JP2000171025A - 燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法 - Google Patents

燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法

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JP2000171025A JP11274682A JP27468299A JP2000171025A JP 2000171025 A JP2000171025 A JP 2000171025A JP 11274682 A JP11274682 A JP 11274682A JP 27468299 A JP27468299 A JP 27468299A JP 2000171025 A JP2000171025 A JP 2000171025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱塩残渣中のダイオキシン類を分解・除去
し、処理系内に濃縮したり系外への放出を防止ぎ、自然
環境に悪影響を与えないように脱塩残渣を処理する。 【解決手段】 燃焼排ガスGaを排ガス処理手段13で脱塩
処理すると、ダストや有害重金属を含む脱塩残渣22が排
出され、400〜600℃で加熱してダイオキシン類を分解除
去した後、水を加え、非水溶性成分は固液分離後、溶融
炉1で有害重金属の殆ど溶出しないスラグ6にする。残り
の水溶性成分を含む脱塩残渣22aの水溶液26にPH調整剤2
7を投入し、PH調整後の重金属等の固形物30は溶融炉1で
溶融スラグ6にする。沈殿槽28の上水液29は無害な塩化
ナトリウム水溶液となり放流される。脱塩残渣中のダイ
オキシン類を加熱分解し、水溶液中の非水溶性成分や固
形物はスラグ化し、非水溶性成分を分離した水溶液はPH
調整後に放流するので自然環境も保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却や溶融により
発生する燃焼排ガスを脱塩処理することにより生成する
脱塩残渣中のダイオキシン類や重金属等の有害成分を効
果的に除去する脱塩残渣の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物(家庭やオフィスなどから出され
る都市ごみなどの一般廃棄物、廃プラスチック、カーシ
ュレッダーダスト、廃オフィス機器、電子機器、化成品
等の産業廃棄物など、可燃物を含むもの)を焼却炉(ス
トーカー炉、流動床焼却炉など)や溶融炉(溶融または
燃焼溶融を行う、溶融炉、燃焼溶融炉、ガス化溶融炉)
により、焼却または溶融(燃焼溶融)させることにより
発生する燃焼排ガス中には、有害な塩化水素を多量に含
んでいるため、この燃焼排ガスを脱塩処理し塩化水素を
除去した後、大気中へ放出している。
【0003】前記脱塩処理では、一般に、消石灰(水酸
化カルシウム:Ca(OH))、生石灰(酸化カルシ
ウム:CaO)等のカルシウム系脱塩剤を使用する方法
と、重曹(重炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウ
ム:NaHCO)、ソーダ灰(無水炭酸ナトリウム:
NaCO)等のナトリウム系脱塩剤を使用する方法
のいずれかが行われている。
【0004】特開平2−214525号公報には、カル
シウム系脱塩剤を燃焼排ガスと反応させ、生成された反
応生成物(脱塩残渣)を溶解させ、この溶解液にキレー
ト剤等の重金属封鎖剤を投入し、溶解液中の重金属を分
離し系外へ排出するとともに、重金属が分離された溶解
液から更に塩化カルシウムを晶析させる方法が開示され
ている。
【0005】一方、特開平7−504880号公報に
は、ナトリウム系脱塩剤を燃焼排ガスと反応させ、これ
により生成した脱塩残渣(反応生成物)に含まれる重金
属成分を除去する方法が開示されている。この発明は、
脱塩残渣を水と混濁させて水溶液となし、この水溶液か
ら非水溶性成分を分離した後、水溶性成分をキレート樹
脂と反応させ、重金属成分を除去した水溶液を系外へ放
流する方法に関するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記2
つの発明では、脱塩残渣中に含まれる重金属の分離除去
はなされているが、脱塩残渣中に含まれるダイオキシン
類(ポリ塩化ジベンゾダイオキシン、ポリ塩化ジベンゾ
フラン、コプラナPCB等)の分解除去対策は講じられ
ていない。
