JP2000167962A - 嵩高不織布または不織布積層体およびその熱接着方法 - Google Patents

嵩高不織布または不織布積層体およびその熱接着方法

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JP2000167962A JP34395098A JP34395098A JP2000167962A JP 2000167962 A JP2000167962 A JP 2000167962A JP 34395098 A JP34395098 A JP 34395098A JP 34395098 A JP34395098 A JP 34395098A JP 2000167962 A JP2000167962 A JP 2000167962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不織布または少なくとも1層が不織布からな
る積層体をエンボスロールで熱圧着して得られ、熱圧着
部の穴あき、外観不良等の熱接着による損傷のない嵩高
不織布または不織布積層体、並びにその熱接着方法を提
供する。 【解決手段】 ロール直径がエンボス刻印部よりも70
〜1000μmの範囲で大きくされてなるフラット部
を、エンボス刻印部の両外側に有するエンボスロールに
より、不織布または少なくとも1層が不織布からなる積
層体を熱圧着して得られる嵩高不織布または不織布積層
体。また、エンボス刻印部の彫刻深さが2〜15mm、
圧着面積率が0.1〜5%、1つの圧着部の面積が1〜
25mm2であり、ロール直径がエンボス刻印部よりも
70〜1000μmの範囲で大きくされてなるフラット
部を、エンボス刻印部の両外側に有するエンボスロール
による熱接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布または少な
くとも1層が不織布からなる積層体をエンボスロールで
熱圧着して得られる嵩高不織布または不織布積層体に関
する。より詳しくは、特定のエンボスロールで熱圧着し
て得られる、熱圧着部の穴あき、外観不良等の熱接着に
よる損傷のない嵩高な不織布または不織布積層体、およ
びその熱接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不織布の製造方法には、融点の異なる短
繊維を混合し、カード機により開繊した短繊維積層ウェ
ブを交絡処理する短繊維法、連続フィラメントをエアサ
ッカー等で高速牽引し、移動する捕集ネットコンベア上
に捕集したウェブを交絡処理するスパンボンド法、口金
孔から吐出する熱可塑性ポリマーを、ともに噴出する高
速気流により噴射し、移動するネット上に捕集したあと
交絡処理するメルトブロー法など種々あるが、いずれも
その交絡処理は一対の加熱ロール(エンボスロールとフ
ラットロール)で熱圧着する方法が一般的である。ま
た、加熱ロールによる熱圧着は、不織布ウェブないしは
交絡処理された不織布と他の不織布やフィルムとの積層
体を効率的に熱接着する方法としても用いられている。
【0003】近年、不織布の需要はますます旺盛であ
り、その用途は産業資材、農業資材、土木資材、医療資
材分野等の多岐にわたっている。従って、製品に要求さ
れる目付、見かけ密度、風合い等の特性も様々であり、
これらの製品特性を決定する熱接着技術が、不織布製造
に際して重要な技術の一つとされている。
【0004】なかでも製品が高目付で嵩高な不織布の熱
接着を加熱ロールで行う場合、従来の彫刻柄が刻印され
たエンボスロールを用いると、刻印深さが2mm以下で
あるため不織布の非エンボス部の厚さを2mm以上とす
ることができず、嵩高性が失われるという問題があっ
た。そこで嵩高性を上げるため、エンボスロールの圧着
面積率を従来の値である5〜30%よりも小さくする
と、エンボス突起部の強度が低下し、エンボスロールの
耐久性が悪化し実用上問題を生じる。
【0005】また、高目付で嵩高な不織布の熱接着を加
熱ロールで行う場合、熱ロールのエンボスロールとフラ
ットロールの隙間が幅方向に不均一となりやすく、得ら
れた不織布の幅方向の厚さを均一にすることが困難であ
った。幅方向の厚さの均一性を上げるために押圧力を大
きくしすぎると、熱接着部が損傷し穴あきが発生する。
この現象は外観上ばかりでなく、特に熱可塑性樹脂から
なる不織布とフィルムの積層体の熱接着にあってはフィ
