JP2000180520A - 磁界センサ - Google Patents
磁界センサInfo
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Abstract
て、小型化・低コスト化とともに、ノイズの影響を極め
て小さくできるようにすることを最も主要な特徴とす
る。 【解決手段】たとえば、開ループオペアンプOPを増幅
器とする位相シフト型発振回路の、その帰還回路に伝送
線路素子11を挿入して、磁界センサを構成する。この
磁界センサでは、オペアンプOPの出力を、伝送線路素
子11を介して、該オペアンプOPの入力にフィードバ
ックさせることにより、外部磁界Hext.の強さに依存す
る発振周波数fcの変化を、センサ出力(OUT )として
取り出す。これにより、外来ノイズの影響を受け難く、
しかも、極めて簡素な構成によって、外部磁界Hext.を
より正確に検出することが可能となる。
Description
た磁界センサに関するもので、特に、周波数変調(変
化)型に分類される磁界センサに関するものである。
査、自動車用ナビゲーションシステム(たとえば、方位
センサ型)、および、生体磁気計測などのさまざまな分
野で磁界センサが使用されている。
線形磁気特性を利用したフラックスゲート型や磁気マル
チバイブレータ型が多く用いられていた。また、最近で
は、磁性体を用いた磁気センサとして、磁性体の、表皮
効果による高周波抵抗が外部磁界によって変化すること
を利用した磁気インピーダンス効果型、あるいは、外部
磁界による高周波透磁率の変化を検知する高周波キャリ
ア型が開発されている。
な例としてはホール素子がある。また、医療診断の最先
端技術として、SQUID(Super conducting QUantun
Interference Device)磁束計を脳磁図診断装置に用い
る試みも実用化されつつある。
応用磁気学会、電気学会、日本生体磁気学会などにおい
て、活発に研究・発表されている。
限界、コスト、あるいは、具体的な応用技術との整合性
を鑑みて、適宜、利用されている。特に、民生用途の場
合には、低コスト化、小型化、高感度化を併せて満足さ
せる必要がある。
形磁気特性を利用する方式は、磁性体それ自身を高周波
大振幅で励磁する必要があり、鉄損や銅損の問題のた
め、高周波化には限界があった。また、センサとしての
消費電力も大きいという重大な欠点があった。
ア型の磁界センサは、それ自身に通電された高周波電流
による小振幅励磁が利用されるので、高周波化による小
型化と高感度化の両立が可能であり、同時に、消費電力
も小さくできる。
界センサは、いずれの場合も外部磁界を電圧に変換する
方式が主流であり、たとえ、磁気インピーダンス効果型
や高周波キャリア型の磁界センサであっても、センサ部
以外の、周辺のアナログ電子回路の規模が大きくなる欠
点があり、また、磁界検出限界を決めるノイズの影響を
受けやすい。
果型の磁界センサ(センサ回路)の一構成例を示すもの
である。
発振部101、フィルタ部102、バッファ部103、
センサ部104、検出部105、アンプ部106、およ
び、負帰還抵抗107により構成されている。
y Metal Oxide Semiconductor)インバータと水晶振動
子とを有して構成される、パルス発振回路である。
らのパルス繰り返し波形の中から基本周波数成分を取り
出すための、LCフィルタである。
の磁界素子MIに、上記フィルタ部102からの基本周
波数成分に応じた正弦波高周波電流を供給するためのド
ライバアンプからなっている。
ンピーダンスよりも十分に大きい抵抗(この場合、30
Ω)を有し、上記ドライバアンプによって該磁界素子M
Iが定電流駆動されるように構成されている。磁界素子
MIは、その両端部に、外部磁界の印加によるインピー
ダンスの変化に比例した電圧を発生するようになってい
る。
アモルファス磁性線が用いられている。
ンデンサにより直流分がカットされた、上記磁界素子M
Iによる発生電圧の、正の半周期と負の半周期とを、そ
れぞれ、ダイオードによる検波および平滑化により直流
電圧に変換するものである。
り、一方の入力端には、上記磁界素子MIによる発生電
圧の、正の半周期の振幅に比例する直流電圧が、他方の
入力端には、負の半周期の振幅に比例する直流電圧が、
それぞれ供給されるようになっている。
とき、差動増幅器の出力が零になるように調整しておく
