JP2000178339A - ポリウレタン水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents
ポリウレタン水性エマルジョンの製造方法Info
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Abstract
れると共に、他の水性エマルジョンとの混和安定性に優
れたPUエマルジョンの製造方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 水性媒体中において、分子中にイソシア
ネート基を有するPUプレポリマー(A)、アミノ基ま
たは一級水酸基を含有する変性PVA(B)およびアミ
ノ基または水酸基を含有する低分子化合物(C)を反応
させることを特徴とするPUエマルジョンの製造方法。
Description
下「PU」と略記する。)水性エマルジョンの製造方法
に関する。さらに詳しくは、耐溶剤性および耐水性に優
れると共に、他の水性エマルジョンとの混和安定性に優
れたPU水性エマルジョンの製造方法に関する。
野を埋める樹脂として、塗料、接着剤および人工皮革な
どの幅広い用途に使用されている。近年、環境保全、省
資源および安全性などの社会ニーズに対応するため、水
性PUが増加している。PUの水への乳化分散技術、ア
イオノマー化による自己乳化分散技術、水中での高分子
量化技術等の進歩により、水性PUの性能が向上してき
ている。また、特開昭53−79990号では、乳化剤
として酸性アミノ酸と脂肪酸の縮合生成物の水溶性塩を
用いることが提案されている。
に使用する乳化剤などの影響により、PUが本来有して
いる耐溶剤性や耐水性が低下するという問題がある。ま
た、水性PUと各種の水性エマルジョンをブレンドする
場合には、混和性に問題が生じることが多い。
剤性および耐水性に優れると共に、他の水性エマルジョ
ンとの混和安定性に優れたPU水性エマルジョンの製造
方法を提供することにある。
検討を重ねた結果、水性媒体中において、分子中にイソ
シアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(以下
「PUプレポリマー」と略記する。)(A)、アミノ
基、一級水酸基およびアセトアセチル基から選ばれる少
なくとも1種の官能基を含有する変性ポリビニルアルコ
ール(以下「変性PVA」と略記する。)(B)および
アミノ基および/または水酸基を含有する低分子化合物
(C)を反応させることを特徴とするポリウレタン水性
エマルジョン(以下「PUエマルジョン」と略記す
る。)の製造方法を見出した。さらに、水性媒体中にお
いて、分子中にイソシアネート基を有するPUプレポリ
マー(A)、アミノ基、一級水酸基およびアセトアセチ
ル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する変
性PVA(B)およびアミノ基および/または水酸基を
含有する低分子化合物(C)を反応させて得られたPU
エマルジョンを見出した。さらに、水性媒体中におい
て、分子中にイソシアネート基を有するPUプレポリマ
ー(A)、アミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル
基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する変性
PVA(B)およびアミノ基および/または水酸基を含
有する低分子化合物(C)を反応させて得られたPUを
見出した。
(A)は、分子中にイソシアネート基を1個以上有する
PUであればよい。PUプレポリマーの製造方法として
は、高分子ポリオールと有機ジイソシアネートを反応さ
せる方法が挙げられる。なお、この反応は、溶媒の存在
下または不存在下で行われ、鎖伸長剤を併用してもよ
い。
0〜10000が好ましく、700〜5000がより好
ましく、750〜4000が特に好ましい。数平均分子
量が上記の範囲から外れると、最終的に得られるPUエ
マルジョンの皮膜の耐寒性、耐水性および耐溶剤性など
が低下しやすい。高分子ポリオールは、1分子当たりの
水酸基の数(f)が2.0〜4.0の範囲が好ましく、
2.0〜3.0の範囲がより好ましい。1分子当たりの
水酸基の数(f)が上記の範囲である場合には、最終的
に得られるPUエマルジョンの皮膜の耐水性および耐溶
剤性が顕著に向上する。高分子ポリオールとしては、ポ
リエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、
ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテ
ルポリオールなどが挙げられる。
酸成分とポリオール成分を直接エステル化反応させる
か、もしくはエステル交換反応させることによって得ら
れる。ポリカルボン酸成分としては、ポリカルボン酸、
そのエステル、その無水物などが挙げられる。ポリカル
ボン酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルア
ジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン
二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカ
ン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボ
ン酸;トリメリット酸、トリメシン酸などのトリカルボ
ン酸;それらのエステル、それらの無水物などのエステ
ル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、脂肪族
カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主として
用いるのが好ましい。また、場合によっては、3官能以
上のポリカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を
少量併用するのが好ましい。ポリオール成分としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,7−ヘプタンジオール、1,8
−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メ
チル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノ
