JP2000175299A - スピーカラインの検査装置 - Google Patents

スピーカラインの検査装置

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JP2000175299A JP34733298A JP34733298A JP2000175299A JP 2000175299 A JP2000175299 A JP 2000175299A JP 34733298 A JP34733298 A JP 34733298A JP 34733298 A JP34733298 A JP 34733298A JP 2000175299 A JP2000175299 A JP 2000175299A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピーカラインに断線等の異常が生じていな
いかを検査する。 【解決手段】 通常の放送時においては、系統Bのスピ
ーカライン22を変圧器31側に接続するように切替ス
イッチ回路32を切り替える。これによって、各スピー
カライン21、22の各スピーカ1、1、・・・から音
響信号に応じたアナウンス等を放送することができる。
一方、各スピーカライン21、22の検査を実施する場
合には、系統Bのスピーカライン22を変圧器32側に
接続するように、切替スイッチ32を切り替える。これ
によって、系統Bのスピーカ1、1、1を、系統Aのス
ピーカ1、1、1から出力される音響を検出する検出手
段として機能させ、その検出信号に基づいて、各スピー
カライン21、22に異常が生じていないかを判別す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1以上のスピーカ
が接続されているスピーカラインに断線や短絡等の異常
が生じていないかどうかを検査する検査装置に関し、特
に、1つの空間内に複数のスピーカを備えた放送設備に
おけるスピーカラインを検査するのに適した検査装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように1つの空間内に複数のスピ
ーカを備えた放送設備として、例えば、列車の車内放送
設備がある。列車の車内放送設備では、車両という空間
内の適宜位置、例えば天井等に、複数のスピーカを、そ
れぞれ適当な間隔を隔てて配置している。このような放
送設備において、各スピーカとアンプ等の音源装置とを
接続するスピーカラインに上記断線や短絡等の異常が生
じていないかどうかを検査するのに、従来、例えば次の
ような点検作業を実施している。まず、カセット・プレ
ーヤ等の演奏機器等を備えた音源装置から、何らかの放
送音を連続的に流す。この状態で、点検者が各車両に足
を運び、各スピーカから上記放送音が正常に出力されて
いるか否かを、実際に点検者自信の耳で聴いて確認し、
これによって、各スピーカを含むスピーカラインが正常
であるか否かを判断する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、スピーカラインが正常であるか否かを検査するの
に、各車両にまで足を運ばなければならないというの
は、点検者にとって非常に面倒な作業であり、また、時
間が掛かるという問題がある。この問題は、列車を編成
する車両数が多いほど顕著になる。勿論、列車の車内放
送設備に限らず、ビルの館内放送設備等においても、同
様の問題が生じ得る。
【0004】そこで、本発明は、実際に各スピーカの設
置場所にまで足を運ばなくても、スピーカラインが正常
であるか否かを検査できる検査装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、1以上の
スピーカが接続された第1のスピーカラインと、上記ス
ピーカが音響に変換可能な交流の検査信号、例えば可聴
周波信号を、上記第1のスピーカラインに供給する検査
信号供給手段と、上記検査信号が供給されることにより
上記スピーカから出力される音響を検出しこの検出して
得た音響のレベルに応じた検出信号を生成する検出手段
と、上記検出信号が入力されこの検出信号に基づいて上
記第1のスピーカラインが正常であるか否かを判別する
判別手段と、を具備するものである。
【0006】なお、ここで言う検出手段は、例えばマイ
クロホンにより構成できる。また、一般に知られている
ダイナミック(動電)形のスピーカやマグネチック(電
磁)形スピーカ、或いはコンデンサ(静電)形スピーカ
等の、振動板を備えた音響−電気信号変換可能なスピー
カによっても、上記検出手段を構成できる。
【0007】本請求項1に記載の発明において、例え
ば、今、第1のスピーカラインが正常である(即ち、断
線や短絡等の異常が生じていない)とする。この場合、
第1のスピーカラインに接続されているスピーカから上
記検査信号に応じた音響が出力され、検出手段が、その
音響レベルに応じた検出信号を生成し、これを判別手段
に入力する。判別手段は、これに入力される上記検出信
号に基づいて、例えばこの検出信号の信号レベルが所定
のレベル(上記スピーカから正常に音響が出力されてお
り、これを検出手段によって正常に検出したと見なすこ
とのできるレベル)以上であることを確認して、第1の
スピーカラインが正常であると判断し、例えばその旨を
表す判別データを出力する。
【0008】一方、第1のスピーカラインに断線や短絡
等の異常が生じている場合には、スピーカからは正常に
音響が出力されず、例えばスピーカの出力は略零にな
る。この場合、検出手段の生成する検出信号の信号レベ
ルも略零になる。従って、判別手段は、この検出信号の
信号レベルに基づき、第1のスピーカラインに上記断線
や短絡等の異常が生じているものと判別し、その旨を表
す判別データを出力する。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記検出手段が、上記第1
のスピーカラインとは別の第2のスピーカラインに接続
されたスピーカであって、上記第1のスピーカラインに
接続されているスピーカから出力される音響が到達する
位置に配置され、かつ、上記第1のスピーカラインに接
続されているスピーカから出力される音響を電気信号に
変換可能なスピーカにより構成され、この第2のスピー
カラインに接続されているスピーカにより変換して得た
上記電気信号を、上記検出信号として上記判別手段に入
力する状態に構成されたものである。
【0010】なお、ここで言う音響−電気信号変換が可
能なスピーカとは、例えば、上述したダイナミック形ス
ピーカやマグネチック形スピーカ、コンデンサ形スピー
カ等の、振動板を備えたスピーカのことを言う。
【0011】本請求項2に記載の発明によれば、第1及
び第2の各スピーカラインが共に正常であるときにの
み、第2のスピーカラインに接続されているスピーカか
ら或る信号レベルの電気信号(検出信号)が出力され、
判別手段は、その信号レベルに基づいて、第1及び第2
の各スピーカラインが共に正常であると判断する。これ
に対して、第1及び第2の各スピーカラインの少なくと
も一方に断線や短絡等の異常が生じている場合には、第
2のスピーカラインに接続されているスピーカから得ら
れる検出信号の信号レベルは略零になる。この場合、判
別手段は、少なくとも一方のスピーカラインに異常が生
じていると判断する。
【0012】即ち、本請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明における検出手段として、音響−電気信
号変換が可能なスピーカを利用したものである。そし
て、この検出手段として機能するスピーカを備えた第2
のスピーカラインと、第1のスピーカラインと、を合わ
せたスピーカライン全体に異常が生じていないかどうか
を検査するものである。なお、この検査を実施しないと
きは、第1及び第2の各スピーカラインに、例えばアナ
ウンスやBGM等の放送用の信号を供給することによっ
て、これら各スピーカラインを通常の放送用のものとし
て使用できる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の検査装置において、上記検査信号供給手段を含
み、上記検査信号以外の例えばアナウンスやBGM等の
放送用の信号をも生成して出力する音源手段と、上記第
1及び第2の各スピーカラインを上記音源手段の信号出
力側に接続する第1の状態と、上記第1のスピーカライ
ンを上記音源手段の信号出力側に接続すると共に上記第
2のスピーカラインを上記判別手段の信号入力側に接続
する第2の状態と、のいずれか一方の状態に任意に切り
替え可能な切替手段と、を備え、上記切替手段が上記第
2の状態にあるときに、上記判別手段が、これに上記切
替手段を介して上記第2のスピーカラインから入力され
る電気信号に基づいて上記第1のスピーカラインが正常
であるか否かを判別する状態に構成されたものである。
【0014】本請求項3に記載の発明によれば、切替手
段を第1の状態とすることによって、第1及び第2の各
スピーカラインを通常の放送用のものとして使用するこ
とができ、即ち各スピーカラインにそれぞれ接続されて
いる各スピーカから、アナウンスやBGM等の放送音を
流すことができる。一方、切替手段を第2の状態に切り
替えれば、上記請求項2に記載の発明と同様、各スピー
カラインの検査を実現できる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記スピーカが複数あっ
て、これら各スピーカを、それぞれが接続される上記ス
ピーカラインに対して直列に接続したものである。
【0016】一般に、スピーカを含むスピーカラインの
異常の殆どは、スピーカ自体の断線(ダイナミック形ス
ピーカを例に挙げると、スピーカ内部の可動コイルの断
線)、若しくはスピーカライン自体の断線であることが
知られている。
【0017】例えば、今、第1のスピーカラインに対し
て、各スピーカが並列に接続されているとする。ここ
で、第1のスピーカラインの検査信号供給手段側に最も
近い位置において、この第1のスピーカライン自体に断
線が生じたとする。この場合、第1のスピーカラインに
接続されている全てのスピーカから音響が出力されなく
なるので、判別手段は、この検出手段から得られる検出
信号を基に(即ち、検出信号の信号レベルが略零である
ことから)、第1のスピーカラインが断線したと容易に
判断できる。
【0018】しかし、第1のスピーカラインが途中で断
線したり、或いは第1のスピーカラインに接続されてい
るスピーカのいずれか(そのスピーカ自体)が断線した
場合には、判別手段は、その断線の有無を正確に判断で
きなくなることがある。即ち、第1のスピーカラインが
途中で断線すると、その断線箇所よりも第1のスピーカ
ラインの先端側(即ち、検査信号供給手段が接続されて
いる側とは反対側)に接続されているスピーカからは音
響が出力されなくなるものの、上記断線箇所よりも検査
信号供給手段側に接続されているスピーカからは音響が
出力される。また、スピーカ自体が断線した場合には、
その断線したスピーカから音響が出力されなくなるもの
の、他の正常なスピーカから音響が出力される。このよ
うに、少なくとも一部のスピーカから音響が出力される
と、検出手段から得られる検出信号の信号レベルは、零
レベルにはならない。従って、判別手段は、この一種の
中途半端とも言える検出信号の信号レベルに基づいて、
第1のスピーカラインが正常であるか否かを判断するこ
とになるので、その正確さを欠いてしまう。
【0019】これに対して、本請求項4に記載の発明に
よれば、第1のスピーカラインに各スピーカが直列に接
続されるので、スピーカ自体、若しくは第1のスピーカ
ラインが断線した場合には、その断線箇所が何処である
のかに係わらず、全てのスピーカから音響が出力されな
くなる。従って、判別手段は、スピーカを含む第1のス
ピーカラインに断線が生じているか否かを、確実に判断
できる。
【0020】なお、検出手段を、第2のスピーカライン
(詳しくは第2のスピーカラインに接続された各スピー
カ)により構成した場合も、上記と同様である。即ち、
第2のスピーカラインに対して各スピーカを並列に接続
すると、この第2のスピーカラインを含むスピーカライ
ン全体に断線が生じているか否かを正確に判断できな
い。しかし、各スピーカを直列に接続すれば、断線箇所
が何処であるのかに係わらず、第2のスピーカラインの
出力が略零になるので、上記断線の有無を確実に判断で
