰極との付着が
良い材料からなる層である。電子注入層に用いられる材
料としては、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体
の金属錯体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン
またはその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシ
ン(一般に8−キノリノールまたは8−ヒドロキシキノ
リン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合
物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを
電子注入材料として用いることができる。
【0063】そして、オキサジアゾール誘導体として
は、下記一般式〔10〕〜〔12〕、
【0064】
【化19】
【0065】〔上記式中、Ar1 ,Ar2 ,Ar3 ,A
5 ,Ar6 ,Ar9 は、各々独立に置換または無置換
のアリール基を示し、それぞれ互いに同一であっても異
なっていてもよい。また、Ar4 ,Ar7 ,Ar8 は、
各々独立に置換または無置換のアリーレン基を示し、そ
れぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕で表され
る電子伝達化合物が挙げられる。
【0066】これら一般式〔10〕〜〔12〕における
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、アン
トラニル基、ペリレニル基、ピレニル基が挙げられる。
また、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレ
ン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレ
ン基、ピレニレン基などが挙げられる。そして、これら
への置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基またはシアノ基等が挙げられ
る。この電子伝達化合物は、薄膜形成性の良好なものが
好ましく用いられる。
【0067】そして、これら電子伝達性化合物の具体例
としては、下記のものを挙げることができる。
【0068】
【化20】
【0069】つぎに、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこ
れらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この
ような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリ
ウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネ
シウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、ア
ルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属な
どが挙げられる。この陰極はこれらの電極物質を蒸着や
スパッタリング等の方法により薄膜を形成させることに
より、作製することができる。
【0070】ここで、発光層からの発光を陰極から取り
出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大き
くすることが好ましい。また、陰極としてのシート抵抗
は数百Ω/□以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10
nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。つ
ぎに、本発明の有機EL素子を作製する方法について
は、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に
応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形
成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽
極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することも
できる。
【0071】以下、透光性基板上に、陽極/正孔注入層
/発光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成の有
機EL素子の作製例について説明する。まず、適当な透
光性基板上に、陽極材料からなる薄膜を1μm以下、好
ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、
蒸着法あるいはスパッタリング法により形成し、陽極と
する。次に、この陽極上に正孔注入層を設ける。正孔注
入層の形成は、前述したように真空蒸着法、スピンコー
ト法、キャスト法、LB法等の方法により行うことがで
きるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが発
生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが
好ましい。真空蒸着法により正孔注入層を形成する場
合、その蒸着条件は使用する化合物(正孔注入層の材
料)、目的とする正孔注入層の結晶構造や再結合構造等
により異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真
空度10-7〜10-3torr、蒸着速度0.01〜50
nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5
μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
【0072】次に、この正孔注入層上に発光層を設け
る。この発光層の形成も、所望の有機発光材料を用いて
真空蒸着法、スパッタリング、スピンコート法、キャス
ト法等の方法により、有機発光材料を薄膜化することに
より形成できるが、均質な膜が得られやすく、かつピン
ホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成
することが好ましい。真空蒸着法により発光層を形成す
る場合、その蒸着条件は使用する化合物により異なる
が、一般的に正孔注入層の形成と同様な条件範囲の中か
ら選択することができる。
【0073】次に、この発光層上に電子注入層を設け
る。この場合にも正孔注入層、発光層と同様、均質な膜
を得る必要から真空蒸着法により形成することが好まし
い。蒸着条件は正孔注入層、発光層と同様の条件範囲か
ら選択することができる。本発明の芳香族炭化水素化合
物は、上記有機化合物層のいずれの層に含有させるかに
よって異なるが、真空蒸着法を用いる場合は他の材料と
の共蒸着をすることができる。またスピンコート法を用
いる場合は、他の材料と混合することによって含有させ
ることができる。
【0074】そして、最後に陰極を積層して有機EL素
子を得ることができる。陰極は金属から構成されるもの
で、蒸着法、スパッタリングを用いることができる。し
かし、下地の有機物層を製膜時の損傷から守るためには
真空蒸着法が好ましい。以上の有機EL素子の作製は、
一回の真空引きで、一貫して陽極から陰極まで作製する
ことが好ましい。
【0075】この有機EL素子に直流電圧を印加する場
合、陽極を+、陰極を−の極性にして、5〜40Vの電
圧を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で
電圧を印加しても電流は流れず、発光は全く生じない。
さらに、交流電圧を印加した場合には、陽極が+、陰極
が−の極性になった時のみ均一な発光が観測される。こ
の場合、印加する交流の波形は任意でよい。
【0076】
【実施例】つぎに、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。 [実施例1] (1)シロール化合物の合成 反応容器に、窒素ガス気流下、エチニルベンゼン6ミリ
リットルをテトラヒドロフラン50ミリリットルに溶解
させた溶液を入れ、0℃において、これに、1.6規定
濃度のノルマルブチルリチウム33ミリリットルを滴下
し、1時間攪拌した。つぎに、これにジフェニルシリル
ジクロライド3ミリリットルをテトラヒドロフラン3
3.3ミリリットルに溶解させた溶液を加え、室温にお
いて、12時間攪拌下に反応させた。ついで、反応液か
ら析出した固体を濾別し、反応液をロータリーエバポレ
ーターにより濃縮した。つぎに、これに水を加え、ジエ
チルエーテルにより抽出した。得られた抽出物を無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターに
より濃縮した。さらに、これをヘキサンにより再結晶し
て、ビスフェニルエチニルジフェニルシラン3.8gを
得た。
【0077】つぎに、ナフタレン2.50gを入れた三
つ口フラスコ内を、アルゴンガスにより置換した後、リ
チウム140mgとテトラヒドロフラン15ミリリット
ルを加え、4時間攪拌した。つぎに、これに上記で得ら
れたビスフェニルエチニルジフェニルシラン1.30g
を滴下した。そして、10分間後に、0℃まで冷却し
て、tert−ブチルジフェニルシリルクロライド2.
