JP2005281800A - 銅基合金とこの合金を用いた鋳塊・製品 - Google Patents

銅基合金とこの合金を用いた鋳塊・製品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐エロージョン・コロージョン性、耐鋳造割れ性を飛躍的に改善し、更に高温下における耐衝撃性を向上して、切削性、機械的性質、耐食性等が要求されるあらゆる分野に広く適用することが可能な経済性にも優れた銅基合金とこの合金を用いた鋳塊・製品を提供する。
【解決手段】Cuの含有量を61.0〜61.8重量%、Snの含有量を0.8〜2.4重量%とする組成を有し、耐脱亜鉛性、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善した銅基合金である。
【選択図】 図6

Description

本発明は、切削性、機械的性質、耐食性等が要求される分野に好適な銅基合金に関し、特に、耐脱亜鉛性、耐エロージョン・コロージョン性、耐鋳造割れ性に極めて優れ、更に高温下における耐衝撃性を向上した銅基合金とこの合金を用いた鋳塊・製品に関する。
銅合金中のZnは、CuとZnのイオン化傾向の違いから流体中に溶出しやすくなり、時間の経過とともにそのZn含有量は減少する。例えば、弁・栓類のように適用流体が水等である場合、この脱亜鉛腐食の現象を防ぐことは重要である。特に、弁・栓類の接液部における異種金属の組み合わせで腐食が発生し、弁等のシート部では高速流体のためにエロージョンが発生しやすい。従って、水栓金具等に使用される伸銅品及び鋳物材料には、耐脱亜鉛性、耐エロージョン・コロージョン性が要求される。
黄銅における耐脱亜鉛性は、P、Sb、Asを微少量添加して熱処理を施すことにより発現することが知られており、耐エロージョン・コロージョン性については、Snを0.2重量%以上添加したり、Alを2.0重量%以上添加して発現することが知られている。また、Pb溶出基準の改正に伴い、従来から切削性を向上させるために添加されてきたPbは、BiやSiに置き換えられている。現在、耐食性に優れた銅合金として各種のものが提案されており、その代表例を以下に示す(例えば、特許文献1乃至5参照。)。
例えば、特開平8−337831号公報(特許文献1)は、α相とβ相との2相からなる銅合金に、Sn0.05〜0.2重量%、Sb、As又はPのいずれか1種又は2種以上0.05〜0.3重量%を含有して、耐食性を向上させた銅合金である旨記載されている。特開2000−239765号公報(特許文献2)は、Sn0.3〜1.0重量%、Ni0.5〜1.0重量%、Al0.4〜0.8重量%、P0.01〜0.03重量%を添加して、耐脱亜鉛性を改善した無鉛耐食性黄銅合金である旨記載されている。特開2001−64742号公報(特許文献3)は、Sn0.2〜4重量%、P0.001〜0.5重量%、Al,Ni,Mg,Sbのうちから一種以上を0.05〜2.0重量%添加して、主として脱亜鉛腐食と選択腐食を防止して耐食性を向上させた黄銅合金である旨記載されている。特開平10−140270号公報(特許文献4)は、黄銅にSn4〜10質量%添加することで、流れ誘起局部腐食や脱亜鉛腐食の耐食性に優れた耐食性合金である旨記載されている。さらに、特許第3335002号公報(特許文献5)は、Sn0.3〜3重量%添加して、黄銅材料の耐脱亜鉛腐食特性を改善する旨記載されている。
特開平8−337831号公報 特開2000−239765号公報 特開2001−64742号公報 特開平10−140270号公報 特許第3335002号公報
しかしながら、特開平8−337831号公報(特許文献1)、特開2000−239765号公報(特許文献2)、特開2001−64742号公報(特許文献3)は、耐食性として耐脱亜鉛性に特化しており、また、この耐脱亜鉛性を付加するためにP、Sb、Asなどの微量添加元素に依存しているが、この微量添加元素は凝固過程における脆化を著しく促進させ、特に、金型鋳造の薄肉部などにおいて鋳造割れの原因となる。しかも、P、Sb、Asなどの元素を含む材料を再利用する場合、使用用途を限定してしまうという欠点がある。特開平10−140270号公報(特許文献4)は、耐エロージョン・コロージョン性や脱亜鉛腐食の耐食性の効果を図っているものの、金型鋳造に使用すると凝固過程で割れが生じてしまうおそれがある。また、特開平10−140270号公報(特許文献4)では、Alを0.5〜2.0質量%添加することにより、合金の鋳造性を向上させるとあるが、実際にはAlの含有量が0.5重量%を越えるとハードスポット(AlとCuとの金属間化合物)が発生して著しく耐食性を阻害し、鋳造割れ性を促進させてしまう。
特許第3335002号公報(特許文献5)は、エロージョン・コロージョンの防止に有効なSnを含有しているが、エロージョン・コロージョンや鋳造割れの防止において、極めて重要であるCuとSnの組成バランスついて何ら考慮されておらず、耐エロージョン・コロージョン性や耐鋳造割れ性の確認もなされていない。
ところで、無鉛合金としては青黄銅に限らず、無鉛はんだ等があるが、その殆どはPbをBiに置き換えたものである。しかし、Biを含有する合金にPbが混入すると、それが微量であっても100℃以上において衝撃値が低下してしまう。Pbを含有する合金にBiが混入する場合も同様である。従って、使用環境温度が100℃以上となる蒸気配管や電子基板などに用いる無鉛合金には、高温下においても衝撃値が低下しにくいものが求められていた。
