JP4421714B2 - 粘着シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、粘着シート、特に液晶表示装置の液晶セル等に貼着される粘着剤層付き偏光板等の光学部品を構成する粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の液晶セル等の光学部品には偏光板が貼着される。
【0003】
偏光板は、一般的にはPVA(ポリビニルアルコール)系偏光子の両面にTAC(トリアセチルセルロース)系保護フィルムで挟んだ3層構造を有しており、少なくとも一方の保護フィルム上には粘着剤層が形成されており、該粘着剤層は、剥離シートで被覆されている。
【0004】
このような偏光板を液晶表示装置等に装着する場合、離型シートを剥し、露出した粘着剤層を介して液晶セル等に貼着される。しかし、上記のような偏光板は、その材料特性から寸法安定性に乏しく、特に熱または湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカール等を生じ易い。
【0005】
このため、粘着剤層を構成する粘着剤には、高粘着力、高剪断力を呈するアクリル系のものが使われていた。このような粘着剤組成物を用いることにより粘着剤層の被着物への接着性や密着性の向上を図ることができる。
【0006】
ところが、熱または湿熱条件下におかれたとき、偏光板の伸縮による寸法変化が生じ、そのため液晶をガラスで挟んだ液晶セルがソリを起こしたり、粘着剤層中の発泡や剥離現象が起きたりする等の問題が生じていた。
【0007】
また、偏光板を液晶セルに貼着する際に、位置合わせがうまくいかなかった等の理由で偏光板の貼り直しをする場合がある。この場合、一旦貼着した偏光板を剥離するとき、粘着剤層の接着力が大きいため、液晶セルを破損してしまったり、液晶セルの表面に糊残り等を生じ、いわゆるリワーク性の低下という問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ソリ、発泡などの欠陥を防止するとともに、リワーク性に優れた粘着シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 基材と、粘着剤層とを有する粘着シートであって、
前記粘着剤層は、粘着剤中にポリビニルアセタールを含有することを特徴とする粘着シート。
【0011】
(2) 前記ポリビニルアセタールが、下記式Iで示される構造を有する上記(1)に記載の粘着シート。ここでRは、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基である。
【化2】
Figure 0004421714
(3) 前記ポリビニルアセタールの重量平均分子量が1万〜50万である上記(1)または(2)に記載の粘着シート。
【0012】
(4) 前記ポリビニルアセタールのアセタール化度が50〜95mol%である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の粘着シート。
【0013】
(5) 前記ポリビニルアセタールが前記粘着剤100重量部に対し1〜50重量部含まれる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の粘着シート。
【0014】
(6) 前記基材は偏光板である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の粘着シート。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の粘着シートを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の粘着シートの概略断面図である。
図に示すように、本発明の粘着シート1は、主としてTN液晶セル(TFT)に貼着して使用されるものであって、基材2の片面に粘着剤層3が設けられており、この粘着剤層3の基材2と積層する面と反対側の面に離型シート4が貼着されている。
【0017】
本実施形態において、基材2は偏光板であり、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)系偏光子の両面にTAC(トリアセチルセルロース)系保護フィルムが積層された3層構造のものを用いることができる。このような偏光板は、その構成材料の特性から、それ自体環境条件の変化に対する安定性に乏しく、特に高温または高温高湿環境下において著しい寸法変化を示す傾向がある。
【0018】
粘着剤層3は、粘着剤を主剤とし、これにポリビニルアセタールが含まれた粘着剤組成物で構成されている。
【0019】
粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等いずれであってもよいが、アクリル系樹脂からなるものが好ましい。アクリル系樹脂を用いることにより、耐候性、凝集性の良好な粘着剤層を形成することができる。また、無色透明の粘着剤層を容易に形成することができる。
【0020】
例えば、粘着剤がアクリル系樹脂である場合、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体から構成することができる。
【0021】
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシエチル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0022】
コモノマー成分としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0023】
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
