JP2000180449A - 免疫測定方法 - Google Patents

免疫測定方法

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JP2000180449A
JP2000180449A JP10355855A JP35585598A JP2000180449A JP 2000180449 A JP2000180449 A JP 2000180449A JP 10355855 A JP10355855 A JP 10355855A JP 35585598 A JP35585598 A JP 35585598A JP 2000180449 A JP2000180449 A JP 2000180449A
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JP10355855A
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Satoru Onaka
悟 大仲
Takashi Kaneko
貴史 金子
Norihiko Ishiguro
敬彦 石黒
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】免疫測定における反応速度を向上し、しかも良
好な感度を達成するための方法を提供する. 【解決手段】リガンドとレセプターの組の一方が結合さ
れた第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)及
び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を液相状態で
反応させ、該反応と同時又は該反応後に、前記リガンド
とレセプターの組の他方が固定された担体を加え、該担
体上に第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)
及び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を含む複合
体を固定することを特徴とする免疫測定方法において、
測定されるべき抗原(抗体)の予想最大量の40〜20
0倍量の第1抗体(抗原)を用いること、及び、前記リ
ガンドとレセプターの組の他方を第1抗体(抗原)量の
1.5〜7.5倍量結合した担体を用いることを特徴と
する免疫測定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫測定方法及び
該方法に用いる試薬セットに関するものであり、詳しく
はリガンドとレセプターの組の一方が結合された第1抗
体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)及び標識物質
が結合された第2抗体(抗原)を液相状態で反応させ、
該反応と同時又は該反応後に、前記リガンドとレセプタ
ーの組の他方が固定された担体を加え、該担体上に第1
抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)及び標識物
質が結合された第2抗体(抗原)を含む複合体を固定す
る操作を含む免疫測定方法及び該方法に用いる試薬セッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】免疫測定法としてホモジニアス系とヘテ
ロジニアス系が知られているが、従来のヘテロジニアス
系では、いわゆるサンドイッチ法及び競合法とも、担体
に固定した抗体等を介して最終的抗原抗体複合体を担体
に固定し、遊離の標識物質が結合された抗体と分離し、
後に標識物質を検出することにより抗原を定量する(例
えば酵素免疫測定法、蛋白質核酸酵素別冊No.31、1
987年参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘテロジニアス
法のように固定された抗体(抗原)を用いる場合は、遊
離の抗体(抗原)と比較して該固定された抗体(抗原)
の運動性が制限されるため、結果として反応速度が遅く
なるという課題がある。この課題を解決するために、複
合体を形成する抗体(抗原)にリガンドとレセプターの
組の一方を結合しておき、抗原抗体複合体を液相中で形
成させ、この反応と同時に又はこの反応の後にリガンド
とレセプターの組の他方を結合した担体を加えて複合体
を固定することも行われているが、この方法では測定さ
れるべき抗原(抗体)、リガンドとレセプターの組の一
方を結合する抗体(抗原)そして担体に結合させるリガ
ンドとレセプターの組の他方の量比が反応速度や感度に
及ぼす影響が大きい。
【0004】そこで本発明の目的は、反応速度を向上で
き、しかも良好な感度を達成するための前記量比を提供
することにある。また本発明の他の目的は、上記の如き
免疫測定方法において、検量線の直線性を向上すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、反応速度を向上で
き、しかも良好な感度を達成するための定されるべき抗
原(抗体)、リガンドとレセプターの組の一方を結合す
る抗体(抗原)そして担体に結合させるリガンドとレセ
プターの組の他方の量比(最終濃度の比)を見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】本願請求項1の発明(以下、第1発明とす
る)は、リガンドとレセプターの組の一方が結合された
第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)及び標
識物質が結合された第2抗体(抗原)を液相状態で反応
させ、該反応と同時又は該反応後に、前記リガンドとレ
セプターの組の他方が固定された担体を加え、該担体上
に第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)及び
標識物質が結合された第2抗体(抗原)を含む複合体を
固定することを特徴とする免疫測定方法において、測定
されるべき抗原(抗体)の予想最大量の40〜200倍
量の第1抗体(抗原)を用いること、及び、前記リガン
ドとレセプターの組の他方を第1抗体(抗原)量の1.
