JP2000185370A - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JP2000185370A
JP2000185370A JP10366409A JP36640998A JP2000185370A JP 2000185370 A JP2000185370 A JP 2000185370A JP 10366409 A JP10366409 A JP 10366409A JP 36640998 A JP36640998 A JP 36640998A JP 2000185370 A JP2000185370 A JP 2000185370A
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sheet
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resin sheet
embossing
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Satomi Sadasue
さとみ 貞末
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠外観には悪影響を与えずに、凹凸模様を
エンボス加工時の赤外線輻射加熱の効率を向上させ、凹
凸模様のエンボス再現性を良くする。 【解決手段】 化粧シートSは、例えば、1層以上の熱
可塑性樹脂シート1、1aからなり、絵柄層5等の装飾
処理2が施され、更に表面にエンボス加工されてなる凹
凸模様3を有する構成に対して、熱可塑性樹脂シートの
うちの少なくとも1層に、可視光線波長帯域に於いて透
明な赤外線吸収剤4を含ませる。化粧シートの製造は、
エンボス加工時に赤外線輻射加熱する熱可塑性樹脂シー
トのうちの少なくとも1層に、赤外線吸収剤4を含ませ
た熱可塑性樹脂シートを用いたエンボス加工で凹凸模様
を賦形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装等に用いられる、凹凸模様を有
する化粧シートと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、塩化ビニル樹脂やポリオレフ
ィン系樹脂等の熱可塑性樹脂シートを用い、凹凸模様を
該熱可塑性樹脂シートにエンボス加工で賦形した化粧シ
ートが各種用途で使用されている。そして、凹凸模様形
成の為の公知のエンボス加工では、熱可塑性樹脂シート
を、加熱された金属ローラからの伝導加熱、或いは赤外
線の輻射加熱によって加熱して、該熱可塑性樹脂シート
中の分子の振動運動等の運動状態を活発にしてシートを
軟化させた後、平板状或いは円筒状のエンボス版を押圧
して冷却固化し、エンボス版表面の凹凸形状を該熱可塑
性樹脂に賦形していた。或いは、特許第2568950
号公報記載の発明では、エンボス加工とは別加工ではあ
るが、熱可塑性樹脂シートの加熱を、カーボンブラック
等の赤外線吸収剤を該樹脂シートに含有させて、効率良
く樹脂シートを赤外線輻射で加熱軟化させ射出成形同時
加飾することを開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、熱圧による
エンボス加工で凹凸模様を熱可塑性樹脂シートに形成す
る場合、特に赤外線輻射加熱を利用する加熱に於いて、
熱可塑性樹脂シートに熱エネルギーを与える効率が悪
く、エンボス加工速度を上げることは出来なかった。そ
して、熱可塑性樹脂シートの加熱不足の場合、凹凸模様
のエンボス再現性が低下した。一方、前記特許第256
8950号公報が開示の技術を化粧シートのエンボス加
工に応用することも試みたところ、確かにエンボス加工
速度は向上し生産効率は上がった。しかし、その代わり
の欠点として、これら化粧シート添加用の赤外線吸収剤
の色が黒〜褐色であり、それを添加すると化粧シートの
色彩が黒〜褐色となり、化粧シートの意匠外観が変わっ
てしまうと言う問題が有った。
【0004】そこで、本発明は、化粧シートの意匠外観
に悪影響を与えずに赤外線輻射加熱の加熱効率を向上さ
せて、熱圧によるエンボス加工の生産効率が良く、凹凸
模様のエンボス再現性が良好な化粧シートを提供するこ
とである。また、この様な化粧シートの凹凸模様を効率
良くエンボス加工で賦形できる、化粧シートの製造方法
を提供する事である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の化粧シートでは、1層以上の熱可塑性樹脂
シートからなり、少なくとも表面にエンボス加工されて
なる凹凸模様を有する化粧シートにおいて、前記熱可塑
性樹脂シートのうちの少なくとも1層に、可視光線波長
帯域に於いて透明な赤外線吸収剤を含む構成とした。こ
の様な赤外線吸収剤を熱可塑性樹脂シートに含有させる
事で、化粧シートの意匠外観には悪影響を与えずに、凹
凸模様をエンボス加工で形成時の赤外線輻射加熱の効率
が向上し、凹凸模様のエンボス再現性が良くなり、ま
た、エンボス加工の生産効率も良い、化粧シートとな
る。
【0006】また、本発明の化粧シートの製造方法で
は、1層以上の熱可塑性樹脂シートからなり、少なくと
も表面にエンボス加工されてなる凹凸模様を有する化粧
シートの製造方法において、エンボス加工時に加熱する
前記熱可塑性樹脂シートのうちの少なくとも1層には、
可視光線波長帯域に於いて透明な赤外線吸収剤を含ませ
た熱可塑性樹脂シートを用い、加熱に少なくとも赤外線
輻射加熱を用いたエンボス加工によって、凹凸模様を賦
