JP2000182985A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2000182985A JP10362560A JP36256098A JP2000182985A JP 2000182985 A JP2000182985 A JP 2000182985A JP 10362560 A JP10362560 A JP 10362560A JP 36256098 A JP36256098 A JP 36256098A JP 2000182985 A JP2000182985 A JP 2000182985A
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光明 堀内
Shinji Kawaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体領域に不純物が拡散されている拡散層
からなる配線層などの構成要素の高性能化および高信頼
度化ができる半導体装置およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 SOI基板4などの絶縁膜2の表面に形
成されている半導体領域3の一部に、絶縁膜2の表面と
接触されている不純物イオン打込み領域が形成されて、
不純物イオン打込み領域の不純物が熱拡散して形成され
ている拡散層9が備えられているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
その製造方法に関し、特に、半導体領域に不純物が拡散
されている拡散層からなる配線層などの構成要素の高性
能化および高信頼度化ができる半導体装置およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ところで、本発明者は、SOI(Silico
n on Insulator)基板を用いた半導体集積回路装置の製
造技術について検討した。以下は、本発明者によって検
討された技術であり、その概要は次のとおりである。
【0003】すなわち、SOI基板を用いた半導体集積
回路装置の製造技術は、SOI基板におけるシリコン基
板の上に酸化シリコン膜を介在して存在する単結晶シリ
コン層(薄膜状態のシリコン基板などの半導体領域)
に、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field
Effect Transistor )などからなる半導体素子とシリコ
ン層に不純物が拡散されている拡散層からなる配線層が
形成されているものがある。
【0004】なお、SOI基板を用いた半導体集積回路
装置の製造技術について記載されている文献としては、
例えば1990年12月15日、啓学出版株式会社発行
のW・マリ著「図説超LSI工学」p321〜p325
に記載されているものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したS
OI基板を用いた半導体集積回路装置の製造技術におい
て、シリコン層に不純物としての例えばホウ素(B)が
拡散されている拡散層からなる配線層などの構成要素を
形成する場合、種々の問題点が発生していることを、本
発明者が見い出した。
【0006】前述したSOI基板を用いた半導体集積回
路装置の製造技術において、SOI基板におけるシリコ
ン層に不純物としてのホウ素が拡散されている拡散層か
らなる配線層を形成する製造工程として、シリコン層に
ホウ素をイオン打込みした後、熱拡散装置を使用して、
イオン打込みされたホウ素をシリコン層に熱拡散して拡
散層を形成している。
【0007】この場合、拡散層からなる配線層を形成す
る際に、高濃度のホウ素を使用し薄膜状態のホウ素イオ
ン打込み領域を形成し、その後、高い温度状態の熱拡散
処理を行っていることにより、ホウ素イオン打込み領域
からホウ素が大きく拡散されてホウ素イオン打込み領域
よりも大きな領域からなる拡散層が形成されてしまうの
で、拡散層の性能が低下すると共に、拡散層が大きくな
るので微細加工化ができなくなったり、高い温度状態の
熱拡散処理によって、半導体集積回路装置の構成要素の
性能と信頼度が低減化するという問題点が発生してい
る。
【0008】前述した拡散層の形成方法を使用して、拡
散層を配線層などの種々の半導体装置の構成要素とされ
ていることにより、半導体装置の性能や製造歩留りが低
減化されている。
【0009】本発明の目的は、半導体領域に不純物が拡
散されている拡散層からなる配線層などの構成要素の高
