JP2000178528A - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物

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JP2000178528A
JP2000178528A JP10355964A JP35596498A JP2000178528A JP 2000178528 A JP2000178528 A JP 2000178528A JP 10355964 A JP10355964 A JP 10355964A JP 35596498 A JP35596498 A JP 35596498A JP 2000178528 A JP2000178528 A JP 2000178528A
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hydrogen bond
forming
reactive site
elastomer
melt adhesive
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JP10355964A
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Katsuhiro Igawa
勝弘 井川
Keisuke Chino
圭介 知野
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温時の流動性と、優れた耐熱フロー性という
二律背反した特性を両立して併せ持ち、室温での表面タ
ックが少なく、接着硬化、流動化を繰り返し再現するこ
とが可能で被着体のリサイクル利用を容易に可能とする
ホットメルト接着剤組成物の提供。 【解決手段】水素結合を形成しうる反応部位を有するポ
リマーを20〜90重量%と、該ポリマーの有する反応
部位と水素結合を形成しうる反応部位を2個以上有する
化合物とを含有し、該反応部位の組合わせが、ドナーが
−OH、および/または、−NHR(Rは水素原子、ア
ルキル基、アリール基、または、アシル基を表す)であ
り、アクセプターが3級アミノ基、および/または、カ
ルボニル基であり、ドナーとアクセプターの含有量比
が、当量比でドナー/アクセプター≧0.1であるホッ
トメルト接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温時の流動性
と、耐熱フロー性という二律背反した特性を両立して併
せ持つホットメルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は、加熱溶融しての
り状とし、再び室温に冷却すると同時に固化が始まり接
着が完了するため、短時間で接着ができ、スピード化を
目標とする工程等に広く採用されている。しかし、従来
得られているホットメルト接着剤は、軟化点が低いため
耐熱フロー性が悪く、用途が限定されている。そこで、
高温時の流動性を保持しながらも、高い耐熱フロー性あ
るいは接着耐熱性を有するホットメルト接着剤の開発が
望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
時の流動性と、優れた耐熱フロー性という二律背反した
特性を両立して併せ持ち、室温での表面タックが少な
く、接着硬化、流動化を繰り返し再現することが可能で
被着体のリサイクル利用を容易に可能とするホットメル
ト接着剤組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、水
素結合を形成しうる反応部位を有するポリマーを20〜
90重量%と、該ポリマーの有する反応部位と水素結合
を形成しうる反応部位を2個以上有する化合物とを含有
し、該反応部位の組合わせが、ドナーが−OH、および
/または、−NHR(Rは水素原子、アルキル基、アリ
ール基、または、アシル基を表す)であり、アクセプタ
ーが3級アミノ基、および/または、カルボニル基であ
り、ドナーとアクセプターの含有量比が、当量比でドナ
ー/アクセプター≧0.1であるホットメルト接着剤組
成物を提供する。
【0005】上記水素結合を形成しうる反応部位を有す
るポリマーの重量平均分子量が50000以下であるの
が好ましい。
【0006】上記水素結合を形成しうる反応部位を有す
るポリマーが、カルボン酸変性炭化水素系合成油である
のが好ましい。
【0007】上記水素結合を形成しうる反応部位を有す
るポリマーが、分子量1000〜30000のカルボン
酸変性ポリプロピレン樹脂であるのが好ましい。
【0008】また、本発明は、水素結合を形成しうる反
応部位を有する粘着性付与剤を20〜60重量%と、該
粘着性付与剤の有する反応部位と水素結合を形成しうる
反応部位を2個以上有する化合物とを含有し、該反応部
位の組合わせが、ドナーが−OH、および/または、−
NHR(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、また
は、アシル基を表す)であり、アクセプターが3級アミ
ノ基、および/または、カルボニル基であり、ドナーと
アクセプターの含有量比が、当量比でドナー/アクセプ
ター≧0.1であるホットメルト接着剤組成物を提供す
る。
【0009】上記水素結合を形成しうる反応部位を有す
る粘着性付与剤の重量平均分子量が50000以下であ
るのが好ましい。
【0010】上記水素結合を形成しうる反応部位を有す
る粘着性付与剤が重合ロジンであるのが好ましい。
【0011】上記粘着性付与剤の有する反応部位と水素
結合を形成しうる反応部位を2個以上有する化合物が複
