JP2000183360A - 半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法

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JP2000183360A
JP2000183360A JP11274106A JP27410699A JP2000183360A JP 2000183360 A JP2000183360 A JP 2000183360A JP 11274106 A JP11274106 A JP 11274106A JP 27410699 A JP27410699 A JP 27410699A JP 2000183360 A JP2000183360 A JP 2000183360A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、TFTの電気特性、特にしきい値
を向上させるとともに信頼性の高い半導体素子からなる
半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法を提
供するものである。 【解決手段】 上記目的を解決するため、本発明は、基
板上に設けられ、熱処理が施された第1の下地膜101
a’上に、第2の下地膜101bと半導体膜102を連
続的に形成し、次いで結晶化を行った後、パターニング
を行い所望の形状を有する活性層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、絶縁ゲート型トラ
ンジスタ等の半導体素子からなる半導体回路を備えた半
導体装置の構造およびその作製方法に関する。特に、絶
縁表面上に結晶質半導体膜を形成する技術に関する。本
発明の半導体装置は、薄膜トランジスタ(TFT)やM
OSトランジスタ等の素子だけでなく、これら絶縁ゲー
ト型トランジスタで構成された半導体回路を有する表示
装置やイメージセンサ等の電気光学装置をも含むもので
ある。加えて、本発明の半導体装置は、これらの表示装
置および電気光学装置を搭載した電子機器をも含むもの
である。
【0002】
【従来の技術】絶縁性を有する基板上に形成された薄膜
トランジスタ(TFT)により画素部および駆動回路を
構成したアクティブマトリクス型液晶ディスプレイが注
目を浴びている。液晶ディスプレイは0.5〜20イン
チ程度のものまで表示ディスプレイとして利用されてい
る。
【0003】現在、高精細な表示が可能な液晶ディスプ
レイを実現するために、ポリシリコンで代表される結晶
質半導体膜を活性層とするTFTが注目されている。し
かしながら、結晶質半導体膜を活性層とするTFTは、
非晶質半導体膜を活性層とするTFTと比較して動作速
度や駆動能力が高い一方、個々のTFT特性の制御が困
難であった。
【0004】このTFT特性の制御が困難である原因の
一つとしては、活性層と絶縁膜の界面の特性が挙げられ
る。この界面が汚染されると、TFT特性を制御性よく
作製することは困難である。そのため、活性層と該活性
層に接する絶縁膜との界面を清浄化することが重要であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、TFTには高移
動度が求められており、TFTの活性層としては、非晶
質半導体膜よりも移動度の高い結晶質半導体膜を用いる
ことが有力視されている。以下に結晶質半導体膜を用い
た従来のトップゲート型TFTの作製方法を簡単に説明
する。
【0006】まず、絶縁表面を有する基板上に下地絶縁
膜(以下、本明細書では下地膜と称す)を形成して、熱
処理を施した後、アモルファスシリコン膜(非晶質珪素
膜)を成膜する。次に、このアモルファスシリコン膜を
加熱、またはレーザー光の照射等の結晶化処理を施して
ポリシリコン膜(多結晶珪素膜)を形成する。次いで、
このポリシリコン膜を所望の形状にパターニングした
後、その上に絶縁膜(ゲート絶縁層)と導電膜(ゲート
配線形成材料層)を堆積し、これらをパターニングして
ゲート配線を形成する。次いで、P型またはN型の導電
性を付与する不純物をポリシリコン膜に選択的に導入し
てソース領域、ドレイン領域となる不純物領域を形成す
る。続いて、層間絶縁膜を堆積し、ソース領域、ドレイ
ン領域上を露出させるコンタクトホールを形成した後、
金属膜を形成し、これをパターニングしてソース領域、
ドレイン領域と接触する金属配線を形成する。こうし
て、TFTの作製工程を完了する。
【0007】上記従来技術は、下地膜を形成した後、T
FTの信頼性を向上させるために熱処理を行う際、大気
に下地膜の表面がさらされる。この時、下地膜表面が大
気中の不純物(ボロン、酸素、水分、ナトリウム等)に
よって汚染される。この大気にさらされて汚染した下地
膜上に接して活性層となる半導体膜を積層形成すると、
活性層、特にチャネル形成領域と下地膜との界面特性が
低下し、TFTの電気的特性の低下を引き起こす原因と
なっていた。
【0008】特にクリーンルーム内の大気は、清浄化の
ため一般的に使用されているHEPAフィルタからのボ
ロン(ホウ素)を含んでいるため、大気にさらされた膜
の表面にボロンが不定量混入する。HEPAフィルタは
ガラスを網目状に形成したものであり、空気中の微小パ
ーティクルを除去するのに用いられている。網目状の構
造を作りやすくするためにガラスにはボロンが多量に含
まれている。また、HEPAフィルター以外の他のフィ
ルターを用いることは製造コスト低減化の観点からは不
利であった。
【0009】この大気中の不純物の影響を調べるため
に、絶縁性を有する下地膜を形成した後、大気にさらし
てから非晶質珪素膜からなる半導体膜の積層形成を行い
TFTを作製した。そのSIMS分析を行った場合、T
FTの活性層の界面(主表面側または裏面側)にボロン
の濃度ピークが見られ、その最高値は3×1017atoms
/cm3 以上であった。このようにボロンが半導体膜か
らなる活性層中に混入してしまうと、その後のプロセス
(熱処理、レーザー光処理等)により拡散、活性化され
て活性層中の不純物濃度の制御が困難となる。また、T
FTの電気特性の測定を行った場合、特に、しきい値電
圧がプラスにシフトする現象が見られた。
【0010】また、半導体膜からなる活性層中に不純物
(ボロン、酸素、水分、ナトリウム等)が混入した場
合、半導体膜の結晶化工程においても、半導体膜の結晶
化を阻害していた。
【0011】本発明は、活性層、特にチャネル形成領域
を構成する領域と下地膜との界面を良好なものとするこ
とにより、TFTの特性(しきい値電圧等)を向上させ
るとともに高い信頼性を有する半導体素子からなる半導
体回路を備えた半導体装置およびその作製方法を提供す
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め、本発明は、第1の下地膜を形成した後、熱処理を施
し、次いで、第2の下地膜(第1の下地膜より薄い膜厚
を有する絶縁膜)と半導体膜とを大気にふれさせること
なく積層形成することを一つの特徴としている。この様
な構成により活性層、特にチャネル形成領域を構成する
領域と第2の下地膜との界面の汚染を防ぎ、安定且つ良
好な電気特性を実現する。
【0013】本明細書で開示する発明の第1の構成は、
基板上に第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜に接する第
2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜に接するチャネル形成
領域と、前記チャネル形成領域の両側に形成されたソー
ス領域及びドレイン領域と、前記チャネル形成領域に接
するゲート絶縁層と、前記チャネル形成領域上に前記ゲ
ート絶縁層を介して設けられたゲート配線とを有し、前
記第2の絶縁膜の膜厚は、前記第1の絶縁膜より薄いこ
