JP3693994B2 - 鉛低減快削性銅合金 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削性改善元素であるPbの含有量を大幅に低減させた鉛低減快削性銅合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被削性に優れた銅合金として、一般に、「JIS H5111 CAC406」等の青銅系合金や「JIS H3250 C3604」「JIS H3250C3771」等の黄銅系合金が知られている。これらは1.0〜6.0mass%程度のPbを含有することによって被削性を向上させたものであり、従来からも、切削加工を必要とする各種製品(例えば、上水道用配管の水栓金具,給排水金具,継ぎ手,スラム,給湯器部品,バルブ,ボルト,ナット,ネジ,歯車,スピンドル,機械部品,電気部品等)の構成材として重宝されている。
【0003】
ところで、Pbはマトリックスに固溶せず、粒状をなして分散することによって所謂チップブレーカとして機能し、被削性を向上させるものであるが、Pb含有量が1mass%に満たない場合には、切屑が図1(D)の如く螺旋状に連なった状態で生成してバイトに絡み付く等の種々のトラブルを生じる。一方、Pb含有量が1.0mass%以上であれば、切削抵抗の軽減等を充分に図ることができるが、Pb含有量が2.0mass%に満たない場合には切削表面が粗くなる。したがって、工業的に満足しうる被削性を確保するためには、Pb含有量を2.0mass%以上としておくのが普通である。一般に、高度の切削加工が要求される銅合金展伸材においては約3.0mass%以上のPbが含有されており、青銅系の鋳物においては約5mass%のPbが含有されている。例えば、上記した「JIS H5111 CAC406」ではPb含有量が約5.0mass%である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、Pbは人体や環境に悪影響を及ぼす有害物質であるところから、近時においては、その用途が大幅に制限される傾向にある。例えば、Pbを大量に含有する合金を溶解,鋳造する等の高温作業時には、発生する金属蒸気にPb成分が含まれることになり、人体に悪影響を及ぼしたり、環境汚染の原因となる。また、大量のPbを含有する合金で構成された水栓金具や弁等にあっては、飲料水等との接触によりPb成分が溶出する虞れがある。また、大量のPbを含有する合金を構成材とする部品を含む家電製品や自動車等を、埋め立て等により廃棄処分した場合、それらのシュレッダダスト等の廃棄物からPbが溶出して、土壌汚染や地下水汚染の原因となる。そこで、近時、米国等の先進国においては銅合金におけるPb含有量を大幅に制限する傾向にあり、わが国においてもPb含有量を可及的に低減した快削性銅合金の開発が強く要請されている。
【0005】
本発明は、かかる世界的な傾向及び要請に応えるべくなされたもので、Pb含有量を従来の快削性銅合金に比して大幅に低減させつつも、工業的に充分満足しうる被削性を確保しうる鉛低減快削性銅合金を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成すべく、以下に述べる[1]〜[4]又は[5]〜[8]の合金組成をなすものであって[9]の金属組織をなす鉛低減快削性銅合金を提案する。すなわち、本発明は、第1に、Cu、Zn、Si及びPbを必須元素とし且つそれらの含有量を[1]〜[4]及び[9]の条件を満足するように決定した鉛低減快削性銅合金(以下「第1発明合金」という)を提案し、第2に、Cu、Zn、Si、Pb並びにSn及び/又はPを必須元素とし且つそれらの含有量を[5]〜[8]及び[9]の条件を満足するように決定した鉛低減快削性銅合金(以下「第2発明合金」という)を提案する。
【0007】
第1発明合金の合金組成
[1] Cu:66.0〜75.0mass%(より好ましくは、68.5〜74.5mass%)と、Zn:21.0〜32.0mass%(より好ましくは、22.0〜28.5mass%)と、Si:1.3〜2.4mass%(より好ましくは、1.7〜2.4mass%)と、Pb:0.4〜0.8mass%(より好ましくは、0.4〜0.7mass%)とを含有すること。
[2] Cu含有量とSi含有量との間に、60.0mass%≦Cu−4.5・Si≦65.0mass%(より好ましくは、60.5mass%≦Cu−4.5・Si≦64.0mass%)の関係を有すること。
[3] Zn含有量とSi含有量との間に、34.5mass%≦Zn+5.5・Si≦40.0mass%(より好ましくは、35.0mass%≦Zn+5.5・Si≦39.0mass%)の関係を有すること。
[4] Pb含有量とSi含有量との間に、1.5mass%≦1.5・Pb+0.6・Si≦2.4mass%(より好ましくは、1.6mass%≦1.5・Pb+0.6・Si≦2.2mass%)の関係を有すること。
