JP2000170901A - 自動変速機の油圧制御方法及び油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御方法及び油圧制御装置

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JP2000170901A
JP2000170901A JP10349031A JP34903198A JP2000170901A JP 2000170901 A JP2000170901 A JP 2000170901A JP 10349031 A JP10349031 A JP 10349031A JP 34903198 A JP34903198 A JP 34903198A JP 2000170901 A JP2000170901 A JP 2000170901A
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shift
pressure
line pressure
solenoid
shift solenoid
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Yoshiteru Ito
芳輝 伊藤
Seiichi Shirai
誠一 白井
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機構の動力伝達経路の摩擦要素を変速時
と非変速時に異なるライン圧力で制御する場合、シフト
ソレノイドの故障があっても、実際の段数が変化しない
場合には摩擦要素の伝達力の低下させないようにし、こ
れによって、安定した変速制御を可能とする。 【解決手段】 ライン圧力を変化させてからシフトソレ
ノイドで切換える自動変速機の油圧制御方法であって、
シフトソレノイド12,13が故障した場合にこのシフ
トソレノイド12,13の故障を検出して、摩擦要素の
切換が行われない場合に、ライン圧力を当該所定圧力に
保持することにより、シフトソレノイド12,13の故
障が検出され、摩擦要素の切換が実際に行われない場合
には、ライン圧力を変化させずに一定圧力に保持するこ
とにより、摩擦要素に滑りが発生することがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の油圧
制御方法及びその装置に関し、特に、自動変速機のライ
ン圧作動の摩擦要素を選択するシフトソレノイドの故障
時にライン圧力を適切に制御する自動変速機の油圧制御
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の油圧制御装置として
は、特公昭61−48021号公報あるいは特公昭60
−10221号公報等に開示された装置がある。特公昭
61−48021号公報で開示された自動変速機の油圧
制御装置は、エンジン出力軸に連結された変速機構の動
力伝達経路を切換えるライン圧作動の摩擦要素と、この
摩擦要素へ供給するライン圧を制御するライン圧調整弁
と、摩擦要素へライン圧を切換作動によって給排するシ
フトソレノイドと、前述したライン圧調整弁及びシフト
ソレノイドを前述したエンジン負荷センサ及び車速セン
サからの信号を変速マップと比較処理して制御する制御
手段とで構成されている。そして、摩擦要素の切換中の
場合と、非変速中の場合に異なるライン圧力に制御する
と共に、変速中の場合には、エンジン負荷センサにより
読みとったエンジン負荷に合わせてライン圧を下げるよ
うに制御し、これによって変速ショックを低減してい
る。
【0003】また、特公昭60−10221号公報で開
示された自動変速機の油圧制御装置は、エンジン負荷セ
ンサ及び車速センサとからの信号が入力されることによ
り摩擦要素の切換を決定する変速段判断回路と、エンジ
ン負荷センサからの信号が入力されことにより油圧調整
弁を作動する油圧制御判断回路と、エンジン負荷センサ
及び車速センサの何れか一つが異常値となった場合にこ
れを検出する異常検出回路とにより構成されている。そ
して、エンジン負荷センサ及び車速センサからの信号を
常時読み取り、何れか一つのセンサが異常値となった場
合に所定の変速段を保持すると共に、油圧調整弁でライ
ン圧力を高く保つようにし、これによって安全走行を確
保している。さらに別の従来例に係る自動変速機の油圧
制御装置では、エンジン出力軸に連結された変速機構の
動力伝達経路を切換えるライン圧作動の摩擦要素と、こ
の擦要素へライン圧を切換作動によって給排するシフト
ソレノイドとを、このシフトソレノイドを全部オフにす
ることで所定の高速段となるように構成している。そし
て、シフトソレノイドの故障時に、正常なシフトソレノ
イドをオフにすることにより、所定の高速段に固定する
と共にシフトソレノイドが介在するラインのライン圧力
を高く保つようにし、これによって走行時の安全走行を
確保している。この場合、シフトソレノイドの故障時に
高速段に固定する場合と、発進や登坂時に駆動力が不足
するため、運転席から変速段数を直接選択できるマニュ
アルバルブにより、低速段も選択できるようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シフト
ソレノイドが全てオフの時に、マニュアルバルブによっ
ては、低速段を構成できない自動変速機の油圧制御装置
も存在する。この場合に、シフトソレノイドの故障時に
適切な段数に変更できなくなるという不都合が生じてい
る。また、特公昭61−48021号公報により開示さ
れた従来例では、シフトソレノイドの故障時に、変速マ
ップにより判定した変速段では変速と判定されても、実
際には変速が行われないということとなり、非変速中の
場合にライン圧を下げる制御を行うと摩擦要素の係合圧
