JP2001115115A - 粘着シート - Google Patents
粘着シートInfo
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Abstract
ともに、リワーク性に優れた粘着シートを提供すること
を目的とする。 【解決手段】粘着シート1は、基材2と、粘着剤とポリ
ビニルアセタールとを含む粘着剤層3とを有する。ポリ
ビニルアセタールは、下記式Iで示される構造を有する
ものであり、ここでRは、炭素数が1〜10の脂肪族炭
化水素基もしくは芳香族炭化水素基であることが好まし
い。ポリビニルアセタールの重量平均分子量は、1万〜
50万であることが好ましい。ポリビニルアセタールの
アセタール化度は、50〜95mol%であることが好
ましい。ポリビニルアセタールは、粘着剤100重量部
に対して1〜50重量部含まれることが好ましい。 【化1】
Description
液晶表示装置の液晶セル等に貼着される粘着剤層付き偏
光板等の光学部品を構成する粘着シートに関するもので
ある。
は偏光板が貼着される。
アルコール)系偏光子の両面にTAC(トリアセチルセ
ルロース)系保護フィルムで挟んだ3層構造を有してお
り、少なくとも一方の保護フィルム上には粘着剤層が形
成されており、該粘着剤層は、剥離シートで被覆されて
いる。
する場合、離型シートを剥し、露出した粘着剤層を介し
て液晶セル等に貼着される。しかし、上記のような偏光
板は、その材料特性から寸法安定性に乏しく、特に熱ま
たは湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカ
ール等を生じ易い。
は、高粘着力、高剪断力を呈するアクリル系のものが使
われていた。このような粘着剤組成物を用いることによ
り粘着剤層の被着物への接着性や密着性の向上を図るこ
とができる。
とき、偏光板の伸縮による寸法変化が生じ、そのため液
晶をガラスで挟んだ液晶セルがソリを起こしたり、粘着
剤層中の発泡や剥離現象が起きたりする等の問題が生じ
ていた。
位置合わせがうまくいかなかった等の理由で偏光板の貼
り直しをする場合がある。この場合、一旦貼着した偏光
板を剥離するとき、粘着剤層の接着力が大きいため、液
晶セルを破損してしまったり、液晶セルの表面に糊残り
等を生じ、いわゆるリワーク性の低下という問題があっ
た。
などの欠陥を防止するとともに、リワーク性に優れた粘
着シートを提供することを目的とする。
(1)〜(6)の本発明により達成される。
シートであって、前記粘着剤層は、粘着剤中にポリビニ
ルアセタールを含有することを特徴とする粘着シート。
記式Iで示される構造を有する上記(1)に記載の粘着
シート。ここでRは、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水
素基もしくは芳香族炭化水素基である。
1万〜50万である上記(1)または(2)に記載の粘
着シート。
タール化度が50〜95mol%である上記(1)ない
し(3)のいずれかに記載の粘着シート。
粘着剤100重量部に対し1〜50重量部含まれる上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の粘着シート。
(1)ないし(5)のいずれかに記載の粘着シート。
図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
である。図に示すように、本発明の粘着シート1は、主
としてTN液晶セル(TFT)に貼着して使用されるも
のであって、基材2の片面に粘着剤層3が設けられてお
り、この粘着剤層3の基材2と積層する面と反対側の面
に離型シート4が貼着されている。
り、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)系偏光子
の両面にTAC(トリアセチルセルロース)系保護フィ
ルムが積層された3層構造のものを用いることができ
る。このような偏光板は、その構成材料の特性から、そ
れ自体環境条件の変化に対する安定性に乏しく、特に高
温または高温高湿環境下において著しい寸法変化を示す
傾向がある。
ポリビニルアセタールが含まれた粘着剤組成物で構成さ
れている。
リコーン系等いずれであってもよいが、アクリル系樹脂
からなるものが好ましい。アクリル系樹脂を用いること
により、耐候性、凝集性の良好な粘着剤層を形成するこ
とができる。また、無色透明の粘着剤層を容易に形成す
ることができる。
合、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を
与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官
能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体