とを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた
半導体装置である。
【0014】上記構成において、前記第1の絶縁膜と前
記第2の絶縁膜との界面における不純物濃度は、前記第
2の絶縁膜と前記チャネル形成領域との界面における不
純物濃度より高いことを特徴としている。
【0015】また、上記構成において、前記第2の絶縁
膜及び前記チャネル形成領域は、順次大気にふれること
なく積層形成する工程を少なくとも経て形成されたこと
を特徴としている。
【0016】また、上記構成において、前記第1の絶縁
膜は、熱処理する工程を少なくとも経て形成されたこと
を特徴としている。
【0017】また、上記構成において、前記第1の絶縁
膜は膜厚100〜500nmであることを特徴としてい
る。
【0018】また、上記構成において、前記第2の絶縁
膜は膜厚10〜100nmであることを特徴としてい
る。
【0019】また、上記構成において、前記第2の絶縁
膜は、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化珪素膜から選
ばれた単層膜、またはそれらの積層膜であることを特徴
としている。
【0020】また、上記構成において、前記チャネル形
成領域と前記ソース領域との間、または前記チャネル形
成領域と前記ドレイン領域との間の少なくとも一方に
は、低濃度不純物領域が設けられていることを特徴して
いる。
【0021】また、上記構成において、少なくとも前記
ソース領域及び前記ドレイン領域には珪素の結晶化を助
長する触媒元素が含まれていることを特徴としている。
【0022】また、上記触媒元素は、Ni、Fe、C
o、Pt、Cu、Au、Geから選ばれた少なくとも1
つの元素、または複数の元素であることを特徴としてい
る。
【0023】なお、本明細書において「非晶質半導体
膜」とは、代表的には非晶質を有する半導体膜、例えば
微結晶を有する非晶質半導体膜等を指し、これら半導体
膜は、Si膜、Ge膜、化合物半導体膜〔例えば、Si
X Ge 1-X(0<X<1)で示される非晶質シリコンゲ
ルマニウム膜等〕)からなる膜である。この半導体膜は
公知の技術、例えば減圧熱CVD法、熱CVD法、PC
VD法等を用いて成膜できる。
【0024】なお、本明細書において「結晶質半導体
膜」とは、単結晶半導体膜、結晶粒界を含む半導体膜
(多結晶半導体膜及び微結晶半導体膜を含む)を指し、
全域に渡って非晶質状態である半導体膜(非晶質半導体
膜)との区別を明確にしている。勿論、本明細書におい
て「半導体膜」と記載されていれば、結晶質半導体膜以
外に非晶質半導体膜も含まれることは言うまでもない。
【0025】また、本明細書において「半導体素子」と
は、スイッチング素子やメモリ素子、例えば薄膜トラン
ジスタ(TFT)や薄膜ダイオード(TFD)等を指し
ている。
【0026】また、本発明の半導体装置を作製する第1
の作製方法の構成は、基板上に第1の絶縁膜を形成する
工程と、前記第1の絶縁膜を熱処理する工程と、前記第
1の絶縁膜上に、第2の絶縁膜と半導体膜とを順次大気
にふれることなく積層形成する工程と、前記半導体膜を
結晶化して結晶質半導体膜を形成する工程と、を有して
いることを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を
備えた半導体装置の作製方法である。
【0027】また、本発明の半導体装置を作製する第2
の作製方法の構成は、基板上に第1の絶縁膜を形成する
工程と、前記第1の絶縁膜を熱処理する工程と、前記第
1の絶縁膜上に、第2の絶縁膜と半導体膜とを順次大気
にふれることなく積層形成する工程と、前記半導体膜の
少なくとも一部に結晶化を助長する触媒元素を添加する
工程と、前記半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を形
成する工程と、を有していることを特徴とする半導体素
子からなる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法で
ある。
【0028】また、本発明の半導体装置を作製する第3
の作製方法の構成は、基板上に第1の絶縁膜を形成する
工程と、前記第1の絶縁膜を熱処理する工程と、前記第
1の絶縁膜上に、第2の絶縁膜と半導体膜とを順次大気
にふれることなく積層形成する工程と、前記半導体膜の
少なくとも一部に結晶化を助長する触媒元素を添加する
工程と、前記半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を形
成する工程と、前記触媒元素をゲッタリングする工程
と、を有していることを特徴とする半導体素子からなる
半導体回路を備えた半導体装置の作製方法である。
【0029】また、上記第1乃至3の作製方法の構成の
いずれか一において、前記第2の絶縁膜の膜厚は、前記
第1の絶縁膜の膜厚より薄く形成することを特徴として
いる。
【0030】また、上記第1乃至3の作製方法の構成の
いずれか一において、前記第1の絶縁膜を熱処理する工
程の加熱温度は、200〜700℃であることを特徴と
している。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を説明する。
【0032】本発明者は、様々な構造を有するTFTの
作製実験をおこなったが、使用したクリーンルームの清
浄度がある程度、制御されているにもかかわらず、TF
Tのしきい値電圧がバラツキ、それが画像のバラツキと
して確認されてしまっていた。
【0033】このようなTFTの電気特性、特にしきい
値電圧のバラツキの問題を解決することを目的とした従
来技術としては下地膜と半導体膜を連続形成することが
有効な手段の一つとして挙げられる。
【0034】しかしながら、単に下地膜と半導体膜を連
続成膜することだけでは優れた特性のTFTは決して得
られることなく、信頼性においては極めて低いものとな
った。特に、高画質、高精細な表示を得るため、要求さ
れているディスプレイの表示画素数が年々増加してお
り、大量生産を実施する際において、しきい値電圧のバ
ラツキと同様にTFTの信頼性が重要視されている。そ
こで、本発明者は、TFTの信頼性を向上させるために
は膜厚200nm以上の下地膜を熱処理すればよいこと
を様々な実験結果により見出した。しかし、下地膜を熱
処理すると、下地膜と半導体膜の間の界面を清浄にする
ことができないため、しきい値電圧がばらついた。
【0035】そこで、本発明者は、第1の下地膜を熱処
理した後、第2の下地膜と半導体膜を連続形成すること
によって従来にない極めて高性能なTFTが作製される
ことを見出した。この本発明の構成は、単なる従来技術
の組み合わせではなく、第1の下地膜の熱処理と、第2
の下地膜と半導体膜の間の清浄な界面形成と、熱処理さ
れた第1の下地膜と半導体膜の間の応力の緩和と、各膜
同士の密着性の向上とが行われることによって初めて得
られる複合的な技術の結果であり、その結果がこれまで
のTFT特性から飛躍的な進歩を可能としたのである。
【0036】本願発明の第2の下地膜としては、酸化珪
素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y )、
またはこれらの積層膜等を用いることができる。応力の
緩和を重視するなら酸化珪素膜が好ましい。また、不純
物の拡散防止を重視するなら窒化珪素膜が好ましい。特
に、窒化珪素膜よりも応力が小さく、酸化珪素膜より不
純物の拡散防止効果の高い窒化酸化珪素膜が最適であ
る。この第2の下地膜101bの形成手段としては熱C
VD法、プラズマCVD法、スパッタ法、蒸着法、減圧
熱CVD法等の公知の手段を用いて半導体膜と連続形成
することができる。また、この第2の下地膜の膜厚範囲
が、10〜100nm、好ましくは20〜60nmであ
れば、半導体膜との清浄な界面を形成するとともに、第
1の下地膜と熱膨張係数に差がある半導体膜の間の応力
