JP2000178373A - ゴム変性スチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
ゴム変性スチレン系樹脂発泡成形体Info
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Abstract
外観も良好な発泡成形体を提供すること。 【解決手段】 スチレン系樹脂の連続相中にジエン系重
合体のゴム粒子が分散してなるゴム変性スチレン系樹脂
を発泡成形してなる発泡成形体であって,(1)連続相
を形成するスチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が
180,000〜300,000であり,かつ重量平均
分子量に対するZ平均分子量の比(Mz/Mw)が2〜
4であり,(2)25℃トルエン中における上記ジエン
系重合体のゲル分の膨潤度が12〜25であり,(3)
ジエン系重合体へのスチレン系樹脂のグラフト率が70
%〜135%であること。
Description
発泡倍率を有するゴム変性スチレン系樹脂発泡成形体に
関する。
優れた緩衝性,断熱性を有し,成形も容易であるため,
包装材,断熱材として多く用いられている。しかし,耐
衝撃性や柔軟性が不十分であるため,割れや欠けが発生
しやすく,例えば精密機器製品の包装などには適さない
という問題がある。
形体は,耐衝撃性や柔軟性に優れた発泡成形体ではある
が,発泡成形体の成形時に大がかりな設備を必要とす
る。また,樹脂の性質上,発泡粒子の形態で原料メーカ
ーから成形加工メーカーに輸送しなければならず,嵩高
いものを輸送することになるため,製造コストが上昇す
るという問題があった。近年,成形が容易で,ポリスチ
レン系発泡体よりも耐衝撃性及び柔軟性を改良したもの
として,ゴム変性スチレン系樹脂発泡成形体が,特開平
3−182529号,特開平5−116227号,特開
平7−11043号,及び特開平7−90105号など
に提案されている。
は,耐衝撃性及び柔軟性の改良の程度が不十分であった
り,発泡倍率の高い発泡成形体を得ようとする場合,収
縮などによる発泡成形品外観の悪化や,発泡成形体の強
度低下が起きる。そのため,高い発泡倍率で発泡成形体
を使用することができず,包装材料の省資源化に限界が
あった。
は,その気泡膜断面を電子顕微鏡で観察すると,ゴム粒
子が気泡膜に複数,層状に存在している。しかし,高い
発泡倍率では,発泡成形体の気泡膜の厚みが薄くなるた
め,気泡膜中にうまく配向されないゴム粒子(=アスペ
クト比が20以下)が生じていることが分かった。そし
て,これに起因して,高い発泡倍率では強度低下が生ず
ると考えられる。
軟性に優れ,外観も良好な発泡成形体を提供しようとす
るものである。
の連続相中にジエン系重合体のゴム粒子が分散してなる
ゴム変性スチレン系樹脂を発泡成形してなる発泡成形体
であって,(1)連続相を形成するスチレン系樹脂の重
量平均分子量(Mw)が180,000〜300,00
0であり,かつ重量平均分子量に対するZ平均分子量の
比(Mz/Mw)が2〜4であり,(2)25℃トルエ
ン中における上記ジエン系重合体のゲル分の膨潤度が1
2〜25であり,(3)ジエン系重合体へのスチレン系
樹脂のグラフト率が70%〜135%であることを特徴
とするゴム変性スチレン系樹脂発泡成形体である。
レン系樹脂及びジエン系重合体として上記特定のものを
用い,またジエン系重合体へのスチレン系樹脂のグラフ
ト率が特定範囲のものを用いている。そのため,高発泡
倍率でも,耐衝撃性や柔軟性に優れ,外観も良好な発泡
成形体を提供することができる。なお,上記高発泡倍率
とは,50倍(発泡成形体密度20kg/m3)〜70
倍(同14kg/m3)をいう。
み,鋭意研究を続けた結果,ゴム粒子が気泡膜に複数,
層状に存在し,ゴム粒子のアスペクト比が20以下であ
るゴム粒子の個数の割合が30%以下であるゴム変性ス
チレン系樹脂の発泡成形体が,高発泡倍率でも,外観を
悪化させることなく,耐衝撃性や柔軟性に優れることを
見出した。なお,ここで言うアスペクト比とは,気泡膜
中に層状に存在するゴム粒子の厚さ(気泡膜厚み方向の
寸法)に対するゴム粒子の長さ(気泡膜面方向の寸法)
の比である。
ト比が20以下であるゴム粒子は,気泡膜中にうまく配
向されないため発生するのであって,このようなゴム粒