形する様にした。その結果、化粧シートの意匠外観には
悪影響を与えずに、凹凸模様をエンボス加工で形成時の
赤外線輻射加熱の効率が向上し、凹凸模様のエンボス再
現性が良くなり、また、エンボス加工の生産効率も良い
化粧シートの製造方法となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。なお、図1は、本発明の化
粧シートがとり得る各種形態の中から或る一例を示した
断面図、図2は熱可塑性樹脂シートが1層の場合の本発
明の化粧シートSに於ける幾つかの構成例を示す断面
図、図3は熱可塑性樹脂シートが複層(2層)の場合の
本発明の化粧シートSに於ける幾つかの構成例を示す断
面図、図4は赤外線吸収剤の吸収特性を例示する概念
図、図5は熱可塑性樹脂シートに赤外線吸収剤を含有さ
せ時の吸収特性の一例を透過率で示す説明図である。
【0008】〔概要〕先ず、本発明の化粧シートを、そ
の一形態の断面図である図1により概説する。図1に例
示する本発明の化粧シートSは、熱可塑性樹脂シートが
複層の場合であり、その熱可塑性樹脂シートは、透明な
熱可塑性樹脂シート1と、着色された熱可塑性樹脂シー
ト1aの2層である。装飾処理2として、熱可塑性樹脂
シート1と熱可塑性樹脂シート1a間に印刷等で絵柄層
5が形成されている。また、装飾処理2としては、熱可
塑性樹脂シート1a中に着色剤6を分散含有させて、該
熱可塑性樹脂シート1aを着色樹脂シートとしてある。
そして、凹凸模様3は、化粧シートSの表側となる熱可
塑性樹脂シート1の表面に形成してある。そして、赤外
線吸収剤4は、熱可塑性樹脂シート1及び1aの両樹脂
シート中に分散含有させた構成の化粧シートである。赤
外線吸収剤4を熱可塑性樹脂シート中に含有させる事
で、赤外線輻射加熱の際に、加熱され易くなっている。
しかも、この赤外線吸収剤4は、可視光線波長帯域に於
いて透明で有る為に、絵柄層5や着色された熱可塑性樹
脂シート1aによる化粧シートの意匠外観に悪影響を及
ぼさない。
【0009】また、本発明の化粧シートの製造方法で
は、例えば上記の如き化粧シートSを製造する際に、凹
凸模様を形成すべくエンボス加工時に加熱する熱可塑性
樹脂シートのうちの少なくとも1層には、可視光線波長
帯域に於いて透明な赤外線吸収剤を含ませた熱可塑性樹
脂シートを用い、加熱には少なくとも赤外線輻射加熱を
用いたエンボス加工で凹凸模様を賦形する。例えば、図
1に例示の如き2層の熱可塑性樹脂シート1及び1aか
らなる化粧シートSを、絵柄層5を印刷形成済みの熱可
塑性樹脂シート1aと、熱可塑性樹脂シート1との積層
と同時に熱可塑性樹脂シート1に凹凸模様3をエンボス
で賦形する、所謂ダブリングエンボス法で行う場合に
は、エンボス時に加熱する熱可塑性樹脂シートは、熱可
塑性樹脂シート1及び1aの両方であるので、これらの
うちの少なくとも1層に赤外線吸収剤を含有させておく
(図1の化粧シートSでは両層に含有の場合である)。
もちろん、例えば、凹凸模様3がエンボスで賦形された
後の熱可塑性樹脂シート1と、絵柄層5形成済みの熱可
塑性樹脂シート1aとを積層する場合には、赤外線吸収
剤は熱可塑性樹脂シート1aの方には含有させても、凹
凸模様形成の為のエンボスに対する効果は無い。この場
合には、赤外線吸収剤は熱可塑性樹脂シート1の方に含
有させる。
【0010】以下、更に本発明の詳述する。
【0011】〔赤外線吸収剤〕先ず、赤外線吸収剤4と
しては、化粧シート加熱用の輻射加熱ヒータの輻射波長
スペトクル帯域の赤外部と重複する吸収スペトクルを有
し、且つ可視光線波長帯域では透明なもの〔例えば、図
4に示す吸収係数K(λ)を示すもの。なお、同図でI
(λ)はヒーターの輻射強度の一例である。〕であっ
て、熱可塑性樹脂シート中に添加可能なものであれば、
特に制限は無い。従って、使用する赤外線吸収剤として
は、0.78μmを超える波長域中に吸収ピークを持
ち、また0.38μm〜0.78μmの波長域の可視光
線領域では吸収しても100%吸収せず透明な物質を使
用する。なお、ここで言う透明とは、化粧シート本来の
色彩、外観に目視で判別出来る変化を与えない程度の光
透過率(添加した状態でのもの)であれば良く、必ずし
も可視光線全帯域で光透過率が100%である必要は無
い。また、可視光線全帯域で光透過率が均一(無彩色)
である事が好ましいが、必ずしも完全に均一である必要
は無い。
【0012】この様な赤外線吸収剤としては、無機化合
物では、例えば、Pb3 4 、MnO2 、Cu2 O、S
nO、FeO等の金属酸化物、MgF2 、CoTi
3 、AgAsO3 、Mg6 Al2 (OH)16CO3
4H2 O(ハイドロタルサイト)等の金属塩等が使用で
き、また、有機化合物では、例えば、α−ブロム−p−
フェニルアセトフェノン、2−クロル−5−ニトロベン
ゾフェノン等の芳香族ケトン、3,3′−ジアミノベン
ジジン、4−クロル−m−フェニレンジアミン等の芳香
族アミン、N−クロルフタルイミド、1,3−ジフェニ
ル−5−ピラゾロン等の芳香族アミド、ジエチルジチオ
カルバミン酸銀、4−アリ−ルチオセミカルバミド等の
脂肪族アミド等が使用できる。また、赤外線写真用の増
感剤のうち、比較的安定な物質も使用できる。或いはま
た、特開平7−70496号公報に開示の如きアミニウ
ム化合物等も使用できる。
【0013】なお、赤外線吸収剤の添加量は、熱可塑性
樹脂シートの厚さ、該樹脂シートの吸収係数(及びその
波長特性)、ヒーターの輻射強度の波長特性、赤外線吸
収剤の種類にもよるが、0.1〜30重量%程度であ
