JP4126793B2 - カラーフィルター用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示素子、カラー固体撮像素子などにおいて用いられるカラーフィルターを製造するためのカラーフィルター用樹脂組成物、それを用いたカラーフィルターおよび液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルター用樹脂組成物としては、従来重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム等の6価クロム化合物を光架橋剤としてゼラチン、グルー等の天然高分子からなる樹脂組成物が知られている。この樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥し、次いでストライプ状またはモザイク状のパターンを介して紫外線で露光し、現像することにより無色の透明パターンを基板上に形成する。この無色の透明パターンを染料を含有する染色溶液に浸漬して染色する。次に染料をタンニン酸で固着化するか、ないしは染色パターン上に樹脂等で保護膜を形成することによって混色を防止する。以上の工程を一色毎に繰り返すことにより、カラーフィルターを製造することができる。
【0003】
上記カラーフィルター形成法は色純度が良好で、解像度も優れたカラーフィルターを与えるが、一方、製造工程が複雑であり、また染料を用いているので耐熱性、耐光性、耐湿性に問題があった。これらの欠点を改良すべく、感光性樹脂組成物に顔料を分散したカラーフィルター用樹脂組成物が報告されている。例えば特開平1−152449号公報、特開平4−164902号公報に提案されている多官能アクリレートモノマーと特定の光重合開始剤を含むカラーフィルター用樹脂組成物は、着色剤に顔料を使用しているので耐熱性、耐光性、耐湿性が向上している。
【0004】
しかしながら、これらのカラーフィルター用樹脂組成物は、基板への接着性がわるいため、現像時に剥離や欠損が生じやすいという欠点があった。接着性を高めるためにシランカップリング剤で基板を処理する、あるいは接着性の高いOH基含有ポリマーを添加する等の対策をとると、現像時に基板上の除去されるべき部分にスカムが残りやすい。尚、本明細書では「スカム」という語は、現像時に基板上の除去されるべき部分に残った微細な樹脂状物、あるいは薄い膜状物の意味で用いることとする。このスカムを除去するために現像液の濃度を高める、現像時間を長くする、現像液に界面活性剤を添加する、あるいは組成を変更して接着性を低下させる等の対策をとると、微細パターンの剥離が起き、カラーフィルター製造時の歩留まり低下の原因になっていた。また、特開平7−140654号公報に提案されている、マクロモノマーを含む共重合体を使用した組成物は、密着性に優れスカムも少ないが、マクロモノマーの分子鎖長が長いため、パターンエッジ断面の形状がなめらかさに欠け、さらに形状の安定性も悪いという問題があった。
【0005】
ここでパターンエッジ断面の形状について説明しておく。断面形状は大別すると好ましい断面形状、並びに好ましくない断面形状として、立ちすぎた断面形状及び寝過ぎた断面形状がある。
好ましい断面形状とは本願発明が目標とする断面形状であって図1で示された形状のものを言う。
また、好ましくない例として、立ちすぎた断面形状を図2に、寝すぎた断面形状を図3に示した。
パターンエッジ断面の形状は、液晶ディスプレイの特性や製造時の歩留まりに大きく影響する。パターンエッジが立ちすぎていると、ITOの断線が起きて歩留まりが低下したり、急斜面部分のラビングむらにより液晶ディスプレイ全体にむらが発生する。また、パターンエッジが寝すぎていると、テーパー部分がブラックマトリックスからはみ出てしまい、色純度が低下する。したがってパターンエッジ断面の形状は、上記の図1で示された好ましい断面形状が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、接着性を高めるとスカムが生じやすく、スカムを除去しようとすると剥離が起きるというジレンマを解決すること、及びパターンエッジ断面の好ましい形状のカラーフィルターを得る事が本発明の課題である。
【0007】
【課題を解決する手段】
すなはち本発明は、以下の構成を取ることにより上述した課題を解決したのである。
【0008】
[1] (A)下記一般式(1)で表わされる化合物の1種または2種以上と、他のビニルモノマーとを共重合して得られるランダム共重合体、(B)感放射線性化合物、(C)着色剤、を含むカラーフィルター用樹脂組成物。
【化5】
(1)
(一般式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは0〜5の整数である。)
【0009】
[2] 共重合体中の式(1)で示される化合物の含量が1〜80モル%である[1]項に記載のカラーフィルター用樹脂組成物。
【0010】
[3] 他のモノマーが下記一般式(2)、(3)、(4)で表わされる化合物であり、共重合体中の各モノマーの含量が一般式(1)1〜50、(2)20〜70、(3)0〜30、(4)5〜40(各モル%)であることを特徴とする[1]項に記載のカラーフィルター用樹脂組成物。
【化6】
【化7】
【化8】
(一般式(2)、(3)、(4)においてR1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、R3は炭素数1〜8のアルキレン基を表わし、nは1〜5の整数である。)
【0011】
[4] DMFを溶媒としてGPC分析で測定したポリエチレンオキシド換算のランダム共重合体の重量平均分子量が2,000〜30,000である[1]乃至[3]項に記載のカラーフィルター用樹脂組成物。
