JP2002155161A - 発泡性樹脂粒子、その製造方法及び発泡成形品 - Google Patents

発泡性樹脂粒子、その製造方法及び発泡成形品

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JP2002155161A
JP2002155161A JP2000354440A JP2000354440A JP2002155161A JP 2002155161 A JP2002155161 A JP 2002155161A JP 2000354440 A JP2000354440 A JP 2000354440A JP 2000354440 A JP2000354440 A JP 2000354440A JP 2002155161 A JP2002155161 A JP 2002155161A
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acrylonitrile
styrene
acrylic
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JP2000354440A
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English (en)
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Hiroshi Nakakuki
弘 中岫
Hideaki Tokita
英明 時田
Tetsuya Kato
哲也 加藤
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の発泡ポリスチレンの課題であった耐候
性、耐熱性、耐油性を改善し、かつ発泡成形作業が通常
の発泡ポリスチレン用予備発泡・成形設備がそのまま適
用可能な発泡性樹脂粒子、その製造方法及び発泡成形品
を提供する。 【解決手段】 アクリロニトリル・スチレン共重合体を
主成分としたマトリックス成分(I)50〜95重量部
に、アクリルグラフト重合体ゴム成分(II)50〜5重
量部及びカーボンブラック、酸化防止剤及び/又は紫外
線吸収剤を分散したアクリルゴム・アクリロニトリル・
スチレン系樹脂粒子に発泡剤を該樹脂粒子に対して3〜
10重量%を含浸してなる発泡性樹脂粒子、その製造方
法及び該樹脂粒子を用いて得られる発泡成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野外用途に適した
耐候性、耐熱性、耐油性、機械的強度に優れた発泡性樹
脂粒子、その製造方法及び発泡成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、発泡プラスチックは断熱性、
成形品密度と強度のバランス、加工性に優れることか
ら、自動車用軽量化部材、建築用断熱部材、断熱容器、
一般緩衝包装材等の用途に広く使用されている。これら
の用途に使用される発泡プラスチックとしては高発泡ポ
リプロピレン、発泡ポリスチレンが一般的であるが、高
発泡ポリプロピレン粒子は発泡剤の保持が困難であるこ
とから、発泡済み粒子で流通しなければならないこと
や、発泡成形を高温で行わなければならないこと、発泡
体の密度が0.03g/ml以下にできないなどの制約
があることから、製品コストは他の発泡プラスチックに
比較し非常に高価とならざるを得なかった。一方、発泡
ポリスチレンは優れた生産性等から単位容積当たりのコ
ストパフォマンスに最も優れた素材であるが、耐候性が
劣るため野外使用に耐えないこと、耐熱性が約70℃程
度と低いこと、耐薬品性から用途が限定されることなど
の問題点を有していた。
【0003】そこで、これらの問題点を解消する方法と
して発泡ポリスチレンをベースに種々検討が行われてい
る。例えば、耐候性を向上させる試みとしては、押出機
等により樹脂とカーボンブラックを混練裁断する方法
(特公昭58−11839号公報)、カーボンブラック
をスチレン等のモノマーに溶解し懸濁重合する方法(特
公昭61−171705号公報)などが知られている
が、いずれも十分な耐候性を得ることができない。ま
た、カーボンブラックをモノマーに溶解し懸濁重合する
方法においては、重合反応が遅く生産性が低下するこ
と、モノマー油滴の分散が不安定となり粒子が不揃いと
なることから得率が低下する、機械的強度が低下する等
の問題があった。耐熱性を向上させる試みとしては、特