【0008】
第2発明合金の合金組成
[5] Cu:66.0〜75.0mass%(より好ましくは、68.5〜74.5mass%)と、Zn:21.0〜32.0mass%(より好ましくは、22.0〜28.5mass%)と、Si:1.3〜2.4mass%(より好ましくは、1.7〜2.4mass%)と、Pb:0.4〜0.8mass%(より好ましくは、0.4〜0.7mass%)と、Sn:0.05〜1.5mass%及び/又はP:0.02〜0.2mass%とを含有すること。
[6] Cu含有量とSi含有量とSn含有量及び/又はP含有量との間に、60.0mass%≦Cu−4.5・Si−0.7・Sn−2・P≦65.0mass%(より好ましくは、60.5mass%≦Cu−4.5・Si−0.2・Sn−2・P≦64.0mass%)の関係を有すること。
[7] Zn含有量とSi含有量とSn含有量及び/又はP含有量との間に、34.5mass%≦Zn+5.5・Si+1.7・Sn+3・P≦40.0mass%(より好ましくは、35.0mass%≦Zn+5.5・Si+1.7・Sn+3・P≦39.0mass%)の関係を有すること。
[8] Pb含有量とSi含有量とSn含有量及び/又はP含有量との間に、1.5mass%≦1.5・Pb+0.6・Si+0.15・Sn+0.3・P≦2.4mass%(より好ましくは、1.6mass%≦1.5・Pb+0.6・Si+0.15・Sn+0.3・P≦2.2mass%)の関係を有すること。
【0009】
第1及び第2発明合金の金属組織
[9] α相をマトリックス(母相)としてγ相及び/又はκ相(γ相、κ相又はγ+κ相)を3〜30%(より好ましくは、5〜25%)含有すること。なお、ここにいうγ相、κ相又はγ+κ相の含有率(%)は、当該合金の金属組織全体に対する面積比率である。
【0010】
而して、Cuの含有量を多くすると、α相を容易に得ることができ、耐脱亜鉛腐食性、耐応力腐食割れ性及び冷間加工性を向上させることができるが、Cuの過量添加は熱間変形能を低下させることになる。これらの点を考慮して、Cuの含有量は66.0〜75.0mass%とするのが適当であり、68.5〜74.5mass%としておくことがより好ましい。
【0011】
Znはマトリックスに固溶して材料強度の向上に寄与するものであるが、Zn含有量が過小であると、熱間押出性,熱間鍛造性が低下することになり、またSiの添加効果との関係上、被削性改善に必要なγ,κ相の生成が困難となる。逆に、Zn含有量が過大であると、β相が出現し、冷間加工性が悪くなり、耐応力腐食割れ性,耐脱亜鉛腐食性も悪くなる。これらの点を考慮して、Zn含有量は21.0〜32.0mass%としておくのが適当であり、22.0〜28.5mass%としておくことがより好ましい。
【0012】
Pbはマトリックスに固溶せず、粒状をなして分散することによって、被削性を向上させるものである。一方、Siは金属組織中にγ,κ相を出現させることにより、被削性を改善するものである。このように、両者は合金特性における機能を全く異にするものであるが、被削性を改善させる点では共通する。
【0013】
而して、Siの添加量が1.3mass%未満では、工業的に満足しうる被削性を確保するに充分なγ,κ相の形成が行われない。すなわち、Si含有量は、後述する如く3%以上のγ,κ相を確保するためには1.3mass%以上としておく必要があり、5%以上のγ,κ相を確保するためには1.7mass%以上としておくことが好ましい。しかし、Si含有量が2.4mass%を超えると、γ,κ相が過剰となって、合金硬度が必要以上に高くなり、硬度との関係が大きいドリル切削等に必要される被削性を却って低下させる。また、充分な耐脱亜鉛腐食性,耐応力腐食割れ性を確保できない。したがって、Si含有量は1.3〜2.4mass%としておくのが適当であり、1.7〜2.4mass%としておくことがより好ましい。
【0014】
一方、Pbは、Si添加による被削性改善機能によって、その含有量を低減させることができるが、従来の快削性銅合金より優れた被削性を得るためには、Pbを0.4mass%以上添加することが好ましい。しかし、Pb添加量が0.8mass%を超えると、却って切削表面が粗くなると共に、熱間での加工性(例えば、鍛造性)が悪くなり、冷間での延性も低下する。そして、Pb含有量が0.8mass%以下の微量であれば、わが国を含めた先進各国において近い将来制定されるであろうPb含有量規制をクリアできると考えられ、特に、0.7mass%以下としておけば、当該規制が如何に厳格なものであったとしても、その規制を充分にクリアすることができると考えられる。したがって、Pb含有量は0.4〜0.8mass%としておくのが適当であり、0.4〜0.7mass%としておくことがより好ましい。
【0015】
