JP3208858B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

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JP3208858B2
JP3208858B2 JP22010592A JP22010592A JP3208858B2 JP 3208858 B2 JP3208858 B2 JP 3208858B2 JP 22010592 A JP22010592 A JP 22010592A JP 22010592 A JP22010592 A JP 22010592A JP 3208858 B2 JP3208858 B2 JP 3208858B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体撮像素子や液晶表示
素子をカラー化する為に使用されるカラーフィルタの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタは、一般にレリーフ染色
法と呼ばれる方法で製造されている。この方法は染色可
能な感光性樹脂で所望の形状のレリーフパターンを形成
した後染色して着色層とする工程を必要な色数だけ繰り
返してカラーフィルタを製造する方法である。
【0003】この方法では、染色可能な樹脂に感光性を
持たせていることから、微細なパターンの形成が容易で
あり、また着色材として染料を使用しており透明でシャ
ープな分光特性を有する。さらに非常に多くの染料が利
用出来、分光特性の設計の自由度もきわめて大きく、実
用性に優れた方法と言える。
【0004】レリーフ染色法に用いられる染色可能な感
光性樹脂としては、従来から、ゼラチン、カゼイン、フ
ィッシュグルーなどの天然タンパクの水溶液に重クロム
酸塩を添加して感光性を付与したものが用いられてい
る。また、合成高分子化合物からなる高感度で安定性に
優れた染色可能な感光性樹脂では、特開昭62−127
735号公報、特開昭62−194203号公報、特開
平3−100602号公報などでその例が報告されてい
る。
【0005】これらの合成の染色性を有する感光性樹脂
はアクリル系のモノマーからなる共重合化合物が一般に
用いられており、アミノ基や4級アンモニウム基を有す
るモノマーを共重合することで染色性を付与すると同時
に、感光性を付与するために共重合モノマーに光架橋成
分を使用したり、光架橋剤としてビスアジド化合物やジ
アゾ化合物を添加するのが一般的である。
【0006】近年、固体撮像素子はそのチップサイズが
1/2インチから1/3インチへと小型化されてきてお
り、それにともなって1画素のサイズも小型化し各画素
ごとに設けられたフォトダイオードの面積も小さくなっ
てきている。この為、フォトダイオードへの入射光量が
減少し感度低下が問題となっている。
【0007】そこで、各画素の非感度領域に入射する光
をフォトダイオードに集光して感度アップを図る目的で
カラーフィルタの各画素上にレンズ(これを一般にマイ
クロレンズアレイと呼ぶ)を形成することが一般的とな
っている。
【0008】この様なマイクロレンズアレイを形成して
感度アップを行う際には、レンズの形状やレンズからフ
ォトダイオードまでの距離を各画素で均一にすることが
集光効果の均一性の面から重要である。従って、カラー
フィルタ表面の高い平滑性が求められ、特に各色間の凹
凸を無くす事が求められる。また、レンズ特性の面から
は、カラーフィルタはできるだけ薄いほうが望ましい。
【0009】一方、液晶ディスプレイ用のカラーフィル
タでは、カラーフィルタの色間の厚みに差が生じると、
そのまま液晶層の厚みの違いとなる。この液晶層の厚み
は液晶層を通過する光の旋光度を左右することから、コ
ントラストの低下やディスプレイの着色の原因となる。
従って、液晶層の厚みを均一に維持する為には、カラフ
ィルタには色間に段差のない、平滑性に優れたものが必
要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】カラーフィルタをレリ
ーフ染色法で形成する場合には、各色の分光特性を満た
すために染色前のレリーフパターンの厚み、染色液の染
料濃度、温度、pH、染色時間等のコントロールが行わ
れる。しかしながら、レリーフパターンを形成する感光
性樹脂の染色性には限界があることから、各色毎に最適
な膜厚を設定しなければ、染色条件の調整のみで分光特