[5] [1]項に記載のカラーフィルター用樹脂組成物を使用して製造されるカラーフィルター。
[6] [5]項に記載のカラーフィルターを使用して製造される液晶表示素子。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明で「放射線」という語は、可視光線、紫外線、エックス線、電子線等を含む概念として用いる。
本発明で用いられる、(A)一般式(1)で表わされる化合物の1種または2種以上を有効成分として重合して得られるランダム共重合体は、テトラヒドロフルフリルアルコールまたは置換基のついたテトラヒドロフルフリルアルコールの水酸基をε−カプロラクトンと付加反応させ、それとアクリル酸、あるいはメタクリル酸とを脱水反応によりエステル化して得られたアクリル系化合物をモノマーとし、後述する他の不飽和結合を持つ化合物をコモノマーとしてランダム共重合することで得ることができる。一般式(1)で表わされる化合物としては、n=1の場合がパターンエッジ形状を適正にする効果が大きく、最も好ましい。n=1の化合物として、日本化薬(株)製KAYARAD TC−110Sが市販されているので、これを使用してもよい。
【0013】
一般式(1)で表わされる化合物と共重合する不飽和結合を持つモノマーとしては、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、(メタ)アクリル酸モルホリノエチル、(メタ)アクリル酸トリメチルシロキシエチル、
【0014】
大阪有機化学(株)製ビスコート#193、ビスコート#320、ビスコート#2311HP、ビスコート#220、ビスコート#2000、ビスコート#2100、ビスコート#2150、ビスコート#2180、ビスコート3F、ビスコート3FM、ビスコート4F、ビスコート4FM、ビスコート6FM、ビスコート8F、ビスコート8FM、ビスコート17F、ビスコート17FM、ビスコートMTG、東亜合成(株)製M−101、M−102、M−110、M−113、M−117、M−120、M−5300、M−5600、M−5700、TO−850、TO−851、TO−1248、TO−1249、TO−1301、TO−1317、TO−1315、TO−981、TO−1215、TO−1316、TO−1322、TO−1342、TO−1340、TO−1225、等の(メタ)アクリル酸エステル類や、シクロへキセン−3,4−ジカルボン酸−(2−モノメタクリロイルオキシ)エチル、3−シクロヘキセニルメチルメタクリレート、2−テロラヒドロフタルイミドエチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、4−アクリロイルモルホリン、等をあげることができる。特に(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、3−シクロヘキセニルメチルメタクリレートが好ましい。
【0015】
他のモノマーとして、一層好ましい具体例として、前記一般式(2)、(3)、(4)で示される化合物を挙げることが出来、ランダム共重合体の具体例として、共重合体中の各モノマーの含量が一般式(1)1〜50、(2)20〜70、(3)0〜30、(4)5〜40(各モル%)である共重合体を挙げることができる。
【0016】
重合方法は、溶液中でのラジカル重合が好適である。即ち、ラジカル触媒を用いたランダム共重合である。ラジカル共重合はブロック共重合、グラフト共重合に比較して工業的に実施するのが容易であり、且つ、その必要性もないからである。また、ランダム共重合体は、他の樹脂との相溶性や溶媒への溶解性に優れるため、本発明の目的を達するためには好ましい。重合溶媒は、生成するポリマーを溶解するものであれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド等が好ましい。特にメタノール、酢酸エチル、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。もちろん2種以上の混合溶媒でもよい。
【0017】
重合は通常モノマー濃度5〜50重量%、ラジカル発生剤0.01〜5重量%、反応温度50〜160℃、反応時間3〜12時間で行う。分子量を調節するためにチオグリコール酸等の連鎖移動剤を加えてもよい。反応終了液は、そのままカラーフィルター用樹脂組成物として使用するか、あるいは大量の非溶媒中に投入して生成した沈殿を乾燥し、オリゴマーや、未反応モノマーを除去してもよい。重合液を大量の非溶媒中に投入してポリマーを精製する場合は、メタノールと酢酸エチルの混合液中で重合し、非溶媒としてシクロヘキサンあるいは酢酸エチル−シクロヘキサン混液を使用すると、乾燥性が良好で好ましい。
【0018】
このようにして得られたランダム共重合体中の、一般式(1)で示される化合物の含有量は、1〜80モル%が好ましい。1〜40モル%であればより一層好ましく、3〜20モル%であればより更に好ましい。ランダム共重合体中における一般式(1)で示される化合物の含有量が1モル%以下では、現像時に剥離が起きやすく好ましくない。逆に80モル%以上では、スカムが発生しやすく好ましくない。
ランダム共重合体の分子量は特に限定されないが、DMFを溶媒としたGPCによる分析で、ポリエチレンオキシド換算の分子量が、1,000〜200,000の範囲が好ましい。特に2,000〜30,000の範囲がより一層好ましい。分子量が1,000未満では膜の強度が弱く、現像時の膜荒れ、パターンの剥離が起きやすい。200,000を超えると、スカムが発生しやすくなり、また、パターンエッジの形状がギザギザになる等の問題も発生する。