ことにより、外部磁界が印加されると片方の入力電圧の
みが変化し、その変化に応じた電圧出力(OUT )を発生
するようになっている。
巻回されたコイルに直流電流(コイル電流)を流すため
の電流値調整用の素子である。この場合、コイル電流に
よって発生する直流磁界は外部磁界と同じ方向であり、
磁界と電圧出力との線形性や感度を増大させるためのバ
イアスとして使用されるようになっている。
グ出力を発生するものであるため、センサ部104以外
の、周辺のアナログ電子回路の規模が大きい。また、実
際の装置では、磁界センサはマイクロプロセッサなどと
組み合わされてシステム化される場合が多く、たとえ
ば、磁界に比例した電圧出力(OUT )をA/D変換器に
よりディジタル量に変換した後、マイクロプロセッサに
よる演算処理(ディジタル処理)を行って、処理の結果
を表示したり、各種の制御などに利用されることにな
る。
響を受け難いアナログ電子回路を実現するための最良の
方法は、周波数帯域幅を狭くすれば良い。しかし、この
方法では、高速に変化する磁界を検出することは困難で
ある。
を考えると、磁界センサのアナログ出力(電圧出力(OU
T ))には周辺のアナログ電子回路のノイズに加えて、
量子化ノイズまでもが含まれることになる。
サの多くはアナログ出力であるため、ノイズの影響を受
けやすく、また、周辺のアナログ電子回路の規模が大き
いため、システム化した際には、システム全体としての
小型化、低コスト化が困難であるなど、解決すべき課題
が多いのが実状であった。
においては、磁性体を利用した磁界センサはノイズの影
響を受けやすく、システム化した際には、システム全体
としての小型化、低コスト化が困難であるなどの問題が
あった。
子回路で周辺回路を構成でき、小型化・低コスト化とと
もに、ノイズの影響をも極めて小さくすることが可能な
磁界センサを提供することを目的としている。
めに、この発明の磁界センサにあっては、位相シフト型
発振回路の帰還回路に、導体層、誘電体層、および、磁
性体層からなる伝送線路素子を挿入してなる構成とされ
ている。
力を、外部磁界の強さに比例した周波数の変化として検
出できるようになる。これにより、周辺回路を含めた、
全体構成を極めて単純化することが可能となるものであ
る。
いて図面を参照して説明する。 (第一の実施形態)図1は、本発明の第一の実施形態に
かかる磁界センサ(センサ回路)の概略構成を示すもの
である。なお、同図(a)は回路構成図であり、同図
(b)は特性図である。
示すように、開ループオペアンプ(演算増幅器)OPを
増幅器とする位相シフト型発振回路の、その帰還回路
に、伝送線路素子(詳細については後述する)11を挿
入してなる構成とされている。
入力端は接地電位に接続されている。また、オペアンプ
OPの反転(−)入力端は抵抗Rfを介して接地電位に
接続されるとともに、該オペアンプOPの出力端が上記
伝送線路素子11を介してフィードバック接続されて、
位相シフト型発振回路が構成されている。
は、たとえば図1(b)に示すように、外部磁界Hext.
の強さに依存する発振周波数fcの変化・変調を、セン
サ出力(OUT )として検出するようになっている。
伝送線路素子11の概略構成を示すものである。なお、
同図(a)は平面図であり、同図(b)はIIb−IIb線
に沿う断面の拡大図である。
方形状を有する2つの軟磁性金属層(磁性体層)11a
の上下に、それぞれ、誘電体層11b,11bを介し
て、渦巻き状の平面パターンを有する導体層としての導
体ライン(スパイラルコイル)11c,11cが共通に
配設された積層構造を有して構成されている。
タクト部(点c)12にて相互に接続されるとともに、
上下の導体ライン11c,11cの一端は交流電源13
を介して接地され、他端は抵抗RL を介して接地されて
いる。
3μm厚のCo系アモルファス膜(金属材料を用いた、
軟磁性薄帯あるいは軟磁性薄膜)により構成されるとと
もに、接地電位とされている。
向に一軸性の磁気異方性が付与されている。そして、そ
の磁化容易軸14が、上記導体ライン11c,11cの
長手方向に対して略平行とされている。
ば、約3μm厚のポリイミド膜が用いられている。
えば、略長方形状を有する約10μm厚のCuにより構
成され、発振周波数fcに一致する周波数の交流磁界
が、上記軟磁性金属層11aの短手方向(図示矢印1
5)に加えられるように配置されている。