性を満たすことは出来ない。従って、各色毎に膜厚が異
なることとなり、カラーフィルタは色毎に膜厚が異なり
表面の平滑性が得られない。
【0011】このようなカラーフィルタを固体撮像素子
に使用し、その上にマイクロレンズアレイを形成した場
合にはマイクロレンズからフォトダイオードまでの距離
が異なる事から集光効果が色毎に異なり感度のばらつき
が生じる原因となる。
【0012】そこで、マイクロレンズアレイを形成する
前のカラーフィルタ表面を平滑にする為に、凹部に透明
な樹脂を充填して平滑性を向上することが必要となり、
透明な感光性樹脂で凹部にパターンを形成して充填する
方法や、段差の平滑化に優れたコーティング材を全面に
塗布して平滑性を向上させる方法が用いられている。ま
た、液晶ディスプレイ用として使用する場合にも、カラ
ーフィルタの色間の段差が液晶層の厚みの差の原因とな
ることから、同様の方法で凹凸を緩和することが必要と
なっている。
【0013】しかしながら、透明な感光性樹脂で凹部に
パターンを形成して充填する方法では着色層形成後にさ
らにパターン形成を行う為に工程が複雑となり、収率低
下、製造コスト増を招く結果となってしまう。一方、コ
ーティング材を全面に塗布して平滑性を向上させる方法
では、現在実用可能な材料では充分な平滑性を得る為に
は膜厚を厚くしなければならずカラーフィルタの膜厚が
厚くなってマイクロレンズアレイの集光効果が十分でな
くなる、一回の塗布では塗布厚が厚く膜厚の均一性が低
下してしまうため、十分な膜厚の均一性を得るためには
薄膜で複数回の塗布が必要となる等の問題が生じてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、各色の染色
層の膜厚が等しくならない原因が、染色性を有する感光
性樹脂が有する染色性を発現する官能基の量が一定であ
るのに対し、染料がこの官能基に結合する能力が染料に
より異なること、さらに、色によって必要な分光特性を
得る為に必要な染料の量が異なることから必要な染料の
量に対応して感光性樹脂の膜厚を変えて染色性を発現す
る官能基の量を変えているという事実に着目した。そし
て、色に応じて染色性を発現する官能基の量を変えれば
一定膜厚で各色の分光特性を満足できることに着眼し、
本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明は、感光性樹脂で形成し
た微細なレリーフパターンを染色して着色する工程を必
要な色数だけ繰り返すカラーフィルタの製造方法におい
て、レリーフパターンを形成する感光性樹脂が、共重合
成分に染色性を発現する官能基を含む染色性を有する感
光性樹脂と、前記共重合成分から染色性を発現する官能
基を除いた染色性を有しない感光性樹脂との混合物であ
り、染色する色に応じてその混合比率を変化させ染色後
の各色の着色層の膜厚を等しくすることを特徴とするカ
ラーフィルタの製造方法である。
【0016】染色性を有しない樹脂として感光性樹脂を
使用することで染色性を有する感光性樹脂と染色性を有
しない感光性樹脂を任意の比率で混合しても同一の条件
でパターンを形成することを可能にし、各色の着色層の
膜厚を等しくすることを可能にした。
【0017】さらに言えば、染色性を有する感光性樹脂
が、共重合成分の少なくとも一つが官能基として3級ア
ミノ基もしくは4級アンモニウム基を有するアクリルモ
ノマーである共重合体からなる感光性樹脂であり、染色
性を有しない感光性樹脂が染色性を有する感光性樹脂か
ら官能基として3級アミノ基、4級アンモニウム基を有
するアクリルモノマーを除いた共重合体からなる感光性
樹脂でその他の共重合成分が同一の感光性樹脂である請
求項1記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0018】上記の感光性樹脂を使用すれば、感度、解
像度等の感光性樹脂としての特性が実用レベルであると
ともに、十分な染色性を有していること、可視光領域
(400〜700nm)で着色が無いことなどの特性が
容易に満足できる。さらに、感光性樹脂の安定性やN
a、Clなどの、不純物が少ないこと等の優れた特性が
実現できる。
【0019】また、更に言えば、染色性を有する感光性
樹脂が、(化1)と(化2)と(化3)の化合物を共重
合成分として有する共重合体にビスアジド化合物を添加
してなる感光性樹脂であり、染色性を有しない感光性樹
脂が(化1)と(化2)の化合物を共重合成分として有