【0024】
これらの各成分を用いることにより、粘着剤組成物の粘着力、凝集力が向上する。また、このようなアクリル系樹脂は、分子中に不飽和結合を有しないため、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができる。さらに、モノマーの種類や分子量の選択により、用途に応じた品質、特性を備える粘着剤組成物を得ることができる。
【0025】
ゴム系樹脂としては、例えば、天然ゴム系、イソプレンゴム系、スチレン−ブタジエン系、再生ゴム系、ポリイソブチレン系のものや、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等のゴムを含むブロック共重合体を主とするものが挙げられる。
【0026】
シリコーン系樹脂としては、例えば、ジメチルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のものが挙げられる。
【0027】
粘着剤層3を構成する粘着剤組成物は、ポリビニルアセタールを含む。このポリビニルアセタールが含まれることにより、粘着シート1が湿熱下におかれたときの粘着剤層中の発泡や剥離現象などが防止される。その理由については、明らかではないが、粘着剤がなす3次元構造の間にポリビニルアセタールが入り込み、その凝集力を緩和して可塑性を与える働きをするものと考えられる。また、そのため、粘着剤層3の濡れ性が向上し、基材2との密着性を維持しつつ基材2の収縮応力を十分に吸収、緩和することができるものと考えられる。
【0028】
ここで、ポリビニルアセタールとは、ポリビニルアルコールのような1,3−ジオール構造を有するポリマーの一定の割合の水酸基がアルデヒド化合物と反応し、6員環アセタール構造が分子中に形成された化合物のことを言う。特に、下記式Iで示される構造を有するものが好ましい。
【0029】
【化3】
Figure 0004421714
【0030】
式IのRで示される脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基は、特に限定されないが、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。R=Hであると、有機溶剤に値する溶解性が低下する。その結果、粘着剤層3におけるポリビニルアセタールの含有比率が減少し、粘着剤層3の可塑化が十分に達成されない場合があり、基材2の収縮応力を十分に吸収、緩和することができなくなるおそれがある。一方、炭素数が10を超えると粘着剤との相溶性が低下し、粘着剤層3の可塑化が十分に達成されない場合があり、基材2の収縮応力を十分に吸収、緩和することができなくなるおそれがある。
【0031】
ポリビニルアセタールの重量平均分子量は、特に限定されないが、1万〜50万であるのが好ましく、2万〜40万であることがより好ましい。ポリビニルアセタールの重量平均分子量が1万未満であると、粘着剤層3が十分な可塑性を発揮するためには多量のポリビニルアセタールを加えなければならず、その結果、剥離時に組成物が被着体へ残存するおそれがある。一方、重量平均分子量が50万を超えると、粘着剤との相溶性が低下し、粘着剤層3の可塑化が十分に達成されない場合があり、基材2の収縮応力を十分に吸収、緩和することができなくなるおそれがある。
【0032】
ポリビニルアセタールのアセタール化度は、特に限定されないが、50〜95mol%であることが好ましく、60〜80mol%であることがより好ましい。ポリビニルアセタールのアセタール化度が50mol%未満であると、粘着剤層3が十分な可塑性を発揮するためには多量のポリビニルアセタールを加えなければならず、相溶性が悪くなる場合がある。一方、ポリビニルアセタールのアセタール化度は高いほどよいが、95mol%を越えるものは、合成工程が煩雑となり、また、合成が困難である場合があり、入手の上でも不利になる。
【0033】
このようなポリビニルアセタールの粘着剤組成物中における含有量は、特に限定されないが、粘着剤100重量部に対し1〜50重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましい。ポリビニルアセタールが1重量部未満であると、粘着剤層3の可塑化が不十分となることがあり、前記効果の発現が少ない。一方、ポリビニルアセタールが50重量部を超えると、透明性が低下し、光学部品としての用途に適さなくなる。
【0034】
なお、粘着剤組成物中には、成分、重量平均分子量、アセタール化度等が異なる2種以上のポリビニルアセタールが含まれていてもよく、この場合には、その合計量が前述した範囲内であればよい。
【0035】
本発明に用いられる粘着剤組成物は、架橋処理を施す架橋型および架橋処理を施さない非架橋型のいずれのものも用いることができるが、架橋型のものがより好ましい。架橋型のものを用いる場合、凝集力のより優れた粘着剤層3を形成することができる。
【0036】
架橋型の粘着剤組成物の場合、架橋処理(硬化)の方法としては、例えばエポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等の架橋剤を添加する方法や放射線を照射する方法等が挙げられる。
【0037】
粘着剤組成物に架橋剤を添加する場合、架橋剤は、粘着剤100重量部に対し0.01〜5重量部含まれることが好ましい。粘着剤組成物がこの程度の量の架橋剤を含むことにより、粘着剤層3の凝集力をより良好に向上させることができる。
【0038】
この場合、粘着剤は、架橋剤と反応可能な官能基を有するモノマーを共重合してなるものであることが好ましい。これにより、粘着剤層のリワーク性が向上する。
【0039】
