JP2000184779A - 巻取機用直流電動機の制御方法 - Google Patents

巻取機用直流電動機の制御方法

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JP2000184779A
JP2000184779A JP35944598A JP35944598A JP2000184779A JP 2000184779 A JP2000184779 A JP 2000184779A JP 35944598 A JP35944598 A JP 35944598A JP 35944598 A JP35944598 A JP 35944598A JP 2000184779 A JP2000184779 A JP 2000184779A
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Hiroyuki Takahashi
弘之 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流電動機の電力損失を低減するのに好適な
巻取機用直流電動機の制御方法を提供する。 【解決手段】 巻取張力を一定にして金属帯を巻き取る
巻取機を駆動する直流電動機の制御方法において、界磁
電力損失と電機子電力損失との和が最小値となるように
算出した電力損失最小界磁電流値と直流電動機固有の定
格界磁電流値とを比較し、定格界磁電流値の方が電力損
失最小界磁電流値よりも低い場合には定格界磁電流値を
目標界磁電流値とし、定格界磁電流値が電力損失最小界
磁電流値よりも高い場合には、電力損失最小界磁電流値
以上で定格界磁電流値未満の値を目標界磁電流値とする
ことを特徴とする巻取機用直流電動機の制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯を巻き取る
ための巻取機を駆動する直流電動機を制御する方法に係
り、特に、直流電動機の電力損失を低減するのに好適な
巻取機用直流電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属帯を巻き取るための巻取機を
駆動する直流電動機を、巻取機の巻取張力が一定となる
ように制御する装置としては、直流電動機に印加される
電機子電圧が直流電動機の定格電圧値を超えない範囲で
最大のトルクが得られるように、直流電動機に与える界
磁電流値If を制御する図5に示すようなものが一般的
である。
【0003】これは、直流電動機の逆起電力が所定パタ
ーンとなるように界磁電流値If の補正界磁電流値ΔI
fsを出力する逆起電力制御装置14と、直流電動機の回
転数Nに応じて界磁電流値If の目標値である目標界磁
電流値Ifs' を設定する界磁設定器15と、逆起電力制
御装置14からの補正界磁電流値ΔIfsと界磁設定器1
5からの目標界磁電流値Ifs' とを加算する加算器16
と、直流電動機の定格界磁電流値Ifmaxを超えないよう
に加算器16からの目標界磁電流値Ifsを制限するリミ
ッタ17と、で構成されており、リミッタ17からの目
標界磁電流値I fsと界磁電流値If とを一致させるよう
に、界磁電流値If をフィードバック制御するようにな
っている。
【0004】逆起電力制御装置14は、回転数Nに応じ
て逆起電力の目標値である目標逆起電力EMFs を設定
し、目標逆起電力EMFs と実測逆起電力EMFp を用
いて下式(1)により補正界磁電流値ΔIfsを算出し、
加算器16に出力するようになっている。下式(1)に
おいて、a1 は所定の係数である。
【0005】 ΔIfs = a1 ・(EMFs −EMFp ) …(1) 目標逆起電力EMFs は、下式(2)に示すように、回
転数Nが所定回転数N B 以下であるときは、回転数Nに
比例した値に設定し、回転数Nが所定回転数N B よりも
大きいときは、上限電圧値EMFmax に設定する。下式
(2)において、a2 は所定の係数である。
【0006】 EMFp = a2 ・N (N≦NB ) = EMFmax (N>NB ) …(2) 実測逆起電力EMFp は、電機子電圧値Va および電機
子電流値Ia を直流電動機から得て、これらを用いて下
式(3)により算出する。下式(3)において、ra
直流電動機の電機子の抵抗値である。
【0007】 EMFp = Va − Ia ・ra …(3) 界磁設定器15は、直流電動機に印加される電圧が上限
電圧値EMFmax を超えない範囲で最大のトルクが得ら
れるように、回転数Nに応じて目標界磁電流値Ifs' を
設定するようになっている。すなわち、目標界磁電流値
fs' は、下式(4)に示すように、回転数Nが所定回
転数NB 以下であるときは、定格界磁電流値Ifmaxに設
定し、回転数Nが所定回転数NB よりも大きいときは、