する共重合体にビスアジド化合物を添加してなる感光性
樹脂である請求項1記載のカラーフィルタの製造方法、
あるいは、染色性を有する感光性樹脂が(化1)と(化
3)と(化4)の化合物を共重合成分として有する共重
合体にビスアジド化合物を添加してなる感光性樹脂であ
り、染色性を有しない感光性樹脂が、(化1)と(化
4)の化合物を共重合成分として有する共重合体にビス
アジド化合物を添加してなる感光性樹脂である請求項1
記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0020】具体的な本発明のカラーフィルタの製造方
法は、感光性樹脂で形成した微細なレリーフパターンを
染色して着色する工程を必要な色数だけ繰り返す、いわ
ゆるレリーフ染色法によるカラーフィルタの製造方法に
おいて、レリーフパターンの形成に使用する染色が可能
な感光性樹脂として、染色性を有する感光性樹脂と染色
性を有しない感光性樹脂の混合物を用いるものである。
【0021】染色性を有する感光性樹脂としては、感
度、解像度等の感光性樹脂としての特性が実用レベルで
あるとともに、十分な染色性を有していること、可視光
領域(400〜700nm)で着色が無いことなどの特
性が求められる。さらに、感光性樹脂の安定性やNa、
Clなどの不純物が少ないこと等を考慮してアクリル系
のモノマーからなる共重合物が用いられる。
【0022】アクリル系の共重合物に染色性を付与する
為にはアミノ基や4級アンモニウム基を有するモノマー
を共重合成分の一つとして使用する。このようなアミノ
基や4級アンモニウム基を有するモノマーとしては、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルビニル
エーテル、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリル
アミドのp−トルエンスルホン酸メチル塩、N,N−ジ
メチルアミノプロピルメタクリルアミドのジメチル硫酸
塩、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
のメチルクロライド塩等が挙げられる。これらのモノマ
ーは十分な染色性を得るために、20乃至60重量部添
加することが必要である。
【0023】感光性を付与するためには紫外線の照射で
光架橋が可能なモノマーとして、メタクロイロキシカル
コン、p−シンナモイルオキシスチレン、β−シンナモ
イルオキシエチルビニルエーテル、β−シンナモイルオ
キシエチルアクリレートなどを共重合する。あるいは、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、N−ビ
ニルピロリドンなどを共重合し、4、4’−ジアジドス
チルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム、4、
4’−ジアジドカルコン、2、2’ビス(N−ヒドロキ
シプロピルスルファモイル)−4,4’−ジアジドスチ
ルベンなどのビスアジド化合物や、ジアゾ樹脂を添加す
る。
【0024】これらの感光性を付与するモノマーは、十
分な感度を得るためには全モノマーの15乃至50重量
%添加する。また、ビスアジド化合物を使用する場合に
は共重合体に対して3乃至20重量%添加することが望
ましい。
【0025】また、染色時の膜荒れや剥がれを防止する
ために熱架橋性のモノマーを共重合することが有効であ
り、具体的には、N−メトキシメチルアクリルアミド、
N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメ
チルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルア
ミドなどのN−アルコキシメチルアクリルアミド、N−
アルコキシメチルメタクリルアミドを30乃至60重量
%共重合する。さらに親水性や密着性等を改善する為に
必要に応じてメチルメタクリレートなどのアクリル酸エ
ステル、メタアクリル酸エステルを共重合することも有
効である。
【0026】これらのモノマーは常法に従って、アゾビ
スイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルを重合開始剤
に用いてラジカル重合法によって共重合することが可能
である。この共重合体は単独でも染色性を有する感光性