また、本発明に用いられる粘着剤組成物は、必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。可塑剤としては、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族2塩基酸エステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類等が挙げられる。
【0040】
粘着剤層3の形成方法としては、例えば、基材2に上記の粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて離型シート4を被覆して、粘着剤層3を形成し粘着シート1とする方法、離型シート4の離型処理された面に粘着剤組成物を塗工し、粘着剤層3を形成した後、該粘着剤層3を基材2に転写し、粘着シート1とする方法等が挙げられる。
【0041】
なお、基材2または離型シート4に粘着剤組成物を塗工する方法については、特に限定されないが、塗工方法としては、例えばロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング等の方法が挙げられる。
【0042】
粘着剤層3の塗布量は、特に限定されないが、本実施形態の場合のような用途に用いられる場合、1〜150g/m2程度とするのが好ましく、10〜50g/m2程度がより好ましく、20〜30g/m2程度がさらに好ましい。
【0043】
粘着剤層3に貼着される離型シート4は、いずれのものを使用してもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層3との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものを用いることができる。
【0044】
また、粘着シート1には、図示されていないが基材2の表面(粘着剤層3が積層する面と反対側の面)に、表面保護用シート(プロテクトフィルム)が貼着されていてもよい。
【0045】
以上の実施形態では、基材2として偏光板が用いられているが、本発明の粘着シートは、これに限られず、基材としては、例えば検光子、位相子(1/4波長板、1/2波長板等)、旋光子(ファラデー素子、自然旋光子)、各種光学フィルター等の他の板状光学部品であってもよい。
【0046】
また、本発明の粘着シートは、液晶セルに貼着して使用されるものやその他の用途で使用される光学部品に適用するものに限られず、基材が温度、湿度等の環境条件の変化に対し、膨張、収縮、反り等の変形を生じ易い材料からなる場合に適用することができる。
【0047】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0048】
1.粘着シートの作製
基材として偏光板を用い、下記の組成の粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成し粘着シートを作製した。
【0049】
(実施例1)
▲1▼基材
トリアセチルセルロースフィルム/ポリビニルアルコールフィルム/トリアセチルセルロースフィルムの3層積層体の偏光板(厚さ:180μm)
【0050】
▲2▼粘着剤組成物
粘着剤:100重量部(アクリル酸ブチル/アクリル酸の重量比=94/6)(重量平均分子量 100万)
ポリビニルアセタール:5重量部(ポリビニルブチラール、式Iでは、R=C37で示される物質である。)
(重量平均分子量 8万8千、アセタール化度=70mol%)
【0051】
なお、アクリル酸は、架橋剤と反応可能な官能基(COOH基)を有するモノマーである。
架橋剤:1重量部(トリメチロールプロパントリレンジイソシアナート)
【0052】
▲3▼離型シート
ポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)
(リンテック(株)社製 SP PET38)、厚さ:38μm
【0053】
上記▲2▼の粘着剤組成物にトルエンを加え、▲3▼の離型シート4の離型処理された面上に塗布して乾燥し、これを、▲1▼の基材2の片面に転写することにより粘着剤層3(30g/m2)を形成した。これを常温で7日間シーズニングを行い、図1に示すような粘着シート1を作製した。
【0054】
(実施例2)
ポリビニルブチラール(アセタール化度=70mol%、5重量部)の重量平均分子量を37万8千とした以外は、実施例1と同様にして粘着シート1を作成した。
【0055】
(実施例3)
ポリビニルブチラール(重量平均分子量 37万8千、5重量部)のアセタール化度を50mol%とした以外は、実施例2と同様にして粘着シート1を作成した。
【0056】
(実施例4)
ポリビニルブチラール(重量平均分子量 8万8千、アセタール化度=50mol%)を30重量部用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート1を作成した。
【0057】
(実施例5)
ポリビニルアセタールとして、ポリビニルエチラール(重量平均分子量 8万、アセタール化度=70mol%)を5重量部用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート1を作製した。
【0058】
(実施例6)
ポリビニルエチラール(重量平均分子量 8万、アセタール化度=70mol%)を30重量部用いた以外は、実施例5と同様にして粘着シート1を作成した。
【0059】
(実施例7)
可塑剤としてフタル酸ジエチル20重量部、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル1重量部を添加した以外は、実施例1と同様にして粘着シート1を作成した。
【0060】
(実施例8)
ポリビニルブチラール(アセタール化度=70mol%、5重量部)の重量平均分子量を2万5千とした以外は、実施例1と同様にして粘着シート1を作成した。
【0061】
(実施例9)