Sn,Pは、何れも、Si添加によるγ,κ相の形成を促進させる機能を有するものであり、Sn及び/又はPを添加させることにより、α相マトリックスの耐蝕性を向上させ、γ,κ相の分散化により耐蝕性、鍛造性及び耐応力腐蝕割れ性の改善を図ることができる。Sn及び/又はPを含有させることによる上記機能,効果は、Sn含有量が0.05mass%以上である場合又はP含有量が0.02mass%以上である場合に発揮される。但し、当該機能は、Sn含有量が1.5mass%に達するか或いはP含有量が0.2mass%に達すると飽和状態となる。そして、Sn含有量が1.5mass%を超えるか或いはP含有量が0.2mass%を超えると、γ,κ相の形成促進効果が飽和状態となるばかりでなく、却って延性が低下する。したがって、Sn含有量は、0.05〜1.5mass%とすることが適当であり、P含有量は0.02〜0.2mass%とすることが適当である。
【0016】
而して、γ,κ相は硬く且つ脆い相であり、被削性を得るための適度な硬さであって且つ切削工具(バイト,ドリル等)を摩耗させない適度の硬さを有する相であることから、γ,κ相の少なくとも一方を含む金属組織となしておくことにより、Pbがチップブレーカとして充分に機能しうる程度にまで含有されていないときにも、被削性を向上させることができる。すなわち、Pbはマトリックスに固溶せず粒状に分散することから、Pb含有量がチップブレーカとして機能し得ない程度の微量であっても、母相としてのα相の存在下におけるPbとγ相、κ相又はγ+κ相との相互作用により、大量のPbを含有した場合と同等の被削性改善効果が奏せられる。一方、α相は冷間加工性を向上させるために必要な相であり、かかる機能はα相以外の相では発揮されない。α相以外の相、例えばβ相を含有していると、冷間加工性を却って悪化させることになる。γ相,κ相も冷間加工性を低下させる原因となるが、含有量が一定以下であれば冷間加工性を低下させるようなことがない。α相は延性のある柔らかい相であるから、α相をマトリックスとして、そのマトリックス中にγ相,κ相が分散して存在することにより、Pb含有量が微量であっても、被削性を飛躍的に向上させることができる。しかし、かかるPbとの相互作用による被削性改善効果は、αをマトリックスとする金属組織全体におけるγ相,κ相,γ+κ相の含有率(γ相,κ相の合計含有率)が3%未満である場合は充分に発揮されず、工業的に満足できる被削性を確保するためには3%以上であることが必要であり、5%以上であることが好ましい。逆に当該含有率が30%を超えると、材料強度が必要以上に大きくなって冷間加工性が悪くなる。また、γ相,κ相は工具を摩耗させない硬さであるといってもそれには限度があり、当該含有率(特に、より硬いγ相の含有率)が30%を超えると、工具寿命に悪影響を及ぼすことになり、またPbとの共添下でのチップブレーカとしての機能も飽和することになる(当該含有率が30%を大幅に超えることにより、却ってチップブレーカとしての機能が低下することもある)。したがって、γ相,κ相,γ+κ相の含有率は30%以下に抑えておくことが必要であり、広範な用途に好適に供しうるためには25%以下としておくことが好ましい。このような点から、金属組織は、α相をマトリックスとすることを条件として、γ相,κ相,γ+κ相の何れかを3〜30%含有するものであることが必要であり、5〜25%含有するものであることがより好ましい。
【0017】
また、このような金属組織(前記[9]の金属組織)をなすことにより工業的に満足しうる被削性を確保するためには、Cu,Zn,Pb,Si,Sn,Pの各含有量が上記した範囲にあることが必要であることは勿論であるが、熱間,冷間での加工性や耐食性(耐脱亜鉛腐食性,耐応力腐食割れ性)の点からは、これらの含有量相互の関係を考慮する必要があり、Sn,Pを含有しない場合においては前記[2]〜[4]の関係が満足され、Sn及び/又はPを含有する場合においては前記[6]〜[8]の関係が満足される必要がある。
【0018】
すなわち、前記[2][6]の含有量式(以下「第1含有量式」と総称し、Sn,Pを何れも含有させた場合の式「Cu−4.5・Si−0.7・Sn−2・P」で表すこととする。すなわち、Sn,Pを何れも含有させない場合における[2]の含有量式は、第1含有量式にSn=P=0を代入して得られる「Cu−4.5・Si」となり、Sn,Pの一方を含有させる場合における[6]の含有量式は、第1含有量式にP=0を代入して得られる「Cu−4.5・Si−2・P」又はSn=0を代入して得られる「Cu−4.5・Si−2・P」となる。)の値が60.0mass%未満である場合、前記[3][7]の含有量式(以下「第2含有量式」と総称し、Sn,Pを何れも含有させた場合の式「Zn+5.5・Si+1.7・Sn+3・P」で表すこととする。