素環状アミンであるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のホットメルト接着剤組成物(以下、本発明
の組成物と記す)は、特定種類の官能基の組み合わせに
よる水素結合を形成しうる反応部位を有するポリマーを
特定量含み、このポリマーと共に、該ポリマーの有する
上記反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を2個以
上有する化合物を含有するホットメルト接着剤組成物で
ある。
【0013】上記ポリマーとしては、水素結合を形成し
うる反応部位を有するエラストマーと、水素結合を形成
しうる反応部位を有する非エラストマーが含まれる。ま
た、非エラストマーには、一般に粘着性付与剤として用
いられる化合物が含まれる。ここで、非エラストマーと
は、オリゴマーまたはポリマーであって、高温にすると
容易に流動変形し冷却により変形された形状に固化でき
る特性を示すものを指し、エラストマーのごとき高度の
弾性を示さないものである。水素結合を形成しうる反応
部位を有する非エラストマーの主鎖となる非エラストマ
ーとしては、低分子量ポリオレフィン、エチレンとα−
オレフィンのコオリゴマー等の炭化水素系合成油、エチ
レン、プロピレン、ペンテン−1、4−メチルペンテン
−1、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のオ
レフィン系モノマー類の共重合体であるポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリレート、ポリカーボネート等の熱可塑
性樹脂、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、ロジンエス
テル誘導体、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹
脂、重合ロジンエステル誘導体、水素添加ロジン樹脂、
水素添加ロジンエステル樹脂、水素添加ロジンエステル
誘導体、水素添加重合ロジン樹脂、ロジンフェノール樹
脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、水素添加テルペンフェノール樹脂、石油
樹脂(脂肪族系、芳香族系、脂環族系、共重合系、クマ
ロンインデン樹脂系)、水素添加石油樹脂等の、一般に
粘着性付与剤として用いられる化合物が挙げられる。こ
れらの非エラストマーは、1種単独でも、2種以上を併
用しても良い。上記非エラストマーの分子量は特に限定
されず、使用目的、架橋密度などに応じて適宜選択する
ことができるが、加熱時の流動性から、重量平均分子量
が50000以下であるのが好ましく、5000以下が
より好ましく、1000〜3000であるのがさらに好
ましい。ただし、ポリプロピレン樹脂については100
0〜30000が好ましく、10000〜30000で
あるのがさらに好ましい。非エラストマーとしては、上
述の化合物の中でも、分子量が上記範囲内の値をとる炭
化水素系合成油、ポリプロピレン樹脂、重合ロジンが、
得られる本発明の組成物の高温時の流動性が大きく、耐
熱フロー性に優れ、室温でのタックが低いということか
ら好ましい。
【0014】本発明に用いられる水素結合を形成しうる
反応部位を有するエラストマーの主鎖となるエラストマ
ーとしては、一般に加硫(架橋硬化)用ゴム弾性材料と
して公知の天然高分子または合成高分子が含まれ、例え
ば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,
2−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニト
リルゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系ゴム、ブチ
ルゴム、エチレン−プロピレン系ゴム(EPDM、EP
M)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、
フッ素ゴムなどのオレフィン系ゴム、エピクロロヒドリ
ンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムな
どを挙げることができる。
【0015】また樹脂成分を含む熱可塑性エラストマー
(TPE)であってもよく、たとえば水添されていても
よいポリスチレン系TPE(SBS、SIS、SEB
S)、ポリオレフィン系TPE、ポリ塩化ビニル系TP
E、ポリウレタン系TPE、ポリエステル系TPE、ポ
リアミド系TPEなどであってもよい。
【0016】上記のようなエラストマーは、液状、固体
状いずれであってもよい。またその分子量は特に限定さ
れず、使用目的、架橋密度などに応じて適宜選択するこ
とができるが、加熱時の流動性から液状であることが好
ましい。また液状を示すような分子量であることが望ま
しく、たとえばイソプレンゴム、ブタジエンゴムなどの
ジエン系ゴムでは、重量平均分子量が50000以下で
あるのが好ましく、5000以下であるのがより好まし
く、1000〜3000であるのがさらに好ましい。
【0017】本発明において、上述の非エラストマー、
あるいはエラストマーは、水素結合を形成しうる反応部
位を有する。本発明の組成物は、これら、非エラストマ
ー、あるいは、エラストマーと共に、これらの非エラス
トマー、あるいは、エラストマーの反応部位と水素結合
を形成しうる反応部位を有する化合物を含有する。水素
結合は、ドナーとアクセプターとから形成されるもの
で、上述の非エラストマー、あるいは、エラストマー
と、上述の化合物の反応部位は、いずれが、ドナーであ
ってもアクセプターであってもよい。また、非エラスト
マー、エラストマー、化合物が、それぞれ、ドナー、あ
