JP2000164515A - 化合物半導体基板およびその形成方法 - Google Patents
化合物半導体基板およびその形成方法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 化合物半導体層とSi基板との間の電気絶縁
性にすぐれ、かつ転位密度の低い高品質の化合物半導体
基板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】Si基板1上に、MOCVD法の2段階成
長法を用いて、基板温度330℃〜400℃でGaAs
から成る下部バッファ層の初期膜2を0.01〜0.0
4μm成長後、アルシン雰囲気で600〜750℃に昇
温して、基板温度550〜700℃でGaAsから成る
下部バッファ層3を1〜2μm成長した。次に、高抵抗
のGaAsバッファ層を得るために、2段階成長法によ
り形成した下部バッファ層3上に、GaAsから成る上
部バッファ層5よりもエネルギーギャップの広いAlA
s層4を基板温度550〜750℃で0.05〜1μm
成長させた後、GaAsから成る上部バッファ層5を
0.1〜1μm成長した。
性にすぐれ、かつ転位密度の低い高品質の化合物半導体
基板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】Si基板1上に、MOCVD法の2段階成
長法を用いて、基板温度330℃〜400℃でGaAs
から成る下部バッファ層の初期膜2を0.01〜0.0
4μm成長後、アルシン雰囲気で600〜750℃に昇
温して、基板温度550〜700℃でGaAsから成る
下部バッファ層3を1〜2μm成長した。次に、高抵抗
のGaAsバッファ層を得るために、2段階成長法によ
り形成した下部バッファ層3上に、GaAsから成る上
部バッファ層5よりもエネルギーギャップの広いAlA
s層4を基板温度550〜750℃で0.05〜1μm
成長させた後、GaAsから成る上部バッファ層5を
0.1〜1μm成長した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Si基板上にガリ
ウム砒素(GaAs)、アルミニウムガリウム砒素(A
lGaAs)、インジウムガリウム砒素(InGaA
s)、窒化ガリウム(GaN)、および窒化インジウム
ガリウム(InGaN)などのIII-V化合物半導体を形
成した半導体基板とその形成方法に関する。
ウム砒素(GaAs)、アルミニウムガリウム砒素(A
lGaAs)、インジウムガリウム砒素(InGaA
s)、窒化ガリウム(GaN)、および窒化インジウム
ガリウム(InGaN)などのIII-V化合物半導体を形
成した半導体基板とその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】Ga
AsやInPなどの化合物半導体基板は、機械的に脆
く、取り扱いが難しい。また、良質で大面積の結晶基板
が得られにくいなどの問題がある。その問題を解決する
ために、安価で、大面積で、高強度のSi基板上にGa
Asなどの化合物半導体を結晶成長させる方法が提案さ
れている。
AsやInPなどの化合物半導体基板は、機械的に脆
く、取り扱いが難しい。また、良質で大面積の結晶基板
が得られにくいなどの問題がある。その問題を解決する
ために、安価で、大面積で、高強度のSi基板上にGa
Asなどの化合物半導体を結晶成長させる方法が提案さ
れている。
【0003】しかしながら、Si基板上にGaAsなど
の化合物半導体を結晶成長させる際に結晶の欠陥密度が
1×109 個cm-2以上になり、この結晶欠陥が電子散
乱の原因となって化合物半導体の電子移動度の低下が起
こるという問題が生じる。この問題はSiとGaAsな
どの化合物半導体との格子定数差および熱膨張係数差に
起因している。
の化合物半導体を結晶成長させる際に結晶の欠陥密度が
1×109 個cm-2以上になり、この結晶欠陥が電子散
乱の原因となって化合物半導体の電子移動度の低下が起
こるという問題が生じる。この問題はSiとGaAsな
どの化合物半導体との格子定数差および熱膨張係数差に
起因している。
【0004】転位密度の低減として、SiとGaAsな
どの化合物半導体との格子定数差および熱膨張係数差に