公平02−49330号公報や特公平04−47700
号公報で、発泡体の樹脂組成をスチレン/αメチルスチ
レン/アクリロニトリルとすることや、同様に特開昭6
0−115609号公報ではスチレン/メタクリル酸ト
リシクロ[5.2.1.02,6]デカイル共重合体とす
ることなどが提案されている。また、耐薬品性の改善の
目的には、例えば特公平06−60259号公報や特開
平06−73225号公報でアクリルニトリル・スチレ
ンコポリマとすることが提案されている。しかしなが
ら、これらの方法では発泡ポリスチレンの特性のうち、
それぞれ限られた特性のみを改善しようとするものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の発泡
ポリスチレンの課題であった耐候性、耐熱性、耐油性を
改善し、かつ発泡成形作業が通常の発泡ポリスチレン用
予備発泡・成形設備がそりまま適用可能な発泡性樹脂粒
子、その製造方法及び発泡成形品を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリロニト
リル・スチレン共重合体を主成分としたマトリックス成
分(I)50〜95重量部に、アクリルグラフト重合体
ゴム成分(II)50〜5重量部及びカーボンブラック、
酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を分散したアクリル
ゴム・アクリロニトリル・スチレン系樹脂粒子に発泡剤
を該樹脂粒子に対して3〜10重量%を含浸してなる発
泡性樹脂粒子(以下第1の発明とする)に関する。
【0006】本発明は、第1の発明において、マトリッ
クス成分(I)がアクリロニトリル・スチレン共重合体
であり、アクリロニトリルの成分が10重量%以上40
重量%未満でスチレン換算の重量平均分子量が5万以上
50万未満である発泡性樹脂粒子(第2の発明)に関す
る。
【0007】本発明は、第1の発明又は第2の発明にお
いて、アクリルグラフト重合体ゴム成分(II)が、アク
リル酸エステルを主成分とした重合性単量体を多官能単
量体の存在下にジエン系重合体にグラフト重合したの
ち、さらにシアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物
及び/又はメタクリル酸エステルを多官能性単量体の存
在下にグラフト重合させて得られる重合体である発泡性
樹脂粒子(第3の発明)に関する。
【0008】本発明は、第1の発明において、カーボン
ブラックの配合量をアクリルゴム・アクリロニトリル・
スチレン系樹脂に対して0.1重量%以上5重量%以下
とした発泡性樹脂粒子(第4の発明)に関する。
【0009】本発明は、第1の発明において、酸化防止
剤がフェノール系であり、その配合量がアクリルゴム・
アクリロニトリル・スチレン系樹脂粒子に対して0.1
重量%以上5重量%以下である発泡性樹脂粒子(第5の
発明)に関する。
【0010】本発明は、第1の発明において、紫外線吸
収剤がベンゾトリアゾール系及び/又はベンゾフェノン
系であり、その配合量がアクリルゴム・アクリロニトリ
ル・スチレン系樹脂粒子に対して0.1重量%以上10
重量%以下である発泡性樹脂粒子(第6の発明)に関す
る。
【0011】本発明は、マトリックス成分(I)へのア
クリルグラフト共重合体及びカーボンブラック、酸化防
止剤及び/又は紫外線吸収剤の分散を押出機によって行
い、樹脂ペレットが発泡性粒子としたとき、0.5〜
3.0mmの径を有する球形粒子になるようホットカッ
ト法により樹脂ペレットとしたのち、分散剤を含む水性
媒体中に分散し、発泡剤の含浸を行う発泡性樹脂粒子の
製造方法(第7の発明)に関する。また、本発明は、第
1〜第7の発明のいずれかに記載の発泡性樹脂粒子を用
いて得られる発泡成形品(第7の発明)に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるアクリルゴム・ア
クリロニトリル・スチレン系樹脂粒子は以下に示した工
程を経て得ることができる。第1の工程は、基材となる
樹脂の反応工程であり、2つの工程に分れる。1つは、
基材樹脂のマトリックス成分(I)となるアクリロニト
リル・スチレン共重合体及びアクリルグラフト重合体ゴ
ム成分(II)の製造反応である。
【0013】アクリロニトリル・スチレン共重合体は懸
濁重合又は塊状重合によって製造される。アクリロニト
リル/スチレンの共重合の重量比が10/90〜40/
60、スチレン換算の重量平均分子量が5万以上50万