ール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオール;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオー
ル、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン、トリ
メチロールペンタンなどのトリオール、ペンタエリスリ
トールなどのテトラオールなどが挙げられる。これらの
中でも、脂肪族ポリオールを用いるのが好ましい。ま
た、場合によっては、3官能以上のポリオール成分を少
量併用するのが好ましい。
ート成分とポリオール成分との反応により得られる。カ
ーボネート成分としては、ジアルキルカーボネート、ア
ルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートが挙げ
られる。ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネートが挙げられる。アル
キレンカーボネートとしては、エチレンカーボネートが
挙げられる。ジアリールカーボネートとしては、ジフェ
ニルカーボネートが挙げられる。ポリオール成分として
は、ポリエステルポリオールの説明の欄に記載したもの
が挙げられる。
としては、ポリオール、ポリカルボン酸およびカーボネ
ート化合物を同時に反応させて得られたもの;予め製造
しておいたポリエステルポリオールとカーボネートを反
応させて得られたもの;予め製造しておいたポリカーボ
ネートポリオールと、ポリオールおよびポリカルボン酸
を反応させて得られたもの;予め製造しておいたポリエ
ステルポリオールと予め製造しておいたポリカーボネー
トポリオールを反応させて得られたものが挙げられる。
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどが挙げられる。
Uエマルジョンの製造に用いられる有機ジイソシアネー
トを使用することができる。中でも、分子量500以下
の脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、
芳香族ジイソシアネートが好ましく使用される。有機ジ
イソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートが
挙げられる。
て鎖伸長剤を併用することができる。鎖伸長剤として
は、通常のPUエマルジョンの製造に用いられる鎖伸長
剤を使用することできる。中でも、イソシアネート基と
反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子
量300以下の低分子化合物が好ましい。具体的には、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シ
クロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジオ
ール類;トリメチロールプロパン等のトリオール類;ペ
ンタエリスリトール等のペンタオール類;ヒドラジン、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジ
アミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘
導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレ
ンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジ
ヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチルアルコー
ル、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール
類が挙げられる。
知の方法が挙げられる。反応温度は、30〜150℃が
好ましく、有機溶媒の存在下または不存在下で行うこと
ができる。有機溶媒としては、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が
挙げられる。最終的に得られるPU水性エマルジョンか
らの溶媒除去の容易性を考慮すると、アセトン、メチル
エチルケトン、酢酸エチル等の沸点が100℃未満の溶
媒が好ましい。また、プレポリマーの製造後に、粘度低
下等を目的として、上記の有機溶媒を添加してもよい。
に応じて反応触媒を添加することができる。触媒として
は、オクチル酸スズ、モノブチルスズトリアセテート、
モノブチルスズモノオクチレート、モノブチルスズモノ
アセテート、モノブチルスズマレイン酸塩、ジブチルス
ズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチ
ルスズジステアレート、ジブチルスズジラウレート、ジ
ブチルスズマレイン酸塩などの有機スズ化合物;テトラ
イソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネー
トなどの有機チタン化合物;トリエチルアミン、N,N
−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’
−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミ
ンなどの3級アミンが挙げられる。
分子ポリオールおよび鎖伸長剤が有している活性水素原
子の合計量に対して、イソシアネート基の当量比(R)
が1.05〜3.0が好ましく、1.1〜2.5がより
好ましい。Rが1.05未満の場合には、変性PVA
(B)との反応性が低下し、耐水性および耐溶剤性等が
十分に改善されず、またPUプレポリマーの粘度が高く
なり水中への乳化が困難となる。一方、Rが3.0を越
える場合には、変性PVA(B)やアミノ基または水酸
基を含有する低分子化合物(C)との反応の際に、エマ
ルジョンが不安定化してゲル化しやすくなる。
る。乳化方法としては、PUプレポリマーの分子中に親
水性基を導入して、プレポリマー自身に自己乳化性を付
与する方法;アミノ基または一級水酸基を含有する変性
PVA(B)を用いて、PUプレポリマーを強制乳化さ
せる方法;界面活性剤を用いて、PUプレポリマーを強
制乳化させる方法が挙げられる。
導入は、PUプレポリマーの合成時に、親水性基を有す
