JP2000181088A - 電子写真用円筒部材及びその表面精密加工方法 - Google Patents

電子写真用円筒部材及びその表面精密加工方法

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JP2000181088A JP10351669A JP35166998A JP2000181088A JP 2000181088 A JP2000181088 A JP 2000181088A JP 10351669 A JP10351669 A JP 10351669A JP 35166998 A JP35166998 A JP 35166998A JP 2000181088 A JP2000181088 A JP 2000181088A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 干渉縞、モアレ、画像スジ、ハーフトーンム
ラ、及び白地における黒点の発生等のない良好な画像が
得られ、またいかなる環境においても画像欠陥が発生せ
ず、電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子
写真感光体及びその製造方法、電子写真用円筒部材の表
面加工方法、及び電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジ及び電子写真装置を提供することにある。 【解決手段】 N極及びS極を有する工具が形成する磁
界中に、磁性体及び砥粒を存在させ、加工に供する円筒
部材を磁性体及び砥粒が存在する領域に配置し、前記工
具と前記円筒部材とを相対移動させて、工具の動きに伴
い移動又は静止している磁性体及び砥粒と円筒部材とを
相対移動させることにより、円筒部材の外周面が研摩さ
れる電子写真用円筒部材及びその表面加工方法、電子写
真感光体、電子写真感光体の製造方法、及び電子写真感
光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真に用いら
れる円筒部材の表面精密加工方法、電子写真感光体、電
子写真感光体の製造方法、及びこの電子写真感光体を有
するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、基本的には帯電及び
光を用いた露光により潜像を形成する感光層と、その感
光層を設けるための支持体からなっている。一方、電子
写真感光体は、適用される電子写真プロセスに応じた感
度、電気特性、光学特性を備えていることが要求され
る。また、感光体としては、その画像に画像欠陥のない
ことが要求される。更に、低温低湿から高温高湿のいず
れの環境においても、その特性が十分に保持され発揮さ
れるような環境安定性を有していることが要求される。
【0003】ここで言う画像欠陥の代表的なものとして
は、画像スジ、白地部分の黒点、黒地部分の白点、白地
部分の地かぶり等である。また、特にデジタル方式の複
写機あるいはレーザービームプリンター等の単一波長を
有する光源を使用して露光を行う装置の場合には、支持
体の表面形状や感光体の膜厚ムラ等の要因によって、干
渉縞等が発生する。従って、感光体を作製する場合、こ
れらの画像欠陥が発生しないように予め何らかの対策を
施しておく必要がある。
【0004】これらの画像欠陥が発生する場合に最も影
響するものとして、感光体を形成する際の支持体の表面
状態が挙げられる。成形後何らかの処理が施されていな
い支持体は、通常そのままでは必ずしも感光体として最
適な表面状態を有していない。そのため表面状態に起因
する問題が発生することも多い。
【0005】感光体用の支持体は通常、特開平1−12
3246号公報、特開昭64−86153号公報あるい
は特開平4−242742号公報、特開平4−2427
43号公報、特開平4−242744号公報、特開平4
−242745号公報、特開平4−242746号公
報、特開平4−242747号公報、特開平4−242
748号公報、特開平4−242749号公報等に示さ
れているように、アルミニウム合金の円筒を旋盤により
切削加工した後に、感光層を形成するのが一般的であ
る。
【0006】特に、デジタル用の感光体は、支持体の表
面を切削により凹凸状に切削して、これにより干渉縞を
消すことが行われている。しかしながら、アルミニウム
合金シリンダーをこのように切削した場合、加工方向、
すなわちこの場合には周方向に連続した加工跡が残るた
め、中間調の画像にスジ状の画像欠陥が現れたり、また
特にデジタル画像とレーザーの走査線との関係からモア
レが生じ易い。
【0007】また、前記問題を解決するために従来か
ら、例えば、特開昭54−12733号公報及び特開昭
57−62056号公報等に示されているような、アル
ミニウム支持体の表面にクロメート処理を行い、クロメ
ート化成皮膜を生成させる方法や特開昭58−1484
1号公報及び特開昭64−29852号公報等に示され
ているようなアルミニウム支持体の表面にベーマイト皮
膜を形成する方法、あるいは特開昭57−29051号
公報に示されているような、アルミニウム支持体の表面
を高温により強制的に酸化し、酸化皮膜を形成する方法
等の方法が考えられてきた。
【0008】しかしながら、例えば、クロメート処理法
に関しては、ある程度の性能の支持体は得られるが、処
理液がクロムを含有するため廃液の処理が非常に困難で
あり、また環境安全上好ましくない。また、ベーマイト
処理に関しては、表面の結晶状態が必ずしも電子写真感
光体の支持体として適しているとは言えず、電子写真特
性に関してはある程度の効果が得られるが、画像に関し
ては、表面構造や形状が不適切なため十分な画質が得ら
れない等、全ての特性を満足するようなものは得られて
いないのが現状である。
【0009】これらの表面処理は、支持体表面に形成さ
れた皮膜が、支持体から感光層へ部分的に注入した電荷
によって、電子写真特性や画像にムラを生じるのを防ぐ
ことを目的としている。
【0010】この部分的な注入を防止して画像欠陥をな
くす方法として、アルミニウム支持体の表面を陽極酸化
処理して酸化アルミニウムの層を設ける方法がある(特
開平2−7070号公報及び特開平5−34964号公
報等)。
【0011】この方法は、上記目的を解決するためには
良い方法であるが、支持体表面に膜厚ムラを生じないよ