回転数Nに反比例した値に設定する。下式(4)におい
て、a3 は所定の係数である。
【0008】 Ifs' = Ifmax (N≦NB ) = a3 /N (N>NB ) …(4) 一方、直流電動機に与える電機子電流値Ia は、その目
標値である目標電機子電流値Iasを算出し、算出した目
標電機子電流値Iasと一致させるようにフィードバック
制御する。目標電機子電流値Iasは、巻取機でコイル状
に巻き取られる被圧延材のコイルの直径D、界磁電流値
f および設定された巻取張力T0 を用いて下式(5)
により算出される。下式(5)において、k2 は所定の
係数である。
【0009】
【数1】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の巻
取機用直流電動機の制御装置にあっては、直流電動機に
印加される電圧が上限電圧値EMFmax を超えない範囲
で最大の界磁電流If を流すことにより、巻き取り加減
速率の向上を図っている。
【0011】しかしながら、巻取張力T0 が小さい値に
設定されているときは、必ずしも最大の界磁電流If
流さなくとも、巻き取り加減速率を十分に確保すること
ができる。このため、従来の巻取機用直流電動機の制御
装置のように、巻取張力T0の値の大小にかかわらず目
標界磁電流値Ifs' を常に最大に設定してしまうと、巻
取張力T0 が小さいときは、直流電動機において不要な
電力損失を招いている。特に、直流電動機の電機子電力
損失と界磁電力損失との電力損失和Pは、下式(6)に
示すように界磁電流値If の2乗に比例しているため、
界磁電流値Ifが電機子電流値Ia よりも大きい場合
は、電力損失和Pに大きな影響を与える。下式(6)に
おいて、rf は直流電動機の界磁巻線の抵抗値であり、
一般に電機子抵抗ra よりも大きい。
【0012】 P = Ia 2 a + If 2 f …(6) そこで、本発明は、このような従来の技術の有する電力
損失が大きいという未解決の課題に着目してなされたも
のであって、直流電動機の電力損失を低減するのに好適
な巻取機用直流電動機の制御装置および制御方法を提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1記載の巻取機用直流電動機の
制御方法は、巻取張力を一定にして金属帯を巻き取る巻
取機を駆動する直流電動機の制御方法において、界磁電
力損失と電機子電力損失との和が最小値となるように算
出した電力損失最小界磁電流値と前記直流電動機固有の
定格界磁電流値とを比較し、前記定格界磁電流値が前記
電力損失最小界磁電流値よりも高い場合には、前記電力
損失最小界磁電流値以上で前記定格界磁電流値未満の値
を目標界磁電流値とする。
【0014】ここで、定格界磁電流値が電力損失最小界
磁電流値よりも低い場合には、目標界磁電流をどのよう
に設定してもよいが、直流電動機の出力トルクを向上す
る観点からは、定格界磁電流値を目標界磁電流値とする
ことが好ましい。また、本発明に係る請求項2記載の巻
取機用直流電動機の制御方法は、請求項1記載の巻取機
用直流電動機の制御方法において、前記定格界磁電流値
が前記電力損失最小界磁電流値よりも高い場合には、前
記電力損失最小界磁電流値を前記目標界磁電流値とす
る。
【0015】一方、これらの制御方法に限らず、上記目
的を達成するための制御装置としては、次のような装置
が考えられる。すなわち、金属帯を巻き取るための巻取
機を駆動する直流電動機を、前記巻取機の巻取張力が一
定となるように制御する装置において、前記直流電動機
の電機子電力損失と界磁電力損失との電力損失和が、前
記直流電動機に印加される電機子電圧が前記直流電動機
の定格電圧値を超えない範囲で最大のトルクが得られる
ように界磁電流制御を行ったときの電力損失和よりも小
さくなるように、前記直流電動機に与える界磁電流値の
目標値である目標界磁電流値を算出し、算出した目標界
磁電流値となるように前記界磁電流値を制御する制御手
段を備えているものである。
【0016】このような構成であれば、巻取張力が一定
となる制御のもとで、制御手段により、直流電動機の電
機子電力損失と界磁電力損失との電力損失和が、直流電
動機に印加される電機子電圧が定格電圧値を超えない範
囲で最大のトルクが得られるように界磁電流制御を行っ
たときの電力損失和よりも小さくなるように、界磁電流
値の目標値である目標界磁電流値が算出され、算出され
た目標界磁電流値となるように界磁電流値が制御され
る。
【0017】ここで、制御手段は、少なくとも電力損失
和を従来のものよりも小さくなるように目標界磁電流値
を算出すればよいが、直流電動機の電力損失を低減する
観点からは、電力損失和が最小値となるように目標界磁