子を少なくするためには,特定の分子量と分子量分布を
持つスチレン系樹脂と特定の柔らかさのゴム粒子からな
るゴム変性スチレン系樹脂を用いれば良いことを見出
し,本発明を完成するに至ったのである。
などのジエン系重合体をスチレン,p−メチルスチレ
ン,α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物に溶
解させ,アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物
あるいは,過酸化ベンゾイル,t−ブチルパーオキシベ
ンゾエートなどの過酸化物の存在下で,ラジカル重合さ
せ,バルク重合,溶液重合,懸濁重合,バルク−懸濁重
合法などを用いて得られるものである。
00〜300,000である。Mwが180,000未
満の場合には,気泡膜中のゴム粒子が配向され難くなる
ため発泡成形体とした場合に強度が低下し,一方30
0,000を超える場合には発泡性が悪化し高発泡倍率
の発泡成形体の製造が困難になる。なお,好ましくは2
00,000〜280,000である。
子量(Mw)に対するZ平均分子量の比(Mz/Mw)
は,2〜4である。Mz/Mwが2未満の場合には,気
泡膜中のゴム粒子が配向され難くなるため発泡成形体と
した場合に強度が低下し,一方Mz/Mwが4を超える
場合には,発泡性が悪化し発泡成形体の製造が困難にな
る。なお,好ましくは2〜3である。
プレンなどのジエン系化合物の重合体や,ジエン系化合
物と共重合の可能な,例えばスチレンなどの芳香族ビニ
ル化合物との共重合体を用いることができる。なお,好
ましくは,ブタジエン重合体である。なお,ブタジエン
重合体は,ハイシスタイプ,ローシスタイプのいずれを
用いても良い。
エン系重合体の含有量は,5〜20重量%とすることが
好ましい。5重量%未満の場合では,十分な耐衝撃性や
柔軟性を有する発泡成形体が得られないおそれがある。
一方20重量%を超える場合には使用量に見合う強度の
向上が見られない上に,発泡成形体の表面が溶融するな
ど,成形性が著しく悪化するおそれがある。なお,更に
好ましくは7〜15重量%である。
系重合体のゲル分は,25℃トルエン中での膨潤度が1
2〜25である。ゲル分の膨潤度が12未満の場合に
は,気泡膜中にゴム粒子が配向できないために気泡成形
がうまく行われず,高い発泡倍率の発泡成形体としたと
きに収縮や変形が起きる恐れがある。一方,25を超え
る場合には,十分な耐衝撃性や柔軟性を有する発泡成形
体が得られない。なお,好ましくは15〜20である。
例えば,次のように求める。ゴム変性スチレン系樹脂発
泡成形体,約1gにメチルエチルケトン30mlを加
え,25℃で24時間浸漬後,5時間振とうし,5℃,
18,000rpmで1時間遠心分離する。上澄みをデ
カンテーションして除いた後,新たにトルエン30ml
を加え,25℃で1時間振とうし,5℃,18,000
rpmで2時間遠心分離する。上澄み液を除き,重量を
秤量する(25℃トルエン中で膨潤したゲルの重量)。
その後,60℃,8時間,真空乾燥し,残留物の重量を
秤量し(乾燥ゲルの重量),次式により,ゲル分の膨潤
度を求める。 [膨潤度]=[25℃トルエン中で膨潤したゲルの重量]/[乾燥ゲルの重量 ]…(式1)
のスチレン系樹脂のグラフト率は,70%〜135%で
ある。グラフト率が70%未満の場合には,十分な耐衝
撃性や柔軟性を有する発泡成形体が得られない。一方,
135%を超える場合には,気泡膜中にゴム粒子が配向
できないために気泡成形がうまく行われず,高い発泡倍
率の発泡成形体としたときに収縮や変形が起きる恐れが
ある。なお,好ましくは,80%〜120%である。
ンプル重量に対するゲルの乾燥重量の割合である。ジエ
ン系重合体含有量は,一塩化ヨウ素法で二重結合を定量
して求める(新版 高分子分析ハンドブック 日本分析
化学会・高分子分析研究懇談会編集 P.639参
照)。
泡成形体の柔軟性調整の目的で,フタル酸ジオクチル,
アジピン酸ジオクチルなどのエステル類,またトルエ
ン,キシレン,シクロヘキサンなどの炭化水素類,ある
いは鉱油,流動パラフィン等が含有されていても良い。
ク,クレイ,炭酸カルシウム,酸化チタン等の無機充填
剤,またステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸亜
鉛,p−t−ブチル安息香酸アルミニウム,エチレンビ
スステアリルアミド等の滑剤,またトリス(ジブロモプ
ロピル)ホスフェート,ペンタブロモジフェニルエーテ
ル,テトラブロモブタン,ジブロモエチルベンゾール,
1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロデカン
等の難燃剤,あるいは酸化防止剤,帯電防止剤,紫外吸
収剤,カーボンブラック等が含有されていても良い。
系樹脂の連続相中に分散しているジエン系重合体のゴム
粒子の平均粒子径は,2μm〜10μmであることが好
ましい。ジエン系重合体ゴム粒子の粒子径が2μm未満
の場合には,十分な耐衝撃性や柔軟性を有する発泡成形
体を得られないおそれがある。一方,10μmを超える
場合には,ゴム粒子が大きすぎて気泡成形がうまく行わ
れず,発泡成形体としたときに収縮や変形が起きるおそ
れがある。なお,さらに好ましくは3μm〜7μmであ
る。
ば,DMF溶媒中に分散させたゴム粒子を(株)堀場製
作所製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 LA
−700を用いて測定し,得られた体積基準粒度分布か
ら次式により求める。 [粒子径]=[ΣDi4×Ni]/[ΣDi3×Ni] Ni=Pi/[Di3×π/6]…(式3) ここに,Di:i番目の粒子径,Pi:i番目の体積頻
度,π:円周率である。
ン系重合体中の1,4−シス構造の割合は,80%以上
であることが好ましい。1,4−シス構造の割合が80
%未満であるジエン系重合体を用いた場合は,発泡成形
体の柔軟性や耐衝撃性が不十分になるおそれがある。な
お,さらに好ましくは90%以上である。
体の気泡膜中における,アスペクト比が20以下である
ジエン系重合体のゴム粒子の割合は,30%以下である
ことが好ましい。この場合には,高発泡倍率でも,一層
耐衝撃性や柔軟性に優れ,外観も良好な発泡成形体を提
供することができる。アスペクト比が20%以下のジエ
ン系重合体のゴム粒子の割合が30%を越えると高発泡
倍率において,発泡成形体の耐衝撃性が低下する問題が
ある。なお,アスペクト比が20以下のゴム粒子の割合
の下限は,発泡成形体の耐衝撃性の点より,できるだけ
少ない方が好ましく0%でも良い。
泡成形体を製造する方法としては,例えば,押出機中で
ゴム変性スチレン系樹脂と揮発性発泡剤とを溶融混練
し,押出機先端のダイの細孔より押出し,直ちに水中へ
導入し急冷し,未発泡の状態で粒子化し,発泡性ゴム変
性スチレン系樹脂組成物を製造する方法がある。
ゴム変性スチレン系樹脂を溶融混練し,押出機先端のダ
イの細孔より押出し,ストランドカット,ホットカッ
ト,水中カットなどの方法により0.5mg/ヶ〜5m
g/ヶの大きさの粒子とし,得られたゴム変性スチレン
系樹脂の樹脂粒子を密閉容器中,懸濁剤の存在下で水性
媒体に分散させ,揮発性発泡剤を樹脂粒子に含浸させ
て,発泡性ゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造する方
法がある。
を溶融混練する際に,スチレン系樹脂連続相の重量平均
分子量(Mw)や重量平均分子量に対するZ平均分子量
の比(Mz/Mw)を調整するため,あるいは,ジエン
系重合体のゴム変性スチレン系樹脂中の含有量を調整す
るために,スチレン系樹脂を混合しても良い。
ビーズ用の発泡機を用いて,スチームにより,ゴム変性
スチレン系樹脂のガラス転移温度付近(約100℃)ま
で加熱し,発泡させ,ゴム変性スチレン系樹脂の発泡粒
子とする。得られたゴム変性スチレン系樹脂の発泡粒子
は,例えば,ポリスチレン発泡成形体の製造に用いられ
る成形機を用いて成形することができる。すなわち,所
望の形の金型内に発泡粒子を充填し,スチーム加熱によ
り発泡粒子同士を融着させ,所定時間冷却後,金型より
取り出して本発明のゴム変性スチレン系樹脂の発泡成形
体とする。
変性スチレン系樹脂発泡成形体,及びその製造方法につ
き,その具体例を説明する。 実施例1〜5及び比較例1〜3 (ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法)本例で用いるゴ
ム変性スチレン系樹脂は,以下に示す塊状重合により得
たものである。
ブタジエン重合体10重量部と,重合開始剤としてのタ