よる応力および結晶欠陥を吸収するために、低温成長層
を挿入する2段階成長法によりヘテロエピタキシャル膜
(結晶欠陥密度1×108 個cm-2程度)を形成し、そ
の後350℃と700℃の熱サイクルアニール法によ
り、結晶欠陥密度を1×106 個cm-2程度まで低減さ
せることができる。
どの化合物半導体との格子定数差および熱膨張係数差に
よる応力および結晶欠陥を吸収するために、低温成長層
を挿入する2段階成長法によりヘテロエピタキシャル膜
(結晶欠陥密度1×108 個cm-2程度)を形成し、そ
の後350℃と700℃の熱サイクルアニール法によ
り、結晶欠陥密度を1×106 個cm-2程度まで低減さ
せることができる。
【0005】しかしながら、この従来の結晶成長技術の
目的は、Si基板上の化合物半導体の転位密度の低減を
図ることであり、例えば高性能FET用またはそれらを
集積したIC用基板として用いる場合、絶縁性などが必
ずしも十分ではない。
目的は、Si基板上の化合物半導体の転位密度の低減を
図ることであり、例えば高性能FET用またはそれらを
集積したIC用基板として用いる場合、絶縁性などが必
ずしも十分ではない。
【0006】また、Si基板上にGaAsなどの化合物
半導体を結晶成長させる際に、Si基板からSiがヘテ
ロエピタキシャル界面からGaAs中へ2μmの深さで
オートドーピングし、また逆にGaAsのAsがヘテロ
エピタキシャル界面からSi基板中へオートドーピング
する。AsおよびSiは各々SiおよびGaAs半導体
のn型不純物であるため、界面において導電層が形成さ
れる。
半導体を結晶成長させる際に、Si基板からSiがヘテ
ロエピタキシャル界面からGaAs中へ2μmの深さで
オートドーピングし、また逆にGaAsのAsがヘテロ
エピタキシャル界面からSi基板中へオートドーピング
する。AsおよびSiは各々SiおよびGaAs半導体
のn型不純物であるため、界面において導電層が形成さ
れる。
【0007】また、Si基板自身比抵抗が1×103 Ω
cm以下であり、絶縁性が小さい。したがって、この導
電層により高抵抗のバッファ層が形成できず、高周波デ
バイスや発光素子をSi基板上に形成する際に、リーク
電流の発生、ピンチオフ特性の低下、ドレインコンダク
タンスの増加により素子の動作不良、消費電力の増加、
遅延時間の増加などを起こし、素子の性能低下を引き起
こす。
cm以下であり、絶縁性が小さい。したがって、この導
電層により高抵抗のバッファ層が形成できず、高周波デ
バイスや発光素子をSi基板上に形成する際に、リーク
電流の発生、ピンチオフ特性の低下、ドレインコンダク
タンスの増加により素子の動作不良、消費電力の増加、
遅延時間の増加などを起こし、素子の性能低下を引き起
こす。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑み、Si基板の
絶縁特性の悪さおよびヘテロエピタキシャル界面におけ
る導電層の影響による半導体装置の性能の低下を図り、
Si基板上に良好な特性を有する化合物半導体を形成し
た化合物半導体基板を提供することを目的とする。
絶縁特性の悪さおよびヘテロエピタキシャル界面におけ
る導電層の影響による半導体装置の性能の低下を図り、
Si基板上に良好な特性を有する化合物半導体を形成し
た化合物半導体基板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明では、Si基板上に化合物半導
体から成る下部バッファ層と上部バッファ層を積層して
形成した化合物半導体基板において、前記下部バッファ
層と上部バッファ層との間に、この上部バッファ層より
もエネルギーギャップの広い化合物半導体層を形成し
た。
に、請求項1に係る発明では、Si基板上に化合物半導
体から成る下部バッファ層と上部バッファ層を積層して
形成した化合物半導体基板において、前記下部バッファ
層と上部バッファ層との間に、この上部バッファ層より
もエネルギーギャップの広い化合物半導体層を形成し
た。
【0010】上記化合物半導体基板では、前記エネルギ
ーギャップの広い化合物半導体層がAlx Ga1-x As
であり、そのAl濃度xがx≧0.6であることが望ま
しい。
ーギャップの広い化合物半導体層がAlx Ga1-x As