本発明は、上記の課題点に鑑み、鋭意研究の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、耐エロージョン・コロージョン性、耐鋳造割れ性を飛躍的に改善し、更に高温下における耐衝撃性を向上して、切削性、機械的性質、耐食性等が要求されるあらゆる分野に広く適用することが可能な経済性にも優れた銅基合金とこの合金を用いた鋳塊・製品を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、少なくとも、Cu:61.0〜65.0重量%、Sn:0.8〜3.5重量%含有し、切削性、機械的性質、耐食性に優れた銅基合金であって、このCuとSnは、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善する組成バランスからなる銅基合金である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の銅基合金において、Cuの含有量を61.0〜61.8重量%、Snの含有量を0.8〜2.4重量%として、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善した銅基合金である。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の銅基合金において、Cuの含有量を62.3〜65.0重量%、Snの含有量を1.0〜3.5重量%として、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善した銅基合金である。
請求項4に係る発明は、Biを0.5〜2.0重量%含有した銅基合金である。
請求項5に係る発明は、Biに対するPbの含有量を重量比率で0.012以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制した銅基合金である。
請求項6に係る発明は、Pbを0.5〜3.0重量%含有した銅基合金である。
請求項7に係る発明は、Pbに対するBiの含有量を重量比率で0.06以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制した銅基合金である。
請求項8に係る発明は、少なくとも、Cu:61.0〜61.8重量%、Sn:0.8〜2.4重量%、Bi:0.5〜2.0重量%、Pb:0.1重量%以下、Fe:0.1重量%以下、Si:0.1重量%以下、Mn:0.03重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物からなる銅基合金である。
請求項9に係る発明は、少なくとも、Cu:62.3〜65.0重量%、Sn:1.0〜3.5重量%、Bi:0.5〜2.0重量%、Pb:0.1重量%以下、Fe:0.1重量%以下、Si:0.1重量%以下、Mn:0.03重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物からなる銅基合金である。
請求項10に係る発明は、α相、β相、γ相及び結晶粒界に偏析したBiからなり、β相がα相、γ相及びBiにより分断された組織を有した銅基合金である。
請求項11に係る発明は、Seを0.01〜0.2重量%含有することで、鋳造性、機械的性質、切削性、耐圧性を更に改善した銅基合金である。
請求項12に係る発明は、Al:0.005〜0.5重量%、Ni:0.05〜1.5重量%の双方、若しくは何れか一方を含有することで、湯流れ、表面光沢、引張強さを向上させた銅基合金である。
請求項13に係る発明は、P、Sbのうち、1種以上を合計で0.2重量%以下含有することで、耐脱亜鉛性を更に改善した銅基合金である。
請求項14に係る発明は、鋳造温度、鋳型温度、並びに冷却速度のうち、いずれかの条件を制御することで、結晶粒界及び結晶粒界に偏析したBi内、若しくは結晶粒界及びデンドライトアーム間、結晶粒界及びデンドライトアーム間に偏析したBi内に、γ相、ZnSe、CuSe化合物のいずれか1種以上を析出させて、鋳造性、引張強さ、伸び、切削性、耐脱亜鉛性、及び耐エロージョン・コロージョン性を更に改善した銅基合金である。
請求項15に係る発明は、引張強さ245〜400N/mm、伸び20〜40%を有した銅基合金である。
請求項16に係る発明は、切削性試験において、C3604の80%以上の切削性を有した銅基合金である。
請求項17に係る発明は、ISO6509−1981に準拠する脱亜鉛腐食試験において、最大脱亜鉛深さ400μm以下とした銅基合金である。
請求項18に係る発明は、隙間噴流腐食試験において、局部的な破壊や腐食を抑制し、かつ、質量損失を0.3g以下とし、CAC406と同等若しくはそれ以上の耐エロージョン・コロージョン性を有した銅基合金である。
請求項19に係る発明は、Sn含有により凝固の潜熱を小さくして、耐鋳造割れ性を改善した銅基合金である。
請求項20に係る発明は、Biを含有する合金にPbが含まれる場合において、Biに対するPbの含有量を重量比率で0.012以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制した銅基合金である。
請求項21に係る発明は、Pbを含有する合金にBiが含まれる場合において、Pbに対するBiの含有量を重量比率で0.06以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制した銅基合金である。
請求項22に係る発明は、請求項1乃至21の何れか1項に記載の銅基合金を用いて製造した鋳塊と加工成形された接液部品、建築資材、電気・機械部品、船舶用部品、温水関連機器等の製品である。
