JP2000178128A5 - - Google Patents

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【請求項5】 エラスチン分解抑制剤が、大豆蛋白であることを特徴とする、請求項4に記載の化粧料。
【請求項7】 剤形が、最外相が油相である油中水乳化剤形であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の化粧料。
即ち、経皮的なストレス緩和手段も全く知られていなかったし、このストレス緩和手段とコラーゲン線維束再構築剤やエラスチン分解抑制剤などの皮膚状態改善作用を有する物質とを組み合わせて化粧料に含有させることも全く知られていなかった。加えて、肌とこころを整える化粧料という概念も全く存在していなかった。
【0006】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、現代に急増している、皮膚疾患や皮膚トラブルの処置に好適な手段を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、ストレス予防剤とコラーゲン線維束再構築剤を含有してなる化粧料にその様な作用を見出し、発明を完成させるに至った。以下、本発明の実施の形態を中心に詳細に説明を加える。
(3)本発明の化粧料に好適なエラスチン分解抑制剤本発明の化粧料では、エラスチン分解抑制剤を含有することが好適である。これは、エラスチン分解抑制剤とコラーゲン線維束再構築剤の効果の組合せにより、皮膚状態の改善がより効果的に為しうるからである。この様なエラスチンの分解を抑制するエラスチン分解抑制剤としては、大豆に含まれる蛋白質が知られている。本発明の化粧料に於ける、該エラスチン分解抑制剤の好ましい含有量は、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。これは少なすぎるとエラスチン分解抑制作用が発現しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになることがあるからである。
(4)本発明の化粧料本発明の化粧料は、上記必須成分であるストレス予防剤とコラーゲン線維束再構築剤とを含有することを特徴とする。特に好適な形態として、更にエラスチン分解抑制剤を含有するものである。本発明の化粧料は、ストレス予防剤により、ストレスによる肌状態の増悪因子の発現を抑制し、コラーゲン線維束再構築剤による損傷部位の修復をより効果的に行う作用を有する。本発明の化粧料としては、化粧料であれば特段の限定なく適用することが出来、例えば、クリーム、乳液、化粧水、パック等の基礎化粧料、アンダーメークアップ、ファンデーション等のメークアップ化粧料、シャンプー、リンス、トリートメント、石鹸等の洗浄用化粧料、ヘアトーニングローション、ヘアクリームなどの頭髪用化粧料等が例示でき、中でもスキンケアに用いられることが特に好ましい。更に剤形としては、可溶化系でも乳化系、分散系でも何れの剤形でも使用が可能であるが、最外相が油相である油中水乳化系で使用することが、有効成分の貯留性と使用快感を提供しうる特質から特に好ましい。この様な油中水乳化剤形に於いては、形態と使用感の両者の安定性を向上させる目的で、有機変性ベントナイトを用いることが有利である。本発明の化粧料は、ストレス予防剤によりストレスに対する生体内の環境を整えることから、本発明の化粧料は使用することにより、こころをより快適に保つことが出来、この快適感が更に、コラーゲン線維束再構築剤やエラスチン分解抑制剤の作用を高め、美しい肌を効果的に具現することが出来る。
<実施例1>ストレス予防剤とコラーゲン線維束再構築剤との組合せ効果を上記ストレスモデルを用いて調べた。検体は、検体1がブクリョウのエッセンスの1%溶液、検体2がブクリョウのエッセンス1%とローズマリーのエッセンス(50%エタノール水溶液抽出物の溶媒除去物)1%の溶液、検体3はブクリョウのエッセンス1%とローズマリーのエッセンス1%と大豆蛋白1%の溶液を、検体4がローズマリーのエッセンスの1%溶液を、検体5が大豆蛋白の1%の溶液を、検体6がローズマリーのエッセンスの1%と大豆蛋白の1%の溶液を用いた。溶媒は50%エタノール水溶液を使用した。使用したストレスモデルは、過剰飼育ストレスモデルであった。即ち、通常の2倍の密度で2週間飼育し、皮膚機能の低下を拡散散逸水量(TEWL)を測定しこれを指標に評価した。予防効果は予備飼育期間(2週間)に被験物質で1日1回0.1mlを背部部位に投与して行った。
対照群は検体1投与群を用いた。予備飼育は通常密度で行った。使用動物はICR系ヘアレスマウス(雄性、10〜15週齢)を用い、1群10匹とした。評価は群全体のTEWLの様子を見、++:対照群に比べて著しいTEWL増加抑制、+:対照群に比べて明らかなTEWLの増加抑制、±:対照群に比べて微弱なTEWLの増加抑制、−:対照群に比べて抑制が認められない、の基準で効果を判定した。結果を表1に示す。これより、コラーゲン線維束再構築剤を併用することが好ましく、エラスチン分解抑制剤を併用することが特に好ましいことがわかる。
<実施例6>上記クリーム1〜4及びクリーム1のブクリョウのエッセンスを水に置換したクリーム(比較例1)、クリーム1のローズマリーのエッセンスを水に置換したクリーム(比較例2)、クリーム1のブクリョウのエッセンスとローズマリーのエッセンスを水に置換したクリーム(対照例)について、肌荒れに悩むパネラー35名を用いて、使用テストを行った。無作為に5人ずつ7群に分け、それぞれの群にこれらのサンプルを割り当てた。各人それぞれのサンプルを1日朝夕2回、2カ月連日使用してもらった。使用テストの開始前、終了後に採血し、コルチゾールの濃度を測定した。又、肌荒れの状態の改善を++:使用前に比して著しく改善、+:使用前に比して明らかに改善、±:使用前に比してやや改善、−:改善せずの判定基準で評価してもらった。結果をコルチゾールの濃度の平均低下率(%)と回答の出現例数として、表2に示す。この表より、ストレス予防剤とコラーゲン線維束再構築剤との組合せ効果、更にエラスチン分解抑制剤を組み合わせた場合の組合せ効果が明らかである。又、ストレスの指標であるコルチゾールの血中濃度が、本発明の化粧料の使用後に於いて著しく低下していることより、本発明の化粧料がストレスによる皮膚状態の悪化の因子発現を予防していることがわかる。これは、動物実験の結果とも良く一致している。即ち、本発明の化粧料はこころをケアする化粧料であることがわかる。又、この2者の比較より、皮膚状態の改善とストレスからの予防とが互いに影響しあっていることも明らかである。即ち、現代に特有な急増する皮膚疾患の原因の一つが、社会生活に於けるストレスであることも推定できる。
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