すなわち、Sn,Pを何れも含有させない場合における[3]の含有量式は、第2含有量式にSn=P=0を代入して得られる「Zn+5.5・Si」となり、Sn,Pの一方を含有させる場合における[7]の含有量式は、第1含有量式にP=0を代入して得られる「Zn+5.5・Si+1.7・Sn」又はSn=0を代入して得られる「Zn+5.5・Si+3・P」となる。)の値が34.5mass%未満である場合、または前記[4][8]の含有量式(以下「第3含有量式」と総称し、Sn,Pを何れも含有させた場合の式「1.5・Pb+0.6・Si−0.15・Sn+0.3・P」で表すこととする。すなわち、Sn,Pを何れも含有させない場合における[4]の含有量式は、第3含有量式にSn=P=0を代入して得られる「1.5・Pb+0.6・Si」となり、Sn,Pの一方を含有させる場合における[8]の含有量式は、第3含有量式にP=0を代入して得られる「1.5・Pb+0.6・Si−0.15・Sn」又はSn=0を代入して得られる「1.5・Pb+0.6・Si+0.3・P」となる。)の値が1.5mass%未満である場合には、冷間加工性が低下すると共に、脱亜鉛腐食,応力腐食割れを生じる虞れがある。特に、第3含有量式の値が1.5mass%未満であると、被削性にも悪影響を及ぼし、充分な被削性を得ることができなくなる。したがって、このような問題が生じないためには、第1含有量式の値が60.0mass%以上、第2含有量式の値が34.5mass%以上及び第3含有量式の値が1.5mass%以上であることが必要であり、冷間加工性,耐脱亜鉛腐食性,耐応力腐食割れ性,被削性を充分に確保するためには、第1含有量式の値が60.5mass%以上、第2含有量式の値が35.0mass%以上及び第3含有量式の値が1.6mass%以上であることがより好ましい。一方、第1含有量式の値が65.0mass%を超える場合、第2含有量式の値が40.0mass%を超える場合、又は第3含有量式の値が2.4mass%を超える場合には、熱間加工性,成形性が低下して、熱間押出が困難となったり熱間鍛造時に割れを生じる等の問題がある。したがって、このような問題が生じないためには、第1含有量式の値が65.0mass%以下、第2含有量式の値が40.0mass%以下及び第3含有量式の値が2.4mass%以下であることが必要であり、熱間加工性,成形性を充分に確保するためには、第1含有量式の値が64.0mass%以下、第2含有量式の値が39.0mass%以下及び第3含有量式の値が2.2mass%以下であることがより好ましい。
【0019】
このように、銅合金本来の特性を損なうことなく、Pb含有量を大幅に低減させつつ工業的に満足しうる被削性(チップブレーカとして機能させるに十分な量のPbを含有させたものと同等又はそれ以上の被削性)を確保するためには、第1又は第2発明合金におけるCu,Zn,Pb,Si,Sn,Pの含有量を、[1]〜[4]又は[5]〜[8]の条件を満たす範囲において[9]の金属組織が得られるように設定しておく必要がある。すなわち、[1]〜[4]又は[5]〜[8]の合金組成は[9]の金属組織を得るための必要条件ではあるが、十分条件ではない。逆に、[9]の金属組織は上記した被削性を確保するための必要条件であるが、十分条件でない。当該被削性を確保するためには、[1]〜[4]又は[5]〜[8]の合金組成をなし且つ[9]の金属組織をなすことが必要十分条件となるのである。
【0020】
また、本発明は、第3に、用途に応じて必要とされる合金特性の確保及び向上を図るために、第1又は第2発明合金の構成元素に加えて、Sb,As,Mn,Ni,Al,Fe,Coから選択した1種以上の元素を含有させた鉛低減快削性銅合金(以下「第3発明合金」という)を提案する。すなわち、第3発明合金は、以下に述べる[10]の合金組成(Cu,Zn,Si,Pbについてはそれらの含有量間に前記[2]〜[4]の関係を有する)又は[11]の合金組成(Cu,Zn,Si,Pb,Sn,Pについてはそれらの含有量間に前記[6]〜[8]の関係を有する)をなし且つ前記[9]の金属組織をなすものである。
【0021】
[10] Cu:66.0〜75.0mass%(より好ましくは、68.5〜74.5mass%)と、Zn:21.0〜32.0mass%(より好ましくは、22.0〜28.5mass%)と、Si:1.3〜2.4mass%(より好ましくは、1.7〜2.4mass%)と、Pb:0.4〜0.8mass%(より好ましくは、0.4〜0.7mass%)と、Sb:0.02〜0.20mass%,As:0.02〜0.20mass%、Mn:0.05〜2.0mass%,Ni:0.05〜2.0mass%,Al:0.05〜2.0mass%,Fe:0.05〜0.5mass%,Co:0.05〜0.5mass%から選択された1種以上の元素とを含有すること。