75gを加え、20分間攪拌した後、塩化亜鉛のテトラ
メチルエチレンジアミン錯体5.05gを添加した。さ
らに、この反応液を室温に戻し、4−(2,2−ジフェ
ニルビニル−1−イル)−ブロモベンゼン4.0gと、
ビストリフェニルホスフィンジクロロパラジウム175
mgを加えて、加熱還流下に16時間反応させた。
【0078】反応終了後、反応生成物より析出した固体
を濾別し、反応液をロータリーエバポレーターにより濃
縮した。得られた濃縮物に水を加え、ジエチルエーテル
により抽出した。そして、抽出物を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、ロータリーエバポレーターにより濃縮し
た。さらに、これをカラムクロマトグラフィーにより精
製した後、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒を用いて再
結晶し、目的とする化合物0.54gを得た。
【0079】つぎに、得られた化合物の質量分析(FD
−MS)の結果、C6850Si=894に対し、894
のピークのみが検出され、したがって、下記の化合物が
得られたことが確認された。この化合物の融点は、30
0℃以上であった。
【0080】
【化21】
【0081】(2)有機EL素子の作製 透光性基板として、ガラス基板(縦25mm、横75m
m、厚さ1.1mm)を用い、この上に、厚さ100n
mのインジウム・スズ酸化物(ITO)の厚さ約750
オングストロームの薄膜を蒸着して、陽極を形成した。
つぎに、これを真空蒸着装置(日本真空技術社製)に入
れて、約10-6torrに減圧し、陽極の上に銅フタロ
シアニンを300オングストロームの厚さで蒸着して、
正孔注入層を形成した。この場合の銅フタロシアニンの
蒸着速度は、2オングストローム/秒とした。つぎに、
この正孔注入層の上に、下記
【0082】
【化22】
【0083】で表される化合物を2オングストローム/
秒の蒸着速度で蒸着し、厚さ200オングストロームの
正孔輸送層を形成した。つぎに、上記(1)で得られた
シロール化合物と、下記
【0084】
【化23】
【0085】で表される化合物を、同時蒸着して、厚さ
400オングストロームの発光層を形成した。ここで
の、上記シロール化合物の蒸着速度は50オングストロ
ーム/秒であり、上記4.4’−ビス〔2−(4−
(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)ビニル〕ビフ
ェニルの蒸着速度は1オングストローム/秒であった。
つぎに、上記の発光層の上に、下記
【0086】
【化24】
【0087】で表されるトリス(8−キノリノール)ア
ルミニウムを、蒸着速度2オングストローム/秒で蒸着
し、厚さ オングストロームの電子輸送層を形成し
た。そして、最後に、上記電子輸送層の上に、アルミニ
ウムとリチウムを同時蒸着して、厚さ2000オングス
トロームの陰極を形成した。 (3)有機EL素子の評価 上記(2)において得られた有機EL素子の陽極と陰極
との間に、6Vの電圧で駆動したところ、電流密度は
1.6mA/cm2 であり、輝度は150nitであっ
た。また、この有機EL素子を初期輝度500nitで
定電流駆動したところ、半減寿命(輝度250nitに
なるまでの時間)は、1400時間であった。
【0088】〔比較例1〕実施例1の(2)において、
発光材料として用いたシロール化合物に代えて、下記
【0089】
【化25】
【0090】で表される公知のシロール化合物を用いた
他は、実施例1の(2)と同様して、有機EL素子を作
製した。ついで、この有機EL素子の陽極と陰極との間
に、6Vの電圧で駆動したところ、電流密度は1.7m
A/cm2 であり、輝度は162nitであった。ま
た、この有機EL素子を初期輝度500nitで定電流
駆動したところ、半減寿命は、450時間であった。
【0091】
【発明の効果】本発明のシロール化合物は、有機EL素
子の構成材料として有用性が高く、これを構成材料の一
部とする有機EL素子は、軽量でかつ低電圧駆動するこ
とのできる有機EL素子の構成材料に適するとともに、
発光効率が高く、かつ発光の寿命が長いものとなる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09B 23/00 C09B 23/00 J Fターム(参考) 3K007 AB03 AB06 AB11 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 4H049 VN01 VP01 VP03 VQ08 VQ59 VQ84 VQ89 VR24 VU24 VU29 VW02 4H056 CA02 CA05 CB06 CC02 CC06 CE02 CE03 CE06 DD04 DD30 FA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕で表されるシロール化
    合物。 【化1】 〔式〔1〕中、XおよびYは、炭素原子または窒素原子
    であり、Ar1 〜Ar6は、これらの中の少なくとも1
    つが下記一般式〔2〕、 【化2】 (式〔2〕中、R1 〜R3 は、各々独立に水素原子また
    は置換基を有していてもよい核原子数5〜40のアリー
    ル基であり、かつR1 〜R3 の中の少なくとも1つは、
    置換基を有していてもよい核原子数5〜40のアリール
    基である。)で表される置換基であり、他は水素原子、
    炭素数1〜30のアルキル基または置換基を有していて
    もよい核原子数5〜40のアリール基である。〕
  2. 【請求項2】 少なくとも一対の電極間に挟持された有
    機発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子で
    あって、前記一般式〔1〕で表されるシロール化合物を
    含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 前記一般式〔1〕で表されるシロール化
    合物を主として発光帯域に含有させた請求項2に記載の
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】 前記一般式〔1〕で表されるシロール化
    合物を有機発光層に含有させた請求項2または3に記載
    の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 前記一般式〔1〕で表されるシロール化
    合物を電子注入層に含有させた請求項2または3に記載
    の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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