未満の共重合体が好ましい。発泡体として廃棄されたと
きリサイクル化のための減容作業での臭気低減や環境対
策等のため、重合反応時に用いられる連鎖移動剤がメル
カプタン系化合物や塩素系化合物以外の炭化水素化合物
を用いることが好ましい。
【0014】本発明に用いられるアクリルグラフト重合
体ゴム成分(II)は、次の2段階の重合反応工程を経て
製造されることが好ましい。第1段階では、ポリブタジ
エン及び/又はブタジエン・スチレン共重合体(a)を
核として多官能単量体(b)の存在下にアクリル酸エス
テル(c)のグラフト重合を行い、第2段階で、さら
に、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物(e)
及び/又はメタクリル酸エステルを多官能性単量体の存
在下でグラフト重合させて得られるグラフト重合体であ
る。
【0015】第1段階でのポリブタジエン及び/又はブ
タジエン・スチレン共重合体(a)とアクリル酸エステ
ル(c)の共重合比(a)/(c)は重量で5/95〜
40/60が好ましい。この比が5/95未満では低発
泡成形品での耐衝撃性が不十分となり、40/60を越
えると2重結合が残り耐候性が劣り好ましくない。多官
能性単量体(b)の使用量は(b)/(c)は重量で、
0.05/99.95〜2/98の中から選ばれること
が好ましい。0.05/99.95未満ではグラフト重
合体の架橋密度が不十分であり、2/98を越えると樹
脂流動性が劣り、生産性が劣るばかりでなく、発泡性も
低下するため好ましくない。
【0016】ポリブタジエン及び/又はブタジエン・ス
チレン共重合体(a)はゴムラテックスである。多官能
性単量体(b)としては、アクリル酸エステル(c)と
共重合するものであれば特に制限はない。例えばアクリ
ル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等があげ
られる。
【0017】アクリル酸エステル(c)としては、例え
ば、アクリル酸エチル、アクリル酸nブチル、アクリル
酸2エチルヘキシル等の炭素数1〜13のアルキル基を
有するアクリル酸エステルを用いることが出来る。予備
グラフト重合反応は、上記(a)(b)(c)の乳化重
合によって行われるが、乳化重合に用いられる乳化剤や
重合開始剤は従来公知のものが適用できる。たとえば、
乳化剤としてはオレイン酸ソーダ、ラウリル硫酸ソー
ダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン系
乳化剤やノニオン系乳化剤等の単独又は2種以上の組み
合わせが用いられる。重合開始剤としては過硫酸塩等を
用いることができる。
【0018】第1段階での重合が60%〜90%進んだ
とき第2段階の重合を開始する。第2段階では更に、シ
アン化ビニル化合物(d)、芳香族ビニル化合物(e)
及び/又はメタクリル酸エステル(f)の多官能性単量
体(g)の存在下でのグラフト重合が行われる。このと
き、(d)/((e)+(f))は重量比で(5〜4
0)/(95〜60)とされることが好ましい。5/9
5未満では、第2工程での相溶性が劣り、40/60を
越えるとシアン化ビニル化合物(d)がホモポリマを生
成するため好ましくない。(e)と(f)の比率は任意
とされる。多官能性単量体(g)の使用量は第2段階で
用いられる単量体の総計に対し重量で(g)/((d)
+(e)+(f))比が0.01/99.9〜 /98
の範囲が好ましい。
【0019】シアン化ビニル化合物(d)としては、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等が、芳香族ビニ
ル化合物(e)としては、スチレン、αメチルスチレン
等が、メタクリル酸エステル(f)としては、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル
等があげられる。多官能性単量体(g)は多官能性単量
体(b)と同じとされる。
【0020】第1段階で得られるグラフト重合体の量
(A)と、第2段階で得られるグラフト重合体の量
(B)の比(A)/(B)は重量比で5/95〜90/
10の範囲が好ましい。5/95未満では耐候性が不十
分であり、90/10を越えると機械的強度や耐熱性が
低下する傾向がある。重合形態は、第1段階に引き続き
第2段階も乳化重合で行われる。得られた樹脂成分は、
塩析により乳化破壊された後、脱水乾燥されアクリルグ
ラフト重合体ゴム成分(II)とされる。