[11] Cu:66.0〜75.0mass%(より好ましくは、68.5〜74.5mass%)と、Zn:21.0〜32.0mass%(より好ましくは、22.0〜28.5mass%)と、Si:1.3〜2.4mass%(より好ましくは、1.7〜2.4mass%)と、Pb:0.4〜0.8mass%(より好ましくは、0.4〜0.7mass%)と、Sn:0.05〜1.5mass%及び/又はP:0.02〜0.2mass%と、Sb:0.02〜0.20mass%,As:0.02〜0.20mass%、Mn:0.05〜2.0mass%,Ni:0.05〜2.0mass%,Al:0.05〜2.0mass%,Fe:0.05〜0.5mass%,Co:0.05〜0.5mass%から選択された1種以上の元素とを含有すること。
【0022】
Sb,Asは、Pと同様に、耐脱亜鉛腐食性等を向上させる機能を有するものであり、Pの代替元素としても使用することができるものである。Sb及び/又はAsを添加することによる当該機能は、Sb,As含有量を0.02mass%以上とすることで発揮される。しかし、Sb,Asを0.2mass%を超えて添加しても、添加量に見合う効果が得られないばかりか、Pの過剰添加と同様に、熱間鍛造性,押出性が却って低下する。
【0023】
Mn,Niは、Siと結合してMnX SiY 又はNiX SiY の微細金属間化合物を形成して、マトリックスに均一に析出し、それにより耐摩耗性,強度を向上させる。したがって、Mn及び/又はNiを添加することにより、高力性,耐摩耗性が改善される。かかる効果は、Mn,Niを夫々0.05mass%以上添加することにより発揮される。しかし、2.0mass%を超えて添加しても、効果が飽和状態となり、添加量に見合う効果は得られない。
【0024】
Alは、Snと同様に、γ相形成を促進させる機能を有するものであり、Snと共に或いはこれに代えて添加することにより、Cu−Si−Zn系合金の被削性を更に向上させることができる。Alには、被削性の他、強度,耐摩耗性,耐高温酸化性を改善させる機能や合金比重を低下させる機能もあるが、被削性改善機能が発揮されるためには、少なくとも0.05mass%添加させる必要がある。しかし、2.0mass%を超えて添加しても、添加量に見合った被削性改善効果はみられないし、Snと同様に延性の低下を招来する。
【0025】
Feは、合金の結晶粒を微細化させ、これによって強度を高める機能があり、被削性を向上させる効果も奏しうる。かかる機能,効果は、Fe含有量を0.05mass%以上とすることで発揮される。しかし、Feを0.5mass%を超えて添加しても、添加量に見合う効果が認められず、却ってSiとの化合物を生成して被削性に悪影響を与える。また、耐食性に悪影響を与える虞れもある。
【0026】
Coは、熱間押出,鍛造等の高温加熱条件下での結晶粒の粗大化を抑制するための必須元素である。すなわち、Coの添加により、高温(600〜700℃以上)に加熱されたときにおける結晶粒の成長を良好に抑制して、金属組成を微細に保持させることができ、微細化により被削性の向上に寄与すると共に、高温加熱後の合金の耐疲労性も向上する。而して、このようなCo添加による効果は、その添加量が0.05mass%未満であるときは、充分に発揮されない。一方、Co添加による効果には限度があり、0.5mass%を超えて添加しても、添加量に見合う効果を得ることができないし、却って、Siとの化合物を生成して被削性に悪影響を及ぼす虞れがある。
【0027】
ところで、銅合金の製造においては、製造条件等により不純物が混入する虞れがあるが、上記した第1〜第3発明合金を製造するに当っては、不純物としてBiの混入に最大の注意を払うべきであり、本発明は、第4に、第1〜第3発明合金において、不純物としてのBiの含有量が0.05mass%以下(より好ましくは0.03mass%以下)であり且つ当該含有量をPb含有量で除した値Bi/Pbが0.1を超えない(より好ましくは値Bi/Pb≦0.05以下)ことを提案する。
【0028】
すなわち、第1〜第3発明合金にあって、Biが混入すると、300℃での衝撃強さが著しく低下することから、切削加工時において、加工の種類にもよるが、被加工材の温度が300℃近くまで上昇するようなことがあり且つ何らかの衝撃が加わるようなことがあると、割れが発生する虞れがある。したがって、Biの混入は極力回避すべきであり、不可避的にBiが混入する場合にあっても、その混入量(不純物としてのBiの含有量)が0.05mass%以下であり且つ当該含有量をPb含有量で除した値Bi/Pbが0.1を超えないことが必要である。すなわち、不純物としてBiを含有しない場合は勿論であるが、含有する場合においても、その含有量が0.05mass%以下であり且つPb含有量に対する割合(Bi/Pb)が0.1以下であれば上記した問題は殆ど生じないし、Bi含有量が0.03mass%以下であり且つPb含有量に対する割合(Bi/Pb)が0.05以下であれば、かかる問題は全く生じない。なお、重金属であるBiを含有することにより冒頭で述べたPb含有による問題と同様の問題が生じるとしても、Bi含有量が0.05mass%以下であれば、格別の問題を生じる虞れもないと考えられ、0.03mass%以下であれば問題は全く生じない。