請求項1乃至3に係る発明によると、切削性、機械的性質(引張強さ、伸び)、耐食性等に優れ、しかも、最適なCuとSnの組成バランスを実現することで、腐食性の水溶液等による脱亜鉛腐食やエロージョン・コロージョンに対しても優れた耐食性を発揮すると共に、鋳造割れ、ハードスポットの発生を抑制することが可能となる。これにより、切削性、機械的性質、耐食性等が要求されるあらゆる分野に広く適用することができ、しかも、各成分の最適な組成バランスにより、製造コストを低減できるため、経済性にも優れた銅基合金を提供することが可能となる。
請求項4乃至7に係る発明によると、Biを含有する合金にPbが含まれる場合、或いはPbを含有する合金にBiが含まれる場合、BiとPbの含有量を好適な比率とすることで、100℃以上における衝撃値の低下を防いで優れた耐衝撃性を実現し、しかも、コストを低減させた銅基合金を提供することが可能となる。
請求項8又は9に係る発明によると、切削性、機械的性質(引張強さ、伸び)、耐食性等が要求されるあらゆる分野に広く適用することができ、しかも、人体や環境に無害である経済性にも優れた銅基合金を提供することが可能となる。
請求項10に係る発明によると、β相がα相、γ相及びBiにより分断された組織を有することで、湯流れ、表面光沢を向上させ、耐鋳造割れ性及びめっき前処理を改善した銅基合金を提供することが可能となる。また、γ相が析出するとチップブレーカとして働いて切削性を向上させる。
請求項11に係る発明によると、Seを0.01〜0.2重量%含有することで、鋳造性、引張強さ、伸び、切削性、耐圧性を更に改善した銅基合金を提供することが可能となる。
請求項12に係る発明によると、Al:0.005〜0.5重量%、Ni:0.05〜1.5重量%の双方、若しくは何れか一方を含有することで、湯流れ、表面光沢、引張強さを向上させた銅基合金を提供することが可能となる。
請求項13に係る発明によると、P、Sbのうち、1種以上を合計で0.2重量%以下含有することで、耐脱亜鉛性を更に改善した銅基合金を提供することが可能となる。
請求項14に係る発明によると、鋳造温度、鋳型温度、並びに冷却速度のうち、いずれかの条件を制御することで、結晶粒界及び結晶粒界に偏析したBi内、若しくは結晶粒界及びデンドライトアーム間、結晶粒界及びデンドライトアーム間に偏析したBi内に、γ相、ZnSe、CuSe化合物のいずれか1種以上を析出させて、鋳造性、機械的性質(引張強さ、伸び)、切削性、耐脱亜鉛性、及び耐エロージョン・コロージョン性を更に改善した銅基合金を提供することが可能となる。
請求項15乃至19に係る発明によると、切削性、機械的性質(引張強さ、伸び)、耐食性に優れ、耐エロージョン・コロージョン性、耐鋳造割れ性、並びに耐衝撃性を飛躍的に改善した銅基合金を実現することが可能となる。
請求項20又は21に係る発明によると、Biを含有する合金にPbが含まれる場合、或いはPbを含有する合金にBiが含まれる場合、BiとPbの含有量を好適な比率とすることで、100℃以上における衝撃値の低下を防いで優れた耐衝撃性を実現し、しかも、コストを低減させた銅基合金を提供することが可能となる。
請求項22に係る発明によると、請求項1乃至21に係る銅基合金を用いて製造された鋳塊、加工成形されたバルブ部品、建築資材、電気・機械部品、船舶用部品、温水関連機器等の製品として提供することが可能となる。
本発明における銅基合金の一実施形態を説明する。
本発明の銅基合金は、少なくとも、Cu:61.0〜65.0重量%、Sn:0.8〜3.5重量%含有し、切削性、機械的性質、耐食性に優れた銅基合金であって、このCuとSnは、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善する組成バランスからなり、本実施形態では、このCuとSnの組成バランスとして、Cu:61.0〜61.8重量%、Sn:0.8〜2.4重量%含有する銅基合金(以下、本発明合金1という)と、Cu:62.3〜65.0重量%、Sn:1.0〜3.5重量%含有する銅基合金(以下、本発明合金2という)を用いて説明する。
本発明の銅基合金において、Biを0.5〜2.0重量%含有する場合、Biに対するPbの含有量を重量比率で0.012以下にすることで、100℃以上における衝撃値の低下を抑制し、一方、Pbを0.5〜3.0重量%含有する場合、Pbに対するBiの含有量を重量比率で0.06以下にすることで、同様に100℃以上における衝撃値の低下を抑制して耐衝撃性を改善した銅基合金である。
また、本発明の銅基合金に、Seを0.01〜0.2重量%含有することで、鋳造性、機械的性質、切削性、耐圧性を更に改善し、Al:0.005〜0.5重量%、Ni:0.05〜1.5重量%の双方、若しくは何れか一方を含有することで、湯流れ、表面光沢、引張強さを更に向上させることができる。さらには、P、Sbのうち、一種以上を合計で0.2重量%以下含有することで、耐脱亜鉛性を更に改善することができる。
本発明の銅基合金では、β相がα相、γ相、及びBiにより分断された組織を有することで、脱亜鉛腐食の進行を抑制することができる。脱亜鉛腐食の発生原因の一つとして、電気的に卑なβ相のZnが優先的に体拡散することによってβ相がポーラスなCuになるが、このβ相を短く分断することにより、例え脱亜鉛腐食が発生したとしても、腐食の進行を抑制することができる。また、γ相が析出するとチップブレーカとして働くので、切削性を向上させると共に、引張強さや硬さ等を向上させる。