うに均一に形成するためには、膜厚を一定以上、通常の
形成条件においては5〜6μm程度以上にする必要があ
る。従って、実際に電荷注入防止層として必要な膜厚よ
りもはるかに厚く形成しなければならず、コストアップ
につながっていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、干渉
縞、モアレ、画像スジ、ハーフトーンムラ、及び白地に
おける黒点の発生等のない良好な画像を与える電子写真
感光体用支持体、及びそのような支持体を製造するこれ
までと異なった表面加工方法を提供することである。
【0013】本発明の別の目的は、低温低湿から高温高
湿のいかなる環境においても画像欠陥が発生せず、また
電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子写真
感光体、電子写真感光体を容易にかつ安価に安定して製
造することができる方法、及び電子写真感光体を有する
プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、N極及
びS極を有する工具が形成する磁界中に、磁性体及び砥
粒を存在させ、加工に供する円筒部材を前記磁性体及び
砥粒が存在する領域に配置し、前記工具と前記円筒部材
とを相対移動させて、前記工具の動きに伴い移動又は静
止している前記磁性体及び砥粒と前記円筒部材とを相対
移動させることにより、前記円筒部材の外周面が研摩さ
れることを特徴とする電子写真用円筒部材及び電子写真
用円筒部材の表面精密加工方法が提供される。
【0015】また本発明に従って、アルミニウム又はア
ルミニウム合金からなる支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、N極及びS極を有する工具が形成
する磁界中に、磁性体及び砥粒を存在させ、加工に供す
る支持体を前記磁性体及び砥粒が存在する領域に配置
し、前記工具と前記支持体とを相対移動させて、前記工
具の動きに伴い移動又は静止している前記磁性体及び砥
粒と前記支持体とを相対移動させることにより、前記支
持体の感光層を形成する側の表面が研摩されており、か
つ前記支持体の感光層側の表面がアルミニウム、酸素及
びチタニウム、又はアルミニウム、酸素及びジルコニウ
ムを含有する電子写真感光体が提供される。
【0016】更に本発明に従って、アルミニウム又はア
ルミニウム合金からなる支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、N極及びS極を有する工具が形成
する磁界中に、磁性体及び砥粒を存在させ、加工に供す
る支持体を前記磁性体及び砥粒が存在する領域に配置
し、前記工具と前記支持体とを相対移動させて、前記工
具の動きに伴い移動又は静止している前記磁性体及び砥
粒と前記支持体とを相対移動させることにより、前記支
持体の感光層を形成する側の表面を研摩し、次いで前記
支持体をチタニウムの塩又はジルコニウムの塩を含有す
る酸性水溶液で化成処理する工程、次いで感光層を形成
する工程を有する電子写真感光体の製造方法が提供され
る。
【0017】尚更に本発明に従って、前記電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提
供される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明者らは、アルミニウム合金
円筒シリンダーの表面加工を行う際に、加工方法とし
て、磁性体による研摩を用いると、前記の従来法の欠点
を克服することができることを見出し、本発明に至っ
た。
【0019】精密加工方法により得られる表面粗さが、
最大高さ(Rmax)が0.5〜2.0μmであり、十
点平均粗さ(Rz)が0.5〜1.8μmであり、平均
山間隔(Sm)が10〜100μmであることを特徴と
する加工方法を提供する。
【0020】通常のバイト切削等の加工方法では、加工
の方向がシリンダーの周方向となるために、母線方向で
の粗さは得られるが、周方向における表面粗さが得られ
ない。干渉縞、モアレ等の画像欠陥を防止するために
は、表面が一様に粗さが得られる方が良い。
【0021】磁性体による研摩においては、加工後の表
面状態は長さ及び大きさが多様な研摩スジが集まって重
なり合ったようになっているため規則性がなく、切削加
工と比較して、特にシリンダー周方向、すなわち研摩方
向での粗さを大きく得ることができる。すなわち、通常
の切削においては、切削方向に垂直な母線方向では粗さ
を得ることができるが、切削方向では粗さを得ることが
できない。
【0022】また、センターレス研削においては、研摩
方向においても粗さを得ることができるが、硬い砥石を
用いるため円筒支持体の表面に新たな深い研摩傷を発生
させてしまう。ところが、磁性体による研摩では研摩方
向においても粗さを得ることができる。従って、所定の
表面粗さに研摩することによって画像スジやレーザー走
査線とのモアレの発生は起きず、また干渉縞も防止で
き、深い傷も無いため画像欠陥が発生しない。
【0023】次に、本発明になる磁性体による研摩方法
を詳細に説明する。
【0024】加工される円筒部材の周囲に配置されたマ
グネットや電磁コイルからなる磁場を印加して、磁性体
を円筒部材の外周を回転させることにより円筒部材の外
周面を研摩する。かかる方法になる研摩方法は、磁気ブ
ラシによる柔軟な研摩のために、円筒部材の外周面を精
密に研摩するものであり、多少の形状的な凹凸を有する
表面を均一に研摩することができる。
【0025】更に、かかる磁気ブラシによる柔軟な研摩
により、新たな研摩傷を発生させることもなく、最大高
さ(Rmax)が0.5〜2.0μmの範囲内で、十点
平均粗さ(Rz)が0.5〜1.8μm、平均山間隔
(Sm)が10〜100μmの凹凸形状が得られるもの
である。
【0026】更に、詳しく説明すると、一般的に直流磁
界をつくるN−S磁極間に磁性体、磁性体とは磁化され
る性質と研摩される作用を有する延長形状粒又は非延長
形状粒、又は磁性流体にダイヤモンド粒等の砥粒を混合
させたもの、あるいはアルミナ砥粒、炭化ケイ素砥粒等
を混合させたもの、あるいは磁性体と研摩粒子との複合
体等である。
【0027】かかる磁性体の介在する磁界中に、加工さ
れる円筒部材を配置することにより、磁気ブラシは磁界
によって加工間隙を保持しながら、円筒部材の表面を押
