JP2000173588A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JP2000173588A
JP2000173588A JP10342886A JP34288698A JP2000173588A JP 2000173588 A JP2000173588 A JP 2000173588A JP 10342886 A JP10342886 A JP 10342886A JP 34288698 A JP34288698 A JP 34288698A JP 2000173588 A JP2000173588 A JP 2000173588A
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治成 島村
Yoshiaki Nitta
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス状固体電解質を用いた非水電解質電池
のサイクル特性、高率充放電特性、高温保存特性を向上
させる。 【解決手段】 固相Aからなる核粒子の周囲の全面また
は一部を、固相Bによって被覆した複合粒子を負極に用
いた非水電解質電池で、非水電解質に第1の成分として
少なくとも硫化リチウムを含み、第2の成分として硫化
けい素、硫化りんおよび硫化ほう素からなる群より選ば
れる一つまたはそれ以上の化合物と、第3の成分として
りん酸リチウム、硫酸リチウム、ほう酸リチウム、けい
酸リチウムからなる群より選ばれる一つまたはそれ以上
の化合物の複数の化合物より合成されるリチウムイオン
導電性ガラス状固体電解質を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池の負極材料の改良、および非水電解質として高耐酸化
性有機溶媒の適用により充放電容量および充放電サイク
ル寿命などの電気化学特性が改善された、携帯情報端
末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーター
を動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド
電気自動車等に用いられる非水電解質二次電池に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信機器、携帯電子機器の
主電源として利用されているリチウム二次電池は、起電
力が高く、高エネルギー密度である特長を有している。
負極材料としてリチウム金属を用いたリチウム二次電池
は、エネルギー密度は高いが、充電時に負極にデンドラ
イトが析出し、また、放電時にはこのデンドライトが切
れることにより、バルクの金属リチウム負極表面上から
脱落し、充放電反応に寄与し得ない”死んだ”リチウム
を生成する。さらに、充放電を繰り返すことによりデン
ドライトが成長し、セパレータを突き破って正極側に達
し、内部短絡を起こす恐れがあった。また、析出したデ
ンドライトは比表面積が大きいため反応活性度が高く、
その表面で電解液中の溶媒と反応して電子伝導性に欠い
た固体電解質的な界面皮膜を形成する。そのため電池の
内部抵抗が高くなったり、電子伝導のネットワークから
孤立した粒子が存在するようになり、これらが充放電効
率を低下させる要因となっている。これらの理由で負極
材料としてリチウム金属を用いたリチウム二次電池は、
低い信頼性、および短いサイクル寿命に課題があった。
【0003】このようなデンドライトを抑制するため
に、金属リチウムに代えてリチウム−アルミニウム合金
(Li-Al合金)やウッド合金に代表されるリチウム合金
が負極材料として提案された。このようなリチウムと合
金化が可能な金属およびそれら金属を少なくとも一種含
んだ合金の場合、初期の充放電サイクルの段階において
電気化学的に比較的高容量な負極材料となりうる。しか
しながら、充放電によりリチウムとの合金化とリチウム
の脱離の繰り返しにより、元来の骨格合金の結晶構造を
維持してはいるが、相変化を生じたり、あるいは元素の
骨格合金とは相違する結晶構造に変化してしまう場合が
ある。この場合、活物質であるリチウムのホスト物質で
ある金属又は合金の粒子が膨張 収縮を起こし、充放電
サイクルの進行に伴い、結晶粒にストレスがかかった結
果、クラックが生じ、粒子の微細化、ひいては極板から
の脱落が進む。粒子が微細化することにより粒界抵抗お
よび粒界接触抵抗が増大する。その結果、充放電時の抵
抗分極が増大し、電圧制御した充電時には、充電深度が
浅くなり、充電電気量が少ないものとなる。一方、放電
時には抵抗分極により電圧降下が起こり、放電終止電圧
に早く到達する。したがって、充放電容量・サイクル特
性ともに、優れたものとはなり難い。