るいはアクセプターを2個以上有していても良いし、あ
るいは、1分子内にドナーとアクセプターとを有してい
ても良い。1分子内にドナー、あるいはアクセプターを
2個以上有している場合、ドナー、あるいはアクセプタ
ーは同じ官能基でもよいし、異なる官能基でもよい。こ
こでドナーとは、水素結合を形成している水素と、部分
的にイオン性をもつ共有結合を形成する陽子供与体(プ
ロトンドナー)となる陰性原子もしくは陰性原子を含む
置換基をいう。また、アクセプターとは、水素結合を水
素とともに形成する陽子受容体(プロトンアクセプタ
ー)となる陰性原子もしくは陰性原子を含む置換基をい
う。
【0018】ドナーは、−OH、および/または、−N
HR(Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、また
はアシル基を表す)であり、具体的には、アルコール性
水酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸(脂肪酸を含
む)のカルボキシル基中のヒドロキシル基、アミノ基、
アミド基等を好ましく挙げることができる。
【0019】アクセプターは、三級アミノ基、および/
または、カルボニル基であり、具体的には、−N=、−
CO−を含む、−NR1 2 (R1 、R2 はそれぞれ水
素原子、または炭素数1〜20のアルキル基)、−CO
OH、−COOR3 (R3 は炭素数1〜20のアルキル
基またはアリール基)、−C≡N、−NCO、−SC
N、=NOH、−NHCONH2 、−CONH−、=S
O、−CSSH、−SCNH2 、−COSH、−CSO
H、−SCN、−OP(=O)(OR4 2 (R 4 はそ
れぞれ水素原子、フェニル基または炭素数1〜20のア
ルキル基)、窒素原子を異性原子として含む複素環状ア
ミノ基等が挙げられる。複素環状アミノ基は、含窒素複
素環または該複素環を含む含有物から導入される。含窒
素複素環は、複素環内に水素結合性のアミノ基を含むか
または発生する構造であればよく、たとえばピロール、
ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾ
ール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、
インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジ
ン、メラミンなどが挙げられる。含窒素複素環は、他の
ヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。上述のアクセプ
ターの中でも、複素環状アミノ基が好ましい。複素環状
アミノ基を反応部位として有する場合、得られる本発明
の組成物は、耐熱フロー性に優れるからである。
【0020】水素結合を形成しうる反応部位を有する非
エラストマーとしては、上述の非エラストマーに上述の
ドナーあるいはアクセプターとなる官能基を有するよう
変性された非エラストマーが全て使用可能である。水素
結合を形成しうる反応部位を有する非エラストマーとし
ては、具体的には、カルボン酸変性炭化水素系合成油、
カルボン酸変性ポリエチレン樹脂、カルボン酸変性ポリ
プロピレン樹脂、カルボン酸変性ポリブテン樹脂、ある
いは、一般に粘着性付与剤として用いられる上述の重合
ロジン等のロジン系樹脂や、カルボン酸変性した石油樹
脂等が挙げらる。なお、ロジンは、松脂からテレピン油
を蒸留した残留物であり、主成分はジテルペンのモノカ
ルボン酸であるアビエチン酸等の混合物で、カルボン酸
基を含む化合物である。これらの中でも、カルボン酸変
性炭化水素系合成油、分子量1000〜30000のカ
ルボン酸変性ポリプロピレン樹脂(以下、カルボン酸変
性低分子量ポリプロピレン樹脂とも記す)、重合ロジン
が、本発明の組成物の高温での流動性の観点から好まし
い。
【0021】上述の水素結合を形成しうる反応部位を有
する非エラストマーの合成方法としては、例えば、非エ
ラストマー製造時に、非エラストマーの主鎖を形成しう
るモノマーと、上記基を導入しうる共重合モノマーとを
共重合させて、水素結合を形成しうる上述の官能基を非
エラストマーの主鎖に直接導入しても良いし、また、非
エラストマーを上記基を導入しうる化合物で変性しても
良い。例えば、上記非エラストマーにカルボキシル基を
導入しうる化合物としては、カルボン酸およびその誘導
体が特に限定されることなく挙げられる。カルボン酸化
合物としては、飽和または不飽和の炭化水素基を有する
有機酸が挙げられ、炭化水素基は、脂肪族、脂環族、芳
香族カルボン酸などいずれであってもよい。またカルボ
ン酸誘導体としてはカルボン酸無水物、エステル、ケト
ン、アミノ酸、アミド類、イミド類、チオカルボン酸
(メルカプト基含有カルボン酸)が挙げられる。具体的
には、マロン酸、マレイン酸、スクシン酸、グルタル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−フェ
ニレンジ酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−アミノ安
息香酸、メルカプト酢酸などのカルボン酸および置換基
含有カルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水
グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水安
息香酸などの酸無水物、マレイン酸エステル、マロン酸
エステル、スクシン酸エステル、グルタル酸エステル、
エチルアセテートなどの脂肪族エステル、フタル酸エス
テル、イソフタル酸エステル、テレフタル酸エステル、