し付ける。この時、磁極を有する工具又は加工される円
筒部材のいずれか一方又は両方を、回転又は軸方向の運
動を与えることにより、磁気ブラシと加工される円筒部
材との間の相対運動により研摩される。
【0028】所定の粗さを得るためには、加工間隙の調
整、磁極の強さ、磁気ブラシの充填量、あるいは研摩粒
子の充填量、研摩粒子の大きさ、及び磁性体の形状等を
調整することにより、最適な条件が選択される。又は、
粗研摩を行った後に、精研摩を行うこともできる。
【0029】かかる加工方法において、磁性体と研摩粒
子との割合は一般的には、95〜50:5〜50%の割
合で調整されるが、これらに限定されるものではない。
又は、アルミニウム合金等の非磁性合金の場合には、円
筒部材の内部に磁性工具を配置することにより、磁気ブ
ラシの外周面の研摩を強くすることもできる。
【0030】かかる方法に用いられる電子写真用円筒部
材は、最大高さ(Rmax)が10〜20μmの粗さを
有する円筒部材を研摩することも可能であるが、加工効
率からみると、最大高さ(Rmax)が3.0μm以下
の引き抜き管、又は切削管が好ましい。又は電子写真用
感光体に用いられている押し出し加工による円筒部材も
好適に利用することができる。
【0031】かかる研摩に用いられる加工方法におい
て、加工される電子写真用円筒部材の最大高さ(Rma
x)が3.0μm以下においては、研摩代が10μm以
下により、所望の表面粗さが得られる。
【0032】また、かかる電子写真用円筒部材料には、
使用する材質としてアルミニウム合金が好適に使用され
るが、このアルミニウム合金のうち、押し出しによる円
筒シリンダーの製造のし易さから、JIS規格における
3000系及び6000系の合金が望ましい。
【0033】前記のアルミニウム合金は、加工時におい
て非常に傷の付き易い合金であり、磁気ブラシによる柔
軟な研摩方法は、傷の新たな発生がないために特に有効
な加工方法である。更に、電子写真用円筒部材のうち、
特に感光体製造に有効な加工方法である。
【0034】本発明における研摩を行った後の支持体を
洗浄する際には、研摩面の表面形状がバイト切削面等と
比較して複雑になっており、洗浄が比較的に困難である
こと、環境への影響も考えて、ジェット水流を用いた水
洗方式が適当である。水洗方式には、適当な界面活性剤
や超音波を併用すれば更に効果的である。
【0035】本発明における感光体支持体の化成処理と
は、陽極酸化のように電気的外力を加えることなく、支
持体を特定の溶液に接触させることにより、支持体上に
特定組成の皮膜を形成する処理である。
【0036】本発明に用い金属塩の金属は、チタニウム
及びジルコニウムであり、これらとアルミニウム及び酸
素が共存した本発明の化成皮膜を有するアルミニウム支
持体は、電子写真感光体の支持体として極めて優れた特
性を有す。添加するチタニウムの塩及びジルコニウムの
塩はフッ素化合物であることが好ましい。チタニウムの
塩ついてはチタニウムフッ化水素酸及びそのナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩及び硫酸チタニウム等
が挙げられ、ジルコニウムの塩としてはジルコンフッ化
カリウム及びジルコニウム硫酸塩等が挙げられる。
【0037】酸性水溶液中の金属化合物の金属塩の濃度
は、金属の量で0.01g〜2g/リットルの範囲がで
あることが好ましい。また、酸性水溶液中のフッ素イオ
ンの濃度は、0〜10g/リットルの範囲がであること
が好ましい。この範囲では支持体表面のエッチング反応
が適度に起こり、均一な皮膜が生成し易い。
【0038】本発明の酸性水溶液のpHは、アンモニア
や水酸化ナトリウム等により、1.0〜5.5の範囲に
調整することが好ましい。pH1.0未満では、エッチ
ング反応が激しく起こり、良好な皮膜を得にくく、pH
5.5を超えると皮膜の生成速度が低く、薄い皮膜しか
得られにくいために、本発明の顕著な効果が得られにく
い。
【0039】本発明においては、酸性水溶反応が安定に
行われるという点で、液を30〜90℃に加温して用い
ることが好ましい。支持体を酸性水溶液に接触させる方
法としては、浸漬法及びスプレーによる噴霧法等のいず
れかの方法でも良いが、生産効率の点で浸漬法であるこ
とが好ましい。化成処理後の支持体は洗浄され、乾燥さ
れてから使用される。
【0040】本発明における支持体表面の組成は、オー
ジェ電子線分光法によって測定して、支持体の最表面か
ら深さ50Å(5×10-3μm)の範囲におけるものと
する。本発明においては、チタニウム又はジルコニウム
の含有量が、アルミニウムの含有量に対して4〜100
atm%の範囲であることが好ましい。
【0041】支持体表面に形成するチタニウム又はジル
コニウムを含有する化成皮膜の総膜厚は、1μm以下で
あることが好ましく、更には50Å(5×10-3μm)
以上であることが好ましい。膜厚が1μmを越えると電
荷が逃げにくくなり過ぎ、残留電位が上昇したり、ゴー
ストが発生し易くなる。一方、50Å(5×10-3μ
m)に満たないと本発明の顕著な効果を得難くなる。
【0042】本発明においては、耐食性や塗膜の密着性
の点で、酸性水溶液が更にリン酸、リン酸塩、タンニン
又はタンニン酸を含有することが好ましい。リン酸塩と
しては、リン酸又はそのナトリウム、カリウム及びアン
モニウム塩を基本成分として、それらのピロリン酸、ト
リポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びそれらのナトリウ
ム塩やカリウム塩といったアルカリ金属塩の縮合リン酸
塩等が挙げられる。リン酸としては、リン酸以外にフィ
チン酸、ニトロジエタノールエチレンホスホン酸、2−
ヒドロオキシエチルメタアルキル−1−アシッドホスホ
ン酸、2−エチルヘキシルアシッドホスホン酸及びエタ
ン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等の有機リ
ン酸化合物を使用することもできる。
【0043】酸性水溶液中のリン酸又はリン酸塩の濃度
としては、リン酸イオンに換算して0.05〜50g/
リットルの範囲がであることが好ましい。この範囲にお
いては、特に均一で良好な化成皮膜が得られ、また処理
液の安定性も特に良好である。
【0044】タンニン又はタンニン酸としては、ケプラ
チョ、デプジト、支那産タンニン酸、トルコ産タンニン