【0021】第2の工程はカーボンブラック、酸化防止
剤及び/又は紫外線吸収剤を用い押出機等によりアクリ
ルグラフト重合体ゴム成分(II)をアクリロニトリル・
スチレン共重合体を主成分としたマトリックス成分
(I)に、海島構造に分散する工程である。この工程
で、発泡体としたとき必要となる気泡形成用の核剤、滑
材、染料、顔料、改質用の樹脂等が樹脂中に練り込まれ
一体化される。
【0022】本発明に用いるカーボンブラックは特に制
限はなく、ファーネストブラック、サーマルブラック、
チヤネルブラック、アセチレンブラック等の公知のもの
が適用できる。カーボンブラックの配合量はアクリルゴ
ム・アクリロニトリル・スチレン系樹脂粒子に対して
0.1〜5重量%が好ましく、0.3〜3重量%がより
好ましい。0.1重量%未満では耐候性が不十分とな
り、5重量%を越えると成形品の外観が低下する傾向と
なる。
【0023】本発明に用いる酸化防止剤はフェノール系
の酸化防止剤が好ましく、その配合量は上記の樹脂粒子
に対して0.1〜5重量%が好ましく、0.3〜3重量
%がより好ましい。0.1重量%未満では耐候性が低下
する傾向があり、5重量%を越えると成形品の外観が低
下する傾向となる。
【0024】本発明に用いる紫外線吸収剤はベンゾトリ
アゾール系又はベンゾフェノン系が好ましく、その配合
量は、上記の樹脂粒子に対して0.1〜10重量%が好
ましく、0.3〜3重量%がより好ましい。0.1重量
部未満では十分な耐候性が得られず、10重量%を超え
る量では機械的強度が低下する傾向となり好ましくな
い。
【0025】本発明で使用する核剤としては発泡プラス
チック用として公知のものが適用できる。例えばタル
ク、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の数ミクロンか
ら50ミクロン程度の粒度のものが単独もしくは複数組
み合わせられて用いられる。核剤の配合量は上記の樹脂
粒子に対して、好ましくは0.1〜3.0重量%である
が、核剤の粒度や目標とする気泡サイズにより配合量が
ことなることから、特に限定されるものではない。
【0026】着色用の顔料、染料はプラスチック用とし
て一般的に用いられているものが適用できる。
【0027】本発明の製造法における押出しは上記の成
分やその他必要に応じて各種の成分が配合されるため、
2軸押出機でコンパウンディングされることが好まし
い。
【0028】本発明におけるペレタイズは樹脂ペレット
にひずみを残さないように押出機等で製造することが出
来る。延伸等により樹脂ペレットにひずみが残った場合
は、次工程である発泡剤の含浸工程で応力緩和が起こる
ため球形の維持が困難となり発泡成形に適さないものと
なる。ひずみを残さないようなペレットの製造方法とし
ては、いわゆるホットカット式のペレタイズ法が公知で
ある。ホットカット法にはアンダーウォーターホットカ
ット法、センターホットカット又はウォーターリング法
と呼ばれる方法が知られているが、特に限定されるもの
ではない。ひずみを残したペレットは好ましくないが例
外的に、樹脂ペレット形状が応力緩和したときにほぼ直
方体になるよう予め、シャープペンシルの芯状にひずみ
を残した樹脂ペレットとすることもできる。
【0029】樹脂ペレットのサイズは発泡成形品の形状
により求められる粒度が異なるが、発泡性樹脂粒子とし
たとき0.5〜3.0mmの径を有するものが好まし
い。また、ひずみの無い若しくは小さいペレットは、細
粒化を目的に樹脂ペレットの粉砕工程を追加しても良
い。
【0030】第3の工程は発泡剤の含浸工程である。発
泡剤の含浸は、発泡ポリスチレンと同様の方法が、その
まま適用できる。たとえば、第2工程で得られる樹脂好
ましくはペレットを分散剤を含む水性媒体中に分散させ
たのち、脂肪族炭化水素または脂環属炭化水素の存在下
で、樹脂の軟化点以上に加熱することで、発泡剤を樹脂
ペレット中に含浸することができる。かかる発泡剤とし
ては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペ
ンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、ノルマル
ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等がある。こ
れらの発泡剤の含浸量は、アクリルゴム・アクリロニト
リル・スチレン系樹脂粒子に対して3重量%以上10重
量%未満とされる。3重量%未満では、十分な発泡性の