【0007】脱塩残渣の水溶液のうち、非水溶性成分
(固形分)は、通常、埋立処分等の処理がなされ、脱塩
残渣中に含まれるダイオキシン類は土中に蓄積されるこ
とになり、一方、前記非水溶性成分を分離(もしくは、
前記非水溶性成分を分離した後、さらに重金属等の固形
物を除去)した水溶液は、ダイオキシン類が含有したま
ま系外へ放流され、河川、湖沼または海洋等にダイオキ
シン類が蓄積されることになる。
【0008】近年、廃棄物焼却処理施設や廃棄物溶融プ
ラント等で生成するダイオキシン類の系外排出による環
境汚染が問題となり、これら施設におけるダイオキシン
類の排出規制が一段と厳しくなっている。
【0009】本発明の課題は、脱塩残渣に含まれるダイ
オキシン類を分解・除去する方法を確立し、廃棄物処理
系内にダイオキシンが濃縮したり、系外へ放出されたり
することがなく、自然環境に悪影響を与えないように脱
塩残渣を処理することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記したよう
な従来の問題点を解決するためになされたものであっ
て、焼却炉または溶融炉から排出される燃焼排ガスを除
塵後、該燃焼排ガス中に脱塩剤を投入し、該脱塩剤を前
記燃焼排ガス中の塩化水素と反応させ、生成した脱塩残
渣を排出するようにした燃焼排ガス処理方法において、
前記脱塩残渣をダイオキシン類が分解し得る温度に加熱
し、該ダイオキシン類を分解後の脱塩残渣を水に溶かし
溶解性成分を溶出させて水溶液となし、該水溶液中の非
水溶性成分を分離し、該非水溶性成分を溶融するように
した燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法を提供
する。
【0011】かかる燃焼排ガス処理における脱塩残渣の
処理方法によれば、燃焼排ガス中に投入された脱塩剤は
燃焼排ガス中の塩化水素と反応し、脱塩残渣が生成さ
れ、この脱塩残渣を加熱してダイオキシン類を分解除去
した後、水に溶かし水溶液とする。
【0012】そして、この水溶液のうち、非水溶性成分
を溶融(燃焼溶融)し、溶融スラグとして排出し建材や
舗装材として再利用することができ、埋立処分する必要
がなくなる。加えて、非水溶性成分を分離した水溶液は
ダイオキシン類が分解除去されているため、これを放流
しても、公害を起こす恐れがなくなる。
【0013】脱塩残渣は、400〜600℃に加熱して
分解するのがよい。また、脱塩残渣の加熱は加熱装置で
行い、この加熱装置の出口排ガスの酸素濃度が、5〜2
0vol%になるように加熱装置に導入する空気量を制
御するのがよい。
【0014】水溶液から分離された非水溶性成分は、焼
却炉(もしくは燃焼炉)に付帯して設置された溶融炉
か、または燃焼溶融炉に供給され、高温域で溶融され溶
融スラグとされ、一方、この非水溶性成分が分離された
水溶液はPH調整された後、放流される。また、PH調
整された後の水溶液から非水溶性成分を分離し、この非
水溶性成分を溶融し溶融スラグとして排出する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形
態を説明するための構成図である。図1に示すように、
溶融または燃焼溶融を行う溶融炉1で発生した燃焼排ガ
スGaは、廃熱ボイラ3により熱回収された後、排ガス
流路10を通って第1の排ガス処理手段(例えば、バグ
フィルター、電気集塵器、サイクロン、セラミックフィ
ルターなど)11で、飛灰等のダストDが除去される。
【0016】その後、さらに排ガス流路12を通って、
第2の排ガス処理手段(例えば、バグフィルター、電気
集塵器、サイクロン、セラミックフィルター、反応装
置、脱塩処理装置など)13で脱塩処理が行われ、浄化
された後、排ガスGbは誘引送風機18により誘引さ
れ、必要に応じて空気19および灯油20の燃焼ガスに
より排ガス温度を上昇させ、クリーンな煙道ガスとなっ
て煙突21から排出される。
【0017】なお、前記ダストDは溶融炉へ戻され、溶
融される。また、廃熱ボイラ3で発生させた蒸気は、発
電機8の蒸気タービンに送られて発電し、廃棄物処理施
設内で利用するか、もしくは電力会社等へ売電する。
【0018】このとき、排ガス流路12には、第2の排
ガス処理手段13で脱塩処理するために、例えばナトリ
ウム系脱塩剤単独、あるいはSi系固結防止剤と混合し
た重曹(ナトリウム系脱塩剤)15が、供給路17を介
して排ガス流路12に供給される。なお、本実施形態で
は、乾式脱塩処理、すなわち粒状の脱塩剤を排ガス流路
12に供給した場合について説明している。
