JP2000169919A - 無鉛銅基合金材 - Google Patents

無鉛銅基合金材

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JP2000169919A
JP2000169919A JP34503798A JP34503798A JP2000169919A JP 2000169919 A JP2000169919 A JP 2000169919A JP 34503798 A JP34503798 A JP 34503798A JP 34503798 A JP34503798 A JP 34503798A JP 2000169919 A JP2000169919 A JP 2000169919A
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JP
Japan
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copper
weight
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based alloy
hot
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JP34503798A
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English (en)
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Hisashi Tan
寿志 丹
Keiichiro Oishi
恵一郎 大石
Yoshito Shimoda
義人 下田
Tosuke Sukegawa
東輔 助川
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SANBO COPPER ALLOY CO Ltd
Toyo Valve Co Ltd
Original Assignee
SANBO COPPER ALLOY CO Ltd
Toyo Valve Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛を含有することなく、工業的に満足しうる
被削性を有し且つ耐食性,熱間加工性,機械的性質に優
れた無鉛銅基合金材を提供する。 【解決手段】 本発明の無鉛銅基合金材は、銅60.5
〜63.5重量%、ビスマス0.5〜2.0重量%、錫
0.5〜1.8重量%、ニッケル0.2〜0.7重量
%、鉄0.04〜0.4重量%、アンチモン0.02〜
0.10重量%、燐0.04〜0.15重量%及びミッ
シュメタル0.02〜0.1重量%を含有し且つ残部が
亜鉛及び不可避同伴不純物からなる金属組成をなす熱間
加工黄銅材を、500℃〜600℃,30分〜3時間の
条件で熱処理してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛成分を含有しな
い銅基合金材であって、被削性,耐食性,熱間加工性,
機械的性質に優れた無鉛銅基合金材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、被削性に優れた銅基合金材とし
て、「JIS H5120 CAC406」等の青銅系
合金や「JIS H3250 C3601」「JIS
H3250 C3604」「JIS H3250 C3
771」等の黄銅系合金を熱間加工(押出加工,鍛造
等)又は冷間加工(抽伸加工等)したものが知られてい
る。これらは1.0〜6.0重量%程度の鉛を含有する
ことによって被削性を向上させたものであり、工業的に
満足しうる被削性を確保したものである。
【0003】鉛を含有する銅基合金材は、上記した如く
被削性に優れるものであることから、従来からも種々の
製品(例えば、上水道用及び一般配管用として使用され
る水栓金具,弁,バルブステム等)の構成材として重宝
されている。しかし、鉛が人体や環境に悪影響を及ぼす
有害物質であるところから、近時においては、その用途
が大幅に制限される傾向にある。例えば、合金の溶解,
鋳造等の高温作業時に発生する金属蒸気に鉛成分が含ま
れることになり、また材料から製品への切削加工時,研
削加工時に発生する粉塵にも鉛成分が含まれることにな
り、更には飲料水等との接触により水栓金具や弁等から
鉛成分が溶出する虞れがあり、人体や環境衛生上問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、近時、米国等
の先進国においては銅基合金材における鉛含有量を大幅
に制限する傾向にあり、わが国においても鉛含有量を可
及的に低減した銅基合金の開発が強く要請されている。
【0005】本発明は、かかる世界的な傾向及び要請に
応えるべくなされたもので、鉛を含有することなく、工
業的に満足しうる被削性を有し且つ耐食性,熱間加工
性,機械的性質に優れた無鉛銅基合金材を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成すべく、第1に、銅60.5〜63.5重量%、ビ
スマス0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量
%、ニッケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.
4重量%、アンチモン0.02〜0.10重量%及び燐
0.04〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び
不可避同伴不純物からなる金属組成をなす熱間加工黄銅
材たる無鉛銅基合金材(以下「第1銅基合金材」とい
う)を提案する。
【0007】第2に、銅60.5〜63.5重量%、ビ
スマス0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量
%、ニッケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.
4重量%、アンチモン0.02〜0.10重量%、燐
0.04〜0.15重量%及びミッシュメタル0.02
〜0.1重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避同伴
不純物からなる金属組成をなす熱間加工黄銅材たる無鉛
銅基合金材(以下「第2銅基合金材」という)を提案す
る。すなわち、第2銅基合金材は、第1銅基合金材にミ
ッシュメタル0.02〜0.1重量%を更に含有させる
ことにより、主として熱間加工性の更なる向上を図った
ものである。なお、ミッシュメタルは、周知のように、
セリウム(Ce),ランタン(La),プラセオジウム
(Pr),ネオジウム(Nd)等の希土類元素の粗混合
物である。
【0008】第3に、銅60.5〜63.5重量%、ビ
スマス0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量
%、ニッケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.
4重量%、アンチモン0.02〜0.10重量%及び燐
0.04〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び
不可避同伴不純物からなる金属組成をなす熱間加工黄銅
材であって、500℃〜600℃,30分〜3時間の条
件で熱処理した無鉛銅基合金材(以下「第3銅基合金
材」という)を提案する。すなわち、第3銅基合金材
は、第1銅基合金材を上記の条件で熱処理することによ
り、主として耐食性の更なる向上を図ったものである。
【0009】第4に、銅60.5〜63.5重量%、ビ
スマス0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量
%、ニッケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.
4重量%、アンチモン0.02〜0.10重量%、燐
0.04〜0.15重量%及びミッシュメタル0.02
〜0.1重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避同伴
不純物からなる金属組成をなす熱間加工黄銅材であっ
て、500℃〜600℃,30分〜3時間の条件で熱処
理してなる無鉛銅基合金材(以下「第4銅基合金材」と
いう)を提案する。すなわち、第4銅基合金材は、第3
銅基合金材にミッシュメタル0.02〜0.1重量%を
更に含有させることにより、主として熱間加工性の更な
る向上を図ったものである。
【0010】第5に、銅60.5〜63.5重量%、ビ
スマス0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量
%、ニッケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.
