JP2000181063A - カラ―フィルタ―用樹脂組成物 - Google Patents

カラ―フィルタ―用樹脂組成物

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JP2000181063A JP2495999A JP2495999A JP2000181063A JP 2000181063 A JP2000181063 A JP 2000181063A JP 2495999 A JP2495999 A JP 2495999A JP 2495999 A JP2495999 A JP 2495999A JP 2000181063 A JP2000181063 A JP 2000181063A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス基板との接着性が高く、かつ、パターン
エッジの形状が適正で、かつ、現像時のスカムのないカ
ラーフィルター用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(A)下記一般式(1)で表わされる化合
物の1種または2種以上と、他のビニルモノマーとを共
重合して得られるランダム共重合体、(B)感放射線性
化合物、(C)着色剤、を含むカラーフィルター用樹脂
組成物による。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶表示素
子、カラー固体撮像素子などにおいて用いられるカラー
フィルターを製造するためのカラーフィルター用樹脂組
成物、それを用いたカラーフィルターおよび液晶表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルター用樹脂組成物として
は、従来重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム
等の6価クロム化合物を光架橋剤としてゼラチン、グル
ー等の天然高分子からなる樹脂組成物が知られている。
この樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥し、次いでストラ
イプ状またはモザイク状のパターンを介して紫外線で露
光し、現像することにより無色の透明パターンを基板上
に形成する。この無色の透明パターンを染料を含有する
染色溶液に浸漬して染色する。次に染料をタンニン酸で
固着化するか、ないしは染色パターン上に樹脂等で保護
膜を形成することによって混色を防止する。以上の工程
を一色毎に繰り返すことにより、カラーフィルターを製
造することができる。
【0003】上記カラーフィルター形成法は色純度が良
好で、解像度も優れたカラーフィルターを与えるが、一
方、製造工程が複雑であり、また染料を用いているので
耐熱性、耐光性、耐湿性に問題があった。これらの欠点
を改良すべく、感光性樹脂組成物に顔料を分散したカラ
ーフィルター用樹脂組成物が報告されている。例えば特
開平1−152449号公報、特開平4−164902
号公報に提案されている多官能アクリレートモノマーと
特定の光重合開始剤を含むカラーフィルター用樹脂組成
物は、着色剤に顔料を使用しているので耐熱性、耐光
性、耐湿性が向上している。
【0004】しかしながら、これらのカラーフィルター
用樹脂組成物は、基板への接着性がわるいため、現像時
に剥離や欠損が生じやすいという欠点があった。接着性
を高めるためにシランカップリング剤で基板を処理す
る、あるいは接着性の高いOH基含有ポリマーを添加す
る等の対策をとると、現像時に基板上の除去されるべき
部分にスカムが残りやすい。尚、本明細書では「スカ
ム」という語は、現像時に基板上の除去されるべき部分
に残った微細な樹脂状物、あるいは薄い膜状物の意味で
用いることとする。このスカムを除去するために現像液
の濃度を高める、現像時間を長くする、現像液に界面活
性剤を添加する、あるいは組成を変更して接着性を低下
させる等の対策をとると、微細パターンの剥離が起き、
カラーフィルター製造時の歩留まり低下の原因になって
いた。また、特開平7−140654号公報に提案され
ている、マクロモノマーを含む共重合体を使用した組成
物は、密着性に優れスカムも少ないが、マクロモノマー
の分子鎖長が長いため、パターンエッジ断面の形状がな
めらかさに欠け、さらに形状の安定性も悪いという問題
があった。
【0005】ここでパターンエッジ断面の形状について
説明しておく。断面形状は大別すると好ましい断面形
状、並びに好ましくない断面形状として、立ちすぎた断
面形状及び寝過ぎた断面形状がある。好ましい断面形状
とは本願発明が目標とする断面形状であって図1で示さ
れた形状のものを言う。また、好ましくない例として、
立ちすぎた断面形状を図2に、寝すぎた断面形状を図3
に示した。パターンエッジ断面の形状は、液晶ディスプ
レイの特性や製造時の歩留まりに大きく影響する。パタ
ーンエッジが立ちすぎていると、ITOの断線が起きて
歩留まりが低下したり、急斜面部分のラビングむらによ
り液晶ディスプレイ全体にむらが発生する。また、パタ
ーンエッジが寝すぎていると、テーパー部分がブラック
マトリックスからはみ出てしまい、色純度が低下する。
したがってパターンエッジ断面の形状は、上記の図1で
示された好ましい断面形状が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
接着性を高めるとスカムが生じやすく、スカムを除去し
ようとすると剥離が起きるというジレンマを解決するこ
と、及びパターンエッジ断面の好ましい形状のカラーフ
ィルターを得る事が本発明の課題である。
【0007】
【課題を解決する手段】すなはち本発明は、以下の構成
を取ることにより上述した課題を解決したのである。
【0008】[1] (A)下記一般式(1)で表わさ
れる化合物の1種または2種以上と、他のビニルモノマ
ーとを共重合して得られるランダム共重合体、(B)感
放射線性化合物、(C)着色剤、を含むカラーフィルタ
ー用樹脂組成物。
【化5】 (1) (一般式(1)において、R1は水素原子またはメチル
基を示し、R2は炭素数1〜5のアルキル基を示し、n
は0〜5の整数である。)
【0009】[2] 共重合体中の式(1)で示される
化合物の含量が1〜80モル%である[1]項に記載のカ
ラーフィルター用樹脂組成物。
【0010】[3] 他のモノマーが下記一般式
(2)、(3)、(4)で表わされる化合物であり、共
重合体中の各モノマーの含量が一般式(1)1〜50、
(2)20〜70、(3)0〜30、(4)5〜40
(各モル%)であることを特徴とする[1]項に記載の
カラーフィルター用樹脂組成物。
【化6】
【化7】