エチル−m−アミノベンゾエート、メチル−p−ヒドロ
キシベンゾエートなどの芳香族エステル、キノン、アン
トラキノン、ナフトキノンなどのケトン、グリシン、ト
リシン、ビシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリ
ン、スレオニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン
酸、システイン、メチオニン、プロリン、N−(p−ア
ミノベンゾイル)−β−アラニンなどのアミノ酸、マレ
インアミド、マレインアミド酸(マレインモノアミ
ド)、コハク酸モノアミド、5−ヒドロキシバレラミ
ド、N−アセチルエタノールアミン、N,N’−ヘキサ
メチレンビスアセトアミド、マロンアミド、シクロセリ
ン、4−アセトアミドフェノール、p−アセトアミド安
息香酸などのアミド類、マレインイミド、スクシンイミ
ドなどのイミド類が挙げられる。
【0022】これらの非エラストマーとしては、市販品
を利用することができ、例えば、カルボン酸変性炭化水
素系合成油としては、三井化学社製のルーカントA−5
560、A−6002、重合ロジンとしては、荒川化学
社製のシルバタック140、水酸基含有低分子量ポリプ
ロピレン(これをカルボン酸変性低分子量ポリプロピレ
ンに変性してもよいし、そのまま用いてもよい)として
は、三洋化成社製ユーメックス1210等が挙げられ
る。
【0023】水素結合を形成しうる反応部位を有するエ
ラストマーとしては、上述した公知の天然高分子または
合成高分子、あるいは樹脂成分を含む熱可塑性エラスト
マー等のエラストマーに上述のドナーあるいはアクセプ
ターとなる官能基を有するよう変性されたエラストマー
が全て使用可能である。具体的には、カルボン酸低変性
液状イソプレンゴム、カルボン酸高変性液状イソプレン
ゴム、カルボキシル末端BR、カルボキシル末端NB
R、カルボン酸変性ポリブタン、カルボン酸変性高反応
型ポリブテン、EMAA樹脂、EAA樹脂等を挙げるこ
とができる。これらの中でも、カルボン酸高変性液状イ
ソプレンゴムが粘度の温度依存性が高いという理由で好
ましい。上述のカルボキシル基を有するエラストマーの
合成方法としては、例えば、エラストマー製造時に、エ
ラストマーの主鎖を形成しうるモノマーと、上記基を導
入しうる共重合モノマーとを共重合させて、水素結合を
形成しうる上述の官能基をエラストマーの主鎖に直接導
入しても良いし、また、エラストマーを上記基を導入し
うる化合物とトルエン溶液中で室温にて、窒素雰囲気下
撹拌し、反応混合物をメタノールに沈殿させ、減圧乾燥
することにより、エラストマー主鎖を変性してもよい。
【0024】水素結合を形成しうる反応部位を有するエ
ラストマーとしては、市販品を利用することができ、例
えば、LIR−403、410(クラレ)、CTB(宇
部興産)、CTBN(宇部興産)、CPIB(日石化
学)、HRPIB(日石化学ラボ試作品)、ニュクレル
(三井デュポンポリケミカル)、ユカロン(三菱化学)
等を挙げることが出来る。
【0025】上述のポリマー(非エラストマー、もしく
は、エラストマー)の有する反応部位と水素結合を形成
しうる反応部位を有する化合物としては、上述のドナー
あるいはアクセプターとなる反応部位を2個以上有する
化合物が全て使用可能で、その中でも、ドナーを2個以
上、あるいは、アクセプターを2個以上、あるいは、ド
ナーとアクセプターの1対を2個以上有する化合物が好
ましい。具体的には、ジピリジル、エチレンジピリジ
ル、トリメチレンジピリジル、ジピリジルアミン、1,
2−ジメチルイミダゾール、2−ベンズイミダゾールウ
レア、ピロール−2−カルボン酸、3−メチル−ピラゾ
ール、ピリジン、4−メチルピリジン、4(or 2)−ヒ
ドロキシメチルピリジン、2(or 4)−(β−ヒドロキ
シエチル)−ピリジン、2(or 4)−(2−アミノエチ
ル)−ピリジン、2(or 4)−アミノピリジン、2,6
−ジアミノピリジン、2−アミノ−6−ヒドロキシピリ
ジン、6−アザチミン、アセトグアナミン、ベンゾグア
ナミン、シトラジン酸、1,2,4−トリアゾール、3
−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノメチ
ル−1,2,4−トリアゾール、3−メチルアミノ−
1,2,4−トリアゾール、3−メチロール−1,2,
4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリ
アゾール、2−ヒドロキシトリアジン、2−アミノトリ
アジン、2−ヒドロキシ−5−メチルトリアジン、2−
アミノ−5−メチルトリアジン、2−ヒドロキシピリミ
ジン、2−アミノピリミジン、2−アミノピラジン、2
−ヒドロキシピラジン、6−アミノプリン、6−ヒドロ
キシプリン等の複素環状アミン、キノン、アントラキノ
ン、ナフトキノン、ピペラジン等の2個以上のカルボニ
ル基を有する化合物;ナイロン6、ナイロン−66、ナ
イロン−610、ナイロン−612等のアミド基に含ま
れる−CO−を有する化合物;その他、尿素;エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ピナコール等の
脂肪族ジオール;マロン酸、スクシン酸、グルタル酸等
の脂肪族ジカルボン酸;グリシン、トリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、セリン、スレオニン、リジン、
アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニ
ン、プロリン等のアミノ酸;5−ヒドロキシバレラミ
ド、N−アセチルエタノールアミン、N,N’−ヘキサ