を緩和するバッファ層の役目を果たすことができる。
【0037】本願発明によれば、大規模なクリーンルー
ム内においても、そのクリーンルーム内の清浄度にかか
わらず、極めて高品質な半導体膜、清浄な界面が同時に
実現可能である。従って、クリーンルームを清浄化する
ことによるコストアップを抑えることができる。
【0038】また、本願発明によれば、大気解放による
バラツキを低減することができるため、ロット間や基板
間でのバラツキも低減できる。
【0039】上記本願発明の実施形態について以下に示
す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、特にこ
れらの実施例に限定されないことは勿論である。
【0041】〔実施例1〕 本実施例では本願発明を用
いてトップゲート型TFTを作製する場合の例について
説明する。なお、本実施例ではNチャネル型TFTを用
いて説明を行う。
【0042】本発明の半導体装置およびその作製方法の
実施形態を示す簡略断面図である図1〜図4を用いて簡
略に説明する。
【0043】まず、基板100を用意する。基板100
としては、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの
絶縁性基板、セラミック基板、ステンレス基板、金属
(タンタル、タングステン、モリブデン等)基板、半導
体基板、プラスチック基板(ポリエチレンテレフタレー
ト基板)等を用いることができる。本実施例においては
基板100としてガラス基板(コーニング1737;歪
点667℃)を用いた。
【0044】次に、基板100上に第1の絶縁膜(以
下、本明細書中では第1の下地膜と称す)101aを形
成する。第1の下地膜101aとしては、酸化珪素膜、
窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y )、または
これらの積層膜等を用いることができる。第1の下地膜
101aの形成手段としては熱CVD法、プラズマCV
D法、スパッタ法、蒸着法、減圧熱CVD法等の公知の
手段を用い、100〜500nmの膜厚範囲で用いるこ
とができる。なお、200nm以上の膜厚を有した下地
膜を熱処理すれば、基板からの不純物の拡散を十分防ぐ
ことができるため、信頼性の高いTFTを作製すること
ができる。本実施例では、第1の下地膜101aとし
て、TEOSと酸素(O2 )を原料ガスに用い、プラズ
マCVD装置によって膜厚200nmの酸化珪素膜を成
膜した。(図1(A))
【0045】次いで、第1の下地膜101aに熱処理を
施し、第1の下地膜101a’を形成する。(図1
(B))ここでの熱処理は基板の歪点以下、好ましくは
200〜700℃で行う。本実施例では640℃、4時
間の熱処理を行った。この熱処理は、TFTの信頼性を
向上させるために必要である。この際、第1の下地膜1
01aの表面は大気にさらされる。
【0046】次いで、熱処理された第1の下地膜101
a’上に、第2の絶縁膜101b(以下、本明細書中で
は第2の下地膜と称す)と半導体膜102とを大気にふ
れさせることなく積層形成する。(図1(C))こうす
ることにより、半導体膜、特にチャネル形成領域を構成
する領域と第2の下地膜101bとの界面を良好なもの
とした。
【0047】また、半導体膜と熱処理された第1の下地
膜は直接接していないが、第1の下地膜と比較して第2
の下地膜の膜厚を薄くすることにより、TFTの信頼性
を向上することができた。
【0048】即ち、本実施例においては、熱処理された
第1の下地膜によりTFTの信頼性を向上させ、さらに
第2の下地膜により良好なSi/SiO2 界面を形成さ
せる。なお、第1の下地膜と第2の下地膜との界面にお
ける不純物の濃度は大気にふれるため、第2の下地膜と
活性層との界面と比較して高く、界面において急峻なピ
ークを示した。特にボロン元素の濃度のピークの最高値
は3×1017atoms /cm3 以上であった。
【0049】第2の下地膜101bとしては、酸化珪素
膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y )、ま
たはこれらの積層膜等を用いることができる。この第2
の下地膜101bの形成手段としては熱CVD法、プラ
ズマCVD法、スパッタ法、蒸着法、減圧熱CVD法等
の公知の手段を用い、10〜100nm、好ましくは2
0〜60nmの膜厚範囲で用いることができる。本実施
例では、第2の下地膜101bとしてTEOSと酸素
(O2 )を原料ガスに用い、プラズマCVD装置によっ
て膜厚20nmの酸化珪素膜を成膜した。
【0050】また、半導体膜102としては、非晶質珪
素膜、微結晶を有する非晶質半導体膜、微結晶半導体
膜、非晶質ゲルマニウム膜、SiX Ge 1-X(0<X<
1)で示される非晶質シリコンゲルマニウム膜、または
これらの積層膜を20〜70nm(代表的には40〜5
0nm)の膜厚範囲で用いることができる。半導体膜1
02の形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD
法、減圧熱CVD法、スパッタ法等の公知の手段を用い
ることができる。本実施例では、半導体膜102として
非晶質珪素膜を50nmの膜厚で成膜した。
【0051】なお、本実施例では第2の下地膜を形成す
る第1のチャンバー44と、半導体膜を形成する第2の
チャンバー45とを少なくとも備えたマルチチャンバー
(図7に示す装置)を用いて、大気にふれることなく各
チャンバー間を移動させることにより積層形成させた。
また、同一チャンバーで反応ガスを入れ換えることによ
り積層形成する構成としてもよい。
【0052】こうして図1(C)の状態が得られたら、
非晶質珪素膜からなる半導体膜102に結晶化処理を施
して結晶質珪素膜からなる半導体膜102’を形成す
る。本実施例では半導体膜に対して赤外光または紫外光
の照射による結晶化(以下、レーザー結晶化と呼ぶ)を
行った。結晶化技術として紫外光を用いる場合はエキシ
マレーザー光または紫外光ランプから発生する強光を用
いればよく、赤外光を用いる場合は赤外線レーザー光ま
たは赤外線ランプから発生する強光を用いればよい。本
実施例では大気中でエキシマレーザー光を線状にビーム
形成して照射した。(図1(D))なお、大気にさらし
てレーザー結晶化を行った場合には表面に薄い酸化膜が
形成されるが本実施例では簡略化のため図示しない。ま
た、本実施例では大気中で行ったが、特に限定されず、
不活性雰囲気、または真空中でレーザー結晶化してもよ
い。
【0053】また、結晶化処理としては、公知の如何な
る技術、例えばレーザー結晶化処理、熱結晶化処理、ま
たは触媒元素を用いた熱結晶化処理を用いることができ
る。なお、レーザー結晶化の条件(レーザー光の波長、
オーバーラップ率、照射強度、パルス幅、繰り返し周波
数、照射時間等)は、絶縁膜105の膜厚、初期半導体
膜104の膜厚、基板温度等を考慮して実施者が適宜決
定すればよい。照射条件としては、パルス周波数が30
Hz、オーバーラップ率は96%、レーザーエネルギー
密度は100〜500mJ/cm2であり本実施例では359
mJ/cm2とした。また、レーザー結晶化の条件によって
は、半導体膜が溶融状態を経過して結晶化する場合や、
半導体膜が溶融せずに固相状態、もしくは固相と液相の
中間状態で結晶化する場合がある。
【0054】次いで、得られた半導体膜102’をパタ
ーニングして、所望の形状を有する活性層103を形成
した。(図1(E))
【0055】なお、図1(D)または図1(E)の工程
後、しきい値電圧制御をするために不純物の添加を行な
い、チャネル形成領域となる領域に不純物を添加する工
程を加えてもよい。また、図1(D)と図1(E)の工
程順序を変更して、半導体膜をパターニングした後、結
晶化させてもよい。
【0056】次に、活性層を覆って、絶縁膜(後の工程
によりゲート絶縁層となる)104と(導電膜ゲート配