力の低下による滑りが発生しやすくなり、動力の伝達力
低下や、摩擦要素の耐久性劣化の原因となっていた。さ
らに、特公昭60−10221号公報により開示された
従来例では、電子制御装置にエンジン負荷センサ及び車
速センサの何れか一つが異常値となった場合にこれを検
出する異常検出回路が設けられているため、各センサが
異常値になった場合に対して対応はできるが、シフトバ
ルブ等の油圧制御装置の故障に対して即時に対応するこ
とは困難なものとなっている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題を解決するた
めになされたものであり、変速時と非変速時に異なるラ
イン圧力で制御する場合、シフトソレノイドの故障があ
っても、実際の段数が変化しない場合には摩擦要素の伝
達力の低下させないようにし、これによって、安定した
変速制御を可能とした自動変速機の油圧制御方法及びそ
の装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1ないし2記載の
発明は、エンジンの出力軸に連結した変速機構の動力伝
達経路の切換を行うライン圧作動の摩擦要素を、エンジ
ンの負荷を検出するスロットル開度センサからの信号と
車速を検出する車速センサからの信号とを油圧制御手段
に取込処理した後に、前記ライン圧力を変化させてから
シフトソレノイドで切換える自動変速機の油圧制御方法
であって、前述したシフトソレノイドが故障した場合に
このシフトソレノイドの故障を検出して、前記摩擦要素
の切換が行われない場合に、ライン圧力を当該所定圧力
に保持するという手法を採っている。
【0007】このような方法にしたことで、シフトソレ
ノイドの故障が検出され、摩擦要素の切換が実際に行わ
れない場合には、ライン圧力を変化させずに所定圧力に
保持することにより、摩擦要素に滑りが発生することが
なくなる。また、シフトソレノイドの故障が検出されて
も、摩擦要素の切換が実際に行われる場合には、ライン
圧力を変化させてから第一ないし第二のシフトソレノイ
ドを切り換えることで、変速ショックのない変速が可能
となる。さらに、シフトソレノイドの故障を検出すると
共に、実際に変速可能な変速段を選択し、これによって
エンジン負荷や車速に対応した適当な段数に切り換える
ようにしてもよい。このようにすると、急激に高速段に
なって登坂能力がなくなったり或いは停止したり、更に
は急激に低速段になって急激に減速する等の不都合を確
実に回避することができる。
【0008】請求項3記載の発明は、エンジンの負荷を
検出するスロットル開度センサと、車速を検出する車速
センサと、各々のセンサの信号線が入力側に接続された
油圧制御手段と、この油圧制御手段の出力側に信号線が
接続されて、前述したエンジンの出力軸に連結された変
速機構の摩擦要素の切換を行うシフトソレノイドとで構
成された自動変速機の油圧制御装置であって、前述した
油圧制御手段にシフトソレノイドの故障検出手段を設け
ると共に、この故障検出手段からの信号に基づいて変速
段を決定する変速段判定手段を設けるという構成を採っ
ている。このため、この請求項3記載の発明では、故障
検出手段によりシフトソレノイドの故障が検出できるた
め、故障が検出された場合には、ライン圧力を変化させ
ずに一定圧力に保持することができる。さらに、変速段
判定手段によって、実際に構成可能な変速段の内、エン
ジン負荷や車速に対応した変速段を判定できる。そし
て、この判定により、変速が行われる場合には、ライン
圧力を変化させてからシフトソレノイドを切り換えるこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図10に基づいて説明する。本実施形態における
自動変速機の油圧制御装置は、図2に示すように、四輪
車両等のエンジン1の出力軸に連結した自動変速機2の
動力伝達経路を、ライン圧作動の摩擦要素で切換えるも
のである。ここで、自動変速機2は、図3に示すよう
に、トルクコンバータ(図示を省略する)から回転力が
伝達される遊星歯車機構20を要部として成り、二組の
遊星歯車組と6つの摩擦要素を含んで構成されている。
二組の遊星歯車組は、トルクコンバータから回転動力が
伝達されるインプットシャフト21と、減速された回転
動力をプロペラシャフト側(図示を省略する)に伝達す
るアウトプットシャフト22との間に介在するように配
設されている。そして、二組の遊星歯車組は周知のフロ
ントキャリア23,リアキャリア24、フロントインタ
ーナルギア25,リアインターナルギア26、フロント
ピニオン27,リアピニオン28、フロントサンギア2
9,リアサンギア30とで構成されている(図3参
照)。前述した摩擦要素は、図3に示すように、リアイ
ンターナルギア26とフロントキャリア23を断続する
湿式多板式クラッチのロークラッチ31と、フロントキ
ャリア23を固定する湿式多板式ブレーキのローアンド
リバースブレーキ32と、インプットシャフト21とフ
ロントキャリア23を断続する湿式多板式クラッチのハ
イクラッチ33と、インプットシャフト21とフロント
サンギア29を断続する湿式多板クラッチのリバースク
ラッチ34と、フロントサンギア29を固定するバンド
式ブレーキのバンドブレーキ35と、フロントキャリア
23を固定するスプラグ型ワンウェイクラッチのローワ
ンウェイクラッチ36とで構成されている。そして、例
えば後述する油圧制御手段6より三段の指令が出されて
いる場合には、まず、ハイクラッチ33及びロークラッ
チ31が接続され、その後に、インプットシャフト21
に入力された回転動力がハイクラッチ33を介してリヤ
インターナルギア26に伝達される。このリヤインター
ナルギア26の回転動力がリアピニオン30を介してリ
ヤサンギア30に伝達され、これにより、リヤインター