酸、ハマメリタンニン酸、ケプリン酸、スマックタンニ
ン、五倍子タンニン及びエラーグ酸タンニン等が挙げら
れる。酸性水溶液中のタンニン又はタンニン酸の濃度
は、0.1〜10g/リットルの範囲であることが好ま
しい。
【0045】また、本発明においては、酸性水溶液がフ
ッ酸、ホウフッ酸、ケイフッ酸及びそれらの塩を含有す
ることが好ましい。これらは、アルミニウム及びアルミ
ニウム合金支持体の化成処理を行う際に、支持体表面の
エッチングする機能を有するので、非常に均一な化成皮
膜を得ることができる。以上のことから、本発明の化成
皮膜中にはリン及びフッ素が含有されていることが好ま
しい。
【0046】次に、本発明に用いる電子写真感光体の感
光層について説明する。
【0047】本発明の感光体支持体を用いて感光体を作
製する場合、感光層は電荷発生材料を含有する電荷発生
層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層からなる積層構
造型のもの、あるいは1層の中に電荷発生材料及び電荷
輸送材料の両方を同一の層に含有する単層型に大別され
る。
【0048】以下、積層型の感光層を有する電子写真感
光体について説明する。
【0049】感光体の構成としては、支持体上に電荷発
生層及び電荷輸送層をこの順に積層したものと、逆に電
荷輸送層及び電荷発生層の順に積層したものがある。
【0050】電荷発生材料としては、ピリリウム系染
料、チアピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、ア
ントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピ
ラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ
顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシ
アニン等を用いることができる。
【0051】特に、デジタル感光体の場合、これらの電
荷発生材料の中で、赤外レーザー、可視光レーザーへの
対応において、波長への感光依存性の広さから、フタロ
シアニン系が優れており、更にフタロシアニン系の中で
もチタニルフタロシアニンがその感度の高さから更に優
れていると言える。
【0052】電荷輸送材料としては、各種ヒドラゾン
類、ピラゾリン類、オキサゾール化合物、チアゾール化
合物、トリアリールメタン系化合物、トリアリールアミ
ン系化合物、ポリアリールアルカン類等の化合物の中か
ら選択される。
【0053】これらの電荷発生材料や電荷輸送材料は、
真空蒸着あるいは適当な結着樹脂と組み合わせて、支持
体上に塗工して成膜を行うことで感光層とする。感光層
の結着樹脂としては、例えば、ポリビニールアセター
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、
ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル
樹脂、セルロース系樹脂等が好ましく用いられる。
【0054】本発明の電子写真感光体においては、感光
層上に感光層の表面に傷や摩耗等の機械的な損傷を防止
する意味で保護層を設けても良い。保護層は、主に樹脂
で構成される。
【0055】保護層を構成する材料としては、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポ
リアセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル
樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、フェノキシ、
ホスファゼン樹脂、アクリル変性エポキシ、アクリル変
性ウレタン及びアクリル変性ポリエステル樹脂等が挙げ
られる。
【0056】これらの樹脂中には、クリーニング性、耐
摩耗性等の改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリ
フッ化ビリニデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコ
ン系グラフトポリマー、シリコン系オイル等の潤滑剤
や、保護層の抵抗制御の目的で酸化スズ粉体や導電性酸
化チタン等を分散させることも可能である。更に、耐候
性を向上させる目的で、酸化防止剤の添加物等の添加物
を加えても良い。保護層の膜厚は、好ましくは0.05
μm〜15μm、より好ましくは1μm〜10μmであ
る。
【0057】本発明の導電性支持体と感光層の間に、バ
リアー機能と下引き機能を有す下引き層を設けることも
できる。下引き層は、感光層の接着性改良、支持体の保
護、支持体からの電荷注入性改良、感光体の電気的破壊
に対する保護等のために形成することができる。
【0058】下引き層の材料としては、ポリビニルアル
コール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレン
オキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチ
レン、アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、
共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチン等が使用される。下
引層の膜厚は0.1〜3μmが好ましい。
【0059】本発明の感光体用支持体に感光層を塗布す
る方法としては、浸漬塗布法、ブレードコーティング
法、バーコート法等がある。
【0060】本発明の感光体用支持体上に感光層を設け
る場合に、その膜厚は単一層構造の場合、5μm〜10
0μmが好ましく、更には10μm〜60μmが好まし
い。感光層が積層構造の場合、電荷発生層の厚さは0.
001μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.0
5μm〜2μmであり、電荷輸送層の厚さは1μm〜4
0μmが好ましく、より好ましくは10μm〜30μm
である。
【0061】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を
示す。
【0062】図1において、1はドラム状の本発明の電