【化8】 (一般式(2)、(3)、(4)においてR1は水素原
子又はメチル基を表わし、R2は炭素数1〜5のアルキ
ル基を表わし、R3は炭素数1〜8のアルキレン基を表
わし、nは1〜5の整数である。)
【0011】[4] DMFを溶媒としてGPC分析で
測定したポリエチレンオキシド換算のランダム共重合体
の重量平均分子量が2,000〜30,000である
[1]乃至[3]項に記載のカラーフィルター用樹脂組
成物。 [5] [1]項に記載のカラーフィルター用樹脂組成
物を使用して製造されるカラーフィルター。 [6] [5]項に記載のカラーフィルターを使用して
製造される液晶表示素子。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明で「放射線」という語は、可視光線、紫外
線、エックス線、電子線等を含む概念として用いる。本
発明で用いられる、(A)一般式(1)で表わされる化
合物の1種または2種以上を有効成分として重合して得
られるランダム共重合体は、テトラヒドロフルフリルア
ルコールまたは置換基のついたテトラヒドロフルフリル
アルコールの水酸基をε−カプロラクトンと付加反応さ
せ、それとアクリル酸、あるいはメタクリル酸とを脱水
反応によりエステル化して得られたアクリル系化合物を
モノマーとし、後述する他の不飽和結合を持つ化合物を
コモノマーとしてランダム共重合することで得ることが
できる。一般式(1)で表わされる化合物としては、n
=1の場合がパターンエッジ形状を適正にする効果が大
きく、最も好ましい。n=1の化合物として、日本化薬
(株)製KAYARAD TC−110Sが市販されて
いるので、これを使用してもよい。
【0013】一般式(1)で表わされる化合物と共重合
する不飽和結合を持つモノマーとしては、(メタ)アク
リル酸や、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)
アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリ
ル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエト
キシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、
(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸セチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート四級化物、(メタ)アクリ
ル酸モルホリノエチル、(メタ)アクリル酸トリメチル
シロキシエチル、
【0014】大阪有機化学(株)製ビスコート#19
3、ビスコート#320、ビスコート#2311HP、
ビスコート#220、ビスコート#2000、ビスコー
ト#2100、ビスコート#2150、ビスコート#2
180、ビスコート3F、ビスコート3FM、ビスコー
ト4F、ビスコート4FM、ビスコート6FM、ビスコ
ート8F、ビスコート8FM、ビスコート17F、ビス
コート17FM、ビスコートMTG、東亜合成(株)製
M−101、M−102、M−110、M−113、M
−117、M−120、M−5300、M−5600、
M−5700、TO−850、TO−851、TO−1
248、TO−1249、TO−1301、TO−13
17、TO−1315、TO−981、TO−121
5、TO−1316、TO−1322、TO−134
2、TO−1340、TO−1225、等の(メタ)ア
クリル酸エステル類や、シクロへキセン−3,4−ジカ
ルボン酸−(2−モノメタクリロイルオキシ)エチル、
3−シクロヘキセニルメチルメタクリレート、2−テロ
ラヒドロフタルイミドエチルメタクリレート、(メタ)
アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メ
タ)アクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレ
ン、無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、4−アク
リロイルモルホリン、等をあげることができる。特に
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、3−シクロヘキセニルメチルメタクリ
レートが好ましい。
【0015】他のモノマーとして、一層好ましい具体例
として、前記一般式(2)、(3)、(4)で示される
化合物を挙げることが出来、ランダム共重合体の具体例
として、共重合体中の各モノマーの含量が一般式(1)
1〜50、(2)20〜70、(3)0〜30、(4)
5〜40(各モル%)である共重合体を挙げることがで
きる。
【0016】重合方法は、溶液中でのラジカル重合が好
適である。即ち、ラジカル触媒を用いたランダム共重合
である。ラジカル共重合はブロック共重合、グラフト共
重合に比較して工業的に実施するのが容易であり、且
つ、その必要性もないからである。また、ランダム共重
合体は、他の樹脂との相溶性や溶媒への溶解性に優れる
ため、本発明の目的を達するためには好ましい。重合溶
媒は、生成するポリマーを溶解するものであれば特に限
定されないが、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチルカルビト
ール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロ
ヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、トルエン、キ
シレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセト
アミド等が好ましい。特にメタノール、酢酸エチル、シ
クロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエー
テルが好ましい。もちろん2種以上の混合溶媒でもよ
い。
【0017】重合は通常モノマー濃度5〜50重量%、
ラジカル発生剤0.01〜5重量%、反応温度50〜1
60℃、反応時間3〜12時間で行う。分子量を調節す
るためにチオグリコール酸等の連鎖移動剤を加えてもよ
い。反応終了液は、そのままカラーフィルター用樹脂組
成物として使用するか、あるいは大量の非溶媒中に投入
して生成した沈殿を乾燥し、オリゴマーや、未反応モノ
マーを除去してもよい。重合液を大量の非溶媒中に投入
してポリマーを精製する場合は、メタノールと酢酸エチ
ルの混合液中で重合し、非溶媒としてシクロヘキサンあ
るいは酢酸エチル−シクロヘキサン混液を使用すると、