【0019】
本発明で用いられる(B)感放射線性化合物としては、放射線の照射によりラジカルを発生する光ラジカル発生剤、ラジカルの発生を促進する増感剤、発生したラジカルと反応する重合性モノマー、放射線の照射によりナイトレンを生成するアジド化合物をあげることができる。光ラジカル発生剤や増感剤は一般式(1)で表わされるランダム共重合体とは直接反応しないため、重合性モノマーとの併用が必須である。
【0020】
光ラジカル発生剤や増感剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4´−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、カンファーキノン、ベンズアントロン、
【0021】
2−メチル−1− [4−(メチルチオ)フェニル ]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,5,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,5−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3,4−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4´−トリ(t−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4´−トリ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4´−トリ(t−オクチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3,4´−トリ(t−クミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−メトキシ−2´,4´−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−メトキシ−2´,4´−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−メトキシ−2´,4´−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−エトキシ−2´,4´−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
【0022】
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸エチルエステル、2,4−ジクロルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2´−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4´−メトキシフェニル)−s−トリアジン等をあげることができる。もちろん2種以上を混合して用いることも有効である。
【0023】
なかでも4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチル−1− [4−(メチルチオ)フェニル ]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンが好ましい。特に4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンを組み合わせて使用した場合、あるいは4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンと2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1を組み合わせて使用した場合、あるいは4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンと2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1と2−メチル−1− [4−(メチルチオ)フェニル ]−2−モルホリノプロパン−1−オンを組み合わせて使用した場合に感度が高く、樹脂との相溶性が高く、保存安定性が高く、パターンエッジ形状も良好で、非常に好ましい。
【0024】
光ラジカル発生剤や増感剤の混合割合は、本発明で使用されるランダム共重合体に対し、1〜40重量%が好ましい。混合割合が1重量%以下ではカラーフィルターの製造に必要な実用的感度が得られない。40重量%以上ではスカムが増加したり、パターンエッジの形状が立ちすぎたり、色濃度が低下して所定の色を達成するための膜厚が厚くなったりというような不具合が生じ、好ましくない。
【0025】
光ラジカル発生剤や増感剤と併用される光重合性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ポリエチレングリコールジアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート等の多官能モノマーをあげることができる。
【0026】
もちろん2種以上のモノマーを混合して使用することもできる。なかでもペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが感度が高く好ましい。特にジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートは耐スパッタ性も良好でよりいっそう好ましい。
【0027】