であり、そのAl濃度xがx≧0.6であることが望ま
しい。
【0011】また、請求項3に係る化合物半導体基板の
製造方法では、Si基板をアルシン雰囲気中で熱処理す
る工程と、前記Si基板上に下部バッファ層の初期膜を
形成する工程と、この下部バッファ層の初期膜上に下部
バッファ層を形成する工程と、この下部バッファ層を熱
サイクルアニールする工程と、この下部バッファ層上に
上部バッファ層を形成する工程を含んで成る化合物半導
体基板の形成方法において、前記下部バッファ層と上部
バッファ層との間にこの上部バッファ層よりもエネルギ
ーギャップの広い化合物半導体層を形成する
製造方法では、Si基板をアルシン雰囲気中で熱処理す
る工程と、前記Si基板上に下部バッファ層の初期膜を
形成する工程と、この下部バッファ層の初期膜上に下部
バッファ層を形成する工程と、この下部バッファ層を熱
サイクルアニールする工程と、この下部バッファ層上に
上部バッファ層を形成する工程を含んで成る化合物半導
体基板の形成方法において、前記下部バッファ層と上部
バッファ層との間にこの上部バッファ層よりもエネルギ
ーギャップの広い化合物半導体層を形成する
【0012】
【作用】エネルギーギャップの広い化合物半導体層とバ
ッファ層とのエネルギーギャップ差を利用することによ
って、Si基板と目的の化合物半導体層の電気的絶縁、
すなわちリーク電流の発生を防ぐことができる。
ッファ層とのエネルギーギャップ差を利用することによ
って、Si基板と目的の化合物半導体層の電気的絶縁、
すなわちリーク電流の発生を防ぐことができる。
【0013】また、バッファ層よりもエネルギーギャッ
プの広い化合物半導体層の形成前に熱サイクルアニール
を行なうことによって、転位密度を低減させ、結晶性が
良好なバッファ層を形成できる。
プの広い化合物半導体層の形成前に熱サイクルアニール
を行なうことによって、転位密度を低減させ、結晶性が
良好なバッファ層を形成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、各請求項に係る発明の実施
形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る化合物半導
体基板の一実施形態を示す断面図であり、1はSi基
板、2、3は下部バッファ層、4はエネルギーギャップ
の広い化合物半導体層、5は上部バッファ層である。
形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る化合物半導
体基板の一実施形態を示す断面図であり、1はSi基
板、2、3は下部バッファ層、4はエネルギーギャップ
の広い化合物半導体層、5は上部バッファ層である。
【0015】Si基板1としては、FZ法などで形成さ
れた抵抗率が2000〜6000Ω・cm程度のもの
で、(100)面を(110)面側に2°程度オフさせ
た基板などが用いられる。
れた抵抗率が2000〜6000Ω・cm程度のもの
で、(100)面を(110)面側に2°程度オフさせ
た基板などが用いられる。
【0016】このSi基板1をMOCVD装置内などに
搬入して、アルシン雰囲気で800℃以上の温度で熱処
理をする。Si基板1上の自然酸化膜を除去するためで
ある。また、MOCVD装置内の内壁に付着したAs化
合物の分解を抑制し、基板1上に再現性よく化合物半導
体を形成するために、アルシン雰囲気で行なう。
搬入して、アルシン雰囲気で800℃以上の温度で熱処
理をする。Si基板1上の自然酸化膜を除去するためで
ある。また、MOCVD装置内の内壁に付着したAs化
合物の分解を抑制し、基板1上に再現性よく化合物半導
体を形成するために、アルシン雰囲気で行なう。
【0017】下部バッファ層の初期膜2はGaAsなど
から成り、MOCVD法やMBE法などで形成される。
例えば基板温度330℃〜400℃で下部バッファ層の
初期膜2を0.01〜0.04μm成長する。
から成り、MOCVD法やMBE法などで形成される。
例えば基板温度330℃〜400℃で下部バッファ層の
初期膜2を0.01〜0.04μm成長する。
【0018】成長圧力を50Torr程度に設定して、
V族ガスとIII 族ガスの比をV/III =21.5程度に
設定して行なう。また、この下部バッファ層の初期膜2