線形成材料層)105を形成した。(図2(A))絶縁
膜104としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化
珪素膜(SiOX y )、有機樹脂膜(BCB膜等)、
またはこれらの積層膜等を用いることができる。第3の
絶縁膜104の形成手段としては熱CVD法、プラズマ
CVD法、減圧熱CVD法、スパッタ法、蒸着法、塗布
法等の公知の手段を用い、10〜300nmの膜厚範囲
で用いることができる。本実施例では、第3の絶縁膜1
04として酸化珪素膜を150nmの膜厚で成膜した。
【0057】また、導電膜105としては、導電性材料
または半導体材料、例えば、アルミニウム(Al)、タ
ンタル(Ta)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、ハフニ
ウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、シリコン(Si)、シリサイド
等を主成分とする層からなる単層構造または積層構造を
用いることができる。導電膜105としては、10〜5
00nmの膜厚範囲で用いることができる。本実施例で
は導電膜105としてアルミニウム膜を400nmの膜
厚で成膜した。
【0058】次いで、マスク108を用いて導電膜10
5をパターニングしてゲート配線を形成する材料層10
7を形成し、さらに第3の絶縁膜104をパターニング
してゲート絶縁層106を形成した。(図2(B))
【0059】そして、本実施例では、ゲート配線を形成
する材料層107に第1の陽極酸化を施して多孔質な陽
極酸化膜(図示しない)を形成した。さらに第2の陽極
酸化膜を施して緻密な陽極酸化膜109を形成し、その
後、多孔質な陽極酸化膜とマスク108を除去した。ま
た、上記陽極酸化を施さず、ゲート配線を保護するため
にゲート配線を覆う絶縁膜からなる保護膜を形成する工
程を加えてもよい。
【0060】次いで、ゲート配線をマスクとして、N型
の導電性を付与する不純物を活性層103に添加する。
また、活性層に選択的に所定の領域に添加するためのマ
スクを形成してもよい。不純物の添加は、イオン注入
法、プラズマドーピング法、レーザードーピング法等の
公知の手段を用いればよい。ただし、不純物イオンが活
性層の所定の領域に所望の量添加されるようにドーピン
グ条件、ドーズ量、加速電圧等を調節する。本実施例で
は、N型の導電性を付与する不純物としてリン元素を用
い、112、113で示される低濃度不純物領域のリン
濃度が、SIMS分析で1×1015〜1×1017atoms
/cm3 になるように調節した。また、110、111
で示される高濃度不純物領域のリン濃度が、SIMS分
析で1×1020〜8×1021atoms /cm3 になるよう
に調節した。(図2(C))
【0061】高濃度不純物領域(n+ 型領域)110、
111はソース領域、ドレイン領域となり、低濃度不純
物領域(n- 型領域)112、113はLDD領域とな
る。また、リンイオン、ボロンイオンが注入されなかっ
た領域が後にキャリアの移動経路となる真性または実質
的に真性なチャネル形成領域114となる。
【0062】なお、本明細書中で真性とは、シリコンの
フェルミレベルを変化させうる不純物を一切含まない領
域を指し、実質的に真性な領域とは、電子と正孔が完全
に釣り合って導電型を相殺させた領域、即ち、しきい値
電圧制御が可能な濃度範囲(SIMS分析で1×1015
〜1×1017atoms /cm3 )でN型またはP型を付与
する不純物を含む領域、または意図的に逆導電型不純物
を添加することにより導電型を相殺させた領域を示す。
【0063】また、図2(B)において、絶縁膜104
のパターニングを行わず、絶縁膜104を介して不純物
の添加を行った後、絶縁膜104のパターニングを行う
工程としてもよい。
【0064】次に、ソース領域およびドレイン領域にお
ける不純物の活性化効果、またはドーピング工程で損傷
した活性層の結晶構造の回復効果を得るための公知の技
術、例えば熱アニールまたはレーザーアニールを行う。
本実施例では、照射条件がパルス周波数50Hz、レー
ザーエネルギー密度179mJ/cm2のレーザー光を照射し
た後、熱活性化処理(窒素雰囲気下、450℃、2時
間)を施した。
【0065】次いで、層間絶縁膜115を成膜し、ソー
ス領域、ドレイン領域上を露出させるコンタクトホール
を形成した後、金属膜を形成し、これをパターニングし
て、ソース領域、ドレイン領域と接触する金属配線11
6〜117を形成する。最後に水素化処理(水素雰囲
気、350℃、2時間)を行なう。(図2(D))こう
して、本実施例におけるNチャネル型TFTの作製を完
了する。
【0066】本実施例では第2の下地膜と前記チャネル
形成領域との界面における酸素の濃度を2×1019atom
s /cm3 以下、炭素、窒素の濃度を5×1018atoms
/cm3 以下とすることができた。
【0067】なお、本実施例ではNチャネル型TFTの
作製方法を例示したが、Pチャネル型TFTにするなら
ば、上記不純物添加工程で不純物イオンとしてP型を付
与するボロンイオンを添加すればよい。
【0068】本実施例においては、第2の下地膜の影響
および絶縁膜の熱処理の影響を比較するために、本実施
例の作製方法におけるTFTのしきい値電圧と、本実施
例とは異なる作製方法によるTFTのしきい値電圧とを
測定した。また、第2の下地膜の膜厚の影響を比較する
ために、上記作製方法を用いて第2の下地膜の膜厚の異
なるTFTを作製し、各々のTFTのしきい値電圧(V
th)を測定した。本実施例では、同一条件で作製され
た複数の基板を用意して、それら基板内のランダムな測
定点におけるTFT〔L(チャネル長)/W(チャネル
幅)=8/200μm〕をルートID外挿法(ドレイン
電圧VD =14V、ゲート電圧VG =−20V〜20
V)を用いて測定した。図8はNチャネル型TFTのし
きい値電圧の分布図であり、図9はPチャネル型TFT
のしきい値電圧の分布図を示す。
【0069】なお、本明細書中でしきい値電圧(Vt
h)とは、TFTをオフ状態からオン状態に変化させる
ために必要なゲート配線に印加する電圧値を示す。
【0070】また、同様に図10はNチャネル型TFT
のしきい値電圧の変化量(ΔVth)であり、図11は
Pチャネル型TFTのしきい値電圧の変動を示す。ΔV
thは、ルートID外挿法による測定を10回連続して
行なうことによってTFT〔L/W=8/8μm〕にス
トレスを与え、1回目のしきい値電圧Vth1 と10回
目のVth10を測定し、その変化量をΔVthとしてい
る。このΔVthの値が小さければ小さい程、TFTの
劣化が少なく信頼性が高いことを示す。
【0071】以下に示した作製条件によるTFTをそれ
ぞれ(基板2〜3枚、各基板内4〜16点)測定し、デ
ータA〜Hを得た。
【0072】A)下地膜とa-Si膜を連続形成したTFT
(従来例1) B)下地膜を形成した後、a-Si膜を成膜したTFT(従
来例2) C)下地膜を形成し熱処理を行なった後、a-Si膜を成膜
したTFT(従来例3) D)第1の下地膜を形成し熱処理を行なった後、第2の
下地膜(5nm)とa-Si膜を連続形成したTFT E)第1の下地膜を形成し熱処理を行なった後、第2の
下地膜(10nm)とa-Si膜を連続形成したTFT F)第1の下地膜を形成し熱処理を行なった後、第2の
下地膜(20nm)とa-Si膜を連続形成したTFT(本
実施例) G)第1の下地膜を形成し熱処理を行なった後、第2の
下地膜(50nm)とa-Si膜を連続形成したTFT H)第1の下地膜を形成し熱処理を行なった後、第2の
下地膜(100nm)とa-Si膜を連続形成したTFT
【0073】以下に第2の下地膜の影響を考察する。
【0074】図8〜図11に示したデータA(従来例
1)に注目すると、データCのVthについては2〜3
Vに抑えられ良好な値を示しているが、ΔVthが大き