5〜7.5倍量結合した担体を用いることを特徴とする
免疫測定法である。
【0007】そして本願請求項2の発明(以下、第2発
明とする)は、リガンドとレセプターの組の一方が結合
された第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)
及び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を液相状態
で反応させ、該反応と同時又は該反応後に、前記リガン
ドとレセプターの組の他方が固定された担体を加え、該
担体上に第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗
体)及び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を含む
複合体を固定することを特徴とする免疫測定方法を実施
するための、リガンドとレセプターの組の一方が結合さ
れた第1抗体、標識物質が結合された第2抗体(抗原)
及び前記リガンドとレセプターの組の他方が固定された
担体を含む試薬セットであって、該試薬セットは、少な
くとも測定されるべき抗原(抗体)の予想最大量の40
〜200倍量の第1抗体(抗原)及び前記リガンドとレ
セプターの組の他方を第1抗体(抗原)量の1.5〜
7.5倍量結合した担体を含むことを特徴とする、前記
試薬セットである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】例えば測定されるべき抗原を、リガンドと
レセプターの組の一方が結合された第1抗体、標識物質
を結合した第2抗体を用いて測定するサンドイッチ法で
は、測定されるべき抗原量に対して第1抗体量が一定量
以上でない場合、抗原抗体複合体の生成速度は遅くな
る。しかし、第1抗体量が多すぎると、抗原抗体複合体
に関与しない遊離の抗体が多くなり、これらがリガンド
とレセプターの組の他方を結合した担体と結合してしま
い、そのために抗原抗体複合体の担体への結合量は減少
し、結果として抗原抗体複合体の生成速度は速くなるが
最終的な(固定される)量は少なくなる。このように、
抗原、第1抗体と担体に結合させたリガンドとレセプタ
ーの組の他方の量比(最終濃度の比)が重要になってく
る。
【0009】本発明者らは、上記例で説明すると、サン
プル中の測定されるべき抗原の予想最大量を1とした場
合、反応液中での最終量がその40〜200倍となる第
1抗体と、前記リガンドとレセプターの組の他方を総量
で該第1抗体量の1.5〜7.5倍量結合した担体を用
いることにより、最も反応速度を向上でき、しかも良好
な感度を達成することが可能であることを初めて見出
し、第1発明を完成したのである。
【0010】ここで、サンプル中に実際に含まれていた
測定されるべき抗原(抗体)量が、予想最大量よりも少
ない場合には、測定されるべき抗原(抗体)量、第1抗
体(抗原)量そして担体に結合されたリガンドとレセプ
ターの組の他方の総量は前記の比率とはならないが、こ
の場合は測定されるべき抗原(抗体)に対して第1抗体
(抗原)等が過剰量存在することになり、反応速度の低
下や感度の低下は観察されない。従って第1発明におい
ては、測定されるべき抗原(抗体)の予想最大量とし
て、十分に大きな量を設定することが特に好ましい。ま
た第1発明において設定した、測定されるべき抗原(抗
体)の予想最大量は、当該測定において信頼性の高い測
定を提供し得える測定範囲(検量域)の最大値というこ
とになる。特に本来ヒトなどの血液中に存在するホルモ
ン等を測定するのであれば、健常及び疾患時のこれらホ
ルモン等のヒト血液中等における存在濃度に関する報告
を参照し、該値に余裕を与えて最大予想量を決定し、該
最大量に基づき第1抗体(抗原)や担体に結合するリガ
ンドとレセプターの組の他方の量を用いれば良い。
【0011】このように、第1発明においては測定され
るべき抗原(抗体)の予想最大量を大きく設定すること
が好ましいが、測定されるべき抗原(抗体)の実際の量
と予想最大量が大きく異なると、第1抗体(抗原)等の
うち、免疫複合体の形成に関与しない成分が増加する
(無駄な試薬が多くなる)ことになる。そこで、第1抗
体(抗原)等のうち、免疫複合体の形成に関与しない成
分が増加するのを防止するために、測定されるべき抗原
(抗体)の予想最大量を前記存在濃度の上限と同程度又