る活性水素原子を含有する化合物を併用することにより
達成される。親水性基を有する活性水素原子を含有する
化合物としては、分子内に水酸基またはアミノ基等の活
性水素原子を1個以上含有し、且つカルボン酸基、スル
ホン酸基、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン性
基;ポリオキシエチレン基等のノニオン性基;三級アミ
ノ基、四級アンモニウム塩等のカチオン性基から選ばれ
る1種以上の親水性基を有する化合物が挙げられる。具
体的には、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2
−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等の
カルボン酸基含有化合物およびこれらの誘導体;1,3
−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4
−ジアミノトルエン−5−スルホン酸等のスルホン酸基
含有化合物およびこれらの誘導体;分子量200〜1
0,000のポリオキシエチレングリコールおよびその
モノアルキルエーテル等のノニオン性基含有化合物;3
−ジメチルアミノプロパノール等の三級アミノ基含有化
合物およびこれらの誘導体等が挙げられる。さらに、上
記の親水性基を有する活性水素原子を含有する化合物を
共重合して得られるポリエステルポリオールまたはポリ
エステルポリカーボネートポリオールを用いることもで
きる。これらの中でも、2,2−ジメチロールプロピオ
ン酸などのアニオン性基を有するものを用いてPUプレ
ポリマーを製造した後、トリエチルアミン、トリメチル
アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性
物質を添加してカルボン酸塩に変換する方法が好まし
い。より好ましくは、アニオン性基の少なくとも一部が
カチオン性化合物と塩を形成しているものが好ましい。
制乳化させる場合には、PUプレポリマーは上記の親水
性基を有していなくても良い。界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブ
ロック共重合体等のノニオン性界面活性剤;ラウリル硫
酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルフォン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキ
シル)スルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活
性剤等が挙げられる。こられの中でも、HLB値が6〜
20のノニオン性界面活性剤が好ましい。
ー、ホモジナイザー等の乳化分散装置を用いて行われ
る。この際、PUプレポリマーのイソシアネート基と水
との反応を抑制するため、乳化温度は40℃以下が好ま
しく、30℃以下がより好ましい。
において、PUプレポリマー(A)、アミノ基、一級水
酸基およびアセトアセチル基から選ばれる少なくとも1
種の官能基を含有する変性PVA(B)およびアミノ基
および/または水酸基を含有する低分子化合物(C)を
反応させることにより得られる。好適な方法としては、
水性媒体中において、成分(B)の存在下で、より好ま
しくは、成分(B)およびノニオン性界面活性剤をの存
在下で、成分(A)を乳化した後、成分(C)を添加し
て、成分(A)、成分(B)および成分(C)を反応さ
せる方法が挙げられる。
アミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル基から選ば
れる少なくとも1種の官能基を含有する変性PVAであ
る。
ミノ基変性PVA」と略記する。)(A)としては、分
子中に一級または二級アミノ基を有する変性PVAであ
ればよい。アミノ基変性PVA中のアミノ基の含有量
は、アミノ基に由来する窒素原子の含有量が、変性PV
Aの全重量に対して、0.05〜5重量%が好ましく、
0.1〜3重量%がより好ましい。アミノ基変性PVA
の分子量は、ジメチルスルホキシド中の極限粘度測定
(JIS)から算出した粘度平均分子量が、2,000
〜200,000が好ましく、4,000〜100,0
00がより好ましい。アミノ基変性PVAのけん化度
は、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより
好ましく、70モル%以上がさらに好ましい。アミノ基
変性PVAのアミノ基の含有量および重合度(または分
子量)が上記の範囲よりも小さい場合には、PUエマル
ジョンの皮膜の耐水性および耐溶剤性等が不十分であ
る。一方、アミノ基変性PVAのアミノ基の含有量およ
び重合度(または分子量)が上記の範囲よりも大きい場
合には、PUプレポリマーとの反応の際に、水性エマル
ジョンが不安定化し、ゲル化しやすくなる。
は二級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、また
は加水分解等により一級アミノ基または二級アミノ基を
生成しうる官能基を有するエチレン性不飽和単量体と、
ビニルエステルを共重合させた後、ケン化する方法;ア
リルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する単量
体とビニルエステルを共重合させて得られたポリマーの
側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプタンを
水酸化ナトリウム等を触媒として付加反応させた後、ケ
ン化する方法;PVAの水酸基と反応しうる官能基を分
子内に有し、且つ一級あるいは二級アミノ基を有する化
合物を変性PVAに反応させる方法;メルカプト基を有
するPVAの存在下で、一級アミノ基または二級アミノ
基を有するエチレン性不飽和単量体を重合させる方法が
挙げられる。上記におけるビニルエステルとしては、ギ
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン
酸ビニルなどが挙げられる。これらの中でも、酢酸ビニ
ルが好ましい。
「一級水酸基変性PVA」と略記する。)としては、分
子内に一級水酸基を含有する変性PVAであればよい。
一級水酸基変性PVA中の一級水酸基の含有量は、0.
1〜15モル%が好ましく、0.2〜10モル%がより
好ましい。一級水酸基変性PVAの重合度は、50〜4