きる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記第1のスピーカライン
と検出手段とが設けられた空間が複数あって、これら各
空間に配置されている上記各検出手段の生成する各検出
信号が入力され、これら各検出信号のいずれか一つを任
意に選択して出力する第1の選択手段を設け、この第1
の選択手段から出力される検出信号を上記判別手段に入
力する状態に構成したものである。
【0022】なお、ここで言う上記複数の空間とは、例
えば列車の車内放送設備における各車両内のことや、ビ
ルの館内放送設備における各室内等のことを言う。
【0023】本請求項5に記載の発明によれば、複数の
空間に、それぞれ第1のスピーカラインと検出手段とが
設けられている。ここで、任意(希望)の空間に設けら
れている第1のスピーカラインの検査を実施するには、
第1の選択手段によって、上記任意の空間に設けられて
いる検出手段から出力される検出信号を選択する。する
と、判断手段が、この選択して得た検出信号を基に、上
記任意の空間に設けられている第1のスピーカラインに
異常が生じていないかどうかを判別する。なお、各検出
手段を、それぞれ第2のスピーカラインで構成した場合
には、第1及び第2の各スピーカラインから成るスピー
カライン全体が正常であるか否かを、各空間に設けられ
ているもの毎に、それぞれ選択的に検査できる。
【0024】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明の検査装置において、上記第1の選択手段が、上
記各検出手段からそれぞれ入力される各検出信号を、所
定の順番に従って順次一つずつ選択して出力する状態に
構成されたものである。
【0025】本請求項6に記載の発明によれば、第1の
選択手段が、各空間に設けられている各検出手段から出
力される各検出信号を、所定の順番に従って一つずつ順
次自動的に選択する。そして、判断手段が、これら順次
選択して得た各検出信号を基に、各空間に設けられてい
る各第1のスピーカライン(検出手段を第2のスピーカ
ラインにより構成した場合には、第1及び第2の各スピ
ーカラインから成るスピーカライン全体)に異常が生じ
ていないかどうかを順次判別する。
【0026】請求項7に記載の発明は、請求項5に記載
の発明の検査装置において、上記第1の選択手段が、上
記各空間毎に設けられ、それぞれの空間に設けられてい
る上記検出手段から上記検出信号がそれぞれ入力される
と共に、その検出信号を、それぞれに共通の第1の制御
ラインを介して供給される第1の制御指令に従って出力
する第1の個別制御手段と、これら第1の個別制御手段
のいずれか一つから上記検出信号を出力させる状態に上
記各第1の個別制御手段を個別に制御するための上記第
1の制御指令を生成し、これを上記第1の制御ラインに
入力する第1の主制御手段と、上記各第1の個別制御手
段からそれぞれ出力される上記各検出信号を、上記各第
1の個別制御手段に共通の検出信号ラインを介して受信
する第1の受信手段と、から成り、上記第1の受信手段
によって受信して得た検出信号を、該第1の選択手段の
出力として上記判別手段に入力する状態に構成されたも
のである。
【0027】本請求項7に記載の発明によれば、各空間
にそれぞれ設けられている各第1の個別制御手段は、そ
れぞれに共通の第1の制御ラインと検出信号ラインとに
接続されている。ここで、任意の空間に設けられている
スピーカラインを検査するには、第1の主制御手段によ
って、その旨を表す第1の制御指令を生成し、これを第
1の制御ラインに入力する。すると、この第1の制御指
令を受けて、上記任意の空間に設けられている第1の個
別制御手段が、この任意の空間に設けられている検出手
段から得られる検出信号を、検査信号ラインを介して、
第1の受信手段に送信する。第1の受信手段は、受信し
て得た検査信号を判別手段に入力し、判別手段は、この
検査信号に基づいて、上記任意の空間に設けられている
スピーカラインが正常であるか否かを判別する。
【0028】即ち、本請求項7に記載の発明は、各空間
にそれぞれ共通の第1の制御ライン及び検査信号ライン
により、各空間にそれぞれ設けられている各第1の個別
制御手段をネットワーク接続したものである。そして、
第1の主制御手段により、第1の制御ラインを介して各
第1の個別制御手段を集中制御する(詳しくは、この制
御を実現するための第1の制御データを生成する)と共
に、この制御に応じて各検出手段から得られる各検査信
号を、上記検査信号ラインを介して、それぞれに共通の
判別手段に伝送させるものである。
【0029】請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記第1のスピーカライン
と上記検出手段と上記判別手段とが配置されている空間
が複数あって、これら各空間に配置されている上記各判
別手段による各判別結果を表す例えばディジタルの各判
別データが入力され、これら各判別データのいずれか一
つを任意に選択して出力する第2の選択手段を設けたも
のである。
【0030】なお、ここで言う上記複数の空間とは、例
えば列車の車内放送設備における各車両内のことや、ビ
ルの館内放送設備における各室内等のことを言う。
【0031】本請求項8に記載の発明によれば、複数の
空間に、それぞれ第1のスピーカラインと検出手段と判
別手段とが設けられている。ここで、任意の空間に設け
られている第1のスピーカラインの検査を実施するに
は、第2の選択手段によって、その任意の空間に配置さ
れている判別手段から出力される判別データを選択す
る。これにより、その選択して得た判別データが、第2
の選択手段から出力されるので、この判別データから、
上記第1のスピーカラインに異常が生じていないかどう
かを認識できる。なお、各検出手段を、それぞれ第2の
スピーカラインで構成した場合には、第1及び第2の各
スピーカラインから成るスピーカライン全体が正常であ
るか否かを、各空間に設けられているもの毎に、それぞ
れ選択的に検査できる。
【0032】即ち、本請求項8に記載の発明は、各空間
毎に判別手段を設け、これら各判別手段によってそれぞ
れ判別して得た各判別データの中から希望のものを、第
2の選択手段によって選択するものである。この点が、
各空間で1つの判別手段を共有し、この判別手段による
判別対象となる検出信号を、第1の選択手段によって選
択するという上記請求項5に記載の発明と異なる。
【0033】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の発明の検査装置において、上記第2の選択手段が、上
記各判別データを所定の順番に従って自動的に順次一つ
ずつ選択して出力する状態に構成されたものである。
【0034】本請求項9に記載の発明によれば、第2の
選択手段が、各空間に設けられている各判別手段から出
力される各判別データを、所定の順番に従って一つずつ
順次自動的に選択して出力する。従って、これら順次出
力される各判別データから、各空間に設けられている各
第1のスピーカライン(検出手段を第2のスピーカライ
ンにより構成した場合には、第1及び第2の各スピーカ
ラインから成るスピーカライン全体)に異常が生じてい
ないかどうかを順次認識できる。
【0035】請求項10に記載の発明は、請求項8に記
載の発明の検査装置において、上記第2の選択手段が、
上記各空間毎に設けられ、それぞれの空間に設けられて
いる上記判別手段から上記判別データがそれぞれ入力さ
れると共に、その判別データを、それぞれに共通の第2
の制御ラインを介して供給される第2の制御指令に従っ
て出力する第2の個別制御手段と、これら第2の個別制
御手段のいずれか一つから上記判別データを出力させる
状態に上記各第2の個別制御手段を個別に制御するため
の上記第2の制御指令を生成し、これを上記第2の制御
ラインに入力する第2の主制御手段と、上記各第2の個
別制御手段からそれぞれ出力される上記各判別データ
を、上記各第2の個別制御手段に共通の判別データライ
ンを介して受信する第2の受信手段と、から成り、上記
第2の受信手段によって受信して得た判別データを、該
第2の選択手段の出力とするものである。
【0036】本請求項10に記載の発明によれば、各空
間にそれぞれ設けられている各第2の個別制御手段は、
それぞれに共通の第2の制御ラインと判別データライン
とに接続されている。ここで、任意の空間に設けられて
いるスピーカラインを検査するには、第2の主制御手段
によって、その旨を表す第2の制御指令を生成し、これ
を第2の制御ラインに入力する。すると、この第2の制
御指令を受けて、上記任意の空間に設けられている第2
の個別制御手段が、この任意の空間に設けられている判
別手段による判別結果を表す判別データを、判別データ
ラインを介して、第2の受信手段に送信する。従って、
この第2の受信手段によって受信して得た判別データか
ら、上記任意の空間に設けられているスピーカラインが
正常であるか否かを認識できる。
【0037】即ち、本請求項10に記載の発明は、各空
間にそれぞれ共通の第2の制御ライン及び判別データラ
インにより、各空間にそれぞれ設けられている各第2の
個別制御手段をネットワーク接続したものである。そし
て、第2の主制御手段により、第2の制御ラインを介し
て各第2の個別制御手段を集中制御する(詳しくは、こ
の制御を実現するための第2の制御データを生成する)
と共に、この制御に応じて各判別手段から出力される各
判別データを、上記判別データラインを介して、第2の
受信手段側に伝送させるものである。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明に係る検査装置を例えば列
車の車内放送設備に応用する場合の一実施の形態につい
て、図1から図7を参照して説明する。
【0039】図2(a)に、本実施の形態の全体の概略
構成を示す。同図に示すように、本実施の形態における
列車は、N両編成のもので、各車両毎に、それぞれ、複
数のスピーカ1、1、・・・が接続されたスピーカライ
ン2と、このスピーカライン2が接続されたパワー・ア
ンプ3とが、設けられている。また、先頭車両(1号
車)及び最後尾車両(N号車)には、それぞれコントロ
ール・アンプ4が設けられており、これらのコントロー
ル・アンプ4、4と各車両の各パワー・アンプ3、3、
・・・とは、それぞれ共通の伝送ライン5を介して接続
されている。なお、後述するが、伝送ライン5は、音響
信号ライン51と制御データライン52と判別データラ
イン53という3組のラインを備えている。
【0040】図1(a)に、各車両毎に設けられている
上記スピーカライン2を含むパワー・アンプ3の概略構
成を示す。同図に示すように、スピーカライン2は、系
統A、Bの2組のライン21、22を有しており、これ
ら各ライン21、22には、例えばダイナミック形のス
ピーカ1がそれぞれ3台ずつ直列に接続されている。
【0041】図1(b)に、各スピーカ1、1、・・・
の概念的な配置図を示す。同図に示すように、各スピー
カ1、1、・・・は、列車の進行方向(車両の長手方
向)に沿って、系統Aのものと系統Bのものとがそれぞ
れ交互に位置する状態に、所定の間隔を隔てて、例えば
車内の天井に、略一列に配置されている。ここで言う所
定の間隔とは、例えば、各系統A及びBのうち、一方の
系統のスピーカ1、1、1から出力される音響が、それ
ぞれに隣接する他方の系統のスピーカ1、1、1の設置
場所に十分到達し得る程度の間隔のことを言う。
【0042】そして、系統Aのスピーカライン21は、
パワー・アンプ3内にある変圧器31の二次側31aに
接続されている。なお、この変圧器31の一次側31b
には、1号車またはN号車のコントロール・アンプ4か
ら上記伝送ライン5の音響信号ライン51を介してパワ
ー・アンプ3内に供給される可聴周波数帯の所謂音響信
号が、増幅器33で増幅された後、直流カットコンデン
サ34を介して入力される。
【0043】一方、系統Bのライン22は、パワー・ア
ンプ3内にある切替スイッチ回路32に接続されてい
る。この切替スイッチ回路32は、例えばCPU(中央
演算処理装置)構成の制御部35から与えられる切替信
号に従って、系統Bのスピーカライン22(厳密にはラ
イン22の両端)と変圧器31の二次側31a(厳密に
は二次側31aの巻線の両端)とを接続する第1の状態
と、この変圧器31とは別の変圧器36の一次側36a
(厳密には一次側36aの巻線の両端)と系統Bのスピ
ーカライン22(厳密にはライン22の両端)とを接続
する第2の状態との、いずれか一方の状態に切り替わ