ナルギア26とリヤサンギア30が同速度で回転する。
そして、リアピニオン28に軸支されたリアキャリア2
4も同速度で回転し、リアキャリア24に接合されたア
ウトプットシャフト22から同速度の回転動力が出力さ
れる。
【0010】次に、前述した摩擦要素を切換える油圧回
路を図4に基づいて説明する。ここで、ライン圧力が等
しい場合には同一符号を使用する。まず、図4の手動バ
ルブ46は、駐車時に使用するパーキングポジション
P,バック走行時に使用するリバースポジションR,摩
擦要素をフリーの状態にするニュートラルポジション
N、或いは、前進走行時に使用するドライブポジション
D,セカンドポジション2,ファーストポジション1を
運転席から手動で選択可能であり、ドライブポジション
Dを選択し場合について以後説明する。ここで、ドライ
ブポジションDを選択した場合には、車両走行状態に応
じて後述する油圧制御手段6にり、一段ないし四段が選
択制御される。一段は、図4に示すように、前述した摩
擦要素の内のロークラッチ31にライン圧L2が作用す
ることで選択される。二段は、図5に示すように、前述
した摩擦要素の内のロークラッチ31とバンドブレーキ
35にライン圧L2が作用することで選択される。三段
は、図6に示すように、前述した摩擦要素の内のローク
ラッチ31とハイクラッチ33にライン圧L2が作用す
ることで選択される。四段は、図7に示すように、前述
した摩擦要素の内のハイクラッチ33とバンドブレーキ
35にライン圧L2が作用することで選択される。摩擦
要素を切換える油圧回路は、図4に示すように、ポンプ
から吐出されたオイルポンプ吐出圧を車両走行状態に応
じた最適なライン圧L2に調圧するプレッシャレギュレ
ターバルブ40と、このプレッシャレギュレターバルブ
40で最適圧力に制御されたライン圧L2の油路を三方
向に切り換えて前述した各摩擦要素31,32,33,
34,35を制御する第一ないし第二のシフトバルブ4
1,42と、この第一ないし第二のシフトバルブ41,
42を車速やアクセル開度などの運転状況によりパイロ
ット圧L3で切り換える第一あるいは第二のシフトソレ
ノイド12,13と、各々のバルブを連結する管路50
ないし64とで概略構成されている。前述したプレッシ
ャレギュレターバルブ40は、プレッシャーモディファ
イヤバルブ43を介してライン圧力ソレノイド14によ
り制御される。これは、プレッシャレギュレターバルブ
40が、プレッシャーモディファイヤバルブ43から送
られるプレッシャーモディファイヤ圧L5で制御され、
プレッシャーモディファイヤバルブ43が、ライン圧力
ソレノイド14から送られるスロットル圧L4で制御さ
れることによる。また、第一ないし第二のシフトバルブ
41,42は、パイロットバルブ44で適圧に制御され
たしたパイロット圧L3を第一あるいは第二のシフトソ
レノイド12,13で切換えることにより制御される。
【0011】以下、上述した各々のバルブの作動を順を
追って説明する。ライン圧力ソレノイド14によって制
御されるプレッシャレギュレターバルブ40(図中左下
に開示)には、ポート40aに接続された管路50から
オイルポンプ吐出圧が、バルブ本体40bを上方向に押
し上げるように作用している。また、バネ体40cによ
る付勢力と,ポート40dに接続された管路51からプ
レッシャレギュレタープラグ40eを介してプレッシャ
ーモディファイヤ圧L5がバルブ本体40bを押し下げ
るように作用している。これにより、バネ体40cによ
る付勢力及びプレッシャーモディファイヤ圧L5よりオ
イルポンプ吐出圧が大きくなると、バルブ本体40bが
上方に押し上げられ、ポート40fに接続された管路5
2からドレンされる。よって、プレッシャーモディファ
イヤ圧L5に応じてライン圧L2が制御される。
【0012】次に、上記プレッシャレギュレターバルブ
40に併設されたパイロットバルブ44に対しては、ポ
ート44aに接続された管路53からパイロット圧L3
がバルブ本体44bを下方向に押し下げるように作用し
ている。一方、バネ体44cによる付勢力は、パイロッ
トバルブ44を上方向に押し上げるように作用してい
る。そして、ポート44dに接続された管路54より流
入するライン圧L2は、バルブ本体44bを押し下げる
ように作用し、これによりバルブ本体44bは下方向へ
押され、符号Xのドレンポートよりドレンされるまで押
し下げられる。この結果、ライン圧L2は、バネ体44
cとバランスするように調圧されてパイロット圧L3と
なる。
【0013】前述したプレッシャーモディファイヤバル
ブ43を制御するライン圧ソレノイド14には、図4に
示すように、ポート14aに管路53からパイロット圧
L3が作用しており、ソレノイド14cをアクセル踏み
込み量等の車両情報により通電又は非通電とすることで
ポート14bに接続された管路55のスロットル圧L4
が制御される。また、管路55には、スロットル圧L4
の振動を低減するスロットル圧アキュームレータ45が
接続されている。
【0014】プレッシャーモディファイヤバルブ43に
は、バネ体43cによる付勢力と、ポート43dに接続
された管路55のスロットル圧L4がバルブ本体43b
を上方向に押し上げるように作用している。そして、ポ
ート43aに接続された管路53からパイロット圧L3
がバルブ本体43bを押し下げるように作用し、ドレン
ポートXからドレンされるまで押し上げられる。これに
より、ポート43aから流入するパイロット圧は、バネ
体43cによる付勢力及びライン圧力ソレノイド14で
出力されたスロットル圧L4に釣り合うプレッシャーモ
デファイヤ圧L5に調整される。
【0015】第一及び第二のシフトソレノイド12,1
3は、パイロットバルブ44と第一及び第二のシフトバ
ルブ41,42との間に設けられている。ポート12
