JP2000179300A - トンネル工事における防音扉構造 - Google Patents
トンネル工事における防音扉構造Info
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Abstract
果を高め、また防音扉そのものの変形も抑制できるよう
にした。 【解決手段】 トンネルの坑口に架設される防音壁2
と、防音壁2に設けた開口3を開閉する防音扉本体4か
らなるトンネル工事における防音扉において、前記防音
壁2及び防音扉本体4は、H型鋼からなる柱5,10の
間に、覆工板からなる遮音パネル3,14を挟持固定し
たものである。
Description
の発破時に発生する圧力波を遮断低減するための防音扉
構造に関する。
により発生する圧力波は、無指向性の超低周波音であ
り、唯一の通り道であるトンネル坑を伝播し、坑口より
外部に抜け、坑口付近の建物などに振動や騒音を与える
原因となる。そこで、トンネルの坑口に低周波音対策用
防音扉を設け、発破時にはこの防音扉を閉じておくこと
によって、爆圧を閉じこめる方法が採用されている。
子状の骨組に、3×6尺程度の遮音パネルを取付けた構
造が一般に採用されている。この遮音パネルは、例え
ば、高速道路、高速鉄道などで用いられる可聴音(騒
音)防止対策用の遮音パネルと同様に、中間に吸音材を
サンドイッチした厚さ1〜2mm程度の遮音板を二重壁と
した多孔のパネルであり、それ自体は通気性を持ってい
るが、遮音板による遮音効果に加えて、内部の吸音材に
より振動エネルギーを熱に変えることで、振動を減衰す
る。
音効果は大きく分けて、可聴音と低周波音との二種に区
分される。従来の一般的な防音扉(H鋼を支柱としてそ
の間に防音パネルを挟む(落し込む)タイプの防音扉)
は、高い周波数(可聴音)ほど大きな効果があるが、発
破により発生する低周波音に対する効果はほとんど期待
できない。また、低い周波数の音では扉全体が変形し振
動することから、この振動が外部に低周波音として二次
放射されるため、遮音効果は可聴音より低くなる。
ず防音壁等の一般的な対策により十分対応が可能である
が、発破に伴って問題となる家屋の振動や、窓ガラス・
扉のがたつきなどのほとんどが低周波音(数Hz〜10
0Hz程度の周波数帯の騒音−空気振動)により発生す
る。従って、低周波音を如何に低減するかが実質的な対
策のポイントとなる。この低周波対策としては、上記扉
の二重化や、扉重量の増加による低周波遮音効果(重量
則と呼ばれる)に着目した水槽式防音扉などがある。二
重扉は効果的な間隔が確定しづらいこと、設置区間長が
要るため、掘削初期段階での防音効果が必要な場合、特
に坑口から入ってすぐに発破を使用する必要がある場合
などに対応が難しいなどの問題がある。また、重量則に
よる遮音効果も、やはり周波数に比例する(高い周波数
では高い遮音効果、低い周波数では低い遮音効果)など
の問題がある。
数帯域で有効で遮音効果が高いが、発破により発生する
4〜50Hzの低周波音にはあまり大きな効果は期待で
きなかった。また、以上の低周波数振動は、扉全体に変
形を及ぼす振動であることから、その遮音効果は、扉の
剛性と比例する傾向となるが、従来では、H型鋼材から
なる柱で防音扉全体の剛性を維持しているために、約
0.01kg/cm2 (100m2 で10t)になる爆風圧
が作用する発破音により、防音扉は変形する。さらに遮
音パネルの剛性も小さいため、それぞれ変形していた。
その結果、外部に低周波音を二次放射するため、可聴音
の効果に比べて遮音効果は低いものとなる。
め、発破時の岩石の飛散による破損を危惧して、その発
破掘削位置は、扉より50〜100m離れた位置とし、
それまでは機械掘削を実施していたが、機械掘削位置で
固い岩盤となった場合には、装置の摩損が著しく、掘進
速度も著しく低くなるため、コスト、工期の点で好まし
くなかった。
することで、遮音効果を高め、また防音扉そのものの変
形も抑制できるようにしたトンネル工事における防音扉
構造を提供するものである。また、本発明は、単なる遮
断だけでなく、爆圧エネルギーを効果的に減衰させた状
態で、坑口とは反対側の外部に逃すことが出来るように
することを他の目的としている。
め、本発明は、トンネルの坑口またはトンネル坑内に架
設される防音壁と、該防音壁に設けた開口を開閉する防
音扉本体からなるトンネル工事における防音扉におい
て、前記防音壁及び防音扉本体は、厚肉の鋼材からなる
遮音パネルにより構成されていることを特徴とする。従
って、本発明によれば、従来に比べて遮音パネルそのも
のの剛性が高く、防音壁及び防音扉全体の剛性を確保す
ることができ、さらにある程度の重量を持たせることが
でき、理論上の低周波音に対する遮音効果は防音壁及び
防音扉の剛性に比例する傾向であることから、遮音効果
を十分に高めることができる。