は、約3.65×10.10mmである。また、この伝
送線路素子11の、外部磁界Hext.が零のときの、線路
長Lcが定在波波長の1/4になる周波数(無磁界時の
1/4波長同調周波数)fcoは略50MHzであった。
11を、位相シフト型発振回路の帰還回路に用いた場
合、磁界センサのセンサ出力として、外部磁界Hext.に
よる軟磁性金属層11aの透磁率の変化にともなう、伝
送線路素子11の伝送特性(利得,位相)の変化に応じ
た、位相シフト型発振回路の発振周波数fcを取り出す
ことが可能となる(図1(b)参照)。
するための基礎となる、伝送線路素子の基本構造につい
て説明する。
型発振回路の帰還回路に用いられる伝送線路素子の基本
構造を示すものである。
伝送線路素子11A,11Bは、磁性体層11a’と誘
電体層11b’とを交互に積み重ねた積層構造を有し、
その上下端の各誘電体層11b’,11b’の表面に、
導体層11c’,11c’がそれぞれ設けられてなる構
成とされている。
する軟磁性薄帯あるいは軟磁性薄膜からなり、かつ、そ
の長手方向に一軸性の磁気異方性が付与されている。ま
た、上記磁性体層11a’は、その磁化容易軸が、上記
導体層11c’の長手方向に対して略平行とされてい
る。
形状の平面パターンを有して形成され、位相シフト型発
振回路の発振周波数に一致する周波数の交流磁界が、上
記磁性体層11a’の短手方向に加えられるように配置
されている。
(a)に示すように、上下の導体層11c’,11c’
の一端は交流電源13を介して、また、他端は抵抗RL
を介して、それぞれ接続されている。
用いた場合には、その金属からなる磁性体層11a’が
浮遊電位となるようにしているため、1層当たりの誘電
体層11b’による静電容量が直列に接続された形で、
伝送線路素子11Aの分布容量が決まる。
えば同図(b)に示すように、上下の導体層11c’,
11c’の相互が接続され、その一端は交流電源13を
介して、また、他端は抵抗RL を介して、それぞれ接地
されている。
用いた場合には、上下の導体層11c’,11c’に最
も近い磁性体層11a’,11a’のそれぞれが接地電
位となるようにしているため、上下の導体層11c’,
11c’に最も近い磁性体層11a’,11a’による
静電容量によって、伝送線路素子11Bの分布容量が決
まる。
送線路素子11Aに比べて非常に大きくなるため、たと
えば、伝送線路素子11A,11Bの分布インダクタン
スが同程度の場合には、磁性体層11a’を接地した方
が、線路の定在波波長の短縮効果が期待でき、素子を小
型化する上では都合が良い。
は、この伝送線路素子11Bの基本構造にもとづいて作
製されたものである。
型発振回路の帰還回路に用いられる伝送線路素子の他の
基本構造を示すものである。
層21aの周囲を誘電体層21bによって覆うような構
造を有し、その誘電体層21bの上面および下面には磁
性体層21cがそれぞれ設けられている。
されるとともに、上記導体層21aの一端は交流電源2
3を介して、また、他端は抵抗ZL を介して、それぞれ
接地されている。
体21aの、上下の誘電体層21bによる静電容量が並
列に接続された形となっている。
用いられる伝送線路素子11の基本構造としては、上記
した伝送線路素子11A,11B,21以外にも多様な
素子構造が考えられ、作製の容易さ、コスト、性能など
を鑑みて、適宜、適当なものを選択するのが良い。
しては、長方形状の平面パターンに限らず、たとえば、
正方形状、長円形状などの平面パターン、あるいは、渦
巻き状の平面パターン、または、つづら折れ状の平面パ
ターンを有して形成するようにしても良い。
説明する。図5は、磁界センサの基本原理を説明するた
めに示す、帰還増幅回路(位相シフト型発振回路)の概
略構成図である。
路32とを有し、増幅器31の出力Vout を、帰還回路
32を介して、増幅器31の入力Vinにフィードバック
するように構成されている。
後掲する数1の式(1)のように表される。
回路32の帰還率Bを、それぞれ、後掲する数2の式
(2),(3)のように置けば、後掲する数3の式
(4),(5)のとき、この帰還増幅回路は発振する。
で増幅器31の出力Vout の位相をシフトし、上記式
(4)の位相条件と上記式(5)の利得条件とを満足さ
せることによって発振を持続させるものであり、帰還回
路32にはCR回路を用いるのが一般的となっている。
ープ利得と呼んでいる。
回路に磁性体を含んだ伝送線路素子を用い、外部磁界に