付与は困難であり、10重量%を越えても発泡性はそれ
以上向上しない。このとき使用される分散剤は難溶性無
機塩と界面活性剤の併用、水溶性高分子分散剤の使用、
難溶性無機塩と水溶性高分子分散剤との併用など、従来
の技術がそのまま適用できる。
【0031】発泡剤が含浸された、発泡性樹脂粒子は発
泡成形前に粒子の表面が被覆剤で被覆される。被覆剤
は、一般に発泡性スチレン系樹脂粒子で用いられるもの
がそのまま使用できる。例えば、一次発泡における集塊
化防止のため使用されるステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸カルシウムなどの金属石鹸、エチレンビスアミド、ス
テアリン酸アミドのような高級脂肪酸アミドを挙げるこ
とができる。これらの集塊化防止剤は発泡性樹脂粒子1
00重量部に対し0.05〜0.5重量部使用される。
また成形工程においてこの発泡性スチレン系樹脂粒子本
体の融着促進効果のある添加剤も使用可能である。かか
る物質としては従来公知のものが使用できる。例えはス
テアリン酸グリセライド、オレイン酸グリセライドなど
の高級脂肪酸のトリエステル、ジエステル、モノエステ
ル類、蔗糖エステル類等が使用できる。さらに、一次発
泡性スチレン系樹脂粒子の静電防止剤として使用される
グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類、ソル
ビタンエステル、高級脂肪酸のエチレングリコール付加
物等のノニオン系界面活性剤も併用可能である。これら
融着促進剤や静電防止剤は発泡性樹脂粒子に対し0.0
05〜0.2重量%使用される。
【0032】これらの表面被覆剤の被覆作業は、リボブ
レンダー、V形ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レデ
ィゲミキサー等の従来既知の混合機を用いて行なうこと
ができる。本発明の発泡成形は、前述の発泡性樹脂粒子
をスチーム等の熱媒を用いて、あらかじめ、所定の嵩密
度に予備発泡したのち、閉鎖はしうるが、密閉はし得な
い金型に充填し、再度スチーム等によって、発泡成形す
ることによって得ることができる。こうして得られる発
泡成形品は、優れた耐候性、耐熱性、耐油性を示す発泡
成形品である。以下実施例によって本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0033】実施例 [第1工程] 1−1 アクリロニトリル・スチレン共重合体の重合 攪拌機を備え付けた内容積2000リットルの反応容器
に脱イオン水800kg、燐酸三カルシウム16kg、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.4kg、アクリ
ロニトリル210kg、スチレン540kg、αメチル
スチレンダイマー6.0kg、ラウリルパーオキサイド
6.0kg、ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ト
リメチルシクロヘキサン0.375gをしこみ、68℃
で10時間、115℃で3時間加熱し、重合反応を完結
せしめた後、脱水乾燥し重量平均分子量が15万のアク
リロニトリル・スチレン共重合体粒子を得た。
【0034】1−2 アクリルグラフト重合体ゴムの重
合 <アクリルゴムラテックスの合成>攪拌機を備え付けた
内容積2000リットルの反応容器にポリブタジエンラ
テックス150kg(樹脂分換算値=75kg)、脱イ
オン水350kg、過硫酸カリウム100g、亜硫酸ナ
トリウム2g、オレイン酸ソーダ250gを順次仕込
み、引き続き、アクリル酸ブチル175kgにアリルメ
タクリレート175kgを溶解した単量体混合液を追加
したのち、窒素置換後65℃に昇温し4.5時間保持し
重合率60%の予備グラフト・アクリルゴムラテックス
(樹脂分37重量%)を得た。
【0035】<アクリルグラフト重合体ゴムの合成>つ
づいて、脱イオン水700kg、オレイン酸ソーダ5k
g、ロンガリット1.4kgを追加したのち、スチレン
30kg、アクリロニトリル10kg、アリルメタクリ
レート1kg、ジビニルベンゼン250g、キュメンハ
イドロパーオキサイド100g、αメチルスチレンダイ
マー200gを加え、70℃に昇温し、2.5時間保温
した。ひきつづき、ピロリン酸ソーダ300gを追加
し、更に、スチレン230kg、アクリロニトリル75
kg、キュメンハイドロパーオキサイド250g、αメ
チルスチレンダイマー1500gの単量体混合液を3.