る。
【0014】上記の如き赤外線吸収剤4の添加層は、化
粧シートが複層、例えば2層の熱可塑性樹脂シートの積
層体の場合は、図3(C)の化粧シートSの様に表側の
熱可塑性樹脂シート1のみに添加、図3(A)の化粧シ
ートSの様に裏側の熱可塑性樹脂シート1a(同図では
着色されている)のみに添加、或いは図1の化粧シート
Sの様に、表側と裏側の両方、すなわち熱可塑性樹脂シ
ート1及び1aの両方に添加の、いずれも有り得る。す
なわち、添加層は、凹凸模様を賦形する為にエンボス加
工する時に、赤外線輻射加熱で加熱する対象となる熱可
塑性樹脂シートから少なくとも1層を選べば、その添加
効果が得られるからである。但し、図3(C)の様に裏
側にのみ赤外線吸収剤を添加する場合で、表側からの赤
外線輻射で加熱してエンボスする場合には、それよりも
表側に例えば金属薄膜層等で赤外線を反射する層は形成
しない様にする。
【0015】〔熱可塑性樹脂シート〕熱可塑性樹脂シー
ト1、1aとしては、ポリオレフィン系樹脂、アクリル
樹脂が代表的であるが、その他、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−テレ
フタレート−イソフタレート共重合体、ポリエステル系
熱可塑性エラストマー等の熱可塑性ポリエステル樹脂、
ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ナイロ
ン等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
ビニルアルコール共重合体等が使用される。
【0016】なお、上記ポリオレフィン系樹脂として
は、ポリエチレン(低密度、中密度、又は高密度)、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチ
レン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合
体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹
脂、或いは各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが
用いられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、例えば下記のものが使用できる。
【0017】(1)特公平6−23278号公報記載
の、(A) ソフトセグメントとして、数平均分子量Mnが
25,000以上、且つ、重量平均分子量Mwと数平均
分子量Mnとの比Mw/Mn≦7の沸騰ヘプタンに可溶
なアタクチックポリプロピレン10〜90重量%と、
(B) ハードセグメントとして、メルトインデックスが
0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性のアイソタ
クチックポリプロピレン90〜10重量%、との混合物
からなる軟質ポリプロピレン。
【0018】この種のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの中でも、所謂「ネッキング」を生じ難く、加熱、加
圧により各種形状に成形したりエンボス加工する際に適
性良好なものとしては、アイソタクチックポリプロピレ
ンとアタクチックポリプロピレンとの混合割合が、アタ
クチックポリプロピレンの重量比で5重量%以上50重
量%以下のものである。ポリプロピレン系のオレフィン
系熱可塑性エラストマー自体は既に公知のものである
が、包装容器等従来公知の用途に用いられる場合は、強
度を重視する為に、ソフトセグメントとなるアタクチッ
クポリプロピレンの重量比が5重量%未満のものが専ら
使用されていた。しかしながら、三次元形状、乃至凹凸
形状に成形したりエンボス加工するという新規な用途に
これを適用しようとすると、前記の如くネッキングを生
じて良好な加工が不可能であった。そこで、従来の組成
の設計とは逆に、ポリプロピレン系のオレフィン系熱可
塑性エラストマーに於いて、アタクチックポリプロピレ
ンの重量比を5重量%以上とする、エンボス加工した
り、三次元形状、乃至凹凸形状の物品表面形状に成形す
る際のネッキングによる不均一なシートの変形、及びそ
の結果としての皺、絵柄の歪み等の欠点を解消する事が
できる。特にアタクチックポリプロピレンの重量比が2
0重量%以上の場合が良好である。一方、アタクチック
ポリプロピレンの重量比が増加し過ぎると、シート自体
が変形し易くなり、シートを印刷機に通したときにシー
トが変形し、絵柄が歪んだり、多色刷りの場合に見当が
合わなくなる等の不良が発生し易くなる。また、成形時
にも破れ易くなる為に好ましくない。アタクチックポリ
プロピレンの重量比の上限としては、輪転グラビア印刷
等の通常の輪転印刷機を用いて絵柄層を印刷し、また、
シートのエンボス加工、真空成形、Vカット加工、射出
成形同時ラミネート等を採用する場合は50重量%以
下、より好ましくは40重量%以下である。
【0019】(2)エチレン−プロピレン−ブテン共重
合体樹脂からなる熱可塑性エラストマー。ここで、その
ブテンとして、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン
の3種の構造異性体のいずれも用いることができる。共
重合体としては、ランダム共重合体で、非晶質の部分を
一部含む上記エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の