【0019】前記脱塩処理により、第2の排ガス処理手
段13からは、燃焼排ガス中の塩化水素(HCl)と反
応して生成した塩化ナトリウム(NaCl)、飛灰等の
ダスト、未反応の重曹(脱塩剤)、ならびに鉛、カドミ
ウム等の有害な重金属などからなる脱塩残渣22として
排出される。
【0020】そして、この脱塩残渣22を加熱装置23
に導入して加熱する。加熱装置23では、脱塩残渣22
中のダイオキシン類を分解し得る温度である400℃〜
600℃、好ましくは430℃〜500℃で加熱する。
加熱装置による脱塩残渣の加熱温度が600℃を超える
と、Cl分等による加熱装置の腐食対策が必要になり、
加熱温度が400℃未満になると、ダイオキシン類の除
去率が低下する等の問題がある。
【0021】また、加熱装置22は、実装置において
は、脱塩残渣を1〜30分、好ましくは5〜15分間、
加熱する。1分未満ではダイオキシン類の除去が十分行
われず、また、30分を越えてもダイオキシン類の除去
率に変化はない。
【0022】図3は、加熱装置23の概略図であり、加
熱装置23は、電気加熱方式または燃料加熱方式による
加熱部23aと複数の内筒23bとから成る多筒型のロ
ータリーキルンであり、定量供給装置23cによって、
第2の排ガス処理手段13から供給される脱塩残渣22
を導入し400℃以上に加熱し、出口フード23gから
排出される。このダイオキシン類分解後の脱塩残渣22
aに水が加えられて水溶液が生成され、濾過手段24へ
送られる。
【0023】図4に示すように、各内筒23bは、脱塩
残渣22を短時間で均一に加熱するため、内壁面に複数
の攪拌翼23dを備えている。
【0024】また、図3に示すように、空気加熱器23
eによって20〜200℃に加熱された加熱空気が、定
量供給機23cに供給されるようになっている。空気加
熱器としては、例えば、ヒーターを内蔵した空気加熱
器、熱交換器もしくは油、ガス等の燃料燃焼方式が好ま
しい。また、空気を導入するため、ブロワー23fが用
いられている。
【0025】加熱装置23の出口部に設けた出口フード
23gの後方には、吸引ブロワー23hが設けられ、加
熱装置23内のガス(脱塩残渣22中の水分が加熱によ
り蒸発した水蒸気など)は溶融炉1に強制的に排出して
いる。
【0026】また、出口フード23gと吸引ブロワー2
3hとの間の排ガス管23jに設けた酸素濃度検出器2
3kによって、加熱空気供給管23mのバルブ23pを
コントロールし、加熱装置23出口排ガスの酸素濃度が
5〜20vol%になるように、加熱装置23に導入す
る空気量を制御するようになっている。
【0027】図1に示すように、ダイオキシン類分解後
の脱塩残渣22aに水が加えられ、水溶液が生成される
と、脱塩残渣22a中の水溶性成分は水に溶けるが、非
水溶性成分は水溶液中で懸濁物として存在している。懸
濁物は、燃焼排ガス中の塩化水素(HCl)と反応して
生成した塩化ナトリウム(NaCl)、飛灰等のダス
ト、未反応の脱塩剤、重金属などからなる。このとき、
前記水溶液にキレート樹脂等の重金属除去剤を投入し、
鉛、カドミウム、鉄等の重金属を分離するのが好まし
い。
【0028】この水溶液を固液分離装置、例えば、遠心
分離器、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水
機、真空脱水機、膜分離器等の分離手段24に導入する
ことにより、非水溶性成分である懸濁物25が水溶液か
ら分離される。
【0029】分離手段24で分離された懸濁物25は、
溶融炉1に戻され、溶融炉1内で1,200℃〜1,5
00℃、好ましくは1,250〜1,400℃、本実施
形態では1,300℃前後の高温で溶融(もしくは燃焼
溶融)が行われ、懸濁物25は溶融スラグとなる。
【0030】溶融炉1下部のスラグ排出口5から排出さ
れたスラグ6は、水槽、水噴霧装置(図示せず)等のス
ラグ冷却手段7に落下し、急速に冷却し固形化され水砕
スラグとなる。水砕スラグは、粒状に形成されるか、図
示しない装置により所定の形状にブロック化され、建
材、舗装材等として再利用することができる。
【0031】スラグは、酸化珪素(SiO)、酸化カ
ルシウム(CaO)、アルミナ(Al)等から成
る非晶質物質であり、そのため、スラグ中に含まれる有
害な重金属(鉛、カドミウム等)は溶出する恐れがほと
んどなく、長期に安定した状態を保つことができる。し
たがって、水砕されたスラグを建材、舗装材等として再
利用しても、自然環境に与える悪影響はない。
【0032】分離手段24で懸濁物25が取り除かれた
水溶液26中には、脱塩残渣22aの水溶性成分が含ま