また、パターンエッジの形状をコントロールするために、ポリエチレングリコールジアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、日本化薬(株)製KAYARAD TC−110S、同KAYARAD R−712、同KAYARAD R−551、同KAYARAD R−684等の単官能モノマー、2官能モノマーを光重合性モノマー全体の2重量%〜40重量%の範囲で使用することも有効である。光重合性モノマーの混合割合は、請求項1に記載のランダム共重合体に対し、20重量%〜200重量%が好ましい。混合割合が20重量%以下ではカラーフィルターの製造に必要な実用的感度が得られない。200重量%以上では乾燥後でも塗膜表面がべとついて、ごみの付着等で歩留まりが低下したり、色濃度が低下して所定の色を達成するための膜厚が厚くなったりというような不具合が生じ、好ましくない。
【0028】
放射線の照射によりナイトレンを生成するアジド化合物の具体例としては、4,4´−ジアジドカルコン、4,4´−ジアジドスチルベン−2,2´−ジスルホン酸ナトリウム、4,4´−ジアジドジフェニルメタン、2,6−ビス(4´−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4´−ジアジドスチルベン−2,2´−ビス(ヒドロキシプロピルスルホンアミド)、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−ブチルシクロヘキサノン等のアジド化合物を挙げることができる。
【0029】
アジド化合物はランダム共重合体中の感光基と反応するので、感放射線性化合物としてアジド化合物を使用する場合は、光ラジカル発生剤、光重合性モノマーの併用は必要ない。しかし、本発明で使用される共重合体中にアジド化合物と反応するシクロヘキセン環やピロリドン環を導入する必要がある。導入方法は特に限定しないが、シクロヘキセン環やピロリドン環を持った(メタ)アクリレートやビニルピロリドン等と一般式(1)で表わされる化合物を共重合するのが最も簡単な方法である。
【0030】
アジド化合物の混合割合は、本発明で使用されるランダム共重合体に対し2重量%〜30重量%が好ましい。混合割合が2重量%以下では、カラーフィルターの製造に必要な実用的感度が得られない。30重量%以上ではアジド化合物の着色が顕著になり、色純度が低下して好ましくない。
【0031】
本発明で用いられる(C)着色剤としては、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、ポリメチン染料、金属錯塩染料、ビスアゾ染料、トリスアゾ染料、硫化染料、インジゴイド染料等の合成染料や、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、55、83、93、109、110、137、139、150、153、154、166、168、173、C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、C.I.ピグメントレッド9、97、122、123、149、176、177、180、215、254、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:6、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン28、C.I.ピグメントブラック1、7等の有機顔料をあげることができる。なかでも耐熱性、耐光性の面から有機顔料が好ましい。
【0032】
さらに、C.I.ピグメントレッド177、254、C.I.ピグメントイエロー139,150、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー15、15:6が色純度と透過率の面から特に好ましい。これらの着色剤の混合割合は、本発明で使用されるコポリマーに対し、5〜200重量部が好適である。着色剤がこの範囲よりも少ないと、目的の色度を達成するためにパターンの膜厚が厚くなり好ましくない。逆にこの範囲よりも多いとスカムが発生したりパターン断面形状が立ちすぎて好ましくない。
【0033】
本発明のカラーフィルター用樹脂組成物は、(C)着色剤をあらかじめ溶媒に分散あるいは溶解しておき、これに(A)一般式(1)で表わされる化合物の1種または2種以上を有効成分として重合して得られるランダム共重合体と(B)感放射線化合物を溶媒に溶解したものをゆっくり滴下し、攪拌混合することで得ることができる。
【0034】
使用する溶媒は、(A)、(B)成分を溶解するものであれば特に制限はないが、エタノール、2−プロパノール、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド等が好適である。
【0035】
なかでもプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、トルエンが塗布時の膜厚の均一性の面からよりいっそう好ましい。もちろん2種以上の混合溶媒として使用することもできる。(A)、(B)、(C)成分の他に、顔料分散剤、シランカップリング剤、レベリング剤、界面活性剤等を添加するのも本発明のカラーフィルター用樹脂組成物の各種特性を向上させるのに有効である。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0036】
【実施例】
実施例1