好ましい具体例としては次の(i) 〜(iii) が挙げられ
る。 (i) 特開平9−111055号公報記載のもの。これ
は、エチレン、プロピレン及びブテンの三元共重合体に
よるランダム共重合体である。単量体成分の重量比はプ
ロピレンが90重量%以上とする。メルトフローレート
は、230℃、2.16kgで1〜50g/10分のも
のが好適である。そして、このような三元ランダム共重
合体100重量部に対して、燐酸アリールエステル化合
物を主成分とする透明造核剤を0.01〜50重量部、
炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.003〜0.3重
量部を熔融混練してなるものである。 (ii)特開平5−77371号公報記載のもの。これは、
エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体であ
って、プロピレン成分含有率が50重量%以上の非晶質
重合体20〜100重量%に、結晶質ポリプロピレンを
80〜0重量%添加してなるものである。 (iii) 特開平7−316358号公報記載のもの。これ
は、エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体
であって、プロピレン及び/又は1−ブテンの含有率が
50重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に
対して、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶質ポ
リオレフィン80〜0重量%を混合した組成物に対し
て、N−アシルアミノ酸アミン塩、N−アシルアミノ酸
エステル等の油ゲル化剤を0.5重量%添加してなるも
のである。
【0020】なお、エチレン−プロピレン−ブテン共重
合体樹脂は、単独で用いても良いし、上記(i) 〜(iii)
に必要に応じ更に他のポリオレフィン系樹脂を混合して
用いても良い。
【0021】(3)特公昭53−21021号公報記載
の如き、(A) ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハ
ードセグメントとし、これに(B) 部分架橋したエチレン
−プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン−プロピレ
ン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン
共重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に
配合し混合してなるオレフィン系エラストマー。なお、
モノオレフィンゴム/オレフィン重合体=50/50〜
90/10(重量比)の割合で混合する。
【0022】(4)特公昭53−34210号公報等に
記載の如き、(B) 未架橋モノオレフィン共重合体ゴム
(ソフトセグメント)と、(A) オレフィン系共重合体
(結晶性、ハードセグメント)と架橋剤とを混合し、加
熱し剪断応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレ
フィン系エラストマー。なお、(B) モノオレフィンゴム
/(A) オレフィン系共重合体=60/40〜80/20
(重量比)である。
【0023】(5)特公昭56−15741号公報等に
記載の如き、(A) アイソタクチックポリプロピレン、プ
ロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1
共重合体等のペルオキシドと混合・加熱すると分子量を
減じ、流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合
体(ハードセグメント)と、(B) エチレン−プロピレン
共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三
元共重合体ゴム等のペルオキシドと混合・加熱すること
により、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モ
ノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(C)
ポリイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合
・加熱しても架橋せず、流動性が不変の、ペルオキシド
非架橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質
成分)、及び(D) パラフィン系、ナフテン系、芳香族系
等の鉱物油系軟化剤、とを混合し、有機ペルオキシドの
存在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマ
ー。なお、(A) が90〜40重量部、(B) が10〜60
重量部で、(A) +(B) =100重量部として、これに、
(C) 及び/又は(D) が5〜100重量部の配合比とな
る。
【0024】(6)特開平2−139232号公報に記
載の如き、エチレン−スチレン−ブチレン共重合体から
なるオレフィン系熱可塑性エラストマー。
【0025】(7)極性基として水酸基又は/及びカル
ボキシル基を持たせた、上記からのオレフィン系熱