a,13aに接続された管路53からパイロット圧L3
が作用しており、ソレノイド12b,13bを後述する
油圧制御手段からの情報により通電又は非通電とするこ
とでポート12c,13cに接続された管路57,58
へのパイロット圧L3が制御される。
【0016】第一のシフトバルブ41には、バネ体41
aによる付勢力が下方向に押すように作用する。また、
ポート41bにに接続された管路57から第一のシフト
ソレノイド12によりパイロット圧L3が上方向に押す
ように作用する。そして、第一のシフトソレノイド12
がオンでは、管路57にパイロット圧L3が発生し、バ
ルブ本体41cに作用して、バルブ本体41cを上方向
に押す。また、第一のシフトソレノイド12がオフで
は、管路57にパイロット圧L3が発生しないため、バ
ルブはバネ体41aによる付勢力で下方向に押される。
このように、バルブ本体41cが上下方向に移動するこ
とで、ライン圧L2の流路が切換られる。この第一のシ
フトバルブ41と後述する第二のシフトバルブ42との
共役により、ライン圧L2の流路が切換られて摩擦要素
31ないし35が選択係合される。
【0017】第二のシフトバルブ42には、バネ体42
aによる付勢力が下方向に押すように作用する。また、
ポート42bに接続された管路58から第二のシフトソ
レノイド13によりパイロット圧L3が上方向に押すよ
うに作用する。そして、第二のシフトソレノイド13が
オンでは、管路58にパイロット圧L3が発生し、バル
ブ本体42cに作用して、バルブ本体42cを上方向に
押す。また、第二のシフトソレノイド13がオフでは、
管路58にパイロット圧L3が発生しないため、バルブ
はバネ体42aによる付勢力で下方向に押される。この
ように、バルブ本体42cが上下方向に移動すること
で、ライン圧L2の流路が切換られる。この第二のシフ
トバルブ42と前述した第一のシフトバルブ41との共
役により、ライン圧L2の流路が切換られて摩擦要素3
1ないし35が選択係合される。なお、第一及び第二の
シフトバルブ41,42は、第一及び第二のシフトソレ
ノイド12,13によらずライン圧L2の管路54と管
路57の間に接続された手動バルブ46により切り換え
ることも可能とされている。そして、この手動バルブ4
6により、リバースモードRが選択された場合には、ラ
イン圧L2が管路62を流れ、リバースクラッチ34が
作動し、ライン圧L2が管路60を流れローアンドリバ
ースブレーキ32が作動する。
【0018】次に、自動変速機の油圧制御装置について
詳述する。この自動変速機の油圧制御装置は、図1に示
すように、エンジン1の負荷を検出するスロットル開度
センサ3と、車速を検出する車速センサ4と、各々のセ
ンサ3,4の信号線が入力側に接続された油圧制御手段
6と、この油圧制御手段6の出力側に信号線が接続され
てエンジン1の出力軸に連結された自動変速機の摩擦要
素(図3の符号31ないし36)の切換を行う前述した
第一ないし第二のシフトソレノイド12,13と、摩擦
要素のライン圧力(図4の符号L2)を決定するライン
圧力ソレノイド14とを備えた構成となっている。
【0019】スロットル開度センサ3は、エンジン1の
スロットル部に設けられ、エンジン1のスロットル開度
に対応した電圧の信号を出力するポテンショ式スロット
ル開度センサ等が使用される。スロットル開度センサ3
から出力された信号は、油圧制御手段6の入力側に入力
される。
【0020】車速センサ4は、自動変速機2の出力軸部
に設けられ、出力軸と共に回転する磁石によりオン,オ
フを繰り返すリードスイッチ等が使用される。車速セン
サ4から出力された信号S4は、油圧制御手段6の入力
側に入力される。符号5は、シフト位置センサであり、
運転者の手元のシフトノブにより選択されているシフト
位置の信号S5が油圧制御手段6の入力側に入力され
る。
【0021】第一ないし第二のシフトソレノイド12,
13は、エンジン1の出力軸に連結された自動変速機の
摩擦要素を切り換える油圧回路中、詳細には、前述した
パイロットバルブ44と第一及び第二のシフトバルブ4
1,42との間に設けられている。この各シフトソレノ
イド12,13をオン(ON),オフ(OFF)を制御
することで、第一及び第二のシフトバルブが制御され、
変速段数が決定される。第一ないし第二のシフトソレノ
イド12,13の操作線は、油圧制御手段6の出力側に
接続されており、油圧制御手段6からの信号によりオ
ン,オフされる。オンは、第一ないし第二のシフトソレ
ノイド12,13の励磁コイルに通電状態を示す。オフ
は、第一ないし第二のシフトソレノイド12,13の励
磁コイルに非通電状態を示すものである。第一ないし第
二のシフトソレノイド12,13が故障した場合には、
オフの状態となる。次に、第一ないし第二のシフトソレ
ノイド12,13と変速段との関係を、図8(A)と油
圧回路(図4,図5,図6,図7)により説明する。ま
ず、図8(A)に示す図表の変速機構では、第一及び第
二のシフトソレノイド12,13が正常な場合は、以下
のようになる。第一シフトソレノイド12がオン,第二
シフトソレノイド13がオンで一段となる。一段では摩
擦要素の内のロークラッチ31が作動する。これは、図
4に示すように、第一のシフトソレノイド12がオンで
は、管路57にパイロット圧L3が発生し、第一のシフ
トバルブ41のバルブ本体41cに作用して、バルブ本
体41cを上方向に押す。また、第二のシフトソレノイ
ド13がオンでは、管路58にパイロット圧L3が発生
し、第二のシフトバルブ42のバルブ本体42cに作用
して、バルブ本体42cを上方向に押す。そして、ポー
ト42hに接続された管路56より流入たライン圧L2
は、ポート42iに接続された管路59を流れ、ローク
ラッチ31を作動する。ここで、Lレンジの場合には、