はGaAs以外にAlGaAsなどを用いてもよい。な
お、基板温度が330℃〜400℃の範囲外の場合、お
よび膜厚が0.01〜0.04μmの範囲外の場合、鏡
面を有する下部バッファ層3を得にくい。
V族ガスとIII 族ガスの比をV/III =21.5程度に
設定して行なう。また、この下部バッファ層の初期膜2
はGaAs以外にAlGaAsなどを用いてもよい。な
お、基板温度が330℃〜400℃の範囲外の場合、お
よび膜厚が0.01〜0.04μmの範囲外の場合、鏡
面を有する下部バッファ層3を得にくい。
【0019】次に、アルシン雰囲気で600〜750℃
に昇温して、基板温度550〜700℃で下部バッファ
層3を1〜2μm成長させる。
に昇温して、基板温度550〜700℃で下部バッファ
層3を1〜2μm成長させる。
【0020】この下部バッファ層3もGaAs以外にA
lGaAsなどを用いてもよい。また、成長圧力を50
Torr程度に設定して、V族ガスとIII 族ガスの比を
V/III =43程度に設定して行なう。なお、基板温度
が600℃〜750℃の範囲外の場合、鏡面を有する下
部バッファ層3を得にくい。また、ヘテロエピタキシャ
ル成長においては、転位は界面において最も多いが、膜
厚1μmでその転位密度は6×107 個cm-2まで低減
する。したがって、この下部バッファ層3の膜厚は1μ
m程度必要である。また、エピタキシャル成長する総膜
厚が4μm以上になると、クラックが発生するため、バ
ッファ層より上層にデバイス層などを形成するには、こ
の下部バッファ層3の膜厚を2μm程度まで成長するこ
とが望ましい。
lGaAsなどを用いてもよい。また、成長圧力を50
Torr程度に設定して、V族ガスとIII 族ガスの比を
V/III =43程度に設定して行なう。なお、基板温度
が600℃〜750℃の範囲外の場合、鏡面を有する下
部バッファ層3を得にくい。また、ヘテロエピタキシャ
ル成長においては、転位は界面において最も多いが、膜
厚1μmでその転位密度は6×107 個cm-2まで低減
する。したがって、この下部バッファ層3の膜厚は1μ
m程度必要である。また、エピタキシャル成長する総膜
厚が4μm以上になると、クラックが発生するため、バ
ッファ層より上層にデバイス層などを形成するには、こ
の下部バッファ層3の膜厚を2μm程度まで成長するこ
とが望ましい。
【0021】次に、下部バッファ層3を形成したSi基
板1を熱サイクルアニールする。このアニールは300
℃と800℃程度の温度に上下させることで行なう。転
位密度をより低減させるためには、350℃と750℃
の温度幅で行なうことが望ましい。また、熱サイクルア
ニールの回数は、1回行なうだけでも効果はあるが、4
回以上行なっても転位密度の低減の効果はほとんどな
い。さらに、この熱サイクルアニールはエネルギーギャ
ップの広い化合物半導体層4を形成した後に行なっても
よいが、この化合物半導体層4を形成する前に行なう方
が転位密度低減の効果はある。
板1を熱サイクルアニールする。このアニールは300
℃と800℃程度の温度に上下させることで行なう。転
位密度をより低減させるためには、350℃と750℃
の温度幅で行なうことが望ましい。また、熱サイクルア
ニールの回数は、1回行なうだけでも効果はあるが、4
回以上行なっても転位密度の低減の効果はほとんどな
い。さらに、この熱サイクルアニールはエネルギーギャ
ップの広い化合物半導体層4を形成した後に行なっても
よいが、この化合物半導体層4を形成する前に行なう方
が転位密度低減の効果はある。
【0022】次に、下部バッファ層3上に、後述する上
部バッファ層5よりもエネルギーギャップの広い化合物
半導体層4を形成する。この上部バッファ層5よりもエ
ネルギーギャップの広い化合物半導体層4は、例えばA
lx Ga1-x As(0.6≦x)などで構成され、基板
温度550〜750℃で、0.05〜1μm程度の厚み
に形成される。
部バッファ層5よりもエネルギーギャップの広い化合物
半導体層4を形成する。この上部バッファ層5よりもエ
ネルギーギャップの広い化合物半導体層4は、例えばA
lx Ga1-x As(0.6≦x)などで構成され、基板
温度550〜750℃で、0.05〜1μm程度の厚み
に形成される。
【0023】例えば上部バッファ層5をGaAsで形成