4重量%、アンチモン0.02〜0.10重量%及び燐
0.04〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び
不可避同伴不純物からなる金属組成をなす熱間加工黄銅
材であって、熱間加工後に空冷することなく480℃と
なるまで4℃/分以下の冷却速度で徐冷してなる無鉛銅
基合金材(以下「第5銅基合金材」という)を提案す
る。すなわち、第5銅基合金材は、熱間加工時に材料に
与えられる熱エネルギーを熱処理の熱源として利用する
ことにより、第1銅基合金材に簡易的な熱処理を施した
ものであり、第3銅基合金材と同様に、主として耐食性
の更なる向上を図ったものである。なお、以下の説明に
おいて、このような簡易的な熱処理を「自己焼鈍」とい
う。
【0011】第6に、銅60.5〜63.5重量%、ビ
スマス0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量
%、ニッケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.
4重量%、アンチモン0.02〜0.10重量%、燐
0.04〜0.15重量%及びミッシュメタル0.02
〜0.1重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避同伴
不純物からなる金属組成をなす熱間加工黄銅材であっ
て、熱間加工後に空冷することなく480℃となるまで
4℃/分以下の冷却速度で徐冷してなる(自己焼鈍して
なる)無鉛銅基合金材(以下「第5銅基合金材」とい
う)を提案する。すなわち、第6銅基合金材は、第5銅
基合金材にミッシュメタル0.02〜0.1重量%を更
に含有させることにより、主として熱間加工性の更なる
向上を図ったものである。
【0012】黄銅の鋳造材や熱間加工材(押出材,鍛造
材等)においてα相が多くなるのは、ニッケル含有量と
も関係するが、一般には、銅含有量が61.5重量%以
上の場合であり、α単相組織を得るためには銅含有量を
63重量%以上とする必要がある。すなわち、脱亜鉛腐
食性が主としてα相以外の相(特にβ相)組織から発生
することを考慮すれば、耐食性及び機械的性質の面から
は、銅の配合量を63.0重量%以上としておく必要が
ある。しかし、熱間加工(例えば熱間押出,鍛造)後に
適切な熱処理を施せば、銅含有量が60.5重量%で
も、後述するニッケル,錫との相乗効果により安定した
α相組織を得ることが可能である。一方、銅含有量が増
加すると、α相を容易に得ることができ且つ耐食性を向
上させることができる反面、引張強さや硬さが低下する
と共に、特に熱間加工性が悪くなる。すなわち、優れた
熱間加工性が確保されるためには、熱間加工温度域(例
えば、熱間押出では後述する如く700〜770℃)で
多量のβ相が含まれていることが必要であり、素材を熱
間加工時に加熱した場合、素材の合金組織が「高温で延
性の高いβ相」を一定量以上(一般に50%以上)含む
二相組織(α+β相組織)に変態することが必要である
が、銅の配合量が多量であると、50%以上のβ相を含
む組織変態を得ることが極めて困難である。勿論、「高
温で延性の高いβ相」がどの程度含まれるかは、銅と他
の添加元素との配合比率によって決まり、一概に、銅の
配合量のみによって決まるものではないが、少なくと
も、銅の配合量が63.5重量%を超える場合には、上
記した本発明における成分範囲内で銅と亜鉛,錫,ニッ
ケル等との配合比率を如何に設定したとしても、熱間加
工温度域で50%以上のβ相を得ることは困難である。
【0013】かかる点を考慮して、第1〜第6銅基合金
材では、銅含有量粒を60.5〜63.5重量%とす
る。
【0014】ビスマスは、主として、被削性を改善する
ために添加される。すなわち、ビスマスは、鉛と同様
に、マトリックスに固溶せず、微細(1μm程度)な粒
状をなして分散することによって、切削加工時に生成す
る切屑の分断作用及び切削工具と被加工材表面との間の
潤滑作用に寄与して、被削性を向上させるものである。
また、ビスマスは、鉛と同様に重金属に分類されるもの
であるが、鉛のように人体への悪影響を及ぼす物質であ
るとの指摘はない。したがって、ビスマスを鉛代替元素
として添加することにより、鉛を含有しないことによる
安全性の確保と被削性の低下防止とを実現することがで
きる。ところで、ビスマスは、鉛以上に融点が低く(ビ
スマス:271℃,鉛:327℃)、黄銅の熱間加工
中、溶融状態で存在し且つ結晶粒界にそれらの粒子が移
動するため、熱間での割れを助長させる虞れがあり、結
晶粒界への移動が鉛より顕著に起こり、熱間での変形能
を大きく低下させる虞れがある。かかる虞れを排除し
て、工業的に良好な被削性を得るためには、ビスマスの
添加量は0.5重量%以上とする必要である。しかし、
ビスマスの添加量が2.0重量%を超えると、銅含有量
を上記した範囲とした関係から、熱間加工性が低下する
ことになる。かかる点から、ビスマスの添加量は0.5
〜2.0重量%とする。
【0015】錫は耐食性を向上させるために添加され
る。また、錫は、熱間でβ相域を広くする効果があり、
熱間加工性を向上させる。錫の添加により、熱間加工
時、ビスマスの結晶粒界への移動を抑制する効果があ
る。錫は、後述する熱処理を施した場合、特に自己焼鈍
を施した場合にも、β相からα+γ相への共析変態を起
こさせ、容易に非平衡状態の熱間加工で残留したβ相
(脱亜鉛腐食を生じさせる)を分断或いは消滅させるこ
とができる。これらの錫添加効果は、0.5重量%以上
に添加することによって発揮される。自己焼鈍を施す場
合には、冷却速度とβ相からα+γ相への共析変態量と
の関係から、錫添加量を0.7重量%以上としておくこ
とが好ましい。しかし、錫添加量が1.8重量%を超え
ると、硬く脆いγ相量が多くなり、被削性と延性を低下
させることになり、γ相の増量により脱亜鉛腐食も生じ