000が好ましく、100〜2000がより好ましい。
一級水酸基変性PVAのけん化度は、50モル%以上が
好ましく、60モル%以上がより好ましく、70モル%
以上がさらに好ましい。一級水酸基変性PVAの一級水
酸基の含有量および重合度(あるいは分子量)が上記の
範囲よりも小さい場合あるいは大きい場合には、アミノ
基変性PVAの欄に説明した現象が現れる。
級水酸基を有する構造単位を与える単量体とビニルエス
テルとの共重合体をけん化することにより得られる。け
ん化反応後に一級水酸基を有する構造単位を与える単量
体としては、下記の化1および化2に示す単量体が挙げ
られる。
はHまたはCH3を表す。)
はHまたはCH3を表し、R2はH、CH3、CH2CH3
またはCH2CH2CH3を表す。)
ましく、1〜10がより好ましい。化1あるいは化2の
構造を有する単量体としては、2−プロペン−1−オー
ル、3−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オー
ル、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オー
ル、2−メチルー2−プロペン−1−オール、3−メチ
ルー3−ブテン−1−オール、それらのギ酸エステル、
酢酸エステル、プロピオン酸エステル等が挙げられる。
ビニルエステルとしては、前記のアミノ基変性PVAの
説明の欄に記載したものが挙げられる。
方法で合成したものでもよい。他の方法としては、2−
メルカプトエタノール等の一級水酸基を分子内に有する
チオール化合物の存在下で、ビニルエステルを重合し、
それをけん化することにより末端に一級水酸基を含有す
る変性PVAを得る方法;ビニルエステルとアリルグリ
シジルエーテル等のエポキシ含有単量体を共重合し、そ
のエポキシ基と2−メルカプトエタノール等の一級水酸
基含有チオール化合物等を付加反応させた後、けん化す
ることにより一級水酸基変性PVAを得る方法が挙げら
れる。アセトアセチル基変性PVAとしては、PVAに
固気反応によりジケテンを反応させて得られるものが例
示される。アセトアセチル基の含有量は0.1〜15モ
ル%が好ましく、0.2〜10モル%がより好ましい。
アセトアセチル基変性PVAの重合度、けん化度は前記
した一級水酸基変性PVAと同じ範囲のものが好適であ
る。上記変性PVA(B)のうち、アミノ基または一級
水酸基を含有するPVAが、本発明においてはより好適
に使用される。
Aまたはアセトアセチル基変性PVAは、本発明の効果
を損なわない範囲で、上記以外のエチレン性不飽和単量
体を共重合したものでも良い。このようなエチレン性不
飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、(無水)
マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチル
プロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、
エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビ
ニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオ
ロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスル
ホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
リマー(A)100重量部に対して、0.2〜20重量
部が好ましく、0.5〜15重量部がより好ましい。変
性PVAの添加量が0.2重量部未満の場合には、PU
エマルジョンの耐水性および耐溶剤性が低下する。一
方、変性PVAの添加量が20重量部を越える場合に
は、PUプレポリマーとの反応の際に、エマルジョンが
不安定化し、ゲル化しやすくなる。変性PVAの添加
は、通常は水溶液の形態で行うが、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類等の有機溶媒やこれらと水の混合溶媒に溶
解させて添加してもよい。
低分子化合物(C)は、分子中に一級アミノ基、二級ア
ミノ基、一級水酸基および二級水酸基から選ばれる少な
くとも1種の活性水素原子を有する低分子化合物であ
り、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子
中に有するものが好ましい。低分子化合物の分子量は3
00以下が好ましい。低分子化合物の具体例としては、
ジエチレントリアミン等のトリアミン類;ヒドラジン、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジ
アミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘
導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレ
ンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジ
ヒドラジドなどのジアミン類;エチルアミン、プロピル
アミン、ブチルアミン、モルホリン等のモノアミン類;
アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールな
どのアミノアルコール類;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス
−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレ
ングリコールなどのジオール類などが挙げられる。
基の合計量に対して、低分子化合物(C)の中の活性水
素原子の合計量が0.70〜1.20当量が好ましく、
0.75〜1.15当量がより好ましく、0.80〜
1.10当量が特に好ましい。活性水素原子の合計量
が、0.70当量未満または1.20当量を越える場合
には、PUの重合度が十分に上がらず、耐水性や耐溶剤
性が不十分となる。
分濃度が約20〜65重量%に調整される。また、PU
プレポリマーの製造時に有機溶媒を用いた場合には、必
要に応じて、蒸留分離あるいはストリッピングをするこ
とにより、有機溶媒を除去することができる。
PVA構造からなるポリマーを含有している。該ポリマ
ーは、下記の一般式(1)または一般式(2)で表され