よって磁性体の透磁率が変化すると、伝送線路素子の伝
送特性(利得、位相)が変わり、それに応じて、位相シ
フト型発振回路の発振周波数が変化することを利用し
て、外部磁界の強さに依存した発振周波数の変化をセン
サ出力として取り出すようにしている。よって、磁界の
強さに比例した電圧をアナログ出力する従来型の磁界セ
ンサに比べ、耐ノイズ性に優れるのは言うまでもない。
に持つ位相シフト型発振回路のみであるので、部品点数
が少なく、センサシステムとしての小型化、低コスト
化、および、信頼性の向上が期待できる。
に用いられる伝送線路素子(たとえば、図3参照)を、
線路長Lcの分布定数線路として表現したものである。
スZc、および、抵抗RL で終端させた場合の電圧利得
Gvと入力インピーダンスZinは、それぞれ、後掲する
数4の式(6),(7),(8),(9)のように表さ
れる。
ダクタンス、Goは分布コンダクタンス、Coは分布容
量である。また、上記式(6)におけるαは減衰定数、
βは位相定数である。
ンスGoが小さく、線路損出が無視できる場合、線路長
Lcが定在波波長の1/4になる周波数(1/4波長同
調周波数)fcにおける電圧利得Gv,1/4 および入力
インピーダンスZin,1/4 は、それぞれ、後掲する数5
の式(10),(11)のように表される。
電圧に対してπ/2(rad)だけ遅れることになる
(θB =−π/2)。
数6の式(12)のように表される。
なる周波数(1/2波長同調周波数)2fcにおける電
圧利得Gv,1/2 および入力インピーダンスZin,1/2
は、後掲する数7の式(13),(14)のように表さ
れる。
電圧に対してπ(rad)だけ遅れることになる(θB
=π/2)。
を、位相シフト型発振回路の帰還回路に用いた場合の、
発振のための位相条件を示したものである。
にするためには、増幅器31の位相遅れθA をπ/2
(rad)にすれば良い。また、発振周波数を、1/2
波長同調周波数2fcにするためには、増幅器31の位
相遅れθA を零にすれば良い。
相φの、周波数特性の典型的な場合を示すものである。
同調時の周波数fcの近傍では位相の変化が急峻である
のに対し、1/2波長同調時の周波数2fcの近傍では
位相の変化は緩やかである。したがって、位相シフト型
発振回路の発振周波数の安定性という観点からは、発振
周波数として、1/4波長同調周波数fcを選択した方
が良いといえる。
ext.による磁性体層の透磁率の変化によって分布インダ
クタンスLoが変化し、発振周波数(1/4波長同調周
波数fc)が外部磁界Hext.に応じて変化することにも
とづいている。
回路の発振周波数との関係について詳細に説明する。
えば、図2に示した軟磁性金属層11a)としては、反
磁界効果を小さくすることと、高周波損失の抑制の利点
から、専ら、軟磁性合金薄帯あるいは軟磁性合金薄膜が
用いられている。これらは、既に確立された製造方法に
よって容易に作製することができる。たとえば、軟磁性
アモルファス合金薄帯の作製には溶湯急冷法が、また、
軟磁性合金薄膜の作製には真空蒸着法やスパッタ法など
が用いられる。
層は、正方形状あるいは長方形状に加工される場合が多
い。
層の構成を概略的に示すものである。
方形状を有する磁性体層33において、一軸磁気異方性
が長手(長さ)方向に誘導され、その実質的な異方性磁
界をHkiとする。また、磁性体層33の短手(幅)方向
に交流磁界Hacが加えられると仮定する。
(たとえば、図2の導体ライン11c)を流れる交流電
流Iによって発生するもので、所望の交流磁界Hacを得
るためには、磁性体層33の長手方向と導体ラインとが
略平行になるように、素子を構成すれば良い。
手方向に外部磁界Hext.を加えたとすると、短手方向の
透磁率μwは、後掲する数8の式(15),(16)の
ように近似できる。
短手方向および長手方向の反磁界係数、Isは飽和磁
化、Hoは磁性体層33の長手方向に加わる有効磁界、
μoは磁性材料の透磁率、ID は有効磁界Hoのときの
長手方向の磁化の大きさであり、有効磁界Hoが増大す
ると長手方向の磁化の大きさID は飽和して飽和磁化I
sとなる。
3の長手方向に外部磁界Hext.が加わると、短手方向の
透磁率μwが低下していく。
振周波数を、伝送線路素子の1/4波長同調周波数fc
に一致させるような構成の場合、該1/4波長同調周波
数fcは、後掲する数9の式(17)のようになる。