可塑性エラストマー。例えば、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体等のグラフト重合で水酸基を、また、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸等の共重合体でカルボキ
シル基を導入したオレフィン系熱可塑性エラストマーを
用いる。これら水酸基、カルボキシル基はどちらか一
方、又は両方を併用してもよく、これら極性基は、絵柄
層、接着剤層等の他の層との接着性を向上させる作用を
持つ。
【0026】上記のようなポリオレフィン系樹脂は、カ
レンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等
の成膜方法によって、シート(フィルム)とすることが
できる。これらポリオレフィン系樹脂シートは、延伸シ
ート、未延伸シートのいずれでも使用可能であるが、V
カット加工等の成形適性は未延伸シートの方が良好であ
る。
【0027】また、熱可塑性樹脂シートに使用する前記
アクリル樹脂は、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレ
ート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル
(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−
ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)
アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート−2ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メ
タ)アクリレート−スチレン共重合体等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの単独重合体、或いはそれらと
他の単量体との共重合体からなるアクリル樹脂〔但し、
(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリ
レートの意味〕等である。
【0028】なお、熱可塑性樹脂シートの厚さは、20
〜300μm程度であり、これらの熱可塑性樹脂シート
は、単層でも良いし、或いは同種のもの同士、又は異種
のもの同士を2層以上積層したものでも良い。
【0029】また、熱可塑性樹脂シートには、前述した
赤外線吸収剤の他に、必要に応じ、充填剤、可塑剤、発
泡剤、難燃剤、滑剤、減磨剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、熱安定剤、光安定剤等の公知の各種の添加剤を添加
することができる。
【0030】〔装飾処理〕装飾処理2は必要に応じて、
熱可塑性樹脂シートに対して直接的又は間接的に施さ
れ、図1(A)の化粧シートSで示す如き絵柄層5の付
与、同じく図1(A)に示す化粧シートSの如く、着色
剤6を熱可塑性樹脂シート自体に添加して着色した熱可
塑性樹脂シート1aとする処理、図2(D)の化粧シー
トSで示す如き金属薄膜層7の形成、或いは、図3
(A)の化粧シートSで示す如き、凹凸模様3の凹部内
への着色部8の形成等がある。なお、エンボス加工され
てなる凹凸模様も装飾処理の一種ではあるが、本発明の
説明では区別して、この装飾処理には含めない。但し、
装飾処理として凹凸模様ではあっても、(熱圧による)
エンボス加工によらないで形成された凹凸模様、例えば
ヘアライン加工等による凹凸模様は、装飾処理に含め
る。この様に装飾処理は、化粧シートに於ける従来公知
の各種装飾処理で良い。また、各種装飾処理は、用途に
応じて適宜組み合わせても使用する。なお、エンボス加
工されてなる凹凸模様のみで化粧シートとしての外観、
意匠が十分であれば、上記装飾処理は設け無くても良
い。
【0031】(着色剤添加)着色剤としては、チタン
白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン
黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインド
リノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネン
トレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブ
ルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料
も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属顔料、二酸化
チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光
沢(パール)顔料等である。これらは、粉末、或いは鱗
片状箔片として添加、分散せしめられる。着色剤による
着色は透明着色でも、或いは不透明(隠蔽性)着色でも
良い。
【0032】(絵柄層付与)絵柄層5は、例えば、グラ
ビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転
写シートからの転写印刷等公知の印刷法によってインキ
にて形成する。また、全面ベタ柄の場合は、グラビアコ
ート、ロールコート等の公知の塗工法によって塗料で形
成する事もできる。絵柄層の模様としては、木目模様、
石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記
号、或いは全面ベタ等がある。絵柄層は熱可塑性樹脂シ