る結合形態を含んでいるものと推定され、本発明のPU
エマルジョンの性能発現に寄与している。 PU−NHCONR−PVA (1) (但し、PUはPU構造を表し、PVAはPVA構造を
表し、RはH、CH3またはCH2CH3を表す。) PU−NHCOO−PVA (2) (但し、PUはPU構造を表し、PVAはPVA構造を
表す。)
て、従来公知の各種エマルジョンを配合することができ
る。添加されるエマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル
エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジ
ョン、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体エマル
ジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、
エポキシエマルジョンが挙げられる。
て、その乾燥性、セット性、粘度、造膜性等を調整する
ために、N−メチルピロリドン、トルエン、パークレ
ン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の各種有
機溶剤;でんぷん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アル
ギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、無水マレ
イン酸/イソブチレン共重合体、無水マレイン酸/スチ
レン共重合体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル
共重合体、PVA等の水溶性高分子;尿素/ホルマリン
樹脂、尿素/メラミン/ホルマリン樹脂、フェノール/
ホルマリン樹脂等の熱硬化性樹脂;クレー、カオリン、
タルク、炭酸カルシウム、木粉等の充填剤;小麦粉等の
増量剤;ホウ酸、硫酸アルミニウム等の反応促進剤;酸
化チタン等の顔料;酸化防止剤;紫外線吸収剤;消泡
剤;レベリング剤;凍結防止剤;防腐剤;防錆剤等の各
種添加剤を配合することができる。
に詳細に説明する。なお以下の実施例及び比較例におい
て「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を
意味する。
る。)の皮膜の耐溶剤性および耐水性、PUエマルジョ
ンの混和安定性は以下の方法により測定した。
0℃でキャスト製膜して得られた皮膜を120℃で10
分間熱処理した後、90℃のトルエン中に1時間浸漬
し、皮膜の溶出率および面積膨潤率を下記の式から求め
た。 溶出率(%)={(W1−W2)/W1 }×100 W1:浸漬前の重量 W2:浸漬後の重量 面積膨潤率(%)={(A1−A2)/A1 }×100 A1:浸漬前の面積 A2:浸漬後の面積
℃でキャスト製膜して得られた皮膜を120℃で10分
間熱処理した後、20℃の水中に24時間浸漬し、皮膜
の溶出率および面積膨潤率を上記のPUエマルジョンの
皮膜の耐溶剤性の欄に示した式から求めた。
マルジョン20gに対して、エチレン−酢酸ビニル共重
合体エマルジョン(EVA-Em)(クラレ製、OM−420
0、固形分濃度55%)80gを添加して混合した場合
の安定性を観察した。その結果を下記の記号で示す。 ○: 全く変化なし(安定性良好)。 △: 凝集あるいは相分離がわずかに観察される。 ×: 凝集あるいは相分離が激しい。
化合物に関する略号を下記に示す。
0のポリエステルジオール(3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、およびアジピン酸を反応させて製造) PMPA3600: 数平均分子量3600のポリエス
テルジオール(3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、およびアジピン酸を反応させて製造) PTMG2000: 数平均分子量2000のポリテト
ラメチレングリコール PCL2000: 数平均分子量2000のポリカプロ
ラクトングリコール IPDI: イソフォロンジイソシアネート HMDI: メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシ
アネート) TDI: 2,4−トリレンジイソシアネート DMPA: 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピ
オン酸 TEA: トリエチルアミン DETA: ジエチレントリアミン IPDA: イソフォロンジアミン EDA: エチレンジアミン MEK: 2−ブタノン
05部、アリルグリシジルエーテル11部およびメタノ
ール30部を仕込み、内部を十分に窒素置換した。2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル4.5部をメタノー
ル15部に溶解した開始剤溶液を添加した。60℃で4
時間重合させた後、冷却して重合を停止した。反応液の
固形分濃度は54.8%であった。30℃の減圧下でメ
タノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマ
ーを除去し、ポリ酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液
(固形分濃度44.5%)を得た。還流冷却管を備えた
反応容器に、上記で得られたポリ酢酸ビニル共重合体の
メタノール溶液100部を仕込み、内部を十分に窒素置
換した。2−アミノチオフェノール8.0部と水酸化ナ
トリウム0.03部をメタノール48部に溶解した溶液
を添加し、50℃で2時間反応させた。濃度10%の水
酸化ナトリウムのメタノール溶液20部を添加し、40
℃で5時間放置することによりけん化反応を行った。得
られた反応物を粉砕し、酢酸8部を加えて中和した。ソ
ックスレー抽出器を用いてメタノールで48時間洗浄し
た後、60℃で20時間乾燥させることにより、1級ア
ミノ基含有PVA(以下「アミノ基変性PVA」略記
する。)を得た。アミノ基変性PVAのIR測定およ
び1H−NMR測定により、エポキシ基は完全に消失し
ており、アミノ基に由来する窒素原子が0.67重量%
導入されており、けん化度99.0モル%であることが
確認された。アミノ基変性PVAのジメチルスルホキ
シド中での極限粘度測定(JIS)を実施し、粘度平均