から構成することができる。
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリ
ル酸メトキシエチル等のアクリル酸アルキルエステル
や、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベン
ジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビ
ニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
ば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド
等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げら
れる。
剤組成物の粘着力、凝集力が向上する。また、このよう
なアクリル系樹脂は、分子中に不飽和結合を有しないた
め、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができ
る。さらに、モノマーの種類や分子量の選択により、用
途に応じた品質、特性を備える粘着剤組成物を得ること
ができる。
系、イソプレンゴム系、スチレン−ブタジエン系、再生
ゴム系、ポリイソブチレン系のものや、スチレン−イソ
プレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等
のゴムを含むブロック共重合体を主とするものが挙げら
れる。
チルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のものが挙
げられる。
リビニルアセタールを含む。このポリビニルアセタール
が含まれることにより、粘着シート1が湿熱下におかれ
たときの粘着剤層中の発泡や剥離現象などが防止され
る。その理由については、明らかではないが、粘着剤が
なす3次元構造の間にポリビニルアセタールが入り込
み、その凝集力を緩和して可塑性を与える働きをするも
のと考えられる。また、そのため、粘着剤層3の濡れ性
が向上し、基材2との密着性を維持しつつ基材2の収縮
応力を十分に吸収、緩和することができるものと考えら
れる。
ビニルアルコールのような1,3−ジオール構造を有す
るポリマーの一定の割合の水酸基がアルデヒド化合物と
反応し、6員環アセタール構造が分子中に形成された化
合物のことを言う。特に、下記式Iで示される構造を有
するものが好ましい。
は芳香族炭化水素基は、特に限定されないが、炭素数が
1〜10であることが好ましく、1〜5であることがよ
り好ましい。R=Hであると、有機溶剤に値する溶解性
が低下する。その結果、粘着剤層3におけるポリビニル
アセタールの含有比率が減少し、粘着剤層3の可塑化が
十分に達成されない場合があり、基材2の収縮応力を十
分に吸収、緩和することができなくなるおそれがある。
一方、炭素数が10を超えると粘着剤との相溶性が低下
し、粘着剤層3の可塑化が十分に達成されない場合があ
り、基材2の収縮応力を十分に吸収、緩和することがで
きなくなるおそれがある。
は、特に限定されないが、1万〜50万であるのが好ま
しく、2万〜40万であることがより好ましい。ポリビ
ニルアセタールの重量平均分子量が1万未満であると、
粘着剤層3が十分な可塑性を発揮するためには多量のポ
リビニルアセタールを加えなければならず、その結果、
剥離時に組成物が被着体へ残存するおそれがある。一
方、重量平均分子量が50万を超えると、粘着剤との相
溶性が低下し、粘着剤層3の可塑化が十分に達成されな
い場合があり、基材2の収縮応力を十分に吸収、緩和す
ることができなくなるおそれがある。
は、特に限定されないが、50〜95mol%であるこ
とが好ましく、60〜80mol%であることがより好
ましい。ポリビニルアセタールのアセタール化度が50
mol%未満であると、粘着剤層3が十分な可塑性を発
揮するためには多量のポリビニルアセタールを加えなけ
ればならず、相溶性が悪くなる場合がある。一方、ポリ
ビニルアセタールのアセタール化度は高いほどよいが、
95mol%を越えるものは、合成工程が煩雑となり、
また、合成が困難である場合があり、入手の上でも不利
になる。
組成物中における含有量は、特に限定されないが、粘着
剤100重量部に対し1〜50重量部であることが好ま
しく、5〜30重量部であることがより好ましい。ポリ
ビニルアセタールが1重量部未満であると、粘着剤層3
の可塑化が不十分となることがあり、前記効果の発現が
少ない。一方、ポリビニルアセタールが50重量部を超
えると、透明性が低下し、光学部品としての用途に適さ
なくなる。
均分子量、アセタール化度等が異なる2種以上のポリビ
ニルアセタールが含まれていてもよく、この場合には、
その合計量が前述した範囲内であればよい。