ルムのバリア性を損ない好ましくない。
【0006】このため、より嵩高な不織布を得るには、
交絡処理を加工速度の遅いニードルパンチ加工によらざ
るを得ないなどの制限があった。また、たとえばスパン
ボンド不織布とメルトブロー不織布の積層一体化では、
嵩高性を維持するため接着剤等で貼り合わせることが必
要となりコスト高となるほか、用途によっては安全性の
問題が生じ使用できないことがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】不織布または少なくと
も1層が不織布からなる積層体をエンボスロールで熱圧
着して得られ、熱圧着部の穴あき、外観不良等の熱接着
による損傷のない嵩高不織布または不織布積層体、並び
にその熱接着方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る嵩高不織布
または不織布積層体は、ロール直径がエンボス刻印部よ
りも70〜1000μmの範囲で大きくされてなるフラ
ット部を、エンボス刻印部の両外側に有するエンボスロ
ールにより、不織布または少なくとも1層が不織布から
なる積層体を熱圧着して得られることを特徴としてい
る。
【0009】本発明の好適な態様では、前記熱圧着して
得られる不織布、または不織布積層体の不織布層が、目
付50g/m2以上、見かけ密度0.1g/cm3以下で
あることが望ましい。
【0010】本発明の嵩高不織布または不織布積層体
は、前記エンボス刻印部の彫刻深さが2〜15mmの範
囲にあるエンボスロールにより、熱圧着して得られるこ
とが好ましい。
【0011】また本発明の嵩高不織布または不織布積層
体は、前記エンボス刻印部の圧着面積率が0.1〜5%
の範囲にあり、1つの圧着部の面積が1〜25mm2
範囲にあるエンボスロールにより、熱圧着して得られる
ことが好ましい。
【0012】また本発明の嵩高不織布または不織布積層
体は、前記フラット部の幅が30mm以上であるエンボ
スロールにより、熱圧着して得られることが好ましい。
【0013】本発明によれば、エンボス刻印部の彫刻深
さが2〜15mm、圧着面積率が0.1〜5%、1つの
圧着部の面積が1〜25mm2であり、ロール直径がエ
ンボス刻印部よりも70〜1000μmの範囲で大きく
されてなるフラット部を、エンボス刻印部の両外側に有
するエンボスロールにより、熱圧着することを特徴とす
る嵩高不織布または不織布積層体の熱接着方法が提供さ
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る嵩高不織布または不
織布積層体(以下「不織布シート」と言う。)は、エン
ボスロールにより嵩高な不織布ウェブ、または少なくと
も1層が嵩高な不織布ウェブまたは交絡処理された嵩高
な不織布からなる未接着の積層体を熱圧着して得られる
ものである。
【0015】エンボスロールによる熱圧着は、通常一対
のエンボスロールとフラットロールにより行われる。す
なわち短繊維法、スパンボンド法、メルトブロー法など
の各種の製造方法により製造された嵩高な不織布ウェブ
を、接して回転している加熱されたエンボスロールとフ
ラットロールの間を通過させ、100〜1500N/c
m程度のニップ圧によりロールニップすることにより熱
接着する。また、嵩高な不織布ウェブまたは交絡処理さ
れた嵩高な不織布と、他の熱可塑性樹脂からなる不織布
やフィルムとを重ねて(通常フィルム側がフラットロー
ルに接する)、同様にエンボスロールとフラットロール
の間を通過させ、熱圧着して積層体を得る。
【0016】本発明において、エンボスロールによる熱
圧着に用いられる不織布は、熱可塑性樹脂からなるもの
で、熱可塑性樹脂としてはポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリアミド等、熱圧着が可能なものであれば特に限
定はされない。これらのなかでは、低融点で熱圧着の容
易さの点で、ポリオレフィンが好ましく、さらには、ポ
リプロピレン、ポリエチレンが好ましい。
【0017】本発明で用いられる不織布は、単一の樹脂
の繊維からなる不織布でも、複数の樹脂からなる芯鞘型
やサイドバイサイド型などの複合繊維からなる不織布で
も良い。例えば、芯にポリプロピレン樹脂を、鞘にポリ
エチレン樹脂を用いた芯鞘型の複合繊維からなる不織布
は、ポリエチレンフィルムへの熱融着性に優れ好まし
い。