樹脂であり、レリーフ染色法によるカラフィルタの製造
に用いる事ができる。
【0027】しかしながら、このままでは使用する染料
によって染色性が異なる事から各色の膜厚を等しくする
ことは不可能である。そこで、各色ごとにレリーフパタ
ーンの染色性を変えることで各色の膜厚を等しくするた
めに染色性を調節する目的で染色性を有しない感光性樹
脂を添加する。
【0028】上記のような、染色性を有する感光性樹脂
の染色性を調節するために使用する感光性樹脂として
は、染色性を有する感光性樹脂と任意の割合で混合した
場合に同一の現像条件でパターニング出来ることが、染
色する色によって現像条件を変更することなくパターニ
ングするために重要である。その為には上記染色性を有
する感光性樹脂から染色性を付与するモノマーであるア
ミノ基や4級アンモニウム基を有するモノマーを除きそ
の他は同一成分からなる共重合体を使用する。
【0029】この2種の共重合体を染色する色に応じて
混合し、共重合体自体が感光性を有する場合にはそのま
ま使用する。また、共重合体自体が感光性を有せず、光
架橋剤を添加して感光性を付与して使用する場合には、
4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸ナトリウム、4,4’−ジアジドカルコン、2,2’
ビス(N−ヒドロキシプロピルスルファモイル)−4,
4’−ジアジドスチルベン、などのビスアジド化合物や
ジアゾ樹脂を共重合体に対し3乃至20重量%添加す
る。共重合体の混合比率は染色後の膜厚が各色で等しく
なるように予め混合比率を変えて染色性を測定しその結
果に基づいて決定する。
【0030】本発明において、共重合体はジオキサン、
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ト
ルエン、キシレン等の共重合体をよく溶解する溶剤に溶
解して、スピンコート、ロールコート等の方法で基板に
塗布することが出来る。これらの溶剤は単独で使用して
も2種以上を混合して用いてもよい。また、その使用量
は塗布方法に従って適当な粘度となるように用いること
が好ましい。
【0031】感光性樹脂液を基板に塗布した後、ホット
プレートやオーブンで溶剤を乾燥する。乾燥条件は使用
する溶剤の種類および感光性樹脂の熱安定性によって決
められるが一般的には50℃乃至90℃で5乃至120
分乾燥する。次に感光性樹脂を塗布した基板に所望のフ
ィルターパターンのフォトマスクを介して紫外線を照射
し、現像してレリーフパターンを形成する。現像には、
水、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの
アルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が
用いられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良
い。
【0032】次いで、レリーフパターンをアニオン性染
料にて染色する。アニオン性染料としては酸性染料、直
接染料、反応性染料などが挙げられるが、特に酸性染料
が好ましい。酸性染料としては、C.I.AcidYe
llow17、同49、同67、同72、同127、同
110、C.I.AcidRed37、同50、同11
1、同114、同257、266、C.I.AcidB
lue 41、同83、同90、同113、同129、
C.I.AcidGreen 25、同41、C.I.
AcidViolet97、同27、同28、同48等
が挙げられる。これらを用いて染色する方法としては、
染料濃度0.1乃至5%の弱アルカリ性乃至酸性水溶液
を室温乃至100℃にして浸漬すれば良い。染色温度は
高温の方が短時間で染色でき、通常は50乃至70℃で
1乃至20分程度で染色出来る。このようにして染色を
行った後水洗し乾燥して着色パターンが得られる。
【0033】次いで、透明な樹脂を全面に塗布し乾燥し
て防染層とし、次の色パターンの形成の際の混色を防止
する。あるいは、染色後にタンニン酸や多価フェノール
等の水溶液に浸漬し、ついで吐酒石水溶液に浸漬するこ
とで防染処理を行うことも可能である。この方法を用い
れば防染層は不要である。
【0034】以上の手順を必要な色数だけ繰り返して、
最後に透明な樹脂で保護層を形成してカラーフィルタが
得られる。
【0035】
【作用】本発明では、レリーフパターンを形成する感光
性樹脂として、染色性を有する感光性樹脂と染色性を有
