JP2000169543A - 常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材 - Google Patents

常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材

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JP2000169543A
JP2000169543A JP10353335A JP35333598A JP2000169543A JP 2000169543 A JP2000169543 A JP 2000169543A JP 10353335 A JP10353335 A JP 10353335A JP 35333598 A JP35333598 A JP 35333598A JP 2000169543 A JP2000169543 A JP 2000169543A
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tetraol
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oxypropylene
curing agent
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JP10353335A
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Masakazu Tanaka
雅和 田中
Yoshio Hirayama
善男 平山
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化後の塗膜の物性変化、大幅なコストアッ
プ、可使時間の短縮、塗膜の層間剥離などの問題を生じ
ることなく、しかも塗布の翌日の塗膜にタックが残るの
を確実に防止して、異物の付着などのない良好な塗膜を
形成しうる常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材を提供す
る。 【解決手段】 常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材を構
成する (A) トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応生
成物である、末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーを含有する主剤と、(B) 活性水素化合物と
して、(B-1) o−クロロアニリンとアニリンとホルムア
ルデヒドとの脱水縮合生成物および/または4,4−メ
チレンビス(2−クロロアニリン)と、(B-2) ポリオー
ルとを併用した硬化剤のうち(B-2)のポリオールに、(C)
ペンタエリスリトールとプロピレンオキシドとの付加
重合物である、平均分子量500〜600のポリ(オキ
シプロピレン)テトラオールを所定の割合で含有させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば建築物
の塗り床や各種スポーツ施設の舗装などに好適に使用さ
れる、常温硬化型のポリウレタン樹脂舗装材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば建築物の塗り床用の塗り
床材や、あるいはプールサイド、テニスコート、陸上競
技場などの、各種スポーツ施設の舗装用の舗装材とし
て、主剤と硬化剤とを施工現場で混合後、コテ、ハケ、
レーキなどを使用して手塗り作業で施工面に塗布したの
ち常温で硬化させる、常温硬化型のポリウレタン樹脂系
の舗装材が一般に使用されている。
【0003】このような手塗り作業用に用いられる2液
硬化型の常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材には、その
作業性を考慮して、主剤と硬化剤とを混合してから、硬
化反応の進行によって粘度が上昇して塗布できなくなる
までの間の、施工面への塗布が可能な時間(可使時間)
がおよそ1時間程度までで、かつ硬化反応がさらに進行
して、塗膜上を作業員が歩行でき、あるいは塗り重ねや
仕上げ塗りができるようになるまでの時間(硬化時間)
がおよそ6〜20時間程度であることが求められる。
【0004】常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材として
は種々の主剤と硬化剤との組み合わせがあるが、中でも
(A) トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応に
