JP2000169817A - 硬化型粘接着剤及び硬化型粘接着シート - Google Patents

硬化型粘接着剤及び硬化型粘接着シート

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JP2000169817A
JP2000169817A JP35296198A JP35296198A JP2000169817A JP 2000169817 A JP2000169817 A JP 2000169817A JP 35296198 A JP35296198 A JP 35296198A JP 35296198 A JP35296198 A JP 35296198A JP 2000169817 A JP2000169817 A JP 2000169817A
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Makoto Miura
誠 三浦
Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光カチオン硬化型粘接着剤の粘接着特性を低
下させることなく、その染み出しを抑制することによっ
て切断性を高めた硬化型粘接着剤及び硬化型粘接着シー
トを提供する。 【解決手段】 アクリル系粘着ポリマー、カチオン重合
性化合物、光カチオン重合開始剤からなる硬化型粘接着
剤組成物100重量部及び平均繊維長が1〜100μ
m、平均繊維長/平均繊維径(アスペクト比)が2以上
である無機系繊維3〜60重量部を含有してなる硬化型
粘接着剤及び硬化型粘接着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化型粘接着剤及
び硬化型粘接着シートに関し、更に詳しくは、硬化型粘
接着剤から形成された硬化型粘接着シートにその粘接着
特性を低下させることなく優れた切断性を付与させた硬
化型粘接着剤及び硬化型粘接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】光カチオン硬化型粘接着剤は、常態では
粘着性を有するが、活性光を照射することによって徐々
に硬化し被着体に強固に接着する粘接着剤である。光カ
チオン硬化型粘接着剤は、熱硬化型粘接着剤と異なり、
光を遮断することによって貯蔵安定性が確保できるもの
であり、光カチオン重合は酸素の阻害をうけないため、
空気中で加熱なしで硬化させることができるので、熱に
弱い材料の使用や熱に弱い被着体に対しても適用できる
新しい接着剤として注目されている。
【0003】しかし、光カチオン硬化型粘接着剤は、低
分子量のモノマー成分を含むため、硬化型粘接着剤組成
物から形成された活性光が照射される前の硬化型粘接着
シートにスリットや打抜等の切断加工が施される際に、
切断端面から低分子量のモノマー成分が染み出して切断
加工品の端面を汚染し、保管性、取扱性を低下するのみ
ならず、接着作業性を低下させ、且つ、被着面の仕上が
りを悪化させ、甚だしい場合には、ブリードしてきた粘
接着剤によって切断加工品が保管容器と付着したり、積
層された切断加工品同士が付着したりして剥離できなく
なるといった問題があった。
【0004】更には、接着時に、切断加工された硬化型
粘接着シートを被着体に圧着するに際して、同様に低分
子量のモノマー成分を含む粘接着剤がプレス圧で押出さ
れ、被着面周辺を汚染するものであり、硬化型粘接着シ
ートの厚さが増せば更にこの傾向が強まるものであるの
で、光カチオン硬化型粘接着シートには製品厚さに制限
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の事実に
鑑みなされたものであって、その目的とするところは、
光カチオン硬化型粘接着剤の粘接着特性を低下させるこ
となく、その染み出しを抑制することによって切断性を
高めた硬化型粘接着剤及び硬化型粘接着シートを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の硬
化型粘接着剤は、アクリル系粘着ポリマー、カチオン重
合性化合物、光カチオン重合開始剤からなる硬化型粘接
着剤組成物100重量部及び平均繊維長が1〜100μ
m、平均繊維長/平均繊維径(アスペクト比)が2以上
である無機系繊維3〜60重量部を含有してなるもので
ある。
【0007】請求項2記載の発明の硬化型粘接着剤は、
請求項1記載の発明の硬化型粘接着剤において、アクリ
ル系粘着ポリマーが、その分子内にカチオン重合性官能
基を有するものである。
【0008】請求項3記載の発明の硬化型粘接着剤は、
請求項1又は2記載の発明の硬化型粘接着剤において、
無機系繊維が、その表面をエポキシシランで処理された
ものである。
【0009】請求項4記載の発明の硬化型粘接着シート
は、請求項1、2又は3記載の発明の硬化型粘接着剤を