る。なお、制御部35は、コントロール・アンプ4から
伝送ライン5の制御データライン52を介して供給され
る制御データに従って、上記切替信号を生成する。そし
て、変圧器36の二次側36bは、上記増幅器33とは
別の増幅器37を介して、後述する判別回路38の入力
側に接続されている。
【0044】上記のように構成されたスピーカライン2
を含むパワー・アンプ3において、例えば、今、切替ス
イッチ回路32が、第1の状態、即ち系統Bのスピーカ
ライン22と変圧器31の二次側31aとを接続してい
る状態にあるとする。この状態において、増幅器33の
入力側に、上記音響信号として例えばアナウンス等の放
送用の信号を入力すると、各系統A、Bの各スピーカ
1、1、・・・から、それぞれ上記アナウンス等が放送
され、即ち通常の車内放送が実現される。
【0045】これとは逆に、切替スイッチ回路32が、
第2の状態、即ち系統Bのスピーカライン22と変圧器
36の一次側36aとを接続している状態にあるとき
は、系統Bの各スピーカ1、1、1は、電気信号−音響
変換器というそれ本来の機能を果たさず、外部の音響を
電気信号に変換(所謂逆変換)するという音響−電気信
号変換器として機能する。従って、この状態で、増幅器
33の入力側に、上記音響信号として例えば或る一定の
周波数の信号を入力すると、系統Aの各スピーカ1、
1、1からその信号に応じた音響が出力され、この音響
は、系統Bのスピーカ1、1、1によって電気信号に変
換され、即ち検出される。そして、この系統Bの各スピ
ーカ1、1、1によって検出して得た所謂検出信号は、
切替スイッチ回路32、変圧器36及び増幅器37を介
して、判別回路38に入力される。
【0046】判別回路38は、例えばコンパレータ(比
較)回路構成のもので、これに入力される上記検出信号
の信号レベルと予め定めた基準レベルとを比較して、検
査信号の信号レベルが基準レベルよりも高いときにハイ
(H)レベルの信号を出力し、検査信号の信号レベルが
基準レベル以下であるときにロー(L)レベルの信号を
出力する。例えば、各スピーカライン21、22に断線
や短絡等の異常が生じておらず、各ライン21、22が
共に正常な場合には、上記検出信号の信号レベルは或る
程度のレベルになる。一方、系統Aのスピーカライン2
1に上記異常が生じた場合には、この系統Aの各スピー
カ1、1、1からは音響が出力されなくなるので、上記
検出信号の信号レベルは、せいぜい外部(車両内)の背
景雑音程度の微弱なものになる。また、系統Bのスピー
カライン22に異常が生じた場合には、上記検出信号の
信号レベルは、略零になる。従って、上記基準レベル
を、各スピーカライン21、22が共に正常であるとき
の検出信号の信号レベルと、少なくとも一方が異常であ
るときの検出信号の信号レベルとの、略中間に設定すれ
ば、判別回路38の出力がHレベルであるのか若しくは
Lレベルであるのかによって、各スピーカライン21、
22が正常であるか否かを判別でき、即ちスピーカライ
ン2の検査を実現できる。
【0047】なお、この判別回路38から出力される2
値化された信号、所謂判別データは、上述した伝送ライ
ン5の判別データライン53を介してコントロール・ア
ンプ4に送信される。
【0048】図3に、コントロール・アンプ4の概略構
成を示す。同図に示すように、コントロール・アンプ4
は、各車両毎に設けられている各パワー・アンプ3、
3、・・・との間で上記制御データ及び判別データの送
受信を行う制御部41と、各パワー・アンプ3、3、・
・・に供給する上述した音響信号を生成するための音源
部42と、を有している。このうち、制御部41は、例
えばCPU構成とされており、この制御部41には、こ
れに各種命令を与える操作部43と、この制御部41に
よる制御に応じて各種情報を表示する表示部44とが、
それぞれ接続されている。そして、音源部42は、上述
したアナウンス等の発生源となるマイクロホン42aや
音声再生装置42b、及び上述した或る一定の周波数の
信号、即ちスピーカライン2を検査する際に使用する所
謂検査信号を生成する検査信号生成装置42c等の各種
音源を備えている。なお、これらの音源42a乃至42
cのいずれの出力を有効とするのかは、制御部41によ
って制御される。
【0049】このように構成されたコントロール・アン
プ4において、制御部41は、例えば次のように動作す
る。即ち、アナウンスを流す等、通常の放送を行う場合
には、その旨の命令を操作部43により入力する。する
と、制御部41は、全車両(パワー・アンプ3、3、・
・・)の制御部35に対して、それぞれの切替スイッチ
回路32を第1の状態(即ち変圧器31の二次側31a
と系統Bのスピーカライン22とを接続する状態)とす
る制御データを送信する。これと同時に、制御部41
は、マイクロホン42aまたは音声再生装置42bの出
力を有効とするように、音源部42を制御する。これに
よって、マイクロホン42aまたは音声再生装置42b
によるアナウンス等を、各車両の各スピーカ1、1、・
・・から放送することができる。
【0050】一方、各車両内の各スピーカライン2、
2、・・・が正常であるか否かの検査を実施する場合
は、その旨の命令を操作部43により入力する。する
と、制御部41は、検査信号生成装置42cの出力を有
効とするよう音源部42を制御する。これと同時に、制
御部41は、例えば図2(b)に示すように、一般に知
られているポーリング・セレクション方式に基づいて、
1号車から順にスピーカライン2の検査を実施する旨の
命令、即ち切替スイッチ回路32を第2の状態(即ち変
圧器36の一次側36aと系統Bのスピーカライン22
とを接続する状態)とする制御データを送信する。これ
によって、1号車から順に、そのスピーカライン2が正
常であるか否かの検査が実施され、その検査結果を表す
判別データが、1号車のものから順に、制御部41側に
送り返されてくる。制御部41は、全ての車両から判別
データを受信し終えた後、これら受信して得た各判別デ
ータを基に、各スピーカライン2、2、・・・の検査結
果を表示部44に表示する。
【0051】なお、コントロール・アンプ4は、1号車
とN号車とにそれぞれ設けられているが、上記制御を実
施する際には、どちらか一方のコントロール・アンプ4
による制御が優先される。また、どちらを優先させるか
は、所定の手順により任意に設定できる。
【0052】上記各車両の各スピーカライン2、2、・
・・についての検査を実現するために、コントロール・
アンプ4側の制御部41は、図4に示す手順に従って、
また、各パワー・アンプ3側の各制御部35は、図5に
示す手順に従って、それぞれ動作する。なお、これら各
図の手順に従って各制御部41、35を動作させるため
のプログラムは、それぞれ、各アンプ4、3内にある図
示しない記憶部に記憶されている。
【0053】図4に示すように、コントロール・アンプ
4側の制御部41は、操作部43により、各車両のスピ
ーカライン2、2、・・・の検査を実施する旨の命令が
与えられると、まず、初期設定を行う(ステップS
2)。この初期設定においては、制御部41は、上記検
査の対象とする車両の番号を表すインデックス(所謂制
御データの送信先アドレス)nとして、n=1を設定す
る。
【0054】上記初期設定の後、制御部41は、n号
車、即ち最初はn=1号車に対して、そのスピーカライ
ン2の検査を実施する旨の検査命令(即ち、1号車の切
替スイッチ回路32を第2の状態とする制御データ)を
送信する(ステップS4)。
【0055】一方、各車両のパワー・アンプ3側の制御
部35は、図5に示すように、切替スイッチ回路32を
第1の状態としており、この状態で、常時、自己宛の検
査命令(制御データ)が送られてくるのを待機している
状態にある(ステップS20)。そして、自己宛の検査
命令を受信すると(ステップS20においてYESの場
合)、これに応じて切替スイッチ回路32を第2の状態
に切り替える(ステップS22)。これによって、スピ
ーカライン2の検査が実施され、その検査結果を表す判
別データが、判別回路38から出力される。制御部35
は、上記ステップS22において切替スイッチ回路32
を所定の時間(例えば、判別回路38が上記判別データ
を生成してこれを出力するのに十分な時間)Tだけ第2
の状態に切り替えた後、これを第1の状態に戻して、上
記ステップS20に戻る(ステップS24)。
【0056】コントロール・アンプ4側の制御部41
は、上記ステップS4において検査命令を送信した後、
この送信先の車両から判別データが送られてくるのを待
機している状態にある(ステップS6)。ここで、判別
データを受信すると(ステップS6においてYESの場
合)、制御部41は、この受信して得た判別データを上
記図示しない記憶部に一時記憶する(ステップS8)。
そして、この判別データを受信して一時記憶するという
上記ステップS4からステップS8までの作業を、全て
の車両について繰り返す(ステップS10、S12)。
【0057】全ての車両の判別データを受信して一時記
憶し終えると(ステップS10においてYESの場
合)、制御部41は、一時記憶した各判別データを基
に、各車両の各スピーカライン2、2、・・・の検査結
果を表示部44に表示する(ステップS14)。なお、
表示に限らず、例えば音声や印刷物(即ちプリント用
紙)等により上記検査結果を出力してもよい。そして、
この検査結果の出力により、各スピーカライン2、2、
・・・に関する一連の検査作業を終了する。
【0058】このように、本実施の形態によれば、1号
車またはN号車に設置されたコントロール・アンプ4
(表示部44)に表示される検査結果により、各車両の
各スピーカライン2、2、・・・が正常であるか否かを
認識できる。従って、上述した従来技術とは異なり、点
検者がわざわざ各車両に足を運ぶ必要がないので、作業
時間を短縮できる等、作業効率の向上を図ることができ
る。これは、車両の編成数が多いほど顕著になる。
【0059】また、スピーカライン2を系統A、Bの2
組のライン21、22に振り分けて、このうちの一方の
ライン22のスピーカ1、1、1を、他方のライン21
のスピーカ1、1、1から出力される音響を検出する検
出手段として機能させることにより、各ライン21、2
2(スピーカライン2)の検査を実現している。従っ
て、例えばマイクロホン等の専用の検出手段を設ける必
要がないので、その分、装置の低コスト化を実現でき、
また、上記検出手段として機能するスピーカライン22
自体の検査をも実施できるという、一石二鳥の効果を奏
する。
【0060】更に、本実施の形態では、各スピーカライ
ン21、22に対して、各スピーカ1、1、・・・を、
それぞれ直列に接続しているので、各スピーカライン2
1、22自体の断線、及び各スピーカ1、1、・・・自
体の断線を、確実に認識できる。これについて、図6を
参照して説明する。
【0061】即ち、同図に示すように、系統Aのスピー
カライン21に対して、各スピーカ1、1、1を、それ
ぞれ並列に接続したとする。ここで、例えば同図に点P
で示すように、スピーカライン21の根元が断線した場
合は、このスピーカライン21に音響信号を供給して
も、各スピーカ1、1、1からは音響が出力されない。
従って、系統Bのスピーカライン22から出力される検
出信号の信号レベルは、せいぜい車両内の背景雑音程度
の微弱なレベル、即ち基準レベル以下になる。しかし、
同図に点Qで示すように、スピーカライン21が途中で
断線した場合には、その断線箇所Qよりもスピーカライ
ン21の根本側(同図の左側)にあるスピーカ1、1か
らは音響が出力される。また、同図に点Rで示すよう
に、或るスピーカ1自体(若しくはスピーカ1への引き
込み線)が断線した場合には、これ以外の正常なスピー
カ1、1から音響が出力される。従って、これらの場合
には、上記検出信号の信号レベルが、零にはならず、場
合によっては、上記基準レベルよりも高くなる可能性が
あるので、上記点Qまたは点Rに係る断線を認識できな
くなる。
【0062】このことは、系統Bのスピーカライン22
についても、同様である。即ち、上記点Pで断線した場
合には、このスピーカライン22の出力する検出信号の
信号レベルは零になるが、上記点Qまたは点Rで断線し
た場合には、検出信号の信号レベルが零とはならず、場
合によっては、上記基準レベルよりも高くなる可能性が
ある。
【0063】これに対して、本実施の形態では、各スピ
ーカライン21、22自体、若しくは各スピーカ1、
1、・・・自体に断線が生じると、これらの断線箇所が