乾燥性が良好で好ましい。
【0018】このようにして得られたランダム共重合体
中の、一般式(1)で示される化合物の含有量は、1〜
80モル%が好ましい。1〜40モル%であればより一
層好ましく、3〜20モル%であればより更に好まし
い。ランダム共重合体中における一般式(1)で示され
る化合物の含有量が1モル%以下では、現像時に剥離が
起きやすく好ましくない。逆に80モル%以上では、ス
カムが発生しやすく好ましくない。ランダム共重合体の
分子量は特に限定されないが、DMFを溶媒としたGP
Cによる分析で、ポリエチレンオキシド換算の分子量
が、1,000〜200,000の範囲が好ましい。特
に2,000〜30,000の範囲がより一層好まし
い。分子量が1,000未満では膜の強度が弱く、現像
時の膜荒れ、パターンの剥離が起きやすい。200,0
00を超えると、スカムが発生しやすくなり、また、パ
ターンエッジの形状がギザギザになる等の問題も発生す
る。
【0019】本発明で用いられる(B)感放射線性化合
物としては、放射線の照射によりラジカルを発生する光
ラジカル発生剤、ラジカルの発生を促進する増感剤、発
生したラジカルと反応する重合性モノマー、放射線の照
射によりナイトレンを生成するアジド化合物をあげるこ
とができる。光ラジカル発生剤や増感剤は一般式(1)
で表わされるランダム共重合体とは直接反応しないた
め、重合性モノマーとの併用が必須である。
【0020】光ラジカル発生剤や増感剤の具体例として
は、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4´−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チ
オキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエ
チルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセ
トフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェ
ノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4´−イソプロピ
ルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソ
ブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセト
フェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン、ベンジル、カンファーキノン、ベンズアントロ
ン、
【0021】2−メチル−1− [4−(メチルチオ)フ
ェニル ]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベ
ンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフ
ェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,
4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、3,5,4´−トリ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,5−トリ
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
2,3,4−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノン、3,4,4´−トリ(t−アミルペル
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4´−ト
リ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,4,4´−トリ(t−オクチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、3,3,4´−トリ(t−ク
ミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−メト
キシ−2´,4´−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、3−メトキシ−2´,4´−ジ
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
2−メトキシ−2´,4´−ジ(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノン、4−エトキシ−2´,4
´−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´
−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、
【0022】2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフ
ェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステ
ル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォ
スフィン酸エチルエステル、2,4−ジクロルベンゾイ
ル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジク
ロルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、
2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニル
フォスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベンゾイル
−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,
6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオ
キサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサ
イド、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチ
ル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2´