し、このエネルギーギャップの広い化合物半導体層4を
AlAsで形成した場合、そのエネルギーギャップはA
lAs層の方がΔEc=0.28eV程度広くなる。な
お、この化合物半導体層4は、成長圧力を50Torr
程度に設定して、V族ガスとIII 族ガスの比をV/III
=43程度に設定して行なう。その場合、基板温度が5
50〜750℃の範囲外であれば、AlAs膜をエピタ
キシャル成長しにくく、また膜厚が0.05〜1μmの
範囲外であれば、転位密度の低減が阻害されたり、表面
モホロジーが粗くなったりする。
し、このエネルギーギャップの広い化合物半導体層4を
AlAsで形成した場合、そのエネルギーギャップはA
lAs層の方がΔEc=0.28eV程度広くなる。な
お、この化合物半導体層4は、成長圧力を50Torr
程度に設定して、V族ガスとIII 族ガスの比をV/III
=43程度に設定して行なう。その場合、基板温度が5
50〜750℃の範囲外であれば、AlAs膜をエピタ
キシャル成長しにくく、また膜厚が0.05〜1μmの
範囲外であれば、転位密度の低減が阻害されたり、表面
モホロジーが粗くなったりする。
【0024】化合物半導体層4上には、上部バッファ層
5が形成される。この上部バッファ層5は、0.1〜1
μmの厚みに形成される。この上部バッファ層5は、例
えば化合物半導体層4よりもAl組成の小さいAlGa
As、InGaAs、GaAsで形成してもよい。この
上部バッファ層5は、成長圧力を50Torr程度に設
定して、V族ガスとIII 族ガスの比をV/III =38程
度に設定して、550〜750℃程度の温度で成長させ
る。
5が形成される。この上部バッファ層5は、0.1〜1
μmの厚みに形成される。この上部バッファ層5は、例
えば化合物半導体層4よりもAl組成の小さいAlGa
As、InGaAs、GaAsで形成してもよい。この
上部バッファ層5は、成長圧力を50Torr程度に設
定して、V族ガスとIII 族ガスの比をV/III =38程
度に設定して、550〜750℃程度の温度で成長させ
る。
【0025】その後、この上部バッファ層5上に、目的
とする構造の半導体層と半導体装置が形成される。この
目的とする半導体層としては、例えばMESFET(Me
talSemiconductor Field Effect Transistor )の半導
体層を形成する場合は、膜厚が200nm程度でキャリ
ア密度が1.5×1017atoms・cm-3のn−Ga
Asと、膜厚が200nm程度でキャリア密度が1.5
×1018atoms・cm-3のn+ −GaAsの組み合
わせなどがある。
とする構造の半導体層と半導体装置が形成される。この
目的とする半導体層としては、例えばMESFET(Me
talSemiconductor Field Effect Transistor )の半導
体層を形成する場合は、膜厚が200nm程度でキャリ
ア密度が1.5×1017atoms・cm-3のn−Ga
Asと、膜厚が200nm程度でキャリア密度が1.5
×1018atoms・cm-3のn+ −GaAsの組み合
わせなどがある。
【0026】上述の化合物半導体基板は、高周波半導体
装置のMESFET、HEMT(High Electron Mobili
ty Transistor )、HBT(Heterostructure Bipolar
Transistor)などや発光装置のLED(Light Emitted
Diode )、LD(Laser Diode )などや高効率太陽電池
として用いることができる。
装置のMESFET、HEMT(High Electron Mobili
ty Transistor )、HBT(Heterostructure Bipolar
Transistor)などや発光装置のLED(Light Emitted
Diode )、LD(Laser Diode )などや高効率太陽電池
として用いることができる。
【0027】
【実施例】−実施例1− (100)を(110)面側へ2°オフしたSi基板1
上に、MOCVD法の2段階成長法を用いて、基板温度
330℃〜400℃でGaAsから成る下部バッファ層
の初期膜2を0.01〜0.04μm成長後、アルシン
雰囲気で600〜750℃に昇温して、基板温度550