はそれより低く見積もって第1抗体(抗原)等を用いる
一方で、測定結果がこの予想最大量を超えた場合には、
サンプルを希釈して再度測定する等の方法を採用するこ
とも可能である。
【0012】このように、実際の測定結果が設定した予
想最大量を超えた場合に、サンプルを希釈する等して再
度測定する方法によれば、例えばウイルス由来の抗原や
抗ウイルス抗体等の外来性のもので、健常時又は疾患時
の存在濃度の上限が特に定まっていない場合等に特に有
効である。
【0013】通常の免疫測定では、酵素や蛍光物質等の
標識物質を結合させた第2抗体(抗原)は、測定される
べき抗原(抗体)量に対して過剰量使用すれば良いが、
第1発明においても同様に、測定されるべき抗原(抗
体)量に比較して大過剰となるように使用すれば良い。
【0014】第1抗体(抗原)及び担体に結合させるリ
ガンドとレセプターの組に特別の制限はなく、例えば、
アビジンとビオチン等の低分子物質とその結合タンパク
質の組、インシュリンとインシュリンレセプターの組や
甲状腺刺激ホルモン(TSH)とTSHレセプターの組
に代表されるホルモンとそのレセプターからなる組、ズ
ブチリシンとズブチリシンインヒビターの組に代表され
るプロテアーゼとそのインヒビターの組、アンヒドロキ
モトリプシンとC末端アミノ酸としてトリプトファン、
チロシン又はフェニルアラニンを持つペプチドの組、ア
ンヒドロトリプシンとC末端アミノ酸としてアルギニン
又はリジンを持つペプチドの組に代表されるプロテアー
ゼとその基質の組、そして更には相補的な配列を持つ2
種類のDNAからなる組や抗原と抗体の組等が例示でき
る。このように、第1発明において第1抗体と担体にそ
れぞれ結合させるリガンドとレセプターの組の一方と他
方は、互いに特異的に結合する性質を有するものであれ
ば何ら制限はない。
【0015】第1抗体(抗原)にリガンドとレセプター
の組の一方を結合させるには、例えば抗体であればヒン
ジ部のS−S結合を還元して生じるSH基に、リガンド
又はレセプター側に導入或いは生成させたマレイミド
基、ピリジルジスルフィド基、ナフチジルジスルフィド
基、活性ハロゲン、チオフタルイミド等を結合し、両者
を結合すれば良い。また例えば、抗体のアミノ基やリジ
ン、アルギニン残基に対し、リガンド又はレセプター側
に導入又は生成させたN−ヒドロキシサクシイミド基、
イミドエステル基、ニトロアリールハライド基、イソチ
オシアネート基等を反応させることにより、両者を結合
することができる。例えば抗原であれば、前記同様に抗
原中の任意のアミノ基等を利用する等して結合できる。
【0016】第1発明で使用する担体としては、従来か
ら使用されているものを例示できる。より具体的には、
例えばプラスチック、ガラス、架橋デキストラン、ニト
ロセルロース膜、アガロース、セルロース、ポリアクリ
ルアミド、種々の樹脂等が制限なく使用できる。担体の
大きさや形状等にも特別な制限はなく、例えば直径1m
m前後の球状のものが例示できる。
【0017】担体は、比較的大きなものを少数使用して
も、比較的小さなものを多数使用しても良いが、磁性物
質を内部に練り込んだ担体を使用し、これを利用して攪
拌操作を行おうとする場合等には、比較的小さいなもの
を多数(例えば10個程度)使用することが特に好まし
い。
【0018】担体に結合するリガンドとレセプターの組
の他方は、総量で第1抗体の1.5〜7.5倍量とす
る。従って、結合させるべき結合するリガンドとレセプ
ターの組の他方の量が多い場合には、担体の表面積を大
きくするため、比較的小さい大きさの担体を多数用いる
ことが好ましい。
【0019】担体にリガンドとレセプターの組の他方を
固定する方法としては、担体及びリガンドとレセプター
の組の他方に前述したような官能基を導入又は生成して
結合すれば良い。なお、使用するリガンドとレセプター
の組によっては、これらを適当な緩衝液中で混合するの
みで結合できる場合もある。
【0020】第1発明において、測定されるべきものが
抗原である場合には、例えば第1抗体及び第2抗体を使
用することが例示できる。一方、測定されるべきものが
抗体である場合には、例えば例えば第1抗原及び第2抗
原を使用し、第1抗原及び第2抗体を使用し、第1抗体
及び第2抗原を使用し、更には第1抗体と第2抗体を使
用することが例示できる。いずれを選択するかは、測定