性能化および高信頼度化ができる半導体装置およびその
製造方法を提供することにある。
【0010】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0012】すなわち、(1).本発明の半導体装置
は、SOI基板などの絶縁膜の表面に形成されている半
導体領域の一部に、絶縁膜の表面と接触されている不純
物イオン打込み領域が形成されて、不純物イオン打込み
領域の不純物が熱拡散して形成されている拡散層が備え
られているものである。
【0013】(2).本発明の半導体装置の製造方法
は、絶縁膜の表面に形成されている半導体領域の一部
に、不純物をイオン打込みして、絶縁膜の表面と接触さ
れている不純物イオン打込み領域を形成する工程と、不
純物イオン打込み領域の不純物を、熱拡散して、拡散層
を形成する工程とを有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において同一機能を有するものは同一の符
号を付し、重複説明は省略する。
【0015】(実施の形態1)図1〜図6は、本発明の
一実施の形態(実施の形態1)である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。同図を用いて、本実施の形態
の半導体装置およびその製造方法を具体的に説明する。
【0016】まず、図1に示すように、例えばp型のシ
リコン単結晶からなる半導体基体1の上に例えば酸化シ
リコン膜などの絶縁膜2を介して例えばn型のシリコン
単結晶からなる半導体領域3を有するSOI(Silicon
on Insulator)基板4を用意する。
【0017】次に、SOI基板4における半導体領域3
の表面に例えば酸化シリコン膜などからなる絶縁膜5を
形成し、その後その絶縁膜5の表面にレジスト膜6を形
成した後、リソグラフィ技術と選択エッチング技術とを
使用して、絶縁膜5に開口部7を形成する。この場合、
開口部7は、半導体領域3に不純物イオン打込み領域を
形成するための開口部であり、絶縁膜5は、半導体領域
3に不純物イオン打込み領域を形成する際のマスクとさ
れる絶縁膜である。したがって、絶縁膜5は、酸化シリ
コン膜以外に、窒化シリコンなどからなる種々の材料か
らなる絶縁膜を適用することができる。
【0018】その後、不要となったレジスト膜6を取り
除いた後、イオン注入装置を使用して、イオン注入法に
よって、絶縁膜5における開口部7を通して、その開口
部7の下部の半導体領域3に、ホウ素からなる不純物
(p型の不純物)をイオン打込みして、半導体領域3に
不純物イオン打込み領域8を形成する(図2)。
【0019】この場合、本発明者の検討の結果、絶縁膜
2の表面に形成されている半導体領域3の一部に、不純
物をイオン打込みして、絶縁膜2の表面と接触されてい
る不純物イオン打込み領域8を形成する工程としてお
り、不純物イオン打込み領域8が絶縁膜2の表面と接触
している態様となるような製造工程を採用している。
【0020】次に、熱拡散装置を使用して、ホウ素から
なる不純物(p型の不純物)を熱拡散して、p型拡散層
(拡散層)9を形成する(図3)。この場合、本実施の
形態のp型拡散層9は、配線層としてのp型拡散層9と
されている。
【0021】本実施の形態の半導体装置の製造方法によ
れば、絶縁膜2の表面に形成されている半導体領域3の
一部に、不純物をイオン打込みして、絶縁膜2の表面と
接触されている不純物イオン打込み領域8を形成する工
程と、不純物イオン打込み領域8の不純物を、熱拡散し
て、p型拡散層(拡散層)9を形成する工程とを有する
ことを特徴としている。
【0022】図7は、本発明の半導体装置の製造方法よ
り形成したp型拡散層(絶縁膜の表面と接触されている
不純物イオン打込み領域を用いて、形成された拡散層)
に対して、本発明者が検討した結果を示すグラフ図であ
り、p型拡散層におけるホウ素からなる不純物濃度と距
離との関係を示すグラフ図である。
【0023】図8は、従来の半導体装置の製造方法より
形成したp型拡散層(絶縁膜の表面と接触されていない
不純物イオン打込み領域を用いて、形成された拡散層)
に対して、本発明者が検討した結果を示すグラフ図であ
り、p型拡散層におけるホウ素からなる不純物濃度と距
離との関係を示すグラフ図である。
【0024】したがって、本実施の形態の半導体装置の
製造方法によれば、p型拡散層(拡散層)9を形成する
場合、絶縁膜2の表面と接触している不純物イオン打込
み領域8を形成した後、その不純物イオン打込み領域8