シート状に成形してなるものである。
【0010】本発明で使用されるアクリル系粘着ポリマ
ーは、特に限定されるものではないが、好ましくは、ア
ルキル基の炭素数が1〜12である(メタ)アクリル酸
エステルの単独重合体或いはこれを主成分とする、他の
モノマーとの共重合体が挙げられる。上記アルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、
イソブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−
ノニル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基等が挙げ
られる。上記アクリル系粘着ポリマー調製時の重合方法
は、特に限定されるものではなく、通常用いられる重合
方法で調製されるが、中でも、相溶性の高い有機溶剤を
用い、熱ラジカル重合開始剤或いは光ラジカル重合開始
剤を用いるラジカル重合方法が好ましい。
【0011】上記アクリル系粘着ポリマーのガラス転移
温度(Tg)は、良好な初期粘着性を付与するために好
ましくは20℃以下、より好ましくは0℃以下である。
【0012】上記アクリル系粘着ポリマーの分子量は、
余り小さいと粘接着性や耐熱性が低下し、余り高いと粘
度が高くなり過ぎ、塗工性が低下して生産性を悪くし、
得られる塗膜の厚さの精度も悪くなるので、好ましくは
1万〜500万、より好ましくは10万〜300万であ
る。
【0013】アクリル系粘着ポリマーは、その分子中に
カチオン重合性官能基を有するものであってもよい。上
記カチオン重合性官能基としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、エポキシ基、ビニルエーテル基、
エピスルフィド基、エチレンイミン基、水酸基等が挙げ
られる。これらのカチオン重合性官能基を有するアクリ
ル系粘着ポリマーは、カチオン重合性官能基を含有す
る、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルメ
タクリレート、エポキシアクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート等のモノマーを前記する主成分の
(メタ)アクリレートと共重合することによって得られ
る。カチオン重合性官能基当量は、余り小さいと、カチ
オン重合性官能基濃度が高くなり、架橋密度高くなり過
ぎて剥離接着力が低下するおそれがあり、余り大きい
と、硬化反応性が低下し耐熱性を含む十分な接着力が得
られないおそれがあるので、好ましくは500〜100
000g−resin/mol程度である。
【0014】カチオン重合性化合物は、特に限定される
ものではないが、例えば、前記するエポキシ基、ビニル
エーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基、水
酸基等のカチオン重合性官能基を含有する化合物が挙げ
られる。これらのカチオン重合性化合物は、未硬化の状
態で、上記アクリル系粘着ポリマーと相溶するものが好
ましいが、特に、エポキシ樹脂は、相溶性、硬化反応性
が共に良好であり、容易に開環重合するので極めて好ま
しいものである。
【0015】上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビス
フェノールA型、ビスフェノールF型等のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾール
ノボラック等のノボラック型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル、グリシジルアミン等の汎用エポキシ樹脂が挙
げられる。市販されている代表的エポキシ樹脂として
は、例えば、油化シェルエポキシ社製、商品名「エピコ
ート828」、「同832」、「同807」、「同10
01」、「同1004」、旭電化社製、商品名「アデカ
レジンE4100」等が挙げられる。
【0016】又、エポキシ樹脂として、可撓性を高めた
変性エポキシ樹脂も用いることができる。これらの変性
エポキシ樹脂としては、例えば、ウレタン変性エポキシ
樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹
脂、サルファイド変性エポキシ樹脂、ポリオール変性エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。市販されている変性エポキ
シ樹脂の幾つかを挙げれば、例えば、旭電化社製、商品
名「アデカレジンEPR21」、「同EPU−4」、
「同EPU−6」、「同EPU−11」、「同EPU−
15」、「同EPU−16A」、「同EPU−16
B」、「同EPU−17T−6」、「同EPU−7