ートの(凹凸模様形成面と同じ側の)表側面〔図2
(C)等参照〕、裏側面〔図2(A)参照〕、表裏両
面、或いは化粧シートが複層の熱可塑性樹脂シートから
なる時は層間(図1参照)に設けることもある。インキ
(或いは)塗料としては、バインダーの樹脂として、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポ
リオレフィン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂等を用い、
一種又は二種以上混合して用いる。インキ(又は塗料)
に使用する着色剤としては、前記に列挙した様な公知の
着色剤を一種又は二種以上を用いる。
【0033】(金属薄膜層形成)金属薄膜層7〔図2
(D)参照〕は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等
の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製
膜する。金属薄膜層は、全面に設けても、或いは、部分
的にパターン状に設けても良い。なお、もちろんである
が、赤外線を反射する金属薄膜層を(特に全面に)形成
した場合、赤外線吸収剤を含有させた熱可塑性樹脂シー
トを赤外線輻射加熱する際は、金属薄膜層の側からはで
は無く、その反対側から行う。
【0034】(その他の装飾処理)また、図示はしない
が、装飾処理としては、艶調整、塗装感等の意匠性付与
の為の上塗り層形成等もある。上塗り層は、凹凸模様、
或いはその凹部内に着色部があれば、更に着色部形成後
の表面に形成する。上塗り層には、耐擦傷性、耐摩耗
性、耐薬品性等の要求物性を考慮して、2液硬化型ウレ
タン樹脂等で公知の塗工又は印刷で形成する。
【0035】〔凹凸模様〕本発明が凹凸模様3とする凹
凸模様は、熱圧を利用するエンボス加工によって形成さ
れた凹凸模様である(もちろん、これに加えて、これ以
外の方法によって形成された凹凸模様も有しても良い事
は既に述べた)。凹凸模様3の模様としては、特に制限
は無いが、例えば、木目導管溝、木目木肌、木目年輪の
浮造模様凹凸、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、タイ
ル貼り又は煉瓦積の目地溝、布表面テクスチュア、梨
地、砂目、ヘアライン、万線条溝、皮絞、各種レリーフ
模様等である。また、凹凸模様はこれらの組み合わせで
も良い。
【0036】なお、凹凸模様の凹部内部には、例えば図
3(A)に例示の化粧シートSの如く、必要に応じて公
知のワイピング法等によって、装飾処理2として着色部
8を形成しても良い。ワイピング法では、着色部8とな
る着色インキとしては、バインダーの樹脂として、ウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を用い、
着色剤が添加されてなるインキを使用する。バインダー
の樹脂としては、密着性、耐溶剤性の点で2液硬化型樹
脂が好ましい。例えば、2液硬化型ウレタン樹脂を使用
する。なお、ワイピングは、ドクダーブレード法、ロー
ルコート法等、従来から使用されているワイピング法の
いずれによっても良い。すなわち、凹凸模様全面に着色
インキを塗工し、しかる後に、凸部のインキをドクター
ブレード、スポンジロール、布等でかき落としたり、拭
き取って、凹部に着色インキを残留させて着色部とす
る。
【0037】〔接着剤層〕接着剤層9は、熱可塑性樹脂
シートを2層以上積層する場合に、必要に応じてこれら
層間に設けて層間の密着性を向上させる〔図3(B)等
参照〕。接着剤層には、積層方法に応じた公知の接着剤
を使用すれば良い。例えば、ドライラミネーションで積
層する場合には、2液硬化型ウレタン樹脂等を使用すれ
ば良い。
【0038】〔裏面接着剤層〕なお、図示はしないが、
化粧シートの裏面には、必要に応じ適宜、化粧シートを
被着体に貼着する為の裏面接着剤層やプライマー層を貼
着面側に設けても良い。裏面接着剤層やプライマー層に
は、用途に応じ、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、
2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂等からなる従来公知の接着剤を使用すれば良い。裏
面接着剤層による接着形態には熱融着や粘着、溶剤揮散
等がある。
【0039】〔化粧シートの製造方法:エンボス加工〕
本発明の化粧シートの製造方法では、少なくともその凹
凸模様の形成は、熱圧によるエンボス加工で行う(その
他の各種装飾処理の方法等は任意である)。しかも、そ
の為の熱可塑性樹脂シートの加熱には、赤外線輻射加熱
を少なくとも利用する。もちろん、ドラム加熱等の伝導
加熱を併用しても良い。そして、エンボス加工時の加熱
対象となる熱可塑性樹脂シート中には、前述した赤外線
吸収剤を含有させておく。また、該加熱対象の熱可塑性
樹脂シートが2層以上の場合には、そのうちの少なくと
も1層に赤外線吸収剤を含有させておき、エンボス加工
する。その結果、化粧シートの意匠外観には悪影響を与
えずに、赤外線輻射加熱の効率が向上し、凹凸模様のエ
ンボス再現性が良くなり、また、エンボス加工の生産効
率も良くなる。
【0040】すなわち、先ず、熱可塑性樹脂シート(化
粧シートが積層体の場合は、少なくともそのうちの1層
以上)に赤外線を照射し、赤外線を赤外線吸収剤、更に
は樹脂シートの樹脂自体にも吸収させて、分子の振動、
回転等の運動を活発にして熱に変換し、該熱可塑性樹脂