子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周
速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程におい
て、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電
位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザー
ビーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される
目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応し
て強調変調された露光光4を受ける。こうして感光体1
の周面に対し目的の画像情報に対応した静電潜像が順次
形成されていく。
【0063】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不
図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体
1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7
に、感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が
転写手段6により順次転写されていく。
【0064】トナー画像の転写を受けた転写材7は、感
光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着
を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)と
して装置外へプリントアウトされる。
【0065】像転写後の感光体1の表面は、クリーニン
グ手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面
化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10
により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用され
る。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接
触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではな
い。
【0066】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリ
ッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカート
リッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写
真装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例え
ば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカ
ートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段
を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ1
1とすることができる。
【0067】また、露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、こ
の信号に従って行われるレーザービームの走査、LED
アレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により
照射される光である。
【0068】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター
及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いる
ことができる。
【0069】
【実施例】以下に、実施例に従って本発明を詳細に説明
する。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
【0070】(実施例1−1)アルミニウム合金JIS
規格A6063材をポートホール押し出し法により外径
φ30.0mm、内径φ28.5mmのパイプ状に連続
押し出しして、それを長さ254mmに切断して円筒シ
リンダーとした。最大高さ(Rmax)が2.0μm、
十点平均粗さ(Rz)は0.6μmであった。
【0071】次に、磁性体(φ0.3mm、長さ3m
m)とアルミナ砥粒(70μm径)を軽油中に60対4
0の割合で均一に分散させたN−S磁極間に介在させ、
この磁極間に上記円筒シリンダーを配置した。磁極回転
数400回転/分、円筒シリンダーと磁極との距離を2
mmとし、5分間研摩した。この研摩した円筒シリンダ
ーをジェット水流を用いた水洗浄装置にて洗浄した。そ
の後、超音波発振機を併用し、純水にて再洗浄した。
【0072】外径寸法の変化から測定したところ、研摩
代は8μmであった。このようにして作製した円筒シリ
ンダーの表面粗さを測定したところ、最大高さ(Rma
x)1.5μm、十点平均粗さ(Rz)1.0μm、平
均山間隔(Sm)20μmであった。
【0073】次に、チタニルフタロシアニン顔料4重量
部、ポリビニノレブチラール樹脂(商品名:BX−1、
積水化学工業製)2重量部、シクロヘキサノン34重量
部からなる溶液をサンドミルで8時間分散した後、テト
ラヒドロフラン60重量部を加えて電荷発生層用の分散
液を調合した。この分散液を上記の研摩を行ったシリン
ダー支持体上に浸漬塗布し、80℃で10分間加熱乾燥
することにより、電荷発生層を形成した。電荷発生層の
膜厚は0.2μmであった。
【0074】次いで、トリアリールアミン化合物50重
量部と、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ
−200、三菱瓦斯化学製)50重量部をモノクロルベ
ンゼン400重量部に溶解した溶液を、前記電荷発生層
の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥し、膜厚
