JP2000167771A - 既設構造物表面への窒素酸化物除去皮膜形成方法 - Google Patents

既設構造物表面への窒素酸化物除去皮膜形成方法

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JP2000167771A
JP2000167771A JP10361919A JP36191998A JP2000167771A JP 2000167771 A JP2000167771 A JP 2000167771A JP 10361919 A JP10361919 A JP 10361919A JP 36191998 A JP36191998 A JP 36191998A JP 2000167771 A JP2000167771 A JP 2000167771A
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Masahiro Fukumoto
昌宏 福本
Nobukatsu Kurosaki
順功 黒崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設構造物表面に安価に窒素酸化物除去皮膜
を形成すること。 【解決手段】 前処理としてショットブラスト法により
既設構造物表面の汚れを除去すると共に、強固な皮膜を
得るために既設構造物表面を粗らし、粒子径0.005
〜0.1mmにアナターゼ型チタニアを造粒した粒子を
溶射原料として、ガスフレーム法により溶射して、既設
構造物表面にアナターゼ型を多く残した組成のチタニア
皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルディング、橋
梁、防音壁などの既設構造物表面への窒素酸化物除去皮
膜形成法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒素酸化物の除去機能を有するチ
タニアなどの光触媒は公知である。また、ゾルゲル法、
塗布粉末の焼結担持法、各種バインダー法などによりチ
タニア皮膜を生成させる方法も公知である。チタニアの
有する触媒特性については、超親水性、抗菌性、窒素酸
化物除去性などが確認されていて、超親水性に着目した
街路灯への粉塵付着防止処理や抗菌性に着目したトイレ
施設の抗菌処理として実用化が検討されている。しか
し、窒素酸化物除去性に着目した実用化の提案は少な
く、既設構造物への窒素酸化物除去皮膜の形成及びその
具体的な施工方法について検討した例はない。
【0003】大気中の窒素酸化物濃度が高くなると健康
障害を生ずる恐れがあることは古くから指摘されてい
る。窒素酸化物濃度を低くするためには窒素酸化物が新
しく排出される量を少なく規制する方法と、排出されて
しまった窒素酸化物を分解除去してその相対量を少なく
する方法がある。ここ数年の自動車のめざましい技術革
新と官民をあげての排出量削減運動の結果、実際に窒素
酸化物の排出量は少なくなっていることが報告されてい
る。しかし、自動車が燃焼機構を持つ限り排出をゼロに
することはできないのであって、自動車の保有台数が増
加するにつけ排出された窒素酸化物を除去する方法の検
討が強く求められているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の状況
を鑑みて成されたものであって、既設構造物表面に窒素
酸化物除去機能を付与し、すでに排出された窒素酸化物
を効率的に除去することを可能ならしめる技術を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、既設建設物の
表面に前処理工程と、造粒工程と、溶射工程を含む方法
により窒素酸化物除去皮膜を形成することを特徴とす
る。広大な既設構造物の表面と無限に降り注ぐ光エネル
ギーを利用するから濃度の低い窒素酸化物であっても効
率的に除去することができる。また、溶射工程は強固な
皮膜を形成できると共に被処理物を焼成する必要がない
から、風雨に曝されると共に実質的に焼成できない既設
構造物表面にも長期間その性能を維持できる強固な皮膜
を形成することができるのである。
【0006】また、前処理工程により既設構造物表面に
付着する粉塵等の異物を除去するから安定な皮膜を形成
することができる。前処理工程が表面粗面化処理を含む
とすれば、皮膜の既設構造物表面への付着力が増して好
適である。表面粗面化処理方法は、既設構造物の表面研
掃方法として実績のあるショットブラスト、ウオーター
ジェット、ドライアイスブラストなどから適宜選択すれ
ば足りるが、割れ目に染み込んだ水分が溶射の熱で気化
し割れ目を押し広げることがあるから溶射工程の前には
被処理面を乾燥させておく必要がある。前処理工程をシ
ョットブラスト法で行うとすれば乾燥の必要がないと共
に表面粗面化処理を一度に行うことができて更に好まし
い。
【0007】造粒工程は溶射を円滑に行うために必要で
ある。細かい粉末を溶射しようとすれば粉末の流動性が
低下して細管中で詰まりやすくなり火炎中に供給する際
に支障を生じ易いから溶射粉末は0.005mm以上に
造粒しなくてはならない。また大きな粒子を溶射しよう
とすれば溶融させ難いと共に噴射に支障を生ずることが
あるから0.1mm以下としなくてはならない。
【0008】チタニアは窒素酸化物を除去するための光
触媒作用を有する触媒として汎用的に安価に市販されて
いる。中でもアナターゼ型のチタニアは触媒作用が強く
て好ましい。また、溶射工程はガスフレーム法、アーク
法、プラズマ法などの既存の溶射法から選択して行うこ
とができるが、中でもガスフレーム法は大容量の電力が
不要で、取り扱いが容易であって好ましい。また、アナ
ターゼ型チタニアを溶射する場合にあっては、触媒作用
の低いルチル型チタニアの生成を抑制することが触媒作
用を低下させないために重要であり、溶融温度を比較的
低温に制御可能なガスフレーム法はそのために好適であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き説明する。造粒工程は、 1.アナターゼ型チタニア(高純度科学研究所製,純度
3N,平均粒径0.0003mm)1.25kg、ポリ
ビニルアルコール(関東化学製,重合度500)6.2
5g、蒸留水4kgを汎用的に市販されているボールミ
ル(容量10000cc,アルミナボール(直径5m