れており、この水溶液26にPH調整剤(例えば、塩
酸、硫酸等)27を投入し、水溶液26中に含まれる脱
塩残渣22aの水溶性成分に含まれる微量の重金属をP
H調整し、沈殿槽28で攪拌混合させる。
【0033】このとき、水溶液26中の重金属等の固形
物は水溶液26から沈降分離させる。沈殿槽28中の上
水液29は、固形物30と分離され無害な塩化ナトリウ
ム水溶液となって放流するので、環境汚染等の問題が生
じる恐れがない。なお、上水液(塩化ナトリウム水溶
液)を回収して、系外の塩化ナトリウム再生処理施設
で、塩化ナトリウムとして再生利用してもよい。
【0034】一方、PH調整により水溶液から分離され
た重金属等の固形物30は、沈殿槽28下部から抜き出
し燃焼溶融炉1に供給され、溶融され溶融スラグ6とな
り、燃焼溶融炉1下部のスラグ排出口5から排出され、
スラグ冷却手段7に落下し、急速に冷却し固形化され水
砕スラグとなる。
【0035】このように、本実施形態では、脱塩残渣に
含まれるダイオキシン類を加熱装置で分解し、水を加え
水溶液とした後、この水溶液のうち、非水溶性成分や固
形物は燃焼溶融炉でスラグ化され、無害な物質として再
利用されるとともに、非水溶性成分が分離された水溶液
は、含有する塩化ナトリウムをPH調整した後、放流さ
れるので自然保護の観点からも役立つ。
【0036】なお、前記実施形態では、ナトリウム系脱
塩剤の場合について説明したが、カルシウム系脱塩剤を
使用しても、前記実施形態と同様の作用効果が得られる
のは言うまでもない。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態を、図面
を参照しながら説明する。図2は、例えば、ストーカー
炉、流動床ごみ焼却炉などの既設または新設の焼却炉1
00を備えた廃棄物処理施設に、溶融もしくは燃焼溶融
を行う溶融炉101を付設して設置した構成図である。
なお、図2において、図1と同符号のものは、図1と同
様の装置から成り、図1と同様の機能および作用効果を
有する。
【0038】焼却炉100から排出された燃焼排ガスG
kは、排ガス流路102を通って第1の排ガス処理手段
11でダストDAが除去された後、第2の排ガス処理手
段13で脱塩処理が行われ、浄化された排ガスGmは煙
突21から排出される。
【0039】前記ダストDAは溶融炉101に戻され、
溶融される。そして、溶融スラグ106となって溶融炉
101底部のスラグ排出口105より排出され、スラグ
冷却手段107に落下し水砕スラグとなる。また、前記
第1の実施形態と同様に、懸濁物25、固形物30も、
溶融炉101に送られ、溶融される。
【0040】これにより、ストーカー炉、流動床焼却
炉、多段汚泥焼却炉などの既設の焼却炉を備えた廃棄物
処理施設においても、脱塩残渣中に含まれるダイオキシ
ン類を加熱装置により分解除去することができる。さら
に、脱塩残渣を水に溶かした水溶液中の非水溶性成分
は、溶融炉に戻されスラグとなり、建材や舗装材として
利用でき、非水溶性成分を分離した水溶液は無害化され
放流されるので、環境に対する悪影響を及ぼす恐れがな
い。
【0041】次に、本発明の第3の実施の形態を、図面
を参照しながら説明する。図5は、廃棄物処理装置50
の系統図である。廃棄物処理装置50において、破砕機
52は受入れヤードに配置された、例えば二軸剪断式、
三軸剪断式等の破砕機で、都市ごみ等の廃棄物aは第1
のコンベア51により破砕機52に供給され、ここで例
えば150mm角以下に破砕される。
【0042】この破砕された廃棄物aは第2のコンベア
53により投入され、スクリューフィーダ54を経て熱
分解反応器55に供給される。この熱分解反応器55は
例えば横型回転ドラムが用いられ、図示しないシール機
構によりその内部は低酸素雰囲気に保持されると共に、
燃焼溶融炉63の後流側に配置された熱交換器68によ
り加熱された加熱空気がラインLから供給される。
【0043】この加熱空気により熱分解反応器55内に
供給された廃棄物aは、300〜600℃、好ましくは
400〜550℃に、本実施例では450℃程度に加熱
される。これによって、この廃棄物aは熱分解され、乾
留ガスGと、主として不揮発性の熱分解残留物bとを
生成する。そして、この熱分解反応器55内で生成され
た乾留ガスGと熱分解残留物bとは排出装置56によ
り分離され、乾留ガスGは熱分解ガス配管であるライ
ンLを経て燃焼溶融炉63のバーナ62に供給され
る。
【0044】熱分解残留物bは、おおむね可燃分、灰
分、金属、ガレキ等から構成されているが、450℃程