3」、「同EPU−75X」、「同EPU−78」、
「同EPU−86」、「同EP−4000」、「同EP
−4004」、「同EP−4005」、「同EP−40
50」、「同ACRエポキシR1348」、「同ACR
エポキシR1353」、「同ACRエポキシR136
2」、「同ACRエポキシR1370」、「同ACRエ
ポキシR1395」、「同ACRエポキシR1415−
1」、「同ACRエポキシR1418−5」、「同AC
RエポキシR1508」、シェル社製、商品名「ヘロキ
シ84」、「同8」、「同58005」、「同5800
6」、「同58034」、「同58042」、「同58
598」、日本触媒社製、商品名「エポセットBPA−
328」、「同BPA−307」、「同BPA−60
1」、「同BPA−604」、「同BPA−607」、
新日本理化社製、商品名「リカレジンBPO−20
E」、「同BPO−60E」等がある。
【0017】硬化型粘接着剤組成物中のカチオン重合性
化合物とアクリル系粘着ポリマー中に存するカチオン重
合性官能基に由来するカチオン重合性官能基当量は、余
りに大きいと、硬化型粘接着剤組成物中のカチオン重合
性官能基濃度が低くなって、硬化速度も小さくなり生産
性が低下するだけでなく、架橋密度が低下するため得ら
れる粘接着塗膜の強度が低下するおそれがあるので、5
000g−resin/mol以下であることが好まし
い。
【0018】光カチオン重合開始剤は、イオン性光酸発
生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプのいずれであっ
てもよい。イオン性光酸発生タイプ光カチオン重合開始
剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハ
ロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩、鉄
−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−
アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
市販されているこれらのイオン性光酸発生タイプの光カ
チオン重合開始剤としては、例えば、旭電化社製、商品
名「オプトマーSP−150」、「同SP−170」、
ゼネラルエレクトリック社製、商品名「UVE−101
4」、サートマー社製、商品名「CD−1012」等が
挙げられる。
【0019】非イオン性光酸発生タイプの光カチオン重
合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、
リン酸エステル、スルホン酸誘導体、フェノールスルホ
ン酸誘導体、N−ヒドロキシイミドスルホナート、ジア
ゾナフトキノン等が挙げられる。これらの光カチオン重
合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用
されてもよい。又、有効活性波長の異なる複数種の光カ
チオン重合開始剤を用いることによって、2段階以上に
硬化反応をさせてもよい。更に、これらの光重合開始剤
は、例えば、光ラジカル重合開始剤、光アニオン重合開
始剤等の他の光重合開始剤と併用されてもよい。この場
合、光ラジカル重合開始剤や光アニオン重合開始剤を活
性化する光の波長は、光カチオン重合開始剤を活性化す
る光の波長と必ずしも同じである必要はない。
【0020】光カチオン重合開始剤を活性化する光は、
赤外線、可視光線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、
電子線等が用いられるが、コスト、安全性等から紫外線
及びこれより長波長の光が好適に用いられ、特に波長2
00〜400nmの紫外線は、エネルギー量が高く、取
扱が容易であるので極めて有効に用いることができる。
上記紫外線の光源としては、水銀灯、メタルハライドラ
ンプ、ケミカルランプ等が挙げられる。
【0021】上記アクリル系粘着ポリマー、カチオン重
合性化合物、光カチオン重合開始剤からなる硬化型粘接
着剤組成物に含有される無機系繊維は、平均繊維長が1
〜100μm、平均繊維長/平均繊維径(アスペクト
比)が2以上である。無機系繊維の材質は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ガラス、シリカ、炭化珪
素、アルミナ、マグネシア、ほう酸アルミニウム、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これら
の無機系繊維は、光カチオン硬化反応を阻害することが
少ない光の透過率が高い無機系繊維が好適に用いられ
る。
【0022】繊維長及び繊維径は、電子顕微鏡で測定さ
れる。平均繊維長が余りに短いと、硬化型粘接着シート