板であり、H型鋼からなる柱の間に溶接固定されるもの
とすれば、全体の水平、鉛直方向の剛性を高めることが
できる。
クリートをライニングしたものであることにより、剛性
とともに、コンクリートによる密閉性、面密度が高ま
り、さらに遮音効果が高いものとなる。
設けられたアーチの先端開口面に設けられていることに
より、組立、解体を坑外でおこなうことが出来、作業性
が高い物となる。
両側部を囲われ、かつ後部開口した空間室からなるダク
ト工を設け、このダクト工とアーチ先端とをダクト孔を
介して連通したことで、発破時の爆圧エネルギーを坑内
に閉じこめることなく、山側に逃すことが出来、坑口周
囲に対する影響を最小限とすることが出来る。
ルからなる複数の間仕切り壁によりダクト孔から後部開
口までを櫛の歯状に仕切ったことにより、爆圧エネルギ
ーは間仕切り壁通過毎に、振動エネルギーが減衰し、後
部開口より吹出した時点では、その衝突回数に応じて、
極めて小さな振動、騒音となる。
パネルは、通気性を有し、中間に吸音材をサンドイッチ
した遮音板を二重壁としたパネル構造体であることによ
り、爆圧エネルギーの外部への放出がスムーズに行える
とともに、遮音パネル個々の遮音性能は小さくても、繰
返し衝突により、十分な減衰効果をもたらすことが出来
る。
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1,
2は本発明に係る防音扉構造の全体的構造を示してい
る。
突出してこれに連続するアーチ1が形成されている。ア
ーチ1の前面開口にはその全体を覆う防音壁2が設けら
れ、防音壁2の中央に約4×6mの車両用通路となる開
口部3が開口し、開口部3には一対の防音扉本体4が左
右観音開き状に取付けられている。
柱5の間に例えば覆工板により構成された複数の遮音パ
ネル6の両端を挟持した状態に配置し、さらに柱5間を
複数のブレース7,桟8により連結したものである。
は、道路工事などの覆工に用いられるもので、車両荷重
を支持できる程度の高い剛性を有する溶接可能な厚肉の
鋼材であって、溶接により柱5と一体化することで、強
固な構造とすることができる。柱5の幅は、遮音パネル
6の厚みより厚くし、その裏面に図示しない吹付けコン
クリートをライニングし、これによって、密閉性と面密
度を確保し、遮音効果を高めるようにしている。
され、その後部開口より爆風を矢印に示すごとく、後部
側に逃すようにしている。なお、このダクト工9につい
ては後述する。
面をH型鋼からなる柱10及び上部を同じくH型鋼から
なる梁11で構成し、両者を当て板12で連結し、さら
に柱10の下部及び中間部前面にコ字型鋼からなる桟1
3により連結したもので、両柱10間に前記と同様に、
覆工板からなる複数の遮音パネル14の長手方向両側を
挟持状態に固定し、柱10の下部に連結したアングル材
15により遮音パネル14の下部を支持している。
柱10間の底部には平板状の底板16が配置され、この
底板16と柱10及び梁11で囲われる空間には、防音
壁2と同様に、吹付けコンクリート17を約20cm程
度ライニングし、同じく密閉性と面密度とを確保し、遮
音効果を高めるようにしている。なお、双方の扉本体4
を閉じた状態では、所定の隙間dが形成されている。
重量が重く、これの開閉には油圧機構が用いられる。図
4はその油圧開閉機構を示すものである。同図において
は、防音壁2の開口部柱5の近傍において、扉本体4は
ヒンジ18により開閉可能に蝶着されている。
には油圧シリンダ19が揺動可能に取付けられ、その先
端プランジャ19aを防音扉4側に補強材20を介して
固定されたブラケット21に連結しており、シリンダ1
9のプランジャ19aを突出させた状態で閉扉され、こ
の状態からプランジャ19aを没入することで破線で示
すように、開扉される構造となっている。
6を用いて説明する。まず、図5は平面配置を示し、
(a)はアーチ1の天端に矩形状平面をなして作られた
基礎22及び根太23の配列を示し、基礎22の先端一
側部には前記アーチ1の先端内部に連通する矩形状のダ
クト孔24が開口されている。(b)は根太23上に立
てられた柱25及び各柱25間に配置された外壁及び天
版を構成する遮音パネル26、及び内部側にあって柱2
5間に配置される間仕切り壁として用いられる第二の遮
音パネル27を示し、(c)は天井部の梁28の配置を
示している。第二の遮音パネル27は、前述のごとく高
速道路、高速鉄道などで用いられる可聴音防止対策用の
遮音パネル等が用いられ、外壁及び天版によって囲われ
る空間内に間仕切り壁として櫛の歯状に配置されてい
る。
部外壁面の半分は外部に開口29されており、従って、
防音扉本体4が閉じられている状態で、発破時の爆圧
は、ダクト孔24を通じてダクト工9の内部空に入り、
順次間仕切り用の遮音パネル27に衝突し、ここを通過
する毎に振動エネルギーの一部を熱エネルギーに変換し