度の比較的高温で排出されるため、冷却装置57により
80℃程度に冷却された後、熱分解残留物分離装置58
に導かれ、ここで燃焼性成分Cと不燃焼性成分Dとに分
離される。分離装置58は、例えば磁選式、遠心式また
は風力選別式の公知の分別機が使用される。分離装置5
8により不燃焼性成dが分離、除去された燃焼性成分c
は、粉砕機60に供給される。粉砕機60はロール式、
チューブミル式、ロッドミル式、ボールミル式等が適当
であり、被処理廃棄物の性状により適宜選択される。
【0045】そして、この粉砕機60において燃焼性成
分cは、好ましくは全て1mm以下に粉砕され、この粉砕
された燃焼性成分cは、ラインLを経て燃焼溶融炉6
3のバーナ62に供給される。一方、送風機61により
ラインLから供給された燃焼用空気、ならびに熱分解
ガスGと燃焼性成分cとは燃焼溶融炉63内で130
0℃程度の高温域で燃焼され、この燃焼により燃焼性成
分cより発生した灰は溶融し溶融スラグfを生成する。
【0046】不燃焼性成分dは一旦、コンテナ等のホッ
パ59に貯留された後、粉砕機64で1mm程度に破砕さ
れ加熱器65を経て燃焼溶融炉63の下部へ供給しても
よい。また、燃焼溶融炉63内で溶融された被処理物
は、溶融(燃焼溶融)され溶融スラグfとなりスラグ排
出口66から水槽67中に落下し水砕スラグとなる。
【0047】このような廃棄物処理装置の燃焼溶融炉6
3で発生した燃焼排ガスGは、熱交換器68で熱回収
され、さらに、必要に応じ、ラインLから廃熱ボイラ
69により熱回収された後、第1の排ガス処理器71に
よりダスト72を集塵した後、第2の排ガス処理器73
で脱塩処理され、脱塩残渣74を排出した後、低温のク
リーンな排ガスGとなり、誘引送風機75を経て煙突
76から大気へ放出される。なお、廃熱ボイラ69で発
生させた蒸気は、発電器70の蒸気タービンへ送られて
発電し、廃棄物処理装置50内で利用されるか、または
売電される。
【0048】本実施の形態では、第2の排ガス処理器7
3の前段で、排ガス中の塩化水素を除去する脱塩剤とし
て、粉砕したナトリウム系脱塩剤78が投入され、燃焼
排ガスG中の塩化水素と反応し脱塩残渣74として第
2の排ガス処理器73から排出される。この脱塩残渣7
4は加熱装置80に導入され、ここで加熱されてダイオ
キシンが分解される。
【0049】次に、ダイオキシンが分解された脱塩残渣
74に水が加えられ、その水溶液は、例えば、遠心分離
器、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機、真
空脱水機、膜分離器等の固液分離装置81に導入され
る。これによって、脱塩残渣74中の非水溶性成分が水
溶液から分離され、その分離された非水溶性成分はライ
ンL10を介して溶融炉63のバーナ62に戻され、溶
融炉63内で燃焼・溶融されてスラグ化する。固液分離
装置81で非水溶性成分が取り除かれた水溶液は、PH
調整した後、放流される。
【0050】<実験例1>脱塩残渣中のダイオキシン類
の分解の反応機構を把握するため、溶融炉の脱塩残渣の
試料を質量分析検出器付流通固定床小型反応器(1〜3
cc)に充填し、ダイオキシン類の分解を模擬する物質
として、O−クロロフェノール(以下、CPと称する)
をパルス注入し、その分解挙動により評価を行った。
【0051】酸素濃度の影響把握のため、反応温度を4
50℃、加熱時間1分間、酸素濃度を、0vol%、3
vol%、5vol%、8vol%、12vol%、1
5vol%、20vol%、25vol%の8段階に変
化させ、有機塩素化合物分解反応中の酸化分解の割合を
求めた。
【0052】その結果を「表1」に示す。この「表1」
から酸素濃度が8〜15vol%になると、有機塩素化
合物分解反応中の酸化分解が90%以上になることが分
かった。また、酸素濃度が3vol%以下では酸化分解
率が低下し、20vol%を超えても酸化分解率に大き
な変化はなかった。なお、酸化分解による比率は、CP
を指数物質として、未反応のCP量およびCO、H
O量の収支により求めた。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、脱塩残渣をダイオキシンが分解し得る温度に加熱
し、ダイオキシンを分解した後、水を加えた水溶液と
し、この水溶液のうち非水溶性成分は、溶融炉に戻して
燃焼溶融しスラグ化され再利用できるので、脱塩残渣を
埋立処分する必要がなくなる。
【0055】また、ダイオキシンを分解しているので廃
棄物処理装置の系内にダイオキシンが濃縮する恐れがな