電流値を算出するのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1ないし図3は、本発明に
係る巻取機用直流電動機の制御装置の実施の形態を示す
図である。本実施の形態は、本発明に係る巻取機用直流
電動機の制御装置を、図1に示すように、圧延機2で圧
延された被圧延材1を巻き取るための巻取機3を駆動す
る直流電動機4を、巻取機3による被圧延材1の巻取張
力Tが一定となるように制御する場合について適用した
ものである。
【0019】まず、システム全体の構成を図1を参照し
ながら説明する。図1は、本発明に係る巻取機用直流電
動機の制御方法を実施するためのシステム全体の構成を
示す図である。このシステムは、図1に示すように、リ
バースミルにおける巻取機用直流電動機とその制御系で
あって、圧延機2で圧延された被圧延材1を巻き取るた
めの巻取機3と、巻取機3を駆動する直流電動機4と、
直流電動機4の回転速度を検出する速度検出器5と、直
流電動機4に与える電機子電流値Ia を検出する電機子
電流計7と、電機子電流値Ia を制御する電機子電流制
御装置8と、直流電動機4に与える界磁電流値If を検
出する界磁電流計9と、界磁電流値If を制御する界磁
電流制御装置10と、直流電動機4の電機子の電圧値V
a を検出する電機子電圧計12と、電機子電流計7、界
磁電流計9、速度検出器5および電機子電圧計12の検
出値に基づいて電機子電流制御装置8および界磁電流制
御装置10の目標電流値を算出する目標電流値演算装置
11と、で構成されている。
【0020】電機子電流制御装置8は、目標電流値演算
装置11から目標電機子電流値Iasが与えられると、電
機子電流計7からの電機子電流値Ia と目標電機子電流
値I asとを一致させるように、電機子電流値Ia をフィ
ードバック制御するようになっている。
【0021】界磁電流制御装置10は、目標電流値演算
装置11から目標界磁電流値Ifsが与えられると、界磁
電流計9からの界磁電流値If と目標界磁電流値Ifs
を一致させるように、界磁電流値If をフィードバック
制御するようになっている。次に、目標電流値演算装置
11の構成を図2を参照しながら詳細に説明する。図2
は、目標電流値演算装置11の構成を示すブロック図で
ある。
【0022】目標電流値演算装置11は、図2に示すよ
うに、逆起電力制御装置14と、界磁設定器15と、加
算器16と、目標界磁電流値Ifsの最適値を設定する電
力損失最小界磁電流値設定器18と、電力損失最小界磁
電流値設定器18から与えられる上限値を超えないよう
に加算器16からの目標界磁電流値Ifsを制限するリミ
ッタ17と、目標電機子電流値Iasを算出する図示しな
い電機子電流演算器と、で構成されている。
【0023】電力損失最小界磁電流値設定器18は、上
式(6)により算出される電力損失和Pが最小値となる
ように、最適な目標界磁電流値Ifsである電力損失最小
界磁電流値IFSを算出し、リミッタ17に出力するよう
になっている。電力損失最小界磁電流値IFSを算出する
には、まず、上式(5)および上式(6)から電機子電
流値Ia を消去して下式(7)を導く。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、電気損失和Pが最小値をとるとき
の界磁電流値If は、解析的に解くことができて、下式
(8)に示すようになる。
【0026】
【数3】
【0027】またこのとき、電機子電流値Ia と界磁電
流値If との間には、下式(9)に示す関係が成り立
つ。
【0028】
【数4】
【0029】したがって、電力損失最小界磁電流値IFS
は、被圧延材1のコイルの直径Dおよび巻取張力T0
得て、これらを用いて上式(8)により算出する。な
お、被圧延材1のコイルの直径Dは、例えば、巻き取り
回数積算値をc、板厚をt、被圧延材1のコイルの直径
Dの最小値をDmin とすると、下式(10) により算出す
る。
【0030】 D = Dmin +c・t …(10) 一方、図示しない電機子電流演算器は、被圧延材1のコ
イルの直径D、電機子電流値Ia および界磁電流値If
を巻取機3および直流電動機4から得て、これらと設定
された巻取張力T0 とから、目標電機子電流値Iasを算
出し、電機子電流制御装置8に出力するようになってい
る。
【0031】次に、上記実施の形態の動作を図3を参照
しながら説明する。図3は、回転数Nの変化に対する目
標界磁電流値Ifsの変化を示すグラフである。まず、例
えば、巻取機3において被圧延材1の巻き出しが開始さ
れることにより回転数Nが上昇していき、所定回転数N
B に達するまでは、図3の0≦N≦N B の領域に示す
ように、逆起電力制御装置14により、補正界磁電流値
ΔIfsが正の値として出力されるとともに、界磁設定器
15により、目標界磁電流値I fs' が定格界磁電流値I