−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス
(トリクロロメチル)−5−(4´−メトキシフェニ
ル)−s−トリアジン等をあげることができる。もちろ
ん2種以上を混合して用いることも有効である。
【0023】なかでも4,4´−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、2−メチル−1− [4−(メチル
チオ)フェニル ]−2−モルホリノプロパン−1−オ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルホリノフェニル)−ブタノン−1、3,4,4´−ト
リ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ヘキシルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノンが好ましい。特に4,
4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと3,
4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノンを組み合わせて使用した場合、あるいは
4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと
3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノンと2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1を
組み合わせて使用した場合、あるいは4,4´−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと3,4,4´−ト
リ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
と2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モル
ホリノフェニル)−ブタノン−1と2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル ]−2−モルホリノプロ
パン−1−オンを組み合わせて使用した場合に感度が高
く、樹脂との相溶性が高く、保存安定性が高く、パター
ンエッジ形状も良好で、非常に好ましい。
【0024】光ラジカル発生剤や増感剤の混合割合は、
本発明で使用されるランダム共重合体に対し、1〜40
重量%が好ましい。混合割合が1重量%以下ではカラー
フィルターの製造に必要な実用的感度が得られない。4
0重量%以上ではスカムが増加したり、パターンエッジ
の形状が立ちすぎたり、色濃度が低下して所定の色を達
成するための膜厚が厚くなったりというような不具合が
生じ、好ましくない。
【0025】光ラジカル発生剤や増感剤と併用される光
重合性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、トリスアクリロイ
ルオキシエチルフォスフェート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド
変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキ
シド変性ジアクリレート、ポリエステルアクリレート、
ジグリセリンテトラアクリレート等の多官能モノマーを
あげることができる。
【0026】もちろん2種以上のモノマーを混合して使
用することもできる。なかでもペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレートが感度が高く
好ましい。特にジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートは耐
スパッタ性も良好でよりいっそう好ましい。
【0027】また、パターンエッジの形状をコントロー
ルするために、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、日本
化薬(株)製KAYARAD TC−110S、同KA
YARAD R−712、同KAYARAD R−55
1、同KAYARAD R−684等の単官能モノマ
ー、2官能モノマーを光重合性モノマー全体の2重量%
〜40重量%の範囲で使用することも有効である。光重
合性モノマーの混合割合は、請求項1に記載のランダム
共重合体に対し、20重量%〜200重量%が好まし
い。混合割合が20重量%以下ではカラーフィルターの
製造に必要な実用的感度が得られない。200重量%以
上では乾燥後でも塗膜表面がべとついて、ごみの付着等
で歩留まりが低下したり、色濃度が低下して所定の色を
達成するための膜厚が厚くなったりというような不具合
が生じ、好ましくない。
【0028】放射線の照射によりナイトレンを生成する
アジド化合物の具体例としては、4,4´−ジアジドカ
ルコン、4,4´−ジアジドスチルベン−2,2´−ジ
スルホン酸ナトリウム、4,4´−ジアジドジフェニル
メタン、2,6−ビス(4´−アジドベンザル)−4−
メチルシクロヘキサノン、4,4´−ジアジドスチルベ
ン−2,2´−ビス(ヒドロキシプロピルスルホンアミ
ド)、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)シクロ
ヘキサノン、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)
−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ア
ジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン、
2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−ブチル
シクロヘキサノン等のアジド化合物を挙げることができ
る。
【0029】アジド化合物はランダム共重合体中の感光
基と反応するので、感放射線性化合物としてアジド化合
物を使用する場合は、光ラジカル発生剤、光重合性モノ
マーの併用は必要ない。しかし、本発明で使用される共
重合体中にアジド化合物と反応するシクロヘキセン環や
ピロリドン環を導入する必要がある。導入方法は特に限
定しないが、シクロヘキセン環やピロリドン環を持った
(メタ)アクリレートやビニルピロリドン等と一般式
(1)で表わされる化合物を共重合するのが最も簡単な
方法である。
【0030】アジド化合物の混合割合は、本発明で使用