いために信頼性の低いTFTとなっている。
【0075】また、データB(従来例2)に注目する
と、VthについてはデータAと比較して若干プラスに
シフトしており、データAと同様にΔVthが大きくな
っている。これらの結果(データA及びB)から、下地
膜とa-Si膜を大気にふれさせずに連続形成すると、不純
物の少ない界面を保持できるため、Vthのプラスシフ
トを抑えられることを本発明者は見出した。
【0076】また、データC(従来例3)に注目する
と、Vthについては大幅にプラスにシフトしており5
〜8Vとなっているが、ΔVthが非常に小さく信頼性
の高いTFTとなっている。これらの結果から、下地膜
を熱処理すると、しきい値電圧の変化量ΔVthを小さ
くすることができる、即ちTFTの信頼性が向上するこ
とを本発明者は見出した。
【0077】これら従来例1〜3のTFTに対して、本
実施例のTFTは、第1の下地膜を熱処理した後、薄い
第2の下地膜とa-Si膜(半導体膜)を連続形成すること
によって、データD〜H、特にデータE(本実施例)か
らわかるように、Vthのプラスシフトが抑えられ、且
つ、ΔVthが小さく信頼性の高いTFTとなった。
【0078】以上の知見から、しきい値電圧(Vth)
は、半導体膜に直接接する膜、即ち、薄い第2の下地膜
とa-Si膜の界面特性に左右されるが、しきい値電圧の変
動(ΔVth)は、半導体に直接接する膜、即ち、薄い
第2の下地膜に起因するものではなく、熱処理された第
1の下地膜に起因していることを本発明者は見出した。
また、第2の下地膜は、第1の下地膜と半導体膜との間
の応力を緩和するバッファ層として機能していることを
本発明者は見出した。
【0079】また、以下に第2の下地膜の膜厚の影響を
考察する。
【0080】図8及び図9に示したデータD〜Hを見る
と、Vthは第2の下地膜の膜厚に対し、Nチャネル型
TFTでは単調減少し、Pチャネル型TFTでは一度大
きく負に変化した後単調増加している。また、図10お
よび図11に示したデータD〜Hを見ると、ΔVthは
第2の下地膜の膜厚に対し、Pチャネル型TFTでは2
0nm以上で低減されており、Nチャネル型TFTでは
50nm以上で増加している。
【0081】これらの結果から第1の下地膜を200n
mとした場合、第2の膜厚は、10nm以上、好ましく
は20〜50nmが望ましい。ただし、上記膜厚は設定
膜厚であり、実際の膜厚は、設定膜厚より大きめとなる
ため、第2の膜厚は、実測値で20〜60nmとするこ
とが望ましい。
【0082】なお、本実施例では、しきい値電圧の変化
量(ΔVth)を測定するための信頼性試験を行った
が、特に限定されず、一般的なBias-Tempreture-Stress
による信頼性試験でも同様の実験結果が得られる。
【0083】本実施例の作製方法を利用して半導体素子
(TFT)からなる半導体回路を備えた半導体装置につ
いて、図3及び図4を用いてその構造の一例を説明す
る。
【0084】本実施例では、図3に周辺駆動回路部の一
部を構成するCMOS回路(インバータ回路)が示され
ている。また、図3に使われている符号は図1または図
2と同一である。図3において、インバ─タ回路の上面
図の点線A−A’で切断した断面が、CMOS回路の断
面構造に相当する。なお、図3(A)のインバータ回路
図、インバータ回路の上面図における各端子部a、b、
c、dは対応している。
【0085】図3において、いずれのTFT(薄膜トラ
ンジスタ)も基板100上に設けられた第1の下地膜1
01a’と第2の下地膜101bとの積層膜上に形成さ
れる。インバータ回路のNチャネル型TFTの場合に
は、第2の下地膜上に活性層としてチャネル形成領域1
14とN型の高濃度不純物領域(n+ 型領域)110、
111と、前記チャネル形成領域と前記高濃度不純物領
域の間に低濃度不純物領域(n- 型領域)112、11
3が形成されている。そして前記チャネル形成領域上に
は、ゲート絶縁層106を介してゲート配線107’が
形成されている。ゲート配線106は陽極酸化膜109
で保護されている。その上を覆う第1の層間絶縁膜11
5にコンタクトホールを形成して高濃度不純物領域に配
線116、117が接続されている。
【0086】一方、Pチャネル型のTFTは、活性層と
して高濃度不純物領域(p+ 型領域)110’、11
1’と、チャネル形成領域114’と、前記p+ 型領域
とチャネル形成領域の間に低濃度不純物領域(p- 型領
域)112’、113’が形成される。p+ 型領域11
0’、111’には配線116、117’が形成され
る。活性層以外の部分は、上記Nチャネル型TFTと概
略同一構造である。
【0087】また、図4に画素部の一部を構成する画素
TFT(Nチャネル型TFT)が示されている。また、
図4に使われている符号は図1または図2と同一であ
る。また、図4(A)において、点線A−A’で切断し
た断面が、図4(B)の画素部の断面構造に相当する。
【0088】画素部に形成されたNチャネル型TFTに
ついては、第1の層間絶縁膜115を形成する部分ま
で、インバータ回路のNチャネル型TFTと同一構造で
ある。そして、高濃度不純物領域(n+ 型領域)11
0、111には配線116、117が接続され、その上
に第2の層間絶縁膜118と、ブラックマスク119と
が形成される。さらに、その上に第3の層間絶縁膜12
0が形成され、ITO、SnO2 等の透明導電膜からな
る画素電極121が接続される。この画素電極は画素T
FTを覆い、且つブラックマスクと補助容量を形成して
いる。本実施例では一例として透過型のLCDを作製し
たが特に限定されない。例えば、画素電極の材料として
反射性を有する金属材料を用い、画素電極のパターニン
グの変更、または幾つかの工程の追加/削除を適宜行え
ば反射型のLCDを作製することが可能である。
【0089】なお、本実施例では、画素部の画素TFT
のゲート配線をダブルゲート構造としているが、オフ電
流のバラツキを低減するために、トリプルゲート構造等
のマルチゲート構造としても構わない。また、開口率を
向上させるためにシングルゲート構造としてもよい。
【0090】なお、同一基板上に図3に示した周辺駆動
回路部と、図4に示した画素部とを作製することも可能
である。
【0091】また、本実施例ではトップゲート型TFT
を例にとって説明してきたが、本願発明の構成はボトム
ゲート型TFTに適用することもできる。
【0092】〔実施例2〕 本実施例は、実施例1とは
異なる方法により結晶質珪素膜を得る例である。本実施
例では、珪素の結晶化を助長する触媒元素を利用して、
結晶質半導体膜を形成する。基本的な構成は実施例1と
ほぼ同様であるので、相違点のみに着目して説明する。
【0093】本実施例は、第2の下地膜と半導体膜10
2を連続形成する工程(図1(C))までは、実施例1
と同一である。
【0094】図1(C)と同じ状態を得た後、半導体膜
102の表面に珪素の結晶化を助長する触媒元素を導入
する。珪素の結晶化を助長する触媒元素としては、N
i、Fe、Co、Pt、Cu、Au、Geから選ばれた
一種または複数種類の元素が用いられる。本実施例では
前記触媒元素の内、非晶質珪素膜中の拡散速度が早く、
極めて良好な結晶性を得ることができるNiを用いた。
【0095】また、上記触媒元素を導入する箇所として
は、特に限定されないが、非晶質珪素膜の全面、または
マスクを適宜形成することにより選択的に導入する。
【0096】また、非晶質珪素膜に触媒元素を導入する
方法としては、触媒元素を非晶質珪素膜の表面に接触さ
せ得る方法、または非晶質珪素膜の膜中に保持させ得る
方法であれば特に限定されない。例えば、スパッタ法、
CVD法、プラズマ処理法、吸着法、イオン注入法、ま
たは触媒元素を含有した溶液を塗布する方法を使用する
ことができる。これらの内、溶液を塗布する方法は簡便
であり、触媒元素の濃度調整が容易であるという点で有
用である。金属塩としては各種塩を用いることができ、