鋳造温度、鋳型温度、冷却速度などの条件を制御することにより、鋳物の結晶粒径を制御することができる。この結晶粒径が細かくなると、粒界偏析相であるBi、γ相などの分散も均一になり、鋳造性、引張強さ、伸び、切削性、耐脱亜鉛性、及び耐エロージョン・コロージョン性を向上させる。ZnSe、CuSe化合物は、粒界偏析することによってγ相と同様の効果を発揮する。また、これらの化合物は凝固時において微細化材として作用し、結晶粒を細かくする。
さらには、本発明の銅基合金に、B、Zr、ミッシュメタル等を添加して組織を微細化することで、鋳造性、引張強さ、伸び、切削性、耐圧性、耐脱亜鉛性、及び耐エロージョン・コロージョン性を更に改善することができる。また、本発明の銅基合金を鋳造後、450〜550℃で2時間熱処理を施すことで、更に耐脱亜鉛性を改善することができる。
次に、本発明の銅基合金における組成範囲とその理由について説明する。
Cu:
Cuは61.0重量%未満となると熱処理を施さない限り、Sn、P、Sbなどを添加しても脱亜鉛腐食に対して効果が見られない。また、本発明合金1の組成範囲である61.0〜61.8重量%、本発明合金2の組成範囲である62.3〜65.0重量%以外の範囲では、金型鋳造時に薄肉部で鋳造割れが発生する。特に、61.8<Cu<62.3の範囲においては、Snを0.5重量%以上含有したときに鋳造割れが顕著に発生するため、この範囲を除外することが好ましい。鋳造割れを抑制し、優れた耐食性を得る好適な範囲として、本発明合金1においては、61.2〜61.6重量%が好ましく、本発明合金2においては、63.0〜63.8重量%が好ましい。
Sn:
Snは鋳造性及び鋳肌改善、引張強さの向上に寄与する。特に、Snを0.9重量%以上含有することで、後述するように潜熱が減少し、凝固中の鋳造品が脆弱な状態にある時間を、Snを含有しない黄銅合金と比較して約1/3に短縮することができる。また、Snを0.9重量%以上含有しても固液共存域は17℃以下と狭い。さらに、Snを0.9重量%以上含有することにより、熱間変形能が上昇して鋳造割れを抑制することができる。また、Snを含有することで耐脱亜鉛性や耐エロージョン・コロージョン性を向上させるが、これはCuの含有量とのバランスを考慮する必要がある。
本発明合金1のように、Cuを61.0〜61.8重量%含有する場合、Snを0.9重量%以上の含有から鋳造割れを生じなくなり、Snの含有量を増すことでより良好な効果が得られるが、Snの含有量が2.4重量%を越えると鋳造割れが発生する。鋳造割れを抑制し、十分な耐エロージョン・コロージョン性を得るには、1.8〜2.3重量%の含有が好ましい。また、本発明合金2のように、Cuを62.3〜65.0重量%含有する場合、Snを1.0重量%以上の含有から鋳造割れについて顕著な改善が見られる。しかし、過剰な添加は機械的性質の低下とコストの上昇を招くので、上限を3.5重量%とする。好ましくは、1.5〜3.0重量%の含有量であり、さらに好ましくは、2.0〜3.0重量%である。
Bi:
Biは切削性を向上させる周知の元素である。必要に応じて0.5重量%以上含有するが、2.0重量%を超えると耐鋳造割れ性、引張強さ及び伸びを低下させるので、2.0重量%以下とする。Pbを0.5〜3.0重量%含有した銅基合金において、Biは100℃以上で衝撃値を低下させる元素である。使用環境が100℃以上となる場合、Pbに対するBiの含有量を重量比率で0.06以下とする必要がある。このように、Pbに対するBiの許容量を規定することにより、100℃以上における衝撃値の低下を防ぐことができ、且つ、切り屑などの再利用材料の使用を可能にし、環境負荷とコストを低減させることができる。
Pb:
Pbは切削性を向上させる周知の元素である。必要に応じて0.5重量%以上含有するが、3.0重量%を超えると耐鋳造割れ性、引張強さ及び伸びを低下させるので、3.0重量%以下とする。Biを0.5〜2.0重量%含有した銅基合金において、Pbは100℃以上で衝撃値を低下させる元素である。使用環境が100℃以上となる場合、Biに対するPbの含有量を重量比率で0.012以下とする必要がある。このように、Biに対するPbの許容量を規定することにより、100℃以上における衝撃値の低下を防ぐことができ、且つ、切り屑などの再利用材料の使用を可能にし、環境負荷とコストを低減させることができる。
不純物:
Fe、Si、Mnなどは、組織を硬くして切削性を低下させる。また、再利用する際に使用用途を限定してしまう。よって、Fe:0.1重量%以下、Si:0.1重量%以下、Mn:0.03重量%以下とする。
P、Sb:
P、Sbは、鋳造割れを著しく促進するが、耐脱亜鉛性を改善することができる。よって、含有したとしても機械的性質を低下させない0.2重量%以下とする。ただし、例えば、肉厚変化の大きい砂型鋳造や冷却速度の大きい金型鋳造のように凝固収縮による鋳造割れが発生する場合は、含有量を0.05重量%以下とし、好ましくは、0.02重量%以下とする。
Se:
Seは、合金中でZnSe、CuSeとして存在し、微細化剤及びチップブレーカとして働く。0.01重量%から効果が見られ、含有量を増加することでより改善されていくが、Seは高価であるため、0.2重量%を上限とする。
Al、Ni:
Al:0.005〜0.5%、Ni:0.05〜1.5%の双方、若しくは何れか一方を含有することにより、湯流れ、表面光沢、引張強さをより向上させることができる。Alは0.005重量%未満では効果が見られず、0.5重量%を越えるとハードスポットを生じて著しく耐食性を阻害し、鋳造割れを促進する。Niは0.05重量%未満では効果が見られず、含有量を増加することで改善されていくが、高価であるため、1.5重量%を上限とする。