よって得られる、末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーを主成分とする主剤と、(B) 活性水素
化合物として、(B-1) o−クロロアニリンとアニリンと
ホルムアルデヒドとの脱水縮合生成物、および4,4−
メチレンビス(2−クロロアニリン)のうちの少なくと
も一方と、(B-2) ポリオールとを併用した硬化剤と、を
組み合わせたものが、 基本的に、他の主剤と硬化剤との組み合わせよりも
硬化反応が穏やかで、前述した可使時間、硬化時間の要
求を満足する塗膜を形成しやすいこと、 硬化後に、引張強さなどの、前記塗り床や舗装に要
求される物性を満足する塗膜を形成しうること、 両成分ともに汎用の材料であって特殊な成分を含ま
ないためにコスト的に有利であること、 などの理由により、手塗り作業用として最も好適に使用
される。
【0005】しかし、上記(A)および(B)の両成分を組み
合わせた常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材は、塗布の
翌日になっても塗膜の表面に粘着性(タック)が残りや
すいという傾向があり、塗膜にタックが残っていると、
その上を作業員が歩行したり、あるいは塗り重ねや仕上
げ塗りの作業を行ったりしにくくなるだけでなく、作業
員の足跡が塗膜に残ったり、あるいは作業員の履き物な
どについてきた土などの異物が塗膜の表面に付着して、
その上に塗り重ねる塗膜の外観および性能に影響を及ぼ
したりするという問題があった。とくに屋外での施工時
にタックが残ると、落ち葉、昆虫、砂利、砂、土、ホコ
リなどの様々な異物が塗膜に付着して取れなくなってし
まって、塗膜の外観や性能が著しく低下するおそれがあ
った。
【0006】そこで従来、塗布の翌日の塗膜にタックが
残るのを防止すべく、(1) 前記各成分のうち(B-1)の、
o−クロロアニリンとアニリンとホルムアルデヒドとの
脱水縮合生成物、または4,4−メチレンビス(2−ク
ロロアニリン)の配合割合を、他の(A)成分や(B-2)成分
に比べて増加させることによって、硬化後の塗膜の硬度
を高めたり、あるいは(2) 前記(A)(B)両成分の反応速度
を調整するために使用される、有機金属系、アミン系な
どの触媒の添加量を増加させることによって、塗膜の硬
化時間を短縮したり、さらには(3) シリコーン系、ワッ
クス系などの表面改質剤を添加することによって、塗膜
表面のタックを抑制したりすることが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記(1)の方
法では、硬化後の塗膜の物性が著しく変化してしまっ
て、前述した塗り床や舗装に要求される物性を満足でき
なくなるおそれがあった。また上記(B-1)の成分は、前
記(A)(B)両成分の中でも割高な材料であるため、その配
合割合を増加すると、他の成分の配合割合を増加する場
合に比べて施工のコストを押し上げる度合いが大きくな
るという問題もあった。
【0008】また(2)の方法では、硬化時間だけでなく
可使時間も短くなるため、とくに夏場などの高温多湿の
条件下において、作業時間を十分に確保できないおそれ
があった。さらに(3)の方法では、前述したシリコーン
系、ワックス系などの表面改質剤を硬化後の塗膜の表面
にブリードさせることで、塗膜のタックを防止している
ため、その上に塗り重ねや仕上げの処理をした場合に
は、形成後の塗膜が層間剥離しやすくなるという問題が
あった。
【0009】この発明の目的は、上記のような種々の問
題を生じることなく、しかも塗布の翌日の塗膜にタック
が残るのを確実に防止して、異物の付着などのない良好
な塗膜を形成しうる、新規な常温硬化型ポリウレタン樹
脂舗装材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは、前記(A)(B)両成分のうち(B-1)以外の
成分について種々検討を行った。その結果、(B-2)のポ
リオール中に、(C) ペンタエリスリトールとプロピレン
オキシドとの付加重合物である、平均分子量500〜6
00のポリ(オキシプロピレン)テトラオールを所定の
割合で含有させてやると、前記(1)の方法のように硬化
後の塗膜の物性を著しく変化させたり、あるいは施工の
コストを大幅に押し上げたりすることなく、また前記
(2)の方法のように可使時間まで短くして、十分な作業
時間を確保できなくしたりすることなく、さらに前記
(3)の方法のように、その上に塗り重ねや仕上げの処理
をした際に、形成後の塗膜に層間剥離を発生させたりす
ることなく、塗布の翌日の塗膜にタックが残るのを確実
に防止して、異物の付着などのない良好な塗膜を形成で