【0029】
【実施例】
実施例として、表1〜表3に示す組成の鋳塊(外径100mm,長さ150mmの円柱形状のもの)を熱間(750℃)で外径15mmの丸棒状に押出加工して、第1発明合金No.101〜No.118、第2発明合金No.201〜No.225及び第3発明合金No.301〜No.320を得た。これらの発明合金No.101〜No.118,No.201〜No.225,No.301〜No.320は、表1〜表3に示す如く、前記[1]〜[4]又は[5]〜[8]の組成条件及び前記[9]の金属組織条件を満足するものである。
【0030】
また、比較例として、表4に示す組成の鋳塊(外径100mm,長さ150mmの円柱形状のもの)を、実施例と同様に、熱間(750℃)で押出加工して、外径15mmの丸棒状押出材(以下「比較例合金」という)No.401〜No.420を得た。これらの比較例合金No.401〜No.420は、表4に示す如く、少なくとも前記[1]〜[4]又は[5]〜[8]の組成条件及び前記[9]の金属組織条件の何れかを満足しないものである。なお、合金No.409及びNo.415については、熱間押出ができず、比較例合金を得ることができなかった。ところで、合金No.401は「JIS C3604」に相当するものであり、合金No.402は「JIS C3602」に相当するものであり、合金No.403は「JIS C3771」に相当するものであり、合金No.404は「JIS C3712」に相当するものであり、合金No.405は「JIS C4622」に相当するものである。
【0031】
なお、表1〜表4における「γ+κ(%)」は、κ相を含有しない場合におけるγ相の含有率、γ相を含有しない場合におけるκ相の含有率及びγ,κ相を含有する場合における両相の合計含有率の値(%)を示す。
【0032】
而して、第1〜第3発明合金No.101〜No.118,No.201〜225,No.301〜No.320及び比較例合金No.401〜No.420(No.409及びNo.415を除く)について、被削性を確認すべく、次のような切削試験を行ない、切削主分力、切屑状態及び切削表面形態を判定した。
【0033】
すなわち、上記の如くして得られた各合金材(押出材)の外周面を、真剣バイト(すくい角:−8°)を取り付けた旋盤により、切削速度:50m/分,切込み深さ(切削代):1.5mm,送り量:0.11mm/rev.の条件で切削し、バイトに取り付けた3分力動力計からの信号を重歪測定器により電圧信号に変換してレコーダで記録し、これを切削抵抗に換算した。ところで、切削抵抗の大小は3分力つまり主分力、送り分力及び背分力によって判断されるが、ここでは、3分力のうち最も大きな値を示す主分力(N)をもって切削抵抗の大小を判断することとした。その結果は、表5〜表8に示す通りであった。
【0034】
また、切削により生成した切屑の状態を観察し、その形状によって図1(A)〜(D)に示す如く4つに分類して、表5〜表8に示した。ところで、切屑が、(D)図に示す如く、3巻以上の螺旋形状をなしている場合には、切屑の処理(切屑の回収や再利用等)が困難となる上、切屑がバイトに絡み付いたり、切削表面を損傷させる等のトラブルが発生して、良好な切削加工を行なうことができない。また、切屑が、(C)図に示す如く、半巻程度の円弧形状から2巻程度の螺旋形状をなしている場合には、3巻以上の螺旋形状をなす場合のような大きなトラブルは生じないものの、やはり切屑の処理が容易ではなく、連続切削加工を行う場合等にあってはバイトへの絡み付きや切削表面の損傷等を生じる虞れがある。しかし、切屑が、(A)図に示す如き微細な針形状片や(B)図に示す如き小さな扇形状片又は円弧形状片に剪断される場合には、上記のようなトラブルが生じることがなく、(C)図や(D)図に示すもののように嵩張らないことから、切屑の処理も容易である。但し、切屑が(A)図のような微細形状に剪断される場合には、旋盤等の工作機械の摺動面に潜り込んで機械的障害を発生したり、作業者の手指,目に刺さる等の危険を伴うことがある。したがって、被削性を判断する上では、(B)図に示すものが最良であり、(A)図に示すものがこれに続き、(C)図や(D)図に示すものは不適当とするのが相当である。表5〜表8においては、(B)図に示す最良の切屑状態が観察されたものを「◎」で、(A)図に示すやや良好な切屑状態が観察されたものを「○」で、(C)図に示す不良な切屑状態が観察されたものを「△」で、(D)図に示す最悪の切屑状態が観察されたものを「×」で示した。
【0035】