における不純物を熱拡散する製造工程を採用しているこ
とにより、図7および図8に示されているグラフ図から
も明らかであるが、不純物イオン打込み領域8よりほと
んど延長しない領域のp型拡散層(拡散層)9を形成す
ることができる。さらに、不純物イオン打込み領域8に
おける不純物を熱拡散する製造工程の条件を極めて容易
とすることができる。また、p型拡散層(拡散層)9を
設計仕様に応じた形態とすることができ、微細加工がで
き、高性能でしかも高信頼度のp型拡散層(拡散層)9
とすることができる。
【0025】その後、半導体領域3に半導体素子として
のMOSFETを形成する工程を行う(図4)。この場
合、この製造工程は、先行技術などを使用した種々の態
様を適用することができるが、n型の半導体領域3に、
半導体素子としてのMOSFETを形成する製造方法を
具体的に説明する。
【0026】まず、MOSFETを形成する領域の半導
体領域3の表面の絶縁膜5を、リソグラフィ技術と選択
エッチング技術とを使用して、取り除く作業を行う。こ
の場合、絶縁膜5を素子分離用のフィールド絶縁膜とし
て使用しているが、別の態様として、絶縁膜5以外の酸
化シリコン膜などからなる絶縁膜を形成して、素子分離
用のフィールド絶縁膜を形成する態様を設計仕様に応じ
て適用することができる。
【0027】次に、半導体素子が形成される領域である
素子形成領域の半導体領域3に、ゲート絶縁膜10、ゲ
ート電極11、絶縁膜12、サイドウォールスペーサ1
3を形成する。
【0028】その後、半導体領域3に、例えばホウ素な
どのp型の不純物をイオン注入法を使用してイオン打込
みした後、熱拡散装置を使用してp型の不純物を熱拡散
して、PチャネルMOSFETのソースおよびドレイン
となるp型半導体領域14を形成する。
【0029】その後、配線層としてのp型拡散層9の表
面のゲート絶縁膜10を、リソグラフィ技術と選択エッ
チング技術とを使用して、取り除く作業を行う(図
5)。
【0030】次に、SOI基板4の上に、スパッタ法を
使用して、例えばアルミニウム層などからなる配線層1
5を堆積した後、リソグラフィ技術と選択エッチング技
術とを使用して、パターン化された配線層15を形成す
る(図6)。
【0031】その後、SOI基板4の上に、設計仕様に
応じて、層間絶縁膜と配線層とからなる多層配線層を形
成した後、パシベーション膜を形成することにより、半
導体装置の製造工程を終了する。
【0032】前述した本実施の形態の半導体装置の製造
方法によれば、絶縁膜2の表面に形成されている半導体
領域3の一部に、不純物をイオン打込みして、絶縁膜2
の表面と接触されている不純物イオン打込み領域8を形
成する工程と、不純物イオン打込み領域8の不純物を、
熱拡散して、p型拡散層(拡散層)9を形成する工程と
を有することを特徴としている。
【0033】したがって、本実施の形態の半導体装置の
製造方法によれば、p型拡散層(拡散層)9を形成する
場合、絶縁膜2の表面と接触している不純物イオン打込
み領域8を形成した後、その不純物イオン打込み領域8
における不純物を熱拡散する製造工程を採用しているこ
とにより、図7および図8に示されているグラフ図から
も明らかであるが、不純物イオン打込み領域8よりほと
んど延長しない領域のp型拡散層(拡散層)9を形成す
ることができる。さらに、不純物イオン打込み領域8に
おける不純物を熱拡散する製造工程の条件を極めて容易
とすることができる。また、p型拡散層(拡散層)9を
設計仕様に応じた形態とすることができ、微細加工がで
き、高性能でしかも高信頼度のp型拡散層(拡散層)9
とすることができる。
【0034】また、本実施の形態の半導体装置の製造方
法によれば、p型拡散層(拡散層)9を形成する場合、
絶縁膜2の表面と接触している不純物イオン打込み領域
8を形成した後、その不純物イオン打込み領域8におけ
る不純物を熱拡散する製造工程を採用していることによ
り、高濃度でしかも浅いp型拡散層(拡散層)9を形成
することができる。
【0035】さらに、本実施の形態の半導体装置によれ
ば、本実施の形態の半導体装置の製造方法によって製造
されていることにより、高温でしかも長時間の熱処理を
しても濃度変化が少なく、しかも浅いp型拡散層(拡散
層)9を備えており、設計仕様に応じた形態とされ、微
細加工ができ、高性能でしかも高信頼度のp型拡散層
(拡散層)9を備えているので、半導体領域3に不純物
が拡散されているp型拡散層(拡散層)9からなる配線
層などの構成要素の高性能化および高信頼度化ができる
半導体装置とすることができる。