きることを見出し、この発明を完成するに至った。
【0011】したがってこの発明の常温硬化型ポリウレ
タン樹脂舗装材は、少なくとも、(A) トリレンジイソシ
アネートとポリオールとの反応生成物である、末端にイ
ソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有す
る主剤と、(B) 活性水素化合物として、(B-1) o−クロ
ロアニリンとアニリンとホルムアルデヒドとの脱水縮合
生成物、および4,4−メチレンビス(2−クロロアニ
リン)のうちの少なくとも一方と、(B-2) ポリオールと
を併用した硬化剤とからなるものであって、(C) ペンタ
エリスリトールとプロピレンオキシドとの付加重合物で
ある、平均分子量500〜600のポリ(オキシプロピ
レン)テトラオールを、当該(C)のテトラオール起源
の、活性水素基としての水酸基数の、(B-2)のポリオー
ルにおける水酸基数の総量に対する百分率で表して50
%以下となる範囲で、上記(B-2)のポリオール中に含有
することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明を説明する。こ
の発明の常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材は、上記の
ように少なくとも、(A) トリレンジイソシアネートとポ
リオールとの反応生成物である、末端にイソシアネート
基を有するウレタンプレポリマーを含有する主剤と、
(B) 活性水素化合物として、(B-1) o−クロロアニリン
とアニリンとホルムアルデヒドとの脱水縮合生成物、お
よび4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン)のう
ちの少なくとも一方と、(B-2) ポリオールとを併用した
硬化剤とからなり、かつ上記(B-2)のポリオール中に、
(C) ペンタエリスリトールとプロピレンオキシドとの付
加重合物である、平均分子量500〜600のポリ(オ
キシプロピレン)テトラオールを、当該(C)のテトラオ
ール起源の、活性水素基としての水酸基数の、(B-2)の
ポリオールにおける水酸基数の総量に対する百分率で表
して50%以下となる範囲で含有させたものである。
【0013】このうち(A)の主剤に含有されるウレタン
プレポリマーのもとになるトリレンジイソシアネート
(TDI)としては、現在入手可能な種々のTDI、す
なわちその全量100%が2,4−トリレンジイソシア
ネートであるTDI−100、80%の2,4−トリレ
ンジイソシアネートと、その異性体である20%の2,
6−トリレンジイソシアネートとの混合物からなるTD
I−80、および65%の2,4−トリレンジイソシア
ネートと35%の2,6−トリレンジイソシアネートと
の混合物であるTDI−65などが、いずれも使用可能
である。このうちとくにTDI−80が、入手のしやす
さなどの点で好適に使用される。
【0014】上記TDIと反応させるポリオールとして
は、たとえば低分子量の2価または3価アルコール類、
ポリエーテルポリオール類、縮合ポリエステルポリオー
ル類、重合ポリエステルポリオール類などの、2個以上
の水酸基を有する種々のポリオールが、いずれも使用で
きる。とくに好適なポリオールとしては、たとえばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ネオペンチルグリコールなどの、低分子量の2価または
3価アルコール類、ポリ(オキシプロピレン)グリコー
ル、ポリ(オキシプロピレン)トリオール、ポリ(オキ
シプロピレン)テトラオール、ポリ(オキシプロピレ
ン)ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシ
プロピレン)ポリ(オキシエチレン)トリオール、ポリ
(オキシテトラメチレン)グリコールなどのポリアルキ
レンエーテルポリオール類、などがあげられる。これら
はそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用するこ
ともできる。
【0015】上記のうちポリアルキレンエーテルポリオ
ール類の平均分子量は、常温で低粘度の液状を呈する2
00〜8000程度、とくに300〜6000程度であ
るのが好ましい。ウレタンプレポリマーは、前記TDI
中に含まれるイソシアネート基(NCO)と、ポリオー
ル中に含まれる水酸基(OH)との当量比(NCO/O
H)がNCO/OH=1.3〜10となる割合で上記両
者を配合し、およそ50〜120℃で3〜10時間程
度、反応させることによって合成される。なおこの反応
には、公知の触媒、溶剤、可塑剤などを使用してもよ