分子量を算出したところ、40,000であった。
ーテルを19.3部に変更したこと以外は参考例1と同
様にして酢酸ビニル共重合体を得た。2−アミノチオフ
ェノールを20部に変更しこと以外は参考例1と同様に
して1級アミノ基含有PVA(以下「アミノ基変性PV
A」と略記する。)を得た。アミノ基変性PVAの
IR測定および1H−NMR測定により、エポキシ基は
完全に消失しており、アミノ基に由来する窒素原子が
1.11重量%導入されており、けん化度97.5モル
%であることが確認された。アミノ基変性PVAのジ
メチルスルホキシド中での極限粘度測定(JIS)を実
施し、粘度平均分子量を算出したところ、35,000
であった。
ーテルを24.4部に変更したこと以外は参考例1と同
様にして酢酸ビニル共重合体を得た。2−アミノチオフ
ェノールを28部に変更し、けん化触媒の水酸化ナトリ
ウムのメタノール溶液を10部に変更したこと以外は参
考例1と同様にして1級アミノ基含有PVA(以下「ア
ミノ基変性PVA」と略記する。)を得た。アミノ基
変性PVAのIR測定および1H−NMR測定によ
り、エポキシ基は完全に消失しており、アミノ基に由来
する窒素原子が1.77重量%導入されており、けん化
度88.5モル%であることが確認された。アミノ基変
性PVAのジメチルスルホキシド中での極限粘度測定
(JIS)を実施し、粘度平均分子量を算出したとこ
ろ、15,000であった。
37.5g、IPDI111.1g、DMPA 6.7
1gを仕込んだ。乾燥窒素雰囲気下、90℃で2時間撹
拌しながら、水酸基を定量的に反応させて、イソシアネ
ート末端のプレポリマーを得た。これに、MEK 20
2.9gを加えて均一に撹拌した後、フラスコ内温度を
40℃に下げた。これに、TEA 5.06gを加えて
10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲ
ン985(花王製、ノニオン系界面活性剤、ポリオシエ
チレンノニルフェニルエーテル)14.5gを蒸留水
420gに溶解した水溶液を上記プレポリマーに加えた
後、ホモミキサーで1分間撹拌して乳化した(以下「乳
化液A」と略記する。)。乳化液Aを調整した後、直ち
にアミノ基変性PVA 34.0g、DETA7.5
8gおよびIPDA 12.52gを蒸留水 652g
に溶解した水溶液を加え、ホモミキサーで1分間撹拌し
て反応を行った。次いで、ロータリーエバポレーターを
用いてMEKを除去して、固形分濃度40%のPUエマ
ルジョン(以下「PUエマルジョンA」と略記する)を
得た。PUエマルジョンAの評価結果を表1に示す。
40.0g、IPDI80.0g、DMPA 6.04
gを仕込んだ。乾燥窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌
しながら、水酸基を定量的に反応させて、イソシアネー
ト末端のプレポリマーを得た。これに、MEK 19
1.4gを加えて均一に撹拌した後、フラスコ内温度を
40℃に下げた。これに、TEA 4.55gを加えて
10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲ
ン985(花王製) 19.1gを蒸留水 397gに
溶解した水溶液を上記プレポリマーに加えた後、ホモミ
キサーで1分間撹拌して乳化した(以下「乳化液B」と
略記する。)。乳化液Bを調整した後、直ちにアミノ基
変性PVA 64.1gを蒸留水420gに溶解した
水溶液を加え、ホモミキサーで30秒間撹拌した。次い
で、DETA 10.21gを蒸留水240gに溶解し
た水溶液を加え、ホモミキサーで1分間撹拌して反応を
行った。次いで、ロータリーエバポレーターを用いてM
EKを除去して、固形分濃度40%のPUエマルジョン
(以下「PUエマルジョンB」と略記する。)を得た。
PUエマルジョンBの評価結果を表1に示す。
50.0g、PCL2000 250.0g、HMDI
118.1g、DMPA 6.71gを仕込んだ。乾
燥窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌しながら、水酸基
を定量的に反応させて、イソシアネート末端のプレポリ
マーを得た。これに、MEK 188.7gを加えて均
一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げた。こ
れに、TEA 5.06gを加えて10分間撹拌を行っ
た。次いで、乳化剤としてエマルゲン985(花王製)
6.7gおよびエマルゲン930(花王製、ノニオン系
界面活性剤、ポリオシエチレンノニルフェニルエーテ
ル)6.7gを蒸留水 392gに溶解した水溶液を上
記プレポリマーに加えた後、ホモミキサーで1分間撹拌
して乳化した(以下「乳化液C」と略記する。)。乳化
液Cを調整した後、直ちにアミノ基変性PVA 3
2.2g、DETA6.81gおよびIPDA 5.6
2gを蒸留水 620gに溶解した水溶液を加え、ホモ
ミキサーで1分間撹拌して反応を行った。次いで、ロー
タリーエバポレーターを用いてMEKを除去して、固形
分濃度40%のPUエマルジョン(以下「PUエマルジ
ョンC」と略記する。)を得た。PUエマルジョンCの
評価結果を表1に示す。
37.5g、TDI87.1g、DMPA 6.71g
を仕込んだ。乾燥窒素雰囲気下、70℃で2時間撹拌し
ながら、水酸基を定量的に反応させて、イソシアネート
末端のプレポリマーを得た。これに、MEK 194.
6gを加えて均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40
℃に下げた。これに、TEA 5.06gを加えて10
分間撹拌を行った(以下「分散液D」と略記する。)。
次いで、乳化剤としてエマルゲン985(花王製)1
6.5gおよびアミノ基変性PVA 32.4gを蒸
留水 520gに溶解した水溶液を上記分散液Dに加え
た後、ホモミキサーで1分間撹拌して乳化した(以下
「乳化液D」と略記する。)。上記で得られた乳化液D
を調整した後、直ちにDETA 7.59gおよびED
A 4.42gを蒸留水 494gに溶解した水溶液を
加え、ホモミキサーで1分間撹拌して反応を行った。次
いで、ロータリーエバポレーターを用いてMEKを除去
して、固形分濃度40%のPUエマルジョン(以下「P
UエマルジョンD)」と略記する。)を得た。PUエマ
ルジョンDの評価結果を表1に示す。
37.5g、IPDI194.5g、DMPA 33.