【0036】(実施の形態2)図9〜図14は、本発明
の他の実施の形態(実施の形態2)である半導体装置の
製造工程を示す断面図である。同図を用いて、本実施の
形態の半導体装置およびその製造方法を具体的に説明す
る。
【0037】まず、図9に示すように、前述した実施の
形態1の半導体装置の製造方法と同様に、例えばp型の
シリコン単結晶からなる半導体基体1の上に例えば酸化
シリコン膜などの絶縁膜2を介して例えばn型のシリコ
ン単結晶からなる半導体領域3を有するSOI基板4を
用意する。
【0038】次に、前述した実施の形態1の半導体装置
の製造方法と同様に、SOI基板4における半導体領域
3の表面に例えば酸化シリコン膜などからなる絶縁膜5
を形成し、その後リソグラフィ技術と選択エッチング技
術とを使用して、絶縁膜5とその下部の半導体領域3に
開口部7を形成する。
【0039】その後、開口部7の側面に、酸化シリコン
膜などからなる絶縁膜16を形成する。この場合、この
製造工程は、開口部7によって表面が露出されている半
導体領域3の側面に絶縁膜16を形成する工程である。
【0040】次に、CVD法を使用して、開口部7に多
結晶シリコン層などからなる半導体領域17を埋め込む
工程を行い、側面に絶縁膜16が存在する半導体領域1
7を形成する。
【0041】前述の製造工程の他の態様として、絶縁膜
5に開口部7を形成した後、その開口部7の下部の半導
体領域3に絶縁膜16を形成するための溝を形成し、そ
の溝に絶縁膜16を埋め込む工程を行って、開口部7の
下部の半導体領域3の側面に絶縁膜16を形成する態様
を設計仕様に応じて適用することができる。
【0042】その後、イオン注入装置を使用して、イオ
ン注入法によって、絶縁膜5および絶縁膜16をマスク
として、半導体領域17に、ホウ素からなる不純物をイ
オン打込みして、半導体領域17に不純物イオン打込み
領域8を形成する(図10)。
【0043】この場合、本発明者の検討の結果、絶縁膜
2の表面に形成されている半導体領域17に、不純物を
イオン打込みして、絶縁膜2の表面と接触されている不
純物イオン打込み領域8を形成する工程としており、不
純物イオン打込み領域8が絶縁膜2の表面と接触してい
る態様となるような製造工程を採用している。
【0044】次に、熱拡散装置を使用して、ホウ素から
なる不純物を熱拡散して、p型拡散層(拡散層)9を形
成する(図11)。この場合、本実施の形態のp型拡散
層9は、配線層および抵抗層としてのp型拡散層9とさ
れている。
【0045】本実施の形態の半導体装置の製造方法によ
れば、絶縁膜2の表面に形成されている半導体領域17
であって、側面に絶縁膜16が存在する半導体領域17
に、不純物をイオン打込みして、絶縁膜2の表面と接触
されている不純物イオン打込み領域8を形成する工程
と、不純物イオン打込み領域8の不純物を、熱拡散し
て、p型拡散層(拡散層)9を形成する工程とを有する
ことを特徴としている。
【0046】したがって、本実施の形態の半導体装置の
製造方法によれば、p型拡散層(拡散層)9を形成する
場合、絶縁膜2の表面と接触している不純物イオン打込
み領域8を形成した後、その不純物イオン打込み領域8
における不純物を熱拡散する製造工程を採用しているこ
とにより、図7および図8に示されているグラフ図から
も明らかであるが、不純物イオン打込み領域8よりほと
んど延長しない領域のp型拡散層(拡散層)9を形成す
ることができる。
【0047】また、側面に絶縁膜16が存在する半導体
領域17に不純物イオン打込み領域8を形成した後、そ
の不純物イオン打込み領域8における不純物を熱拡散す
る製造工程を採用していることにより、半導体領域17
の側面に存在する絶縁膜16より延長しない領域のp型
拡散層(拡散層)9を形成することができる。さらに、
不純物イオン打込み領域8における不純物を熱拡散する
製造工程の条件を極めて容易とすることができる。ま
た、p型拡散層(拡散層)9を設計仕様に応じた形態と
することができ、微細加工ができ、高性能でしかも高信
頼度のp型拡散層(拡散層)9とすることができる。
【0048】その後、前述した実施の形態1の半導体装
置の製造方法と同様に、半導体領域3に半導体素子とし
てのMOSFETを形成する工程を行う(図12)。
【0049】次に、配線層および抵抗層としてのp型拡
散層9の表面のゲート絶縁膜10を、リソグラフィ技術
と選択エッチング技術とを使用して、取り除く作業を行
う(図13)。
【0050】次に、SOI基板4の上に、スパッタ法を
使用して、例えばアルミニウム層などからなる配線層1