手動バルブ46が図の右方向に移動し、管路65にライ
ン圧L2が流入し、ポート41e,41fを経由してポ
ート42dに流入し、ポート42eに接続された管路6
0を流れローアンドリバースブレーキ32を作動する。
【0022】次に、第一シフトソレノイド12がオフ,
第二シフトソレノイド13がオンで二段となる。二段で
は摩擦要素の内のロークラッチ31及びバンドブレーキ
35が作動する。これは、図5に示すように、第一のシ
フトソレノイド12がオフでは、管路57にパイロット
圧L3が発生ないため、第一のシフトバルブ41のバル
ブ本体41cはバネ体41aによる付勢力で下方向に押
される。また、第二のシフトソレノイド13がオンで
は、管路58にパイロット圧L3が発生し、第二のシフ
トバルブ41のバルブ本体42cに作用して、バルブ本
体42cを上方向に押す。そして、ポート42hに接続
された管路56より流入たライン圧L2は、ポート42
iに接続された管路59を流れ、ロークラッチ31を作
動する。さらに、ポート41gに接続され管路56より
ライン圧L2がポート41hに接続された管路63に流
入して、バンドブレーキ35のアプライ側に作用し、バ
ンドブレーキ35が作動する。
【0023】第一シフトソレノイド12がオフ,第二シ
フトソレノイド13がオフで三段となる。三段では摩擦
要素の内のロークラッチ31及びハイクラッチ33が作
動する。これは、図6に示すように、第一のシフトソレ
ノイド12がオフでは、管路57にパイロット圧L3が
発生ないため、第一のシフトバルブ41のバルブ本体4
1cはバネ体41aによる付勢力で下方向に押される。
また、第二シフトソレノイド13がオフで管路58にパ
イロット圧L3が発生しないため、第二のシフトバルブ
42のバルブ本体42cはバネ体42aによる付勢力で
下方向に押される。そして、ポート41iに接続された
管路56より流入たライン圧L2は、ポート41k、ポ
ート42jを経由し、ポート42iに接続された管路5
9及び管路64を流れ、ロークラッチ31作動すると共
に、バンドブレーキ35のリリース側に作用する。ま
た、ポート42iに接続された管路56より流入したラ
イン圧L2は、ポート41hに接続された管路63に流
入しバンドブレーキ35のアプライ側に作用するが、作
用する面積差によりバンドブレーキ35は解放作動す
る。さらに、ポート42fに接続された管路56より流
入したライン圧L2は、ポート42gに接続された管路
61を流れ、ハイクラッチ33を作動する。
【0024】第一シフトソレノイド12がオン、第二シ
フトソレノイド13がオフで四段となる。四段では摩擦
要素の内のハイクラッチ33とバンドブレーキ35を作
動する。これは、図7に示すように、第一のシフトソレ
ノイド12がオンでは、管路57にパイロット圧L3が
発生し、第一のシフトバルブ41のバルブ本体41cに
作用して、バルブ本体41cを上方向に押す。また、第
二シフトソレノイド13がオフで管路58にパイロット
圧L3が発生しないため、第二のシフトバルブ42のバ
ルブ本体42cはバネ体42aによる付勢力で下方向に
押される。そして、ポート42fに接続された管路56
より流入たライン圧L2は、ポート42gに接続された
管路61を流れ、ハイクラッチ33を作動する。また、
ポート41dに接続された管路61より流入したライン
圧L2がポート41hに接続された管路63に流入し、
バンドブレーキ35のアプライ側に作用しバンドブレー
キ35を作動する。
【0025】第一ないし第二のシフトソレノイド12,
13のどちらか故障した場合を図8(A)に示す図表の
変速機構で説明する。ここで、油圧回路は前述した第一
ないし第二のシフトソレノイド12,13が正常な場合
と同様であるため省略する。例えば、マップ上の変速段
が一段の場合に、第一のシフトソレノイド12が異常
で、第二のシフトソレノイド13が正常の場合には、実
際には、第一のシフトソレノイド12がオフ,第二のシ
フトソレノイド13がオンで、二段の状態となる。ま
た、マップ上の変速段が二段の場合に、第一のシフトソ
レノイド12が異常で、第二のシフトソレノイド13が
正常の場合には、実際には、第一のシフトソレノイド1
2がオフ,第二のシフトソレノイド13がオンでマップ
上の段数と同様に、二段の状態となる。
【0026】次に、図8(A)とは異なる変速機構の例
として図8(B)に示す図表の変速機構では、第一ない
し第二のシフトソレノイド12,13が正常な場合に、
第一のシフトソレノイド12がオン,第二のシフトソレ
ノイド13がオフで一段、第一のシフトソレノイド12
がオン,第二のシフトソレノイド13がオンで二段、第
一のシフトソレノイド12がオフ,第二のシフトソレノ
イド13がオンで三段、第二のシフトソレノイド12が
オフ,第二のシフトソレノイド13がオフで四段とな
る。また、第一ないし第二のシフトソレノイド12,1
3のどちらか故障した場合、例えば、マップ上の変速段
が一段の場合に、第一のシフトソレノイド12が異常
で、第二のシフトソレノイド13が正常の場合には、第
一のシフトソレノイド12がオフ,第二のシフトソレノ
イド13がオンで実際には、四段の状態となる。また、
マップ上の変速段が二段の場合に、第一のシフトソレノ
イド12が異常で、第二のシフトソレノイド13が正常
の場合には、第一のシフトソレノイド12がオフ、第二
のシフトソレノイド13がオンで、実際には三段の状態
となる。
【0027】ライン圧ソレノイド14は、油圧制御手段
6からの信号によりライン圧L2を制御する。ライン圧
ソレノイド14は、図4に示すように、パイロット圧L
3が作用し、油圧制御手段6からの信号によりポート1
4bに接続された管路55のスロットル圧L4を制御し
ている。このスロットル圧L4に釣り合うようにプレッ
シャーモディファイヤバルブ43でプレッシャーモデフ