何処であるかに係わらず、上記検出信号の信号レベルが
略零になる。従って、上記の通り、これらの断線を確実
に認識できる。これは、スピーカライン21、22の異
常が、一般に、スピーカライン21、22自体の断線、
若しくはスピーカ1、1、・・・自体の断線(ダイナミ
ック形スピーカの場合は、内部の可動コイルの断線)で
あることが多いことを鑑みると、非常に有効な効果であ
る。
【0064】なお、本実施の形態においては、列車の車
内放送設備に本発明を応用する場合について説明した
が、これに限らず、例えばビルの館内放送設備や駅構内
の放送設備等の他の放送設備にも、本発明を応用でき
る。
【0065】また、各スピーカ1、1、・・・を、ダイ
ナミック形のものとしたが、これに限らない。即ち、系
統Aのスピーカ1、1、1については、本発明の適用対
象となる放送設備の仕様を満足するものであれば、どの
ようなスピーカを用いてもよい。また、系統Bのスピー
カ1、1、1については、音響−電気信号変換可能なも
のであれば、例えばマグネチック形やコンデンサ形等
の、他の変換機構を採用したスピーカ構成としてもよ
い。
【0066】そして、全車両の全スピーカライン2、
2、・・・の検査を実現するために、コントロール・ア
ンプ4側の制御部41と、各車両のパワー・アンプ3側
の制御部35とを、それぞれ図4及び図5のフローチャ
ートに従って動作させたが、これに限らない。即ち、本
実施の形態と同様の作用及び効果を奏するのであれば、
別の手順に従って、各制御部41、35を動作させても
よい。また、これら各制御部41、35は、CPU構成
に限らず、論理回路等のハードウェア構成によっても実
現できる。
【0067】更に、コントロール・アンプ4と各パワー
・アンプ3、3、・・・とを、それぞれ共通の伝送ライ
ン5で接続したが、例えば図7に示すように、この伝送
ライン5を、各車両(パワー・アンプ3、3、・・・)
毎に、それぞれ1本(組)ずつ設けてもよい。
【0068】そして、各車両のパワー・アンプ3内に、
判別回路38を設けたが、これをコントロール・アンプ
4側に設けたり、或いは、この判別回路38の機能をコ
ントロール・アンプ4側の制御部41に持たせてもよ
い。このようにすれば、判別回路38の構成数、或いは
判別回路38自体を削減でき、その分、低コスト化を実
現できる。この場合のコントロール・アンプ4側の制御
部41が、特許請求の範囲に記載の第1の主制御手段及
び第1の受信手段に対応し、各パワー・アンプ3側の制
御部35が、第1の個別制御手段に対応する。そして、
コントロール・アンプ4側の制御部41から各パワー・
アンプ3側の制御部35に送られる制御データが、特許
請求の範囲に記載の第1の制御指令に対応し、この制御
データが伝送される制御データライン52が、第1の制
御ラインに対応する。また、この制御データに応じて各
パワー・アンプ3からコントロール・アンプ4側に送ら
れる検出信号(例えば増幅器37の出力信号)を伝送さ
せるラインが、特許請求の範囲に記載の検出信号ライン
に対応する。
【0069】ただし、本実施の形態においては、コント
ロール・アンプ4側の制御部41は、特許請求の範囲に
記載の第2の主制御手段及び第2の受信手段に対応し、
各パワー・アンプ3側の制御部35は、第2の個別制御
手段に対応する。そして、制御データは、特許請求の範
囲に記載の第2の制御指令に対応し、制御データライン
52は、特許請求の範囲に記載の第2の制御ラインに対
応する。なお、本実施の形態のように、各車両毎に判別
回路38を設け、この判別回路38によりスピーカライ
ン2の検査結果を判別データに変換し、この変換して得
たディジタルの判別データをコントロール・アンプ4側
に伝送させた方が、その伝送過程におけるデータ(信
号)の耐雑音性が向上する。
【0070】また、コントロール・アンプ4内の検査信
号生成装置42cが、特許請求の範囲に記載の検査信号
供給手段に対応し、この検査信号生成装置42cを含む
音源部42が、特許請求の範囲に記載の音源手段に対応
する。そして、系統Aのスピーカライン21が、特許請
求の範囲に記載の第1のスピーカラインに対応し、系統
Bのスピーカライン22が、特許請求の範囲に記載の第
2のスピーカラインに対応する。また、切替スイッチ回
路32が、特許請求の範囲に記載の切替手段に対応し、
この切替スイッチ回路32の第1及び第2の状態が、そ
れぞれ特許請求の範囲に記載の第1及び第2の状態に対
応する。
【0071】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明の
検査装置によれば、スピーカラインに検査信号を供給す
ることにより各スピーカから音響が出力されるか否かを
検出手段で検出し、その検出結果に基づいて、判別手段
が、上記スピーカラインに断線や短絡等の異常が生じて
いないかどうかを判別する。従って、上述した従来技術
とは異なり、点検者がわざわざ各スピーカの設置場所に
まで足を運ぶ必要がないので、作業時間を短縮できる
等、作業効率の向上を図ることができるという効果があ
る。この効果は、スピーカの数が多いほど顕著になる。
【0072】請求項2に記載の発明の検査装置は、放送
設備のスピーカラインとして、第1及び第2の各スピー
カラインを設け、このうち、第2のスピーカラインを上
記検出手段として応用するものである。従って、これら
のスピーカライン以外に、例えばマイクロホン等の専用
の検出手段を設ける必要がなく、その分、検査装置の低
コスト化を実現できるという効果がある。
【0073】請求項3に記載の発明の検査装置は、請求
項2に記載の発明の検査装置において、上記第1及び第
2の各スピーカラインの両方を音源手段の出力側に接続
する第1の状態と、第1のスピーカラインを音源手段の
出力側に接続し、第2のスピーカラインを判別手段の入
力側に接続する第2の状態と、のいずれか一方の状態に
任意に切り替えることのできる切替手段を設けたもので
ある。従って、放送設備を、通常の放送状態とするか、
若しくはスピーカラインの検査を実施するための状態と
するのかを、容易に切り替えることができるという効果
がある。
【0074】請求項4に記載の発明の検査装置は、スピ
ーカラインに対して、スピーカを直列に接続したもので
ある。従って、スピーカラインに対して、例えばスピー
カを並列に接続したものと異なり、スピーカ自体及びス
ピーカライン自体の断線を確実に認識できるという効果
がある。
【0075】請求項5に記載の発明の検査装置によれ
ば、複数の空間毎にそれぞれ個別のスピーカラインを設
けた放送設備において、各スピーカラインの検査を選択
的に実施できる。従って、例えば列車の車内放送設備や
ビルの館内放送設備等におけるスピーカラインの検査装
置として、非常に有効である。また、各空間で1つの判
別手段を共有しているので、その分、検査装置を低コス
ト化できるという効果がある。
【0076】請求項6に記載の発明の検査装置によれ
ば、上記請求項5に記載の発明の検査装置において、各
スピーカラインの検査を、所定の順番に従って順次自動
的に実施することができる。従って、検査対象とするス
ピーカラインを手動で選択するよりも、検査作業の効率
を向上できるという効果がある。
【0077】請求項7に記載の発明の検査装置によれ
ば、各空間に設けられている各検出手段からそれぞれの
検出信号を判別手段に伝送させる際、これらを、それぞ
れに共通の検出信号ラインを介して伝送させている。従
って、例えば各検出手段と判別手段(第1の選択手段)
とをそれぞれ別個の伝送線路で結ぶ場合に比べて、これ
ら両者を結ぶ伝送線路を省線化できるという効果があ
る。この効果は、上記空間の数、例えば列車の車内放送
設備における車両の編成数や、ビルの館内放送設備にお
ける部屋数等が多いほど、顕著になる。
【0078】請求項8に記載の発明の検査装置によれ
ば、上記請求項5に記載の発明の検査装置と同様、複数
の空間毎にそれぞれ個別のスピーカラインを設けた放送
設備において、各スピーカラインの検査を選択的に実施
できる。また、この選択を行う第2の選択手段は、各空
間毎に設けられている各判別手段からそれぞれ入力され
るディジタルの判別データを、その選択の対象としてい
る。従って、この判別データに対応する(即ち判別結果
を表す)情報を、例えばアナログの信号とし、このアナ
ログ信号を各空間(各判別手段)から第2の選択手段に
伝送させる場合に比べて、その伝送過程における上記情
報の耐雑音性を向上できるという効果がある。この効果
は、各空間と第2の選択手段とを結ぶ伝送線路が長くな
るほど、顕著になる。
【0079】請求項9に記載の発明の検査装置によれ
ば、上記請求項8に記載の発明の検査装置において、各
スピーカラインの検査を、所定の順番に従って順次自動
的に実施することができる。従って、検査対象とするス
ピーカラインを手動で選択するよりも、検査作業の効率
を向上できるという効果がある。
【0080】請求項10に記載の発明の検査装置によれ
ば、各空間に設けられている各判別手段からそれぞれの
判別データを一箇所(第2の受信手段)に伝送させる
際、これらを、それぞれに共通の判別データラインを介
して伝送させている。従って、例えば各判別手段と第2
の受信手段とをそれぞれ別個の伝送線路で結ぶ場合に比
べて、これら両者を結ぶ伝送線路を省線化できるという
効果がある。この効果は、上記空間の数、例えば列車の
車内放送設備における車両の編成数や、ビルの館内放送
設備における部屋数等が多いほど、顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検査装置を列車の車内放送設備に
応用する場合の一実施の形態を表す図で、(a)は、各
車両の関連部分を概略的に表すブロック図、(b)は、
各車両における各スピーカの配置及び結線状態を概念的
に表す図である。
【図2】同実施の形態の全体構成を表す図で、(a)
は、そのブロック図、(b)は、コントロール・アンプ
と各パワー・アンプとの間で成されるデータ通信の概略
プロトコルを表すコマンド・シーケンスである。
【図3】コントロール・アンプの概略ブロック図であ
る。
【図4】コントロール・アンプ側の制御部の動作を表す
フローチャートである。
【図5】パワー・アンプ側の制御部の動作を表わすフロ
ーチャートである。
【図6】スピーカを並列接続した場合の説明図である。
【図7】同実施の形態の別の例を表す全体構成図であ
る。
【符号の説明】
1 スピーカ 2 スピーカライン 3 パワー・アンプ 5 伝送ライン 38 判別回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月27日(1999.9.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 スピーカラインの検査装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1以上のスピーカ
が接続されているスピーカラインに断線や短絡等の異常
が生じていないかどうかを検査する検査装置に関し、特
に、1つの空間内に複数のスピーカを備えた放送設備に
おけるスピーカラインを検査するのに適した検査装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように1つの空間内に複数のスピ
ーカを備えた放送設備として、例えば、列車の車内放送
設備がある。列車の車内放送設備では、車両という空間
内の適宜位置、例えば天井等に、複数のスピーカを、そ
れぞれ適当な間隔を隔てて配置している。このような放
送設備において、各スピーカとアンプ等の音源装置とを
接続するスピーカラインに上記断線や短絡等の異常が生
じていないかどうかを検査するのに、従来、例えば次の
ような点検作業を実施している。まず、カセット・プレ
ーヤ等の演奏機器等を備えた音源装置から、何らかの放
送音を連続的に流す。この状態で、点検者が各車両に足
を運び、各スピーカから上記放送音が正常に出力されて
いるか否かを、実際に点検者自信の耳で聴いて確認し、
これによって、各スピーカを含むスピーカラインが正常
であるか否かを判断する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、スピーカラインが正常であるか否かを検査するの
に、各車両にまで足を運ばなければならないというの
は、点検者にとって非常に面倒な作業であり、また、時
間が掛かるという問題がある。この問題は、列車を編成
する車両数が多いほど顕著になる。勿論、列車の車内放