て減衰しつつ、唯一の通過位置である後部開口29より
吹出す。
動減衰能力は低いとしても、爆圧による振動は、各遮音
パネル27を多重に通過することで、十分に減衰され、
またその放出される残りの振動エネルギーは坑口とは逆
の山側に吹出すため、坑口付近の建物に対する振動、騒
音を十分に防止できることになる。
分担し、遮音パネル27側は単にアーチ1とダクト孔2
4により連通され、ここまでは飛散するおそれがないた
め、防音扉施工後は、坑口近傍から直ちに発破作業を実
施できることになる。
ば、次のような作用効果が得られる。 全体を極力一体化して組み立てること、及び扉閉時に
油圧ジャッキにより開口部を締め付けることにより、防
音扉全体の剛性を向上させているので、壁全体の変形に
よる振動が著しく小さくなり、実験の結果、扉単体での
実測遮音効果は低周波音域の各周波数において20〜3
5dB、SPL(総合音圧)でも25dB程度の低周波
逓減効果を得ることができることが分かった。従来の防
音扉では理想的な設置状況における効果が一重で12〜
15dB程度、二重扉でも18〜22dB程度であり、
通常はこれ以下の効果となる。従って、本構造によれ
ば、理想状態の二重扉以上の遮音効果を得ることができ
る。 理論上の剛性による遮音効果と同様に、低い周波数ほ
ど効果がある結果となった。家屋や、窓・扉が振動する
5〜50Hzにおける遮音効果が20dB以上あること
から、近隣民家に対する実質的な遮音効果は非常に高い
と言える。 低周波音に対する遮音効果は、約50%程度であっ
た。 防音扉背面に吹付けコンクリート17を施工したこと
により、剛性と重量の向上だけでなく、近接した切羽で
の発破に対しても十分な強度を得ることができる。実積
距離44mで発破作業を行ったが特に問題はなかった。 吸音材を用いていないので、撤去後の養生・廃棄等が
容易である。
明によるトンネル工事における防音扉構造にあっては、
防音扉そのものの剛性を高くすることで、遮音効果を高
め、また防音扉そのものの変形も抑制できる。また、本
発明は、単なる遮断だけでなく、爆圧エネルギーを効果
的に減衰させた状態で、坑口とは反対側の外部に逃すこ
とが出来る。
視図である。
る。
る。
は(a)のA−A線及びB−B線における断面図であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 トンネルの坑口またはトンネル坑内に架
設される防音壁と、該防音壁に設けた開口を開閉する防
音扉本体からなるトンネル工事における防音扉におい
て、前記防音壁及び防音扉本体は、厚肉の鋼材からなる
遮音パネルにより構成されていることを特徴とするトン
ネル工事における防音扉構造。 - 【請求項2】 前記遮音パネルが覆工板であり、H型鋼
からなる柱の間に溶接固定されることを特徴とする請求
項1に記載のトンネル工事における防音扉構造。 - 【請求項3】 前記遮音パネルの背面に吹付けコンクリ
ートをライニングしたものであることを特徴とする請求
項1または2に記載のトンネル工事における防音扉構
造。 - 【請求項4】 前記防音扉は坑口先端より突出して設け
られたアーチの先端開口面に設けられていることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のトンネル工
事における防音扉構造。 - 【請求項5】 アーチ上部には遮音パネルに上下両側部
を囲われ、かつ後部開口した空間室からなるダクト工を
設け、このダクト工とアーチ先端とをダクト孔を介して
連通したことを特徴とする請求項4に記載のトンネル工
事における防音扉構造。 - 【請求項6】 前記ダクト工内部を遮音パネルからなる
複数の間仕切り壁によりダクト孔から後部開口までを櫛
の歯状に複数に仕切ったことを特徴とする請求項5に記
載のトンネル工事における防音扉構造。 - 【請求項7】 前記間仕切り壁に用いる遮音パネルは、
通気性を有し、中間に吸音材をサンドイッチした遮音板
を二重壁としたパネル構造体であることを特徴とする請
求項6に記載のトンネル工事における防音扉構造
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JP36135098A JP3594824B2 (ja) | 1998-12-18 | 1998-12-18 | トンネル工事における防音扉構造 |
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-
1998
- 1998-12-18 JP JP36135098A patent/JP3594824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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