性体層33の短手方向の透磁率μwとの間の比例定数
(導体層の形状や磁性体層の寸法などに依存する)、f
coは外部磁界Hext.が零の場合の発振周波数、Lcは線
路長であり、Xは、後掲する数10の式(18)によっ
て与えられる。
振回路の発振周波数との関係を示すものである。
領域は、磁性体層33の長手方向の反磁界が外部磁界H
ext.によって増大(ID →Is)するために、有効磁界
Hoが小さいことによる。
sに飽和すれば、外部磁界Hext.の増分はそのまま有効
磁界Hoの増分として寄与するので、発振周波数fcは
大きく変化する。
の反磁界を小さくするための磁性体層33の薄層化、ア
スペクト比(D/W)の増大が有効である。
いて、センサシステムを構築した場合の例を示すもので
ある。
ンサの正弦波出力をコンパレータ(場合によっては、ヒ
ステリシス・コンパレータを用いる)44によって繰り
返しパルスに変換し、そのパルスを周波数カウンタ(2
進カウンタ)45によって計数したデータをCPU46
に取り込むように構成されている。
プOPを用いた磁界センサ(図1(a)参照)の場合、
開ループゲインの遮断周波数よりも十分に高い周波数で
は、該オペアンプOPの位相遅れθB は略π/2である
ため、発振周波数fcは伝送線路素子11の1/4波長
同調周波数fcに略一致することになる。
ダンスが抵抗Rfよりも十分に大きく、かつ、出力イン
ピーダンスが伝送線路素子11の入力インピーダンスZ
inよりも十分に小さければ、帰還ゲインBoは、後掲す
る数11の式(19)によって与えられる。
で、持続発振条件を満足するためのアンプゲインAoは
高い必要はない。
線路素子11の入力インピーダンスZinが特性インピー
ダンスZcよりも低くなるので、オペアンプOPのドラ
イブ能力が限界に至る場合があるため、適宜、適正値を
選択する。
する数12の式(20)の関係が成り立つ。
部磁界Hext.を加えたときの発振周波数をfcとすれ
ば、fc2 −fco2 は外部磁界Hext.に直に比例すると
いうことであり、この式(20)による演算を行うこと
によって、演算結果と測定磁界との線形化が可能である
ことを意味する。
カウンタ45で計数したデータをもとに、上記式(2
0)による演算を行うことにより、外部磁界の正確な検
出が容易に可能となる。
振周波数の変化にもとづいた、いわゆる周波数変調方式
により外部磁界を検出するようにしている。このため、
外来ノイズなどの影響を受け難く、しかも、伝送線路素
子を用いた位相シフト型発振回路のみにより構成できる
ので、周辺のアナログ電子回路の規模が小さくて済み、
システム化する際にも、極めて単純な構成により実現で
き、小型化、低コスト化が容易であるとともに、信頼性
の大幅な向上が期待できるものである。
る振幅変調方式によって外部磁界を検出するものであっ
たため、周辺のアナログ電子回路の規模が大きくて、ノ
イズにも弱いという弱点があった。これに対し、本発明
の磁界センサによれば、周辺回路を最小限のアナログ電
子回路で構成でき、外来ノイズによる影響も極めて小さ
くできる。
の強さに比例した周波数の変化として検出できるように
している。
する位相シフト型発振回路の、その帰還回路に伝送線路
素子を挿入し、外部磁界の強さに依存した周波数の変化
をセンサ出力として取り出すようにしている。これによ
り、最小限のアナログ回路で周辺回路を構成でき、外来
ノイズに対しても、その影響の少ない、周波数変調型の
磁界センサを構成できる。したがって、周辺回路を含め
た、全体構成を極めて単純化することが可能となり、セ
ンサシステムとしてのコストの大幅な削減などが期待で
きるものである。
(fc2 −fco2 )と外部磁界との関係は線形であり、
その比例定数は無磁界時の発振周波数fcoの自乗に関係
するので、伝送線路素子の小型化による1/4波長同調
周波数の高周波化はセンサ感度の劇的な向上につなが
る。
おいては、開ループオペアンプを増幅器とする位相シフ
ト型発振回路に適用した場合を例に説明したが、これに
限らず、たとえばFET(演算増幅器)による反転増幅
器を用いた位相シフト型発振回路にも同様に適用でき
る。 (第二の実施形態)図11は、本発明の第二の実施形態
にかかる磁界センサ(センサ回路)として、位相シフト
型発振回路の増幅器に、FETからなる反転増幅器を用
いた場合の例を示すものである。
子11’の1/2波長同調周波数2fc付近で発振する