送設備に限らず、ビルの館内放送設備等においても、同
様の問題が生じ得る。
【0004】そこで、本発明は、実際に各スピーカの設
置場所にまで足を運ばなくても、スピーカラインが正常
であるか否かを検査できる検査装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、1以上の
スピーカが接続された第1のスピーカラインと、上記ス
ピーカが音響に変換可能な交流の検査信号、例えば可聴
周波信号を、上記第1のスピーカラインに供給する検査
信号供給手段と、上記検査信号が供給されることにより
上記スピーカから出力される音響を検出しこの検出して
得た音響のレベルに応じた検出信号を生成する検出手段
と、上記検出信号が入力されこの検出信号に基づいて上
記第1のスピーカラインが正常であるか否かを判別する
判別手段と、を具備し、上記検出手段が、上記第1のス
ピーカラインとは別の第2のスピーカラインに接続され
たスピーカであって、上記第1のスピーカラインに接続
されているスピーカから出力される音響が到達する位置
に配置され、かつ、上記第1のスピーカラインに接続さ
れているスピーカから出力される音響を電気信号に変換
可能なスピーカにより構成され、この第2のスピーカラ
インに接続されているスピーカにより変換して得た上記
電気信号を、上記検出信号として上記判別手段に入力す
る状態に構成されたものである。
【0006】なお、ここで言う検出手段は、例えば一
に知られているダイナミック(動電)形のスピーカやマ
グネチック(電磁)形スピーカ、或いはコンデンサ(静
電)形スピーカ等の、振動板を備えた音響−電気信号変
換可能なスピーカによって、構成できる。
【0007】本請求項1に記載の発明において、例え
ば、今、第1のスピーカラインが正常である(即ち、断
線や短絡等の異常が生じていない)とする。この場合、
第1のスピーカラインに接続されているスピーカから上
記検査信号に応じた音響が出力され、検出手段が、その
音響レベルに応じた検出信号を生成し、これを判別手段
に入力する。判別手段は、これに入力される上記検出信
号に基づいて、例えばこの検出信号の信号レベルが所定
のレベル(上記スピーカから正常に音響が出力されてお
り、これを検出手段によって正常に検出したと見なすこ
とのできるレベル)以上であることを確認して、第1の
スピーカラインが正常であると判断し、例えばその旨を
表す判別データを出力する。
【0008】一方、第1のスピーカラインに断線や短絡
等の異常が生じている場合には、スピーカからは正常に
音響が出力されず、例えばスピーカの出力は略零にな
る。この場合、検出手段の生成する検出信号の信号レベ
ルも略零になる。従って、判別手段は、この検出信号の
信号レベルに基づき、第1のスピーカラインに上記断線
や短絡等の異常が生じているものと判別し、その旨を表
す判別データを出力する。
【0009】更に、本請求項1に記載の発明によれば、
第1及び第2の各スピーカラインが共に正常であるとき
にのみ、第2のスピーカラインに接続されているスピー
カから或る信号レベルの電気信号(検出信号)が出力さ
れ、判別手段は、その信号レベルに基づいて、第1及び
第2の各スピーカラインが共に正常であると判断する。
これに対して、第1及び第2の各スピーカラインの少な
くとも一方に断線や短絡等の異常が生じている場合に
は、第2のスピーカラインに接続されているスピーカか
ら得られる検出信号の信号レベルは略零になる。この場
合、判別手段は、少なくとも一方のスピーカラインに異
常が生じていると判断する。
【0010】即ち、本請求項1に記載の発明では、上記
検出手段として、音響−電気信号変換が可能なスピーカ
を利用する。そして、この検出手段として機能するスピ
ーカを備えた第2のスピーカラインと、第1のスピーカ
ラインと、を合わせたスピーカライン全体に異常が生じ
ていないかどうかを検査する。なお、この検査を実施し
ないときは、第1及び第2の各スピーカラインに、例え
ばアナウンスやBGM等の放送用の信号を供給すること
によって、これら各スピーカラインを通常の放送用のも
のとして使用できる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記検査信号供給手段を含
み、上記検査信号以外の例えばアナウンスやBGM等の
放送用の信号をも生成して出力する音源手段と、上記第
1及び第2の各スピーカラインを上記音源手段の信号出
力側に接続する第1の状態と、上記第1のスピーカライ
ンを上記音源手段の信号出力側に接続すると共に上記第
2のスピーカラインを上記判別手段の信号入力側に接続
する第2の状態と、のいずれか一方の状態に任意に切り
替え可能な切替手段と、を備え、上記切替手段が上記第
2の状態にあるときに、上記判別手段が、これに上記切
替手段を介して上記第2のスピーカラインから入力され
る電気信号に基づいて上記第1のスピーカラインが正常
であるか否かを判別する状態に構成されたものである。
【0012】本請求項2に記載の発明によれば、切替手
段を第1の状態とすることによって、第1及び第2の各
スピーカラインを通常の放送用のものとして使用するこ
とができ、即ち各スピーカラインにそれぞれ接続されて
いる各スピーカから、アナウンスやBGM等の放送音を
流すことができる。一方、切替手段を第2の状態に切り
替えれば、上記請求項1に記載の発明と同様、各スピー
カラインの検査を実現できる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記スピーカが複数あっ
て、これら各スピーカを、それぞれが接続される上記ス
ピーカラインに対して直列に接続したものである。
【0014】一般に、スピーカを含むスピーカラインの
異常の殆どは、スピーカ自体の断線(ダイナミック形ス
ピーカを例に挙げると、スピーカ内部の可動コイルの断
線)、若しくはスピーカライン自体の断線であることが
知られている。
【0015】例えば、今、第1のスピーカラインに対し
て、各スピーカが並列に接続されているとする。ここ
で、第1のスピーカラインの検査信号供給手段側に最も
近い位置において、この第1のスピーカライン自体に断
線が生じたとする。この場合、第1のスピーカラインに
接続されている全てのスピーカから音響が出力されなく
なるので、判別手段は、この検出手段から得られる検出
信号を基に(即ち、検出信号の信号レベルが略零である
ことから)、第1のスピーカラインが断線したと容易に
判断できる。
【0016】しかし、第1のスピーカラインが途中で断
線したり、或いは第1のスピーカラインに接続されてい
るスピーカのいずれか(そのスピーカ自体)が断線した
場合には、判別手段は、その断線の有無を正確に判断で
きなくなることがある。即ち、第1のスピーカラインが
途中で断線すると、その断線箇所よりも第1のスピーカ
ラインの先端側(即ち、検査信号供給手段が接続されて
いる側とは反対側)に接続されているスピーカからは音
響が出力されなくなるものの、上記断線箇所よりも検査
信号供給手段側に接続されているスピーカからは音響が
出力される。また、スピーカ自体が断線した場合には、
その断線したスピーカから音響が出力されなくなるもの
の、他の正常なスピーカから音響が出力される。このよ
うに、少なくとも一部のスピーカから音響が出力される
と、検出手段から得られる検出信号の信号レベルは、零
レベルにはならない。従って、判別手段は、この一種の
中途半端とも言える検出信号の信号レベルに基づいて、
第1のスピーカラインが正常であるか否かを判断するこ
とになるので、その正確さを欠いてしまう。
【0017】これに対して、本請求項3に記載の発明に
よれば、第1のスピーカラインに各スピーカが直列に接
続されるので、スピーカ自体、若しくは第1のスピーカ
ラインが断線した場合には、その断線箇所が何処である
のかに係わらず、全てのスピーカから音響が出力されな
くなる。従って、判別手段は、スピーカを含む第1のス
ピーカラインに断線が生じているか否かを、確実に判断
できる。
【0018】なお、検出手段は、第2のスピーカライン
(詳しくは第2のスピーカラインに接続された各スピー
カ)により構成されているので、上記と同様である。即
ち、第2のスピーカラインに対して各スピーカを並列に
接続すると、この第2のスピーカラインを含むスピーカ
ライン全体に断線が生じているか否かを正確に判断でき
ない。しかし、各スピーカを直列に接続すれば、断線箇
所が何処であるのかに係わらず、第2のスピーカライン
の出力が略零になるので、上記断線の有無を確実に判断
できる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記第1のスピーカライン
と検出手段とが設けられた空間が複数あって、これら各
空間に配置されている上記各検出手段の生成する各検出
信号が入力され、これら各検出信号のいずれか一つを任
意に選択して出力する第1の選択手段を設け、この第1
の選択手段から出力される検出信号を上記判別手段に入
力する状態に構成したものである。
【0020】なお、ここで言う上記複数の空間とは、例
えば列車の車内放送設備における各車両内のことや、ビ
ルの館内放送設備における各室内等のことを言う。
【0021】本請求項4に記載の発明によれば、複数の
空間に、それぞれ第1のスピーカラインと検出手段とが
設けられている。ここで、任意(希望)の空間に設けら
れている第1のスピーカラインの検査を実施するには、
第1の選択手段によって、上記任意の空間に設けられて
いる検出手段から出力される検出信号を選択する。する
と、判断手段が、この選択して得た検出信号を基に、上
記任意の空間に設けられている第1のスピーカラインに
異常が生じていないかどうかを判別する。なお、各検出
手段は、それぞれ第2のスピーカラインで構成されてい
るので、第1及び第2の各スピーカラインから成るスピ
ーカライン全体が正常であるか否かを、各空間に設けら
れているもの毎に、それぞれ選択的に検査できる。
【0022】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明の検査装置において、上記第1の選択手段が、上
記各検出手段からそれぞれ入力される各検出信号を、所
定の順番に従って順次一つずつ選択して出力する状態に
構成されたものである。
【0023】本請求項5に記載の発明によれば、第1の
選択手段が、各空間に設けられている各検出手段から出
力される各検出信号を、所定の順番に従って一つずつ順
次自動的に選択する。そして、判断手段が、これら順次
選択して得た各検出信号を基に、各空間に設けられてい
第1及び第2の各スピーカラインから成るスピーカラ
イン全体に異常が生じていないかどうかを順次判別す
る。
【0024】請求項6に記載の発明は、請求項4に記載
の発明の検査装置において、上記第1の選択手段が、上
記各空間毎に設けられ、それぞれの空間に設けられてい
る上記検出手段から上記検出信号がそれぞれ入力される
と共に、その検出信号を、それぞれに共通の第1の制御
ラインを介して供給される第1の制御指令に従って出力
する第1の個別制御手段と、これら第1の個別制御手段
のいずれか一つから上記検出信号を出力させる状態に上
記各第1の個別制御手段を個別に制御するための上記第
1の制御指令を生成し、これを上記第1の制御ラインに
入力する第1の主制御手段と、上記各第1の個別制御手
段からそれぞれ出力される上記各検出信号を、上記各第
1の個別制御手段に共通の検出信号ラインを介して受信
する第1の受信手段と、から成り、上記第1の受信手段
によって受信して得た検出信号を、該第1の選択手段の
出力として上記判別手段に入力する状態に構成されたも
のである。
【0025】本請求項6に記載の発明によれば、各空間
にそれぞれ設けられている各第1の個別制御手段は、そ
れぞれに共通の第1の制御ラインと検出信号ラインとに
接続されている。ここで、任意の空間に設けられている
スピーカラインを検査するには、第1の主制御手段によ
って、その旨を表す第1の制御指令を生成し、これを第
1の制御ラインに入力する。すると、この第1の制御指
令を受けて、上記任意の空間に設けられている第1の個
別制御手段が、この任意の空間に設けられている検出手
段から得られる検出信号を、検査信号ラインを介して、
第1の受信手段に送信する。第1の受信手段は、受信し
て得た検査信号を判別手段に入力し、判別手段は、この
検査信号に基づいて、上記任意の空間に設けられている
スピーカラインが正常であるか否かを判別する。
【0026】即ち、本請求項6に記載の発明は、各空間