次に、本発明の銅基合金を適用した実施例について、鋳造割れ試験、脱亜鉛腐食試験、及び隙間噴流腐食試験を行った。各試験に使用する合金の組成値を表1、2に示し、各合金の試験結果(鋳造割れ試験・耐脱亜鉛腐食試験・隙間噴流腐食試験)を表3、4に示す。実施例(丸付き数字1)には、本発明合金1の組成範囲に含まれるBi系、またはBi−Se系のPbレス黄銅鋳物として、No.1〜No.6の組成値及びその試験結果を示す。実施例(丸付き数字2)には、本発明合金2の組成範囲に含まれるBi系、またはBi−Se系のPbレス黄銅鋳物として、No.11〜No.28の組成値及びその試験結果を示す。実施例(丸付き数字3)には、本発明合金1の組成範囲に含まれるPb含有黄銅鋳物として、No.45〜No.48の組成値及びその試験結果を示す。実施例(丸付き数字4)には、本発明合金2の組成範囲に含まれるPb含有黄銅鋳物として、No.49〜No.54の組成値及びその試験結果を示す。
比較例(丸付き数字1)には、Bi系、またはBi−Se系のPbレス黄銅鋳物として、No.7〜No.10の組成値を示す。比較例(丸付き数字2)には、Bi系、またはBi−Se系のPbレス黄銅鋳物として、No.29〜No.44の組成値を示す。比較例(丸付き数字3)には、公知の銅基合金として、No.55は市販のPbレス黄銅鋳物、No.56は特許第3335002号の合金、No.57はCAC203、No.58はCAC406、No.59はC3604、No.60は市販の耐脱亜鉛黄銅、No.61は市販の鉛レスSi系黄銅、及びNo.62はAl高含有Pbレス黄銅である。なお、図1は、本発明合金1、2のCu−Sn成分範囲に対する実施例(丸付き数字1)、実施例(丸付き数字2)、比較例(丸付き数字1)、及び比較例(丸付き数字2)の一部のサンプルについて、Cu及びSnの成分値を示している。
Figure 2005281800
Figure 2005281800
Figure 2005281800
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鋳造割れ試験
図2は、両端拘束型鋳造割れ試験金型を示した概略説明図であり、図3は、両端拘束型鋳造割れ試験金型の斜視図である。この両端拘束型鋳造割れ試験金型を用いて各供試品を鋳造して行った。鋳造割れ評価は、同図に示す金型に設けた矢印部から注湯を行い、断熱材との接触部位で発生する割れの有無を視認し、鋳肌に割れが残らなかったものを○、残ったものを×とした。鋳造条件を表5に示す。
Figure 2005281800
脱亜鉛腐食試験
脱亜鉛腐食試験は、ISO6509−1981に規定された黄銅の脱亜鉛腐食試験法に準拠して行った。試験方法は1%の塩化第二銅水溶液を75℃に保持し、エメリー紙で#1500まで仕上げた試料を試験槽に24時間浸漬させた後、この試料を取り出して断面の腐食深さと形態を顕微鏡観察により測定した。評価基準は最大脱亜鉛腐食深さが200μm以下を満たす試料を◎、最大脱亜鉛腐食深さが400μm以下を満たす試料を○、それ以上の脱亜鉛腐食深さが起きた試料を×とした。
隙間噴流腐食試験
エロージョン・コロージョンは隙間噴流腐食試験により評価する。図4は、隙間噴流腐食試験装置を示した概略説明図である。試験方法は腐食液に対して暴露面積を64mm(φ16mm)に加工した試験片を鏡面研磨し、同図に示すように設置する。次いで、この試験片表面より0.4mmの高さの噴射ノズル(ノズル径:1.6mm)から試験溶液(1%塩化第二銅水溶液)を0.4リットル/minで噴射する。試験溶液を5時間噴射した後、質量を測定して質量損失を求め、腐食形態を観察する。質量損失が0.3g以下で局部的な腐食が見られない試料を○、質量損失が0.3gを越えるか、局部的な腐食が見られる試料を×とした。
実施例(丸付き数字1)、実施例(丸付き数字2)のサンプルでは、鋳造割れ試験において、供試品の鋳肌には割れは確認されず、また、耐脱亜鉛腐食試験においては、最大脱亜鉛深さが400μm以下であり、更に隙間噴流腐食試験においては、質量損失が0.3g以下で局部的な腐食が見られず、本発明合金1、2に該当する銅基合金が、耐脱亜鉛性、耐エロージョン・コロージョン性に加え、耐鋳造割れ性を改善したものであることが確認された。とりわけ、本発明合金2においては、Snの含有量が高いほど最大脱亜鉛深さが200μm以下であり、高い耐脱亜鉛性が得られることが確認された。
次に、表1、2に示す実施例(本発明)No.1〜No.6、No.11〜No.28、No.45〜No.54、並びに比較例No.7〜No.10、No.29〜No.36、No.55〜No.62について、引張試験及び切削性試験を行った。その試験結果を表6、7に示す。
Figure 2005281800
Figure 2005281800
引張試験
試験片形状は、JIS Z2201 4号引張試験片とする。試験用インゴットは、引張試験片採取用金型(JIS H5120黄銅鋳物B号供試材採取用金型)により作成した。試験はJIS Z2241(金属材料引張試験方法)に基づいて行い、引張強さは245〜400N/mm、伸びは20〜40%の値を満たすものを合格とした。
切削性試験
試験片は、JIS H5120黄銅鋳物B号供試材採取用金型により採取し、表8に示す試験条件により、外形切削及びドリル穿孔による切削抵抗を市販のJIS H3250のC3604を100としたときの相対評価として表した。また、あわせて切削粉の評価を示す。外形切削粉の評価基準は、切削粉の全長が3mm未満を◎、3〜5mmを○、5mmを越えるものを×とした。穿孔切削粉の評価基準は、全長が0.5mm未満を◎、0.5〜1.0mmを○、1.0mmを越えるものを×とした。
Figure 2005281800
金属組織及びハードスポット