ーシャリーブチルパーオキシベンゾエート0.03重量
部,溶媒としてのエチルベンゼン12重量部を混合溶解
したものを,内容積30リットルの撹拌槽型反応器に,
平均滞留時間が2.5時間になるように連続的に供給
し,110〜130℃で重合を行った。
ロー型反応器へ連続的に供給し,それぞれ120〜13
0℃,150〜180℃で最終重合率が80〜90%に
なるまで重合反応を行った。その後,未反応スチレンモ
ノマーおよび溶媒を加熱下で減圧脱気して取り除き,ペ
レット化して,目的とするゴム変性スチレン系樹脂を得
た。
および脱気槽の温度条件を変化させることにより,グラ
フト率,ゲル膨潤度,ゴム粒径の異なるゴム変性スチレ
ン系樹脂を得た。さらに,重合系に供給するブタジエン
重合体の濃度を変化させることにより,得られるゴム変
性スチレン系樹脂のジエン系重合体の含有量を調整し
た。これにより,表1,表2の実施例,比較例に示す,
各種のゴム変性スチレン系樹脂を得た。
1,表2に示すゴム変性スチレン系樹脂を,65mm単
軸押出機で溶融後,水中カットにより約1.3mg/ヶ
の大きさの樹脂粒子とした。次いで,撹拌装置付きの3
リットル反応器に上記樹脂粒子100重量部,脱イオン
水150重量部,懸濁剤としてのピロリン酸ナトリウム
0.7重量部と,硫酸マグネシウム1.4重量部,樹脂
粒子中の水分量を調整するため電解質としての硫酸ナト
リウム3重量部,界面活性剤としてのラウリル硫酸ナト
リウム0.075重量部を投入し,反応器を密閉した。
後,揮発性発泡剤としてペンタン4重量部およびブタン
8重量部を反応器に圧入し,100℃で5時間保持し
た。次いで30℃に冷却後,発泡剤の含浸された樹脂粒
子を取り出し,水洗および脱水を行った。
取り付けた金属製の円筒形容器に樹脂粒子を入れ,毎分
500リットルの流量で室温の乾燥窒素を円筒形容器下
部より10分間吹き込み乾燥させた。得られた発泡性ゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物の樹脂粒子100重量部当
たり,帯電防止剤0.04重量部,ブロッキング防止剤
0.06重量部を混合してコーティングした後,0℃で
24時間保管した。
バッチ式発泡機で,約55倍に発泡させ,ゴム変性スチ
レン系樹脂の発泡粒子を得た。この発泡粒子を,1日室
温で放置後,ポリスチレン発泡成形用の成形機(ダイセ
ン工業(株)製,VS−500)を用いて,ゴム変性ス
チレン系樹脂の発泡成形体を得た。
の評価方法は以下の通りである。 (ゴム変性スチレン系樹脂発泡体の評価) 1)スチレン系樹脂連続相の重量平均分子量 THFにゴム変性スチレン樹脂を溶解し,メンブランフ
ィルターにて不溶分を除去した後,ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
泡成形体の体積(m3)より,発泡成形体の密度(kg
/m3)を求めた。
価した。 ○;収縮,メルト,間隙がほとんどない。 △;収縮,メルト,間隙が見られる。 ×;著しい収縮,メルト,間隙が見られる。 なお,ここで言うメルトとは,発泡成形体の表面が成形
時の加熱により,溶融してしまった状態である。
25mmの大きさに切断し試験片とし,重さ255gの
鋼球を落下させ,JIS K 7211に準拠して,5
0%破壊高さ(cm)を求めた。これにより,耐衝撃強
度を評価した。
20mmの大きさに切断し試験片とした。軸径が100
mmから10mmまでの10本の金属製円筒軸を準備
し,試験片の中央部を円筒軸に押し当て,等速度で,約
5秒間で円筒軸に沿って試験片を折り曲げて試験を行
う。始めに軸径が100mmの円筒軸で試験を行い,試
験片が割れなかったら,軸径が10mm小さい円筒軸に
変えて同様の試験を行う。割れるまで軸径が10mmず
つ小さい円筒軸に変えながら試験を繰り返す。試験片が
割れたら,割れたときの1つ前の試験に使った円筒軸の
軸径の値を記録する。試験片10個の平均値(mm)か
ら柔軟性を評価した。従って,値が小さいほど柔軟性に
優れる。
1,表2に示す。なお,実施例3及び比較例3は,ゴム
変性スチレン系樹脂100重量部に対して,重量平均分
子量330,000のスチレン樹脂20重量部を押出機
中で溶融混練して用いた。実施例3及び比較例3の表中
の値は全て,スチレン樹脂を混合した後の数値である。
の条件を満たしているすべての実施例は,高発泡倍率