しない感光性樹脂の混合物を用いる。そして、染色する
色に応じて染色性を有する感光性樹脂と染色性を有しな
い感光性樹脂の混合比率を変化させレリーフパターンが
有する染色性を発現する官能基の割合を変化させる。
【0036】この様にして、染色性の高い染料や染色濃
度が低い分光特性の色に対しては、レリーフパターンの
染色性を低くし、逆に染色性の低い染料や染色濃度が高
い分光特性の色に対してはレリーフパターンの染色性を
高くする。その結果、各色の着色層の染色後の膜厚を等
しくすることが可能となる。
【0037】
【実施例】
(実施例1) (A)感光性樹脂の合成 テトラヒドロフルフリルメタクリレート17g、ジメチ
ルアミノプロピルメタクリルアミドのp−トルエンスル
ホン酸メチル塩38g、N−メトキシメチルアクリルア
ミド45gをメチルセロソルブ400gを溶媒とし、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.5gを重合開始剤として
添加し、窒素気流下60℃で4時間撹拌して染色性を有
する共重合体(1)を得た。
【0038】次に、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート40g、N−メトキシメチルアクリルアミド60g
をメチルセロソルブ400gを溶媒とし、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.5gを重合開始剤として添加し、窒
素気流下60℃で4時間撹拌して染色性を有しない共重
合体(2)を得た。
【0039】次いで共重合体(1)、(2)を任意の比
率で混合し、樹脂固形分が10重量%となるようにメチ
ルセロソルブで希釈し、さらに樹脂分に対して7重量%
の2,2’ビス(N−ヒドロキシプロピルスルファモイ
ル)−4,4’−ジアジドスチルベンを添加して感光液
とした。
【0040】(B)共重合体(1)、(2)の混合比率
の決定 本感光液をガラス基板に1μmの厚さに塗布し、クリー
ンオーブンで60℃で1時間プリベークした後、露光・
現像して残膜感度を測定した。現像液にはエタノール7
0重量%2−プロパノール30重量%の混合溶剤を使用
し現像時間は60秒とした。
【0041】本条件にて、共重合体(1)と(2)の混
合比率を共重合体(1)0重量%から100重量%まで
変化させた感光液の残膜感度曲線は図1のようになっ
た。露光量による残膜率の変化は共重合体(1)と
(2)の配合比率にかかわらずほぼ一致しており、同一
の露光現像条件でパターニングが可能であった。また、
いずれの配合比率でも2μmのライン&スペースパター
ンが解像し、実用上十分な解像度が得られた。
【0042】次いで、ホットプレートにて185℃5分
間ポストベークしたのち、シアン、マゼンタ、イエロー
の各染色液にて染色した。必要な分光特性を満足できた
染色後の膜厚と共重合体(1)と(2)の混合比率は図
2に示すような結果になった。各色の染色液組成、染色
条件は以下に示す通りである。
【0043】シアン ;ラナゾールブルー8G(チバガ
イギー(株)製) 0.5%水溶液 60℃ 5分間浸漬 マゼンタ;カヤノールミーリングレッド3BW(日本化
薬(株)製) 0.5%水溶液 60℃ 5分間浸漬 イエロー;スプラノールファーストイエロー4G(バイ
エル(株)製) 0.5%水溶液 60℃ 5分間浸漬
【0044】図2より、共重合体(1)と(2)の混合
比率はシアン、マゼンタ、イエローそれぞれ共重合体
(1)を65重量%、13重量%、70重量%とするこ
とで染色後の膜厚が0.45μmの着色パターンが形成
できることが判る。
【0045】(C)固体撮像素子用カラーフィルタの製
造 受光部7と電荷転送部6が形成されている固体撮像素子
の形成されたシリコンウエハーに、透明感光製樹脂FV
R(富士薬品(株)製アクリル系感光性樹脂)を塗布
し、60℃で1時間プリベークし(クリーンオーブン使
用)たのち、100mJ/cm2 のパターン露光を行
い、メチルエチルケトン90重量%、IPA10重量%
の混合溶剤で現像しメチルイソブチルケトンでリンスし
てボンディングパッド部(図示せず)、電荷転送回路
(図示せず)等の凹部を充填して下地平滑化層5として
平滑化した。
【0046】次に共重合体(1)13重量%、共重合体
(2)87重量%の混合比率の感光性樹脂液を塗布し6
0℃で60分間クリーンオーブンにてプリベークしたの