ァイヤ圧L5が調圧される。このプレッシャーモディフ
ァイヤ圧L5に応じてプレッシャレギュレターバルブ4
0でライン圧L2が制御される。ライン圧ソレノイド1
4の信号線は、油圧制御手段6の出力側に接続されてい
る。
【0028】油圧制御手段6は、図1に示すように、ス
ロットル開度センサS3及び車速センサS4の信号が入
力されるマップ上変速段判定手段7と、このマップ上変
速段判定手段7からの信号S7が入力される変速段判定
手段8と、この変速段判定手段8に信号S9を出力する
入力シフトソレノイド異常判定手段9と、前述した変速
段判定手段8からの信号S8A,S8Bが各々入力され
るライン圧制御手段10及び変速制御手段11とにより
構成されている。油圧制御手段6は、通常、情報を判断
処理する中央演算処理装置(CPU)、情報を記憶する
媒体(いわゆる、ROM,RAM)、車速センサS4等
の信号入力部及び、各シフトソレノイド12,13等に
信号を出力する出力部(いわゆる、ドライバ)を備えた
ボードコンピュータ等が使用されている。そして、媒体
としてのROM内部には、エンジン負荷及び車速に対応
した変速機段数、即ち、変速マップ等が記憶されてい
る。
【0029】前述したマップ上変速段判定手段7には、
油圧制御手段6の入力側からスロットル開度センサ3の
信号S3と、車速センサ4の信号S4が入力されてい
る。このマップ上変速段判定手段7では、スロットル開
度センサ3の信号S3と、車速センサ4の信号S4によ
り受取ったエンジン負荷情報及び車速情報と、前述した
記憶媒体に記憶された変速マップとを対比することによ
り変速段が適宜決定される。
【0030】変速段判定手段8には、前述したマップ上
変速段判定手段7からの信号S7と、シフトソレノイド
異常判定手段9の信号S9が入力されている。この内、
マップ上変速段判定手段7の信号S7からは、マップ上
の変速段が入力される。また、シフトソレノイド異常判
定手段9の信号S9からは、断線やグランドショート等
により作動不能となった各シフトソレノイド12,13
の情報が入力される。そして、この各シフトソレノイド
12,13で実際に構成可能で、かつ、フェイルセイフ
動作をを行うのに適当な変速段数が変速段判定手段8で
判断される。ここで、フェイルセイフ動作とは、急激に
変速段数下げて、急激にエンジンブレーキをかけること
や、急激に変速段数を上げることで、登坂道を走行不能
にすることのないようにする制御動作のことをいう。例
えば、図8(A)に示す図表の変速機構では、マップ上
の変速段が1段の場合、第一のシフトソレノイド12が
オン、第二のシフトソレノイド13がオンの指令が出さ
れる。この時に、第二のシフトソレノイド13が異常の
場合には、第一のシフトソレノイド12がオン,第二の
シフトソレノイド13がオフの状態となり、実際には4
段のバルブの状態となる。この時に、第一のシフトソレ
ノイド12をオフとすることで3段の状態とする。これ
により、急激に登坂走行不能となる状態がなくなり、フ
ェールセーフ動作が可能となる。また、図8(B)に示
す図表の変速機構では、マップ上の変速段が2段では、
第一のシフトソレノイド12がオン、第二のシフトソレ
ノイド13がオンの指令が出される。この時に、第二の
シフトソレノイド13が異常の場合には、第一のシフト
ソレノイド12がオン,第二のシフトソレノイド13が
オフの状態となり、実際には1段のバルブの状態とな
る。この時に、第一のシフトソレノイド12をオフとす
ることで4段の状態とする。これにより、急激に減速す
る状態がなくなり、フェールセーフ動作が可能となる。
【0031】シフトソレノイド異常判定手段9では、変
速制御手段11からの信号S11A,S11Bと、実際
の信号レベルとの比較により、断線や短絡(グランドシ
ョート)の判定を行う。シフトソレノイド異常判定手段
9は、前述したCPU及びROM,RAMによりソフト
的に処理することも可能であるが、オペアンプ等のロジ
ック回路でハード的に構成してもよい。
【0032】ライン圧制御手段10には、変速段判定手
段8の信号S8Aが入力され、この変速段判定手段8の
信号S8Aにより入力された情報に基づいて、ライン圧
力が決定される。この決定されたライン圧力の信号S1
0は、ライン圧制御手段10からライン圧力ソレノイド
14に出力される。
【0033】ライン圧制御手段10によるライン圧力制
御は、変速時と非変速時で異なるライン圧テーブルに従
って制御が行われる。このライン圧テーブルは、図9
(A)の線図に示す。ここで、図9(A)の線図で、横
軸はエンジン負荷、縦軸はライン圧力(N/m)を示
す。変速時ではない場合、又は実際に変速が行われない
場合には、定常時用ライン圧テーブルP20に従ってラ
イン圧力制御信号をライン圧力ソレノイド14に出力す
る。また、変速時の場合には、変速の種類毎に選定して
ある変速用ライン圧テーブルP21,P22,又はP2
3に従って、ライン圧力制御信号をライン圧ソレノイド
14に出力する。
【0034】変速制御手段11は、第一のシフトソレノ
イド12と第二のシフトソレノイド13を制御する、い
わゆる、ドライバである。変速制御手段11には、変速
段判定手段8で判断された変速段の信号S8Bが入力さ
れている。そして、変速制御手段11により第一のシフ
トソレノイド12と第二のシフトソレノイド13がオ
ン,オフ制御される。
【0035】図9(B)に、第一ないし第二のシフトソ
レノイド12,13が正常時と異常時の変速時に図9
(A)のライン圧テーブルに従ったライン圧力のタイム
チャートを示す。図9(B)の変速タイムチャート中、
線図D25は、各シフトソレノイド12,13が正常な
場合、又は、第一ないし第二のシフトソレノイド12,
13が故障しても正常に変速される場合を示す。例え
ば、図8(A)に示す図表の変速機構では、第一のシフ