い。
【0016】(A)の主剤は、その全量がウレタンプレポ
リマーで構成されてもよいが、プレポリマーの合成に使
用した溶剤や可塑剤などを残した状態で、つまりプレポ
リマー合成の反応生成物をそのままで、主剤として使用
することもできる。また主剤には、後述するように主に
硬化剤に添加される各種添加剤の一部または全部を添加
してもよい。これらの添加剤のうち、前述したとポリオ
ールとの反応を妨げない成分は、触媒、溶剤、可塑剤な
どとともに、上記の反応系にあらかじめ添加しておいて
もよい。
【0017】主剤は、そのイソシアネート基含有量が1
〜15重量%程度、とくに2.5〜10重量%程度であ
るのが好ましい。また主剤の粘度は25℃においておよ
そ1000〜20000cps程度であるのが好まし
い。これらの数値範囲を有する主剤を調製するには、ウ
レタンプレポリマー自体のイソシアネート基含有量や粘
度などを考慮しつつ、それ以外の成分の添加量を調整す
るのが好ましい。
【0018】(B)の硬化剤に含まれる活性水素化合物と
しては、前記のように(B-1) o−クロロアニリンとアニ
リンとホルムアルデヒドとの脱水縮合生成物、および
4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン)のうちの
少なくとも一方と、(B-2) ポリオールとが併用される。
【0019】かかる併用系においては、(B-2)のポリオ
ールが反応性希釈剤として、(B-1)のアミン類を溶かし
て硬化剤を液状化するために機能する。上記(B-1)のう
ち前者の、o−クロロアニリンとアニリンとホルムアル
デヒドとの脱水縮合生成物においてアニリンは、o−ク
ロロアニリンに対してごく少量(モル比でおよそ97:
3程度)、添加される。
【0020】一方、後者の4,4−メチレンビス(2−
クロロアニリン)は、3,3−ジクロロ−4,4−ジア
ミノジフェニルメタンともいう。(B-2)のポリオール
は、この発明では、前記のように(C) ペンタエリスリト
ールとプロピレンオキシドとの付加重合物である、平均
分子量500〜600のポリ(オキシプロピレン)テト
ラオールを、当該(C)のテトラオール起源の、活性水素
基としての水酸基数の、(B-2)のポリオールにおける水
酸基数の総量に対する百分率で表して50%以下となる
範囲で含有している必要がある。
【0021】(C)のテトラオールの含有割合が上記の範
囲を超えた場合には、後述する実施例、比較例の結果よ
り明らかなように塗膜の、とくに伸びが著しく変化(低
下)して、塗り床や舗装に要求される物性を満足できな
いという問題を生じる。上記の含有割合RC(%)は、
下記式(1)〜(3)によって求められる。 NC=WC/MC×nC …(1) NO=WO/MO×nO …(2) RC(%)=NC/(NC+NO)×100 …(3) 各式中の符号は下記のとおりである。
【0022】 NC:(C)のテトラオール起源の水酸基数 WC:(C)のテトラオールの添加量(g) MC:(C)のテトラオールの平均分子量 nC:(C)のテトラオール1分子中の水酸基数(=4) NO:他のポリオール起源の水酸基数 WO:他のポリオールの添加量(g) MO:他のポリオールの平均分子量 nO:他のポリオール1分子中の水酸基数 なお上記式(3)中の、他のポリオール起源の水酸基数NO
は、他のポリオールが2種以上併用される場合、そのそ
れぞれについて式(2)で求めた水酸基数を加算して求め
られる。
【0023】上記(C)のテトラオールの、含有割合R
C(%)の下限値についてはとくに限定されないが、5
%以上であるのが好ましい。(C)のテトラオールの含有
割合RC(%)がこの範囲未満では、当該テトラオール
を含有させたことによる、タックの発生を防止する効果
が不十分となって、塗布の翌日の塗膜にタックが残って
しまい、異物の付着などによって良好な塗膜を形成でき
なくなるおそれがある。
【0024】なお(C)のテトラオールの含有割合R
C(%)は、上記の範囲内でもとくに10〜50%程度
であるのが好ましい。上記(C)のテトラオールとともに
併用される、(B-2)の他のポリオールとしては、前記例
示の各種のポリオールがいずれも使用可能であり、中で
もとくにポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ
(オキシプロピレン)トリオール、ポリ(オキシプロピ
レン)ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキ
シプロピレン)ポリ(オキシエチレン)トリオール、ポ
リ(オキシテトラメチレン)グリコールなどのポリアル
キレンエーテルポリオール類が好ましい。
【0025】かかるポリアルキレンエーテルポリオール