にそれぞれ共通の第1の制御ライン及び検査信号ライン
により、各空間にそれぞれ設けられている各第1の個別
制御手段をネットワーク接続したものである。そして、
第1の主制御手段により、第1の制御ラインを介して各
第1の個別制御手段を集中制御する(詳しくは、この制
御を実現するための第1の制御データを生成する)と共
に、この制御に応じて各検出手段から得られる各検査信
号を、上記検査信号ラインを介して、それぞれに共通の
判別手段に伝送させるものである。
【0027】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の検査装置において、上記第1のスピーカライン
と上記検出手段と上記判別手段とが配置されている空間
が複数あって、これら各空間に配置されている上記各判
別手段による各判別結果を表す例えばディジタルの各判
別データが入力され、これら各判別データのいずれか一
つを任意に選択して出力する第2の選択手段を設けたも
のである。
【0028】なお、ここで言う上記複数の空間とは、例
えば列車の車内放送設備における各車両内のことや、ビ
ルの館内放送設備における各室内等のことを言う。
【0029】本請求項7に記載の発明によれば、複数の
空間に、それぞれ第1のスピーカラインと検出手段と判
別手段とが設けられている。ここで、任意の空間に設け
られている第1のスピーカラインの検査を実施するに
は、第2の選択手段によって、その任意の空間に配置さ
れている判別手段から出力される判別データを選択す
る。これにより、その選択して得た判別データが、第2
の選択手段から出力されるので、この判別データから、
上記第1のスピーカラインに異常が生じていないかどう
かを認識できる。なお、各検出手段は、それぞれ第2の
スピーカラインで構成されているので、第1及び第2の
各スピーカラインから成るスピーカライン全体が正常で
あるか否かを、各空間に設けられているもの毎に、それ
ぞれ選択的に検査できる。
【0030】即ち、本請求項7に記載の発明は、各空間
毎に判別手段を設け、これら各判別手段によってそれぞ
れ判別して得た各判別データの中から希望のものを、第
2の選択手段によって選択するものである。この点が、
各空間で1つの判別手段を共有し、この判別手段による
判別対象となる検出信号を、第1の選択手段によって選
択するという上記請求項5に記載の発明と異なる。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明の検査装置において、上記第2の選択手段が、上
記各判別データを所定の順番に従って自動的に順次一つ
ずつ選択して出力する状態に構成されたものである。
【0032】本請求項8に記載の発明によれば、第2の
選択手段が、各空間に設けられている各判別手段から出
力される各判別データを、所定の順番に従って一つずつ
順次自動的に選択して出力する。従って、これら順次出
力される各判別データから、各空間に設けられている
1及び第2の各スピーカラインから成るスピーカライン
全体に異常が生じていないかどうかを順次認識できる。
【0033】請求項9に記載の発明は、請求項7に記載
の発明の検査装置において、上記第2の選択手段が、上
記各空間毎に設けられ、それぞれの空間に設けられてい
る上記判別手段から上記判別データがそれぞれ入力され
ると共に、その判別データを、それぞれに共通の第2の
制御ラインを介して供給される第2の制御指令に従って
出力する第2の個別制御手段と、これら第2の個別制御
手段のいずれか一つから上記判別データを出力させる状
態に上記各第2の個別制御手段を個別に制御するための
上記第2の制御指令を生成し、これを上記第2の制御ラ
インに入力する第2の主制御手段と、上記各第2の個別
制御手段からそれぞれ出力される上記各判別データを、
上記各第2の個別制御手段に共通の判別データラインを
介して受信する第2の受信手段と、から成り、上記第2
の受信手段によって受信して得た判別データを、該第2
の選択手段の出力とするものである。
【0034】本請求項9に記載の発明によれば、各空間
にそれぞれ設けられている各第2の個別制御手段は、そ
れぞれに共通の第2の制御ラインと判別データラインと
に接続されている。ここで、任意の空間に設けられてい
るスピーカラインを検査するには、第2の主制御手段に
よって、その旨を表す第2の制御指令を生成し、これを
第2の制御ラインに入力する。すると、この第2の制御
指令を受けて、上記任意の空間に設けられている第2の
個別制御手段が、この任意の空間に設けられている判別
手段による判別結果を表す判別データを、判別データラ
インを介して、第2の受信手段に送信する。従って、こ
の第2の受信手段によって受信して得た判別データか
ら、上記任意の空間に設けられているスピーカラインが
正常であるか否かを認識できる。
【0035】即ち、本請求項9に記載の発明は、各空間
にそれぞれ共通の第2の制御ライン及び判別データライ
ンにより、各空間にそれぞれ設けられている各第2の個
別制御手段をネットワーク接続したものである。そし
て、第2の主制御手段により、第2の制御ラインを介し
て各第2の個別制御手段を集中制御する(詳しくは、こ
の制御を実現するための第2の制御データを生成する)
と共に、この制御に応じて各判別手段から出力される各
判別データを、上記判別データラインを介して、第2の
受信手段側に伝送させるものである。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明に係る検査装置を例えば列
車の車内放送設備に応用する場合の一実施の形態につい
て、図1から図7を参照して説明する。
【0037】図2(a)に、本実施の形態の全体の概略
構成を示す。同図に示すように、本実施の形態における
列車は、N両編成のもので、各車両毎に、それぞれ、複
数のスピーカ1、1、・・・が接続されたスピーカライ
ン2と、このスピーカライン2が接続されたパワー・ア
ンプ3とが、設けられている。また、先頭車両(1号
車)及び最後尾車両(N号車)には、それぞれコントロ
ール・アンプ4が設けられており、これらのコントロー
ル・アンプ4、4と各車両の各パワー・アンプ3、3、
・・・とは、それぞれ共通の伝送ライン5を介して接続
されている。なお、後述するが、伝送ライン5は、音響
信号ライン51と制御データライン52と判別データラ
イン53という3組のラインを備えている。
【0038】図1(a)に、各車両毎に設けられている
上記スピーカライン2を含むパワー・アンプ3の概略構
成を示す。同図に示すように、スピーカライン2は、系
統A、Bの2組のライン21、22を有しており、これ
ら各ライン21、22には、例えばダイナミック形のス
ピーカ1がそれぞれ3台ずつ直列に接続されている。
【0039】図1(b)に、各スピーカ1、1、・・・
の概念的な配置図を示す。同図に示すように、各スピー
カ1、1、・・・は、列車の進行方向(車両の長手方
向)に沿って、系統Aのものと系統Bのものとがそれぞ
れ交互に位置する状態に、所定の間隔を隔てて、例えば
車内の天井に、略一列に配置されている。ここで言う所
定の間隔とは、例えば、各系統A及びBのうち、一方の
系統のスピーカ1、1、1から出力される音響が、それ
ぞれに隣接する他方の系統のスピーカ1、1、1の設置
場所に十分到達し得る程度の間隔のことを言う。
【0040】そして、系統Aのスピーカライン21は、
パワー・アンプ3内にある変圧器31の二次側31aに
接続されている。なお、この変圧器31の一次側31b
には、1号車またはN号車のコントロール・アンプ4か
ら上記伝送ライン5の音響信号ライン51を介してパワ
ー・アンプ3内に供給される可聴周波数帯の所謂音響信
号が、増幅器33で増幅された後、直流カットコンデン
サ34を介して入力される。
【0041】一方、系統Bのライン22は、パワー・ア
ンプ3内にある切替スイッチ回路32に接続されてい
る。この切替スイッチ回路32は、例えばCPU(中央
演算処理装置)構成の制御部35から与えられる切替信
号に従って、系統Bのスピーカライン22(厳密にはラ
イン22の両端)と変圧器31の二次側31a(厳密に
は二次側31aの巻線の両端)とを接続する第1の状態
と、この変圧器31とは別の変圧器36の一次側36a
(厳密には一次側36aの巻線の両端)と系統Bのスピ
ーカライン22(厳密にはライン22の両端)とを接続
する第2の状態との、いずれか一方の状態に切り替わ
る。なお、制御部35は、コントロール・アンプ4から
伝送ライン5の制御データライン52を介して供給され
る制御データに従って、上記切替信号を生成する。そし
て、変圧器36の二次側36bは、上記増幅器33とは
別の増幅器37を介して、後述する判別回路38の入力
側に接続されている。
【0042】上記のように構成されたスピーカライン2
を含むパワー・アンプ3において、例えば、今、切替ス
イッチ回路32が、第1の状態、即ち系統Bのスピーカ
ライン22と変圧器31の二次側31aとを接続してい
る状態にあるとする。この状態において、増幅器33の
入力側に、上記音響信号として例えばアナウンス等の放
送用の信号を入力すると、各系統A、Bの各スピーカ
1、1、・・・から、それぞれ上記アナウンス等が放送
され、即ち通常の車内放送が実現される。
【0043】これとは逆に、切替スイッチ回路32が、
第2の状態、即ち系統Bのスピーカライン22と変圧器
36の一次側36aとを接続している状態にあるとき
は、系統Bの各スピーカ1、1、1は、電気信号−音響
変換器というそれ本来の機能を果たさず、外部の音響を
電気信号に変換(所謂逆変換)するという音響−電気信
号変換器として機能する。従って、この状態で、増幅器
33の入力側に、上記音響信号として例えば或る一定の
周波数の信号を入力すると、系統Aの各スピーカ1、
1、1からその信号に応じた音響が出力され、この音響
は、系統Bのスピーカ1、1、1によって電気信号に変
換され、即ち検出される。そして、この系統Bの各スピ
ーカ1、1、1によって検出して得た所謂検出信号は、
切替スイッチ回路32、変圧器36及び増幅器37を介
して、判別回路38に入力される。
【0044】判別回路38は、例えばコンパレータ(比
較)回路構成のもので、これに入力される上記検出信号
の信号レベルと予め定めた基準レベルとを比較して、検
査信号の信号レベルが基準レベルよりも高いときにハイ
(H)レベルの信号を出力し、検査信号の信号レベルが
基準レベル以下であるときにロー(L)レベルの信号を
出力する。例えば、各スピーカライン21、22に断線
や短絡等の異常が生じておらず、各ライン21、22が
共に正常な場合には、上記検出信号の信号レベルは或る
程度のレベルになる。一方、系統Aのスピーカライン2
1に上記異常が生じた場合には、この系統Aの各スピー
カ1、1、1からは音響が出力されなくなるので、上記
検出信号の信号レベルは、せいぜい外部(車両内)の背
景雑音程度の微弱なものになる。また、系統Bのスピー
カライン22に異常が生じた場合には、上記検出信号の
信号レベルは、略零になる。従って、上記基準レベル
を、各スピーカライン21、22が共に正常であるとき
の検出信号の信号レベルと、少なくとも一方が異常であ
るときの検出信号の信号レベルとの、略中間に設定すれ
ば、判別回路38の出力がHレベルであるのか若しくは
Lレベルであるのかによって、各スピーカライン21、
22が正常であるか否かを判別でき、即ちスピーカライ
ン2の検査を実現できる。
【0045】なお、この判別回路38から出力される2
値化された信号、所謂判別データは、上述した伝送ライ
ン5の判別データライン53を介してコントロール・ア
ンプ4に送信される。
【0046】図3に、コントロール・アンプ4の概略構
成を示す。同図に示すように、コントロール・アンプ4
は、各車両毎に設けられている各パワー・アンプ3、
3、・・・との間で上記制御データ及び判別データの送
受信を行う制御部41と、各パワー・アンプ3、3、・
・・に供給する上述した音響信号を生成するための音源
部42と、を有している。このうち、制御部41は、例
えばCPU構成とされており、この制御部41には、こ
れに各種命令を与える操作部43と、この制御部41に
よる制御に応じて各種情報を表示する表示部44とが、
それぞれ接続されている。そして、音源部42は、上述
したアナウンス等の発生源となるマイクロホン42aや
音声再生装置42b、及び上述した或る一定の周波数の
信号、即ちスピーカライン2を検査する際に使用する所
謂検査信号を生成する検査信号生成装置42c等の各種
音源を備えている。なお、これらの音源42a乃至42