【0018】本発明で用いられるエンボスロールには、
エンボス刻印部と、その両外側にフラット部が形成され
ており、フラット部のロール直径がエンボス刻印部より
も70〜1000μm、好ましくは100〜800μm
の範囲で大きくされている。本発明では、不織布または
不織布積層体はエンボスロールのエンボス刻印部のみを
通過して熱圧着され、両外側のフラット部は、エンボス
ロールにともなって回転するフラットロールに接触して
いる。これにより、エンボス突起部が直接フラットロー
ルに接触しないで、少なくとも70μm離れて回転して
いるので、嵩高な不織布の圧着の際、圧着部に損傷を与
えることが無い。また、両外側のフラット部がフラット
ロールに接触していることから、圧着される不織布の幅
方向の厚さが均一に保たれる。
【0019】また、本発明において、エンボスロール刻
印部の彫刻深さは、2〜15mmであることが好まし
く、さらには、圧着面積率が0.1〜5%、1つの圧着
部の面積が1〜25mm2であることが好ましい。これ
によって、嵩高不織布の非エンボス部の厚さを2mm以
上とすることが出来、不織布の嵩高性が保持される。ま
た、圧着部によって嵩高性が損なわれることが少ない。
【0020】本発明のエンボスロールにより熱圧着され
て得られる不織布または不織布積層体は、圧着加工後の
不織布、または圧着積層後の不織布積層体の少なくとも
1つの不織布層が、目付50g/m2以上の高目付であ
って、かつ嵩密度が0.1g/cm3以下の嵩高な不織
布または不織布積層体であるときに特に有効となる。
【0021】本発明の熱接着方法では、エンボス刻印部
の彫刻深さが2〜15mm、圧着面積率が0.1〜5
%、1つの圧着部の面積が1〜25mm2であり、ロー
ル直径がエンボス刻印部よりも70〜1000μmの範
囲で大きくされてなるフラット部を、エンボス刻印部の
両外側に有するエンボスロールを用いて行う。
【0022】エンボスロールのニップ圧、エンボスロー
ル温度は、処理する不織布を構成する樹脂、目付、見か
け密度等に応じて適宜選ばれるが、通常ニップ圧は10
0〜1500N/cm、好ましくは150〜800N/
cmであり、エンボスロール温度は、ポリプロピレンか
らなる不織布の場合、通常110〜160℃、好ましく
は120〜150℃、ポリエチレンからなる不織布の場
合、通常90〜135℃、好ましくは100〜125℃
である。また、圧着速度は、通常10〜100m/se
c、好ましくは20〜80m/secである。
【0023】次に、本発明につき、図面を用いてさらに
詳細に説明する。図1は、本発明に係る嵩高不織布また
は不織布積層体の熱圧着加工に用いられるエンボスロー
ルを示す概略図であり、図2は、従来一般に使用されて
いる熱圧着用エンボスロールの概略図である。
【0024】図2に示されるような従来のエンボスロー
ルにおいて、不織布ウェブ、または少なくとも1層が不
織布ウェブないしは交絡処理された不織布からなる2層
以上の積層体(ロール間の位置を3で示す)は、全幅に
わたって彫刻された彫刻(エンボス)ロール1とフラッ
トロール2によりニップされる。不織布3の厚さが大き
い場合、特に2mm以上の場合、通常のエンボスロール
の刻印深さが2mm以下であるために、非エンボス部も
加圧されて製品シートの厚さは2mm以下となり、加工
前の嵩高性が損なわれてしまう。
【0025】そのため、圧着面積率を小さくして製品を
嵩高くしようとすると、エンボスロールの個々のエンボ
ス突起部を小さくするか、エンボス突起部の間隔を大き
くする必要があるが、何れの場合も個々のエンボス突起
部に対する押圧力が過大になり、エンボスロールの耐久
性がなくなり実用的でない。
【0026】また、ニップ圧が小さく、エンボスロール
両端部の製品シート不通過部X1、X2が異なる場合に
は、フラットロールとエンボスロールの隙間が幅方向に
不均一となりやすく、その結果、得られた不織布の幅方
向の厚さを均一にすることに困難を生じる。均一性を上
げるために押圧力を大きくしすぎると、シートの熱接着
部が損傷し、穴あきが発生する。
【0027】これに対して、図1は、本発明の不織布ま
たは不織布積層体を得るために、上記の課題が解決され
たエンボスロールを示す概略図である。このエンボスロ
ールも図2と同様にエンボスロール1とフラットロール
2で構成されるが、エンボスロールのエンボス刻印部4
の両外側には、フラットなロール面のフラット部5が設