溶媒としては水のほか、アルコール類、アルデヒド類、
エーテル類、その他の有機溶媒、或いは水と有機溶媒の
混合溶媒を用いることができる。本実施例では、塗布方
法を用い、10〜10000ppm、好ましくは100
〜10000ppm(重量換算)の範囲のニッケルを含
んだ溶液を塗布した。ただし、非晶質珪素膜の膜厚を考
慮に入れて適宜添加量を調節する必要がある。このよう
にして得られた非晶質珪素膜における膜中のニッケル濃
度は1×1019〜1×10 21atoms /cm3 となる。
【0097】以上のようにして触媒元素を非晶質珪素膜
に導入した後、加熱処理(550℃、4時間)により結
晶化を行ない結晶質半導体膜を得る。また、加熱処理に
代えてレーザー光を照射する工程を加えてもよい。
【0098】また、上記工程の後、結晶質半導体膜中の
前記触媒元素を低減するためのゲッタリング処理工程
(特開平9-312260号公報、特開平8-330602号公報等の技
術)を行うことが好ましい。なお、特開平9-312260号公
報には、結晶質半導体膜の前記触媒元素を酸化性雰囲気
中での熱酸化(450〜1100℃)で形成される熱酸
化膜中にゲッタリングさせ、その熱酸化膜を除去するゲ
ッタリング処理工程が記載されている。
【0099】本実施例では、リンのゲッタリング作用を
利用して、結晶質半導体膜中のニッケル元素を低減し
た。
【0100】ゲッタリング処理工程は、まず、上記結晶
化工程を終了後、マスクを用いて結晶質半導体膜へ選択
的にリンをド─ピングして、リン濃度が1×1019〜1
×1021atoms /cm3 であるリン添加領域を形成す
る。次いで、窒素雰囲気中で600℃、12時間加熱し
てリン添加領域にニッケルを捕獲させる。これによっ
て、リン添加領域以外の領域のニッケル濃度は5×10
17atoms /cm3 以下(好ましくは2×1017atoms /
cm3 以下)に低減することができる。
【0101】次いで、上記ゲッタリング工程が終了した
後、マスクを除去し、さらにパターニングして活性層を
形成する。ここでは、リン添加領域以外の領域を用いて
活性層を形成する。
【0102】活性層のパターニング工程後の工程は、実
施例1と同様な工程を順次行うことにより図2(D)の
状態のTFTが得られる。
【0103】本実施例の作製方法を用いて作製したTF
Tのしきい値電圧Vthと、しきい値電圧の変化量ΔV
thを実施例1と同様に測定した。また、第2の下地膜
の影響を比較するために、第1の下地膜200nmのみ
のTFT(比較例1)のしきい値電圧(Vth)及びし
きい値電圧の変化量(ΔVth)を測定した。図12は
Nチャネル型TFTのしきい値電圧の分布図であり、図
13はPチャネル型TFTのしきい値電圧の分布図を示
す。
【0104】また、同様に図14はNチャネル型TFT
のしきい値電圧の変化量(ΔVth)の分布図であり、
図15はPチャネル型TFTのしきい値電圧の変化量の
分布図を示す。
【0105】以下に第2の下地膜の影響を考察する。
【0106】図12〜図15に示したデータに注目する
と、本実施例は比較例1よりもしきい値電圧が小さく、
第2の下地膜を設けることによってしきい値電圧のプラ
スシフトが抑えられている。また、本実施例は、比較例
1と同様に第1の下地膜が熱処理されているため、しき
い値電圧の変動(ΔVth)が小さく、特にPチャネル
においては、しきい値電圧の変動がほとんどないTFT
が得られた。
【0107】〔実施例3〕 本実施例は、実施例1とは
異なる方法により結晶質半導体膜を得る例である。本実
施例では、レーザービーム形状を長方形または正方形に
成形し、一度の照射で数cm2 〜数百cm2 の領域に均
一なレーザー結晶化処理により結晶質珪素膜を得る方法
に関する。基本的な構成は実施例1とほぼ同様であるの
で、相違点のみに着目して説明する。
【0108】本実施例では、図1(C)の工程において
エキシマレーザー光を面状に加工して照射する。レーザ
ー光を面状に加工する場合は数十cm2 程度(好ましく
は10cm2 以上)の面積を一括照射できる様にレーザ
ー光を加工する必要がある。そして照射面全体を所望の
レーザーエネルギー密度でアニールするためには、トー
タルエネルギーが5J以上、好ましくは10J以上の出
力のレーザー装置を用いる。
【0109】その場合、エネルギー密度は100〜80
0mJ/cm2とし、出力パルス幅は100nsec以上、好まし
くは200nsec〜1msecとすることが好ましい。200
nsec〜1msecというパルス幅を実現するにはレーザー装
置を複数台連結し、各レーザー装置の同期をずらすこと
で複数パルスの混合した状態を作れば良い。
【0110】本実施例の様な面状のビーム形状を有する
レーザー光を照射することにより大面積に均一なレーザ
ー照射を行うことが可能である。即ち、活性層の結晶性
(結晶粒径や欠陥密度等を含む)が均質なものとなり、
TFT間の電気特性のばらつきを低減することができ
る。
【0111】なお、本実施例は実施例1または2との組
み合わせが容易であり、その組み合わせ方は自由であ
る。
【0112】〔実施例4〕 本実施例では、本願発明に
よって作製された液晶表示装置の例を図5に示す。画素
TFT(画素スイッチング素子)の作製方法やセル組工
程は公知の手段を用いれば良いので詳細な説明は省略す
る。
【0113】図5において500は絶縁表面を有する基
板(酸化シリコン膜を設けたプラスチック基板)、50
1は画素部、502は走査線駆動回路、503は信号線
駆動回路、530は対向基板、510はFPC(フレキ
シブルプリントサーキット)、520はロジック回路で
ある。ロジック回路520としては、D/Aコンバー
タ、γ補正回路、信号分割回路などの従来ICで代用し
ていた様な処理を行う回路を形成することができる。勿
論、基板上にICチップを設けて、ICチップ上で信号
処理を行うことも可能である。
【0114】さらに、本実施例では液晶表示装置を例に
挙げて説明しているが、アクティブマトリクス型の表示
装置であればEL(エレクトロルミネッセンス)表示装
置やEC(エレクトロクロミックス)表示装置に本願発
明を適用することも可能であることは言うまでもない。
【0115】また、本願発明を用いて作製できる液晶表
示装置は透過型か反射型かは問わない。どちらを選択す
るのも実施者の自由である。この様に本願発明はあらゆ
るアクティブマトリクス型の電気光学装置(半導体装
置)に対して適用することが可能である。
【0116】なお、本実施例に示した半導体装置を作製
するにあたって、実施例1〜実施例3のどの構成を採用
しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いるこ
とが可能である。
【0117】〔実施例5〕 本願発明は従来のIC技術
全般に適用することが可能である。即ち、現在市場に流
通している全ての半導体回路に適用できる。例えば、ワ
ンチップ上に集積化されたRISCプロセッサ、ASI
Cプロセッサ等のマイクロプロセッサに適用しても良い
し、液晶用ドライバー回路(D/Aコンバータ、γ補正
回路、信号分割回路等)に代表される信号処理回路や携
帯機器(携帯電話、PHS、モバイルコンピュータ)用
の高周波回路に適用しても良い。
【0118】また、マイクロプロセッサ等の半導体回路
は様々な電子機器に搭載されて中枢回路として機能す
る。代表的な電子機器としてはパーソナルコンピュー
タ、携帯型情報端末機器、その他あらゆる家電製品が挙
げられる。また、車両(自動車や電車等)の制御用コン
ピュータなども挙げられる。本願発明はその様な半導体
装置に対しても適用可能である。
【0119】なお、本実施例に示した半導体装置を作製
するにあたって、実施例1〜実施例3のどの構成を採用
しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いるこ
とが可能である。