〜700℃でGaAsから成る下部バッファ層3を1〜
2μm成長した。次に、高抵抗のGaAsバッファ層を
得るために、2段階成長法により形成した下部バッファ
層3上に、GaAsから成る上部バッファ層5よりもエ
ネルギーギャップの広いAlAs層4を基板温度550
〜750℃で0.05〜1μm成長させた後、GaAs
から成る上部バッファ層5を0.1〜1μm成長した。
上に、MOCVD法の2段階成長法を用いて、基板温度
330℃〜400℃でGaAsから成る下部バッファ層
の初期膜2を0.01〜0.04μm成長後、アルシン
雰囲気で600〜750℃に昇温して、基板温度550
〜700℃でGaAsから成る下部バッファ層3を1〜
2μm成長した。次に、高抵抗のGaAsバッファ層を
得るために、2段階成長法により形成した下部バッファ
層3上に、GaAsから成る上部バッファ層5よりもエ
ネルギーギャップの広いAlAs層4を基板温度550
〜750℃で0.05〜1μm成長させた後、GaAs
から成る上部バッファ層5を0.1〜1μm成長した。
【0028】このときの上部バッファ層5は、リーク電
流が1×10-10 A以下という結果が得られ、良好な絶
縁性を有していることがわかった。
流が1×10-10 A以下という結果が得られ、良好な絶
縁性を有していることがわかった。
【0029】しかしながら、このGaAsから成る上部
バッファ層5の転位密度は8×l07 個cm-2であるた
め、電子移動度は2000cm2 /Vs以下まで低下し
ていた。
バッファ層5の転位密度は8×l07 個cm-2であるた
め、電子移動度は2000cm2 /Vs以下まで低下し
ていた。
【0030】−実施例2− 次に、GaAsから成る上部バッファ層5の転位密度を
低減するために、AlAs層4を成長した後に350℃
と750℃の熱サイクルアニール11を4回行い、次に
GaAsから成る上部バッファ層5を0.1〜1μm成
長した。
低減するために、AlAs層4を成長した後に350℃
と750℃の熱サイクルアニール11を4回行い、次に
GaAsから成る上部バッファ層5を0.1〜1μm成
長した。
【0031】このときのGaAsから成る上部バッファ
層5は、リーク電流が1×10-10A以下という結果が
得られ、良好な絶縁性を有していることがわかった。こ
のGaAsバッファ層5の電子移動度は5000cm2
/Vs程度まで向上することができた。
層5は、リーク電流が1×10-10A以下という結果が
得られ、良好な絶縁性を有していることがわかった。こ
のGaAsバッファ層5の電子移動度は5000cm2
/Vs程度まで向上することができた。
【0032】−実施例3− さらに、GaAsから成る下部バッファ層3を成長した
後に、350℃と750℃の熱サイクルアニール16を
4回行い、その後、AlAs層4を成長し、次にGaA
sから成る上部バッファ層5を0.1〜1μm成長し
た。
後に、350℃と750℃の熱サイクルアニール16を
4回行い、その後、AlAs層4を成長し、次にGaA
sから成る上部バッファ層5を0.1〜1μm成長し
た。
【0033】このときのGaAsから成る上部バッファ
層5は、リーク電流が1×10-10A以下であり、電子
移動度は6000cm2 /Vs程度まで向上することが
できた。
層5は、リーク電流が1×10-10A以下であり、電子
移動度は6000cm2 /Vs程度まで向上することが
できた。
【0034】図2に示すように、実施例2のGaAsか
ら成る上部バッファ層5と実施例3のGaAsから成る
上部バッファ層5のフォトルミネッセンスの比較から
も、実施例2よりも実施例3の方がGaAsから成る上
部バッファ層5のフォトルミネッセンスが強いことか
ら、実施例3のGaAsから成る上部バッファ層5の結
晶性がよいことがわかる。
ら成る上部バッファ層5と実施例3のGaAsから成る
上部バッファ層5のフォトルミネッセンスの比較から
も、実施例2よりも実施例3の方がGaAsから成る上
部バッファ層5のフォトルミネッセンスが強いことか
ら、実施例3のGaAsから成る上部バッファ層5の結
晶性がよいことがわかる。
【0035】ここで、実施例3のバッファ層に形成した
100μm×100μm電極間のリーク電流のAlx G
a1-x As層のAl組成x依存性を図3に示す。Al組