が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0075】このようにして作製した本発明の電子写真
感光体を、解像度600dpiのレーザービームプリン
ターに装着して、ハーフトーン画像を出して、画像評価
を行った。ハーフトーン画像は、黒線1本と白線2本分
が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向それ
ぞれ走査したものを使用した。その結果を表1に示す。
【0076】(実施例1−2〜1−5)支持体の材料、
磁性体とアルミナ砥粒の割合、アルミナの砥粒及び磁極
回転数等を表1に示す条件の様に変更した以外は、実施
例1−1と同様に電子写真感光体を作製した。そして、
実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表1に示
す。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例2−1)アルミニウム合金JIS
規格A6063材をポートホール押し出し法により外径
φ30.0mm、内径φ28.5mmのパイプ状に連続
押し出しして、それを長さ254mmに切断して円筒シ
リンダーとした。最大高さ(Rmax)が2.0μm、
十点平均粗さ(Rz)は0.6μmであった。
【0079】次に、磁性体(φ0.3mm、長さ3m
m)とアルミナ砥粒(平均粒径70μm)を軽油中に6
0対40の割合で均一に分散させた。N−S磁極間に介
在させ、この磁極間に上記円筒シリンダーを配置した。
ドラム回転数400回転/分、円筒シリンダーと磁極と
の距離を2mmとし、5分間研摩した。この研摩した円
筒シリンダーをジェット水流を用いた水洗浄装置にて洗
浄した。その後超音波発振機を併用し、純水にて再洗浄
した。
【0080】外径寸法の変化から測定したところ、研摩
代は8μmであった。このようにして作製した円筒シリ
ンダーの表面粗さを測定したところ、最大高さ(Rma
x)1.5μm、十点平均粗さ(Rz)1.0μm、平
均山間隔(Sm)20μmであった。この円筒シリンダ
ーを、40℃の20%硫酸水溶液に3分間浸漬し、その
後、純水で洗浄し、自然乾燥させた。
【0081】有機リン酸としてフィチン酸及び金属の塩
としてチタンフッ化水素酸及びチタンフッ化アンモニウ
ム酸性水溶液(商品名:パルコート3753M、日本パ
ーカライジング株式会社製、pH3.8)を40℃の温
度に保ち、この水溶液中に上記のアルミニウムシリンダ
ーを浸漬し、1分間化成処理を行った後、純水で洗浄
し、自然乾燥させた。この化成皮膜の膜厚は200Åで
あった。
【0082】次に、オキシチタニウムフタロシアニン顔
料4重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX
−1、積水化学工業株式会社製)2重量部及びシクロヘ
キサノン34重量部をサンドミルで8時間分散した後、
テトラヒドロフラン60重量部を加えて電荷発生層用の
分散液を調合した。この分散液を先に化成処理したアル
ミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、95℃で10分間
加熱乾燥し、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
【0083】次に、下記構造式で示されるトリアリール
アミン化合物50重量部及びビスフェノールZ型ポリカ
ーボネート樹脂50重量部をモノクロルベンゼン400
重量部に溶解した溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布
し、110℃で1時間加熱乾燥して膜厚が20μmの電
荷輸送層を形成した。
【0084】
【化1】
【0085】(実施例2−2)支持体の材料等を表2の
ように代えた以外は,実施例2−1と同様に研磨した。
化成処理用酸性水溶液として、有機リン酸としてフィチ
ン酸、アンモニウム塩及び金属の塩としてジルコニウム
フッ化物及びジルコニウム硫酸塩を含有する液(商品
名:パルコート3756M、日本パーカライジング株式
会社製、pH3.2)を用いた以外は、実施例2−1と
同様にして電子写真感光体を作製した。なお、化成皮膜
の膜厚は150Åであった。
【0086】(実施例2−3)支持体の材料等を表2の
ように代えた以外は,実施例2−1と同様に研磨した。
化成処理酸性水溶液として、タンニン酸を含有し、金属
の塩としてチタンフッ化水素酸及びチタンフッ化アンモ
ニウムを含有する液(商品名:パルコート3753T、
日本パーカライジング株式会社製、pH3.5)を用い
た以外は、実施例2−1と同様にして電子写真感光体を
作製した。なお、化成皮膜の膜厚は180Åであった。
【0087】
【表2】
【0088】(比較例2−1)化成処理を行わなかった
以外は、実施例2−1と同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0089】(比較例2−2)濃度0.3%のアンモニ
ア水を用意し、これを95℃に加熱した。この熱したア
ンモニア水に実施例2−1で用いた化成処理前のアルミ
ニウムシリンダーを5分間浸漬して表面処理を行った
後、乾燥してシリンダー表面にベーマイト皮膜を形成し
た。このアルミニウムシリンダーを用いた以外は、実施
例2−1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0090】(比較例2−3)本発明の酸性水溶液に代
えて、チタニウム及びジルコニウムを含有しないリン酸
クロム系の化成処理液(商品名:アルクロム3701、
日本パーカライジング株式会社製)の液温を30℃に保
った状態のものに1分間浸漬して化成処理を行い、シリ
ンダー表面にクロメート系の化成皮膜を形成した。この
アルミニウムシリンダーを用いた以外は実施例2−1と
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0091】(評価)これらの実施例2−1〜2−3及
び比較例2−1〜2−3に関して、常温常湿(23℃、
60%RH)、高温高湿(32.5℃、85%RH)及
び低温低湿(15℃、10%RH)の各環境下に48時
間放置した後、市販の反転現像方式のレーザービームプ
リンターに設置し、各環境下でベタ白画像を出力した。