【0004】現在、リチウム金属に替わる負極材料とし
て、リチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料を使用
し実用化に至っている。通常、炭素材料負極には金属リ
チウムは析出しないため、デンドライトによる内部短絡
の問題はない。しかし、炭素材料の一つである黒鉛の理
論容量は372mAh/gであり、Li金属単体の理論容量の10
分の1程度と少ない。また、他の化合物活物質材料とし
て、五酸化二ニオブ(Nb2O5)、二硫化チタン(Ti
S2)、二酸化モリブデン(MoO2)、チタン酸リチウム
(Li4/3Ti5/3O4)等が挙げられる。これらの材料は、リ
チウムをイオン化した状態でホスト物質中に保持してい
るために、化学的活性の高い金属リチウムに比して、化
学的に安定で、デンドライトの発生もなく、サイクル特
性が著しく改善され、炭素系材料のものについては、実
用化されている。
【0005】他の負極材料として、リチウムと化合物を
形成する単体金属材料および単体非金属材料が知られて
いる。例えば、スズ(Sn)のリチウムを最も含む化合物
の組成式は、それぞれLi22Sn5であり、この範囲では金
属リチウムは通常析出しないため、デンドライトによる
内部短絡の問題はない。そして、これら化合物と各単体
材料との間の電気化学容量は、993mAh/gであり、黒鉛の
理論容量よりも大きい。
【0006】またリチウムと化合物を形成する単体金属
材料および単体非金属材料の他に化合物負極材料とし
て、特開平7−240201号公報には遷移元素からな
る非鉄金属の珪化物が、特開平9−63651号公報に
は4B族元素及びP、Sbの少なくとも一つを含む金属
間化合物からなり、その結晶構造がCaF2型、ZnS型、AlL
iSi型のいずれかからなる負極材料などが提案されてい
る。
【0007】一方、非水電解質電池に用いられる電解液
の溶媒としては、炭酸プロピレン(PC)、炭酸エチレン(E
C)に代表される環状炭酸エステルや、炭酸ジエチル(DE
C)、炭酸ジメチル(DMC)に代表される鎖状炭酸エステ
ル、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GV
L)に代表される環状カルボン酸エステル、ジメトキシメ
タン(DMM)や1、3-ジメトキシプロパン(DMP)などの鎖状
エーテル、テトラヒドロフラン(THF)あるいは1、3-ジオ
キソラン(DOL)等の環状エステルが多く用いられる。
【0008】非水電解質二次電池に適用する際には、電
気伝導率が高い物が望ましく、そのためには比誘電率が
高く、粘度の低い溶媒が好ましく用いられる。しかしな
がら、比誘電率が高いということは極性が強いことにほ
かならず、すなわち、粘度も高いものとなる。そのため
に上述の電解液のうち、炭酸プロピレン(誘電率ε=6
5)のような高誘電率溶媒と、1、2-ジメトキシエタン(D
ME、ε=7。2)に代表される低誘電率溶媒とを併用して用
いられることが多い。
【0009】非水電解質電池に用いられる電解液は上述
の溶媒に、1モル濃度程度の支持電解質を溶解したもの
が用いられている。支持電解質としては、過塩素酸リチ
ウム(LiClO4)、ほうふっ化リチウム(LiBF4)、りんふっ
化リチウム(LiPF6)に代表される無機酸アニオンリチウ
ム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSO3
CF3)、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウ
ム((CF3SO2)2NLi)等の有機酸アニオンリチウム塩が用
いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような炭素材料よりも高容量の負極材料には、それぞれ
以下に示すような課題がある。
【0011】リチウムと化合物を形成する単体金属材料
および単体非金属材料の負極材料は共通して、炭素負極
材料にくらべて充放電サイクル特性が悪い。その理由は
定かでないが以下のように考えている。
【0012】スズは結晶学的な単位格子(正方晶、空間
群I41/amd)に4個のスズ原子を含んでいる。格子定数a
=0.5820nm、c=0.3175nmから換算して、単位格子体積
は0.1075nm3であり、スズ原子1個の占める体積は26.
9×10-3nm3である。スズ−リチウム二元系の相図から判
断して、室温におけるリチウムとの電気化学的な化合物
形成では、その反応の初期にスズと化合物Li2Sn5との2
相が共存しているものと考えられる。Li2Sn5の結晶学的
な単位格子(正方晶、空間群P4/mbm)には10個のスズ
原子が含まれている。その格子定数a=1.0274nm、c=0.