易くなる。また、錫を1.8重量%を超えて添加して
も、上記効果は飽和することになり、錫が高価な金属で
あることから経済的にも問題がある。したがって、錫の
添加量は、0.5〜1.8重量%とする。なお、自己焼
鈍を施す第5及び第6銅基合金材にあっては、上記した
点を考慮して、錫の添加量を0.7〜1.8重量%とし
ておくことが好ましい。
【0016】ニッケルは、錫との相乗効果により、耐食
性,機械的性質,熱間加工性を改善させ、α相組織を増
加させ、つまりβ相の増加を阻止する機能を有する。す
なわち、ニッケルは、熱間加工時(鍛造時,押出時)に
おいて、結晶を微細化し、ビスマスの結晶粒界への移動
を抑制し、熱間加工性を向上すると共に、結晶微細化効
果により、耐食性,機械的性質を向上させ、さらに、熱
処理時、β相からのγ相の析出に関し、γ相を微細に分
散,析出させる効果がある。これらのニッケル添加効果
は、0.2重量%以上の添加により発揮される。しか
し、ニッケルを0.7重量%を超えて添加しても、かか
る添加効果が顕著になるわけでもなく、経済的にも問題
がある。かかる点から、ニッケルの添加量は0.2〜
0.7重量%とする。自己焼鈍を施す第4及び第6銅基
合金材においては、0.3〜0.7重量%としておくこ
とが好ましい。
【0017】鉄は、合金の結晶粒を微細化させ、これに
よって強度を高める機能がある。但し、鉄の添加量が少
ないと、かかる機能は充分に発揮されない。ところで、
後述する燐も鉄と同等に或いはそれ以上に結晶粒の微細
化機能を有するものであるから、鉄との相乗作用によっ
て結晶粒の微細化,機械的性質の向上に寄与する。この
ような燐と鉄との相乗効果は、鉄の添加量が0.04重
量%未満では充分に発揮されない。一方、耐食性に悪影
響を与える未固溶或いは析出した鉄は、燐との化合物を
形成し、耐食性に及ぼす鉄の影響を著しく減少せしめる
ことができる。しかし、鉄の添加量が0.4重量%を超
えると、燐−鉄化合物量が増加して、燐が消費され、燐
の有効添加量が不足して、耐食性を確保することができ
ない。さらに、その化合物が粒界に堆積する確率が高く
なるため、粒界腐食感受性が増大する。また、鉄−燐化
合物量が増加すると、被削性も低下する。かかる理由か
ら、鉄の添加量は0.04〜0.4重量%とする。
【0018】アンチモンは、錫,燐の添加と相俟って、
脱亜鉛腐食を抑制するために添加される。アンチモン
は、化学的活性度の高い元素であり、組織基地中に固溶
する。したがって、アンチモンの有効添加量は、かかる
固溶量を勘案して設定しなければならない。耐脱亜鉛腐
食に関して有効に作用するためにはアンチモンを少なく
とも0.02重量%添加する必要がある。一方、アンチ
モンの添加量が0.10重量%を超えると、脆くなり、
特に熱間加工性を阻害することになる。したがって、ア
ンチモンの単独添加で耐食性の向上を図る場合には却っ
て工業的有用性を損なう虞れが強い。このような点か
ら、錫,燐との相互関係を考慮して、アンチモンの含有
量は、0.02〜0.10重量%とする。
【0019】燐は、錫,アンチモンの添加と相俟って、
脱亜鉛腐食を抑制するために添加される。燐は、アンチ
モンと同様に化学的活性度の高い元素であり、鉄と容易
に化合物を形成して、耐食性に影響を与える。析出した
或いは未固溶の鉄と燐とが化合物を生成して耐食性が向
上する反面、燐が鉄により消費されるため、本来の燐添
加による効果が低下する。したがって、鉄による燐の消
費分を勘案して、燐の適正添加量を決定する必要があ
る。また、燐の添加量が多い場合は、粒界への偏析が生
じ、そのために延性が低下すると共に却って粒界腐食感
受性が高くなる。但し、燐による適度な粒界への偏析は
ビスマスの粒界への移動を抑制するため、燐の適量添加
により熱間加工性を向上させうる。また、燐には、結晶
を微細化させ、熱間変形能を向上させる機能も有する。
このような点を考慮した場合、燐の適正添加量は0.0
4〜0.15重量%となる。なお、アンチモン,燐は共
に粒界に偏析し易い性質を有するものであるから、両者
の合計添加量が0.2重量%を超えると、延性が低下
し、特に熱間加工性を阻害する虞れがある。一方、これ
らと錫との相互作用によって、より安定した耐食性を確
保するためには、アンチモン及び燐の合計添加量を0.
08重量%以上としておくことが好ましい。したがっ
て、アンチモン,燐は、合計添加量が0.08〜0.2
0重量%の範囲で添加させるようにすることが好まし
い。
【0020】ミッシュメタルは、第2、第4及び第6銅
基合金材において熱間加工性の更なる向上を図るために
添加される。すなわち、ビスマスを含む黄銅に、その溶
解時にミッシュメタルが添加されると、ビスマスの一部
がミッシュメタルと化合する。そして、黄銅の凝固時に
おいて、ビスマスと当該化合ビスマス(一部がミッシュ
メタルと化合したビスマス)とがより微細に均一に分布
することになる。また、黄銅に含有されるビスマスの一
部がミッシュメタルと化合したビスマスーミッシュメタ
ル化合物となるため、熱間加工時、ビスマスの結晶粒界
への移動が起こり難くなる。このようにミッシュメタル
を添加することにより、ビスマスの微細化と結晶粒界へ
の移動の抑制により熱間変形能が著しく向上する。つま
り、第1、第3又は第5銅基合金材にミッシュメタルを
添加することにより、その熱間加工性を向上させること
ができる。而して、ミッシュメタルの添加による上記効
果は、その添加量が0.02重量%未満では発揮され
ず、0.02重量%以上の添加によって発揮される。し
かし、ミッシュメタルの添加量が0.1重量%を超える
と、ビスマスとミッシュメタルとの化合量が増加して、
上記したビスマス添加効果が低下,喪失することにな
る。また、ミッシュメタルの添加効果は、0.1重量%
で飽和し、これを超えて添加しても添加量に見合う効果
は得られないし、ミッシュメタルが高価なものであるか
ら経済的にも問題がある。かかる理由から、第2、第4