シートを軟化温度以上で熔融温度(又は融点)以下に加
熱して軟化させる。次いで、所望の凹凸模様と同形状逆
凹凸を表面に有するエンボス版で押圧し、該樹脂シート
に凹凸模様を賦形しつつ冷却して、エンボス版を離型す
ることによって、該樹脂シート表面に所望の凹凸模様を
形成する。なお、エンボス加工には、公知の輪転式、或
いは枚葉のエンボス機を用いれば良いが、通常は生産効
率の点から輪転式エンボス機が良い。エンボス版の材料
も、鉄、銅等の金属、セラミックス等の公知のものを用
いれば良い。
【0041】なお、熱可塑性樹脂シートを輻射加熱する
為の赤外線輻射ヒーターとしては、赤外線を発するヒー
ターであれば基本的には特に制限は無い。例えば、フィ
ラメントランプ(例えば、タングステンフィラメントラ
ンプ、ハロゲンガス封入タングステンフィラメントラン
プ)、放電灯(例えばキセノン放電灯)、アーク灯、閃
光電球等、電熱線(ニクロム線等)ヒーター、或いは電
熱線や火炎等で加熱したセラミックスからの輻射を利用
する面発熱体等である。赤外線の波長は、近赤外から遠
赤外にかけての様々な波長帯域の中から、赤外線吸収剤
の吸収スペトクル、化粧シートの熱可塑性樹脂シートの
種類、エンボス加工条件等によって、適宜選択する。
【0042】なお、本発明の化粧シートの製造方法とし
て、2層以上の熱可塑性樹脂シートからなる化粧シート
を製造する場合、これら熱可塑性樹脂シートを積層する
方法は任意であり、特に限定は無い。従って、凹凸模様
3が形成されない熱可塑性樹脂シートの方には、赤外線
吸収剤は含有する事も有るし、含有させない事もある。
例えば、所謂ダブリングエンボス法で、積層と同時に凹
凸模様を形成するのであれば、凹凸模様が形成されない
熱可塑性樹脂シートも、その時加熱する事になるので、
含有させる事があり得る。また、熱可塑性樹脂シート同
士を積層した後の積層物に凹凸模様をエンボス加工で形
成する場合も、凹凸模様が形成されない側の熱可塑性樹
脂シートも、その時加熱する事になるので、含有させる
事があり得る。しかし、凹凸模様が形成されない熱可塑
性樹脂シートを、既に凹凸模様を形成済みの熱可塑性樹
脂シートと積層する場合では、凹凸模様が形成されない
熱可塑性樹脂シートには、赤外線吸収剤は含有させても
意味が無いからである。
【0043】〔裏打基材〕ところで、本発明の化粧シー
トを接着積層すべき被着体としては、特に制限は無い。
例えば、被着体としての裏打基材10〔図3(B)参
照〕の素材としては、石膏、ケイ酸カルシウム、セメン
ト(ALC、GRC、パルプセメント、スラグセメント
等)、セラミックス(陶磁器、ガラス等)、金属(鉄、
アルミニウム、銅等)、木材(杉、松、檜、ラワン、チ
ーク、樫等の樹木からなる、単板、合板、MDF(中密
度繊維板)等の繊維板、パーティクルボード等)、樹脂
(ポリプロピレン、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、
ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体)樹脂等)と任意である。或いは、これらの積層体
でも良い。裏打基材の形状は、素材に応じて、シート
(フィルム)、平板、曲面板等であり、厚さは用途に応
じて適宜選択するが、通常20μm〜20mm程度であ
る。裏打基材がシートの場合は、該裏打基材に化粧シー
トを積層した積層物も化粧シートとなる。なお、該積層
物は本発明の化粧シートに含まれる。
【0044】これらの裏打基材に、化粧シートを接着積
層するには、公知の接着方法、接着剤を用いる。接着は
接着剤を使用するか、或いは裏打基材や化粧シートの熱
融着で接着する。接着剤としては、例えば、2液硬化型
ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂等の樹脂系からなる接着剤を用いて、化粧
シートを裏打基材に接着する。化粧シートが接着された
接着物は、例えば化粧板として、さらに所定形状・寸法
に切断して、必要に応じ更にVカット加工等の公知の加
工を施した後、扉、窓枠等の建具、床、天井、壁等の建
築物の内装材、家電製品のキャビネット等の表面材、箪
笥等の家具の表面材、車輛、船舶等の乗物内装材等に使
用される。
【0045】
【実施例】以下、本発明の化粧シートを実施例及び比較
例により更に説明する。
【0046】〔実施例1〕図1に示す如き化粧シートS
を次の様にして作製した。ハイドロタルサイト粉末(合
成ハイドロタルサイト、商品名「アルカマイザー」)
を、0.3重量%練り込み着色剤添加で着色した着色塩
化ビニル樹脂シート(可塑剤20phr含有、厚み0.
1mm)1aの表面に、バインダーの樹脂に塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との1対1重量比
混合物を用い、着色顔料が弁柄、カーボンブラックを主
体とする着色インキを用いて、グラビア輪転印刷の3色
刷りで、木目柄の絵柄層5を形成して、先ず、印刷シー
トとした。なお、上記の赤外線吸収剤含有の塩化ビニル
樹脂シートの赤外線吸収スペクトルを、透過率で図5に
示す。同図にて、Toは赤外線吸収剤未含有の塩化ビニ
ル樹脂シートの透過率スペトクル、Taは赤外線吸収剤
含有の塩化ビニル樹脂シートの透過率スペトクルであ
る。
【0047】一方、表側となる熱可塑性樹脂シート1と
しては、熱可塑性樹脂シート1aに用いたものと同一の
赤外線吸収剤を0.3重量%練り込んだ無着色の透明塩
化ビニル樹脂シート(可塑剤20phr含有、厚み0.