されるべき抗原又は抗体の性質や結合力価を考慮に入
れ、任意に選択することが可能である。
【0021】いずれの場合においても、操作手順や免疫
反応の条件等は通常の免疫測定と同様の手順、条件を採
用することができる。例えば第2抗体(抗原)と結合さ
せる標識物質は、通常の免疫測定で使用されている酵
素、蛍光物質、発光物質、放射性同位元素等を特別の制
限なく使用することができる。これら標識物質は、最初
から第2抗体(抗原)と結合されていても良いし、測定
されるべき抗原(抗体)との反応時、又はその反応後に
前記したリガンドとレセプターの組とは干渉しないリガ
ンドとレセプターの組等を用いて結合されても良い。
【0022】本願の第2発明は、これまで説明してきた
第1発明を実施するための試薬セットに関するものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
るために実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、以下の実施例においては、
公知の文献(1997年版、たいがい診断用医薬品集、
(社)日本臨床検査薬協会発行)に基づき、ヒトTSH
の予想最大量を100μIU/mLとし、かかる溶液5
0μLのTSHの分子数を2.4×10-14molとし
て、測定されるべき抗原(TSH)の予想最大量、第1
抗体(ビオチンを結合したFab')量、そして担体に
結合したリガンドとレセプターの組の他方(ストレプト
アビジン)の量の比率を算出した。
【0024】実施例1 F(ab’)2フラグメントの
Fab’化 600μLの0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶
解した10mgの抗TSHモノクローナル抗体(F(a
b’)2フラグメント)に0.1Mジチオスレイトール
150μLを加え、37℃で90分間インキュベーショ
ンした。サンプルをゲルろ過クロマトグラフィー(東ソ
ー(株)製、G3000SWXL)に供し、5mM E
DTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)を溶
離液としてFab’1画分を回収した。回収した画分は
1.51mg/mL濃度で5mLであった。
【0025】実施例2 ビオチン結合Fab’の作製 実施例1で調製した抗TSHモノクローナル抗体(Fa
b’、1.51mg/mL)の3mL(4.53mg)
に対し、市販のビオチン化試薬(商品名 Biotin
−PEAC5−maleimide、同仁化学(株)
製)530μgを20μLのジメチルスルフォキシドに
溶解して加え、25℃で16時間インキュベーションし
た後、ゲルろ過クロマトグラフィー(東ソー(株)製、
G3000SWXL)に供し、150mM硫酸ナトリウ
ムを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.6)を溶離液
としてビオチン結合Fab’画分を回収した。
【0026】実施例3 測定 サンプル中のTSHの予想最大量を100μIU/ml
に設定し、以下の操作を行った。
【0027】実施例2で調製したビオチン結合Fab’
10ngとこのビオチン結合Fab’とはTSHの異
なる部分を認識する、酵素(アルカリフォスファター
ゼ)と結合させたモノクローナル抗体100ngを50
μLの希釈液(15%ウシ血清、1mM MgCl2
び0.1mM ZnCl2を含む50mM Tris−
Hcl(pH8.0))に溶解し、予め0.5%BSA
を含むTris塩酸(pH8.0)を加えてブロッキン
グを行った市販の96ウェルプレート(商品名 MAX
ISORP black、NUNK社製)の各ウェルに
50μLずつ分注した。
【0028】更に、10μIU/mLのヒトTSH(ス
クリップス社製)を50μLずつ各ウェルに分注し、3
7℃でインキュベーションした。ヒトTSHを添加して
から5分、10分、20分、30分、60分後に、スト
レプトアビジンを固定した市販の担体(商品名 ダイナ
ビーズ、ダイナル社製)を10μL加えた後、更に5分
間攪拌しながらインキュベートした。
【0029】1mMのMgCl2を含む10mM Tr
is−HCl(pH8.0)でウェルを洗浄後、市販の
アルカリフォスファターゼ用化学発光基質(Lumip
hos530、和光純薬(株)製)を100μL加え、