cのいずれの出力を有効とするのかは、制御部41によ
って制御される。
【0047】このように構成されたコントロール・アン
プ4において、制御部41は、例えば次のように動作す
る。即ち、アナウンスを流す等、通常の放送を行う場合
には、その旨の命令を操作部43により入力する。する
と、制御部41は、全車両(パワー・アンプ3、3、・
・・)の制御部35に対して、それぞれの切替スイッチ
回路32を第1の状態(即ち変圧器31の二次側31a
と系統Bのスピーカライン22とを接続する状態)とす
る制御データを送信する。これと同時に、制御部41
は、マイクロホン42aまたは音声再生装置42bの出
力を有効とするように、音源部42を制御する。これに
よって、マイクロホン42aまたは音声再生装置42b
によるアナウンス等を、各車両の各スピーカ1、1、・
・・から放送することができる。
【0048】一方、各車両内の各スピーカライン2、
2、・・・が正常であるか否かの検査を実施する場合
は、その旨の命令を操作部43により入力する。する
と、制御部41は、検査信号生成装置42cの出力を有
効とするよう音源部42を制御する。これと同時に、制
御部41は、例えば図2(b)に示すように、一般に知
られているポーリング・セレクション方式に基づいて、
1号車から順にスピーカライン2の検査を実施する旨の
命令、即ち切替スイッチ回路32を第2の状態(即ち変
圧器36の一次側36aと系統Bのスピーカライン22
とを接続する状態)とする制御データを送信する。これ
によって、1号車から順に、そのスピーカライン2が正
常であるか否かの検査が実施され、その検査結果を表す
判別データが、1号車のものから順に、制御部41側に
送り返されてくる。制御部41は、全ての車両から判別
データを受信し終えた後、これら受信して得た各判別デ
ータを基に、各スピーカライン2、2、・・・の検査結
果を表示部44に表示する。
【0049】なお、コントロール・アンプ4は、1号車
とN号車とにそれぞれ設けられているが、上記制御を実
施する際には、どちらか一方のコントロール・アンプ4
による制御が優先される。また、どちらを優先させるか
は、所定の手順により任意に設定できる。
【0050】上記各車両の各スピーカライン2、2、・
・・についての検査を実現するために、コントロール・
アンプ4側の制御部41は、図4に示す手順に従って、
また、各パワー・アンプ3側の各制御部35は、図5に
示す手順に従って、それぞれ動作する。なお、これら各
図の手順に従って各制御部41、35を動作させるため
のプログラムは、それぞれ、各アンプ4、3内にある図
示しない記憶部に記憶されている。
【0051】図4に示すように、コントロール・アンプ
4側の制御部41は、操作部43により、各車両のスピ
ーカライン2、2、・・・の検査を実施する旨の命令が
与えられると、まず、初期設定を行う(ステップS
2)。この初期設定においては、制御部41は、上記検
査の対象とする車両の番号を表すインデックス(所謂制
御データの送信先アドレス)nとして、n=1を設定す
る。
【0052】上記初期設定の後、制御部41は、n号
車、即ち最初はn=1号車に対して、そのスピーカライ
ン2の検査を実施する旨の検査命令(即ち、1号車の切
替スイッチ回路32を第2の状態とする制御データ)を
送信する(ステップS4)。
【0053】一方、各車両のパワー・アンプ3側の制御
部35は、図5に示すように、切替スイッチ回路32を
第1の状態としており、この状態で、常時、自己宛の検
査命令(制御データ)が送られてくるのを待機している
状態にある(ステップS20)。そして、自己宛の検査
命令を受信すると(ステップS20においてYESの場
合)、これに応じて切替スイッチ回路32を第2の状態
に切り替える(ステップS22)。これによって、スピ
ーカライン2の検査が実施され、その検査結果を表す判
別データが、判別回路38から出力される。制御部35
は、上記ステップS22において切替スイッチ回路32
を所定の時間(例えば、判別回路38が上記判別データ
を生成してこれを出力するのに十分な時間)Tだけ第2
の状態に切り替えた後、これを第1の状態に戻して、上
記ステップS20に戻る(ステップS24)。
【0054】コントロール・アンプ4側の制御部41
は、上記ステップS4において検査命令を送信した後、
この送信先の車両から判別データが送られてくるのを待
機している状態にある(ステップS6)。ここで、判別
データを受信すると(ステップS6においてYESの場
合)、制御部41は、この受信して得た判別データを上
記図示しない記憶部に一時記憶する(ステップS8)。
そして、この判別データを受信して一時記憶するという
上記ステップS4からステップS8までの作業を、全て
の車両について繰り返す(ステップS10、S12)。
【0055】全ての車両の判別データを受信して一時記
憶し終えると(ステップS10においてYESの場
合)、制御部41は、一時記憶した各判別データを基
に、各車両の各スピーカライン2、2、・・・の検査結
果を表示部44に表示する(ステップS14)。なお、
表示に限らず、例えば音声や印刷物(即ちプリント用
紙)等により上記検査結果を出力してもよい。そして、
この検査結果の出力により、各スピーカライン2、2、
・・・に関する一連の検査作業を終了する。
【0056】このように、本実施の形態によれば、1号
車またはN号車に設置されたコントロール・アンプ4
(表示部44)に表示される検査結果により、各車両の
各スピーカライン2、2、・・・が正常であるか否かを
認識できる。従って、上述した従来技術とは異なり、点
検者がわざわざ各車両に足を運ぶ必要がないので、作業
時間を短縮できる等、作業効率の向上を図ることができ
る。これは、車両の編成数が多いほど顕著になる。
【0057】また、スピーカライン2を系統A、Bの2
組のライン21、22に振り分けて、このうちの一方の
ライン22のスピーカ1、1、1を、他方のライン21
のスピーカ1、1、1から出力される音響を検出する検
出手段として機能させることにより、各ライン21、2
2(スピーカライン2)の検査を実現している。従っ
て、例えばマイクロホン等の専用の検出手段を設ける必
要がないので、その分、装置の低コスト化を実現でき、
また、上記検出手段として機能するスピーカライン22
自体の検査をも実施できるという、一石二鳥の効果を奏
する。
【0058】更に、本実施の形態では、各スピーカライ
ン21、22に対して、各スピーカ1、1、・・・を、
それぞれ直列に接続しているので、各スピーカライン2
1、22自体の断線、及び各スピーカ1、1、・・・自
体の断線を、確実に認識できる。これについて、図6を
参照して説明する。
【0059】即ち、同図に示すように、系統Aのスピー
カライン21に対して、各スピーカ1、1、1を、それ
ぞれ並列に接続したとする。ここで、例えば同図に点P
で示すように、スピーカライン21の根元が断線した場
合は、このスピーカライン21に音響信号を供給して
も、各スピーカ1、1、1からは音響が出力されない。
従って、系統Bのスピーカライン22から出力される検
出信号の信号レベルは、せいぜい車両内の背景雑音程度
の微弱なレベル、即ち基準レベル以下になる。しかし、
同図に点Qで示すように、スピーカライン21が途中で
断線した場合には、その断線箇所Qよりもスピーカライ
ン21の根本側(同図の左側)にあるスピーカ1、1か
らは音響が出力される。また、同図に点Rで示すよう
に、或るスピーカ1自体(若しくはスピーカ1への引き
込み線)が断線した場合には、これ以外の正常なスピー
カ1、1から音響が出力される。従って、これらの場合
には、上記検出信号の信号レベルが、零にはならず、場
合によっては、上記基準レベルよりも高くなる可能性が
あるので、上記点Qまたは点Rに係る断線を認識できな
くなる。
【0060】このことは、系統Bのスピーカライン22
についても、同様である。即ち、上記点Pで断線した場
合には、このスピーカライン22の出力する検出信号の
信号レベルは零になるが、上記点Qまたは点Rで断線し
た場合には、検出信号の信号レベルが零とはならず、場
合によっては、上記基準レベルよりも高くなる可能性が
ある。
【0061】これに対して、本実施の形態では、各スピ
ーカライン21、22自体、若しくは各スピーカ1、
1、・・・自体に断線が生じると、これらの断線箇所が
何処であるかに係わらず、上記検出信号の信号レベルが
略零になる。従って、上記の通り、これらの断線を確実
に認識できる。これは、スピーカライン21、22の異
常が、一般に、スピーカライン21、22自体の断線、
若しくはスピーカ1、1、・・・自体の断線(ダイナミ
ック形スピーカの場合は、内部の可動コイルの断線)で
あることが多いことを鑑みると、非常に有効な効果であ
る。
【0062】なお、本実施の形態においては、列車の車
内放送設備に本発明を応用する場合について説明した
が、これに限らず、例えばビルの館内放送設備や駅構内
の放送設備等の他の放送設備にも、本発明を応用でき
る。
【0063】また、各スピーカ1、1、・・・を、ダイ
ナミック形のものとしたが、これに限らない。即ち、系
統Aのスピーカ1、1、1については、本発明の適用対
象となる放送設備の仕様を満足するものであれば、どの
ようなスピーカを用いてもよい。また、系統Bのスピー
カ1、1、1については、音響−電気信号変換可能なも
のであれば、例えばマグネチック形やコンデンサ形等
の、他の変換機構を採用したスピーカ構成としてもよ
い。
【0064】そして、全車両の全スピーカライン2、
2、・・・の検査を実現するために、コントロール・ア
ンプ4側の制御部41と、各車両のパワー・アンプ3側
の制御部35とを、それぞれ図4及び図5のフローチャ
ートに従って動作させたが、これに限らない。即ち、本
実施の形態と同様の作用及び効果を奏するのであれば、
別の手順に従って、各制御部41、35を動作させても
よい。また、これら各制御部41、35は、CPU構成
に限らず、論理回路等のハードウェア構成によっても実
現できる。
【0065】更に、コントロール・アンプ4と各パワー
・アンプ3、3、・・・とを、それぞれ共通の伝送ライ
ン5で接続したが、例えば図7に示すように、この伝送
ライン5を、各車両(パワー・アンプ3、3、・・・)
毎に、それぞれ1本(組)ずつ設けてもよい。
【0066】そして、各車両のパワー・アンプ3内に、
判別回路38を設けたが、これをコントロール・アンプ
4側に設けたり、或いは、この判別回路38の機能をコ
ントロール・アンプ4側の制御部41に持たせてもよ
い。このようにすれば、判別回路38の構成数、或いは
判別回路38自体を削減でき、その分、低コスト化を実
現できる。この場合のコントロール・アンプ4側の制御
部41が、特許請求の範囲に記載の第1の主制御手段及
び第1の受信手段に対応し、各パワー・アンプ3側の制
御部35が、第1の個別制御手段に対応する。そして、
コントロール・アンプ4側の制御部41から各パワー・
アンプ3側の制御部35に送られる制御データが、特許
請求の範囲に記載の第1の制御指令に対応し、この制御
データが伝送される制御データライン52が、第1の制
御ラインに対応する。また、この制御データに応じて各
パワー・アンプ3からコントロール・アンプ4側に送ら
れる検出信号(例えば増幅器37の出力信号)を伝送さ
せるラインが、特許請求の範囲に記載の検出信号ライン
に対応する。
【0067】ただし、本実施の形態においては、コント
ロール・アンプ4側の制御部41は、特許請求の範囲に
記載の第2の主制御手段及び第2の受信手段に対応し、
各パワー・アンプ3側の制御部35は、第2の個別制御
手段に対応する。そして、制御データは、特許請求の範
囲に記載の第2の制御指令に対応し、制御データライン
52は、特許請求の範囲に記載の第2の制御ラインに対
応する。なお、本実施の形態のように、各車両毎に判別
回路38を設け、この判別回路38によりスピーカライ
ン2の検査結果を判別データに変換し、この変換して得
たディジタルの判別データをコントロール・アンプ4側
に伝送させた方が、その伝送過程におけるデータ(信
号)の耐雑音性が向上する。
【0068】また、コントロール・アンプ4内の検査信
号生成装置42cが、特許請求の範囲に記載の検査信号
供給手段に対応し、この検査信号生成装置42cを含む
音源部42が、特許請求の範囲に記載の音源手段に対応
する。そして、系統Aのスピーカライン21が、特許請
求の範囲に記載の第1のスピーカラインに対応し、系統