1mm)を用意した。そして、上記印刷シートと、この
透明塩化ビニル樹脂シートとを、各々のシートを温度輻
射型の面発熱体(赤外線スペクトルのピーク波長1.5
μm)を用いて、加熱・軟化させて、熱可塑性樹脂シー
ト1の表面に木目導管溝と同形状・逆凹凸が形成された
金属製のエンボス版胴とゴム圧胴との間に、透明塩化ビ
ニル樹脂シートがエンボス版側となる様にして挿入し、
エンボス版胴と圧胴とで加圧して冷却してエンボスする
と共に、貼り合わせて、目的とする化粧シートを作製し
た。エンボス機のラインスピードは40m/分、版胴へ
投入前の熱可塑性樹脂シートの表面温度は150℃、エ
ンボス版胴の表面温度40℃の条件でエンボスした。
【0048】〔実施例2〕実施例1同様に図1に示す如
き化粧シートSを次の様にして作製した。着色された熱
可塑性樹脂シート1aとしては、赤外線吸収剤は実施例
1と同じものを1重量%含有させて、着色剤で着色した
厚み0.12mmの着色ポリプロピレン系熱可塑性エラ
ストマーシート(アイソタクチックポリプロピレンのハ
ードセグメント/アタクチックポリプロピレンのソフト
セグメント=8/2重量比の混合体)を用いた。また、
表側となる無着色で透明な熱可塑性樹脂シート1として
は、上記熱可塑性樹脂シート1aに対して着色剤は無添
加とした(赤外線吸収剤は実施例1と同じものを1重量
%含有)、厚み0.12mmのポリプロピレン系熱可塑
性エラストマーシートを用いた。そして、絵柄層形成に
用いたインキは、バインダーの樹脂をアクリルポリオー
ルと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとからな
る2液硬化型ウレタン樹脂とした他は、実施例1と同様
にして、絵柄層形成、エンボスによる凹凸模様形成、熱
可塑性樹脂シート同士の積層を行い、化粧シートを作製
した。
【0049】〔比較例1〕実施例1に於いて、熱可塑性
樹脂シート1及び1aに対して紫外線吸収剤を無添加と
した他は、実施例1と同様にして、化粧シートを作製し
た。
【0050】〔比較例2〕実施例2に於いて、熱可塑性
樹脂シート1及び1aに対して紫外線吸収剤を無添加と
した他は、実施例2と同様にして、化粧シートを作製し
た。
【0051】〔性能評価〕以上の実施例及び比較例のそ
れぞれの化粧シートについて、エンボス再現性を次の様
にして評価した。エンボス再現性は、エンボスで形成さ
れた凹凸模様と、エンボス版の凹凸形状(エンボス版の
凹凸をシリコーン樹脂で型取りして逆凹凸形状としたも
のを比較に使用)とを目視で比較判定した。そして、エ
ンボス形成した凹凸模様が、エンボス版に比べて、深
さ、形状に差が認められないものは良好「○」、深さが
浅く且つ形状のシャープネスも緩やかになっているもの
は不良「×」とした。結果は、纏めて表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】その結果、表1の如くエンボス再現性は、
実施例1及び2ではどちらも良好となったが、紫外線吸
収剤を使用しない比較例1及び2ではどちらも不良とな
った。なお、赤外線吸収剤を使用した実施例1及び2と
もに、赤外線吸収剤添加による化粧シートの意匠外観へ
の悪影響は無かった
【0054】
【発明の効果】本発明の化粧シート及びその製造方法に
よれば、化粧シートの意匠外観には悪影響を与えずに、
凹凸模様をエンボス加工で形成時の赤外線輻射加熱の効
率が向上し、凹凸模様のエンボス再現性が良くなり、ま
た、エンボス加工の生産効率も良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一形態を例示する断面
図。
【図2】本発明の化粧シート(熱可塑性樹脂シート1層
構成)の他の形態例の幾つかを例示する断面図。
【図3】本発明の化粧シート(熱可塑性樹脂シート2層
構成)の他の形態例の幾つかを例示する断面図。
【図4】赤外線吸収剤の吸収特性を例示する概念図。
【図5】赤外線吸収剤含有時の熱可塑性樹脂シートの透
過率の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂シート 1a 着色された熱可塑性樹脂シート 2 装飾処理 3 凹凸模様 4 赤外線吸収剤 5 絵柄層 6 着色剤 7 金属薄膜層 8 着色部 9 接着剤層 10 裏打基材 S 化粧シート I(λ) ヒーター輻射強度 K(λ) 赤外線吸収剤の吸収係数 To 赤外線吸収剤未含有の熱可塑性樹脂(塩化ビニル
樹脂)シート Ta 赤外線吸収剤含有の熱可塑性樹脂(塩化ビニル樹
脂)シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA05H AA17H AA23H AA28H AA30H AA33H AC10H AK01A AK01B AK15 AK15J AK22 AK22J AK25 AL01 AL05 BA02 CA30 CA30B EJ39B EJ392 EJ432 GB08 GB81 HB21B JB16A JB16B JL01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1層以上の熱可塑性樹脂シートからな
    り、少なくとも表面にエンボス加工されてなる凹凸模様
    を有する化粧シートにおいて、 前記熱可塑性樹脂シートのうちの少なくとも1層に、可
    視光線波長帯域に於いて透明な赤外線吸収剤を含む、化
    粧シート。
  2. 【請求項2】 1層以上の熱可塑性樹脂シートからな
    り、少なくとも表面にエンボス加工されてなる凹凸模様
    を有する化粧シートの製造方法において、 エンボス加工時に加熱する前記熱可塑性樹脂シートのう
    ちの少なくとも1層には、可視光線波長帯域に於いて透
    明な赤外線吸収剤を含ませた熱可塑性樹脂シートを用
    い、加熱に少なくとも赤外線輻射加熱を用いたエンボス
    加工によって、凹凸模様を賦形する、化粧シートの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014177017A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及び化粧材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014177017A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及び化粧材

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