5を堆積した後、リソグラフィ技術と選択エッチング技
術とを使用して、パターン化された配線層15を形成す
る(図14)。
【0051】その後、SOI基板4の上に、設計仕様に
応じて、層間絶縁膜と配線層とからなる多層配線層を形
成した後、パシベーション膜を形成することにより、半
導体装置の製造工程を終了する。
【0052】前述した本実施の形態の半導体装置の製造
方法によれば、p型拡散層(拡散層)9を形成する場
合、実施の形態1の半導体装置の製造方法と同様に、絶
縁膜2の表面と接触している不純物イオン打込み領域8
を形成した後、その不純物イオン打込み領域8における
不純物を熱拡散する製造工程を採用していることによ
り、図7および図8に示されているグラフ図からも明ら
かであるが、不純物イオン打込み領域8よりほとんど延
長しない領域のp型拡散層(拡散層)9を形成すること
ができるなどの実施の形態1の半導体装置の製造方法と
同様な効果を得ることができる。
【0053】また、前述した本実施の形態の半導体装置
の製造方法によれば、p型拡散層(拡散層)9を形成す
る場合、側面に絶縁膜16が存在する半導体領域17に
不純物イオン打込み領域8を形成した後、その不純物イ
オン打込み領域8における不純物を熱拡散する製造工程
を採用していることにより、半導体領域17の側面に存
在する絶縁膜16より延長しない領域のp型拡散層(拡
散層)9を形成することができる。さらに、不純物イオ
ン打込み領域8における不純物を熱拡散する製造工程の
条件を極めて容易とすることができる。また、p型拡散
層(拡散層)9を設計仕様に応じた形態とすることがで
き、微細加工ができ、高性能でしかも高信頼度のp型拡
散層(拡散層)9とすることができる。
【0054】(実施の形態3)図15〜図17は、本発
明の他の実施の形態(実施の形態3)である半導体装置
の製造工程を示す断面図である。同図を用いて、本実施
の形態の半導体装置およびその製造方法を具体的に説明
する。
【0055】まず、図15に示すように、前述した実施
の形態1の半導体装置の製造方法と同様に、例えばp型
のシリコン単結晶からなる半導体基体1の上に例えば酸
化シリコン膜などの絶縁膜2を介して例えばn型のシリ
コン単結晶からなる半導体領域3を有するSOI基板4
を用意する。
【0056】次に、前述した実施の形態1の半導体装置
の製造方法と同様に、SOI基板4における半導体領域
3の表面に例えば酸化シリコン膜などからなる絶縁膜5
を形成し、その後リソグラフィ技術と選択エッチング技
術とを使用して、絶縁膜5に開口部7を形成する。
【0057】その後、イオン注入装置を使用して、イオ
ン注入法によって、絶縁膜5をマスクとして、半導体領
域3に、ヒ素(As)からなる不純物(n型の不純物)
をイオン打込みして、半導体領域3に不純物イオン打込
み領域8を形成する。
【0058】この場合、本発明者の検討の結果、絶縁膜
2の表面に形成されている半導体領域3の一部に、不純
物をイオン打込みして、絶縁膜2の表面と接触されてい
る不純物イオン打込み領域8を形成する工程としてお
り、不純物イオン打込み領域8が絶縁膜2の表面と接触
している態様となるような製造工程を採用している。
【0059】次に、熱拡散装置を使用して、ヒ素からな
る不純物(n型の不純物)を熱拡散して、n型拡散層
(拡散層)14を形成する(図16)。この場合、本実
施の形態のn型拡散層14は、npnトランジスタ(バ
イポーラ素子としてのバイポーラトランジスタ)におけ
るn+ 型の埋め込み層(バイポーラ素子の下部に形成さ
れるコレクタ埋め込み層)としてのn型拡散層14とさ
れている。
【0060】本実施の形態の半導体装置の製造方法によ
れば、絶縁膜2の表面に形成されている半導体領域3の
一部に、不純物をイオン打込みして、絶縁膜2の表面と
接触されている不純物イオン打込み領域8を形成する工
程と、不純物イオン打込み領域8の不純物を、熱拡散し
て、n型拡散層(拡散層)14を形成する工程とを有す
ることを特徴としている。
【0061】したがって、本実施の形態の半導体装置の
製造方法によれば、n型拡散層(拡散層)14を形成す
る場合、絶縁膜2の表面と接触している不純物イオン打
込み領域8を形成した後、その不純物イオン打込み領域
8における不純物を熱拡散する製造工程を採用している
ことにより、図7および図8に示されているグラフ図か
らも明らかであるが、不純物イオン打込み領域8よりほ
とんど延長しない領域のn型拡散層(拡散層)14を形
成することができる。
【0062】その後、不要となった絶縁膜5を取り除い