ように構成されている。
不安定であるものの、前述の図1に示した磁界センサ
(第一の実施形態)の場合と同様に、外部磁界は周波数
によって変調される。
発振回路としては、上述の開ループオペアンプや反転増
幅器(FET)を用いる場合に限らず、たとえば、バイ
ポーラトランジスタを用いる方法、あるいは、オペアン
プにマイナーループ(負帰還)を有して増幅器ゲインと
位相遅れとを調整する方法など、各種の方法を用いて構
成することができる。
ンサをシステム化する際において、周波数カウンタで発
振周波数を計測するようにした場合、カウンタのサンプ
リング時間が磁界検出の精度を決めることになるため、
直流から低周波(発振周波数よりも十分に低い周波数)
までの磁界検出を精度良く行うことができる。
場合には、たとえば、復調回路によって、周波数変調さ
れた高周波磁界信号を振幅変調することにより、精度良
く検出できるようになる。
おいて、種々変形実施可能なことは勿論である。
ば、最小限のアナログ電子回路で周辺回路を構成でき、
小型化・低コスト化とともに、ノイズの影響をも極めて
小さくすることが可能な磁界センサを提供できる。
サの一構成例を示す概略図。
の概略を示す構成図。
斜視図。
示す斜視図。
帰還増幅回路の概略構成図。
示す回路構成図。
素子の電圧利得Gvと位相φとの関係を説明するために
示す特性図。
明するために示す斜視図。
との関係を説明するために示す特性図。
サの他の構成例を示す概略図。
す、磁界センサの概略構成図。
Claims (14)
- 【請求項1】 位相シフト型発振回路の帰還回路に、導
体層、誘電体層、および、磁性体層からなる伝送線路素
子を挿入したことを特徴とする磁界センサ。 - 【請求項2】 前記位相シフト型発振回路は増幅器を有
し、該増幅器が、開ループ演算増幅器を用いて構成され
ることを特徴とする請求項1に記載の磁界センサ。 - 【請求項3】 前記位相シフト型発振回路は増幅器を有
し、該増幅器が、演算増幅器による反転増幅器を用いて
構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁界セン
サ。 - 【請求項4】 前記位相シフト型発振回路は、バイポー
ラ型トランジスタを用いて構成されることを特徴とする
請求項1に記載の磁界センサ。 - 【請求項5】 前記位相シフト型発振回路は、電界効果
型トランジスタを用いて構成されることを特徴とする請
求項1に記載の磁界センサ。 - 【請求項6】 前記伝送線路素子は、前記磁性体層の上
下にそれぞれ前記誘電体層を介して前記導体層が積層さ
れた積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載
の磁界センサ。 - 【請求項7】 前記伝送線路素子は、前記導体層の上下
にそれぞれ前記誘電体層を介して前記磁性体層が積層さ
れた積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載
の磁界センサ。 - 【請求項8】 前記磁性体層は軟磁性薄帯あるいは軟磁
性薄膜からなり、かつ、その長手方向に一軸性の磁気異
方性が付与されてなる長方形状を有することを特徴とす
る請求項6または請求項7のいずれかに記載の磁界セン
サ。 - 【請求項9】 前記磁性体層は、その磁化容易軸が、前
記導体層に対して略平行とされることを特徴とする請求
項6または請求項7のいずれかに記載の磁界センサ。 - 【請求項10】 前記磁性体層は金属材料を用いて構成
され、かつ、必要に応じて接地電位とされることを特徴
とする請求項6または請求項7のいずれかに記載の磁界
センサ。 - 【請求項11】 前記導体層は、発振周波数に一致する
周波数の交流磁界が前記磁性体層の短手方向に加えられ
るように配置されることを特徴とする請求項6または請
求項7のいずれかに記載の磁界センサ。 - 【請求項12】 前記導体層は、所定形状の平面パター
ンを有して構成されることを特徴とする請求項6または
請求項7のいずれかに記載の磁界センサ。 - 【請求項13】 前記導体層は、渦巻き状の平面パター
ンを有することを特徴とする請求項12に記載の磁界セ
ンサ。 - 【請求項14】 前記導体層は、つづら折れ状の平面パ
ターンを有することを特徴とする請求項12に記載の磁
界センサ。
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