されるランダム共重合体に対し2重量%〜30重量%が
好ましい。混合割合が2重量%以下では、カラーフィル
ターの製造に必要な実用的感度が得られない。30重量
%以上ではアジド化合物の着色が顕著になり、色純度が
低下して好ましくない。
【0031】本発明で用いられる(C)着色剤として
は、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタ
ン染料、ポリメチン染料、金属錯塩染料、ビスアゾ染
料、トリスアゾ染料、硫化染料、インジゴイド染料等の
合成染料や、C.I.ピグメントイエロー12、13、
14、17、20、24、31、55、83、93、1
09、110、137、139、150、153、15
4、166、168、173、C.I.ピグメントオレ
ンジ36、43、51、C.I.ピグメントレッド9、
97、122、123、149、176、177、18
0、215、254、C.I.ピグメントバイオレット
19、23、29、C.I.ピグメントブルー15、1
5:3、15:6、C.I.ピグメントグリーン7、3
6、C.I.ピグメントブラウン28、C.I.ピグメ
ントブラック1、7等の有機顔料をあげることができ
る。なかでも耐熱性、耐光性の面から有機顔料が好まし
い。
【0032】さらに、C.I.ピグメントレッド17
7、254、C.I.ピグメントイエロー139,15
0、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメ
ントブルー15、15:6が色純度と透過率の面から特
に好ましい。これらの着色剤の混合割合は、本発明で使
用されるコポリマーに対し、5〜200重量部が好適で
ある。着色剤がこの範囲よりも少ないと、目的の色度を
達成するためにパターンの膜厚が厚くなり好ましくな
い。逆にこの範囲よりも多いとスカムが発生したりパタ
ーン断面形状が立ちすぎて好ましくない。
【0033】本発明のカラーフィルター用樹脂組成物
は、(C)着色剤をあらかじめ溶媒に分散あるいは溶解
しておき、これに(A)一般式(1)で表わされる化合
物の1種または2種以上を有効成分として重合して得ら
れるランダム共重合体と(B)感放射線化合物を溶媒に
溶解したものをゆっくり滴下し、攪拌混合することで得
ることができる。
【0034】使用する溶媒は、(A)、(B)成分を溶
解するものであれば特に制限はないが、エタノール、2
−プロパノール、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチルカルビト
ール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロ
ヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、トルエン、キ
シレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセト
アミド等が好適である。
【0035】なかでもプロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、シクロヘキサノン、トルエンが塗布時の膜厚
の均一性の面からよりいっそう好ましい。もちろん2種
以上の混合溶媒として使用することもできる。(A)、
(B)、(C)成分の他に、顔料分散剤、シランカップ
リング剤、レベリング剤、界面活性剤等を添加するのも
本発明のカラーフィルター用樹脂組成物の各種特性を向
上させるのに有効である。以下実施例により本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0036】
【実施例】実施例1 メタノール167g、酢酸エチル333g、ベンジルメ
タクリレート130g、日本化薬(株)製KAYARA
D TC−110S30g、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート20g、メタクリル酸20g、アゾビスイソ
ブチロニトリル1g、チオグリコール酸3gを混合攪拌
し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン
3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカ
ンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥し
て138gのポリマーを得た。このポリマーはベンジル
メタクリレート56モル%、TC−110S8モル%、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート13モル%、メタ
クリル酸23モル%からなるランダム共重合体であっ
た。DMFを溶媒としたGPC分析で測定した重量平均
分子量は、ポリエチレンオキシドを標準として7,00
0であった。この共重合体の赤外線吸収スペクトルを図
4に示した。
【0037】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート3.30gに上記ポリマー0.46g、東亜
合成(株)製M−400 0.46g、4,4´−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.046g、3,
4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノンの25%トルエン溶液0.182g、ビッ
クケミー・ジャパン(株)製BYK−300 0.00
2gを加えて混合攪拌し、ポリマー溶液を得た。
【0038】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート20gにゼネカ(株)製ソルスパーズ5gを
溶解し、C.I.ピグメントレッド254を12gと
C.I.ピグメントイエロー139を3g加えて3本ロ
ールミルで混練した後、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート60gと直径0.5mmのジルコ
ニアビーズ400gを加えてサンドミルで20hr攪拌
した。この液を孔径1μmのテフロン製メンブレンフィ
ルターでろ過して赤色分散液95gを得た。赤色分散液
2gに上記ポリマー溶液の全量を攪拌しながらゆっくり
滴下して、赤色カラーフィルター用樹脂組成物を得た。
【0039】この赤色カラーフィルター用樹脂組成物を
ガラス基板上に900rpmで5秒間スピンコートし、
90℃のホットプレート上で1分間乾燥した。このとき
の膜厚は1.36μmであった。この基板をウシオ
(株)製UI−501C超高圧水銀灯で20μmのスト
ライプパターンのマスクを介して、空気中、ギャップ1