3125nmから換算して、単位格子体積は0.32986nm3であ
り、スズ原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格
子中のスズ原子数で除した値)は33.0×10-3nm3であ
る。この値からすると、スズから化合物Li2Sn5になるに
あたって、材料の体積が1.23倍に膨張することにな
る。更に電気化学的なリチウムとの化合物形成反応が進
行すると、最終的に最もリチウムを多く含む化合物Li22
Sn5を生じる。Li22Sn5の結晶学的な単位格子(立方晶、
空間群F23)には80個のスズ原子が含まれている。そ
の格子定数a=1.978nmから換算して、単位格子体積は
7.739nm3であり、スズ原子1個あたりの体積(単位格
子体積を単位格子中のスズ原子数で除した値)は96.7
×10-3nm3である。この値は単体スズの3.59倍であり、
材料は大きく膨張する。
【0013】このようにスズは充放電反応による負極材
料の体積変化が大きく、また体積差の大きな2つの相が
共存する状態の変化を繰り返すことにより、材料に亀裂
を生じ、粒子が微細化するものと考えられる。微細化し
た材料は、粒子間に空間が生じ、電子伝導ネットワーク
が分断され、電気化学的な反応に関与できない部分が増
加し、充放電容量が低下するものと考えられる。
【0014】すなわちリチウムと化合物を形成する単体
金属材料および単体非金属材料の負極材料に共通した大
きな体積変化と、これによる組織変化が、炭素負極材料
にくらべて充放電サイクル特性が悪い理由であると推察
している。
【0015】一方、上述の単体材料と異なり、遷移元素
からなる非鉄金属の珪化物や4B族元素及びP、Sbの
少なくとも一つを含む金属間化合物からなり、その結晶
構造がCaF2型、ZnS型、AlLiSi型のいずれかからなる負
極材料などは、サイクル寿命特性の改善された負極材料
としてそれぞれ特開平7−240201号公報、特開平
9−63651号公報に提案されている。
【0016】特開平7−240201号公報に示された
遷移元素からなる非鉄金属の珪化物負極材料を用いた電
池は実施例と比較例に示された1サイクル目、50サイ
クル目、100サイクル目の電池容量から、リチウム金
属負極材料と比較して充放電サイクル特性は改善されて
いるが、天然黒鉛負極材料と比較して電池容量は最大で
も12%程度しか増加していない。よって、その明細書に
は明言されていないが、遷移元素からなる非鉄金属の珪
化物負極材料は黒鉛負極材料に比べて大幅な容量増加は
実施されていないと思われる。
【0017】また、特開平9−63651号公報に示さ
れた材料は、その実施例と比較例にLi-Pb合金負極材料
よりも充放電サイクル特性が改善されており、かつ黒鉛
負極材料よりも高容量であることが示されている。しか
し、10〜20サイクルまでの充放電サイクルで放電容
量の減少が著しく、最も良好と思われるMg2Snにおいて
も約20サイクル後には初期容量の70%程度に減少して
いる。
【0018】また、金属リチウムを負極として用いた場
合には、負極に接触する電解液は極めて強い還元雰囲気
にさらされることになり、電解液は金属リチウムと反応
し、還元分解しやすい。さらに、Li-Al合金等の内、リ
チウムが主体となっている合金を負極に用いた場合にで
は、負極の電極電位としては金属リチウムとほぼ等し
く、電解液の還元分解は、ほぼ同様におこる上、前述の
ように負極活物質が、充放電の繰り返しによって微細化
し、極板から脱落していく。また、合金組成でリチウム
以外の金属が主体としてなっている場合には、負極の電
極電位が金属リチウムあるいはリチウム合金に比して、
貴となり、先に述べた還元分解がおこる電解液の使用も
可能となる。しかしながら、これらの合金についてはリ
チウムと合金化する際に、リチウムを主体としてなる合
金より堅く、脆いものとなり、合金の微紛化は著しく、
極板からの脱落は避けられない。
【0019】さらに金属リチウムおよびリチウム合金を
負極とした系に、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジ
エチル、炭酸エチルメチル、炭酸プロピレン、γ−ブチ
ロラクトン、γ−バレロラクトンといった溶媒を用いた
場合には、充電状態の電池を高温で保存した場合に電解
液が分解し、ガスが発生したり、あるいは繰り返し充放
電を行った場合には、負極の充放電反応と平行して、電
解液のガス化反応がおこり、充放電効率を低下せしめ、
結果としてサイクル特性が低下するといった課題があ
る。
【0020】一方、黒鉛系炭素材料を負極材料に用いた
場合に、炭酸プロピレンを用いた電解液を適用すると、
電解液の分解が金属リチウム上よりも貴な電位で起こ
り、その結果、リチウムイオンが黒鉛の層間にインター
カレートせず、電池として動作しない。そこで、現在市
販されている黒鉛系の負極材料を用いたリチウム二次電
池では炭酸エチレンを含有した電解液が多用されてい
る。しかしながら、炭酸エチレンは融点が37℃と室温よ
り高く、そのために低温下では電解液のリチウムイオン
伝導度が急激に低下し、充放電特性が低下する。
【0021】また、二硫化チタン等の無機化合物材料を
負極活物質として用いた場合には、そのインターカレー
ション・デインターカレーションは金属リチウムやリチ
ウム合金に比して十分貴な電位で起こる。そのために、
電解液と接触しても還元分解が起こることはない上、黒
鉛系材料で適用できなかった炭酸プロピレンのように電
解液が分解によりリチウムの挿入・脱離が阻害されるこ
ともなく、用いる電解液の選択の幅は拡大される。しか
しながら、これら無機化合物材料負極の電位が貴なた
め、電池電圧は低いものとなり、高エネルギー密度化に
は不利なものとなる。
【0022】また、支持電解質については、過塩素酸リ
チウム、ほうふっ化リチウム、りんふっ化リチウムはい
ずれも熱安定性に課題を有していると同時に、含ふっ素
無機アニオン塩は(一例としてりんふっ化リチウムの場
合を(化1)〜(化3)に示した)電解液中に僅かに含
まれる水と反応し、分解するといった課題を有する。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】また、非水電解質にリチウムイオン導電性
ガラス状固体電解質を用い、全固体電池とする場合に
は、電極中でのイオン伝導性を確保・維持するために電
極中に該固体電解質粉末を混合する必要がある。このよ
うにした電極は堅く脆いものであり、電極材料の充放電
に伴う膨張・収縮を吸収することができず、電極全体が
膨張する一方で、弾性がないために収縮が起こらない。
そのために粒子間の接合不良が起こり、充放電に寄与し
ない電極材料粒子が増大し、その結果、電池特性が低下
するといった課題がある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、固相Aからな
る核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによって被