【0120】〔実施例6〕本発明を実施して形成された
TFTは様々な電気光学装置に用いることができる。即
ち、それら電気光学装置を表示部に組み込んだ電子機器
全てに本発明を実施できる。
【0121】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、ウエアラブルディスプレイ、
カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情
報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書
籍等)などが挙げられる。それらの一例を図6に示す。
【0122】図6(A)はパーソナルコンピュータであ
り、本体2001、画像入力部2002、表示部200
3、キーボード2004で構成される。本願発明を画像
入力部2002、表示部2003やその他の信号駆動回
路に適用することができる。
【0123】図6(B)はビデオカメラであり、本体2
101、表示部2102、音声入力部2103、操作ス
イッチ2104、バッテリー2105、受像部2106
で構成される。本願発明を表示部2102、音声入力部
2103やその他の信号駆動回路に適用することができ
る。
【0124】図6(C)はモバイルコンピュータ(モー
ビルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2
202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示
部2205で構成される。本願発明は表示部2205や
その他の信号駆動回路に適用できる。
【0125】図6(D)はゴーグル型ディスプレイであ
り、本体2301、表示部2302、アーム部2303
で構成される。本発明は表示部2302やその他の信号
駆動回路に適用することができる。
【0126】図6(E)はプログラムを記録した記録媒
体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405で構成さ
れる。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Dig
tial Versatile Disc)、CD等を
用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを
行うことができる。本発明は表示部2402やその他の
信号駆動回路に適用することができる。
【0127】図6(F)はデジタルカメラであり、本体
2501、表示部2502、接眼部2503、操作スイ
ッチ2504、受像部(図示しない)で構成される。本
願発明を表示部2502やその他の信号駆動回路に適用
することができる。
【0128】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜5のどの
ような組み合わせからなる構成を用いても実現すること
ができる。
【0129】〔実施例7〕本発明を実施して形成された
TFTは様々な電気光学装置に用いることができる。即
ち、それら電気光学装置を液晶表示装置として組み込ん
だ電子機器全てに本発明を実施できる。
【0130】その様な電子機器としては、プロジェクタ
ー(リア型またはフロント型)などが挙げられる。それ
らの一例を図16に示す。
【0131】図16(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置2601、スクリーン2602で構成
される。本発明は投射装置の一部である液晶表示装置や
その他の信号駆動回路に適用することができる。
【0132】図16(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体2701、投射装置2702、ミラー270
3、スクリーン2704で構成される。本発明は投射装
置の一部である液晶表示装置やその他の信号駆動回路に
適用することができる。
【0133】なお、図16(C)は、図16(A)及び
図16(B)中における投射装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。投射装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶表示装置2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図16(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0134】また、図16(D)は、図16(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、2813、2814、偏光
変換素子2815、集光レンズ2816で構成される。
なお、図16(D)に示した光源光学系は一例であって
特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適
宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相
差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設け
てもよい。
【0135】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜5のどの
ような組み合わせからなる構成を用いても実現すること
ができる。ただし、本実施例におけるプロジェクター
は、透過型の液晶表示装置であり、反射型の液晶表示装
置には適用できないことは言うまでもない。
【0136】
【発明の効果】本願発明を実施することで、再現性が高
くTFTの安定性を向上し、生産性の高いTFTを得る
ことができる。
【0137】本願発明は、熱処理した第1の絶縁膜上
に、大気にふれることなく第2の絶縁膜と半導体膜を積
層形成することで、極めて良好な電気特性を示すTFT
を形成することが実現できる。特に、TFTの代表的な
パラメータであるしきい値電圧Vthは、Nチャネル型
TFTで−0.5〜2V、Pチャネル型TFTで0.5
〜−2Vを実現できる。
【0138】また、第2の絶縁膜として20nm以上の
膜厚があれば、±10nmの膜厚変動の範囲内におい
て、Vthを±0.2V程度に抑制することができ、ば
らつきの少ない均一なTFTを得ることができる。
【0139】さらに、TFTの信頼性の目安となるパラ
メータの一つであるしきい値電圧の変化量ΔVthにお
いても、小さくすることができ、信頼性の高いTFTを
得ることができる。
【0140】また、TFTの代表的なパラメータである
サブスレッショルド係数(S値)は0.1〜0.3V/
decadeを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TFTの作製工程を示す図(実施例1)。
【図2】 TFTの作製工程を示す図(実施例1)。
【図3】 インバータ回路図、上面図及び断面構造図
の一例を示す断面図(実施例1)。
【図4】 画素部の一例を示す断面図及び上面図(実
施例1)。
【図5】 半導体装置(液晶表示装置)の構成を示す
図(実施例4)。
【図6】 半導体装置(電子機器)の例を示す図(実
施例6)。
【図7】 成膜装置の一例を示す図(実施例1)。
【図8】 Nチャネル型TFTのしきい値電圧を示す
分布図(実施例1)。
【図9】 Pチャネル型TFTのしきい値電圧を示す
分布図(実施例1)。
【図10】 Nチャネル型TFTのしきい値電圧の変
動を示す分布図(実施例1)。
【図11】 Pチャネル型TFTのしきい値電圧の変
動を示す分布図(実施例1)。
【図12】 Nチャネル型TFTのしきい値電圧を示
す分布図(実施例2)。
【図13】 Pチャネル型TFTのしきい値電圧を示
す分布図(実施例2)。
【図14】 Nチャネル型TFTのしきい値電圧の変
動を示す分布図(実施例2)。