fmaxに設定され、これらが加算器16を介してリミッタ
17に出力される(図中、実線)。また、電力損失最小
界磁電流値設定器18により、電力損失和Pが最小値と
なるように電力損失最小界磁電流値IFSが算出され、リ
ミッタ17に出力される(図中、一点鎖線)。
【0032】リミッタ17では、加算器16からの目標
界磁電流値Ifsが電力損失最小界磁電流値設定器18か
らの電力損失最小界磁電流値IFS以上であるので、加算
器16からの目標界磁電流値Ifsが上限値の電力損失最
小界磁電流値IFSに置き換えられ、界磁電流制御装置1
0に出力される。
【0033】次いで、回転数Nがさらに上昇していき、
所定回転数NB よりも大きくなったときは、図3のNB
<N≦Nx の領域に示すように、界磁設定器15によ
り、目標界磁電流値Ifs' が、直流電動機4に印加され
る電圧が上限電圧値EMFma x を超えない範囲で最大に
設定され、リミッタ17に出力される。また、電力損失
最小界磁電流値設定器18により、電力損失和Pが最小
値となるように電力損失最小界磁電流値IFSが算出さ
れ、リミッタ17に出力される。
【0034】リミッタ17では、加算器16からの目標
界磁電流値Ifsが電力損失最小界磁電流値設定器18か
らの電力損失最小界磁電流値IFS以上であるので、加算
器16からの目標界磁電流値Ifsが上限値の電力損失最
小界磁電流値IFSに置き換えられ、界磁電流制御装置1
0に出力される。
【0035】次いで、回転数Nがさらに上昇していき、
所定回転数Nx よりも大きくなったときは、図3のNx
<Nの領域に示すように、界磁設定器15により、目
標界磁電流値Ifs' が、直流電動機4に印加される電圧
が上限電圧値EMFmax を超えない範囲で最大に設定さ
れ、リミッタ17に出力される。また、電力損失最小界
磁電流値設定器18により、電力損失和Pが最小値とな
るように電力損失最小界磁電流値IFSが算出され、リミ
ッタ17に出力される。
【0036】リミッタ17では、加算器16からの目標
界磁電流値Ifsが電力損失最小界磁電流値設定器18か
らの電力損失最小界磁電流値IFSよりも小さいので、I
fsがそのまま界磁電流制御装置10に出力される。この
ように界磁電流制御装置10に目標界磁電流値Ifsが出
力されると、界磁電流制御装置10では、界磁電流計9
からの界磁電流値If と目標界磁電流値I fsとが一致す
るように、界磁電流値If がフィードバック制御され
る。
【0037】特に、巻取張力T0 が小さい値に設定され
ているときは、リミッタ17からは、直流電動機4に印
加される電圧が上限電圧値EMFmax を超えない範囲に
おける最大値よりも小さい値で目標界磁電流値Ifsが出
力される。このような場合には、電力損失和Pが従来の
方法よりも小さな値となるので、従来に比して、直流電
動機4の電力損失を低く抑えることができる。
【0038】次に、本発明に係る巻取機用直流電動機の
制御装置を実際の鋼帯の巻取機に適用した一実施例を図
4を参照しながら説明する。図4は、本発明に係る巻取
機用直流電動機の制御装置の一実施例を説明するための
図である。巻取機3および直流電動機4の仕様として、
図4に示すように、巻取張力T0の最大値が40.8
[t]、定格界磁電流値Ifmaxが320[A]、定格電
機子電流値Iamaxが1160[A]、被圧延材1のコイ
ルの直径Dの最大値Dmax が1700[mm]、最小値
min が610[mm]、電機子の抵抗値ra が0.0
215[Ω]、界磁巻線の抵抗値rr が0.66
[Ω]、係数k2 が0.0934である場合について述
べる。例えば、被圧延材1のコイルの直径Dが610
[mm]であり、巻取張力T0 を10[t]に設定した
ときの電力損失和Pは、従来の場合と本発明を適用した
場合とでそれぞれ次のようになる。
【0039】まず、従来の場合は、回転数Nが所定回転
数NB 以下であるとき、界磁電流値If は、定格界磁電
流値Ifmaxに設定されるため、 If = 320[A] となる。一方、電機子電流値Ia は、上式(5)によ
り、
【0040】
【数5】
【0041】となる。したがって、電力損失和Pは、上
式(6)により、 P = (204)2×0.0215 + (320)2×0.66 = 6
8.5[kW] となる。次に、本発明を適用した場合は、回転数Nが所
定回転数NB 以下であるとき、界磁電流値If は、上式
(8)により、
【0042】
【数6】
【0043】となる。一方、電機子電流値Ia は、上式
(5)により、
【0044】
【数7】
【0045】となる。したがって、電力損失和Pは、上
式(6)により P = (599)2×0.0215 + (109)2×0.66 = 1
5.6[kW] となる。よって、従来の場合は、電力損失和Pが68.