ポリビニルアセタールとしてポリビニルブチラール(重量平均分子量 37万8千、アセタール化度=60mol%、5重量部)、ポリビニルエチラール(重量平均分子量 8万、アセタール化度=70mol%、10重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート1を作成した。
【0062】
(比較例1)
ポリビニルアセタールを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着シート1を作製した。
【0063】
(比較例2)
ポリビニルアセタールを添加しなかった以外は、実施例7と同様にして粘着シート1を作製した。
【0064】
なお、上記実施例1〜9および比較例1〜2で用いたポリビニルアセタール、可塑剤について、表1にまとめた。
【0065】
2.粘着シートの粘着特性評価
上記実施例1〜9および比較例1〜2で作製された粘着シートについて、以下の粘着特性評価を行った。
【0066】
まず、各実施例および比較例で作製された粘着シートを、80mm×150mmのサイズに裁断し、100mm×170mm×1mm厚のガラス板に貼着した。
【0067】
次いで、これを90℃×100時間の条件下に置き、その後、粘着剤層の耐久性および基材の寸法変化による残留応力に起因して生じる発泡、剥離の発現状態を目視で観察する耐熱性試験を行った。
【0068】
粘着剤層の発泡の評価は、以下の3段階で行った。
○ :発泡がみとめられない。
△ :発泡がややみとめられる
× :発泡が顕著にみとめられる。
【0069】
粘着剤層の剥離の評価は、以下の3段階で行った。
○ :剥離がみとめられない。
△ :剥離がややみとめられる
× :剥離が顕著にみとめられる。
【0070】
ソリの発現状態の評価は、次のように行った。
前記耐熱性試験後、室温で1日静置し、平滑な平面上に偏向板を貼付した面を上にして置き、ガラスの四隅と平滑平面との距離を測定した。各4点の値の平均をソリの測定値とした。この距離が小さいほどガラス板のソリが小さいこととなる。
剥離時の粘着力の評価はJIS K6854に基づき行った。
【0071】
また、リワーク性の評価は次のように行った。
まず、各粘着シートから25mm×150mmの試験片を作製した。
【0072】
次に、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス板(日本板硝子(株)製「Hコートガラス」)に貼付し、50℃、5kg/cm2で20分間オートクレーブ処理を行った。続いて70℃で2時間加熱処理を行なった後、23℃、相対湿度65%RH雰囲気中にてこの貼着試験片を300mm/minの速度で180°方向に剥離した後、ガラス板表面の状態を目視で観察した。
【0073】
ガラス板表面の状態によりリワーク性の評価を以下の3段階で行った。
○ :ガラス板表面に曇りおよび糊残りがみられない。
△ :ガラス板表面に曇り等がややみとめられる。
× :ガラス板表面に曇り又は糊残りがみとめられる。
以上の結果を表2に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0004421714
【0075】
【表2】
Figure 0004421714
これらの結果から明らかなように、実施例1〜9の粘着シート(粘着剤層付き偏光板)によれば、液晶セルに貼着して使用した場合、ソリ、発泡、剥離を十分に防止できることが確認された。また、剥離時の粘着力を抑制することができた。さらに、リワーク性に優れ、粘着シートを剥離したとき、糊残り等を生じないものであることがわかった。
【0076】
これに対し、比較例1、2の粘着シートでは、ソリ、発泡、剥離が認められ、剥離時の粘着力も高かった。また、比較例2では、可塑剤を添加しているため、粘着シートを剥離したとき、糊残り等がみとめられた。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の粘着シートの粘着剤層は、湿熱条件下での基材の収縮応力を粘着剤層が吸収・緩和し、基材に対し粘着剤層がソリ、発泡、剥離等を生じることがない。
【0078】
また、リワーク性に優れ、一度貼着した粘着シートを剥離しても被着体の表面に糊残り等を生じることがない。
【0079】
さらに、本発明の粘着シートは、比較的簡易な構成で上記効果を得ることができ、その製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着シートの概略断面図である。
【符号の説明】
1 粘着シート
2 基材
3 粘着剤層
4 離型シート

Claims (6)

  1. 基材と、粘着剤層とを有する粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、粘着剤中にポリビニルアセタールを含有することを特徴とする粘着シート。
  2. 前記ポリビニルアセタールが、下記式Iで示される構造を有する請求項1に記載の粘着シート。ここでRは、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基である。
    Figure 0004421714
  3. 前記ポリビニルアセタールの重量平均分子量が1万〜50万である請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記ポリビニルアセタールのアセタール化度が50〜95mol%である請求項1ないし3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 前記ポリビニルアセタールが前記粘着剤100重量部に対し1〜50重量部含まれる請求項1ないし4のいずれかに記載の粘着シート。
  6. 前記基材は偏光板である請求項1ないし5のいずれかに記載の粘着シート。
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