及び第6銅基合金材においては、ミッシュメタルの添加
量を0.02〜0.1重量%とした。
【0021】ところで、銅の配合量を63.5重量%以
下としておくと、高温条件下(例えば、熱間押出は、通
常、700〜770℃の高温条件下で行われる)で50
%以上のβ相を含む二相組織(α+β相組織)に容易に
変態することができ、その結果、複雑な形状の熱間加工
が可能となるような優れた熱間加工性が発揮されること
になるが、熱間加工材が室温まで冷却されたときには、
加工材が非平衡状態の結晶組織となってβ相が残留する
ことになり、同時に、主として結晶粒界で添加元素(特
に、錫,アンチモン,燐)の局部的な偏在が生じる。こ
のようなβ相の存在は熱間加工性を向上させる上では必
要なものであるが、その一方で、耐食性(耐脱亜鉛腐食
性,耐粒界腐食性)を低下させる原因となる。
【0022】そこで、第3〜第6銅基合金材において
は、第1又は第2銅基合金材と同一組成をなす熱間加工
材(熱間押出材,熱間鍛造材等)に適当な熱処理を施す
ことによって、耐食性の飛躍的向上を図っている。すな
わち、残留するβ相を消滅させ、粒界での元素の局部的
な偏在を解消し、粒内及び粒界での元素濃度分布を均一
化させることにより、銅含有量を63.5重量%以下と
したにも拘わらず、耐粒界腐食性を含めた耐食性を飛躍
的に向上させるのである。
【0023】而して、第3及び第4銅基合金材は、熱間
加工後(当該銅基合金材が2回以上の熱間加工を経て得
られるものである場合(1回以上の冷間加工を付加する
場合を含む)には、最終回の熱間加工の後)に、空冷さ
れた材料を500℃〜600℃,30分〜3時間の条件
で熱処理(焼鈍)したものである。かかる熱処理条件は
本発明者の実験,研究による判明事項に基づいて決定さ
れたものである。すなわち、熱処理温度が600℃を超
えるとβ相の消滅は却って困難となり、逆に、500℃
未満であると粒界での元素の局部的な偏在の解消及びβ
相消滅に多くの時間を要することになる。また、焼鈍時
間が30分未満では上記焼鈍効果がさほど発揮されな
い。逆に、3時間を超えても上記焼鈍効果は殆ど変わら
ず、経済的に無駄である。
【0024】ところで、第3及び第4銅基合金材では、
このような熱処理を行うために、第1及び第2銅基合金
材に比して製造コストが高くなる。例えば、熱処理には
温度管理手段を備えた格別の熱処理炉が必要であり、イ
ニシャルコストが高くなる。また、熱処理による消費熱
エネルギーの確保等に要するランニングコスト(電気代
等)も高くなる。
【0025】第5及び第6銅基合金材は、熱間加工直後
の材料が保有する熱エネルギーを熱処理の熱源として利
用することにより、熱間加工材を安価且つ簡便に熱処理
したものであり、上記した熱処理コストひいては製造コ
ストを可及的に低減させつつ、第3及び第4銅基合金材
と同等の耐食性を確保するようにしたものである。すな
わち、押出加工,鍛造加工等の熱間加工は、一般に、被
加工材料を700℃以上の高温に加熱して行われるた
め、当該熱間加工直後の材料自体の温度(以下「物温」
という)は、上記した熱処理温度と同様である(通常、
物温は600℃〜650℃である)。したがって、熱間
加工材を、加工後に空冷することなく、時間をかけて徐
々に降温させるようにすれば、格別の熱処理炉や大量の
熱エネルギーを必要とすることなく、常温まで空冷され
た熱間加工材を上記した如く熱処理した場合と同等の効
果が得られるものと考えられる。そこで、本発明者は、
このような物温を利用した簡易的な熱処理(自己焼鈍)
について実験,研究を繰り返すことにより、熱間加工直
後の材料(当該銅基合金材が2回以上の熱間加工を経て
得られるものである場合(1回以上の冷間加工を付加す
る場合を含む)には、最終回の熱間加工直後の材料)
を、物温(例えば、600℃)から480℃となるまで
4℃/分以下の冷却速度で徐冷するようにすれば、合金
組成を同じくする第1又は第2銅基合金材に比して耐食
性を飛躍的に向上させることができ、特に、冷却速度を
3℃/分以下とした場合には、第3又は第4銅基合金材
と同等の耐食性が確保されることを見出した。
【0026】かかる自己焼鈍は、連続処理炉を使用して
簡易に行うことができる他、物温を急激に低下させない
程度に熱間加工材を保温する程度の簡易炉(以下「自己
焼鈍炉」という)を使用して行うことができる。したが
って、格別の熱処理炉や熱エネルギーを必要とせず、第
3及び第4銅基合金材に比して熱処理コストや製造コス
トを大幅に低減することができる。自己焼鈍炉として
は、例えば、ヒータの発停により簡易な温度管理を行う
ことができる簡易炉や、化石燃料等の燃焼により鍛造直
後の物温を急冷しない程度に内部を加熱,保温された耐
火レンガ容器を使用することができる。なお、自己焼鈍
を施す場合、銅含有量をニッケル,錫との相乗効果によ
り安定したα単相組織又はγ相を含むα相組織を得る観
点から61.0重量%以上(63.5重量%以下)とし
ておくことが好ましい。
【0027】
【実施例】第1実施例として、表1及び表2に示す組成
をなす鋳塊(外径100mm,長さ150mmの円柱形
状をなす)を熱間(750℃)で外径23mmの丸棒状
に押出加工し、その後、常温まで空冷することによっ
て、第1銅基合金材No.1a〜No.14a及び第2
銅基合金材No.15a〜No.20aを得た。
【0028】また、比較例として、表3に示す組成をな
す鋳塊を第1実施例と同一条件(鋳塊形状及び押出条
件)で熱間押出して、その押出材(外径23mmの丸棒
材)を常温まで空冷することによって、比較例銅基合金
材No.21a〜No.36aを得た。なお、比較例銅
基合金材No.33aについては、組成上、熱間加工性
に劣るものであるため、押出加工途中で表面全体に亘っ
て鱗状の割れが生じ、押出材を得ることができなかっ
た。ところで、組成上、銅基合金材No.21aは「J
IS H3250 C3771」に、銅基合金材No.