成xが0.6以上になると、リーク電流の発生を大きく
抑制できる。
100μm×100μm電極間のリーク電流のAlx G
a1-x As層のAl組成x依存性を図3に示す。Al組
成xが0.6以上になると、リーク電流の発生を大きく
抑制できる。
【0036】−比較例− Si基板の(100)面上に、MOCVD法の2段階成
長法を用いて、基板温度330℃〜400℃で低温Ga
As層を0.01〜0.04μm成長後、アルシン雰囲
気で600〜750℃に昇温して、基板温度550〜7
00℃で高温GaAsを1〜2μm成長した。
長法を用いて、基板温度330℃〜400℃で低温Ga
As層を0.01〜0.04μm成長後、アルシン雰囲
気で600〜750℃に昇温して、基板温度550〜7
00℃で高温GaAsを1〜2μm成長した。
【0037】このとき高温GaAs層の転位密度は1×
108 個cm-2で、キャリヤ密度は1×1018個cm-3
以上であり、基板とGaAsの界面の導電層へのリーク
電流の発生(1×10-6A以上)が起きていた。
108 個cm-2で、キャリヤ密度は1×1018個cm-3
以上であり、基板とGaAsの界面の導電層へのリーク
電流の発生(1×10-6A以上)が起きていた。
【0038】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によ
れば、下部バッファ層と上部バッファ層との間に、この
上部バッファ層よりもエネルギーギャップの広い化合物
半導体層を形成したことから、Si基板上にリーク電流
が1×10-10 A以下、電子移動度が6000cm2 /
Vsの化合物半導体を成長でき、低コストで大面積のS
i基板上に化合物半導体を形成でき、高周波半導体装
置、発光装置および高効率太陽電池の低コスト化を図る
ことができる。
れば、下部バッファ層と上部バッファ層との間に、この
上部バッファ層よりもエネルギーギャップの広い化合物
半導体層を形成したことから、Si基板上にリーク電流
が1×10-10 A以下、電子移動度が6000cm2 /
Vsの化合物半導体を成長でき、低コストで大面積のS
i基板上に化合物半導体を形成でき、高周波半導体装
置、発光装置および高効率太陽電池の低コスト化を図る
ことができる。
【0039】また、請求項3に係る発明によれば、下部
バッファ層を形成して熱サイクルアニールを行なった後
に上部バッファ層よりもエネルギーギャップの広い化合
物半導体層を形成することから、Si基板上にリーク電
流が1×10-10 A以下、電子移動度が6000cm2
/Vsの化合物半導体を成長でき、低コストで大面積の
Si基板上に化合物半導体を形成でき、高周波半導体装
置、発光装置および高効率太陽電池の低コスト化を図る
ことができる。
バッファ層を形成して熱サイクルアニールを行なった後
に上部バッファ層よりもエネルギーギャップの広い化合
物半導体層を形成することから、Si基板上にリーク電
流が1×10-10 A以下、電子移動度が6000cm2
/Vsの化合物半導体を成長でき、低コストで大面積の
Si基板上に化合物半導体を形成でき、高周波半導体装
置、発光装置および高効率太陽電池の低コスト化を図る
ことができる。
【図1】請求項1に係る化合物半導体基板の一実施形態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】実施例2および実施例3のバッファ層の77K
のフォトルミネッセンスである。
のフォトルミネッセンスである。
【図3】電極間のリーク電流のAlx Ga1-x As層の
Al組成x依存性を示す図である。
Al組成x依存性を示す図である。
1‥‥‥Si基板、2‥‥‥下部バッファ層の初期膜、
3‥‥‥下部バッファ層、4‥‥‥バンドギャップの広
い層、5‥‥‥上部バッファ層
3‥‥‥下部バッファ層、4‥‥‥バンドギャップの広
い層、5‥‥‥上部バッファ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BA04 BE46 DB01 ED06 EE03 EF03 5F045 AA04 AB09 AB10 AC01 AD07 AD08 AD09 AD10 AD11 AE23 AF03 BB08 BB16 CA02 CA06 CA10 CA13 DA53 DA63 HA06 HA16