ちマゼンタパターンのフォトマスクを介して30mJ/
cm2 のパターン露光を行い、エタノール70重量%2
−プロパノール30重量%の混合溶剤を使用し60秒間
現像した。
【0047】次いで、ホットプレートにて185℃5分
間ポストベークし、マゼンタ染色液に浸漬してマゼンタ
染色パターンを形成しマゼンタ着色層1とした。次い
で、透明感光製樹脂FVRを塗布し、プリベーク、露
光、現像し中間層4である防染層を形成した。
【0048】次いで、同様の手順を繰り返して、シアン
染色パターン、イエロー染色パターンを順次形成し、各
々シアン着色層2、イエロー着色層3とした。シアン、
イエローのパターン形成には共重合体(1)、(2)の
混合比率をそれぞれ65重量%対35重量%、70重量
%対30重量%とした以外はマゼンタと同一の条件で行
った。
【0049】最後にFVRにて中間層4であるオーバー
コート層を形成してカラーフィルタを得た。得られたカ
ラーフィルタは、図3に示したような断面形状でありマ
ゼンタ、シアン、イエローの各染色層の厚みが0.45
μmであり、最終的なカラーフィルタの表面の凹凸は
0.05μm以下と平滑性に優れた固体撮像素子用カラ
ーフィルタが得られた。
【0050】(実施例2)2−ヒドロキシエチルメタク
リレート15g、ジメチルアミノプロピルメタクリルア
ミドのメチルクロライド塩30g、N−ブトキシメチル
アクリルアミド40g、メチルメタクリレート15gを
エチルセロソルブ400gを溶媒とし、実施例1と同様
にして染色性を有する共重合体(3)を得た。
【0051】次に、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト22g、N−ブトキシメチルアクリルアミド56g、
メチルメタクリレート22gをエチルセロソルブ400
gを溶媒とし、実施例1と同様にして染色性を有しない
共重合体(4)を得た。
【0052】次いで共重合体(3)、(4)を任意の比
率で混合し、樹脂固形分が10重量%となるようにエチ
ルセロソルブで希釈し、さらに樹脂分に対して5重量%
の4,4’ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸ナトリウムを添加して感光液とした。
【0053】本感光液をガラス基板に1μmの厚さに塗
布し、クリーンオーブンで60℃で1時間プリベークし
た後、露光・現像して残膜感度を測定した。現像液には
エタノール50重量%2−プロパノール50重量%の混
合溶剤を使用し現像時間は60秒とした。
【0054】本条件にて、共重合体(3)と(4)の混
合比率を共重合体(3)0重量%から100重量%まで
変化させた感光液は、同一の露光現像条件でパターニン
グが可能であった。
【0055】金属クロムにてブラックストライプパター
ンを形成したガラス基板に、共重合体(3)のみの感光
性樹脂液を塗布し60℃で60分間クリーンオーブンに
てプリベークしたのちグリーンパターンのフォトマスク
を介して30mJ/cm2 のパターン露光を行い、エタ
ノール70重量%2−プロパノール30重量%の混合溶
剤を使用し60秒間現像した。
【0056】次いで、ホットプレートにて185℃5分
間ポストベークし、グリーン染色液に浸漬してグリーン
染色パターンを形成した。グリーン染色液には、グリー
ン1P(日本化薬(株)製、カラーフィルタ用染料)
0.1%水溶液を使用し、65℃で10分間染色した。
染色後のグリーンパターンの膜厚は、1.8μmであっ
た。
【0057】次いで、ナイロンフィックスTH(センカ
(株)製固着液)2%水溶液に60℃で1分間浸漬した
のち水洗、ホットプレートにて185℃5分間ベークし
て染料を固着した。
【0058】次いで、同様の手順を繰り返して、レッド
染色パターン、ブルー染色パターンを順次形成した。レ
ッド、ブルーのパターン形成には共重合体(3)、
(4)の混合比率をそれぞれ90重量%対10重量%、
40重量%対60重量%とした以外はマゼンタと同一の
条件で行った。
【0059】また、レッド染色液にはレッド14P(日
本化薬(株)製カラーフィルタ用染料)の0.1%水溶
液を、ブルー染色液にはブルー1P(日本化薬(株)製
カラーフィルタ用染料)の0.1%水溶液を使用し、レ
ッドは65℃5分間、ブルーは65℃3分間染色した。
【0060】最後にFVRにてオーバーコート層を形成
してカラーフィルタを得た。得られたカラーフィルタ
は、グリーン、レッド、ブルーの各染色層の厚みが1.