22aは「JISH3250 C3604」に、銅基合
金材No.23aは「JIS H3250C3601」
に、また銅基合金材No.24aは「JIS H325
0 C4622」に夫々相当するものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】そして、第1及び第2銅基合金材No.1
a〜No.20aの被削性を比較例銅基合金材No.2
1a〜No.36a(押出加工を行い得なかった比較例
銅基合金材No.33aを除く)との比較において確認
すべく、次のようなドリルによる切削試験を行い、被加
工物に作用する切削力(トルク及びスラスト)と切屑の
生成形態とによって被削性を判定した。
【0033】すなわち、各銅基合金材No.1a〜N
o.36aから切断採取した試験片(長さ:30mm)
を、市販のAST式回転工具動力計((株)三保電機製
作所製,AST−BM型)にセットした上、試験片にド
リル径:3.5mm,ドリル回転数:1250rp
m.,ドリル送り量(軸線方向送り量):0.17mm
/rev.の条件で穴明け加工を施し、加工時において
試験片に作用するトルク(kgf・cm)及びスラスト
(kgf)を測定した。なお、AST式回転工具動力計
は、ドリルからのスラストにより生じた弾性歪を抵抗線
歪ゲージで検出するスラスト変換器とドリルからのトル
クにより生じた弾性歪を歪ゲージで検出するトルク変換
器とを備えたもので、ドリルによる穴明け加工時に試験
片に作用する切削力を回転力(トルク)と推力(スラス
ト)とに分けて同時に測定できるものである。
【0034】而して、AST式回転工具動力計により測
定されたトルク及びスラストは、第1及び第2銅基合金
材No.1a〜No.20aについては表4に示す通り
であり、比較例銅基合金材21a〜No.36aについ
ては表5に示す通りであった。
【0035】また、穴明け加工により生成した切屑の形
態を観察し、各銅基合金材No.1a〜No.36aに
おける切屑の形態を、図1(A)〜(C)に示す如く3
つに分類して、表4及び表5に示した。ところで、切屑
が、(C)図に示す如く、3巻以上の螺旋形状をなして
いる場合には、切屑の処理(切屑の回収や再利用等)が
困難となる上、切屑がドリル等の切削工具に絡み付いた
り、被加工物を損傷させる等のトラブルが発生して、良
好な切削加工を行なうことができない。また、切屑が、
(B)図に示す如く、半巻程度の円弧形状から2巻程度
の螺旋形状をなしている場合には、3巻以上の螺旋形状
をなす場合のような大きなトラブルは生じないものの、
やはり切屑の処理が容易ではなく、連続して切削加工を
行う場合等にあっては切削工具への絡み付きや切削表面
の損傷等を生じる虞れがある。しかし、切屑が、(A)
の如き扇形状片又は円弧形状片に剪断される場合には、
上記のようなトラブルが生じることがなく、(B)図や
(C)図に示すもののように嵩張らないことから、切屑
の処理も容易である。したがって、被削性を判断する上
では、(A)図に示すものが最良であり、(B)図や
(C)図に示すものは好ましくないとするのが相当であ
る。表4及び表5においては、(A)に示す最良の切屑
状態が観察されたものを「○」で、(B)図に示すやや
不良な切屑状態が観察されたものを「△」で、(C)図
に示す不良な切屑状態が観察されたものを「×」で示し
た。
【0036】表4及び表5に示す切削試験の結果から明
らかなように、第1及び第2銅基合金材No.1a〜N
o.20aは、鉛を大量に含有し被削性に優れる比較例
銅基合金材No.22a,No.23aに比しても、切
削力(トルク及びスラスト)が2倍以内であり、良好な
切削加工を行うことができるものである。また、第1及
び第2銅基合金材No.1a〜No.20aは、切屑の
生成形態においても良好であり、上記した切屑形態によ
る問題を全く生じないものである。このように、第1及
び第2銅基合金材No.1a〜No.20aは、被削性
向上に寄与する鉛成分を含有しないにも拘わらず、鉛を
大量に含有するものと同等の被削性を有するものであ
り、工業的に充分満足しうる被削性を有するものであ
る。
【0037】次に、第1及び第2銅基合金材No.1a
〜No.20aの熱間加工性及び機械的性質を、比較例
銅基合金材No.21a〜No.36aとの比較におい
て確認すべく、次のような熱間圧縮試験、熱間鍛造試験
及び引張試験を行った。
【0038】すなわち、熱間圧縮試験においては、各銅
基合金材No.1a〜No.36aの外周面を旋盤によ
り切削して、外径:15mm,長さ:24mmの試験片
を得た。そして、各試験片を、720℃及び770℃の
加熱条件下で、軸線方向に65%の圧縮率で圧縮(試験
片の高さ(長さ)が24mmから8.4mmになるまで
圧縮)して、各加熱条件下での圧縮後の表面形態(72
0℃変形能及び770℃変形能)を目視判定した。各変
形能の判定は、試験片表面の割れの有無及び大きさによ
って行った。その結果は、表4及び表5に示す通りであ
った。表4及び表5においては、試験片表面に割れが生
じなかったものを「○」で、小さな割れが生じたものを
「△」で、また大きな割れが生じたものを「×」で示し
た。ところで、発明者の経験によれば、このような熱間
圧縮試験により割れが生じないものでは、かなり複雑高
度な形状にも良好に鍛造することができ、小さな割れが
生じるにすぎないものでは、鍛造条件(加熱条件等)に
もよるが、鍛造形状が余程複雑なものでない限り、良好
な鍛造を行うことができる。特に、小さな割れが生じて
も、720℃及び770℃の何れかにおいて割れが生じ
ない場合には、被熱間加工材として実用上の問題は殆ど
生じない。しかし、720℃及び770℃の何れかにお
いて大きな割れが生じるようなものは、鍛造形状に拘わ
らず、良好な鍛造を行うことができず、被熱間加工材と
して不適当である。
【0039】また、熱間鍛造試験においては、各銅基合
金材No.1a〜No.36aから長さ50mmの試験
片を切断,採取して、この試験片を750℃の加熱条件
下で図2(A)に示す如き中空形状に鍛造し、その熱間
鍛造性を鍛造材表面の割れによって判定した。その結果
は、表4及び表5に示す通りであり、割れが生じなかっ
たものを「○」で、小さな割れが生じたものを「△」
で、また大きな割れが生じたものを「×」で示してあ
る。かかる形状の鍛造は、上記熱間圧縮試験に比して高
度なものであるが、各銅基合金材No.1a〜No.3
6aについての熱間鍛造性は上記変形能と同一傾向を示
した。なお、比較例銅基合金材26aは割れが甚だし
く、図2(A)の鍛造品を得ることができなかった。
【0040】また、引張試験においては、各銅基合金材
No.1a〜No.36aから試験片(長さ:300m
m)を切断,採取して、引張試験機により引張強さ(N
/mm2 )及び伸び(%)を測定した。
【0041】表4及び表5に示す熱間圧縮試験、熱間鍛
造試験及び引張試験の結果から、第1及び第2銅基合金
材No.1a〜No.20aは、何れも、熱間加工性な
いし機械的性質に優れる比較例銅基合金材No.21a
〜No.23aと同等若しくはそれ以上の熱間加工性及
び機械的性質を有するものであり、工業的に好適に使用
できるものであることが確認された。特に、第2銅基合
金材No.15a〜No.20aについては、第1銅基
合金材No.1〜No.14aに比しても優れた熱間加
工性を示しており、ミッシュメタルの含有効果が確認さ
れた。
【0042】また、第1銅基合金材No.1a〜No.