く、さらに、系外へ放出される恐れもない。しかも、非
水溶性成分を取り除いた水溶液は、ダイオキシンを分解
した後の脱塩残渣中の水溶性成分であり、この水溶液に
含まれる塩化ナトリウムはPH調整された後、放流する
ので、自然環境に与える悪影響もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための系統
図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を説明するための系統
図である。
【図3】本発明に係る加熱装置の概略図である。
【図4】図3に示した加熱装置の横断面図である。
【図5】本発明による加熱装置を採用した廃棄物処理方
法または廃棄物処理方法に関する第3の実施形態を説明
するための系統図である。
【符号の説明】
1 溶融炉 3 廃熱ボイラ 5 スラグ排出口 6 溶融スラグ 7 スラグ冷却手段 10、12 排ガス流路 11 第1の排ガス処理手段 13 第2の排ガス処理手段 15 重曹 17 供給路 22 脱塩残渣 22a ダイオキシン類除去後の脱塩残渣 23 加熱装置 23a 加熱部 23b 内筒 23c 定量供給装置 23d 攪拌翼 23e 空気加熱器 23f ブロワー 23g 出口フード 23h 吸引ブロワー 23j 排ガス管 23k 酸素濃度検出器 23m 加熱空気供給管 23p バルブ 24 分離手段 25 懸濁物 26 水溶液 27 PH調整剤 28 沈殿槽 29 上水液 30 固形物 50 廃棄物処理装置 63 燃焼溶融炉 66 スラグ排出口 67 水槽 71 第1の排ガス処理器 72 ダスト 73 第2の排ガス処理器 74 脱塩残渣 80 加熱装置 81 固液分離装置 100 焼却炉 101 溶融炉 102 排ガス流路 105 スラグ排出口 106 溶融スラグ 107 スラグ冷却手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/44 ZAB B09B 3/00 304G F23J 15/08 F23J 15/00 L

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉または溶融炉から排出される燃焼
    排ガスを除塵後、該燃焼排ガス中に脱塩剤を投入し、該
    脱塩剤を前記燃焼排ガス中の塩化水素と反応させて生成
    した脱塩残渣を排出するようにした燃焼排ガス処理方法
    において、前記脱塩残渣をダイオキシン類が分解し得る
    温度に加熱し、ダイオキシン類を分解した脱塩残渣を水
    に溶かして、溶解性成分を溶出させて水溶液となし、該
    水溶液中の非水溶性成分を分離し、該非水溶性成分を溶
    融することを特徴とする燃焼排ガス処理における脱塩残
    渣の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記脱塩残渣を、400〜600℃の範
    囲から選ばれた温度に加熱して、ダイオキシン類を分解
    するようにした請求項1に記載の燃焼排ガス処理におけ
    る脱塩残渣の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記脱塩残渣の加熱を行う加熱装置の出
    口排ガスの酸素濃度が、5〜20vol%になるよう
    に、前記加熱装置に導入する空気量を制御するようにし
    た請求項1または2に記載の燃焼排ガス処理における脱
    塩残渣の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記非水溶性成分を、焼却炉に付帯して
    設置された溶融炉に供給し、溶融して溶融スラグとして
    排出するようにした請求項1に記載の燃焼排ガス処理に
    おける脱塩残渣の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記非水溶性成分が分離された水溶液を
    PH調整後、系外へ放出するようにした請求項1に記載
    の燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記水溶液をPH調整後、該水溶液から
    分離された非水溶性成分を溶融させるようにした請求項
    1記載の燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。
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