た後、SOI基板4の表面に、n型のシリコン層からな
る半導体領域18を形成し、埋め込み層としてのn型拡
散層14の上の半導体領域18にnpnトランジスタか
らなるバイポーラ素子19を形成する工程を行う(図1
7)。この場合、この製造工程は、先行技術などを使用
した種々の態様を適用することができる。
【0063】本実施のバイポーラ素子19としてのnp
nトランジスタの構造は、n型のシリコン層からなる半
導体領域18をコレクタ領域とし、そのコレクタ領域と
しての半導体領域18にp型の半導体領域からなるベー
ス領域20と高濃度のn型の半導体領域からなるコレク
タコンタクト層21を形成している。また、ベース領域
20の一部に高濃度のn型の半導体領域からなるエミッ
タ領域22を形成している。さらに、バイポーラ素子1
9が含まれている半導体領域18の表面に酸化シリコン
膜などからなる絶縁膜23が形成されており、その絶縁
膜23にスルーホールが形成されて、そのスルーホール
を含む領域にバイポーラ素子19の電極24が形成され
ている。
【0064】その後、SOI基板4の上に、設計仕様に
応じて、層間絶縁膜と配線層とからなる多層配線層を形
成した後、パシベーション膜を形成することにより、半
導体装置の製造工程を終了する。
【0065】前述した本実施の形態の半導体装置の製造
方法によれば、n+ 型の埋め込み層(バイポーラ素子の
下部に形成されるコレクタ埋め込み層)としてのn型拡
散層(拡散層)14を形成する場合、実施の形態1の半
導体装置の製造方法と同様に、絶縁膜2の表面と接触し
ている不純物イオン打込み領域8を形成した後、その不
純物イオン打込み領域8における不純物を熱拡散する製
造工程を採用していることにより、図7および図8に示
されているグラフ図からも明らかであるが、不純物イオ
ン打込み領域8よりほとんど延長しない領域のn型拡散
層(拡散層)14を形成することができるなどの実施の
形態1の半導体装置の製造方法と同様な効果を得ること
ができる。
【0066】本実施の形態の半導体装置によれば、本実
施の形態の半導体装置の製造方法によって製造されてい
ることにより、n+ 型の埋め込み層(バイポーラ素子の
下部に形成されるコレクタ埋め込み層)としてのn型拡
散層(拡散層)14を、小面積でしかも浅い拡散で低抵
抗化ができ、浮遊容量を低減化できるので、高性能でし
かも高信頼度の半導体装置とすることができる。
【0067】以上、本発明者によってなされた発明を発
明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでも
ない。
【0068】たとえば、本発明の半導体装置の製造方法
に使用される基板としては、SOI基板以外のシリコン
からなる半導体基板などの種々の態様の基板を適用する
ことができる。
【0069】また、本発明の半導体装置およびその製造
方法における拡散層は、p型またはn型の拡散層とする
ことができ、ホウ素(p型不純物)およびヒ素(n型不
純物)以外の種々の材料からなるp型の不純物またはn
型の不純物を有する拡散層に適用することができる。
【0070】さらに、本発明の半導体装置およびその製
造方法における拡散層は、配線層としての拡散層以外
に、抵抗層としての拡散層などの種々の機能を有する拡
散層に適用することができる。
【0071】また、本発明は、MOSFET、CMOS
FETおよびバイポーラトランジスタなどの種々の半導
体素子を組み合わせた態様のMOS型、CMOS型、B
iMOS型またはBiCMOS型の半導体集積回路装置
およびその製造方法に適用できる。
【0072】さらに、本発明は、MOSFET、CMO
SFET、BiMOSFET、BiCMOSFETなど
を構成要素とするロジック系あるいはSRAM(Static
Random Access Memory )、DRAM(Dynamic Random
Access Memory)などのメモリ系などを有する種々の半
導体集積回路装置およびその製造方法に適用できる。
【0073】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0074】(1).本発明の半導体装置の製造方法に
よれば、絶縁膜の表面に形成されている半導体領域の一
部に、不純物をイオン打込みして、絶縁膜の表面と接触
されている不純物イオン打込み領域を形成する工程と、
不純物イオン打込み領域の不純物を、熱拡散して、p型
拡散層(拡散層)を形成する工程とを有することを特徴
としている。
【0075】したがって、本発明の半導体装置の製造方