53g、MEK 249.1gを仕んだ。乾燥窒素雰囲
気下、60℃で8時間撹拌しながら、水酸基を定量的に
反応させて、イソシアネート末端のプレポリマーを得
た。これに、フラスコ内温度を40℃に下げた。これ
に、TEA 25.30gを加えて30分間撹拌を行っ
た。次いで、蒸留水 720.0gを加えた後、ホモミ
キサーで1分間撹拌して乳化した(以下「乳化液E」と
略記する。)。乳化液Eを調整した後、直ちにアミノ基
変性PVA 41.8g、DETA17.02gおよ
びIPDA 14.05gを蒸留水 576gに溶解し
た水溶液を加え、ホモミキサーで1分間撹拌して反応を
行った。次いで、ロータリーエバポレーターを用いてM
EKを除去して、固形分濃度40%のPUエマルジョン
(以下、PUエマルジョンEと略記する。)を得た。P
UエマルジョンEの評価結果を表1に示す。
に一級水酸基変性PVA(7−オクテン−1−オール
変性度1.1モル%、重合度300、けん化度97.8
モル%)34.0g、DETA 7.58gおよびIP
DA 12.52gを蒸留水 652gに溶解した水溶
液を加え、ホモミキサーで1分間撹拌して反応を行っ
た。次いで、ロータリーエバポレーターによりMEKを
除去して、固形分濃度40%のPUエマルジョン(以下
「PUエマルジョンF」と略記する。)を得た。PUエ
マルジョンFの評価結果を表1に示す。
に一級水酸基変性PVA(2−プロペン−1−オールの
酢酸エステル 変性度1.3モル%、イタコン酸 変性
度1.5モル%、重合度200、けん化度95.5モル
%) 64.1gを蒸留水 420gに溶解した水溶液
を加え、ホモミキサーで30秒間撹拌して反応を行っ
た。次いで、DETA 10.21gを蒸留水240g
に溶解した水溶液を加え、ホモミキサーで1分間撹拌し
て反応を行った。次いで、ロータリーエバポレーターを
用いてMEKを除去して、固形分濃度40%のPUエマ
ルジョン(以下「PUエマルジョンG」と略記する。)
を得た。PUエマルジョンGの評価結果を表1に示す。
に一級水酸基変性PVA(2−メチル−2−プロペン−
1−オール 変性度2.5モル%、重合度500、けん
化度88.8モル%) 32.2g、DETA 6.8
1gおよびIPDA 5.62gを蒸留水 620gに
溶解した水溶液を加え、ホモミキサーで1分間撹拌して
反応を行った。次いで、ロータリーエバポレーターを用
いてMEKを除去して、固形分濃度40%のPUエマル
ジョン(以下「PUエマルジョンH」と略記する。)を
得た。 PUエマルジョンHの評価結果を表1に示す。
マルゲン985(花王製)16.5gおよび一級水酸基
変性PVA(7−オクテン−1−オール 変性度1.1
モル%、重合度300、けん化度97.8モル%) 3
2.4gを蒸留水 520gに溶解した水溶液を加え、
ホモミキサーで1分間撹拌して乳化した(以下「乳化液
I」と略記する。)。上記で得られた乳化液Iを調整し
た後、直ちにDETA 7.59gおよびEDA 4.
42gを蒸留水 494gに溶解した水溶液を加え、ホ
モミキサーで1分間撹拌して反応を行った。次いで、ロ
ータリーエバポレーターを用いてMEKを除去して、固
形分濃度40%のPUエマルジョン(以下「PUエマル
ジョンI」と略記する。)を得た。 PUエマルジョン
Iの評価結果を表1に示す。
に一級水酸基変性PVA(2−プロペン−1−オールの
酢酸エステル 変性度1.3モル%、イタコン酸 変性
度1.5モル%、重合度200、けん化度95.5モル
%) 41.8g、DETA 17.02gおよびIP
DA 14.05gを蒸留水 576gに溶解した水溶
液を加え、ホモミキサーで1分間撹拌して反応を行っ
た。次いで、ロータリーエバポレーターを用いてMEK
を除去して、固形分濃度40%のPUエマルジョン(以
下「PUエマルジョンJ」と略記する。)を得た。 P
UエマルジョンJの評価結果を表1に示す。
7.5g、TDI87.1g、DMPA 6.71gを
秤取し、乾燥窒素雰囲気下、70℃で2時間攪拌して系
中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端の
プレポリマーを得た。これにMEK 194.6gを加
えて均一に攪拌した後、40℃にフラスコ内温度を下
げ、TEA 5.06gを加えて10分間攪拌を行っ
た。次いで乳化剤としてエマルゲン985(花王製ノニ
オン系界面活性剤)16.5gおよびアセトアセチル基
含有PVA(PVAに固気反応によりジケテンを反応さ
せて得たPVA:重合度1000、けん化度97.5モ
ル%、アセトアセチル基含有量5モル%)32.4gを
蒸留水520gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに
加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、直ち
に、DETA 7.59gおよびEDA 4.42gを蒸
留水494gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで
1分間攪拌して反応を行った。その後、MEKをロータ
リーエバポレーターにより除去して固形分濃度40重量
%のPUエマルジョン(以下「PUエマルジョンK」と
略記する。)を得た。結果を表1に示す。
と以外は、実施例1と同様にしてPUエマルジョンを製
造しようとしたところ、DETAおよびIPDAの水溶
液を添加した際に、ゲル化して安定なエマルジョンを製
造することができなかった。
量を38.7gに変更し、アミノ基変性PVAを用い
ないこと以外は、実施例1と同様にしてPUエマルジョ
ン(以下「PUエマルジョンL」と略記する。)を得
た。PUエマルジョンLの評価結果を表1に示す。
ノ基含有PVA 34.0gを添加して、加熱溶解す
ることにより、PUエマルジョン(以下「PUエマルジ
ョンM」と略記する。)を得た。PUエマルジョンMの
評価結果を表1に示す。
変性ポリビニルアルコール(分子量40,000、けん
化度98.8モル%)を用い、エマルゲン985の使用
量を38.7gに変更したこと以外は、実施例1と同様