メタノール167g、酢酸エチル333g、ベンジルメタクリレート130g、日本化薬(株)製KAYARAD TC−110S30g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸20g、アゾビスイソブチロニトリル1g、チオグリコール酸3gを混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥して138gのポリマーを得た。このポリマーはベンジルメタクリレート56モル%、TC−110S8モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13モル%、メタクリル酸23モル%からなるランダム共重合体であった。DMFを溶媒としたGPC分析で測定した重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準として7,000であった。この共重合体の赤外線吸収スペクトルを図4に示した。
【0037】
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.30gに上記ポリマー0.46g、東亜合成(株)製M−400 0.46g、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.046g、3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンの25%トルエン溶液0.182g、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−300 0.002gを加えて混合攪拌し、ポリマー溶液を得た。
【0038】
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20gにゼネカ(株)製ソルスパーズ5gを溶解し、C.I.ピグメントレッド254を12gとC.I.ピグメントイエロー139を3g加えて3本ロールミルで混練した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60gと直径0.5mmのジルコニアビーズ400gを加えてサンドミルで20hr攪拌した。この液を孔径1μmのテフロン製メンブレンフィルターでろ過して赤色分散液95gを得た。
赤色分散液2gに上記ポリマー溶液の全量を攪拌しながらゆっくり滴下して、赤色カラーフィルター用樹脂組成物を得た。
【0039】
この赤色カラーフィルター用樹脂組成物をガラス基板上に900rpmで5秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で1分間乾燥した。このときの膜厚は1.36μmであった。この基板をウシオ(株)製UI−501C超高圧水銀灯で20μmのストライプパターンのマスクを介して、空気中、ギャップ100μmで露光した。露光量はウシオ(株)製積算光量計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定して100mj/cm2であった。露光後のガラス基板を、純水5000gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナトリウム2.5gを溶解した現像液でシャワー現像30秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は15秒であった。純水のシャワーでリンスした後、200℃で10分間ポストベイクを行った。ポストベイク後の膜厚は1.29μmであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を観察したところ、形状は適正であり、ガラス基板とパターンの境目は直線であった。パターン以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0040】
比較例1
メタノール142g、酢酸エチル283g、ベンジルメタクリレート130g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸20g、アゾビスイソブチロニトリル0.85g、チオグリコール酸2.55gを混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥して115gのポリマーを得た。このポリマーはベンジルメタクリレート59モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16モル%、メタクリル酸25モル%からなるランダム共重合体であった。DMFを溶媒としてGPC分析で測定した重量平均分子量はポリエチレンオキシドを標準として、7,000であった。
このポリマーを使用して実施例1と同様に赤色カラーフィルター用樹脂組成物を調整し、実施例1と同様の評価を行った。
塗布乾燥後の膜厚は1.33μm、ストライプパターンが出現するまでの時間は45秒であり、現像時間は90秒とした。ポストベイク後の膜厚は1.26μmであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を観察したところ、形状は立ちすぎであり、ガラス基板とパターンの境目がギザギザであり、一部ガラス基板と剥離してめくれ上がった部分も見られた。パターン以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0041】
実施例2
メタノール167g、酢酸エチル333g、ベンジルメタクリレート130g、日本化薬(株)製KAYARAD TC−110S20g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸30g、アゾビスイソブチロニトリル1g、チオグリコール酸3gを混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥して148gのポリマーを得た。このポリマーはベンジルメタクリレート55モル%、TC−110S5モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12モル%、メタクリル酸28モル%からなるランダム共重合体であった。DMFを溶媒としたGPC分析で測定した重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準として6,000であった。