37℃で20分間放置してから、市販の測定装置(商品
名 LUMINOUS CT−9000D、ダイアヤト
ロン(株)製)を用いて測定時間0.1秒、印加電圧1
000Vで化学発光を測定した。結果を図1に示す。な
お本例におけるTSHの予想最大量、第1抗体(ビオチ
ンを結合したFab’)量、そして担体に結合したリガ
ンドとレセプターの組の他方(ストレプトアビジン)の
量の比率は、1:8:311となる。
【0030】図1から明らかなように、TSHの予想最
大量:大1抗体量:ストレプトアビジンの量の比率が
1:8:311との場合には、これらの反応性が悪く、
長時間(60分)の免疫反応を行った後であっても発光
量が飽和していないことが分かる。
【0031】実施例4 ビオチンを結合したFab’量を30ng/ウェル、5
0ng/ウェル、400ng/ウェルとした以外は実施
例3と同様の操作を行った。30ng/ウェルの結果を
図2に、50ng/ウェルの結果を図3に、そして40
0ng/ウェルの結果を図4にそれぞれ示す。
【0032】ビオチンを結合したFab’の量を変化さ
せることにより、高発光量を維持しながら60分後の測
定値に達するまでの速度を比較した結果、該量が50n
gの時に5分であった。このことは、ビオチンを結合し
たFab’の量が50ng/ウェルの場合、免疫反応開
始後5分という短時間の間に十分な免疫複合体が担体上
に形成されていることを示すものである。またビオチン
を結合したFab’量が400ng/ウェルの場合にも
約5分で60分後の測定値と同程度の測定値が得られた
が、この場合は全体の発光量が減少した。
【0033】なお本例におけるTSHの予想最大量、第
1抗体(ビオチンを結合したFab’)量、そして担体
に結合したリガンドとレセプターの組の他方(ストレプ
トアビジン)の量の比率は、ビオチンを結合したFa
b’量を30ng/ウェルした例では1:25:31
3、50ng/ウェルとした例では1:42:313、
400ng/ウェルとした例では1:333:313で
ある。
【0034】図2〜図4から明らかなように、本願1発
明であるビオチンを結合したFab’量を50ng/ウ
ェルとした例(図3)においては、免疫反応開始後10
分程度で発光量が最大値に達し、かつ、その後の発光量
の変動が極めて小さいことが分かる。これに対して第1
発明の量比を満たさない、ビオチンを結合したFab’
量を30ng/ウェルした例(図2)及び400ng/
ウェルとした例(図4)では、図3の例と比較して発光
量が最大になるまでより時間がかかり、又は、反応時間
の経過に伴う発光量の変動が大きいことが分かる。
【0035】実施例5 ビオチンを結合したFab’量を12.5ng/ウェ
ル、50ng/ウェル又は200ng/ウェルとし、0
〜90μIU/mLのヒトTSHを加えて5分間インキ
ュベートした後、実施例3同様の担体を加え、更に5分
間攪拌しながらインキュベートした。インキュベート
後、実施例3と同様にして発光の測定を行った。結果を
図5に示す。
【0036】図5から明らかなように、50又は200
ngのビオチンと結合したFab’を用いると100μ
IU/mLまでTSHを反応性良く測定できるが、1
2.5ngしか使用しない場合には反応性が悪く、TS
H濃度が増加しても測定された発光量は少ないことが分
かる。なお、本例におけるTSHの予想最大量、第1抗
体(ビオチンを結合したFab’)量、そして担体に結
合したリガンドとレセプターの組の他方(ストレプトア
ビジン)の量の比率は、12.5ng、50ng、20
0ngのビオチンと結合したFab’を用いた場合の順
に、それぞれ1:10:313、1:42:313そし
て1:167:313である。
【0037】
【発明の効果】本発明では、従来のヘテロジニアス法に
おいては省みられていない測定されるべき抗原(抗
体)、リガンドとレセプターの組の一方を結合する抗体
(抗原)そして担体に結合させるリガンドとレセプター
の組の他方の量比(免疫反応を生させる際の最終濃度の
比)を一定範囲に管理することにより、これらの間で生
じる免疫反応の反応速度を向上させ、しかも測定感度を
良好とすることができる。従って、本発明に従えば、一
方では反応性を向上しつつ測定感度の良好な免疫測定を
実現することが容易となるばかりでなく、例えばパフォ
ーマンスの高い免疫測定用試薬を提供することが容易に