にしてPUエマルジョン(以下「PUエマルジョンN」
と略記する。)を得た。PUエマルジョンNの評価結果
を表1に示す。
変性PVA(7−オクテン−1−オール 変性度1.1
モル%、重合度300、けん度97.8モル%) 3
4.0gを添加して、加熱溶解することにより、PUエ
マルジョン(以下「PUエマルジョンO」と略記す
る。)を得た。 PUエマルジョンOの評価結果を表1
に示す。
は、皮膜の耐溶剤性および耐水性に優れると共に、各種
の水性エマルジョンや塩水との混和性に優れる。したが
って、産業用繊維、皮革、室内装飾、アパレル、床材
(木製、コンクリート、フロアーポリッシュ)、プラス
チック部品等のコーティング剤、パッケージ(包装紙
等)、ラミネーション(フィルム/ホイル、繊維等)、
一般工業用の接着剤(塩ビシート/木材、塩ビシート/
金属、金属/木材)、ガラス繊維収束剤、インク、塗料
等の用途に有効に利用できる。また、本発明により得ら
れたPUエマルジョンは、皮膜の透湿性にも優れている
ことから、透湿性の積層体、皮革などの製造にも有効に
利用できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 水性媒体中において、分子中にイソシア
ネート基を有するポリウレタンプレポリマー(A)、ア
ミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル基から選ばれ
る少なくとも1種の官能基を含有する変性ポリビニルア
ルコール(B)およびアミノ基および/または水酸基を
含有する低分子化合物(C)を反応させることを特徴と
するポリウレタン水性エマルジョンの製造方法。 - 【請求項2】 水性媒体中において、アミノ基、一級水
酸基およびアセトアセチル基から選ばれる少なくとも1
種の官能基を含有する変性ポリビニルアルコール(B)
の存在下で、分子中にイソシアネート基を有するポリウ
レタンプレポリマー(A)を乳化した後、アミノ基およ
び/または水酸基を含有する低分子化合物(C)を添加
して、成分(A)、成分(B)および成分(C)を反応
させることを特徴とするポリウレタン水性エマルジョン
の製造方法。 - 【請求項3】 変性ポリビニルアルコール(B)がアミ
ノ基を含有する変性ポリビニルアルコールである請求項
1または2記載のポリウレタン水性エマルジョンの製造
方法。 - 【請求項4】 変性ポリビニルアルコール(B)が一級
水酸基を含有する変性ポリビニルアルコールである請求
項1または2記載のポリウレタン水性エマルジョンの製
造方法。 - 【請求項5】 ポリウレタンプレポリマー(A)が共有
結合により結合したアニオン性基を有しており、かつ該
アニオン性基の少なくとも一部がカチオン性化合物と塩
を形成しているポリウレタンプレポリマーである請求項
1〜4のいずれか1項に記載のポリウレタン水性エマル
ジョンの製造方法。 - 【請求項6】 ポリウレタンプレポリマー(A)を水性
媒体中に乳化する際に、ノニオン性界面活性剤を併用す
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
のポリウレタン水性エマルジョンの製造方法。 - 【請求項7】 水性媒体中において、分子中にイソシア
ネート基を有するポリウレタンプレポリマー(A)、ア
ミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル基から選ばれ
る少なくとも1種の官能基を含有する変性ポリビニルア
ルコール(B)およびアミノ基および/または水酸基を
含有する低分子化合物(C)を反応させて得られたポリ
ウレタン水性エマルジョン。 - 【請求項8】 水性媒体中において、分子中にイソシア
ネート基を有するポリウレタンプレポリマー(A)、ア
ミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル基から選ばれ
る少なくとも1種の官能基を含有する変性ポリビニルア
ルコール(B)およびアミノ基および/または水酸基を
含有する低分子化合物(C)を反応させて得られたポリ
ウレタン。
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JP01184599A JP3961141B2 (ja) | 1998-01-26 | 1999-01-20 | ポリウレタン水性エマルジョンの製造方法、並びにポリウレタン水性エマルジョンおよびポリウレタン |
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JP1255398 | 1998-01-26 | ||
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JP28240198 | 1998-10-05 | ||
JP10-282401 | 1998-10-05 | ||
JP10-12552 | 1998-10-05 | ||
JP01184599A JP3961141B2 (ja) | 1998-01-26 | 1999-01-20 | ポリウレタン水性エマルジョンの製造方法、並びにポリウレタン水性エマルジョンおよびポリウレタン |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103088503A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-05-08 | 韩仕银 | 胶原纤维束的改性方法 |
-
1999
- 1999-01-20 JP JP01184599A patent/JP3961141B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN103088503A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-05-08 | 韩仕银 | 胶原纤维束的改性方法 |
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