覆した複合粒子で、前記固相Aはスズを構成元素として
含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるスズと、前
記構成元素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、1
2族元素、13族元素、ならびに炭素を除く14族元素
からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との固溶
体または金属間化合物である材料を用いることで固相A
により高容量、かつ固相Bが固相Aの充放電でおきる膨
張・収縮を抑える役割を担うことで充放電サイクル特性
の優れた負極材料を用い、非水電解質に第1の成分とし
て少なくとも硫化リチウムを含み、第2の成分として硫
化けい素、硫化りんおよび硫化ほう素からなる群より選
ばれる一つまたはそれ以上の化合物と、第3の成分とし
てりん酸リチウム、硫酸リチウム、ほう酸リチウム、け
い酸リチウムからなる群より選ばれる一つまたはそれ以
上の化合物の複数の化合物より合成されるリチウムイオ
ン導電性ガラス状固体電解質を用いた場合に、高温保存
時にガス発生が極めて少なく、また、くり返し充放電に
際しても、負極の充放電効率が低下しないことを見出し
たことに基づき、広い温度範囲で使用でき、高エネルギ
ー密度かつ電池の繰り返し使用による放電容量の低下が
少なく、かつ高率充放電特性に優れた新規な非水電解質
二次電池を提供することを目的とする。
【0028】本発明の負極材料で固相Aは高容量のスズ
を構成元素として含むことから主として充放電容量の高
容量化に寄与しているものと考えられる。また固相Aか
らなる核粒子の周囲の全面または一部を被覆している固
相Bは充放電サイクル特性の改善に寄与しているものと
考えている。また、該負極材料の固相Bにはリチウムは
ほとんど吸蔵されず、固相Aにのみ吸蔵される。そのた
めに該負極材料で電解質と接触するのは活性なリチウム
を含まない固相Bのみであり、したがって、この相と電
解質が接触した場合でも電解質の分解は起こりにくいと
考えている。
【0029】一方、本発明に用いたリチウムイオン導電
性ガラス状固体電解質はガラス転移温度が300℃以上、
結晶化温度が400℃以上と極めて熱的安定性が高いため
に、高温保存時におけるガス発生、特性劣化が極めて小
さな物となると考えられる。さらに、該固体電解質はガ
ラス状であるがゆえに、リチウムイオンの伝導経路は、
結晶質固体電解質と異なり、異方性があり、固体電解質
粉末のどの面でも導電性を得ることが可能である。した
がって、粉末状の電極材料を混合した場合に、接触面は
自由にできるという利点を有する。
【0030】また、該固体電解質は第3成分のオキソ酸
塩を添加することにより、無添加のものに比べて耐酸化
分解電圧が著しく高いものとなり、ほぼ10Vを有す
る。これは無添加の場合、ガラス骨格が-Si-S-Si-のみ
からなるのに対し、オキソ酸塩を添加することにより局
所的にSi-S結合より強固なSi-O結合を有する-Si-O-Si-
骨格が混在するようになるためと考えている。従って、
該固体電解質を用いた場合には正極材料は4V以上の高
電圧を発生させる材料でも使用可能である。
【0031】また、オキソ酸塩を添加しない場合には金
属リチウムと接触した場合には接合界面のインピーダン
スが経時的に高くなるといった課題があるが、オキソ酸
塩を添加することにより、金属リチウムと接触した場合
でも界面インピーダンスの増大は抑制されることから金
属リチウムとの接触に対する安定性も向上するといった
好ましい作用も有する。
【0032】上記負極材料と該固体電解質を組み合わせ
ることにより、広い温度範囲での信頼性を確保し、サイ
クル特性に優れた、高容量の電池を提供することができ
るものである。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる正極及び負極
は、リチウムイオンを電気化学的かつ可逆的に挿入・放
出できる正極活物質や負極材料に導電剤、結着剤等を含
む合剤層を集電体の表面に塗着して作製されたものであ
る。
【0034】本発明で用いられる負極材料は、固相Aか
らなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによっ
て被覆した複合粒子で、前記固相Aはスズを構成元素と
して含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるスズ
と、前記構成元素を除いて、周期表の2族元素、遷移元
素、12族、13族元素、ならびに炭素を除く14族元
素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との固
溶体、または金属間化合物である材料(以下、"複合粒
子"と呼ぶ)である。
【0035】本発明に用いられる複合粒子の製造方法の
一つとしては、複合粒子を構成する各元素の仕込み組成
分の溶融物を、乾式噴霧法、湿式噴霧法、ロール急冷法
及び回転電極法などで急冷、凝固させ、その凝固物を、
仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相
線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。溶
融物の急冷凝固により、核粒子として固相A粒子、そし
てその固相A粒子の周囲の全面または一部を被覆する固
相Bを析出させ、その後の熱処理により、各固相A、B
の均一性を高めることを目的にしているが、熱処理をし
ない場合でも、請求項1記載の複合粒子を得ることがで
きる。また上記冷却方法以外の方法においても十分に冷
却可能な方法であれば用いることができる。
【0036】その他の製造方法としては、固相Aの粉末
の表面に、固相Bを形成するのに必要な固相Aに含まれ
る元素以外の元素からなる付着層を形成させ、それを、
仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相
線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。こ
の熱処理により、固相A中の成分元素が付着層に拡散し
て、被覆層として固相Bが形成される。この付着層の形
成方法としては、メッキ法またはメカニカルアロイング
法などによって行うことができる。その他、付着層を形
成可能な方法であれば用いることができる。メカニカル
アロイング法においては熱処理を必要としなくてもよ
い。
【0037】本発明の請求項1に記載の発明は、上述で
得た材料を負極に用い、電解質として高耐酸化性有機溶
媒にリチウムイオン導電性ガラス状固体電解質を用いた
ことを特徴としたものである。
【0038】前記複合粒子は、高容量で、繰り返し充放
電による放電容量の低下が少なく、かつ高率充放電特性
が優れたもので、該負極とリチウムの吸蔵・放出が可能
な正極と、電解質にリチウムイオン導電性ガラス状固体