法によれば、p型拡散層(拡散層)を形成する場合、絶
縁膜の表面と接触している不純物イオン打込み領域を形
成した後、その不純物イオン打込み領域における不純物
を熱拡散する製造工程を採用していることにより、図7
および図8に示されているグラフ図からも明らかである
が、不純物イオン打込み領域よりほとんど延長しない領
域のp型拡散層(拡散層)を形成することができる。さ
らに、不純物イオン打込み領域における不純物を熱拡散
する製造工程の条件を極めて容易とすることができる。
また、p型拡散層(拡散層)を設計仕様に応じた形態と
することができ、微細加工ができ、高性能でしかも高信
頼度のp型拡散層(拡散層)とすることができる。
【0076】また、本発明の半導体装置の製造方法によ
れば、p型拡散層(拡散層)を形成する場合、絶縁膜の
表面と接触している不純物イオン打込み領域を形成した
後、その不純物イオン打込み領域における不純物を熱拡
散する製造工程を採用していることにより、高温でしか
も長時間の熱処理をしても、高濃度でしかも浅いp型拡
散層(拡散層)を形成することができる。
【0077】(2).本発明の半導体装置によれば、本
発明の半導体装置の製造方法によって製造されているこ
とにより、高温でしかも長時間の熱処理をしても濃度変
化が少ない浅いp型拡散層(拡散層)を備えており、設
計仕様に応じた形態とされ、微細加工ができ、高性能で
しかも高信頼度のp型拡散層(拡散層)を備えているの
で、半導体領域に不純物が拡散されているp型拡散層
(拡散層)からなる配線層などの構成要素の高性能化お
よび高信頼度化ができる半導体装置とすることができ
る。
【0078】(3).本発明の半導体装置の製造方法に
よれば、p型拡散層(拡散層)を形成する場合、側面に
絶縁膜が存在する半導体領域に不純物イオン打込み領域
を形成した後、その不純物イオン打込み領域における不
純物を熱拡散する製造工程を採用していることにより、
半導体領域の側面に存在する絶縁膜より延長しない領域
のp型拡散層(拡散層)を形成することができる。さら
に、不純物イオン打込み領域における不純物を熱拡散す
る製造工程の条件を極めて容易とすることができる。ま
た、p型拡散層(拡散層)を設計仕様に応じた形態とす
ることができ、微細加工ができ、高性能でしかも高信頼
度のp型拡散層(拡散層)とすることができる。
【0079】(4).本発明の半導体装置の製造方法に
よれば、n+ 型の埋め込み層(バイポーラ素子の下部に
形成されるコレクタ埋め込み層)としてのn型拡散層
(拡散層)を形成する場合、絶縁膜の表面と接触してい
る不純物イオン打込み領域を形成した後、その不純物イ
オン打込み領域における不純物を熱拡散する製造工程を
採用していることにより、図7および図8に示されてい
るグラフ図からも明らかであるが、不純物イオン打込み
領域よりほとんど延長しない領域のn型拡散層(拡散
層)を形成することができるなどの前述の(1)項に記
載の半導体装置の製造方法と同様な効果を得ることがで
きる。
【0080】また、本発明の半導体装置によれば、本発
明の半導体装置の製造方法によって製造されていること
により、n+ 型の埋め込み層(バイポーラ素子の下部に
形成される埋め込み層)としてのn型拡散層(拡散層)
を、小面積でしかも浅い拡散で低抵抗化ができ、浮遊容
量を低減化できるので、高性能でしかも高信頼度の半導
体装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法より形成したp
型拡散層に対して、本発明者が検討した結果を示すグラ
フ図であり、p型拡散層におけるホウ素からなる不純物
濃度と距離との関係を示すグラフ図である。
【図8】従来の半導体装置の製造方法より形成したp型
拡散層に対して、本発明者が検討した結果を示すグラフ
図であり、p型拡散層におけるホウ素からなる不純物濃
度と距離との関係を示すグラフ図である。
【図9】本発明の実施の形態2である半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態2である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態2である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態2である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態3である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態3である半導体装置の製