00μmで露光した。露光量はウシオ(株)製積算光量
計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定し
て100mj/cm2であった。露光後のガラス基板
を、純水5000gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナ
トリウム2.5gを溶解した現像液でシャワー現像30
秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライ
プパターンが出現するまでの時間は15秒であった。純
水のシャワーでリンスした後、200℃で10分間ポス
トベイクを行った。ポストベイク後の膜厚は1.29μ
mであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形
状を観察したところ、形状は適正であり、ガラス基板と
パターンの境目は直線であった。パターン以外のガラス
基板上にはスカムは見られなかった。
【0040】比較例1 メタノール142g、酢酸エチル283g、ベンジルメ
タクリレート130g、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート20g、メタクリル酸20g、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.85g、チオグリコール酸2.55gを
混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロ
ヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄
みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真
空乾燥して115gのポリマーを得た。このポリマーは
ベンジルメタクリレート59モル%、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート16モル%、メタクリル酸25モル
%からなるランダム共重合体であった。DMFを溶媒と
してGPC分析で測定した重量平均分子量はポリエチレ
ンオキシドを標準として、7,000であった。このポ
リマーを使用して実施例1と同様に赤色カラーフィルタ
ー用樹脂組成物を調整し、実施例1と同様の評価を行っ
た。塗布乾燥後の膜厚は1.33μm、ストライプパタ
ーンが出現するまでの時間は45秒であり、現像時間は
90秒とした。ポストベイク後の膜厚は1.26μmで
あった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を
観察したところ、形状は立ちすぎであり、ガラス基板と
パターンの境目がギザギザであり、一部ガラス基板と剥
離してめくれ上がった部分も見られた。パターン以外の
ガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0041】実施例2 メタノール167g、酢酸エチル333g、ベンジルメ
タクリレート130g、日本化薬(株)製KAYARA
D TC−110S20g、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート20g、メタクリル酸30g、アゾビスイソ
ブチロニトリル1g、チオグリコール酸3gを混合攪拌
し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン
3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカ
ンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥し
て148gのポリマーを得た。このポリマーはベンジル
メタクリレート55モル%、TC−110S5モル%、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート12モル%、メタ
クリル酸28モル%からなるランダム共重合体であっ
た。DMFを溶媒としたGPC分析で測定した重量平均
分子量は、ポリエチレンオキシドを標準として6,00
0であった。
【0042】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート3.13gに上記ポリマー0.40g、東亜
合成(株)製M−400 0.384g、東亜合成
(株)製M−5400 0.096g、4,4´−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.048g、チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア9
07 0.048g、3,4,4´−トリ(t−ブチル
ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンの25%トルエ
ン溶液0.192g、ビックケミー・ジャパン(株)製
BYK−300 0.002gを加えて混合攪拌し、ポ
リマー溶液を得た。
【0043】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート20gにゼネカ(株)製ソルスパーズ5gを
溶解し、C.I.ピグメントブルー15:6を20g加
えて3本ロールミルで混練した後、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート65gと直径0.5m
mのジルコニアビーズ400gを加えてサンドミルで2
0hr攪拌した。この液を孔径1μmのテフロン製メン
ブレンフィルターでろ過して青色分散液94gを得た。
青色分散液2gに上記ポリマー溶液の全量を攪拌しなが
らゆっくり滴下して、青色カラーフィルター用樹脂組成
物を得た。
【0044】この青色カラーフィルター用樹脂組成物を
ガラス基板上に950rpmで5秒間スピンコートし、
90℃のホットプレート上で1分間乾燥した。このとき
の膜厚は1.33μmであった。この基板をウシオ
(株)製UI−501C超高圧水銀灯で20μmのスト
ライプパターンのマスクを介して、空気中、ギャップ1
00μmで露光した。露光量はウシオ(株)製積算光量
計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定し
て100mj/cm2であった。露光後のガラス基板
を、純水5000gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナ
トリウム2.5gを溶解した現像液でシャワー現像70
秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライ
プパターンが出現するまでの時間は35秒であった。純
水のシャワーでリンスした後、200℃で10分間ポス
トベイクを行った。ポストベイク後の膜厚は1.26μ
mであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形
状を観察したところ、形状は適正であり、ガラス基板と
パターンの境目はわずかにギザギザであった。パターン
以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0045】比較例2 メタノール150g、酢酸エチル300g、ベンジルメ
タクリレート130g、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート20g、メタクリル酸30g、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.90g、チオグリコール酸2.70gを
混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロ
ヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄
みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真
空乾燥して133gのポリマーを得た。このポリマーは
ベンジルメタクリレート53モル%、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート14モル%、メタクリル酸33モル
%からなるランダム共重合体であった。DMFを溶媒と
してGPC分析で測定した重量平均分子量はポリエチレ
ンオキシドを標準として、7,000であった。
【0046】このポリマーを使用して実施例2と同様に
青色カラーフィルター用樹脂組成物を調整し、実施例2
と同様の評価を行った。塗布乾燥後の膜厚は1.30μ
m、ストライプパターンが出現するまでの時間は60秒
であり、現像時間は120秒とした。ポストベイク後の
膜厚は1.21μmであった。走査型電子顕微鏡でパタ
ーンエッジ断面形状を観察したところ、形状は立ちすぎ
であり、ガラス基板とパターンの境目がギザギザであ
り、一部ガラス基板と剥離してめくれ上がった部分も見
られた。パターン以外のガラス基板上にはスカムは見ら
れなかった。
【0047】実施例3 メタノール167g、酢酸エチル333g、ベンジルメ
タクリレート120g、日本化薬(株)製KAYARA
D TC−110S50g、メタクリル酸30g、アゾ
ビスイソブチロニトリル1g、チオグリコール酸3gを
混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロ
ヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄
みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真
空乾燥して128gのポリマーを得た。このポリマーは
ベンジルメタクリレート52モル%、TC−110S1
4モル%、メタクリル酸34モル%からなるランダム共
重合体であった。DMFを溶媒としたGPC分析で測定
した重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準と
して7,000であった。
【0048】シクロヘキサノン3.38gに上記ポリマ
ー0.35g、東亜合成(株)製M−400 0.33
6g、日本化薬(株)製KAYARAD PEG400
DA0.084g、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)
ベンゾフェノン0.021g、チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ(株)製イルガキュア369 0.042
g、3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノンの25%トルエン溶液0.168
g、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−300
0.002gを加えて混合攪拌し、ポリマー溶液を得
た。
【0049】シクロヘキサノン20gにゼネカ(株)製
ソルスパーズ5gを溶解し、C.I.ピグメントグリー
ン36を12.6gとC.I.ピグメントイエロー15
0を5.4g加えて3本ロールミルで混練した後、シク
ロヘキサノン57gと直径0.5mmのジルコニアビー
ズ400gを加えてサンドミルで20hr攪拌した。こ
の液を孔径1μmのテフロン製メンブレンフィルターで
ろ過して緑色分散液92gを得た。緑色分散液3.25
gに上記ポリマー溶液の全量を攪拌しながらゆっくり滴
下して、緑色カラーフィルター用樹脂組成物を得た。
【0050】この緑色カラーフィルター用樹脂組成物を
ガラス基板上に850rpmで5秒間スピンコートし、
90℃のホットプレート上で1分間乾燥した。このとき
の膜厚は1.35μmであった。この基板をウシオ
(株)製UI−501C超高圧水銀灯で20μmのスト
ライプパターンのマスクを介して、空気中、ギャップ1
00μmで露光した。露光量はウシオ(株)製積算光量
計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定し
て100mj/cm2であった。露光後のガラス基板
を、純水5000gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナ
トリウム2.5gを溶解した現像液でシャワー現像30
秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライ
プパターンが出現するまでの時間は15秒であった。純
水のシャワーでリンスした後、200℃で10分間ポス
トベイクを行った。ポストベイク後の膜厚は1.26μ
mであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形
状を観察したところ、形状は適正であり、ガラス基板と
パターンの境目はわずかにギザギザであった。パターン
以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0051】比較例3 メタノール125g、酢酸エチル250g、ベンジルメ
タクリレート120g、メタクリル酸30g、アゾビス
イソブチロニトリル0.75g、チオグリコール酸2.