20aの耐食性を、比較例銅基合金材No.21a〜N
o.36aとの比較において確認すべく、「ISO 6
509」に定める方法による脱亜鉛腐食試験を行った。
【0043】すなわち、「ISO 6509」の脱亜鉛
腐食試験においては、各銅基合金材No.1a〜No.
36aから採取した試料を、暴露試料表面が押出加工時
の押出し方向(丸棒材の軸線方向)に対して直角となる
ようにしてフェノール樹脂材に埋込み、試料表面をエメ
リー紙により1200番まで研磨した後、これを純水中
で超音波洗浄して乾燥した。かくして得られた被腐食試
験試料を、1.0%の塩化第2銅2水和塩(CuCl2
・2H2 O)の水溶液(12.7g/l)中に浸漬し、
75℃の温度条件下で24時間保持した後、水溶液中か
ら取出して、その脱亜鉛腐食深さの最大値(最大腐食深
さ)と平均値(平均腐食深さ)を測定した。その結果
は、表4及び表5に示す通りであった。
【0044】表4及び表5に示す脱亜鉛腐食試験の結果
から理解されるように、第1及び第2銅基合金材1a〜
20aは、大量の鉛を含有する比較例銅基合金材No.
21a〜No.23aに比して優れた耐食性を有し、あ
る程度の耐食性を必要とする切削加工品の構成材として
好適に使用できるものであることが確認された。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】第2実施例として、表1及び表2に示す組
成をなす鋳塊を第1実施例と同一条件(鋳塊形状及び押
出条件)で押出加工して得た押出材(外径23mmの丸
棒材)を、常温となるまで空冷した後、冒頭で述べた条
件で熱処理することによって、第3銅基合金材No.1
b〜No.14b及びNo.5c〜No.9c並びに第
4銅基合金材No.15b〜No.20bを得た。これ
らの銅基合金No.1b〜No.20b及びNo.5c
〜No.9cは、言わば、第1実施例で得た銅基合金材
No.1a〜No.20aに適当な熱処理を施したもの
である。熱処理は、銅基合金No.1b〜No.20b
については550℃,30分の条件で行い、銅基合金N
o.5c〜No.9cについては500℃,3時間の条
件で行った。
【0048】また、比較例として、上記した比較例銅基
合金材No.21a〜No.36aを550℃,30分
の条件で熱処理して、比較例銅基合金材No.21b〜
No.36bを得た。なお、No.33bについては、
前述した如く被熱処理材No.33aを押出加工できな
いため、比較例として除外されている。
【0049】そして、これらの銅基合金材No.1b〜
No.20b及びNo.5c〜No.9c並びにNo.
21b〜No.36bについて、被削性を確認すべくA
ST式回転工具動力計を使用したドリル切削試験を行う
と共に、機械的性質(引張強さ及び伸び)を確認すべく
引張試験を行い、更に耐食性(最大腐食深さ及び平均腐
食深さ)を確認すべく「ISO 6509」の脱亜鉛腐
食試験を行った。これらの試験は第1実施例と全く同一
の手法により行ったものであり、その結果は表6及び表
7並びに表8に示す通りであった。
【0050】表6及び表7に示すドリル切削試験,引張
試験の結果から明らかなように、第3銅基合金材No.