けられている。不織布または不織布積層体は、エンボス
刻印部のみを通過し熱圧着され、フラット部は、エンボ
スロールにともなって回転するフラットロールに接触し
ている。
【0028】フラット部の幅X3は、好ましくは30m
m以上の範囲で設けられることが望ましい。フラット部
の幅X3が30mm以下の場合は、フラット部での線圧
負荷が高すぎるため、耐久性が低下するという難点があ
る。一方、フラット部の幅X 3の上限としては、200
mmが好ましい。200mmよりも大きい場合には、ロ
ール幅がアップしすぎ、ロール価格が高くなりすぎると
いう問題がある。
【0029】また、フラット部のロール直径Y1はエン
ボス部のロール直径Y2よりも、70〜1000μm、
好ましくは100〜800μmの範囲で大きくされてい
る。ここで、エンボス部のロール直径とは、ロール中心
からエンボス突起先端までの長さの2倍である。フラッ
ト部のロール直径Y1をエンボス部のロール直径Y2より
大きくすることで、両端部のフラット面のみが互いに接
触し、エンボスロールの不織布シート不通過部の長さが
左右で異なる場合でも、フラットロールとエンボスロー
ルのエンボス刻印部との隙間を幅方向に一定とすること
ができる。その結果、得られた不織布の幅方向の厚さは
均一になる。さらに、押圧力を上げて接着強度を増大さ
せても、製品不織布シートの熱接着部の損傷が防げ、穴
あきの発生はなくなる。
【0030】また、圧着面積率を小さくして製品不織布
シートを嵩高くする場合に、エンボスロールの個々のエ
ンボス突起部を小さくしたり、エンボス突起部の間隔を
大きくしたりしても、エンボスロールのエンボス突起部
はフラットロールに接触しないので、ロールの傷の発生
や損傷がなくロール耐久性が向上する。
【0031】フラット部のロール直径Y1とエンボス部
のロール直径Y2との差が70μm以下では、熱接着部
の損傷により、穴あきが発生する傾向があり好ましくな
い。一方、1000μm以上では十分な押圧力が得られ
ないため、接着が不十分となり易くなる傾向を示して好
ましくない。
【0032】エンボス刻印部の彫刻深さは、2〜15m
mの範囲が好ましく、より好ましくは3〜10mmの範
囲である。この範囲であれば、エンボス突起部の機械的
強度低下による耐久性の低減を防ぎ、製品不織布シート
の嵩高性を上げることができる。
【0033】さらに、エンボス刻印部は、製品不織布シ
ートの嵩高性を保持するために圧着面積率を0.1〜5
%の範囲とすることが好ましく、さらには0.2〜3%
とするのが好ましい。また、1つの圧着部の面積は1〜
25mm2とすることが好ましい。この範囲であれば、
製品不織布シートの接着強度を使用可能なレベルに維持
したまま嵩高性を向上させることができる。
【0034】本発明のエンボスロールは、従来の彫刻に
よって製作することもできるが、加工に長時間を要し、
高価格となる。そこで、予めエンボス突起部となる多数
の円錐台状ないしは角錘台状のピンを製作しておき、ロ
ールの外表面を形成する中空円筒にピンの形状にそって
開けた多数の穴に、それらのピンを内側から埋め込んだ
あと、中空円筒に加熱媒体等の加熱機構を有する芯ロー
ルをはめ込んで一体化して製作することが望ましい。
【0035】図3は、本発明の不織布シートの圧着加工
に好ましいエンボスロールの構造を示す概略図であり、
円錐台状ないしは角錘台状のピン7を、中空円筒6の周
方向および軸方向に多数内側から埋め込まれている。ピ
ン7は先端部9の径または辺の長さが底部10よりも小
さくなっており、すなわちフラットロールに向き合う先
端部が細くなっており、これによって製品シートの熱接
着部周辺に傷が発生するのを防止するとともに、中空円
筒6との接合部の強度を高める働きがある。多数のピン
7を埋め込んだ中空円筒6はさらに熱媒体や加熱制御機
構をもつ芯ロール8に焼きバメ等の手段ではめこまれ、
一体化されている。
【0036】
【発明の効果】本発明の嵩高不織布または不織布積層体
は、嵩高性で圧着部の接着強度に優れ、熱圧着部の穴あ
き、外観不良等の熱接着による損傷がなく、幅方向の厚
さも均一となるので、油吸着材、ワイパー材、クッショ
ン材、吸音材、遮音材、保温材、包装材等の用途に好適
である。また、本発明の熱圧着方法によれば、嵩高で、
幅方向の厚さが均一で、熱圧着による穴あきや損傷のな
い嵩高不織布または不織布積層体が提供される。
【0037】
【実施例】以下、実施例に基づきさらに詳細に説明する