【0092】このベタ白画像における地カブリの状態を
目視にて評価した。結果を表3に示す。同時に、各環境
における暗部電位及び露光部電位の値を測定した。結果
を表4に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】以上の結果より、本発明の電子写真感光体
は、画像及び電位変動に関して良好な特性を有している
ことが分かった。
【0096】次に、実施例2−1〜2−3で使用した化
成処理、洗浄及び乾燥後の支持体の表面を、最表面から
支持体の深さ方向にアルゴンイオンエッチングを行いな
がら走査型オージェ電子分光分析装置を用いて元素分析
を行った。その結果、主な構成元素として実施例2−1
と2−3からはアルミニウム、チタニウム及び酸素が検
出された。また、実施例2−2の支持体表面からはアル
ミニウム、ジルコニウム及び酸素が検出された。
【0097】表5に支持体最表面及び表面から50Åの
深さにおける元素の組成比をアルミニウム元素の量を1
00とした時の元素比率として示す。
【0098】この結果から、支持体表面の化成皮膜は、
アルミニウムの酸化皮膜中にチタニウム又はジルコニウ
ムが取り込まれているものであることが分かる。また、
分析の結果、その他の含まれる元素として窒素、フッ素
及びリン等が検出された。これらの元素は、化成処理を
行う際に用いた酸性水溶液中のリン酸やフッ素化合物に
含まれていたものが、化成皮膜の中に取り込まれたもの
と考えられる。
【0099】
【表5】
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
干渉縞、モアレ、画像スジ、ハーフトーンムラ、白地に
おける黒点の発生等のない良好な画像を与える電子写真
用感光体を得ることができる。
【0101】また本発明によれば、いかなる環境におい
ても画像欠陥が発生せず、また電位変動の少ない良好な
電子写真特性を有する電子写真感光体、及び電子写真感
光体を容易にかつ安価に安定して製造できる方法が、更
には電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び
電子写真装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体を有するプロセスカ
ートリッジを用いた電子写真装置の概略構成の例を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木村 知裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA42 AA52 AA54 AA59 CA32 EA05 EA07 EA12 3C043 AC13 CC07 CC13

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N極及びS極を有する工具が形成する磁
    界中に、磁性体及び砥粒を存在させ、加工に供する円筒
    部材を前記磁性体及び砥粒が存在する領域に配置し、前
    記工具と前記円筒部材とを相対移動させて、前記工具の
    動きに伴い移動又は静止している前記磁性体及び砥粒と
    前記円筒部材とを相対移動させることにより、前記円筒
    部材の外周面を研摩することを特徴とする電子写真用円
    筒部材の表面精密加工方法。
  2. 【請求項2】 精密加工により得られる表面粗さが、最
    大高さ(Rmax)が0.5〜2.0μmであり、十点
    平均粗さ(Rz)が0.5〜1.8μmであり、平均山
    間隔(Sm)が10〜100μmである請求項1に記載
    の電子写真用円筒部材の表面精密加工方法。
  3. 【請求項3】 精密加工に供する円筒部材の表面粗さ
    が、最大高さ(Rmax)が3.0μm以下、十点平均
    粗さ(Rz)が2.5μm以下である請求項1に記載の
    電子写真用円筒部材の表面精密加工方法。
  4. 【請求項4】 精密加工に供する円筒部材が押し出し加
    工により得られたものである請求項1に記載の電子写真
    用円筒部材の表面精密加工方法。
  5. 【請求項5】 精密加工の研摩代が10μm以下である
    請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用円筒部材の
    表面精密加工方法。
  6. 【請求項6】 円筒部材がアルミニウム合金であり、J
    IS規格の3000系である請求項1〜5のいずれかに
    記載の電子写真用円筒部材の表面精密加工方法。
  7. 【請求項7】 円筒部材がアルミニウム合金であり、J
    IS規格の6000系である請求項1〜5のいずれかに
    記載の電子写真用円筒部材の表面精密加工方法。
  8. 【請求項8】 円筒部材が電子写真感光体用である請求
    項1〜7のいずれかに記載の電子写真用円筒部材の表面
    精密加工方法。
  9. 【請求項9】 N極及びS極を有する工具が形成する磁
    界中に、磁性体及び砥粒を存在させ、加工に供する円筒
    部材を前記磁性体及び砥粒が存在する領域に配置し、前
    記工具と前記円筒部材とを相対移動させて、前記工具の
    動きに伴い移動又は静止している前記磁性体及び砥粒と
    前記円筒部材とを相対移動させることにより、前記円筒
    部材の外周面が研摩されていることを特徴とする電子写
    真用円筒部材。
  10. 【請求項10】 精密加工により得られる表面粗さが、
    最大高さ(Rmax)が0.5〜2.0μmであり、十
    点平均粗さ(Rz)が0.5〜1.8μmであり、平均
    山間隔(Sm)が10〜100μmである請求項9に記
    載の電子写真用円筒部材。
  11. 【請求項11】 精密加工に供される円筒部材の表面粗
    さが、最大高さ(Rmax)が3.0μm以下、十点平
    均粗さ(Rz)が2.5μm以下である請求項9に記載
    の電子写真用円筒部材。
  12. 【請求項12】 精密加工に供される円筒部材が押し出
    し加工により得られたものである請求項9に記載の電子
    写真用円筒部材。
  13. 【請求項13】 精密加工の研摩代が10μm以下であ
    る請求項9〜12のいずれかに記載の電子写真用円筒部
    材。