(55倍,密度約18kg/m3)においても,成形品
の表面外観,耐衝撃性(50%破壊高さ),柔軟性に優
れた発泡成形体が得られることが分かる。
いゴム変性スチレン系樹脂を用いた場合(比較例1),
グラフト率が高く,膨潤度の小さいゴム変性スチレン系
樹脂を用いた場合(比較例2),グラフト率が高く,ゴ
ム粒子径の小さいゴム変性スチレン系樹脂を用いた場合
(比較例3)では,いずれも気泡膜中のゴム粒子のアス
ペクト比が20以下のゴム粒子の割合が30%を超え,
耐衝撃性や柔軟性に劣ることが分かる。
気泡膜断面につき,透過型電子顕微鏡写真(1万倍)を
撮影し,図1に示した。また,同様に比較例1の発泡成
形体についても撮影した(図2)。両図において,斜方
向の帯状物が気泡膜である。気泡膜中に黒く筋状に見え
るのが,ゴム粒子である。図1のゴム粒子はよく伸び
て,非常に細長くなっている(アスペクト比が大き
い)。一方,図2のゴム粒子は図1のゴム粒子に比較
し,伸びが小さく,厚みが大きい(アスペクト比が小さ
い)ことが分る。
撃性や柔軟性に優れ,外観も良好な発泡成形体を提供す
ることができる。
の,図面代用透過型電子顕微鏡写真(10000倍)で
ある。
の,図面代用透過型電子顕微鏡写真(10000倍)で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 スチレン系樹脂の連続相中にジエン系重
合体のゴム粒子が分散してなるゴム変性スチレン系樹脂
を発泡成形してなる発泡成形体であって,(1)連続相
を形成するスチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が
180,000〜300,000であり,かつ重量平均
分子量に対するZ平均分子量の比(Mz/Mw)が2〜
4であり,(2)25℃トルエン中における上記ジエン
系重合体のゲル分の膨潤度が12〜25であり,(3)
ジエン系重合体へのスチレン系樹脂のグラフト率が70
%〜135%であることを特徴とするゴム変性スチレン
系樹脂発泡成形体。 - 【請求項2】 請求項1において,スチレン系樹脂の連
続相中に分散しているジエン系重合体のゴム粒子の平均
粒子径は,2μm〜10μmであることを特徴とするゴ
ム変性スチレン系樹脂発泡成形体。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記ジエン系
重合体中の1,4−シス構造の割合は,80%以上であ
ることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂発泡成形
体。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
発泡成形体の気泡膜中における,アスペクト比が20以
下であるジエン系重合体のゴム粒子の割合は,30%以
下であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂発泡
成形体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP35770898A JP4101379B2 (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | ゴム変性スチレン系樹脂発泡成形体 |
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JP4101379B2 JP4101379B2 (ja) | 2008-06-18 |
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JP2002155161A (ja) * | 2000-11-21 | 2002-05-28 | Hitachi Chem Co Ltd | 発泡性樹脂粒子、その製造方法及び発泡成形品 |
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1998
- 1998-12-16 JP JP35770898A patent/JP4101379B2/ja not_active Expired - Fee Related
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