が、本発明が以下の実施態様のみに限定されるものでな
いことはいうまでもない。
【0038】実施例、比較例において採用した評価方
法、測定方法を次に示す。評価方法 1.接着強さ 得られた不織布シートの接着強さを、以下の様なランク
に分けて評価した。 ○ ・・・ 十分に接着していて容易に剥離しない、 △ ・・・ 接着しているがはがすと剥離する、または接
着していない部分がある、 × ・・・ 接着不十分で容易に剥離する。 2.穴あきの有無 不織布シートの穴あきの有無を目視によってチェック
し、以下の様なランクに分けて評価した。 ○ ・・・ 穴あきが全くない、 △ ・・・ 穴あきはないが傷が認められる、 × ・・・ 一見して穴あきが認められる。
【0039】3.エンボスロール突起部の傷 各実施例において、ロールの線圧300N/cmにて6
0分間圧着運転後、0エンボスロール突起部の傷の発生
状況を目視によってチェックし、以下の様なランクに分
けて評価した。 ○ ・・・ 傷が全くない、 △ ・・・ わずかに傷が認められる、 × ・・・ 一見して傷が認められる。
【0040】測定方法 1.目付量 JIS L1096の6.4規定の方法によった。試料
から20cm×20cmの試験片3枚を採取して質量を
測り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表
した。 2.見かけ密度(不織布の厚さ) 厚さは、JIS L1096の6.5規定の方法により
試料の異なる5ヶ所について初荷重0.7kPa下、1
0秒後の厚さを測り、その平均値で表した。見かけ密度
は、目付量と厚さから単位体積当たりの質量(g/cm
3)として求めた。見かけ密度(g/cm3)=目付量(g/m2)/
{厚さ(mm)×1000}。
【0041】(実施例1〜6、比較例1〜6)メルトフ
ローレート(ASTM D1238に準拠して荷重2.
16kg、230℃で測定)が1000g/10分のポ
リプロピレンを280℃で溶融し、直径0.3mmの紡
糸口金より高温エアとともに吐出し、背面からエアを吸
引した捕集ネットコンベア上に捕集して、平均繊維径3
μm、目付量200g/m2、ウェブ幅50cmのメル
トブロー不織布ウェブを得た。ウェブの厚さは4.1m
m(見かけ密度0.049g/cm3)であった。
【0042】次に、上記で得られた不織布ウェブを、1
40℃に加熱したフラットロールと、エンボス刻印部の
圧着面積率が0.44%で、突起高さが8mmのエンボ
ス突起部を40mm間隔で円周方向および軸方向に形成
したエンボスロールの間に通して熱圧着し不織布シート
とした。エンボスロールのフラットロールとの接圧有効
長さ(フラット部の幅とエンボス刻印部の幅の和)は1
400mmとした。不織布ウェブは、エンボス刻印部の
片方の端から100mmの間隔(不織布不通過部の幅、
従って他方の不織布不通過部の幅は400mm以上とな
る。)をおいて通過させ一方の側に偏らせた。エンボス
ロール両側のフラット部の幅は、0mm、30mm、1
00mm、200mmの4種類とし、またフラット部の
ロール直径をエンボス刻印部のロール直径よりも+−0
μm、+40μm、+60μm、+100μm、+50
0μm、+1000μm、+1500μm程大きくなる
ように変更しながら行った。それぞれ得られた不織布シ
ートの見かけ密度、穴あきの有無、熱圧着部の接着強さ
およびエンボスロール突起部の傷の発生状況について評
価した結果を表1に示した。
【0043】(実施例7)実施例1のメルトブロー不織
布ウェブに代えて、実施例1のメルトブロー不織布ウェ
ブを上下から目付量13g/m2のポリプロピレン製ス
パンボンド不織布(三井化学(株)製シンテックスTMPK
−102)の2層で挟み込んで積層した積層不織布を使
用し、フラット部の幅を100mm、エンボスロール両
側のフラット部のロール直径とエンボス刻印部のロール
直径の差を+200μmとした以外は、実施例1と同様
に実施した。結果を表1に併せて示した。
【0044】(実施例8)実施例7における目付量13
g/m2のポリプロピレン製スパンボンド不織布(三井
化学(株)製シンテックスTMPK−102)の2層のうち
1層を、25μmの厚さのポリプロピレン製キャストフ
ィルムに代え、実施例1のメルトブローウェブを上下か
ら該スパンボンド不織布と該キャストフィルムで積層し
た積層シートを使用した以外は、実施例7と同様に実施