処理を施す架橋型および架橋処理を施さない非架橋型の
いずれのものも用いることができるが、架橋型のものが
より好ましい。架橋型のものを用いる場合、凝集力のよ
り優れた粘着剤層3を形成することができる。
(硬化)の方法としては、例えばエポキシ系化合物、イ
ソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アル
コキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、
アルデヒド系化合物等の架橋剤を添加する方法や放射線
を照射する方法等が挙げられる。
橋剤は、粘着剤100重量部に対し0.01〜5重量部
含まれることが好ましい。粘着剤組成物がこの程度の量
の架橋剤を含むことにより、粘着剤層3の凝集力をより
良好に向上させることができる。
官能基を有するモノマーを共重合してなるものであるこ
とが好ましい。これにより、粘着剤層のリワーク性が向
上する。
は、必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各
種添加剤を含んでいてもよい。可塑剤としては、フタル
酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチ
ル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族2塩基酸エステル
類、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等のリン
酸エステル類等が挙げられる。
基材2に上記の粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて離
型シート4を被覆して、粘着剤層3を形成し粘着シート
1とする方法、離型シート4の離型処理された面に粘着
剤組成物を塗工し、粘着剤層3を形成した後、該粘着剤
層3を基材2に転写し、粘着シート1とする方法等が挙
げられる。
組成物を塗工する方法については、特に限定されない
が、塗工方法としては、例えばロールナイフコーター、
ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビ
アロールコーター、リバースロールコーター、ディッピ
ング等の方法が挙げられる。
が、本実施形態の場合のような用途に用いられる場合、
1〜150g/m2程度とするのが好ましく、10〜5
0g/m2程度がより好ましく、20〜30g/m2程度
がさらに好ましい。
いずれのものを使用してもよく、例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィ
ルムを基材とし、この基材の粘着剤層3との接合面に、
離型処理(シリコーン処理等)が施されたものを用いる
ことができる。
いが基材2の表面(粘着剤層3が積層する面と反対側の
面)に、表面保護用シート(プロテクトフィルム)が貼
着されていてもよい。
が用いられているが、本発明の粘着シートは、これに限
られず、基材としては、例えば検光子、位相子(1/4
波長板、1/2波長板等)、旋光子(ファラデー素子、
自然旋光子)、各種光学フィルター等の他の板状光学部
品であってもよい。
貼着して使用されるものやその他の用途で使用される光
学部品に適用するものに限られず、基材が温度、湿度等
の環境条件の変化に対し、膨張、収縮、反り等の変形を
生じ易い材料からなる場合に適用することができる。
る。
用いて粘着剤層を形成し粘着シートを作製した。
ルフィルム/トリアセチルセルロースフィルムの3層積
層体の偏光板(厚さ:180μm)
の重量比=94/6)(重量平均分子量 100万) ポリビニルアセタール:5重量部(ポリビニルブチラー
ル、式Iでは、R=C 3H7で示される物質である。) (重量平均分子量 8万8千、アセタール化度=70m
ol%)
官能基(COOH基)を有するモノマーである。架橋
剤:1重量部(トリメチロールプロパントリレンジイソ
シアナート)
たもの) (リンテック(株)社製 SP PET38)、厚さ:
38μm
の離型シート4の離型処理された面上に塗布して乾燥
し、これを、の基材2の片面に転写することにより粘
着剤層3(30g/m2)を形成した。これを常温で7
日間シーズニングを行い、図1に示すような粘着シート
1を作製した。
タール化度=70mol%、5重量部)の重量平均分子
量を37万8千とした以外は、実施例1と同様にして粘
着シート1を作成した。
平均分子量 37万8千、5重量部)のアセタール化度
を50mol%とした以外は、実施例2と同様にして粘
着シート1を作成した。
平均分子量 8万8千、アセタール化度=50mol
%)を30重量部用いた以外は、実施例1と同様にして
粘着シート1を作成した。
て、ポリビニルエチラール(重量平均分子量 8万、ア
セタール化度=70mol%)を5重量部用いた以外