1b〜No.14b,No.5c〜No.9c及び第4
銅基合金材No.15b〜No.20bは、第1銅基合
金材No.1a〜No.14a及び第2銅基合金材N
o.15a〜No.20aと同等又はそれ以上に優れた
被削性,機械的性質を有するものであることが確認され
た。なお、熱間加工性については確認試験を行っていな
いが、第1実施例同様の結果が得られることは明らかで
ある。
【0051】また、表6及び表7に示す脱亜鉛腐食試験
の結果から明らかなように、第3銅基合金材No.1b
〜No.14b,No.5c〜No.9c及び第4銅基
合金材No.15b〜No.20bは、何れも、熱処理
を行っていない第1及び第2銅基合金材No.1a〜N
o.20aに比して、耐食性が飛躍的に向上しており、
耐食性の向上を図る上で適切な熱処理を行うことが極め
て有効であることが確認された。
【0052】一方、表8から明らかなように、比較例銅
基合金材No.21b〜No.36bについては、熱処
理を行っていない比較例銅基合金材No.21a〜N
o.36aに比して耐食性が飛躍的に向上しているもの
が少ない。このことから、熱処理による耐食性の飛躍的
な向上は、合金組成と密接な関係があることが理解され
る。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】第3実施例として、表1及び表2に示す組
成をなす鋳塊を第1実施例と同一条件(鋳塊形状及び押
出条件)で押出加工し、その押出材(外径23mmの丸
棒材)を所定寸法(長さ:50mm)に切断した上、7
50℃に加熱した状態で、図2(A)に示す中空形状に
鍛造することによって、第1銅基合金材No.1d〜N
o.14d及び第2銅基合金材No.15d〜No.2
0dを得た。これらの銅基合金材No.1d〜No.2
0dは、言わば、第1実施例で得た銅基合金材No.1
a〜No.20aに更に適当な熱間加工つまり熱間鍛造
加工を施したものである。なお、かくして得られた第1
及び第2銅基合金材1d〜20dは、図2(A)に示す
如く、中空部100a,100b,100cを有する鍛
造材100であり、弁箱構成材として使用されるもので
ある。すなわち、鍛造材100は、最終的に切削加工さ
れることにより、図2(B)に示す如く、流入口101
a、流出口101b及びステム保持部101c等を有す
る弁箱101に仕上げられるものである。また、比較例
として、前記比較例銅基合金材No.21a〜No.3
6aを第3実施例と同一条件で鍛造して上記同一形状の
比較例銅基合金材No.21d〜No.36dを得た。
これらの銅基合金材No.1d〜No.20d及びN
o.21d〜No.36dは、上記した如く銅基合金材
No.1a〜No.36aについて行った熱間鍛造試験
で得られたものと同一であり、No.26d(及びN
o.33d)に対応する鍛造品が得られないことも含め
て、鍛造品表面の形態(割れの有無,大きさ)も当該熱
間鍛造試験で得られたものと同一である。勿論、第1銅
基合金材No.1d〜No.20dが被削性に優れるも
のであることは、第1実施例におけるドリル切削試験の
結果から容易に理解されるであろう。
【0057】そして、これらの銅基合金材No.1d〜
No.20d及びNo.21d〜No.36dについ
て、上記したと同様に、「ISO 6509」に定める
方法による脱亜鉛腐食試験を行った。すなわち、各銅基
合金材No.1d〜No.36dから採取した試料を、
暴露試料表面が鍛造による塑性流動方向に対して直角と
なるようにしてフェノール樹脂材に埋込み、試料表面を
エメリー紙により1200番まで研磨した後、これを純
水中で超音波洗浄して乾燥した。かくして得られた被腐
食試験試料を、1.0%の塩化第2銅2水和塩(CuC
2 ・2H2 O)の水溶液(12.7g/l)中に浸漬
し、75℃の温度条件下で24時間保持した後、水溶液
中から取出して、その脱亜鉛腐食深さの最大値(最大腐
食深さ)と平均値(平均腐食深さ)を測定した。その結
果は、表9及び表10に示す通りであった。
【0058】表9及び表10に示す脱亜鉛腐食試験の結
果から理解されるように、第1及び第2銅基合金材N
o.1d〜No.20dは、大量の鉛を含有する比較例
銅基合金材No.21d〜No.23dに比して優れた
耐食性を有し、ある程度の耐食性を必要とする切削加工
品の構成材(鍛造材)として好適に使用できるものであ
ることが確認された。
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】第4実施例として、第3実施例と同一条件
で熱間押出加工及び熱間鍛造加工を行うことにより、表
1及び表2に示す組成をなす鋳塊から第3実施例と同一
形状の鍛造材100(図2(A)参照)を得た上、この
鍛造材100を、常温となるまで空冷した後、冒頭で述
べた条件で熱処理することによって、第3銅基合金材N
o.1e〜No.14e及びNo.5f〜No.9f並
びに第4銅基合金材No.15e〜No.20eを得
た。これらの銅基合金材No.1e〜No.20e及び
No.5f〜No.9fは、言わば、第3実施例で得た
押出材No.1d〜No.20dに適当な熱処理を施し
たものである。熱処理は、銅基合金材No.1e〜N
o.20については550℃,30分の条件で行い、銅
基合金材No.5f〜9fについては500℃,3時間
の条件で行った。
【0062】また、比較例として、上記した比較例銅基
合金材No.21d〜No.36dを550℃,30分
の条件で熱処理して、比較例銅基合金材No.21e〜
No.36eを得た。なお、No.26e及びNo.3
3eに対応する鍛造品が得られないことは、前述した理
由から明らかであろう。
【0063】そして、これらの銅基合金材No.1e〜
No.20e及びNo.5f〜No.9f並びにNo.
21e〜No.36eについて、第3実施例と同一の手
法により、耐食性(最大腐食深さ及び平均腐食深さ)を
確認すべく「ISO 6509」の脱亜鉛腐食試験を行
った。その結果は表11及び表12に示す通りであっ
た。
【0064】表11に示す脱亜鉛腐食試験の結果から明
らかなように、第3銅基合金材No.1e〜No.14
e,No.5f〜No.9f及び第4銅基合金材No.
15e〜No.20eは、何れも、熱処理を行っていな
い第1及び第2銅基合金材No.1d〜No.20dに
比して、耐食性が飛躍的に向上しており、耐食性の向上
を図る上で適切な熱処理を行うことが極めて有効である
ことが確認された。比較例銅基合金材No.21e〜N
o.36eについては、表12から明らかなように、熱
処理を行っていない比較例銅基合金材No.21d〜N
o.36dに比して耐食性が飛躍的に向上しているもの
が少ない。すなわち、比較例銅基合金材No.21e〜
No.36eのうち、耐食性寄与元素(錫,燐,アンチ
モン)を含有しているものは熱処理により飛躍的に耐食
性が向上しているが、かかる元素を含有しないものは、
熱処理の有無によって耐食性はさほど変化せず、熱処理
による耐食性の飛躍的な向上は認められない。
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
【0067】第5実施例として、第3実施例と同一条件
で熱間押出加工及び熱間鍛造加工を行うことにより、表
1及び表2に示す組成をなす鋳塊から第3実施例と同一
形状の鍛造材100(図2(A)参照)を得た上、この
鍛造材100を、鍛造後に空冷することなく、適当な自
己焼鈍炉により、冒頭で述べた冷却速度で480℃とな
るまで徐冷し、その後、常温となるまで空冷することに
よって、第5銅基合金材No.1g〜No.14g及び
No.5h〜No.9h並びに第6銅基合金材No.1
5g〜No.20gを得た。これらの銅基合金材No.