【0042】
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.13gに上記ポリマー0.40g、東亜合成(株)製M−400 0.384g、東亜合成(株)製M−5400 0.096g、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.048g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア907 0.048g、3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンの25%トルエン溶液0.192g、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−300 0.002gを加えて混合攪拌し、ポリマー溶液を得た。
【0043】
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20gにゼネカ(株)製ソルスパーズ5gを溶解し、C.I.ピグメントブルー15:6を20g加えて3本ロールミルで混練した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65gと直径0.5mmのジルコニアビーズ400gを加えてサンドミルで20hr攪拌した。この液を孔径1μmのテフロン製メンブレンフィルターでろ過して青色分散液94gを得た。
青色分散液2gに上記ポリマー溶液の全量を攪拌しながらゆっくり滴下して、青色カラーフィルター用樹脂組成物を得た。
【0044】
この青色カラーフィルター用樹脂組成物をガラス基板上に950rpmで5秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で1分間乾燥した。このときの膜厚は1.33μmであった。この基板をウシオ(株)製UI−501C超高圧水銀灯で20μmのストライプパターンのマスクを介して、空気中、ギャップ100μmで露光した。露光量はウシオ(株)製積算光量計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定して100mj/cm2であった。露光後のガラス基板を、純水5000gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナトリウム2.5gを溶解した現像液でシャワー現像70秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は35秒であった。純水のシャワーでリンスした後、200℃で10分間ポストベイクを行った。ポストベイク後の膜厚は1.26μmであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を観察したところ、形状は適正であり、ガラス基板とパターンの境目はわずかにギザギザであった。パターン以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0045】
比較例2
メタノール150g、酢酸エチル300g、ベンジルメタクリレート130g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸30g、アゾビスイソブチロニトリル0.90g、チオグリコール酸2.70gを混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥して133gのポリマーを得た。このポリマーはベンジルメタクリレート53モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14モル%、メタクリル酸33モル%からなるランダム共重合体であった。DMFを溶媒としてGPC分析で測定した重量平均分子量はポリエチレンオキシドを標準として、7,000であった。
【0046】
このポリマーを使用して実施例2と同様に青色カラーフィルター用樹脂組成物を調整し、実施例2と同様の評価を行った。
塗布乾燥後の膜厚は1.30μm、ストライプパターンが出現するまでの時間は60秒であり、現像時間は120秒とした。ポストベイク後の膜厚は1.21μmであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を観察したところ、形状は立ちすぎであり、ガラス基板とパターンの境目がギザギザであり、一部ガラス基板と剥離してめくれ上がった部分も見られた。パターン以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0047】
実施例3
メタノール167g、酢酸エチル333g、ベンジルメタクリレート120g、日本化薬(株)製KAYARAD TC−110S50g、メタクリル酸30g、アゾビスイソブチロニトリル1g、チオグリコール酸3gを混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥して128gのポリマーを得た。このポリマーはベンジルメタクリレート52モル%、TC−110S14モル%、メタクリル酸34モル%からなるランダム共重合体であった。DMFを溶媒としたGPC分析で測定した重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準として7,000であった。