トソレノイド12が故障した時の2速と3速との間の変
速、第二のシフトソレノイド13が故障した時の3速と
4速との間の変速である。この場合は、通常と同様に変
速するため、変速時に、線図D27の変速時のライン圧
力が使用される。この時に、変速時のライン圧テーブル
(図9(A)の線図P21,P22又はP23)が使用
される。また、図9(B)の変速マップ中、線図D26
は、第一ないし第二のシフトソレノイド12,13が故
障し、正常に変速が行われない場合を示す。例えば、図
8(A)に示す図表の変速機構では、第一のシフトソレ
ノイド及び第二のシフトソレノイド12,13が故障し
た時の1速と2速または、2速と3速及び3速と4速と
の間の変速である。この場合は、実際に変速段が変化し
ないため、線図D28の定常時のライン圧力が使用され
る。この時に、定常時のライン圧テーブル(図9(A)
の線図P20)が使用される。
【0036】図10に、本実施形態に係る自動変速機の
制御装置の制御内容の一部のフローチャートを示す。こ
のフローチャートで示される処理は、一定時間間隔でメ
インプログラムに割り込むタイマ割込処理等を使用して
一定周期毎に起動される。まず、スロットル開度センサ
3の信号S3からエンジン1の負荷を取り込み(ステッ
プS100)、続いて、車速センサ4の信号S4から車
速を取り込む。(ステップS101) 次に、シフトソレノイド異常判定手段9により第一ない
し第二のシフトソレノイド12,13の異常を判定す
る。(ステップS102)判定方法としては、出力しよ
うとしている信号S11Aと実際の信号レベルとの比較
により、断線やショートの判定を行う。
【0037】続いて、マップ上変速段判定手段7によ
り、車速とエンジン負荷から予め設定した変速マップに
従い変速段を決定する。(ステップS103) この変速段の算出後、第一ないし第二の各シフトソレノ
イドの異常の有無をチェックする。(ステップS10
4)そして、第一ないし第二のシフトソレノイド12,
13が異常の場合には、ステップS106へ進み、異常
でない場合にはステップS105へ進む。
【0038】ステップS105では、各々のシフトソレ
ノイド12,13が異常なしであることから、マップ上
変速段をそのまま変速段とする。また、ステップS10
6では、シフトソレノイド12,13が異常であること
から、変速段判定手段8により、第一ないし第二のシフ
トソレノイド12,13が異常の場合の変速段を決定す
る。この変速段の決定は、故障がどのシフトソレノイド
かにより異なり、変速マップ及び機械的に設定可能な範
囲で行われる。例えば、図8(B)に示す図表の変速機
構では、マップ上の変速段が1段では、第一のシフトソ
レノイド12がオン、第二のシフトソレノイド13がオ
フの指令が出される。この時に、第一のシフトソレノイ
ド12が異常の場合には、第一のシフトソレノイド12
がオフ,第二のシフトソレノイド13がオフの状態とな
り、実際には4段のバルブの状態となる。この時に、第
二のシフトソレノイド13をオンとすることで、3段と
する。これにより、急激に登坂走行不能な状態がなくな
り、フェールセーフ動作が可能となる。
【0039】次に、ステップS107では変速中かどう
かの判定を行う。判定方法は上記変速段が変化してから
変速の種類毎に設定された所定時間経過するまでの間を
変速中とみなす。変速中の場合は、ステッブS108へ
進み、変速中でない場合ステップS109へ進む。
【0040】ここで、ステップS109に進む場合、即
ち、変速中でない場合、図8(A)の図表のマップ上の
変速段が1段から2段にシフトする場合に、第一のシフ
トソレノイド12がオフ、第二のシフトソレノイド13
がオンの指令が出される。しかし、第一のシフトソレノ
イド12が異常の場合には、第一のシフトソレノイド1
2がオフ、第二のシフトソレノイド13がオンの状態、
即ち、既に2段の状態となっており、変速が行われない
状態となる。この時には、エンジン負荷に対応して設定
してある定常時のライン圧テーブル(図9(A)の線図
P20)から定常時ライン圧が算出される。
【0041】ステップS108に進む場合、即ち、変速
中の場合では、変速の種類毎にエンジン負荷に対応して
設定してある変速時のライン圧テーブル(図9(A)の
線図P21ないしP23)から変速時ライン圧を算出す
る。ここで変速の段数は、ステップS105,S106
で判定した変速段に基づいて判定する。、これにより、
ライン圧力を下げてからライン圧力ソレノイド14を切
り換えることで、変速ショックのない変速が可能とな
る。
【0042】ステップS110ではステップS105,
106で判定した変速段を基に第一及び第二のシフトソ
レノイド12,13に変速制御信号を出力する。ステッ
プS111では、ステップS108,109で算出した
ライン圧に基づいてライン圧制御信号を出力する。この
ように、変速段判定手段によって、実際に構成可能な変
速段の内、エンジン負荷や車速に対応した変速段を判定
できる。そして、この判定により、変速が行われる場合
には、ライン圧力を適宜変化させてからシフトソレノイ
ド12,13を切り換えることができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1ないし2記載の発明によれば、
摩擦要素の切換を行うシフトソレノイドが故障した場合
にこの故障を検出して、摩擦要素の切換が行われない場
合に、ライン圧力を当該所定圧力に保持するようにした
ので、シフトソレノイドの故障が検出され、シフトバル
ブにより摩擦要素の切換が実際に行われない場合には、
ライン圧力を変化させずに、所定圧力に保持することに
より、摩擦要素に滑りが発生することがなくなる。ま
た、シフトソレノイドの故障が検出されても、摩擦要素
の切換が実際に行われる場合には、ライン圧力を変化さ