電解質を用いることで高容量・高エネルギー密度で、か
つ広い温度範囲で高い信頼性を有する電池を達成するも
のである。
【0039】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
リチウムイオン導電性ガラス状固体電解質が、第1の成
分として少なくとも硫化リチウムを含み、第2の成分と
して硫化けい素、硫化りんおよび硫化ほう素からなる群
より選ばれる一つまたはそれ以上の化合物と、第3の成
分としてりん酸リチウム、硫酸リチウム、ほう酸リチウ
ム、けい酸リチウムからなる群より選ばれる一つまたは
それ以上の化合物の複数の化合物より合成されるリチウ
ムイオン導電性ガラス状固体電解質としたものである。
【0040】リチウムイオン導電性ガラス状固体電解質
を用いて、全固体電池を構成する際には、電極中に該固
体電解質を分散させ、イオン伝導経路の確保・維持を図
る必要がある。
【0041】この際に、混合するリチウムイオン導電性
ガラス状固体電解質としては粒径が小さいほどよく、
0.02〜30μmが好ましい。さらに好ましくは、
0.02〜10μmである。また、電極材料との混合比
は、特に限定されないが、電極材料に対して、好ましく
は5〜80重量%、特に好ましくは、5〜30重量%で
ある。
【0042】さらに、本発明に用いられる該固体電解質
をシート化する際に用いられる結着剤としては、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本発明
に於いて好ましい結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン
−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン
−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリ
フルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビ
ニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イ
オン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または前
記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸
メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋
体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前記
材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事ができる。特
に、この中で最も好ましいのはポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であ
る。
【0043】本発明に用いられる負極用導電剤は、電子
伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗
片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセ
チレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラ
ック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマル
ブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維
などの導電性繊維類、フッ化カーボン、銅、ニッケル等
の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導
電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませる
ことができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、ア
セチレンブラック、炭素繊維が特に好ましい。導電剤の
添加量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好ま
しく、特に1〜30重量%が好ましい。また、本発明の
負極材料はそれ自身電子伝導性を有するため、導電剤を
添加しなくても電池として機能させることは可能であ
る。
【0044】本発明に用いられる負極用結着剤として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよ
い。本発明において好ましい結着剤は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブ
タジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレ
ン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PC
TFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン
共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合
体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体
(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリ
デン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフル
オロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体
または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メ
タクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架
橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または前記
材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸
メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体
を挙げる事ができ、これらの材料を単独又は混合物とし
て用いることができる。また、これらの材料の中でより
好ましい材料は、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化
ビニリデン、エチレン−アクリル酸共重合体または前記
材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸
共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチ
レン−アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na
+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重
合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体である。
【0045】本発明に用いられる負極用集電体として
は、構成された電池において化学変化を起こさない電子
伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステン
レス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂など
の他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル
あるいはチタンを処理させたものなどが用いられる。特
に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面
を酸化して用いることもできる。また、表面処理により
集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フ
ォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングさ
れたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体
などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜
500μmのものが用いられる。
【0046】本発明に用いられる正極材料には、リチウ
ム含有の化合物を用いることができる。例えば、LixCoO
2 、LixNiO2、LixMnO2 、LixCoyNi1-yO2、LixCoyM1-yOz、Lix
Ni1- yMyOz、LixMn2O4 、LixMn2-yMyO4 (M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくとも一
種)、(ここで0<x≦1.2.0≦y≦0.9、2.0≦z≦2.
3)があげられる。ここで、上記のx値は、充放電開始
前の値であり、充放電により増減する。ただし、遷移金
属カルコゲン化物、バナジウム酸化物のリチウム化合
物、ニオブ酸化物のリチウム化合物、有機導電性物質を
用いた共役系ポリマー、シェブレル相化合物等の他の正
極活物質を用いることも可能である。また、複数の異な
った正極活物質を混合して用いることも可能である。正
極活物質粒子の平均粒径は、特に限定はされないが、1
〜30μmであることが好ましい。
【0047】本発明で使用される正極用導電剤は、用い
る正極材料の充放電電位において、化学変化を起こさな
い電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒
鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト
類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャン
ネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、
サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、
金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、銅、ニ
ッケル、アルミニウム、銀等の金属粉末類、酸化亜鉛、
チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタ
ンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導
体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物
として含ませることができる。これらの導電剤のなか
で、人造黒鉛、アセチレンブラック、ニッケル粉末が特
に好ましい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、
1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ま
しい。カーボンやグラファイトでは、2〜15重量%が
特に好ましい。
【0048】本発明に用いられる正極用結着剤として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよ
い。本発明に於いて好ましい結着剤は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニ
リデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニ
リデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロ
ロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメ
チルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の
(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合
体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−
アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イ
オン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体ま
たは前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事ができ
る。特に、この中で最も好ましいのはポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で
ある。
【0049】本発明に用いられる正極用集電体として
は、用いる正極材料の充放電電位において化学変化を起
こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料
としてステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導
電性樹脂などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表
面にカーボン、あるいはチタンを処理させたものが用い
られる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金