メチレンビスアセトアミド、マロンアミド、シクロセリ
ン等の脂肪族アミド;ハイドロキノン、ビフェノール、
4,4’−イソプロピリデンジフェノール等のフェノー
ル類;1,4−ベンゼンジメタノール等の芳香族アルコ
ール;4,4’−メチレンジアニリン、フェニレンジア
ミン等の芳香族アミン;p−フェニレンジ酢酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、p−アミノ安息香酸等の芳香族カル
ボン酸;N−(p−アミノベンゾイル)−β−アラニン
等の芳香族アミノ酸;エチル−m−アミノベンゾエー
ト、メチル−p−ヒドロキシベンゾエート等の芳香族エ
ステル;4−アセトアミドフェノール、p−アセトアミ
ド安息香酸等の芳香族アミド;等が挙げられる。これら
の中でも、複素環状アミンは、得られる本発明の組成物
の耐熱フロー性が特に優れたものとなるため好ましい。
複素環状アミンとしては、好ましくは骨格中に2個以上
の窒素を有する複素環、さらに好ましくは3個以上の窒
素を有する複素環、特に好ましくはトリアゾール環から
導かれる複素環状アミンが好ましい。具体的に3−アミ
ノ−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,
2,4−トリアゾール、3−アミノメチル−1,2,4
−トリアゾール、3−メチルアミノ−1,2,4−トリ
アゾール、3−メチロール−1,2,4−トリアゾール
等が好ましい。
【0026】本発明の組成物は、上述の水素結合を形成
しうる反応部位を有する非エラストマーと、該非エラス
トマーの反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を有
する上述の化合物を含有する組成物、あるいは、上述の
水素結合を形成しうる反応部位を有するエラストマー
と、該エラストマーの反応部位と水素結合を形成しうる
反応部位を有する上述の化合物を含有する組成物であ
る。上述のような本発明の組成物は、非エラストマー、
あるいはエラストマーと、上記化合物との間に水素結合
による疑似架橋を形成することができる。水素結合時に
は、非エラストマー、あるいはエラストマー、および、
上記化合物の有する反応部位のいずれがドナーあるいは
アクセプターとして作用しても良いが、例えば、カルボ
ン酸変性非エラストマー、あるいはカルボン酸変性エラ
ストマーでは、カルボキシル基のOHがドナーとして、
また、複素環状アミンでは複素環内のアミンがアクセプ
ターとして、水素結合する。
【0027】上述のようなドナーあるいはアクセプター
となる官能基を有する非エラストマーと化合物との間、
あるいはドナーあるいはアクセプターとなる官能基を有
するエラストマーと化合物との間に形成される水素結合
はサーモトロピックであり、常温使用時には疑似架橋構
造を形成し、高温加熱時には脱架橋して流動性を示す。
さらに、疑似架橋物は優れた耐熱性を示し、使用時には
安定な水素結合を保持することができる。すなわち使用
に耐えうる高温まで水素結合を保持しており、組成物が
流動し始める温度(流動開始温度)が高い。従って、本
発明の組成物は、高温時での優れた流動性と、優れた耐
熱フロー性を併せ持つ。しかもこの疑似架橋・脱疑似架
橋は可逆反応で繰返し再現することが可能であるので、
被着体のリサイクル利用を容易に行うことができる。な
お水素結合の有効な形成は、ゲル化現象(粘度の上昇、
あるいは流動性の低下)の観察によって確認することが
でき、また水素結合の崩壊は、粘度の低下(流動性の増
大)として観察される。
【0028】本発明の組成物は、上述の必須の化合物に
加え、一般にホットメルト接着剤に配合される、水素結
合を形成しうる反応部位を有さないエラストマーを含ん
でも良い。このようなエラストマーとしては、先に、水
素結合を形成しうる反応部位を有するエラストマーの主
鎖となりうるエラストマーとして例示した、公知の天然
高分子または合成高分子、あるいは熱可塑性エラストマ
ーと同様のものが使用可能である。これらの中でも、ブ
チルゴム、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ンポリマー(SBS)、ポリスチレン−ポリイソプレン
−ポリスチレンポリマー(SIS)、ポリスチレン−ポ
リ(エチレン/ブチレン)−ポリスチレンポリマー(S
EBS)が柔軟性付与の観点から好ましい。これらのゴ
ム成分の配合量は、凝集力を向上させるという理由か
ら、本発明の組成物に含まれる水素結合を形成しうる反
応部位を有するポリマーと該ポリマーの有する反応部位
と水素結合を形成しうる反応部位を2個以上有する化合
物の合計重量100重量部に対し、10〜60重量部が
好ましく、20〜40重量部がより好ましい。
【0029】また、本発明の組成物は、一般にホットメ
ルト接着剤に配合される、水素結合を形成しうる反応部
位を有さないタッキファイヤー(粘着性付与剤)を更に
含んでも良い。水素結合を形成しうる反応部位を有さな
いタッキファイヤー(粘着性付与剤)としては、例え
ば、水素結合を形成しうる反応部位を有する非エラスト
マーの主鎖となりうる粘着性付与剤として例示した化合
物中、水素結合を形成しうる反応部位を有さないものと
同様の化合物が使用可能である。これらの中でも、テル
ペン樹脂や石油樹脂(C5留分等)が、耐熱性付与、接
着性付与の観点から好ましい。これらのタッキファイヤ
ー(粘着性付与剤)の配合量は、接着性付与の観点か
ら、本発明の組成物に含まれる水素結合を形成しうる反
応部位を有するポリマーと該ポリマーの有する反応部位
と水素結合を形成しうる反応部位を2個以上有する化合
物の合計重量100重量部に対し、10〜60重量部が
好ましく、20〜40重量部がより好ましい。