金属組織及びハードスポットは、鋳造試料を鏡面研磨した後、腐食液(アンモニア水:過酸化水素水:純水=28:1.5:12)にて表面を腐食し、光学顕微鏡にて観察した。図5は、Cu:61.0〜61.8重量%、Sn:0.8〜2.4重量%、Bi:0.5〜2.0重量%、Pb:0.1重量%以下、Fe:0.1重量%以下、Si:0.1重量%以下、Mn:0.03重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物からなる銅基合金(本発明合金1)における金属組織の代表例を示した金属組織写真(倍率200倍)であり、図6は金属組織写真の拡大模式図である。
図7は、Cu:62.3〜65.0重量%、Sn:1.0〜3.5重量%、Bi:0.5〜2.0重量%、Pb:0.1重量%以下、Fe:0.1重量%以下、Si:0.1重量%以下、Mn:0.03重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物からなる銅基合金(本発明合金2)における金属組織の代表例を示した金属組織写真(倍率200倍)であり、図8は金属組織写真の拡大模式図である。図6及び図8に示すように、組織の大部分である白色部がα相であり、α相の境界に存在し、境界面に沿ってα相に接している無形の白色箇所がBi、α相境界内に存在し、有形の灰色組織がγ相、同じく有形の白色組織がβ相である。なお、表6、7において、ハードスポットが存在しない試料を○、ハードスポットが存在する試料を×とした。
実施例(丸付き数字1)、実施例(丸付き数字2)のサンプルでは、引張試験において、引張強さが245N/mm以上、伸びが20%以上であり、また、切削性試験では切削性指数が80以上であり、更に金属組織観察においてハードスポットは存在せず、本発明合金1、2に該当する銅基合金が、耐脱亜鉛性、耐エロージョン・コロージョン性、耐鋳造割れ性に加え、所定の機械的性質(引張強さ、伸び)、切削性を有し、ハードスポットも生じないものであることが確認された。とりわけ、本発明合金1に該当する実施例(丸付き数字1)では、引張強さ400N/mm前後の値を得られるサンプルが確認された。
衝撃試験
PbとBiとを含有した銅基合金が、100℃を超えるような高温下に曝されると、衝撃値が急に低下するおそれがある。そこで、Biを含有する合金にPbが含まれる場合、或いはPbを含有する合金にBiが含まれる場合において、BiとPbの含有量の好適な比率を見出すため、JIS Z2242による金属材料のシャルピー衝撃試験で評価する。試験片はJIS Z2202Vノッチ試験片を用いた。
衝撃試験1
まず、Biを含有する合金にPbが含まれる場合として、本発明合金1に含まれるBi系鉛レス黄銅鋳物(Biを0.5〜2.0重量%含有するもの)のサンプルNo.63〜No.65について、その組成値を表9に示すと共に、各温度におけるシャルピー吸収エネルギーの変化を表10及び図9に示す。この衝撃試験から明らかであるように、本発明合金において、Pb/Bi=0.012以下の比較を満たすものでは、100℃を超えるような高温下においても、180℃付近までは衝撃値の急激な低下を抑制できることが確認された。
Figure 2005281800
Figure 2005281800
衝撃試験2
Biを含有する合金にPbが含まれる場合において、BiとPbの含有量の好適な比率は、黄銅鋳物に限ることなく、伸銅品についても確認することができる。成分値として、本発明合金1に含まれるBi−Se系鉛レス黄銅(熱間鍛造用)のサンプルNo.66〜No.68について、その組成値を表11に示すと共に、各温度におけるシャルピー吸収エネルギーの変化を表12及び図10に示す。ここで、サンプルNo.66〜No.68は、Cu:61.0〜61.8重量%、Sn:0.8〜2.4重量%、Bi:0.5〜2.0重量%、Pb:0.1重量%以下、Se:0.03〜0.20重量%、Fe:0.1重量%以下、Ni:0.1〜0.3重量%、P+Sb:0.1重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物からなる銅基合金の組成範囲に含まれるものである。この衝撃試験から明らかであるように、伸銅品においても、黄銅鋳物とはシャルピー吸収エネルギーの絶対値が異なるものの、Pb/Bi=0.012以下の比率を満たすものでは、100℃を越えるような高温下においても、180℃付近までは衝撃値の急激な低下を抑制できることが確認された。
Figure 2005281800
Figure 2005281800
衝撃試験3
Pbを含有する合金にBiが含まれる場合として、PbとBiとの含有量の好適な比率は、伸銅品について確認することができる。成分値として、本発明合金1に含まれる耐脱亜鉛黄銅材のサンプルNo.69〜No.71について、その組成値を表13に示すと共に、各温度におけるシャルピー吸収エネルギーの変化を表14及び図11に示す。ここで、サンプルNo.69〜No.71は、Cu:61.0〜61.8重量%、Sn:0.8〜2.4重量%、Pb:0.5〜3.0重量%、Fe:0.1重量%以下、Ni:0.3重量%以下、P+Sb:0.1重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物(Bi等)からなる銅基合金の組成範囲に含まれるものである。この衝撃試験から明らかであるように、Bi/Pb=0.06以下の比率を満たすものでは、100℃を越えるような高温下、とりわけ、200℃を越えるような高温下においても、280℃付近までは衝撃値の急激な低下を抑制できることが確認された。なお、この衝撃試験3では、伸銅品について試験を行ったが、衝撃試験1及び2の試験結果から、Pbを含有する合金にBiが含まれる黄銅鋳物においても、同様のPbとBiとの含有量の好適な比率になるものと推察される。