が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いること
もできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付
けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィル
ム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔
質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などが用いら
れる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmの
ものが用いられる。
【0050】電極合剤には、導電剤や結着剤の他、フィ
ラー、分散剤、イオン導伝剤、圧力増強剤及びその他の
各種添加剤を用いることができる。フィラーは、構成さ
れた電池において、化学変化を起こさない繊維状材料で
あれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0051】本発明における負極板と正極板の構成は、
少なくとも正極合剤面の対向面に負極合剤面が存在して
いることが好ましい。
【0052】電池の形状はコイン型、ボタン型、シート
型、積層型、円筒型、偏平型、角型、電気自動車等に用
いる大型のものなどいずれにも適用できる。
【0053】また、本発明の非水電解質二次電池は、携
帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、
自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に
用いることができるが、特にこれらに限定されるわけで
はない。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0055】(実施例1) 負極材料の製造方法 (表1)に本実施例で用いた負極材料(材料A〜材料
G)の固相Aと固相Bの成分(単体元素、金属間化合
物、固溶体)、仕込み時の元素比率、溶融温度、および
固相線温度を示す。本実施例で以下に具体的な製造方法
を示す。
【0056】負極材料を構成する各元素の粉体またはブ
ロックを、(表1)に示す仕込み比率で溶解槽に投入
し、(表1)に示す溶融温度で溶解し、その溶融物をロ
ール急冷法で急冷、凝固させ、凝固物を得た。続いて、
その凝固物を表1に示す仕込み組成から決まる固溶体ま
たは金属間化合物の固相線温度より10℃〜50℃程度
低い温度で不活性雰囲気下で20時間熱処理を行った。
この熱処理品をボールミルで粉砕し、篩で分級すること
により45μm以下の粒子にした材料A〜材料Gを得
た。これらの材料は電子顕微鏡観察結果から固相A粒子
の周囲の全面または一部が固相Bによって被覆さている
ことが確認できた。
【0057】
【表1】
【0058】固体電解質および固体電解質シートの製造
法 リチウムイオン導電性ガラス状固体電解質は以下のよう
にして作製した。
【0059】りん酸リチウム、硫化リチウム、二硫化け
い素をモル比で1:63:36に混合したものをガラス
状カーボンるつぼに入れ、乾燥窒素雰囲気中で1000℃で
2時間溶融し、その融液を双ローラーで急冷し、作製し
た。得られた固体電解質ガラスを粉砕し、固体電解質粉
末とした。同様の方法で他の原料の組み合わせのリチウ
ムイオン導電性ガラス状固体電解質も合成した結果を、
(表2)に示す。なお、表中イオン伝導度は、交流イン
ピーダンス法により測定した結果を、耐酸化分解電圧は
電位走査法により測定した結果を示した。
【0060】
【表2】
【0061】ついで、上記で得られた固体電解質粉末98
重量%にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2重量%
を加え、乳鉢で十分混合し、弾性体としたものを、ロー
ラーで圧延し、固体電解質シートとした。
【0062】円筒型電池の製造方法 図1に本発明における円筒型電池の縦断面図を示す。正
極板5及び負極板6が固体電解質シート7を介して複数
回渦巻状に巻回されて電池ケース1内に収納されてい
る。そして、上記正極板5からは正極リード5aが引き
出されて封口板2に接続され、負極板6からは負極リー
ド6aが引き出されて電池ケース1の底部に接続されて
いる。電池ケースやリード板は、電子伝導性をもつ金属
や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、
チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの
金属あるいはそれらの合金が用いられる。特に、電池ケ
ースはステンレス鋼板、Al−Mn合金板を加工したも
の、正極リードはアルミニウム、負極リードはニッケル
が最も好ましい。また、電池ケースには、軽量化を図る
ため各種エンジニアリングプラスチックス及びこれと金
属の併用したものを用いることも可能である。8は絶縁
リングで極板群4の上下部にそれぞれ設けられている。
そして、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、
安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の
他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけて
も良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バ
イメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁
のほかに電池ケースの内圧上昇の対策として、電池ケー
スに切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封
口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用する
ことができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組
み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは、独立に接
続させてもよい。キャップ、電池ケース、シート、リー
ド板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気
溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができ
る。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知
られている化合物や混合物を用いることができる。
【0063】負極板6は、得られた前記負極材料60重