類は、その平均分子量が300〜6000程度で、かつ
官能基(活性水素基)である水酸基の数が2〜4程度で
あるのがよい。硬化剤は、上記活性水素化合物に可塑
剤、希釈剤(溶剤)の他、充てん材、着色剤、消泡剤、
レベリング剤、増粘剤、分散剤、色別れ防止剤、沈降防
止剤、安定剤などの各種添加剤を適宜、配合することに
よって構成される。
【0026】このうち可塑剤としては、たとえばフタル
酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DB
P)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリク
レジル、塩素化パラフィンなどの、従来公知の種々の可
塑剤がいずれも使用可能である。また希釈剤としては、
たとえばトルエン、キシレン、酢酸エチルなどの一般的
な有機溶剤や、あるいはアルキルベンゼン、流動パラフ
ィン、ミネラルスピリットなどの高沸点溶剤などの、こ
れも従来公知の種々の希釈剤があげられる。
【0027】充てん材としては、たとえば炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、タルク、無水石膏、
炭酸マグネシウム、マイカ、亜鉛華、カオリン、ゼオラ
イト、珪藻土などの、人工あるいは天然の種々の充てん
材が使用できる。着色剤としては、酸化クロム、酸化チ
タン、黄鉛、酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、鉄
黒、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン系顔料などが使用
される他、上記充てん材のうち体質顔料に相当するもの
を、そのまま着色剤として使用してもよい。
【0028】硬化剤を構成する上記各成分の配合割合に
ついてはとくに限定されないが、たとえば前述した手塗
り作業用の塗り床材、舗装材などの場合は、前記(B-1)
のアミン類が3〜18重量%、(B-2)のポリオールが5
〜40重量%、可塑剤が5〜40重量%、充てん剤が2
0〜60重量%、着色剤が、当該着色剤を可塑剤(たと
えばDOP)などの液体に分散させた液状の着色剤組成
物(トナー、あるいはペーストカラーという)として1
〜10重量%、消泡剤が0.1〜2重量%、安定剤が
0.1〜2重量%の範囲で、全体として合計で100重
量%となるように調整するのが好ましい。
【0029】上記(A)の主剤と(B)の硬化剤との配合割合
は、従来と同程度でよい。すなわち主剤中のイソシアネ
ート基(NCO)と、硬化剤中の活性水素基(水酸基、
アミノ基)との当量比(NCO/活性水素)がNCO/
活性水素=0.9〜1.3程度となるように、両者の配
合割合を設定するのが好ましい。この発明の常温硬化型
ポリウレタン樹脂舗装材には、上記(A)の主剤と(B)の硬
化剤に加えてさらに、当該両成分の反応速度を微調整す
るための触媒を添加してもよい。かかる触媒としては、
たとえばジブチル錫ジラウレート、オクチル酸鉛などの
有機金属系触媒や、あるいはトリエチレンジアミンなど
のアミン系触媒の1種または2種以上があげられる。
【0030】これらの触媒は、あらかじめ(B)の硬化剤
に添加しておいてもよいし、施工現場において(A)の主
剤と(B)の硬化剤を混合する際に添加するようにしても
よいが、通常は(B)の硬化剤に添加して使用される。そ
の添加量は、(B)の硬化剤のOH価(mgKOH/g)
に対して、およそ0.1〜5%となる重量(g)に設定
するのが好ましい。
【0031】なお上記主剤および硬化剤、また触媒を別
に添加する場合は主剤、硬化剤および触媒については、
それぞれ、実際の施工現場における作業の簡略化のため
に、その混合比(重量比)が整数比となり、しかもかか
る整数比での混合によって、各成分中の機能材料(主剤
中のウレタンプレポリマー、硬化剤中の活性水素化合物
など)の比率が前記の好適な範囲となるように、各成分
における機能材料の濃度を設定するのが好ましい。
【0032】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例および参
考例に基づいて説明する。 《主剤の調製》 主剤1 下記の各成分を、反応容器中において、不活性ガス雰囲
気下、80℃で6時間、反応させて、イソシアネート基
含有量5.3重量%、25℃における粘度5300cp
sの主剤1を調製した。
【0033】 (成 分) (重量部) TDI−80 20 ポリ(オキシプロピレン)グリコール〔平均分子量2000〕 70 ポリ(オキシプロピレン)トリオール〔平均分子量400〕 5 DOP 5 《硬化剤の調製》 硬化剤1 下記の各成分を、高速分散機を用いてかく拌、分散させ