Figure 2005281800
Figure 2005281800
上記した各試験から明らかなように、本発明合金においては、CuとSnの含有量を好適な組成バランスにすることで、所定の切削性、機械的性質(引張強さ、伸び)を有し、腐食性の水溶液による耐脱亜鉛腐食やエロージョン・コロージョンに対して優れた耐食性を有することに加え、鋳造割れやハードスポットを生じないことが確認できた。また、P+Sbの含有量を0.05重量%以下とすることにより、より鋳造割れを生じにくい銅基合金を得ることが確認できた。Sn及びBiを適量含有し、γ相、Biを結晶粒界及びデンドライトアーム間に偏析させることで、優れた機械的性質と切削性を確保することが確認できた。また、Bi及びPbの含有量を好適な比率とすることで、100℃以上における衝撃値の低下を抑制することが確認できた。また、Al、Ni、及びSn含有量を適量にすることで、湯流れを潤滑にし、鋳肌を平滑にすることができ、さらに、Seを適量含有することで、鋳造性、引張強さ、伸び、切削性、耐圧性を向上することが確認できた。
次に、CuとSnの含有量を好適なバランスにすることで、鋳造割れを防止するメカニズムを、Sn含有が銅合金の冷却に与える影響の視点から検証した。
図12は本発明合金の冷却曲線を示したグラフである。同図に示すように、相変態を伴わない温度低下の場合、C点以前やD点以降のように一様に冷却が進んでいるが、C点−D点間のように、状態変化(気相→液相、液相→固相など)が発生する場合、冷却曲線に変化が生じている。これは、特に液相から固相への変化では、液相中のイオンが結晶格子に固定される際にそれまで持っていた運動エネルギーを熱として放出するためである。これが凝固の潜熱と呼ばれるもので、液相が完全に固相になるまでは温度が一定に保たれている。図13は本発明合金の金属組織の一例を示した状態説明図である。同図に示すように、本発明合金では、この凝固の潜熱の放出はβ+L→β(D点)において行われている。冷却曲線において、温度が一定に保たれる時間が長いということは凝固の潜熱が多いということになる。図14はSnを含有しないCu−Zn合金の冷却曲線を示したグラフである。
Snを含有しない4−6黄銅と比較して、本発明合金では、明らかにこの時間が減少している。よって、Snを含有する黄銅はSnを含有しない黄銅と比較して凝固の潜熱が小さいと判断できる。この凝固の潜熱を放出する過程では、金属は非常に脆弱な状態にあり、このとき、大きな外力が働くと、すなわち、凝固収縮に伴う引張り応力が集中すると、鋳造割れを生じてしまう。よって、この状態を早く通過した方が鋳造割れに対しては有効であるといえることから、CuとSnの含有量を好適なバランスにすることにより、凝固に要する時間を短く、すなわち、凝固の潜熱を小さくすることにより、銅合金の鋳造割れを防止することができる。本発明合金(図12参照)とSnを含有しないCu−Zn合金(図14参照)についての検証結果を表15に示す。
Figure 2005281800
本発明の銅基合金は、切削性、機械的性質(引張強さ、伸び)、耐脱亜鉛性、耐エロージョン・コロージョン性、耐鋳造割れ性、更には耐衝撃性も要求されるあらゆる分野に広く適用することが可能であり、本発明の銅基合金を用いて製造した鋳塊(インゴット)を中間品として提供したり、本発明の合金を加工成形した接液部品、建築資材、電気・機械部品、船舶用部品、温水関連機器等に適用する。
本発明の銅基合金を材料として好適な部材・部品は、特に、バルブや水栓等の水接触部品、即ち、ボールバルブ、ボールバルブ中の空用ボール、バタフライバルブ、ゲートバルブ、グローブバルブ、チェックバルブ、給水栓、給湯器や温水洗浄便座等の取付金具、給水管、接続管及び管継手、冷媒管、電気温水器部品(ケーシング、ガスノズル、ポンプ部品、バーナなど)、ストレーナ、水道メータ用部品、水中下水道用部品、排水プラグ、エルボ管、ベローズ、便器用接続フランジ、スピンドル、ジョイント、ヘッダー、分岐栓、ホースニップル、水栓付属金具、止水栓、給排水配水栓用品、衛生陶器金具、シャワー用ホースの接続金具、ガス器具、ドアやノブ等の建材、家電製品、サヤ管ヘッダー用アダプタ、自動車クーラー部品、釣り具部品、顕微鏡部品、水道メーター部品、計量器部品、鉄道パンタグラフ部品、その他の部材・部品に広く応用することができる。更には、トイレ用品、台所用品、浴室品、洗面所用品、家具部品、居間用品、スプリンクラー用部品、ドア部品、門部品、自動販売機部品、洗濯機部品、空調機部品、ガス溶接機用部品、熱交換器用部品、太陽熱温水器部品、金型及びその部品、ベアリング、歯車、建設機械用部品、鉄道車両用部品、輸送機器用部品、素材、中間品、最終製品及び組立体等にも広く適用できる。
本発明合金1、2のCu−Sn成分範囲に対する実施例(丸付き数字1)、実施例(丸付き数字2)、比較例(丸付き数字1)、比較例(丸付き数字2)のCu、Snの成分値を示した成分範囲説明図である。 両端拘束型鋳造割れ試験金型を示した概略説明図である。 両端拘束型鋳造割れ試験金型を示した斜視図である。 隙間噴流試験装置を示した概略説明図である。 本発明合金の金属組織写真(写真倍率200倍)である。 図5に示した金属組織写真の拡大模式図である。 本発明合金の金属組織写真(写真倍率200倍)である。 図7に示した金属組織写真の拡大模式図である。 本発明合金に含まれるBi系鉛レス黄銅鋳物の各温度におけるシャルピー吸収エネルギーの変化を示したグラフである。 本発明合金に含まれるBi−Se系鉛レス黄銅(熱間鍛造用)の各温度におけるシャルピー吸収エネルギーの変化を示したグラフである。 本発明合金に含まれる耐脱亜鉛黄銅材の各温度におけるシャルピー吸収エネルギーの変化を示したグラフである。 本発明合金の冷却曲線を示したグラフである。 本発明合金の金属組織の一例を示した状態説明図である。 Snを含有しないCu−Zn合金の冷却曲線を示したグラフである。