せてから第一ないし第二のシフトソレノイドを切り換え
ることで、変速ショックのない変速が可能となる。さら
に、シフトソレノイドの故障を検出すると共に、実際に
変速可能な変速段を選択して、エンジン負荷や車速に対
応した適当な段数に切り換えるようにするようにしたこ
とで、急激に高速段になって登坂能力がなくなったり、
又は停止したり、更には、急激に低速段になり、或い
は、急激に減速するという不都合を確実に回避すること
ができるため、安定した変速制御が可能になる。
【0044】請求項3記載の発明では、油圧制御手段に
シフトソレノイドの故障検出手段を設けると共に、この
故障検出手段からの信号に基づいて変速段を決定する変
速段判定手段を設けたことにより、シフトソレノイドの
故障が検出できるため、故障が検出された場合には、ラ
イン圧力を変化させず、一定圧力に保持することができ
るため、摩擦要素に滑りが発生することがなくなる。さ
らに、変速段判定手段によって、実際に構成可能な変速
段の内、エンジン負荷や車速に対応した変速段を判定で
きることにより、エンジン負荷や車速に対応した適当な
段数に切り換えるようにしたことで、急激に高速段にな
って登坂能力がなくなったり、又は停止したり、更に
は、急激に低速段になり、或いは、急激に減速するとい
う不都合を確実に回避することができるため、安定した
変速制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した自動変速機の油圧制御装置と、
エンジン及び自動変速機との関係を示す系統図である。
【図3】図1に開示した自動変速機の斜視図である。
【図4】図1に開示した自動変速機の油圧回路図(一
段)である。
【図5】図1に開示した自動変速機の油圧回路図(二
段)である。
【図6】図1に開示した自動変速機の油圧回路図(三
段)である。
【図7】図1に開示した自動変速機の油圧回路図(四
段)である。
【図8】図1に示した自動変速機の油圧制御装置のシフ
トソレノイドのオン,オフにより決定される変速段の表
で、図8(A)はシフトソレノイドが正常時と異常時に
メカ的に決定される変速段数の図表、図8(B)は図示
しない別の自動変速機の場合の例である。
【図9】図1に示した自動変速機の油圧制御装置の油圧
テーブルで、図9(A)は定常時と変速時のライン圧テ
ーブルを示す線図、図9(B)はシフトソレノイドが正
常時と異常時の変速時に図9(A)のライン圧テーブル
に従ったライン圧力のタイムチャートを示す線図であ
る。
【図10】図1に示した自動変速機の油圧制御装置の動
作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 スロットル開度センサ 4 車速センサ 5 シフト位置センサ 6 油圧制御装置 7 マップ上変速段判定手段 8 変速段判定手段 9 シフトソレノイド異常判定手段 10 ライン圧制御手段 11 変速制御手段 12 第一のシフトソレノイドA 13 第二のシフトソレノイドB 14 ライン圧力ソレノイド 31 ロークラッチ 32 ローアンドリバースブレーキ 33 ハイクラッチ 34 リバースクラッチ 35 バンドブレーキ 41 第一のシフトバルブ 42 第二のシフトバルブ 43 プレッシャーモディファイヤバルブ 44 パイロットバルブ 46 マニュアルバルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力軸に連結した変速機構の
    動力伝達経路の切換を行うライン圧作動の摩擦要素を、
    エンジンの負荷を検出するスロットル開度センサからの
    信号と、車速を検出する車速センサからの信号とを油圧
    制御手段に取込処理した後に、ライン圧力を変化させて
    からシフトソレノイドで切換える自動変速機の油圧制御
    方法であって、 前記シフトソレノイドが故障した場合に当該シフトソレ
    ノイドの故障を検出して、前記摩擦要素の切換が行われ
    ない場合に、前記ライン圧力を当該所定圧力に保持する
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御方法。
  2. 【請求項2】 エンジンの出力軸に連結した変速機構の
    動力伝達経路の切換を行うライン圧作動の摩擦要素を、
    エンジンの負荷を検出するスロットル開度センサからの
    信号と、車速を検出する車速センサからの信号とを油圧
    制御手段に取込処理した後に、ライン圧力を変化させて
    からシフトソレノイドで切換える自動変速機の油圧制御
    方法であって、 前記シフトソレノイドが故障した場合に当該シフトソレ
    ノイドの故障を検出して、変速可能な変速段を選択する
    と共に、前記摩擦要素の切換が行われない場合に、前記
    ライン圧力を当該所定圧力に保持することを特徴とする
    自動変速機の油圧制御方法。
  3. 【請求項3】 エンジンの負荷を検出するスロットル開
    度センサと、車速を検出する車速センサからの信号線が
    入力側に接続された油圧制御手段と、該油圧制御手段の
    出力側に信号線が接続されて、前記エンジンの出力軸に
    連結された変速機構の摩擦要素の切換を行うシフトソレ
    ノイドとで構成された自動変速機の油圧制御装置であっ
    て、 前記油圧制御手段に、前記シフトソレノイドの故障を検
    出する故障検出手段を設けると共に、当該故障検出手段
    の信号に基づき変速段を決定する変速段判定手段を設け
    ることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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