て硬化剤1を調製した。
【0034】 (成 分) (重量部) 4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン) 58.1 ポリ(オキシプロピレン)トリオール〔平均分子量3000〕 124 ポリ(オキシプロピレン)テトラオール〔平均分子量550〕 2(*1) DOP 178 高沸点溶剤 23.4 炭酸カルシウム 558 無水石膏 10 着色トナー(*2) 40 消泡剤 3 オクチル酸鉛 3.5 *1:RC(%)=10.5% *2:顔料をDOPに分散させたペーストカラー 硬化剤2 下記の各成分を、高速分散機を用いてかく拌、分散させ
て硬化剤2を調製した。
【0035】 (成 分) (重量部) 4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン) 58.1 ポリ(オキシプロピレン)トリオール〔平均分子量3000〕 102.1 ポリ(オキシプロピレン)テトラオール〔平均分子量550〕 5(*3) DOP 196.9 高沸点溶剤 23.4 炭酸カルシウム 558 無水石膏 10 着色トナー 40 消泡剤 3 オクチル酸鉛 3.5 *3:RC(%)=26.3% 硬化剤3 下記の各成分を、高速分散機を用いてかく拌、分散させ
て硬化剤3を調製した。
【0036】 (成 分) (重量部) 4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン) 58.1 ポリ(オキシプロピレン)トリオール〔平均分子量3000〕 80 ポリ(オキシプロピレン)テトラオール〔平均分子量550〕 8(*4) DOP 216 高沸点溶剤 23.4 炭酸カルシウム 558 無水石膏 10 着色トナー 40 消泡剤 3 オクチル酸鉛 3.5 *4:RC(%)=42.1% 硬化剤4 下記の各成分を、高速分散機を用いてかく拌、分散させ
て硬化剤4を調製した。
【0037】 (成 分) (重量部) 4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン) 58.1 ポリ(オキシプロピレン)トリオール〔平均分子量3000〕 138.5 ポリ(オキシプロピレン)テトラオール〔平均分子量550〕 0(添加せず)(*5) DOP 165.5 高沸点溶剤 23.4 炭酸カルシウム 558 無水石膏 10 着色トナー 40 消泡剤 3 オクチル酸鉛 3.5 *5:RC(%)=0% 硬化剤5 下記の各成分を、高速分散機を用いてかく拌、分散させ
て硬化剤5を調製した。
【0038】 (成 分) (重量部) 4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン) 58.1 ポリ(オキシプロピレン)トリオール〔平均分子量3000〕 65.5 ポリ(オキシプロピレン)テトラオール〔平均分子量550〕 10(*6) DOP 228.5 高沸点溶剤 23.4 炭酸カルシウム 558 無水石膏 10 着色トナー 40 消泡剤 3 オクチル酸鉛 3.5 *6:RC(%)=52.6% 硬化剤6 下記の各成分を、高速分散機を用いてかく拌、分散させ
て硬化剤6を調製した。
【0039】 (成 分) (重量部) ジエチルトルエンジアミン 38.6 ポリ(オキシプロピレン)テトラオール〔平均分子量550〕 19.3 DOP 255.7 高沸点溶剤 23.4 炭酸カルシウム 610 無水石膏 10 着色トナー 40 消泡剤 3 上記で製造した主剤1および硬化剤1〜6を下記表1の
ように組み合わせて、実施例1〜3、比較例1〜3の2
液タイプの常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材とした。
【0040】
【表1】
【0041】そして各実施例、比較例の常温硬化型ポリ
ウレタン樹脂舗装材について以下の各試験を行って、そ
の特性を評価した。 《可使時間の確認》各実施例、比較例の常温硬化型ポリ
ウレタン樹脂舗装材の、主剤と硬化剤とを、それぞれ主
剤中のイソシアネート基(NCO)と、硬化剤中の活性
水素基との当量比(NCO/活性水素)がNCO/活性
水素=1.1(重量比で、主剤/硬化剤=1/2に相
当)となるように配合して2分間、混合したのち、硬化
するまでの、いわゆる可使時間を計測したところ、実施
例1〜3、および比較例1、2のものは、いずれも30
〜60分程度であって、舗装材として適したものである
ことが確認された。これに対し比較例3のものは、混合
後急速にゲル化してしまった。そしてその可使時間が1
0分未満で、舗装材としては適さないことが確認された
ので、以後の試験を断念した。 《塗膜のタック残りの観察》実施例1〜3、比較例1、