Bのスピーカライン22が、特許請求の範囲に記載の第
2のスピーカラインに対応する。また、切替スイッチ回
路32が、特許請求の範囲に記載の切替手段に対応し、
この切替スイッチ回路32の第1及び第2の状態が、そ
れぞれ特許請求の範囲に記載の第1及び第2の状態に対
応する。
【0069】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明の
検査装置によれば、スピーカラインに検査信号を供給す
ることにより各スピーカから音響が出力されるか否かを
検出手段で検出し、その検出結果に基づいて、判別手段
が、上記スピーカラインに断線や短絡等の異常が生じて
いないかどうかを判別する。従って、上述した従来技術
とは異なり、点検者がわざわざ各スピーカの設置場所に
まで足を運ぶ必要がないので、作業時間を短縮できる
等、作業効率の向上を図ることができるという効果があ
る。この効果は、スピーカの数が多いほど顕著になる。
【0070】また、本請求項1に記載の発明では、放送
設備のスピーカラインとして、第1及び第2の各スピー
カラインを設け、このうち、第2のスピーカラインを上
記検出手段として応用する。従って、これらのスピーカ
ライン以外に、例えばマイクロホン等の専用の検出手段
を設ける必要がなく、その分、検査装置の低コスト化を
実現できるという効果がある。
【0071】請求項2に記載の発明の検査装置は、請求
項1に記載の発明の検査装置において、上記第1及び第
2の各スピーカラインの両方を音源手段の出力側に接続
する第1の状態と、第1のスピーカラインを音源手段の
出力側に接続し、第2のスピーカラインを判別手段の入
力側に接続する第2の状態と、のいずれか一方の状態に
任意に切り替えることのできる切替手段を設けたもので
ある。従って、放送設備を、通常の放送状態とするか、
若しくはスピーカラインの検査を実施するための状態と
するのかを、容易に切り替えることができるという効果
がある。
【0072】請求項3に記載の発明の検査装置は、スピ
ーカラインに対して、スピーカを直列に接続したもので
ある。従って、スピーカラインに対して、例えばスピー
カを並列に接続したものと異なり、スピーカ自体及びス
ピーカライン自体の断線を確実に認識できるという効果
がある。
【0073】請求項4に記載の発明の検査装置によれ
ば、複数の空間毎にそれぞれ個別のスピーカラインを設
けた放送設備において、各スピーカラインの検査を選択
的に実施できる。従って、例えば列車の車内放送設備や
ビルの館内放送設備等におけるスピーカラインの検査装
置として、非常に有効である。また、各空間で1つの判
別手段を共有しているので、その分、検査装置を低コス
ト化できるという効果がある。
【0074】請求項5に記載の発明の検査装置によれ
ば、上記請求項4に記載の発明の検査装置において、各
スピーカラインの検査を、所定の順番に従って順次自動
的に実施することができる。従って、検査対象とするス
ピーカラインを手動で選択するよりも、検査作業の効率
を向上できるという効果がある。
【0075】請求項6に記載の発明の検査装置によれ
ば、各空間に設けられている各検出手段からそれぞれの
検出信号を判別手段に伝送させる際、これらを、それぞ
れに共通の検出信号ラインを介して伝送させている。従
って、例えば各検出手段と判別手段(第1の選択手段)
とをそれぞれ別個の伝送線路で結ぶ場合に比べて、これ
ら両者を結ぶ伝送線路を省線化できるという効果があ
る。この効果は、上記空間の数、例えば列車の車内放送
設備における車両の編成数や、ビルの館内放送設備にお
ける部屋数等が多いほど、顕著になる。
【0076】請求項7に記載の発明の検査装置によれ
ば、上記請求項4に記載の発明の検査装置と同様、複数
の空間毎にそれぞれ個別のスピーカラインを設けた放送
設備において、各スピーカラインの検査を選択的に実施
できる。また、この選択を行う第2の選択手段は、各空
間毎に設けられている各判別手段からそれぞれ入力され
るディジタルの判別データを、その選択の対象としてい
る。従って、この判別データに対応する(即ち判別結果
を表す)情報を、例えばアナログの信号とし、このアナ
ログ信号を各空間(各判別手段)から第2の選択手段に
伝送させる場合に比べて、その伝送過程における上記情
報の耐雑音性を向上できるという効果がある。この効果
は、各空間と第2の選択手段とを結ぶ伝送線路が長くな
るほど、顕著になる。
【0077】請求項8に記載の発明の検査装置によれ
ば、上記請求項7に記載の発明の検査装置において、各
スピーカラインの検査を、所定の順番に従って順次自動
的に実施することができる。従って、検査対象とするス
ピーカラインを手動で選択するよりも、検査作業の効率
を向上できるという効果がある。
【0078】請求項9に記載の発明の検査装置によれ
ば、各空間に設けられている各判別手段からそれぞれの
判別データを一箇所(第2の受信手段)に伝送させる
際、これらを、それぞれに共通の判別データラインを介
して伝送させている。従って、例えば各判別手段と第2
の受信手段とをそれぞれ別個の伝送線路で結ぶ場合に比
べて、これら両者を結ぶ伝送線路を省線化できるという
効果がある。この効果は、上記空間の数、例えば列車の
車内放送設備における車両の編成数や、ビルの館内放送
設備における部屋数等が多いほど、顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検査装置を列車の車内放送設備に
応用する場合の一実施の形態を表す図で、(a)は、各
車両の関連部分を概略的に表すブロック図、(b)は、
各車両における各スピーカの配置及び結線状態を概念的
に表す図である。
【図2】同実施の形態の全体構成を表す図で、(a)
は、そのブロック図、(b)は、コントロール・アンプ
と各パワー・アンプとの間で成されるデータ通信の概略
プロトコルを表すコマンド・シーケンスである。
【図3】コントロール・アンプの概略ブロック図であ
る。
【図4】コントロール・アンプ側の制御部の動作を表す
フローチャートである。
【図5】パワー・アンプ側の制御部の動作を表わすフロ
ーチャートである。
【図6】スピーカを並列接続した場合の説明図である。
【図7】同実施の形態の別の例を表す全体構成図であ
る。
【符号の説明】 1 スピーカ 2 スピーカライン 3 パワー・アンプ 5 伝送ライン 38 判別回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1以上のスピーカが接続された第1のス
    ピーカラインと、 上記スピーカが音響に変換可能な交流の検査信号を、上
    記第1のスピーカラインに供給する検査信号供給手段
    と、 上記検査信号が供給されることにより上記スピーカから
    出力される音響を検出しこの検出して得た音響のレベル
    に応じた検出信号を生成する検出手段と、 上記検出信号が入力されこの検出信号に基づいて上記第
    1のスピーカラインが正常であるか否かを判別する判別
    手段と、を具備するスピーカラインの検査装置。
  2. 【請求項2】 上記検出手段が、上記第1のスピーカラ
    インとは別の第2のスピーカラインに接続されたスピー
    カであって、上記第1のスピーカラインに接続されてい
    るスピーカから出力される音響が到達する位置に配置さ
    れ、かつ、上記第1のスピーカラインに接続されている
    スピーカから出力される音響を電気信号に変換可能なス
    ピーカにより構成され、 この第2のスピーカラインに接続されているスピーカに
    より変換して得た上記電気信号を、上記検出信号として
    上記判別手段に入力する状態に構成された請求項1に記
    載のスピーカラインの検査装置。
  3. 【請求項3】 上記検査信号供給手段を含み、上記検査
    信号以外の放送用の信号をも生成して出力する音源手段
    と、 上記第1及び第2の各スピーカラインを上記音源手段の
    信号出力側に接続する第1の状態と、上記第1のスピー
    カラインを上記音源手段の信号出力側に接続すると共に
    上記第2のスピーカラインを上記判別手段の信号入力側
    に接続する第2の状態と、のいずれか一方の状態に任意
    に切り替え可能な切替手段と、を備え、 上記切替手段が上記第2の状態にあるときに、上記判別
    手段が、これに上記切替手段を介して上記第2のスピー
    カラインから入力される電気信号に基づいて上記第1の
    スピーカラインが正常であるか否かを判別する状態に構
    成された請求項2に記載のスピーカラインの検査装置。
  4. 【請求項4】 上記スピーカが複数あって、これら各ス
    ピーカを、それぞれが接続される上記スピーカラインに
    対して直列に接続した請求項1に記載のスピーカライン
    の検査装置。
  5. 【請求項5】 上記第1のスピーカラインと上記検出手
    段とが設けられた空間が複数あって、 これら各空間に配置されている上記各検出手段の生成す
    る各検出信号が入力され、これら各検出信号のいずれか
    一つを任意に選択して出力する第1の選択手段を設け、 この第1の選択手段から出力される検出信号を上記判別
    手段に入力する状態に構成した請求項1に記載のスピー
    カラインの検査装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の選択手段が、上記各検出手段
    からそれぞれ入力される各検出信号を、所定の順番に従
    って順次一つずつ選択して出力する状態に構成された請
    求項5に記載のスピーカラインの検査装置。
  7. 【請求項7】 上記第1の選択手段が、 上記各空間毎に設けられ、それぞれの空間に設けられて
    いる上記検出手段から上記検出信号がそれぞれ入力され
    ると共に、その検出信号を、それぞれに共通の第1の制
    御ラインを介して供給される第1の制御指令に従って出
    力する第1の個別制御手段と、 これら第1の個別制御手段のいずれか一つから上記検出
    信号を出力させる状態に上記各第1の個別制御手段を個
    別に制御するための上記第1の制御指令を生成し、これ
    を上記第1の制御ラインに入力する第1の主制御手段
    と、 上記各第1の個別制御手段からそれぞれ出力される上記
    各検出信号を、上記各第1の個別制御手段に共通の検出
    信号ラインを介して受信する第1の受信手段と、から成
    り、 上記第1の受信手段によって受信して得た検出信号を、
    該第1の選択手段の出力として上記判別手段に入力する
    状態に構成された請求項5に記載のスピーカラインの検
    査装置。
  8. 【請求項8】 上記第1のスピーカラインと上記検出手
    段と上記判別手段とが設けられた空間が複数あって、 これら各空間に配置されている上記各判別手段による各
    判別結果を表す各判別データが入力され、これら各判別
    データのいずれか一つを任意に選択して出力する第2の
    選択手段を設けた請求項1に記載のスピーカラインの検
    査装置。
  9. 【請求項9】 上記第2の選択手段が、上記各判別手段
    からそれぞれ入力される各判別データを、所定の順番に
    従って順次一つずつ選択して出力する状態に構成された
    請求項8に記載のスピーカラインの検査装置。
  10. 【請求項10】 上記第2の選択手段が、 上記各空間毎に設けられ、それぞれの空間に設けられて
    いる上記判別手段から上記判別データがそれぞれ入力さ
    れると共に、その判別データを、それぞれに共通の第2
    の制御ラインを介して供給される第2の制御指令に従っ
    て出力する第2の個別制御手段と、 これら第2の個別制御手段のいずれか一つから上記判別
    データを出力させる状態に上記各第2の個別制御手段を
    個別に制御するための上記第2の制御指令を生成し、こ
    れを上記第2の制御ラインに入力する第2の主制御手段
    と、 上記各第2の個別制御手段からそれぞれ出力される上記
    各判別データを、上記各第2の個別制御手段に共通の判
    別データラインを介して受信する第2の受信手段と、か
    ら成り、 上記第2の受信手段によって受信して得た判別データ
    を、該第2の選択手段の出力とする請求項8に記載のス
    ピーカラインの検査装置。
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