量%に対し、リチウムイオン導電性ガラス状固体電解質
粉末15重量%、導電剤である炭素粉末20重量%と結
着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合し、こ
れらを脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリ
ーを作製し、銅箔からなる負極集電体上に塗布し、乾燥
後、圧延して作製した。
【0064】一方、正極板5は、コバルト酸リチウム粉
末70重量%に対し、リチウムイオン導電性ガラス状固
体電解質粉末15重量%、導電剤の炭素粉末10重量%
と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合
し、これらを脱水N−メチルピロリジノンに分散させて
スラリーを作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗
布し、乾燥後、圧延して作製した。
【0065】以上のようにして、(表3)〜(表14)
に示したように、(表1)の材料A〜Gを負極に、(表
2)の材料a〜lを固体電解質に用いた電池1〜108を
作製した。尚、作製した円筒型電池は直径18mm、高
さ650mmである。これらの電池を100mAの定電
流で、まず4。1Vになるまで充電した後、同じく定電
流100mAで2。0Vになるまで放電する充放電サイ
クルを繰り返した。尚、充放電は100サイクルまで繰
り返し行い、初期の放電容量に対する100サイクル目
の放電容量の比を容量維持率として(表3)〜(表1
4)に示した。
【0066】更に、(表3)〜(表14)には、同じ構
成で100mAの定電流で、4。1Vになるまで充電
し、一旦、2。0Vになるまで放電し、初期の電池容量
をチェックした後、再度、同条件で4。1Vまで充電し
た電池を85℃で60日間保存した際の容量維持率として保
存前の放電容量に対する保存後の放電容量の比、ならび
に保存後の電池に穴を空け、流動パラフィン中でガス捕
集を試みたが、いずれの電池からもガスは補集できなか
った。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
【0079】なお本実施例で用いた負極材料を構成する
元素は、固相AがSnの場合、2族元素としてMg、遷移元
素としてFeおよびMo、12族元素としてZnおよびCd、1
3族元素としてIn、14族元素としてPbを用いたが、こ
れら以外の各族の元素を用いても同様な効果が得られ
た。また固相AがSiの場合、2族元素としてMg、遷移元
素としてCoおよびNi、12族元素としてZn、13族元素
としてAl、14族元素としてSnを用いたが、これら以外
の各族の元素を用いても同様な効果が得られた。また固
相AがZnの場合、2族元素としてMg、遷移元素としてCu
およびV、12族元素としてCd、13族元素としてAl、
14族元素としてGeを用いたが、これら以外の各族の元
素を用いても同様な効果が得られた。
【0080】また負極材料構成元素の仕込み比率につい
ては、特に限定されたものではなく、相が2相になり、
1相(固相A)が主にSn、を主体とした相で、もう一つ
別の相(固相B)がその周りを一部または全部を被覆す
るような状態になればよく、仕込み組成を特に限定する
ものではない。相Bは表1に示した固溶体、金属間化合
物のみからなるだけではなく、それぞれの各固溶体、金
属間化合物を構成している元素やそれ以外の元素が微量
存在している場合も含まれる。
【0081】また、本実施例に用いたリチウムイオン導
電性ガラス状固体電解質の仕込み組成は、特に限定され
たものではなく、得られた物質がガラス状であって、か
つリチウムイオン伝導性を示し、さらに、酸化分解電圧
が5V以上が得られればよく、本実施例におけるリチウム
イオン導電性ガラス状固体電解質は仕込み組成を特に限
定するものではない。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の炭
素材料を負極材料としたものよりも高容量で、かつサイ
クル特性、高率充放電特性および、高温保存特性に優れ
た非水電解質二次電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における円筒型電池の縦断面図
【符号の説明】
1 電池ケース 2 封口板 3 絶縁パッキング 4 極板群 5 正極板 5a 正極リード 6 負極板 6a 負極リード 7 固体電解質シート 8 絶縁リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島村 治成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新田 芳明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BB02 BC01 BC05 5H014 AA06 CC01 EE05 EE10 5H017 AA03 AS10 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AK05 AL01 AM12 BJ02 BJ13 BJ14 DJ04 HJ12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水電解質、セパレータ、およびリチウ
    ムの吸蔵・放出が可能な正極と負極を備えた非水電解質
    二次電池において、前記負極は、固相Aからなる核粒子
    の周囲の全面または一部を、固相Bによって被覆した複
    合粒子で、前記固相Aはスズを構成元素として含み、前
    記固相Bは固相Aの構成元素であるスズと、前記構成元
    素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、12族、1
    3族元素、ならびに炭素を除く14族元素からなる群か
    ら選ばれた少なくとも一種の元素との固溶体、または金
    属間化合物である材料を用い、非水電解質としてリチウ
    ムイオン導電性ガラス状固体電解質を用いたことを特徴
    とする非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリチウムイオン導電性ガ
    ラス状固体電解質が、第1の成分として少なくとも硫化
    リチウムを含み、第2の成分として硫化けい素、硫化り
    んおよび硫化ほう素からなる群より選ばれる一つまたは
    それ以上の化合物と、第3の成分としてりん酸リチウ
    ム、硫酸リチウム、ほう酸リチウム、けい酸リチウムか
    らなる群より選ばれる一つまたはそれ以上の化合物の複
    数の化合物より合成されるリチウムイオン導電性ガラス
    状固体電解質であることを特徴とする請求項1記載の非
    水電解質二次電池。
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