【0030】さらに、本発明の組成物は、本発明の目的
を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば、ワック
ス、充填剤、酸化防止剤等を配合することができる。
【0031】本発明の組成物で、水素結合を形成しうる
反応部位を有する非エラストマー(粘着性付与剤を除
く)を含み、該非エラストマーの有する反応部位と水素
結合を形成しうる反応部位を有する化合物、あるいは更
に、必要に応じて、反応部位を有さないエラストマー、
タッキファイヤー、その他の添加剤を含む組成物では、
上述の水素結合を形成しうる反応部位を有する非エラス
トマーの含有量が20〜90重量%であり、30〜60
重量%であるのが好ましい。この範囲内であれば、硬化
後の接着強度に優れる。また、本発明の組成物におけ
る、水素結合を形成しうる反応部位を有する非エラスト
マーと、該非エラストマーの有する反応部位と水素結合
を形成しうる反応部位を有する化合物の間に形成しうる
水素結合に寄与するドナーとアクセプターの含有量比
は、当量比で、ドナー/アクセプター≧0.1であり、
ドナー/アクセプター=0.6〜1.8であるのが好ま
しい。0.1当量未満であると水素結合形成の効果が十
分でなく好ましくない。
【0032】本発明の組成物で、ポリマーとして水素結
合を形成しうる反応部位を有する粘着性付与剤を含み、
該粘着性付与剤の有する反応部位と水素結合を形成しう
る反応部位を有する化合物、あるいは更に、必要に応じ
て、反応部位を有さないエラストマー、タッキファイヤ
ー、その他の添加剤を含む組成物では、該粘着性付与剤
の含有量が、20〜60重量%であり、30〜50重量
%であるのが好ましい。この範囲内であれば、硬化後の
接着強度に優れ、室温でのタックが少ない。また、本発
明の組成物における、水素結合を形成しうる反応部位を
有する粘着性付与剤と、該粘着性付与剤の有する反応部
位と水素結合を形成しうる反応部位を有する化合物の間
に形成しうる水素結合に寄与するドナーとアクセプター
の含有量比は、当量比で、ドナー/アクセプター≧0.
1であり、ドナー/アクセプター=0.6〜1.8であ
るのが好ましい。0.1当量未満であると水素結合形成
の効果が十分でなく好ましくない。
【0033】本発明の組成物で、ポリマーとして水素結
合を形成しうる反応部位を有するエラストマーを含み、
該エラストマーの有する反応部位と水素結合を形成しう
る反応部位を有する化合物、あるいは更に、必要に応じ
て、反応部位を有さないエラストマー、タッキファイヤ
ー、その他の添加剤を含む組成物では、該エラストマー
の含有量が20〜90重量%であり、30〜60重量%
であるのが好ましい。この範囲内であれば、高温条件下
での凝集力を保持できるという理由から好ましい。ま
た、本発明の組成物における、水素結合を形成しうる反
応部位を有するエラストマーと、該エラストマーの有す
る反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を有する化
合物の間に形成しうる水素結合に寄与するドナーとアク
セプターの含有量比は、当量比で、ドナー/アクセプタ
ー≧0.1であり、ドナー/アクセプター=0.1〜5
であるのが好ましく、ドナー/アクセプター=0.5〜
1.5であるのがより好ましい。0.1当量未満である
と水素結合形成の効果が十分でなく好ましくない。
【0034】本発明の組成物の製造方法は、上記水素結
合を形成しうる反応部位を有する非エラストマーあるい
はエラストマーと、必要に応じて上述の反応部位を有さ
ないエラストマー、タッキファイヤー、その他の添加剤
とを二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等を用
いて、120℃程度に加熱下、溶融混練し、そこに、上
記非エラストマーあるいはエラストマーの反応部位と水
素結合を形成しうる反応部位を有する化合物を加えてさ
らに混練して、水素結合を製造工程の最後に形成させて
組成物を製造する方法;あるいは、上記水素結合を形成
しうる反応部位を有する非エラストマーあるいはエラス
トマーと、上記非エラストマーあるいはエラストマーの
反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を有する化合
物とを、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等
を用いて、120℃程度に加熱下、溶融混練し、水素結
合を先に形成させてから、そこに、必要に応じて上述の
反応部位を有さないエラストマー、タッキファイヤー、
その他の添加剤を加えて混練して製造する方法を例示す
ることができる。
【0035】上記水素結合を形成しうる反応部位を有す
る非エラストマーと、上記非エラストマーの反応部位と
水素結合を形成しうる反応部位を有する化合物とを含有
する本発明の組成物は、以上の構成を取ることにより、
(1) 流出開始温度が61℃以上、好ましくは70℃
以上であり、(2) ポリプロピレン板と綿布とを該組
成物を介して接着させた場合の接着強度が60℃におい
て10[N/25mm]以上、好ましくは12[N/2
5mm]以上であり、(3) 室温(20℃)における
JIS A硬度が3以上、好ましくは10以上の物性を
持ち、高温時の流動性、耐熱フロー性に優れ、室温で表
面タックの少ないか全くないホットメルト接着剤として
使用することができる。
【0036】水素結合を形成しうる反応部位を有する非
エラストマーと該非エラストマーの反応部位と水素結合
を形成しうる反応部位を有する化合物とを含む本発明の
ホットメルト接着剤組成物、および、水素結合を形成し
うる反応部位を有するエラストマーと該エラストマーの