25gを混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液
にシクロヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出さ
せ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で2
0hr真空乾燥して105gのポリマーを得た。このポ
リマーはベンジルメタクリレート62モル%、メタクリ
ル酸38モル%からなるランダム共重合体であった。G
PC分析で測定した重量平均分子量はポリエチレンオキ
シドを標準として、8,000であった。このポリマー
を使用して実施例3と同様に緑色カラーフィルター用樹
脂組成物を調整し、実施例3と同様の評価を行った。塗
布乾燥後の膜厚は1.37μm、ストライプパターンが
出現するまでの時間は25秒であり、現像時間は50秒
とした。ポストベイク後の膜厚は1.30μmであっ
た。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を観察
したところ、形状が立ちすぎであり、ガラス基板とパタ
ーンの境目がギザギザであり、半分程度がガラス基板と
剥離してめくれ上がって逆テーパーとなっていた。パタ
ーン以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、パターンエッジ断面形
状が適正で、接着性が良好かつスカムもないため、カラ
ー液晶表示素子製造における歩留まりが向上し、コスト
の低減に効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】好ましいパターンエッジの断面形状を図示した
ものである。
【図2】立ちすぎたパターンエッジの断面形状を図示し
たものである。
【図3】寝すぎたパターンエッジの断面形状を図示した
ものである。
【図4】本発明の実施例1で使用したランダム共重合体
のIRスペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 正木 良典 熊本県水俣市築地4番313号 Fターム(参考) 2H025 AB13 AC01 AC05 AC06 AD01 BA06 BC31 CA00 CB13 CB14 CB55 CC11 2H048 BA48 BB42 2H091 FA02Y FB02 FB12 LA02 4J100 AJ02R AL08P AL08Q AL08S BA02S BA03S BA08S BA15Q BA21Q BC43P BC53Q CA05 CA06 DA01 JA39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で表わされる化
    合物の1種または2種以上と、他のビニルモノマーとを
    共重合して得られるランダム共重合体、(B)感放射線
    性化合物、(C)着色剤、を含むカラーフィルター用樹
    脂組成物。 【化1】 (1) (一般式(1)において、R1は水素原子またはメチル
    基を示し、R2は炭素数1〜5のアルキル基を示し、n
    は0〜5の整数である。)
  2. 【請求項2】 共重合体中の式(1)で示される化合物
    の含量が1〜80モル%である請求項1に記載のカラー
    フィルター用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 他のモノマーが下記一般式(2)、
    (3)、(4)で表わされる化合物であり、共重合体中
    の各モノマーの含量が一般式(1)1〜50、(2)2
    0〜70、(3)0〜30、(4)5〜40(各モル
    %)であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフ
    ィルター用樹脂組成物。 【化2】 【化3】 【化4】 (一般式(2)、(3)、(4)においてR1は水素原
    子又はメチル基を表わし、R2は炭素数1〜5のアルキ
    ル基を表わし、R3は炭素数1〜8のアルキレン基を表
    わし、nは1〜5の整数である。)
  4. 【請求項4】 DMFを溶媒としてGPC分析で測定し
    たポリエチレンオキシド換算のランダム共重合体の重量
    平均分子量が2,000〜30,000である請求項1
    乃至3に記載のカラーフィルター用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のカラーフィルター用樹
    脂組成物を使用して製造されるカラーフィルター。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のカラーフィルターを使
    用して製造される液晶表示素子。
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