なるという効果がある。しかも前記した量比を一定範囲
に管理する本発明に従うことにより、免疫測定試薬毎の
品質の格差を最小限に管理することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1の結果を示すものである。縦
軸は発光量+−S.D.(カウント/0.1秒)を、横
軸は免疫反応時間(分)をそれぞれ示す。
【図2】図2は、実施例4の結果を示すものである。縦
軸は発光量+−S.D.(カウント/0.1秒)を、横
軸は免疫反応時間(分)をそれぞれ示す。
【図3】図2は、実施例4の結果を示すものである。縦
軸は発光量+−S.D.(カウント/0.1秒)を、横
軸は免疫反応時間(分)をそれぞれ示す。
【図4】図2は、実施例4の結果を示すものである。縦
軸は発光量+−S.D.(カウント/0.1秒)を、横
軸は免疫反応時間(分)をそれぞれ示す。
【図5】図5は、実施例5の結果を示すものである。。
縦軸は発光量+−S.D.(カウント/0.1秒)を、
横軸はTSH濃度(μIU)をそれぞれ示す。図中、ば
つ、丸、四角は、12.5ng、50ng、200ng
のビオチンと結合したFab’を用いた場合をそれぞれ
示すものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リガンドとレセプターの組の一方が結合さ
    れた第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)及
    び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を液相状態で
    反応させ、該反応と同時又は該反応後に、前記リガンド
    とレセプターの組の他方が固定された担体を加え、該担
    体上に第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)
    及び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を含む複合
    体を固定することを特徴とする免疫測定方法において、
    測定されるべき抗原(抗体)の予想最大量の40〜20
    0倍量の第1抗体(抗原)を用いること、及び、前記リ
    ガンドとレセプターの組の他方を第1抗体(抗原)量の
    1.5〜7.5倍量結合した担体を用いることを特徴と
    する免疫測定法。
  2. 【請求項2】リガンドとレセプターの組の一方が結合さ
    れた第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)及
    び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を液相状態で
    反応させ、該反応と同時又は該反応後に、前記リガンド
    とレセプターの組の他方が固定された担体を加え、該担
    体上に第1抗体(抗原)、測定されるべき抗原(抗体)
    及び標識物質が結合された第2抗体(抗原)を含む複合
    体を固定することを特徴とする免疫測定方法を実施する
    ための、リガンドとレセプターの組の一方が結合された
    第1抗体、標識物質が結合された第2抗体(抗原)及び
    前記リガンドとレセプターの組の他方が固定された担体
    を含む試薬セットであって、該試薬セットは、少なくと
    も測定されるべき抗原(抗体)の予想最大量の40〜2
    00倍量の第1抗体(抗原)及び前記リガンドとレセプ
    ターの組の他方を第1抗体(抗原)量の1.5〜7.5
    倍量結合した担体を含むことを特徴とする、前記試薬セ
    ット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009084369A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Sysmex Corporation Hiv-1抗原の検出用試薬及び検出方法
JPWO2009084369A1 (ja) * 2007-12-28 2011-05-19 シスメックス株式会社 Hiv−1抗原の検出用試薬及び検出方法

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