反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を有する化合
物とを含む本発明のホットメルト接着剤組成物は、上記
構成を取ることにより、高温時の流動性、耐熱フロー性
に優れ、また、室温で水素結合形成のため表面タックが
少ないか全くなく、また接着強度に優れる。上述の非エ
ラストマーあるいはエラストマーと上述の化合物の間に
形成される水素結合は、サーモトロピックであり、常温
使用時には疑似架橋構造を形成し、高温加熱時には脱架
橋して流動性を示す。この疑似架橋・脱疑似架橋は可逆
反応で繰返し再現することが可能であるので、被着体の
リサイクル利用を容易に行うことができる。水素結合を
形成しうる反応部位を有するポリマーとして重量平均分
子量が5000以下のものを含む本発明の組成物では、
組成物合成時の作業性に優れ、高温時の流動性に優れ
る。水素結合を形成しうる反応部位を有する非エラスト
マーとしてカルボン酸変性炭化水素系合成油、カルボン
酸変性低分子量ポリプロピレン樹脂、あるいは重合ロジ
ンを含む本発明の組成物では、高温時の流動性に優れる
と共に、耐熱フロー性に優れ、硬化後の室温での表面タ
ックが少ないか全く無い。また、上述の水素結合を形成
しうる反応部位を有する非エラストマーあるいはエラス
トマーの反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を有
する化合物が複素環状アミンである本発明の組成物で
は、耐熱フロー性に特に優れる。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】(参考例1〜6)水素結合を形成しうる反
応部位を有する非エラストマーとして、カルボン酸変性
炭化水素系合成油、カルボン酸変性低分子量ポリプロピ
レン樹脂、重合ロジン単独での流動性を示す温度(流出
開始温度)を示す。測定方法は下記のとおりである。ま
た、カルボン酸変性炭化水素系合成油、カルボン酸変性
低分子量ポリプロピレン樹脂、重合ロジンと、該非エラ
ストマーの反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を
有する化合物としてアミノトリアゾールを用い、下記表
1に示す量比で配合し、加圧ニーダー(180℃設定、
40rpm)で2時間混合し、均一になったことを確認
した。得られた反応物の流出開始温度を測定した。結果
を表1に示す。表1に示す結果より、参考例4〜6の流
出開始温度は、参考例1〜3の流出開始温度より高く、
耐熱フロー性に優れることがわかる。この温度差は、参
考例4〜6で得られた組成物では水素結合が形成されて
いるためと考えれる。
【0039】<流出開始温度の測定>流出開始温度は、
高化式フローテスターを用いて測定した。キャピラリー
(D=1mm、長さ=10mm)に試料を詰めて、10
MPaの圧力下、1℃/min で温度を上昇させ、試料が
キャピラリーから流れ始める温度[℃]を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】<表中の各成分> カルボン酸変性炭化水素系合成油:三井化学社製、ルー
カントA−5560 カルボン酸変性ポリプロピレン:三洋化成工業(株)
製、マレイン化ポリプロピレン(分子量20000)ユ
ーメックス1003と、アミノトリアゾールとの反応物 重合ロジン:荒川化学社製、シルバタック140
【0042】(実施例1〜3、比較例1〜2)下記表2
に示す配合で、加圧ニーダー(180℃設定、40rp
m)で2時間混合することにより、組成物を調整した。
なお、実施例1では、まず、ブチルゴム、タキファイヤ
ー、カルボン酸変性炭化水素系合成油を一緒に撹拌して
から、アミノトリアゾールを加えて更に撹拌して組成物
を得た。実施例2では、カルボン酸変性炭化水素系合成
油とアミノトリアゾールをまず一緒に撹拌し、ついで、
ブチルゴムとタキファイヤーを加えて撹拌して組成物を
得た。実施例3、比較例2では、実施例1と同様の方法
により組成物を得た。上記ゲル状の反応物を用いて、得
られたホットメルト接着剤組成物の流動性を示す温度
(流出開始温度)を測定することにより、水素結合性を
評価した。また、得られたホットメルト接着剤組成物を
190℃に加熱溶融した。ホットメルト接着剤アプリケ
ーターでポリプロピレン板(幅25mm×長さ100m
m×厚さ2mm)に塗布して、綿布(幅25mm×長さ
50mm)を熱圧着し、一昼夜養生したものを試験片と
して、下記方法により60℃における接着強さを測定し
た。さらに、得られたホットメルト接着剤組成物の室温
(20℃)における、組成物表面のタックの有無を調べ
た。
【0043】<180℃剥離試験>JIS K 685
4に規定される引張試験機にて測定した。試験片の接着
部分の一端を予め剥離させ、剥離した端部の両方を試験
機のつかみ具に取り付ける。クロスヘッドの移動速度を
毎分200mmとし、測定温度60℃において、剥離し
た綿布を180℃方向に引張り、剥離に要する荷重
[N]と剥離長さ[mm]を測定する。この結果から、
JIS K 6854 10.1に記載の方法で得られたは
く離荷重[N]を試験片の幅[25mm]で除して、は
く離接着強さ[N/25mm]を算出する。 <室温でのタック>室温(20℃)と同温度となった組
成物のタックの有無を手で触って判断した。表中、有り
はタックが有ったことを、無しは無かったことを示す。
結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】<表中の各成分> ブチルゴム:バイエル(株)製、ブチルPB−402 タッキファイヤー:トーネックス(株)製、エスコレッ
ツ1315