5時間かけて滴下したのち、同温度で1時間、80℃で
1時間保温しアクリルグラフト重合体ゴムラテックスを
得た。このラテックスを硫酸アルミ溶液の熱水中で塩析
後、脱水乾燥しアクリルグラフト重合体ゴムを得た。得
られたアクリルグラフト重合体ゴム中のゴム成分量は4
2重量%であった。
【0036】[第2工程]樹脂ペレットの製造 第1工程で得られたアクリロニトリル・スチレン共重合
体90重量部、アクリルグラフト重合体ゴム10重量
部、カーボンブラックを0.5重量部、酸化防止剤とし
てn−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(トミノックス
SS 吉富ファイン製)0.4重量部、タルク1重量部
を予め混合したのち、0.8mmのダイス孔とホットカ
ットペレタイザを有する2軸押出機(日本製鋼所製CH
C型ペレタイザ、TEX44型2軸押し出し機)に供給
し、200〜220℃で押出しを行い、平均径が約1.
2mmの粒状ペレットを得た。
【0037】[第3工程]発泡剤の含浸 内容積が、4リットルのオートクレーブに第2工程で得
られたアクリルゴム・アクリロニトリル・スチレン共重
合体樹脂粒子1000g、イオン交換水1000g、燐
酸三カルシウム10g、ドデシルベンゼンスルフォン酸
ナトリウム1gを仕込んだ後、密閉し、110℃まで昇
温した。発泡剤として、ブタン(イソ/ノルマル=4/
6、重量比)100gを圧入し、更に8時間保温したの
ち、室温まで冷却しオートクレーブより取り出し洗浄・
脱水・乾燥して発泡性樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒
子は7.5重量%のブタンを含んでいた。ついで、8.
5メッシュ通過、22メッシュ残に分級し、更に樹脂粒
子に対してジンクステアレート0.1重量%、ひまし硬
化油0.1重量%を混合し表面被覆を行い発泡性アクリ
ルゴム・アクリロニトリル・スチレン共重合体樹脂粒子
を得た。
【0038】(発泡成形)得られた発泡性樹脂粒子を、
スチームを熱媒とした、予備発泡機で10ml/gに予
備発泡し、24時間熟成した後、発泡スチロール用成形
機(ダイセン工業製CVS−500)で、スチーム圧
0.8kg/cm2に加熱することで箱状発泡成形品を
得た。
【0039】(成形品の特性評価)得られた発泡成形品
の評価は以下の方法により実施した。耐候性は、発泡成
形品を60mm×45mm×5mmに切り出し試験片と
し、試験片をサンシャインウェザーメータ(スガ試験機
製)で、JIS−A1415に準拠し360時間後の色
変化を測定した。耐熱性は、JIS−K6767に準拠
し、温度100℃×1週間における寸法変化率を測定し
た。耐油性は、ASTM−D−543−56Tに準拠
し、ガソリンに7日間浸漬による外観変化について評価
した。圧縮強度は、JIS A9511に従い5%圧縮
における値を測定した。この結果を表1に示した。
【0040】実施例 第2工程でのアクリロニトリル・スチレン共重合体と、
アクリルグラフト重合体ゴムをそれぞれ70重量部、3
0重量部とした以外は、実施例1と同様に発泡成形品を
作成した。評価結果を表1に示した。
【0041】比較例1 材料を発泡ポリスチレン(日立化成工業製発泡ポリスチ
レンビーズ:ハイビーズ SSB−TX)とした以外は
実施例1の発泡成形と成形品の特性評価実施し、結果を
表1に示した。 比較例2 材料をカーボンブラックが樹脂に対し7重量%配合され
てなる発泡ポリスチレン(日立化成工業製発泡ポリスチ
レンビーズ:ハイビーズ BB−750)とした以外は
実施例1の発泡成形と成形品の特性評価実施し、結果を
表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、本発明によれば
発泡成形品が良好な耐候性、耐熱性、耐油性、機械的強
度を示す発泡性アクリルゴム・アクリロニトリル・スチ
レン系樹脂粒子を得ることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明により、野外用途に適した耐候
性、耐熱性、耐油性、機械的強度等に優れた発泡アクリ
ルゴム・アクリロニトリル・スチレン系樹脂成形品を得
ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/07 C08K 5/07 5/13 5/13 5/3472 5/3472 C08L 25/12 C08L 25/12 51/04 51/04 // B29K 105:04 B29K 105:04 Fターム(参考) 4F074 AA12 AA22 AA33 AA34 AA77 AB03 AC07 AC11 BA35 BA36 BA37 BA38 BA39 BA40 CA34 CA38 CC04X DA32 DA33 DA34 DA35 4F201 AA13E AA46E AB02 AB06 AB18 AC01B AE02 AG20 BA02 BC01 BC12 BC15 BC19 BC37 BK02 BK13 BK26 BL11 BL43 4J002 BN121 BN211 DA036 DF016 EE038 EJ027 EJ037 EU178 FD058 FD077 GG01 GG02 GL00 GN00 4J026 AA42 AA45 AC09 AC15 AC32 BA05 BA31 BB03 DB04 DB08 DB14 DB15 DB19 DB24 FA04 GA08 GA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル・スチレン共重合体を
    主成分としたマトリックス成分(I)50〜95重量部
    に、アクリルグラフト重合体ゴム成分(II)50〜5重
    量部及びカーボンブラック、酸化防止剤及び/又は紫外
    線吸収剤を分散したアクリルゴム・アクリロニトリル・
    スチレン系樹脂粒子に発泡剤を該樹脂粒子に対して3〜
    10重量%を含浸してなる発泡性樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 マトリックス成分(I)がアクリロニト
    リル・スチレン共重合体であり、アクリロニトリルの成
    分が10重量%以上40重量%未満でスチレン換算の重
    量平均分子量が5万以上50万未満である請求項第1項
    記載の発泡性樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 アクリルグラフト重合体ゴム成分(II)
    に、アクリル酸エステルを主成分とした重合性単量体を
    多官能単量体の存在下にグラフト重合したのち、さら
    に、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物及び/
    又はメタクリル酸エステルを多官能性単量体の存在下に
    グラフト重合させて得られる重合体である請求項第1項
    記載の発泡性樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 カーボンブラックの配合量を、アクリル
    ゴム・アクリロニトリル・スチレン系樹脂粒子に対して
    0.1重量%以上5重量%以下とした請求項第1項記載
    の発泡性樹脂粒子。
  5. 【請求項5】 酸化防止剤がフェノール系であり、その
    配合量がアクリルゴム・アクリロニトリル・スチレン系
    樹脂粒子に対して0.1重量%以上5重量%以下である
    請求項第1項記載の発泡性樹脂粒子。
  6. 【請求項6】 紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系及
    び/又はベンゾフェノン系であり、その配合量がアクリ
    ルゴム・アクリロニトリル・スチレン系樹脂粒子に対し
    て0.1重量%以上10重量%以下である請求項1記載
    の発泡性樹脂粒子。
  7. 【請求項7】 マトリックス成分(I)へのアクリルグ
    ラフト重合体ゴム成分(II)及びカーボンブラック、酸
    化防止剤及び/又は紫外線吸収剤の分散を押出機によっ
    て行い、樹脂ペレットが発泡性樹脂粒子としたとき、
    0.5〜3.0mmの径を有する球形粒子になるようホ
    ットカット法により樹脂ペレットとしたのち、分散剤を
    含む水性媒体中に分散し、発泡剤の含浸を行うことを特
    徴とする請求項1〜6記載の発泡性樹脂粒子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の発泡性
    樹脂粒子を用いて得られる発泡成形品。
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