2の常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材の、主剤と硬化
剤とを、上記と同じ配合比で配合して混合したのち、基
材上に塗布した。
【0042】そして温度23℃、湿度55%の条件下で
10時間、硬化させたのち、その表面を指で触って、タ
ックの有無を評価した。 《硬化後の塗膜の物性試験》実施例1〜3、比較例1、
2の常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材の、主剤と硬化
剤とを、上記と同じ配合比で配合して混合したのち、は
く離可能な基材上に、厚み2mmのシート状に塗布し
た。
【0043】そして温度23℃、湿度55%の条件下で
1週間、硬化させたのち、はく離した硬化物のシートに
ついて、JIS K6301「加硫ゴム物理試験方法」
所載の各試験方法に則って、引張強さ〔kgf/c
2〕、および伸び(%)を測定した。以上の結果を表
2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表より、(B-2)のポリオール中に(C)のテト
ラオールを含有させなかった比較例1の舗装材は10時
間経過後、つまり塗布から一夜おいた翌日の塗膜の表面
に、タックが残っていることがわかった。また上記(C)
のテトラオールを、この発明で規定したRC(%)=5
0%の範囲を超えて多量に含有させた比較例2の舗装材
は、塗布の翌日の塗膜にタックが残っていないものの、
塗膜の、硬化後の伸びが小さすぎて、塗り床や舗装に要
求される物性を満足できないことがわかった。
【0046】これに対し各実施例の舗装材はいずれも、
翌日の塗膜にタックが残らず、しかも硬化後に、塗り床
や舗装に要求される物性を満足しうる塗膜を形成できる
ことが確認された。
【0047】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、硬化後の塗膜の物性変化、大幅なコストアップ、可
使時間の短縮、塗膜の層間剥離などの種々の問題を生じ
ることなく、しかも塗布の翌日の塗膜にタックが残るの
を確実に防止して、異物の付着などのない良好な塗膜を
形成しうる、新規な常温硬化型ポリウレタン樹脂舗装材
を提供できるという特有の作用効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA08 CA04 CA05 CC03 CC12 CC67 CD01 DA01 DA03 DC02 DC50 DD06 DF01 DG01 DG03 DG04 DG06 DG09 DJ09 DQ04 DQ05 HA02 HA06 HA07 HA11 HC12 JA01 JA24 KB04 KD12 KE02 KE03 MA01 MA11 QA05 QA07 QB10 QB12 RA10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、 (A) トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応生
    成物である、末端にイソシアネート基を有するウレタン
    プレポリマーを含有する主剤と、 (B) 活性水素化合物として、 (B-1) o−クロロアニリンとアニリンとホルムアルデヒ
    ドとの脱水縮合生成物、および4,4−メチレンビス
    (2−クロロアニリン)のうちの少なくとも一方と、 (B-2) ポリオールとを併用した硬化剤とからなる常温硬
    化型ポリウレタン樹脂舗装材であって、 (C) ペンタエリスリトールとプロピレンオキシドとの付
    加重合物である、平均分子量500〜600のポリ(オ
    キシプロピレン)テトラオールを、当該(C)のテトラオ
    ール起源の、活性水素基としての水酸基数の、(B-2)の
    ポリオールにおける水酸基数の総量に対する百分率で表
    して50%以下となる範囲で、上記(B-2)のポリオール
    中に含有することを特徴とする常温硬化型ポリウレタン
    樹脂舗装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110041500A (zh) * 2019-02-25 2019-07-23 胡果青 一种阻燃双组分聚氨酯塑胶地板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110041500A (zh) * 2019-02-25 2019-07-23 胡果青 一种阻燃双组分聚氨酯塑胶地板

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