は、実施例1と同様にして粘着シート1を作製した。
平均分子量 8万、アセタール化度=70mol%)を
30重量部用いた以外は、実施例5と同様にして粘着シ
ート1を作成した。
ル20重量部、架橋剤としてエチレングリコールジグリ
シジルエーテル1重量部を添加した以外は、実施例1と
同様にして粘着シート1を作成した。
タール化度=70mol%、5重量部)の重量平均分子
量を2万5千とした以外は、実施例1と同様にして粘着
シート1を作成した。
ポリビニルブチラール(重量平均分子量 37万8千、
アセタール化度=60mol%、5重量部)、ポリビニ
ルエチラール(重量平均分子量 8万、アセタール化度
=70mol%、10重量部)を用いた以外は、実施例
1と同様にして粘着シート1を作成した。
しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着シート1
を作製した。
しなかった以外は、実施例7と同様にして粘着シート1
を作製した。
2で用いたポリビニルアセタール、可塑剤について、表
1にまとめた。
シートについて、以下の粘着特性評価を行った。
粘着シートを、80mm×150mmのサイズに裁断
し、100mm×170mm×1mm厚のガラス板に貼
着した。
下に置き、その後、粘着剤層の耐久性および基材の寸法
変化による残留応力に起因して生じる発泡、剥離の発現
状態を目視で観察する耐熱性試験を行った。
行った。 ○ :発泡がみとめられない。 △ :発泡がややみとめられる × :発泡が顕著にみとめられる。
行った。 ○ :剥離がみとめられない。 △ :剥離がややみとめられる × :剥離が顕著にみとめられる。
た。前記耐熱性試験後、室温で1日静置し、平滑な平面
上に偏向板を貼付した面を上にして置き、ガラスの四隅
と平滑平面との距離を測定した。各4点の値の平均をソ
リの測定値とした。この距離が小さいほどガラス板のソ
リが小さいこととなる。剥離時の粘着力の評価はJIS
K6854に基づき行った。
た。まず、各粘着シートから25mm×150mmの試
験片を作製した。
チック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セ
ル用ガラス板(日本板硝子(株)製「Hコートガラ
ス」)に貼付し、50℃、5kg/cm2で20分間オ
ートクレーブ処理を行った。続いて70℃で2時間加熱
処理を行なった後、23℃、相対湿度65%RH雰囲気
中にてこの貼着試験片を300mm/minの速度で1
80°方向に剥離した後、ガラス板表面の状態を目視で
観察した。
価を以下の3段階で行った。 ○ :ガラス板表面に曇りおよび糊残りがみられない。 △ :ガラス板表面に曇り等がややみとめられる。 × :ガラス板表面に曇り又は糊残りがみとめられる。 以上の結果を表2に示す。
シート(粘着剤層付き偏光板)によれば、液晶セルに貼
着して使用した場合、ソリ、発泡、剥離を十分に防止で
きることが確認された。また、剥離時の粘着力を抑制す
ることができた。さらに、リワーク性に優れ、粘着シー
トを剥離したとき、糊残り等を生じないものであること
がわかった。
は、ソリ、発泡、剥離が認められ、剥離時の粘着力も高
かった。また、比較例2では、可塑剤を添加しているた
め、粘着シートを剥離したとき、糊残り等がみとめられ
た。
の粘着剤層は、湿熱条件下での基材の収縮応力を粘着剤
層が吸収・緩和し、基材に対し粘着剤層がソリ、発泡、
剥離等を生じることがない。
着シートを剥離しても被着体の表面に糊残り等を生じる
ことがない。
易な構成で上記効果を得ることができ、その製造が容易
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材と、粘着剤層とを有する粘着シート
であって、 前記粘着剤層は、粘着剤中にポリビニルアセタールを含
有することを特徴とする粘着シート。 - 【請求項2】 前記ポリビニルアセタールが、下記式I
で示される構造を有する請求項1に記載の粘着シート。
ここでRは、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基もし
くは芳香族炭化水素基である。 【化1】 - 【請求項3】 前記ポリビニルアセタールの重量平均分
子量が1万〜50万である請求項1または2に記載の粘
着シート。 - 【請求項4】 前記ポリビニルアセタールのアセタール
化度が50〜95mol%である請求項1ないし3のい
ずれかに記載の粘着シート。 - 【請求項5】 前記ポリビニルアセタールが前記粘着剤
100重量部に対し1〜50重量部含まれる請求項1な
いし4のいずれかに記載の粘着シート。 - 【請求項6】 前記基材は偏光板である請求項1ないし
5のいずれかに記載の粘着シート。
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