Claims (3)
- 【請求項1】 Si基板上に化合物半導体から成る下部
バッファ層と上部バッファ層を積層して形成した化合物
半導体基板において、前記下部バッファ層と上部バッフ
ァ層との間に、この上部バッファ層よりもエネルギーギ
ャップの広い化合物半導体層を形成したことを特徴とす
る化合物半導体基板。 - 【請求項2】 前記エネルギーギャップの広い化合物半
導体層がAlx Ga1-x Asであり、そのAl組成xが
x≧0.6であることを特徴とする請求項1に記載の化
合物半導体基板。 - 【請求項3】 Si基板をアルシン雰囲気中で熱処理す
る工程と、前記Si基板上に下部バッファ層の初期膜を
形成する工程と、この下部バッファ層の初期膜上に下部
バッファ層を形成する工程と、この下部バッファ層を熱
サイクルアニールする工程と、この下部バッファ層上に
上部バッファ層を形成する工程を含んで成る化合物半導
体基板の形成方法において、前記下部バッファ層と上部
バッファ層との間にこの上部バッファ層よりもエネルギ
ーギャップの広い化合物半導体層を形成することを特徴
とする化合物半導体基板の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33812598A JP2000164515A (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 化合物半導体基板およびその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33812598A JP2000164515A (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 化合物半導体基板およびその形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000164515A true JP2000164515A (ja) | 2000-06-16 |
Family
ID=18315159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33812598A Pending JP2000164515A (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 化合物半導体基板およびその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000164515A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002261029A (ja) * | 2001-03-02 | 2002-09-13 | Sumitomo Electric Ind Ltd | エピウエハの成長方法及び成長装置 |
JP2015512139A (ja) * | 2012-01-13 | 2015-04-23 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated | 基板上に第iii−v族層を堆積させる方法 |
-
1998
- 1998-11-27 JP JP33812598A patent/JP2000164515A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002261029A (ja) * | 2001-03-02 | 2002-09-13 | Sumitomo Electric Ind Ltd | エピウエハの成長方法及び成長装置 |
JP4605331B2 (ja) * | 2001-03-02 | 2011-01-05 | 住友電気工業株式会社 | エピウエハの成長方法及び成長装置 |
JP2015512139A (ja) * | 2012-01-13 | 2015-04-23 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated | 基板上に第iii−v族層を堆積させる方法 |
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