【図15】 Pチャネル型TFTのしきい値電圧の変
動を示す分布図(実施例2)。
【図16】 半導体装置(電子機器)の例を示す図
(実施例7)。
【符号の説明】
100 基板 101a 第1の下地膜 101a’ 熱処理された第1の下地膜 101b 第2の下地膜 102 半導体膜 102’ 結晶質半導体膜 103 活性層 104 絶縁膜 105 導電膜 106 ゲート絶縁層 107、107’ ゲート配線 108 マスク 109 陽極酸化膜 110、111 n+ 領域(ソース領域、ドレイン領
域) 112、113 n- 領域(低濃度不純物領域) 114 チャネル形成領域 115 層間絶縁膜 116、117 配線

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁
    膜に接する第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜に接する
    チャネル形成領域と、前記チャネル形成領域の両側に形
    成されたソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル
    形成領域に接するゲート絶縁層と、前記チャネル形成領
    域上に前記ゲート絶縁層を介して設けられたゲート配線
    とを有し、前記第2の絶縁膜の膜厚は、前記第1の絶縁
    膜より薄いことを特徴とする半導体素子からなる半導体
    回路を備えた半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第1の絶縁膜と前
    記第2の絶縁膜との界面における不純物濃度は、前記第
    2の絶縁膜と前記チャネル形成領域との界面における不
    純物濃度より高いことを特徴とする半導体素子からなる
    半導体回路を備えた半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記第
    2の絶縁膜及び前記チャネル形成領域は、順次大気にふ
    れることなく積層形成する工程を少なくとも経て形成さ
    れたことを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を
    備えた半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか一において、前
    記第1の絶縁膜は、熱処理する工程を少なくとも経て形
    成されたことを特徴とする半導体素子からなる半導体回
    路を備えた半導体装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記第1の絶縁膜は膜厚100〜500nmであることを
    特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導
    体装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか一において、前
    記第2の絶縁膜は膜厚10〜100nmであることを特
    徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体
    装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか一において、前
    記第2の絶縁膜は、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化
    珪素膜から選ばれた単層膜、またはそれらの積層膜であ
    ることを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備
    えた半導体装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか一において、前
    記チャネル形成領域と前記ソース領域との間、または前
    記チャネル形成領域と前記ドレイン領域との間の少なく
    とも一方には、低濃度不純物領域が設けられていること
    を特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半
    導体装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか一において、少
    なくとも前記ソース領域及び前記ドレイン領域には珪素
    の結晶化を助長する触媒元素が含まれていることを特徴
    とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装
    置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記触媒元素は、N
    i、Fe、Co、Pt、Cu、Au、Geから選ばれた
    少なくとも1つの元素、または複数の元素であることを
    特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導
    体装置。
  11. 【請求項11】基板上に第1の絶縁膜を形成する工程
    と、前記第1の絶縁膜を熱処理する工程と、前記第1の
    絶縁膜上に、第2の絶縁膜と半導体膜とを順次大気にふ
    れることなく積層形成する工程と、前記半導体膜を結晶
    化して結晶質半導体膜を形成する工程と、を有している
    ことを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備え
    た半導体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】基板上に第1の絶縁膜を形成する工程
    と、前記第1の絶縁膜を熱処理する工程と、前記第1の
    絶縁膜上に、第2の絶縁膜と半導体膜とを順次大気にふ
    れることなく積層形成する工程と、前記半導体膜の少な
    くとも一部に結晶化を助長する触媒元素を添加する工程
    と、前記半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を形成す
    る工程と、を有していることを特徴とする半導体素子か
    らなる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】基板上に第1の絶縁膜を形成する工程
    と、前記第1の絶縁膜を熱処理する工程と、前記第1の
    絶縁膜上に、第2の絶縁膜と半導体膜とを順次大気にふ
    れることなく積層形成する工程と、前記半導体膜の少な
    くとも一部に結晶化を助長する触媒元素を添加する工程
    と、前記半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を形成す
    る工程と、前記触媒元素をゲッタリングする工程と、を
    有していることを特徴とする半導体素子からなる半導体
    回路を備えた半導体装置の作製方法。
  14. 【請求項14】請求項11乃至13のいずれか一におい
    て、前記第2の絶縁膜の膜厚は、前記第1の絶縁膜の膜
    厚より薄く形成することを特徴とする半導体素子からな
    る半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  15. 【請求項15】請求項11乃至14のいずれか一におい
    て、前記第1の絶縁膜を熱処理する工程の加熱温度は、
    200〜700℃であることを特徴とする半導体素子か
    らなる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
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