また、切削後において、切削表面の良否を表面粗さにより判定した。その結果は、表5〜表8に示す通りであった。ところで、表面粗さの基準としては最大高さ(Rmax)が使用されることが多く、黄銅製品の用途にもよるが、一般に、Rmax<10μmであれば極めて被削性に優れると判断することができ、10μm≦Rmax<15μmであれば工業的に満足しうる被削性を得ることができたものと判断でき、Rmax≧15μmの場合には被削性に劣るものと判断できる。表5〜表8においては、Rmax<10μmの場合を「○」で、10μm≦Rmax<15μmの場合を「△」で、Rmax≧15μmの場合を「×」で示した。
【0036】
表5〜表8に示す切削試験の結果から明らかなように、第1〜第3発明合金No.101〜No.118,No.201〜No.225,No.301〜No.320は、その何れにおいても、Pbを大量に含有する比較例合金No.401〜No.403と同等以上の被削性を有するものである。
【0037】
さらに、熱間加工性及び機械的性質を確認すべく、次のような熱間圧縮試験及び引張試験を行った。
【0038】
すなわち、上記の如くして得られた各押出材から同一形状(外径15mm,長さ25mm)の第1及び第2試験片を切り出した。そして、熱間圧縮試験においては、各第1試験片を700℃に加熱して30分間保持した上、軸線方向に70%の圧縮率で圧縮(第1試験片の高さ(長さ)が25mmから7.5mmになるまで圧縮)して、圧縮後の表面形態(700℃変形能)を目視判定した。その結果は、表5〜表8に示す通りであった。変形能の判定は試験片側面におけるクラックの状態から目視により行い、表5〜表8においては、クラックが全く生じなかったものを「○」で、小さなクラックが生じたものを「△」で、大きなクラックが生じたものを「×」で示した。また、各第2試験片を使用して、常法による引張試験を行ない、引張強さ(N/mm2 )及び伸び(%)を測定した。
【0039】
また、耐蝕性及び耐応力腐蝕割れ性を確認すべく、「ISO 6509」に定める方法による脱亜鉛腐蝕試験及び「JIS H3250」に規定される応力腐蝕割れ試験を行った。
【0040】
すなわち、「ISO 6509」の脱亜鉛腐蝕試験においては、各押出材から採取した試料を、暴露試料表面が当該押出材の押出し方向に対して直角となるようにしてフェノール樹脂材に埋込み、試料表面をエメリー紙により1200番まで研磨した後、これを純水中で超音波洗浄して乾燥した。かくして得られた被腐蝕試験試料を、1.0%の塩化第2銅2水和塩(CuCl2 ・2H2O)の水溶液(12.7g/L)中に浸漬し、75℃の温度条件下で24時間保持した後、水溶液中から取出して、その脱亜鉛腐蝕深さの最大値(最大脱亜鉛腐蝕深さ)を測定した。その結果は、表5〜表8に示す通りであった。
【0041】
また、「JIS H3250」の応力腐蝕割れ試験においては、各押出材から長さ150mmの試料を切り出し、各試料を、その中央部を半径40mmの円弧状治具に当てた状態で、その一端部が他端部に対して45°となるように折曲させて、試験片とした。このようにして引張残留応力を付加された各試験片を脱脂,乾燥処理した上、12.5%のアンモニア水(アンモニアを等量の純水で薄めたもの)を入れたデシケータ内のアンモニア雰囲気(25℃)中に保持させた。すなわち、各試験片をデシケータ内におけるアンモニア水面から約80mm上方の位置に保持する。そして、試験片のアンモニア雰囲気中における保持時間が、2時間,8時間,24時間を経過した時点で、試験片をデシケータから取り出して、10%の硫酸で洗浄した上、当該試験片の割れの有無を拡大鏡(倍率:10倍)で視認した。その結果は、表5〜表8に示す通りであった。これらの表においては、アンモニア雰囲気中での保持時間が2時間である場合に明瞭な割れが認められたものについては「××」で、2時間経過時においては割れが認められなかったが、8時間経過時においては明瞭な割れが認められたものについては「×」で、8時間経過時においては割れが認められなかったが、24時間経過時においては明瞭な割れが認められたものについては「△」で、24時間経過時においても割れが全く認められなかったものについては「○」で示した。
【0042】
表5〜表8に示す熱間圧縮試験,引張試験,脱亜鉛腐蝕試験,応力腐蝕割れ試験の結果から、[1]〜[4]又は[5]〜[8]の組成条件及び[9]の金属組織条件の少なくとも何れかを欠く比較例合金は、被削性,熱間加工性,冷間加工性、機械的性質,耐脱亜鉛腐蝕性,耐応力腐蝕割れ性の少なくとも何れか特性に劣るものであるが、第1〜第3発明合金No.101〜No.118,No.201〜No.225,No.301〜No.320はこれらの全ての特性に優れるものであり、工業的に好適に使用できる極めて実用性に富むものであることが理解される。
【0043】