の切断加工端面における低分子量のモノマー成分の染み
出しを抑制できず、余りに長いと、硬化型粘接着剤組成
物の揺変性が高まり塗工性が低下し、硬化型粘接着シー
トの厚さが制約されるおそれがあるので上記範囲に限定
される。
【0023】又、アスペクト比が2未満であると、比表
面積が低下して、硬化型粘接着シートの切断加工端面に
おける低分子量のモノマー成分の染み出しを抑制でき
ず、切断性を低下させるので2以上に限定される。
【0024】無機系繊維の含有量が、硬化型粘接着剤組
成物100重量部に対して3重量部未満であると、硬化
型粘接着シートの切断加工端面における低分子量のモノ
マー成分の染み出しを抑制できず、60重量部を超える
と、被着体に対する接着面積が減少し、接着力が低下す
るので上記範囲に限定される。
【0025】上記無機系繊維は、その表面をエポキシシ
ランで処理されたものであることが好ましい。本発明に
おいて、エポキシシランとは、分子内にエポキシ基とシ
ラノール基を有し、有機材料である硬化型粘接着剤組成
物と無機系繊維の界面に介在して両者を結合させる橋渡
しの役割を果たすものを指す。上記エポキシシランとし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、γ−グ
リドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙
げられる。
【0026】無機系繊維のエポキシシランによる表面処
理量は、無機系繊維の材質、繊維長、繊維径及び硬化型
粘接着剤組成物に対する含有量等によって決められる。
無機系繊維のエポキシシランによる表面処理によって、
無機系繊維の表面にシラノール基が結合し、フリーのエ
ポキシ基がカチオン重合性化合物或いはカチオン重合性
官能基を有するアクリル系粘着ポリマーと光カチオン重
合することによって無機系繊維は硬化型粘接着剤組成物
に強固に接着し、被着面に対する高い接着強度を発現す
る。
【0027】本発明の硬化型粘接着剤は、本発明の精神
を逸脱しない範囲において、必要に応じ、安定剤、滑
剤、充填剤、可塑剤、膨潤剤、溶剤、増粘剤、防黴剤、
着色剤等を含有させることができる。上記硬化型粘接着
剤はシート状に成形されて硬化型粘接着シートが作製さ
れる。硬化型粘接着シートの成形手段は、特に限定され
るものではないが、例えば、離型処理された支持材上
に、ロールコート法、グラビアコート法、押出法等の各
種成形法によって、シート状に成形される。硬化型粘接
着剤が固体ないしは高い粘度を示す液体である場合に
は、加熱等による溶融ないしは溶剤による希釈等による
粘度低減手段を有する成形法を選択する等適宜補助手段
を加味して成形される。本発明の硬化型粘接着シートの
厚さは、用途によって決められるもので特に限定される
ものではないが、余り薄いと接着強度が十分に発現され
ず、余り厚いと屈曲性等被着体表面に対する追従性が阻
害されるので、好ましくは10μm〜1mm、より好ま
しくは20〜500μmである。
【0028】又、得られる硬化型粘接着シートは、常態
で感圧性であるため、取扱を容易にするため粘接着シー
ト表面に、該粘接着シート表面を一時的に保護するため
の剥離シートを仮着することが好ましい。硬化型粘接着
シートの成形工程で用いられる離型処理された支持材及
び粘接着シート表面を一時的に保護するための剥離シー
トは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエ
ステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレ
ンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリ
デンフィルム、セロハン紙、トリ(ジ)アセチルセルロ
ースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリ
ル酸メチルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミド
フィルム、不織布、布、紙、金属箔等を基材として用
い、必要に応じて、コロナ放電処理、サンドブラスト処
理、プライマー処理等の易接着表面処理を施した後、シ
リコーン樹脂離型処理、フッ素樹脂離型処理等を施して
離型性皮膜を形成し、或いはポリオレフィンフィルムや
ポリテトラフルオロエチレンフィルム等の離型性フィル
ムを積層することによって調製される。
【0029】本発明の硬化型粘接着剤は、叙上のよう
に、上記硬化型粘接着剤組成物100重量部及び平均繊
維長が1〜100μm、平均繊維長/平均繊維径(アス
ペクト比)が2以上である無機系繊維3〜60重量部を
含有してなるものであるので、これから得られる硬化型
粘接着シートの端面から硬化型粘接着剤中のモノマー等
の低分子量成分が染み出して、保管容器と付着したり、