【0048】
シクロヘキサノン3.38gに上記ポリマー0.35g、東亜合成(株)製M−400 0.336g、日本化薬(株)製KAYARAD PEG400DA 0.084g、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.021g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア369 0.042g、3,4,4´−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンの25%トルエン溶液0.168g、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−300 0.002gを加えて混合攪拌し、ポリマー溶液を得た。
【0049】
シクロヘキサノン20gにゼネカ(株)製ソルスパーズ5gを溶解し、C.I.ピグメントグリーン36を12.6gとC.I.ピグメントイエロー150を5.4g加えて3本ロールミルで混練した後、シクロヘキサノン57gと直径0.5mmのジルコニアビーズ400gを加えてサンドミルで20hr攪拌した。この液を孔径1μmのテフロン製メンブレンフィルターでろ過して緑色分散液92gを得た。
緑色分散液3.25gに上記ポリマー溶液の全量を攪拌しながらゆっくり滴下して、緑色カラーフィルター用樹脂組成物を得た。
【0050】
この緑色カラーフィルター用樹脂組成物をガラス基板上に850rpmで5秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で1分間乾燥した。このときの膜厚は1.35μmであった。この基板をウシオ(株)製UI−501C超高圧水銀灯で20μmのストライプパターンのマスクを介して、空気中、ギャップ100μmで露光した。露光量はウシオ(株)製積算光量計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定して100mj/cm2であった。露光後のガラス基板を、純水5000gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナトリウム2.5gを溶解した現像液でシャワー現像30秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は15秒であった。純水のシャワーでリンスした後、200℃で10分間ポストベイクを行った。ポストベイク後の膜厚は1.26μmであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を観察したところ、形状は適正であり、ガラス基板とパターンの境目はわずかにギザギザであった。パターン以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0051】
比較例3
メタノール125g、酢酸エチル250g、ベンジルメタクリレート120g、メタクリル酸30g、アゾビスイソブチロニトリル0.75g、チオグリコール酸2.25gを混合攪拌し、65℃で6hr重合した。重合液にシクロヘキサン3000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で20hr真空乾燥して105gのポリマーを得た。このポリマーはベンジルメタクリレート62モル%、メタクリル酸38モル%からなるランダム共重合体であった。GPC分析で測定した重量平均分子量はポリエチレンオキシドを標準として、8,000であった。
このポリマーを使用して実施例3と同様に緑色カラーフィルター用樹脂組成物を調整し、実施例3と同様の評価を行った。
塗布乾燥後の膜厚は1.37μm、ストライプパターンが出現するまでの時間は25秒であり、現像時間は50秒とした。ポストベイク後の膜厚は1.30μmであった。走査型電子顕微鏡でパターンエッジ断面形状を観察したところ、形状が立ちすぎであり、ガラス基板とパターンの境目がギザギザであり、半分程度がガラス基板と剥離してめくれ上がって逆テーパーとなっていた。パターン以外のガラス基板上にはスカムは見られなかった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、パターンエッジ断面形状が適正で、接着性が良好かつスカムもないため、カラー液晶表示素子製造における歩留まりが向上し、コストの低減に効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】好ましいパターンエッジの断面形状を図示したものである。
【図2】立ちすぎたパターンエッジの断面形状を図示したものである。
【図3】寝すぎたパターンエッジの断面形状を図示したものである。
【図4】本発明の実施例1で使用したランダム共重合体のIRスペクトルである。
Claims (6)
- 共重合体中の式(1)で示される化合物の含量が1〜80モル%である請求項1に記載のカラーフィルター用樹脂組成物。
- DMFを溶媒としてGPC分析で測定したポリエチレンオキシド換算のランダム共重合体の重量平均分子量が2,000〜30,000である請求項1乃至3に記載のカラーフィルター用樹脂組成物。
- 請求項1に記載のカラーフィルター用樹脂組成物を使用して製造されるカラーフィルター。
- 請求項5に記載のカラーフィルターを使用して製造される液晶表示素子。
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