また、第1発明合金No.110,No.111、第2発明合金No.218及び比較例合金No.401〜No.403,No.417〜No.419について、300℃の温度条件下で衝撃試験を行い、シャルピー衝撃試験値を測定した。衝撃試験は、JIS Z 2242に規定する金属材料衝撃試験方法によって、JIS Z 2202に規定するUノッチ試験片及びJIS B 7722に規定するシャルピー衝撃試験機を使用して行った。その結果は、表5,表6及び表8に示す通りであった。なお、シャルピー衝撃値は吸収エネルギーを切り欠き部の断面積で割ったものであり、この値が低いものは、打撃に対する吸収緩和力が小さい材料、つまり脆い材料ということになる。
【0044】
表5,表6及び表8に示す如く、Biを含有しない合金No.110,No.111、No.218及びNo.401〜No.403に比して、Bi含有量が0.05mass%を超え且つその含有量をPb含有量で除した値Bi/Pbが0.1を超える合金No.417の衝撃値は極めて低くなっている。一方、Biを含有していても、Bi含有量が0.05mass%以下であり且つBi/Pb≦0.1である合金No.418の衝撃値はさほど低くなっておらず、特に、Bi含有量が0.03mass%以下であり且つBi/Pb≦0.05である合金No.419の衝撃値はBiを含有しないものと同等である。したがって、かかる点から、冒頭で述べた如く切削加工時の割れを防止するためには、Biを含有させないことが必要であり、不純物として不可避的にBiが混入する場合においても、Bi含有量≦0.05mass%,Bi/Pb≦0.1となるように、より好ましくはBi含有量≦0.05mass%,Bi/Pb≦0.05となるように、製造条件等を厳格に管理しておく必要があることが理解される。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【発明の効果】
以上の説明から容易に理解されるように、本発明の鉛低減快削性銅合金は、被削性改善元素であるPbの含有量を大幅に低減(0.8mass%以下又は0.7mass%以下)させているにも拘わらず、極めて被削性に富むものであり、Pbを大量に含有する従来の快削性銅合金の代替材料として安全に使用できるものであり、切屑の再利用等を含めて環境衛生上の問題が全くなく、Pb含有製品が規制されつつある近時の傾向に充分対応することができる。しかも、被削性に加えて耐蝕性にも優れるものであり、耐蝕性を必要とする切削加工品,鍛造品,鋳物製品等(例えば、給水栓,給排水金具,バルブ,ステム,給湯配管部品,シャフト,熱交換器部品等)の構成材として好適に使用することができるものであり、その実用的価値極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】切屑の形態を示す斜視図である。
Claims (4)
- Cu:66.0〜75.0mass%、Zn:21.0〜32.0mass%、Si:1.3〜2.4mass%及びPb:0.4〜0.8mass%を、それらの含有量間に60.0mass%≦Cu−4.5・Si≦65.0mass%、34.5mass%≦Zn+5.5・Si≦40.0mass%及び1.5mass%≦1.5・Pb+0.6・Si≦2.4mass%の関係を有するように、含有する合金組成をなすと共に、α相をマトリックスとしてγ相及び/又はκ相を3〜30%含有する金属組織をなすことを特徴とする鉛低減快削性銅合金。
- Cu:66.0〜75.0mass%、Zn:21.0〜32.0mass%、Si:1.3〜2.4mass%、Pb:0.4〜0.8mass%並びにSn:0.05〜1.5mass%及び/又はP:0.02〜0.2mass%を、それらの含有量間に60.0mass%≦Cu−4.5・Si−0.7・Sn−2・P≦65.0mass%、34.5mass%≦Zn+5.5・Si+1.7・Sn+3・P≦40.0mass%及び1.5mass%≦1.5・Pb+0.6・Si+0.15・Sn+0.3・P≦2.4mass%の関係を有するように、含有する合金組成をなすと共に、α相をマトリックスとしてγ相及び/又はκ相を3〜30%含有する金属組織をなすことを特徴とする鉛低減快削性銅合金。
- Sb:0.02〜0.20mass%、As:0.02〜0.20mass%、Mn:0.05〜2.0mass%、Ni:0.05〜2.0mass%、Al:0.05〜2.0mass%、Fe:0.05〜0.5mass%及びCo:0.05〜0.5mass%の少なくとも何れかを、更に含有する合金組成をなすことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載する鉛低減快削性銅合金。
- 不純物としてのBiの含有量が0.05mass%以下であり且つ当該含有量をPb含有量で除した値Bi/Pbが0.1を超えないことを特徴とする、請求項1、請求項2又は請求項3に記載する鉛低減銅合金。
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