同シートの積層された切断加工品同士が付着したりして
剥離し難くなる等のおそれが少なく、保管性、取扱性の
極めて良好なものとなり、且つ、上記染み出しによる被
着面周辺の汚染がすくないものとなる。
【0030】特に、上記硬化型粘接着剤組成物の主要成
分であるアクリル系粘着ポリマーがカチオン重合性官能
基をその分子内に有するものである場合には、架橋反応
によって更に優れた粘接着特性を示すものとなる。
【0031】又、上記硬化型粘接着剤組成物に添加され
る無機系繊維が、その表面をエポキシシランで処理され
てなるものである場合には、有機材料である硬化型粘接
着剤組成物と無機系繊維の界面に介在して単に化学的親
和性を高めて両者を結合するに止まらず、フリーのエポ
キシ基がカチオン重合性化合物或いはアクリル系粘着ポ
リマーの分子内に存するカチオン重合性官能基と光カチ
オン重合することによって、無機系繊維を硬化型粘接着
剤組成物に結合し、高い凝集力を発現する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1)ポリアクリル酸エチル(重量平均分子量1
00万)50重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製、商品名「エピコート82
8」)50重量部、ガラス繊維(平均繊維長18μm、
平均繊維径3.1μm、アスペクト比5.8)30重量
部及びカチオン重合開始剤(旭電化社製、商品名「オプ
トマーSP170」)2重量部を固形分濃度50重量%
メチルエチルケトン溶液として、硬化型粘接着剤を作製
した。
【0033】得られた硬化型粘接着剤を厚さ50μmの
離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム
(リンテック社製、商品名「5011」)の離型処理面
上に厚さが100μmとなるように塗布し、100℃の
ギアオーブンにて10分間乾燥して硬化型粘接着シート
を作製した。
【0034】(実施例2)アクリル酸エチル98重量%
とグリシジルメタクリレート2重量%からなる重量平均
分子量65万のアクリル系共重合体50重量部、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、
商品名「エピコート828」)50重量部、アクリルゴ
ム分散エポキシ樹脂(日本触媒社製、商品名「エポセッ
トBPA328」)15重量部、エポキシシラン処理し
たほう酸アルミニウム系ウィスカ(四国化成社製、商品
名「アルボレックスY」、平均繊維長22μm、平均繊
維径0.68μm、アスペクト比32.4)20重量部
及びカチオン重合開始剤(旭電化社製、商品名「オプト
マーSP170」)2重量部を固形分濃度50重量%メ
チルエチルケトン溶液として、硬化型粘接着剤を作製し
た。
【0035】得られた硬化型粘接着剤を用いて実施例1
と同様にして硬化型粘接着シートを作製した。
【0036】(実施例3)実施例2のほう酸アルミニウ
ム系ウィスカに替えて、エポキシシラン処理したほう酸
アルミニウム系ウィスカ(四国化成社製、商品名「アル
ボレックスYS2A」、平均繊維長22μm、平均繊維
径0.68μm、アスペクト比32.4)20重量部を
用いたこと以外、実施例2と同様にして硬化型粘接着剤
を作製した。
【0037】得られた硬化型粘接着剤を用いて実施例1
と同様にして厚さが200μmとなるように塗布し、1
00℃のギアオーブンにて10分間乾燥して硬化型粘接
着シートを作製した。
【0038】(比較例1)実施例1のガラス繊維を用い
なかったこと以外、実施例1と同様にして硬化型粘接着
剤を作製し、得られた硬化型粘接着剤を用いて実施例1
と同様にして硬化型粘接着シートを作製した。
【0039】(比較例2)実施例2のガラス繊維を用い
なかったこと以外、実施例2と同様にして硬化型粘接着
剤を作製し、得られた硬化型粘接着剤を用いて実施例1
と同様にして硬化型粘接着シートを作製した。
【0040】実施例1〜3及び比較例1、2で得られた
硬化型粘接着剤及び硬化型粘接着シートの性能を評価す
るため、粘接着力、耐熱性及び切断面の染み出し量を以
下に示す方法で試験した。試験結果は表1に示す。
【0041】1.粘接着力:硬化型粘接着シートを厚さ
50μmのポリイミドフィルムに熱ラミネートした。
(熱ラミネート条件:ラミネートロール温度120℃、
ラミネート速度1m/分、ラミネート線圧2kg/c
m)。硬化型粘接着シートの熱ラミネート面の反対面に
仮着されている剥離シートを取り除き、硬化型粘接着シ
ートの露出表面に、超高圧水銀灯を用いて中心波長が3
65nmの紫外線を5J/cm2 になるように照射し
た。
【0042】硬化型粘接着シートの紫外線照射面にも厚
さ50μmのポリイミドフィルムを反対面の熱ラミネー
トと同一条件で熱ラミネートした後、120℃で1時間