1g〜No.20g及びNo.5h〜No.9hは、言
わば、第3実施例で得た鍛造材No.1d〜No.20
dをその鍛造直後の物温から480℃まで充分に時間を
かけて冷却(徐冷)することによって熱処理つまり自己
焼鈍したものである。鍛造直後の物温は約600℃〜6
50℃であり、この物温から480℃までの降温速度つ
まり冷却速度は、多少のバラツキはあるが、平均して、
銅基合金材No.1g〜No.20gについては2.7
℃/分であり、銅基合金材No.5h〜No.9hにつ
いては3.8℃/分であった。また、自己焼鈍炉とし
て、銅基合金材No.1g〜No.20gについてはヒ
ータの発停により簡易な温度管理を行うことができる簡
易炉を使用し、銅基合金No.5f〜No.9fについ
ては、燃料の燃焼により鍛造直後の物温を急冷しない程
度に内部を加熱,保温された耐火レンガ容器を使用し
た。
【0068】そして、これらの銅基合金材No.1g〜
No.20g及びNo.5h〜No.9hについて、被
削性を確認すべくAST式回転工具動力計を使用したド
リル切削試験を行うと共に、耐食性(最大腐食深さ及び
平均腐食深さ)を確認すべく「ISO 6509」の脱
亜鉛腐食試験を行った。これらの試験は前述した同一の
手法により行ったものであり、その結果は表13及び表
14に示す通りであった。
【0069】表13に示すドリル切削試験の結果から明
らかなように、第5銅基合金材No.1g〜No.14
g,No.5h〜No.9h及び第6銅基合金材No.
15g〜No.20gは、第1銅基合金材No.1a〜
No.14a及び第2銅基合金材No.15a〜No.
20aと同等又はそれ以上に優れた被削性を有するもの
であることが確認された。
【0070】また、表13に示す脱亜鉛腐食試験の結果
から明らかなように、第5銅基合金材No.1g〜N
o.14g,No.5h〜No.9h及び第6銅基合金
材No.15g〜No.20gは、簡易的な熱処理であ
る自己焼鈍をしたものではあるが、一般的な手法による
熱処理を行った第3銅基合金材No.1e〜No.14
e,No.5f〜No.9f及び第4銅基合金材No.
15e〜No.20eと同等の耐食性を有している。す
なわち、第5銅基合金材No.1g〜No.14g,N
o.5h〜No.9h及び第6銅基合金材No.15g
〜No.20gは、熱処理を行わない第1及び第2銅基
合金材No.1a〜No.20aに比して耐食性が飛躍
的に向上しており、耐食性の向上を図る上で自己焼鈍も
極めて有効な手段であることが確認された。また、冷却
速度を2.7℃/分とした銅基合金材No.1g〜N
o.20gは、3.8℃/分とした銅基合金材No.5
h〜No.9hに比して耐食性の向上程度が大きく、耐
食性の飛躍的な向上を図る上で、冷却速度を3℃/分以
下としておくことが好ましいことも確認された。
【0071】
【表13】
【0072】
【表14】
【0073】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明の無鉛銅基合金材は、被削性改善元素である
鉛成分を全く含まないにも拘わらず、工業的に満足しう
る被削性を有するものであるから、鉛を大量に含有する
従来の快削性銅合金の代替材料として安全に使用できる
ものであり、切屑の再利用等を含めて環境衛生上の問題
が全くなく、鉛含有製品が規制されつつある近時の傾向
に充分対応することができるものである。しかも、被削
性に加えて耐食性,熱間加工性,機械的性質に優れるも
のであるから、高度の安全衛生性が要求される上水道関
連製品(給水栓,給排水金具,バルブ,ステム,給湯配
管部品,熱交換器部品等)や鉛害を排除すべき工業製品
を含めて、耐食性を必要とする切削加工品,複雑な形状
の鍛造品等の各種黄銅製品の構成材として好適に使用す
ることができるものであり、その実用的価値極めて大な
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間製品たる鍛造材とこれを切削加工してなる
最終製品たる弁箱を示す断面図である。
【図2】切削加工時に生成する切屑の形態を3つに分類
して示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 684 C22F 1/00 684A 691 691A 691B 691C 692 692A 692B (72)発明者 大石 恵一郎 大阪府堺市三宝町8丁374番地 三宝伸銅 工業株式会社内 (72)発明者 下田 義人 長野県諏訪市湖岸通り5丁目11番90号 東 洋バルヴ株式会社内 (72)発明者 助川 東輔 長野県茅野市城山6番15号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅60.5〜63.5重量%、ビスマス
    0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量%、ニッ
    ケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.4重量
    %、アンチモン0.02〜0.10重量%及び燐0.0
    4〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避
    同伴不純物からなる金属組成をなすことを特徴とする無
    鉛銅基合金材。
  2. 【請求項2】 銅60.5〜63.5重量%、ビスマス
    0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量%、ニッ
    ケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.4重量
    %、アンチモン0.02〜0.10重量%及び燐0.0
    4〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避
    同伴不純物からなる金属組成をなし、500℃〜600
    ℃,30分〜3時間の条件で熱処理したことを特徴とす
    る無鉛銅基合金材。
  3. 【請求項3】 銅60.5〜63.5重量%、ビスマス
    0.5〜2.0重量%、錫0.5〜1.8重量%、ニッ
    ケル0.2〜0.7重量%、鉄0.04〜0.4重量
    %、アンチモン0.02〜0.10重量%及び燐0.0
    4〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避
    同伴不純物からなる金属組成をなす熱間加工材であっ
    て、熱間加工後に空冷することなく480℃となるまで
    4℃/分以下の冷却速度で徐冷したことを特徴とする無
    鉛銅基合金材。
  4. 【請求項4】 ミッシュメタル0.02〜0.1重量%
    を更に含有する金属組成をなすものであることを特徴と
    する、請求項1、請求項2又は請求項3に記載する無鉛
    銅基合金材。
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