5[kW]であるのに対して、本発明を適用した場合
は、電力損失和Pが15.6[kW]となり、従来に比
して、52.9[kW]も電力損失を削減することがで
きた。
【0046】なお、上記実施の形態において、電力損失
最小界磁電流値設定器18は、電力損失和Pが最小値と
なるように電力損失最小界磁電流値IFSを算出したが、
例えば、出力トルクをある程度の値で維持したい等の要
求があれば、最小値に限らず、定格界磁電流以下の範囲
で電力損失最小界磁電流値IFSを算出してもよい。
【0047】また、上記実施の形態においては、巻取張
力T0 をあらかじめ設定しておく構成としたが、これに
限らず、巻取張力T0 を必要に応じて適宜変更可能な構
成としてもよい。さらに、上記実施の形態においては、
図示しない電機子電流演算器は、被圧延材1のコイルの
直径D、電機子電流値Ia および界磁電流値If を巻取
機3および直流電動機4から得て、これらと設定された
巻取張力T0 とから目標電機子電流値Iasを算出した
が、これに限らず、目標電機子電流値Iasは、実測逆起
電力EMFp および回転数Nを用いて下式(11)により
トルク係数1/ζφを算出し、これを用いて下式(12)
により算出してもよい。なお、軽負荷で逆起電力が小さ
い場合に精度上問題となるようであれば、界磁電流値I
f とトルク係数1/ζφとの関係が既知であることを利
用して実測値より算出することもできる。
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る請求
項1記載の巻取機用直流電動機の制御方法によれば、従
来に比して、直流電動機の電力損失を比較的低減するこ
とができるという効果が得られる。
【0051】特に、本発明に係る請求項2記載の巻取機
用直流電動機の制御方法によれば、電力損失和が最小値
となるように目標界磁電流値が算出されるので、直流電
動機の電力損失を最小限に抑えることができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る巻取機用直流電動機の制御装置を
適用するシステム全体の構成を示す図である。
【図2】目標電流値演算装置11の構成を示すブロック
図である。
【図3】回転数Nの変化に対する目標界磁電流値Ifs
変化を示すグラフである。
【図4】本発明に係る巻取機用直流電動機の制御装置の
一実施例を説明するための図である。
【図5】従来の巻取機用直流電動機の制御装置の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 被圧延材 2 圧延機 3 巻取機 4 直流電動機 5 速度検出器 7 電機子電流計 8 電機子電流制御装置 9 界磁電流計 10 界磁電流制御装置 11 目標電流値演算装置 12 電機子電圧計 14 逆起電力制御装置 15 界磁設定器 16 加算器 17 リミッタ 18 電力損失最小界磁電流値設定器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻取張力を一定にして金属帯を巻き取る
    巻取機を駆動する直流電動機の制御方法において、 界磁電力損失と電機子電力損失との和が最小値となるよ
    うに算出した電力損失最小界磁電流値と前記直流電動機
    固有の定格界磁電流値とを比較し、前記定格界磁電流値
    が前記電力損失最小界磁電流値よりも高い場合には、前
    記電力損失最小界磁電流値以上で前記定格界磁電流値未
    満の値を目標界磁電流値とすることを特徴とする巻取機
    用直流電動機の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記定格界磁電流値が前記電力損失最小界磁電流値より
    も高い場合には、前記電力損失最小界磁電流値を前記目
    標界磁電流値とすることを特徴とする巻取機用直流電動
    機の制御方法。
JP35944598A 1998-12-17 1998-12-17 巻取機用直流電動機の制御方法 Pending JP2000184779A (ja)

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