Claims (22)

  1. 少なくとも、Cu:61.0〜65.0重量%、Sn:0.8〜3.5重量%含有し、切削性、機械的性質、耐食性に優れた銅基合金であって、このCuとSnは、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善する組成バランスからなることを特徴とする銅基合金。
  2. 請求項1に記載の銅基合金において、Cuの含有量を61.0〜61.8重量%、Snの含有量を0.8〜2.4重量%として、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善した銅基合金。
  3. 請求項1に記載の銅基合金において、Cuの含有量を62.3〜65.0重量%、Snの含有量を1.0〜3.5重量%として、耐エロージョン・コロージョン性、並びに耐鋳造割れ性を改善した銅基合金。
  4. Biを0.5〜2.0重量%含有した請求項1乃至3の何れか1項に記載の銅基合金。
  5. Biに対するPbの含有量を重量比率で0.012以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制した請求項4に記載の銅基合金。
  6. Pbを0.5〜3.0重量%含有した請求項1乃至3の何れか1項に記載の銅基合金。
  7. Pbに対するBiの含有量を重量比率で0.06以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制した請求項6に記載の銅基合金。
  8. 少なくとも、Cu:61.0〜61.8重量%、Sn:0.8〜2.4重量%、Bi:0.5〜2.0重量%、Pb:0.1重量%以下、Fe:0.1重量%以下、Si:0.1重量%以下、Mn:0.03重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物からなることを特徴とする銅基合金。
  9. 少なくとも、Cu:62.3〜65.0重量%、Sn:1.0〜3.5重量%、Bi:0.5〜2.0重量%、Pb:0.1重量%以下、Fe:0.1重量%以下、Si:0.1重量%以下、Mn:0.03重量%以下、残部としてZn、及び不可避不純物からなることを特徴とする銅基合金。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の銅基合金において、α相、β相、γ相及び結晶粒界に偏析したBiからなり、β相がα相、γ相及びBiにより分断された組織を有した銅基合金。
  11. Seを0.01〜0.2重量%含有することで、鋳造性、機械的性質、切削性、耐圧性を更に改善した請求項1乃至5、8乃至10の何れか1項に記載の銅基合金。
  12. Al:0.005〜0.5重量%、Ni:0.05〜1.5重量%の双方、若しくは何れか一方を含有することで、湯流れ、表面光沢、引張強さを更に向上させた請求項1乃至11の何れか1項に記載の銅基合金。
  13. P、Sbのうち、1種以上を合計で0.2重量%以下含有することで、耐脱亜鉛性を更に改善した請求項1乃至12の何れか1項に記載の銅基合金。
  14. 鋳造温度、鋳型温度、並びに冷却速度のうち、いずれかの条件を制御することで、結晶粒界及び結晶粒界に偏析したBi内、若しくは結晶粒界及びデンドライトアーム間、結晶粒界及びデンドライトアーム間に偏析したBi内に、γ相、ZnSe、CuSe化合物のいずれか1種以上を析出させて、鋳造性、引張強さ、伸び、切削性、耐脱亜鉛性、及び耐エロージョン・コロージョン性を更に改善した請求項1乃至13の何れか1項に記載の銅基合金。
  15. 引張強さ245〜400N/mm、伸び20〜40%を有した請求項1乃至14の何れか1項に記載の銅基合金。
  16. 切削性試験において、C3604の80%以上の切削性を有した請求項1乃至15の何れか1項に記載の銅基合金。
  17. ISO6509−1981に準拠する脱亜鉛腐食試験において、最大脱亜鉛深さ400μm以下とした請求項1乃至16の何れか1項に記載の銅基合金。
  18. 隙間噴流腐食試験において、局部的な破壊や腐食を抑制し、かつ、質量損失を0.3g以下とし、CAC406と同等若しくはそれ以上の耐エロージョン・コロージョン性を有した請求項1乃至17の何れか1項に記載の銅基合金。
  19. Sn含有により凝固の潜熱を小さくして、耐鋳造割れ性を改善した請求項1乃至18の何れか1項に記載の銅基合金。
  20. Biを含有する合金にPbが含まれる場合において、Biに対するPbの含有量を重量比率で0.012以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制したことを特徴とする銅基合金。
  21. Pbを含有する合金にBiが含まれる場合において、Pbに対するBiの含有量を重量比率で0.06以下とし、100℃以上における衝撃値の低下を抑制したことを特徴とする銅基合金。
  22. 請求項1乃至21の何れか1項に記載の銅基合金を用いて製造した鋳塊と加工成形された接液部品、建築資材、電気・機械部品、船舶用部品、温水関連機器等の製品。
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