硬化させた。硬化型粘接着シートの両面にポリイミドフ
ィルムを熱ラミネートし、硬化型粘接着シートを光硬化
させた上記積層体から幅10mmの試験サンプルを切り
取り、180°剥離力を引張試験機を用いて剥離速度5
0mm/分で測定した。
【0043】2.耐熱性:15mm幅に裁断した硬化型
粘接着シートを前項の粘接着力試験のサンプルと同様、
2枚のポリイミドフィルムに挟んで熱ラミネートし、硬
化型粘接着シートを得、光硬化させた後、接着面積が1
5mm×15mmとなるようにスリットして試験片を得
た。この試験片について接着部分に引張剪断力が加わる
ように2枚のポリイミドフィルムの端部に500gの荷
重を負荷し、150℃雰囲気下で保持力を測定し、硬化
型粘接着剤及び硬化型粘接着シートの耐熱性を評価し
た。
【0044】3.切断面の染み出し量:100mm×1
00mmの硬化型粘接着シートを切り取り、試験サンプ
ルとし、サンプル表面に1kgf/cm2 の荷重を負荷
し、室温で24時間放置して、サンプルの切断端部から
側方に染み出した硬化型粘接着剤の長さを測定した。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1〜3の硬化型粘接着剤を用いて作
製された硬化型粘接着シートは、いずれも、良好な接着
力と耐熱保持力を保持し、端部切断面からの硬化型粘接
着剤の染み出しも実質的にない、極めて良好な保存性、
取扱性及び接着作業性を有するものであり、特に、アク
リル系粘着ポリマーにカチオン重合性官能基を有する硬
化型粘接着剤を用いて作製された実施例1及び2の硬化
型粘接着シートは、評価した全項目共、高い性能を示し
ている。これに対して比較例1及び2に示す従来の硬化
型粘接着シートは、端部切断面からの硬化型粘接着剤の
染み出し量だけでなく、接着力及び耐熱保持力共に実施
例1〜3の硬化型粘接着剤に比して、大幅に悪く、本発
明品の顕著な効果を明らかにしている。
【0047】
【発明の効果】本発明の硬化型粘接着剤は、上述のよう
に構成されているので、硬化型粘接着剤の粘接着特性を
低下させることなく、その染み出しを抑制することによ
って、得られる本発明の硬化型粘接着シートの切断性を
高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA10 AA13 AB01 AB06 CA03 CA04 CA05 CA06 CA08 DA02 DA03 DB01 4J040 DF041 DF042 DF051 DF052 DF061 DF062 EC061 EC062 EC071 EC072 EC091 EC092 EC161 EC162 GA01 GA05 GA08 GA11 GA17 GA23 HA136 HA156 HA196 HA296 HA306 HA326 HA346 JA09 KA04 KA07 KA13 LA06 MB09 PA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系粘着ポリマー、カチオン重合
    性化合物、光カチオン重合開始剤からなる硬化型粘接着
    剤組成物100重量部及び平均繊維長が1〜100μ
    m、平均繊維長/平均繊維径(アスペクト比)が2以上
    である無機系繊維3〜60重量部を含有してなる硬化型
    粘接着剤。
  2. 【請求項2】 アクリル系粘着ポリマーが、その分子内
    にカチオン重合性官能基を有するものである請求項1記
    載の硬化型粘接着剤。
  3. 【請求項3】 無機系繊維が、その表面をエポキシシラ
    ンで処理されたものである請求項1又は2記載の硬化型
    粘接着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の硬化型粘接着
    剤をシート状に成形してなる硬化型粘接着シート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015098965A1 (ja) * 2013-12-27 2015-07-02 リンテック株式会社 粘着剤組成物、粘着シート、及び粘着シートの加工方法
JP2017002142A (ja) * 2015-06-08 2017-01-05 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線重合性樹脂組成物
JP6149148B1 (ja) * 2016-12-07 2017-06-14 株式会社アートネイチャー かつら用粘着剤、及びかつら用粘着剤の使用方法
CN110295015A (zh) * 2018-03-23 2019-10-01 普乐士株式会社 文具用粘合剂组合物及层叠体

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