  14. 【請求項14】 円筒部材がアルミニウム合金であり、
    JIS規格の3000系である請求項9〜13のいずれ
    かに記載の電子写真用円筒部材。
  15. 【請求項15】 円筒部材がアルミニウム合金であり、
    JIS規格の6000系である請求項9〜13のいずれ
    かに記載の電子写真用円筒部材。
  16. 【請求項16】 円筒部材が電子写真感光体用である請
    求項9〜15のいずれかに記載の電子写真用円筒部材。
  17. 【請求項17】 アルミニウム又はアルミニウム合金か
    らなる支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
    て、N極及びS極を有する工具が形成する磁界中に、磁
    性体及び砥粒を存在させ、加工に供する支持体を前記磁
    性体及び砥粒が存在する領域に配置し、前記工具と前記
    支持体とを相対移動させて、前記工具の動きに伴い移動
    又は静止している前記磁性体及び砥粒と前記支持体とを
    相対移動させることにより、前記支持体の感光層を形成
    する側の表面が研摩されており、かつ前記支持体の感光
    層側の表面がアルミニウム、酸素及びチタニウム、又は
    アルミニウム、酸素及びジルコニウムを含有することを
    特徴とする電子写真感光体。
  18. 【請求項18】 前記支持体の研摩後の表面の表面粗さ
    が、最大高さ(Rmax)が0.5〜2.0μmであ
    り、十点平均粗さ(Rz)が0.5〜1.8μmであ
    り、平均山間隔(Sm)が10〜100μmである請求
    項17に記載の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 前記支持体の感光層側の表面のチタニ
    ウム又はジルコニウムの含有量が、アルミニウムの含有
    量に対して4〜100atm%である請求項17又は1
    8に記載の電子写真感光体。
  20. 【請求項20】 前記支持体の感光層側の表面が更にリ
    ンを含有する請求項17〜19にいずれかに記載の電子
    写真感光体。
  21. 【請求項21】 前記支持体の感光層側の表面が更にフ
    ッ素を含有する請求項17〜20にいずれかに記載の電
    子写真感光体。
  22. 【請求項22】 前記支持体の感光層側の表面が化成処
    理によって形成された皮膜である請求項17〜21のい
    ずれかに記載の電子写真感光体。
  23. 【請求項23】 皮膜の膜厚が1μm以下である請求項
    22に記載の電子写真感光体。
  24. 【請求項24】 アルミニウム又はアルミニウム合金か
    らなる支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
    て、N極及びS極を有する工具が形成する磁界中に、磁
    性体及び砥粒を存在させ、加工に供する支持体を前記磁
    性体及び砥粒が存在する領域に配置し、前記工具と前記
    支持体とを相対移動させて、前記工具の動きに伴い移動
    又は静止している前記磁性体及び砥粒と前記支持体とを
    相対移動させることにより、前記支持体の感光層を形成
    する側の表面を研摩し、次いで前記支持体をチタニウム
    の塩又はジルコニウムの塩を含有する酸性水溶液で化成
    処理する工程、次いで感光層を形成する工程を有するこ
    とを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  25. 【請求項25】 チタニウムの塩及びジルコニウムの塩
    がフッ素化合物を含有する請求項24に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  26. 【請求項26】 酸性水溶液のpHが1.0〜5.5で
    ある請求項24又は25に記載の電子写真感光体の製造
    方法。
  27. 【請求項27】 酸性水溶液の温度が30〜90℃であ
    る請求項24〜26のいずれかに記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  28. 【請求項28】 酸性水溶液が更にリン酸、リン酸塩、
    タンニン及びタンニン酸からなる群より選択される少な
    くとも一つの化合物を含有する請求項24〜27のいず
    れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  29. 【請求項29】 酸性水溶液が更にフッ酸、ホウフッ
    酸、ケイフッ酸及びこれらの塩からなる群より選択され
    る少なくとも一つの化合物を含有する請求項24〜28
    のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項17〜23のいずれかに記載の
    電子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電
    手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで
    現像する現像手段、及び転写工程後の感光体上に残余す
    るトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選
    ばれた少なくとも一つの手段と共に一体に支持し、電子
    写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセ
    スカートリッジ。
  31. 【請求項31】 請求項17〜23のいずれかに記載の
    電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手
    段、帯電した電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜
    像を形成する像露光手段、静電潜像の形成された電子写
    真感光体をトナーで現像する現像手段、及び転写材上の
    トナー像を加熱転写する転写手段を有することを特徴と
    する電子写真装置。
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