【0046】(実施例4〜5、比較例3)水素結合を形
成しうる反応部位を有するエラストマーとして、カルボ
ン酸変性液状イソプレンゴムを用い、該エラストマーの
反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を有する化合
物としてアミノトリアゾールを用い、下記表3に示すそ
の他の化合物を表3に示す量比で配合し、加圧ニーダー
(180℃設定、40rpm)で2時間混合することに
より反応物を得た。実施例1〜3と同様の方法で、得ら
れたホットメルト接着剤組成物の流出開始温度、60℃
における接着強度、室温におけるタックの有無を測定し
た。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】<表中の成分> ブチルゴム:バイエル社製、ブチルPB−402 タッキファイヤー:トーネックス(株)製、エスコレッ
ツ1315 カルボン酸変性液状ポリイソプレンゴム:クラレ(株)
製、LIR−410
【0049】
【発明の効果】本発明のホットメルト接着剤組成物は、
疑似架橋しうる特定構造の水素結合性基を含み、常温で
の疑似架橋による接着硬化と、加熱による流動性の発現
とを繰返し再現しうる。本発明のホットメルト接着剤組
成物は、高温まで水素結合を形成しており、耐熱フロー
性に優れ、また耐熱温度を超える高温加熱時には脱水素
結合により著しい流動性を示す。本発明のホットメルト
接着剤組成物は、リサイクル利用が可能でありしかもリ
サイクル利用が容易である。本発明のホットメルト接着
剤組成物は、接着性に優れ、例えば、ポリプロピレンと
異種材料との接着に優れた接着性能を示す。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 BA172 BA202 CA011 CA051 CA071 CA081 CA101 CA151 DA022 DA042 DA101 DA102 DA121 DA122 DA132 DA141 DA191 DB032 DC022 DC091 DD022 DF041 DF042 DK012 DN032 DN072 EE041 EF001 EJ021 EK031 EL012 EL022 GA05 GA06 GA07 GA13 GA14 GA15 GA17 GA20 GA22 GA23 GA27 JB01 KA26 LA01 LA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素結合を形成しうる反応部位を有するポ
    リマーを20〜90重量%と、該ポリマーの有する反応
    部位と水素結合を形成しうる反応部位を2個以上有する
    化合物とを含有し、 該反応部位の組合わせが、ドナーが−OH、および/ま
    たは、−NHR(Rは水素原子、アルキル基、アリール
    基、または、アシル基を表す)であり、アクセプターが
    3級アミノ基、および/または、カルボニル基であり、 ドナーとアクセプターの含有量比が、当量比でドナー/
    アクセプター≧0.1であるホットメルト接着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】前記水素結合を形成しうる反応部位を有す
    るポリマーの重量平均分子量が50000以下である請
    求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
  3. 【請求項3】前記水素結合を形成しうる反応部位を有す
    るポリマーが、カルボン酸変性炭化水素系合成油である
    請求項1または2に記載のホットメルト接着剤組成物。
  4. 【請求項4】前記水素結合を形成しうる反応部位を有す
    るポリマーが、分子量1000〜30000のカルボン
    酸変性ポリプロピレン樹脂である請求項1に記載のホッ
    トメルト接着剤組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリマーの有する反応部位と水素結合
    を形成しうる反応部位を2個以上有する化合物が複素環
    状アミンである請求項1〜4のいずれかに記載のホット
    メルト接着剤組成物。
  6. 【請求項6】水素結合を形成しうる反応部位を有する粘
    着性付与剤を20〜60重量%と、該粘着性付与剤の有
    する反応部位と水素結合を形成しうる反応部位を2個以
    上有する化合物とを含有し、 該反応部位の組合わせが、ドナーが−OH、および/ま
    たは、−NHR(Rは水素原子、アルキル基、アリール
    基、または、アシル基を表す)であり、アクセプターが
    3級アミノ基、および/または、カルボニル基であり、 ドナーとアクセプターの含有量比が、当量比でドナー/
    アクセプター≧0.1であるホットメルト接着剤組成
    物。
  7. 【請求項7】前記水素結合を形成しうる反応部位を有す
    る粘着性付与剤の重量平均分子量が50000以下であ
    る請求項6に記載のホットメルト接着剤組成物。
  8. 【請求項8】前記水素結合を形成しうる反応部位を有す
    る粘着性付与剤が重合ロジンである請求項6または7に
    記載のホットメルト接着剤組成物。
  9. 【請求項9】前記粘着性付与剤の有する反応部位と水素
    結合を形成しうる反応部位を2個以上有する化合物が複
    素環状アミンである請求項6〜8のいずれかに記載のホ
    ットメルト接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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