した。その結果を表1に示した。
【0045】(比較例7)実施例7においてエンボスロ
ールの突起部の高さを1.5mmとした以外は実施例7
と同様に実施した。その結果を表1に示した。
【0046】表1に示した様に、本発明に係る実施例1
〜6および実施例7、8により得られる不織布シート
は、比較例1〜7によって得られるものに比べ、見かけ
密度(嵩高性)、接着強さ、シートの損傷状態におい
て、何れも満足できるものであった。
【0047】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明係る嵩高不織布または不織布積層体の熱
圧着に用いるエンボスロールとフラットロールの概略図
である。
【図2】一般に使用されている熱圧着用エンボスロール
とフラットロールの概略図である。
【図3】(a)は本発明の嵩高不織布または不織布積層
体の熱圧着に用いるエンボスロールの構造を示す概略図
である。(b)はそのA-A線断面図である。
【符号の説明】 1 エンボスロール 2 フラットロール 3 不織布ウェブ 4 エンボスロールエンボス刻印部 5 エンボスロールフラット部 6 中空円筒 7 エンボス突起部(ピン) 8 芯ロール 9 エンボス突起部の先端部 10 エンボス突起部の底部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B154 AB22 BA38 BB02 BB12 BC23 BF06 BF09 BF11 DA08 DA09 DA13 4F100 AK04A AK04B AK07A AK07B BA02 BA10A BA10B BA16 DG15A DG15B EC032 EJ192 EJ402 EJ422 EK06 EK08 EK09 GB01 GB15 GB66 GB90 JA15 JH01 JJ02 YY00 4L032 AA05 AB04 AC01 BD01 BD03 DA01 DA02 4L047 AA14 AA28 BA09 CA05 CA12 CA19 CB10 CC01 CC03 CC08 CC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール直径がエンボス刻印部よりも70
    〜1000μmの範囲で大きくされてなるフラット部
    を、エンボス刻印部の両外側に有するエンボスロールに
    より、不織布または少なくとも1層が不織布からなる積
    層体を熱圧着して得られることを特徴とする嵩高不織布
    または不織布積層体。
  2. 【請求項2】 前記熱圧着して得られる不織布、または
    不織布積層体の不織布層が、目付50g/m2以上、見
    かけ密度0.1g/cm3以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の嵩高不織布または不織布積層体。
  3. 【請求項3】 前記エンボス刻印部の彫刻深さが2〜1
    5mmの範囲にあるエンボスロールにより、熱圧着して
    得られることを特徴とする請求項1または2に記載の嵩
    高不織布または不織布積層体。
  4. 【請求項4】 前記エンボス刻印部の圧着面積率が0.
    1〜5%の範囲にあり、1つの圧着部の面積が1〜25
    mm2の範囲にあるエンボスロールにより、熱圧着して
    得られることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載の嵩高不織布または不織布積層体。
  5. 【請求項5】 前記フラット部の幅が30mm以上であ
    るエンボスロールにより、熱圧着して得られることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の嵩高
    不織布または不織布積層体。
  6. 【請求項6】 エンボス刻印部の彫刻深さが2〜15m
    m、圧着面積率が0.1〜5%、1つの圧着部の面積が
    1〜25mm2であり、ロール直径がエンボス刻印部よ
    りも70〜1000μmの範囲で大きくされてなるフラ
    ット部を、エンボス刻印部の両外側に有するエンボスロ
    ールにより、熱圧着することを特徴とする嵩高不織布ま
    たは不織布積層体の熱接着方法。
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