m)4000cc,速度80r.p.m)により24時
間混合してスラリーを得る工程、 2.得られたスラリーをスプレードライヤ(日本車輌製
造製「試験用小型スプレードライヤ」)により噴霧造粒
し、分篩して0.025mm以上、0.035mm以下
のアナターゼ型チタニア粒子を得る工程、よりなる。
【0010】(実施例1)本実施例においては、タイル
張りのビルディング壁面にチタニア皮膜を形成する。前
処理工程は、自走式壁面研掃用ショットブラスト装置
(新東工業製「ブラストラック」)を使用して、汎用的
に市販されているアランダム(#80)を投射する。こ
の装置は標準設定で60cmの幅を毎分3mの速度で研
掃できる。溶射工程は、ガスフレーム溶射装置(スルザ
ーメテコ製「ダイヤモンドジェット」)を使用して、溶
射材(前記の造粒したアナターゼ型チタニア粒子)を前
記前処理をした壁面に溶射する。溶射条件は、燃焼ガス
(プロピレン)流量を毎分0.008立方メートル、酸
素流量を毎分0.29立方メートル、キャリアガス(空
気)流量を毎分0.35立方メートル、溶射距離250
mm、溶射材供給量毎分6g、溶射速度毎分0.03立
方メートルとする。
【0012】前処理工程によって壁面に付着していた汚
れは完全に除去され、0.045mm(Rz)の表面粗
さとなった。その後の溶射工程によって平均厚さ0.0
2mmの窒素酸化膜除去皮膜が得られた。この皮膜はエ
ックス線回折分析の結果60%のアナターゼ相と40%
のルチル相からなり、反応温度を20℃、相対湿度を5
0%、NOガス濃度を0.0001%、ガス流速を毎分
1000ccとして評価したところアナターゼ粉末に対
して70%の窒素酸化物除去効果が確認された。
【0013】(実施例2)本実施例においては、プレキ
ャストコンクリート張りのパーテションにチタニア皮膜
を形成する。前処理工程は、自走式壁面研掃用ショット
ブラスト装置(新東工業製「ブラストラック」)を使用
して、平均粒径1.4mmのスチールグリッド(新東ブ
レーター製「GP−20」)を投射する。溶射工程は、
ガスフレーム溶射装置(スルザーメテコ製「ダイヤモン
ドジェット」)を使用して、溶射材(前記の造粒したア
ナターゼ型チタニア粒子)を前記前処理をした壁面に溶
射する。溶射条件は、燃焼ガス(プロピレン)流量を毎
分0.008立方メートル、酸素流量を毎分0.29立
方メートル、キャリアガス(空気)流量を毎分0.35
立方メートル、溶射距離250mm、溶射材供給量毎分
10g、溶射速度毎分0.125立方メートルとする。
【0014】前処理工程によって壁面に付着していた汚
れは完全に除去され、0.14mm(Rz)の表面粗さ
となった。その後の溶射工程によって平均厚さ0.01
8mmの窒素酸化膜除去皮膜が得られた。この皮膜はエ
ックス線回折分析の結果68%のアナターゼ相と32%
のルチル相からなり、反応温度を20℃、相対湿度を5
0%、NOガス濃度を0.0001%、ガス流速を毎分
1000ccとして評価したところアナターゼ粉末に対
して76%の窒素酸化物除去効果が確認された。
【0015】
【発明の効果】広大な面積を有する既設構造物表面に安
価に窒素酸化物除去皮膜を形成することができれば、光
エネルギーにより自動的に空気中の窒素酸化物は除去さ
れて快適な生活環境を実現することができる。また、チ
タニアの皮膜は抗菌性、超親水性を併せ持っていて、構
造物表面を清潔かつ清浄に保つ効果を発揮する。本発明
は、以上説明したように構成されているので、前処理工
程により既設構造物であっても強固な溶射皮膜を形成す
ることができ、造粒工程により安定な溶射が可能であ
り、溶射工程により焼成を必要としないから既設構造物
を解体することなしに、既設構造物表面に、安価に窒素
酸化物除去皮膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DH12 DH23 EA01 EA03 FA30 HB08 HD11 KA01 LA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の前処理工程と、光触媒作用を有
    する溶射粉末を0.005mm以上、0.1mm以下に
    造粒する造粒工程と、溶射工程と、からなる既設構造物
    表面への窒素酸化物除去皮膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前処理工程が、表面粗面化処理を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の既設構造物表面への窒
    素酸化物除去皮膜形成方法。
  3. 【請求項3】 表面粗面化処理方法がショットブラスト
    法であることを特徴とする請求項2に記載の既設構造物
    表面への窒素酸化物除去皮膜形成方法。
  4. 【請求項4】 溶射粉末がアナターゼ型のチタニアから
    なることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の既
    設構造物表面への窒素酸化物除去皮膜形成方法。
  5. 【請求項5】 溶射工程がガスフレーム法または高速ガ
    スフレーム法によることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4に記載の既設構造物表面への窒素酸化物除去皮膜形
    成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063426A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Central Res Inst Of Electric Power Ind 超親水性薄膜及びその形成方法
JP2007289963A (ja) * 2001-10-26 2007-11-08 Calsonic Compressor Inc フッ素系樹脂コーティング方法およびこの方法を用いた摺動部材、気体圧縮機
JP2008012534A (ja) * 2001-10-26 2008-01-24 Calsonic Compressor Inc フッ素系樹脂コーティング方法およびこの方法を用いた摺動部材、気体圧縮機

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