8μmであり、最終的なカラーフィルタの表面の凹凸は
0.05μm以下と平滑性に優れた液晶ディスプレイ用
カラーフィルタが得られた。
【0061】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタの製造方法によ
れば、染色して着色層を形成するレリーフパターンを染
色性を染色性を有する感光製樹脂と染色性を有しない感
光製樹脂の混合物で形成することで、染色する色に応じ
てレリーフパターンの染色性を調節する事が可能とな
る。
【0062】その結果、各色の着色層を同一の膜厚とす
る事が可能となり、平滑化層を形成するなどの特別の方
法を用いる事なく表面の平滑製に優れたカラーフィルタ
の製造が可能となった。
【0063】この結果、固体撮像素子用のカラーフィル
タに本発明のカラーフィルタの製造方法を適用した場合
には、カラーフィルタ上に形成したマイクロレンズアレ
イの集光特性が色によらず均一となり、色むらのない優
れたカラー固体撮像素子が実現できた。
【0064】また、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
に適用した結果、色毎の液晶層の厚みを均一にすること
が容易となり、液晶層の厚みの違いに起因するディスプ
レイの着色現象が解消できた。
【0065】また、本発明のカラーフィルタの製造方法
では、染色性を有する感光製樹脂と染色性を有しない感
光製樹脂の混合物として、染色性を有する感光性樹脂
が、共重合成分の少なくとも一つが官能基として3級ア
ミノ基もしくは4級アンモニウム基を有するアクリルモ
ノマーである共重合体からなる感光性樹脂で、染色性を
有しない感光性樹脂が染色性を有する感光性樹脂から官
能基として3級アミノ基、4級アンモニウム基を有する
アクリルモノマーを除いた共重合体からなる感光性樹脂
でその他の共重合成分が染色性を有する感光性樹脂と同
一の感光性樹脂の混合物を用いた結果、任意の比率で混
合しても同一の露光、現像条件でレリーフパターンの形
成が可能となり、染色する色によらず一定のパターン形
成条件で平滑性にすぐれたカラーフィルタの製造が可能
となった。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】共重合体(1)と(2)の混合比率を変化させ
た感光性樹脂の感度特性を示す残膜感度曲線である。
【図2】共重合体(1)と(2)の混合比率と、染色パ
ターンの染色後の膜厚の相関曲線である。
【図3】実施例1に記載の固体撮像素子上に形成したカ
ラーフィルタの断面図である。
【図4】従来のカラーフィルタの製造方法に従って固体
撮像素子上に形成したカラーフィルタの断面図である。
【符号の説明】
1 マゼンタ着色層 2 シアン着色層 3 イエロー着色層 4 中間層 5 下地平滑化層 6 電荷転送部 7 受光部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/20 101 G03C 1/675 G03F 7/004 505 G03F 7/027 502 G03F 7/027 503

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光性樹脂で形成した微細なレリーフパタ
    ーンを染色して着色する工程を必要な色数だけ繰り返す
    カラーフィルタの製造方法において、レリーフパターン
    を形成する感光性樹脂が、共重合成分に染色性を発現す
    る官能基を含む染色性を有する感光性樹脂と、前記共重
    合成分から染色性を発現する官能基を除いた染色性を有
    しない感光性樹脂との混合物であり、染色する色に応じ
    てその混合比率を変化させ染色後の各色の着色層の膜厚
    を等しくすることを特徴とするカラーフィルタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】染色性を有する感光性樹脂が、共重合成分
    の少なくとも一つが官能基として3級アミノ基もしくは
    4級アンモニウム基を有するアクリルモノマーである共
    重合体からなる感光性樹脂であり、染色性を有しない感
    光性樹脂が染色性を有する感光性樹脂から官能基として
    3級アミノ基、4級アンモニウム基を有するアクリルモ
    ノマーを除いた共重合体からなる感光性樹脂でその他の
    共重合成分が同一の感光性樹脂である請求項1記載のカ
    ラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】染色性を有する感光性樹脂が、 【化1】 と 【化2】 と 【化3】 の化合物を共重合成分として有する共重合体にビスアジ
    ド化合物を添加してなる感光性樹脂であり、染色性を有
    しない感光性樹脂が(化1)と(化2)の化合物を共重
    合成分として有する共重合体にビスアジド化合物を添加
    してなる感光性樹脂である請求項1記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  4. 【請求項4】染色性を有する感光性樹脂が(化1)と
    (化3)と 【化4】 の化合物を共重合成分として有する共重合体にビスアジ
    ド化合物を添加してなる感光性樹脂であり、染色性を有
    しない感光性樹脂が、(化1)と(化4)の化合物を共
    重合成分として有する共重合体にビスアジド化合物を添
    加してなる感光性樹脂である請求項1記載のカラーフィ
    ルタの製造方法。
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