造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基体 2 絶縁膜 3 半導体領域 4 SOI基板 5 絶縁膜 6 レジスト膜 7 開口部 8 不純物イオン打込み領域 9 p型拡散層(拡散層) 10 ゲート絶縁膜 11 ゲート電極 12 絶縁膜 13 サイドウォールスペーサ 14 n型半導体領域 15 配線層 16 絶縁膜 17 半導体領域 18 半導体領域 19 バイポーラ素子 20 ベース領域 21 コレクタコンタクト層 22 エミッタ領域 23 絶縁膜 24 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 慎一 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立超エル・エス・アイ・システム ズ内 (72)発明者 堀内 光明 東京都青梅市新町六丁目16番地の3 株式 会社日立製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 川口 伸次 東京都青梅市新町六丁目16番地の3 株式 会社日立製作所デバイス開発センタ内 Fターム(参考) 5F048 AC04 AC05 BA01 BF17 BG01 BG13 CA04 CA07 DA23 5F110 AA02 BB04 BB06 BB07 BB20 CC02 DD05 DD13 EE31 FF02 GG02 GG12 HJ01 HJ13 HL03 HL23 HM19 NN02 NN62 NN74 NN80

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁膜の表面に形成されている半導体領
    域の一部に、前記絶縁膜の表面と接触されている不純物
    イオン打込み領域が形成されて、前記不純物イオン打込
    み領域の不純物が熱拡散して形成されている拡散層が備
    えられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置であって、前
    記半導体領域は、SOI基板における絶縁膜の表面に形
    成されている半導体領域であることを特徴とする半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体装置であ
    って、前記不純物は、ホウ素からなるp型不純物または
    ヒ素からなるn型不純物であることを特徴とする半導体
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの1項記載の半
    導体装置であって、前記拡散層の側面に、絶縁膜が形成
    されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半
    導体装置であって、前記拡散層は、配線層としての拡散
    層であることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半
    導体装置であって、前記拡散層は、バイポーラ素子の下
    部に形成されている埋め込み層としての拡散層であるこ
    とを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 絶縁膜の表面に形成されている半導体領
    域の一部に、不純物をイオン打込みして、前記絶縁膜の
    表面と接触されている不純物イオン打込み領域を形成す
    る工程と、前記不純物イオン打込み領域の不純物を、熱
    拡散して、拡散層を形成する工程とを有することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体装置の製造方法で
    あって、前記半導体領域は、SOI基板における絶縁膜
    の表面にある半導体領域を使用することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の半導体装置の製
    造方法であって、前記不純物イオン打込み領域を形成す
    る工程の前に、前記不純物イオン打込み領域が形成され
    る前記半導体領域の側面に、絶縁膜を形成する工程を有
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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